Technique of Futures Trading Risk & Money Management

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サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

2017年上半期の為替相場展望

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人民元週間レポート 2017 年 6 月 16 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

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平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

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「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入

金融政策決定会合における主な意見

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

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1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

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短期均衡(2) IS-LMモデル

Economic Indicators_  定例経済指標レポート

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

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マイナス金利付き量的 質 的金融緩和と日本経済 内閣府経済社会総合研究所主任研究員 京都大学経済学研究科特任准教授 敦賀貴之 この講演に含まれる内容や意見は講演者個人のものであり 内閣府の見解を表すものではありません

人民元週間レポート 2019 年 3 月 29 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

経済・物価情勢の展望(2017年10月)

資料1

○ユーロ

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

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ファンダの鬼・柳澤 浩と小杉 篤諭の「ファンダメンタルズの学び方、活かし方セミナー!」

経済・物価情勢の展望(2016年10月)

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年 7 月 21 日 団体年金事業部 ECB 理事会レビュー : 総裁の夏休みの宿題 ~ 秋にテーパリング決定へ ~ 当社のシンクタンク 株式会社第一生命経済研究所の田中主席エコノミストによる EC B 理事会レビュー : 総裁の夏休みの宿題 ~ 秋にテーパリング決定へ~

平成23年11月1日

2013 年 8 月 19 日号

2012 年 10 月 15 日号

グローバル・マクロ・ウォッチ

マネーマーケットマンスリー 2018年3月

マネーマーケットマンスリー

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

39_3

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

グローバル・マクロ・ウォッチ

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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2014 年 2 月 2 月 5 日ロックハート アトランタ連銀総裁 経済データの内容は強弱まちまちだが 一般には 2014 年に関して前向きな見方が強まっている それには妥当な理由があると考えられる 講演で 月 6 日ドラギ ECB 総裁 今日 行動しないことを決めた理由は実のとこ

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【16】ゼロからわかる「世界経済の動き」_1704.indd

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今月の経済金融情勢2018年11月30日号

GFT FX/CFDモーニング・コメント*9日の市場展望*

米労働市場は直近の回復基調に変化なし ~FRB出口政策への影響は限定的~

現実の金融政策 2016 年 1 月より政策委員 9 名 ( 総裁 副総裁を含む ) 年 8 回 ( 通常 1 月 4 月 7 月 10 月 ) ただし実施月は2 回ずつ 金融政策決定会合 金融政策を具体的にどのように運営していくのか 金融政策の方針を決定 ( 金融市場調節方針 ) 本来 金利ターゲ

わが国の経済・物価情勢と金融政策

オーバルネクスト ETF 情報 2010 年 2 月 15 日号 ( 株 ) オーバルネクスト 東京都中央区日本橋兜町 13-2 TEL 03(5641)5777

FOMC:ジョージ総裁が反対も政策変更なし

IMM 通貨先物のポジション動向 (2014 年 11 月 11 日時点 ) 米ドル買いポジションは 3 週間ぶりに縮小 2014 年 11 月 17 日 米商品先物取引委員会 (CFTC) が発表した IMM 通貨先物 1 によると 投機筋 (Non Commercial 非商業部門 ) による主

当面の金融政策運営について(「量的・質的金融緩和」を補完するための諸措置の導入、12時50分公表)

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Microsoft PowerPoint - CSIS 【三井住友銀行】 FOMC後のスペシャルレポート(USHY).pptx

NZD NZDANZActivityOutlook 01:00 21: NZD ニュージーランド NBNZビジネス信頼感指数 01:00 21: AUD オーストラリア HIA 新規住宅販売件数 (MoM) 01:00 21:00 0.6% AUD オーストラリア民間事業

3. 資産購入プログラムの円滑な実施に向けた選択肢が検討されることに上述の通りECBの景気 物価見通しがほぼ変わらない中 記者会見においてドラギ総裁は 実施期間の延長や購入規模の拡大などは議論していない ことを明かした 理事会の前には 9 月理事会で資産購入プログラムの実施期間が延長されると予想する

オンラインセミナー 柳澤浩 & 高野やすのりの 雇用統計直前セミナー ( 第 8 回平成 26 年 11 月 5 日 ) 1

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

経済見通し

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参考資料いちよし証券投資情報部 2019 年 10 月 7 日 極端な悲観相場の修正へ 業績の下方修正リスクも織り込み 日米経済指標に注目 最終ページに お客様にご確認いただきたい重要な注意事項を記載しております 必ずご確認ください

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

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エコノミスト便り【欧州経済】ユーロ圏はどのように財政を再建したか

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経済金融・情勢資料  15年7月 

Invesco Australian Bond Fund (Monthly)

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第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

円 N 先週のメキシコペソ相場今週の見通し 12 月 17 日 - 12 月 21 日取引レンジ 5.53 円 円想定レンジ 5.50 円 円 対円レートは強含み 大幅な歳出拡大計画の発表が期待されており 歳出拡大による景気浮揚への期待が高まったことから 投機的なペソ売り

平成30年度第1四半期における運用状況等

2015 年 3 月 9 日 対外 対内証券投資の動向 (2015 年 2 月分 ) 投資信託委託会社等による対外証券投資が大幅増加 財務省の 対外及び対内証券売買契約等の状況 ( 指定報告機関ベース ) によると 2 月の対外証券投資は +2 兆 6,754 億円の取得超となり 前月の +2 兆

GFT FX/CFDモーニング・コメント*9日の市場展望*

Technique of Futures Trading Risk & Money Management

経済学でわかる金融・証券市場の話③

現代資本主義論

グローバル株式市場を俯瞰する~2015年8月末データで見る市場動向~

目 次 1. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) における運用環境について 2. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) のポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 被保険者ポート

金融テーマ解説


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Outlook201806

目次 1. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) における運用環境について 2. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) におけるポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 用語の説明 頁 1

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短

Transcription:

シリーズ ストラテジストの視点 2014 年 春の陣 マーケットの現代史をどう攻略するか 1 つ 1 つのニュースのつながりからその次を読み解く!! ~Techno-fundamental Approach~ 次なる市場テーマと注目点 Contents: 2014 年 春の陣 (1) 現状分析 : 値動きの背後にあるストーリーを探る (2) 重要イベントと市場へのインプリケーション イエレン FRB 議長 正常化に向けた二正面作戦 黒田日銀総裁 消費増税後に迫られる重要判断 ドラギ ECB 総裁 ディスインフレとの闘い続く (3) 波動 と 時間 で相場トレンドと転換点を読む 日時 : 2014 年 3 月 19 日 ( 水 ) 20:00~21:30 主催 : 株式会社 FX プライム by GMO 講師 : フォレックス ウォッチ森好治郎

14 年 2 月は悪材料の中で リスクオン が進行 世界の主要株価指数は新興国株を筆頭にほぼ全面高の展開に 米ドルは独歩安 円は米ドルを除く主要通貨に対して全面安に イエレンプット と 黒田プット 緩和頼みのリスクオンが継続 6.0 % 4.0 4.98 4.31 世界の主要株価指数 月間騰落率 < 終値ベース 2014/01/31 02/28> 3.97 3.76 4.60 4.14 5.82 1.0 % 0.0-1.0-0.21 ドルの対主要通貨相場 月間騰落率 2014/01/31 02/28-0.67 2.0 株高 -2.0 ドル高 -2.37-1.87-2.09 0.0-0.49-3.0 ドル安 ドル安 -2.93-3.75-2.0 ( 米 ) NASDAQ ( 米 ) S&P500 ( 米 ) NY ダウ ( 加 ) トロント 300 ( 英 ) FTSE100 ( 独 ) DAX ( 仏 ) CAC40 ( 日 ) 日経 225-4.0 JPY EUR GBP CHF AUD CAD NZD 7.5 % 6.75 ドルインデックスと主要国際商品 ( 指数 ) 月間騰落率 終値ベース 2014/01/31 02/28 6.60 1.0 % 0.0 0.21 円の対主要通貨相場 月間騰落率 2014/01/31 02/28-0.36 5.0 5.38 5.23 2.5 3.99 商品高 -1.0-2.0-2.01-1.58-1.78 円高 -2.67 0.0-2.5-2.07 ICE ドルインデックス CRB インデックス S&P GSCI 商品指数 J ロジャーズ国際商品指数 NYMEX 原油 COMEX 金 -0.30 COMEX 銅 -3.0-4.0 円安 円安 -3.43 USD EUR GBP CHF AUD CAD NZD

14 年 3 月はどうか? 値動きの背後にあるストーリーを探る 3 月 2 週はウクライナ情勢の緊迫化を受けてリスクオフに傾斜した 3 月 3 週は週明けから世界の主要株価指数が軒並み大幅に反発 円はクロス取引主導で全面安となるなどリスクオフの巻き戻しが進行 2.5 % 0.0-2.5 0.58 0.69 0.09 世界の主要株価指数 月間騰落率 < 終値ベース 2014/02/28 03/18> 1.12-3.00-2.15-2.90 2.0 % 1.0 0.0-1.0-2.0-0.36 ドル高 -0.93 ドルの対主要通貨相場 月間騰落率 2014/02/28 03/18 0.85-0.69-2.26 0.67-5.0 ( 米 ) NASDAQ ( 米 ) S&P500 ( 米 ) NY ダウ ( 加 ) トロント 300 ( 英 ) FTSE100-4.64 ( 独 ) DAX ( 仏 ) CAC40 ( 日 ) 日経 225-3.0 ドル安 -2.91 JPY EUR GBP CHF AUD CAD NZD 5.0 ドルインデックスと主要国際商品 ( 指数 ) % 月間騰落率 終値ベース 2014/02/28 03/18 2.5 2.83 2.0 % 1.0 円の対主要通貨相場 月間騰落率 2014/02/28 03/18 1.19 0.92 0.0-0.22 0.12-0.76 0.41 0.0 0.36-0.62-0.58-2.5-2.82-1.0 円高 -5.0-2.0-1.97-7.5 ICE ドルインデックス CRB インデックス S&P GSCI 商品指数 J ロジャーズ国際商品指数 NYMEX 原油 COMEX 金 -7.44 COMEX 銅 -3.0-2.61 円安 USD EUR GBP CHF AUD CAD NZD

VIX 指数 ( 別名 恐怖指数 ) ボラティリティ インデックス 12 年夏以降は 20 を上回る局面は一時的で概ね 20 以下で推移した 20 を上回る警戒局面は結果的に押し目買いの好機を提供してきた こうした背景には先進国中銀による未曽有の金融緩和の存在がある リスクオフが強まっても一過性の動きで再びリスクオンに回帰している 48.00 11/08/08 50 45.45 米株式投資家センチメント インディケーター 10/03 VIX 指数 ( 別名 恐怖指数 ) 2011/01/03-2014/03/18 欧州債務危機の再燃イタリア国債利回り上昇 40 Market Volatility Index 21 days moving average データ : CME 30 20 29.40 03/16 24.53 10/28 欧州信用不安の再燃スペイン国債利回り上昇 26.66 06/01 米 財政の崖 量的緩和の早期縮小懸念 22.72 12/28 18.99 02/25 20.49 06/20 米財政協議行き詰まり 20.34 10/08 30 21.44 02/03 悲 楽 観 観 20 10 14.62 11/04/28 20 以下は安全圏の目安 14.26 12/03/26 13.45 12/08/17 11.30 13/03/14-15 11.84 08/05 12.14 01/10 14.72 3 月 18 日 14.52

巨額のマネーが市場を翻弄 FRB の緩和策で世界に出回るドルの量は金融危機前の 3.5 倍に急増 投資主導の成長が実体経済を上回る リスクマネー の再膨張を招く 危機克服のためにばら撒いた緩和マネーの縮小が不均衡を炙り出す 巨額の投資マネーの収縮がボラティリティを伴って リスクオフ を促す ワールドダラー は金融危機前の 2 兆ドル台から 7 兆ドル超へ急増 ワールドダラーは 過剰流動性 を測る指標としても利用される 世界のマーケットに投資マネーがどれだけ出回っているかを示す ドル流通量が高まる局面ではバブルの生成と崩壊が繰り返された 世界の外為市場の取引額は 14 年 1 月で 1 日当たり 5 兆 3 千億ドル 取引額はヘッジファンドや機関投資家の増加で 01 年の 4 倍強に ヘッジファンドはデリバティブ取引 (01 年の約 13 倍 ) で戦線を拡大 脆弱な新興国はマネーの奔流に格段にさらされやすくなっている 13 年 12 月の FOMC は量的緩和の段階的な縮小に着手 量的緩和の縮小が遅れると金融政策全体が市場の後追い型になる 最悪の事態は制御不能な米長期金利の急騰が金融危機を招くこと イエレン FRB 新議長のミッションは未曽有の金融緩和の幕引きとなる 14 年 2 月の G20 共同声明は 5 年で 2% の成長底上げ を明記 金融緩和に頼った成長拡大に限界があることを認めたことを示す 各国が成長促進の具体策に着手すればリスクの未然防止策となる

米国株 (S&P500) は 強気相場 6 年目に突入 米株式市場全体のベンチマークとなる S&P500 は最高値を更新中 リーマンショック後の 09 年 3 月 9 日に 12 年ぶり安値 676.53 を示現 FRB による 3 度の量的緩和により過剰流動性相場が形成された 14 年 3 月 7 日には 1878.04 と最高値を更新し安値から 177.6% 上昇 2,000 1,750 1,500 1,250 S&P500 種株価指数 2009/01/02-2014/03/18 FRB 量的緩和 第 1 弾 09 年 3 月 ~09 年 10 月末 1217.28 2010/04/23 FRB 量的緩和 第 2 弾 10 年 11 月 ~11 年 6 月末 1363.61 2011/04/29 FRB 量的緩和 第 3 弾 12 年 9 月 ~ FRB 議長 (05.22) 量的緩和縮小示唆 1419.04 2012/04/02 ECB OMT 2012/09 1278.18 2012/06/04 1669.16 2013/05/21 1573.09 2013/06/24 日銀 異次元緩和 2013/04~ 1878.04 2014/03/07 1741.89 2014/02/03 FRB Tapering 13 年 12 月 ~ 1,000 750 1022.58 2010/07/05 FRB 議長 QE2 示唆 1099.23 2011/10/03 FRB ツイストオペ 11 年 9 月 ~12 年末 2014/03/18 1872.25 500 676.53 2009/03/09 米国株は 14 年 3 月で強気相場が丸 5 年を経過する

FRB 資金循環統計米家計資産 過去最高を更新中 13 年 4Q の家計純資産は前期比 +2 兆 9 千億ト ルの 80 兆 7 千億ト ル 13 年通年では前年比 +13.8% となり 9 兆 8 千億ト ル増加した 株価や住宅価格の上昇が資産全体を押し上げ過去最高を更新中 家計が保有する株式の価値は 2009 年の水準からほぼ倍に拡大 単位 : 兆ト ル 13 年 4Q の FRB 資金循環統計 (14 年 3 月 6 日発表 ) 80 75 米家計部門の純資産残高の推移 ( 資料 : FRB 資金循環統計 ) 米家計の純資産は前期比 2007/4Q-2013/4Q +3.8% の80 兆 6,637 億ト ル ( 資産のうち株式は同 +10.5% 不動産は同 +2.1%) FRB は量的緩和 (QE1~QE3) によって家計のバランスシート改善という大役を果たした 74.1 75.4 77.7 80.7 70 65 67.8 67.2 67.3 69.5 70.9 60 63.4 64.8 55 57.2 58.9 2007 2008 2009 2010 2011 12-1Q 12-2Q 12-3Q 12-4Q 13-1Q 13-2Q 13-3Q 13-4Q

FRB のバランスシート政策 ( 量的緩和 QE1~3) 量的緩和策 (QE) は別名 バランスシート政策 と呼ばれる FRB は銀行から買い入れる資産の対価として大量の資金を供給 13 年 12 月の FOMC で資産購入ペースの段階的な縮小に着手 資産購入が終了しても保有資産を売却しない限り緩和効果は続く 億ト ル 40,000 35,000 FRB のバランスシートの推移 2009/01/07-2014/03/12 FRB は限界的な副作用を警戒 41,380 (2014/03) 30,000 25,000 20,000 FRBのバランスシートの主な内訳 財務省証券 2 兆 2960 億ト ル 政府機関発行 MBS 1 兆 5700 億ト ル 政府機関債 514 億ト ルデータ :FRB 週間統計 (3 月 12 日時点 ) QE2 QE3 (2010/11-2011/06) (2012/09~) 15,000 09/Jan 09/Oct 10/Jul 11/Apr 12/Feb 12/Nov 13/Aug

FRB による テーパリング ( 資産買い入れの段階的縮小 ) 13 年 4 月末の FOMC で 出口政策の再検討 を本格的に開始した バーナンキ前議長が量的緩和縮小の可能性に言及 (5 月 22 日 ) 13 年 12 月の FOMC で資産購入ペースを 減額 させることを決定 毎回 100 億ト ル減額すれば 14 年 12 月に新規購入は ゼロ となる 800 700 600 MBS 億ト ル 米国債 850 450 FRB の 資産購入プログラム (QE3) と テーパリング 850 850 850 450 450 450 決定済 750 400 650 350 550 テーパリング の実施状況 13 年 12 月 850 億ト ル 750 億ト ルへ減額 14 年 1 月 750 億ト ル 650 億ト ルへ減額 1 回でも減額ペースを緩めたり停止すれば市場に誤ったメッセージを発信することになり FOMC ごとにボラティリティを高めてしまう 500 400 300 200 100 0 計 400 400 2012 Sep 400 400 400 400 2012 Dec ~ 2013 Nov 350 2013 Dec 300 2014 Jan 300 250 2014 Mar 450 250 200 2014 Apr 350 200 150 2014 Jun 250 150 100 2014 Jul 150 100 50 2014 Sep 50 50 2014 Oct 0 2014 Dec

FRB のバランスシート政策 ( 量的緩和 QE1~3) FRB は大規模な資産を買い入れ自らのバランスシートを拡大 バランスシートの規模は FRB の金融緩和の度合いを示す 資産購入を停止しても売却しない限り QE の効果とコストは持続 インフロー ( 購入 ) 月額 850 億ト ル 月額 650 億ト ル ストック ( バランスシート ) 3 月 12 日時点 4 兆 1,380 億ト ル アウトフロー ( 償還 売却 ) 現時点でゼロ インフロー (13 年 1 月の FOMC 声明より ) 月額 400 億ト ルの MBS に加えて月額 450 億ト ルの長期国債を追加購入 政府機関債と MBS の元本償還資金を MBS に再投資 償還を迎える財務省証券は入札でロールオーバー (1)NY 連銀 リバースレポ の試験運用を開始 (13 年 9 月 23 日 ~) 正式名称は 固定金利 金額無制限の翌日物リバースレポ 1FRB が保有する財務省証券を買い戻し条件付で銀行などに売却 2 金融システムから一時的に資金 ( 流動性 ) を吸収する 3FRB はインセンティブとして銀行などに翌日物金利を支払う (2) 資産購入のペースを慎重に減速させる (13 年 12 月の FOMC で決定 ) 14 年 1 月は 2 会合連続で月額 100 億ト ルの減額 ( 計 200 億ト ル ) を決定 毎回の会合で 100 億ト ルの減額を決定すると 14 年末に新規購入が終了

FED の未曾有の金融緩和の出口政策 13 年 5 月の FOMC は 出口政策の再検討 を本格的に開始した 13 年 12 月の FOMC で資産購入ペースを 減額 させることを決定 市場の混乱を招かず未曾有の緩和策を出口に導けるかが課題に FED の未曾有の金融緩和の出口政策のイメージ 第 1 段階 資産購入プログラム (QE3) の新規買入れの縮小 停止 月額 850 億ト ル ( 米国債 450 億ト ル MBS400 億ト ル ) の資産購入を減額する 13 年 12 月の FOMC は雇用の累積的改善に鑑み テーパリング を開始 14 年 1 月の FOMC まで 2 会合連続で月額の購入額を 100 億ト ル減額 毎回の FOMC で 100 億ト ル減額する場合は 14 年末に新規購入が終了 第 2 段階 実質的なゼロ金利政策 の解除と金利正常化 現状では主要政策金利である FF レートの誘導目標を 0-0.25% に維持 失業率が 6.5% を下回っても中期インフレ期待が抑制されていれば継続 QE3 終了後も相当の期間は超低金利を維持 (14 年 2 月 イエレン議長 ) 13 年 7 月の FOMC では出口戦略として リバースレポ が検討された ( 金利を正常化する際に超過準備への付利とともに有益な手段となる ) 13 年 12 月 ~ 15 年半ば ~? 第 3 段階 資産購入プログラム の保有資産縮小 ( 流動性吸収 ) 16 年以降? 資産購入が終了したあとも米国債や MBS の償還分を再投資し続ける 利上げ後に米国債や MBS の償還分の再投資を止め保有資産を縮小 市場への直接的な売却を回避するなど混乱を与えない対策を検討中

FRB の二正面作戦 ~ 市場との対話の巧拙が試される ~ 量的緩和の縮小を市場の混乱を招くことなく 14 年末に完結すること 緩和縮小を停止すれば却って不安を煽り市場の混乱を増幅する 同時に低金利政策の時間軸効果によって長期金利の上昇を抑える フォワードガイダンスの信認が低下すると市場の後追いを強いられる FRB による二正面作戦 量的緩和の縮小 と ゼロ金利政策の維持 (1) 昨年 12 月に開始した資産購入 (QE3) の段階的な縮小路線を堅持する We ll continue to do at each meeting a measured reduction. 04 年 6 月の利上げ局面では measured pace というメッセージを発信毎回の FOMC で小幅の利上げを実施し長期金利の急激な上昇を抑えた FOMC が緩和縮小の停止を検討するには見通しの著しい変化が必要 1 労働市場の見通しが著しく悪化する場合 2 インフレ率が目標水準に戻らないとの懸念が生じた場合 (2) 資産購入が終了した後も相当の期間は現在の超低金利政策を維持する 失業率が 6.5% を下回ってもインフレ率が 2% を下回るとの予想の下ではしばらくの間は FF レート誘導目標を現在のレンジで据え置くことが適切 (13 年 12 月の FOMC 声明文で しばらくの間 という文言が追加された ) 1 月の失業率が 6.5% に急接近したためフォワードガイダンスの修正に直面 FRB と市場の約束でもあるガイダンスの頻繁な変更は信頼性を失う ガイダンスをどのように変更して利上げまでの時間軸を強化するのか?

米長期金利の指標となる 10 年債利回り 13 年 5 月からの金利急騰局面 1 では世界的なリスクオフに見舞われた 4 月末の FOMC 声明 と 5.22 バーナンキ発言 が金利急騰を誘発した 13 年 10 月からの金利上昇局面 2 では世界的なリスクオンが促された 量的緩和縮小 と 低金利解除 の切り離しが浸透し金利上昇を抑制 % 3.0 債券価格 下落 米 10 年物国債利回りの推移 2012/07/02-2014/03/18 2.7362 07/05 2.9956 09/05 3.0263 12/31 2.5 2.0 1.5 1.0 2 2.575 2.485 02/03 2012 年 2013 年 2.0611 10/23 2014 年 03/11 1.8695 09/14 米金融政策見通しに敏感な2 年債利回り 1.3908 07/24 上昇 1.5843 11/16 1.6238 05/02 1 105/02 0.1997% 06/25 0.4087% 210/23 0.3070% 12/31 0.3838% 1 では 0.2090% の大幅な上昇 2 では 0.0768% の小幅な上昇 市場が利上げの時期と判断すれば長期金利が上昇し始め 当局は市場の後追いを強いられる FRB による超低金利政策の継続に関するコミットメント ( 時間軸政策 ) が試されることになる

FF レート先物市場 CME フェドウォッチ FF レート先物市場は米金利見通しを示す最強の FED ウォッチャー 金利変動リスクを抱える債券ディーラーによって価格が形成される 13 年は 5 月後半から早期利上げを織り込み市場混乱をもたらした 11 月以降は 量的緩和縮小 と 低金利政策維持 の切り離しが浸透 1.25 % FF( フェデラルファンド ) レート先物市場限月別インプライド金利の推移 FRB( 米連邦準備制度理事会 ) FF レート誘導目標 0.00-0.25% 1.00 0.75 13/06/25 13/05/01 14/03/18 13/12/26 75bp の利上げライン 50bp の利上げライン 0.50 25bp の利上げライン 0.25 0.00 2014 年 2015 年 1 月限 6 月限 11 月限 4 月限 9 月限

14 年 3 月の FOMC 焦点はフォワードガイダンスの扱い FOMC の議論の焦点は量的緩和縮小からフォワードガイダンスへ 失業率が急速に低下したことによりガイダンスの見直しに直面する 市場との約束でもあるガイダンスの頻繁な変更や修正はリスク伴う 一方でガイダンスはリスクテイクを助長し金融の不安定性を高める 1 月の FOMC は金利に関するガイダンスの変更を巡り意見分かれる 一部の参加者は既存の目安に沿った 定量的ガイダンス を支持インフレ率が 2% を下回っている間は低金利維持に前向きだと明示する 一方で 定性的ガイダンス が望ましいとする見解も表明された求人や労働参加率など雇用環境を幅広く反映する 質的な改善 を指示 複数の参加者は金融安定へのリスクが一段と明確に示されるべきとした失業率が 6.5% に達したら資産バブルなどがより重要な検討要因となる (1) フォワードガイダンスに対する信認を失えば金融政策が後手に回る 失業率が 6.5% に向けて改善するに連れて市場は敏感になり始め FRB は市場の 後追い (=behind the curve) を強いられかねない この局面では想定以上に早く低金利政策の解除と利上げを迫られる (2) フォワードガイダンスがリスクテイクを助長し金融の不均衡を高める BIS は 2 月 9 日公表の四半期報告の中でフォワードガイダンスに言及フォワードガイダンスは短期的な市場の混乱を鎮める効果がある反面 投資家のリスクテイクが助長され金融の不均衡を高める可能性も孕む

2014 年の FOMC メンバー インフレ重視 2014 年 FOMC メンバーのフィロソフィー チャート スタイン理事 フィッシャー総裁ダラス連銀 ピアナルト総裁クリープランド連銀 (5 月末退任 ) 金融安定重視 金融システム安定 が焦点 新議長は未曽有の金融緩和の幕引きというミッションに取り組む 二重の責務 最大雇用と物価安定 と並び 金融システム安定 が焦点に 市場の混乱を招くことなく 量的緩和縮小 と 超低金利政策 を堅持する FRB の新議長は就任後に市場の洗礼を浴びるとのジンクスがあり注意 プロッサー総裁メスター次期総裁フィラデルフィア連銀 (6 月就任 ) イエレン議長 議長として中立化 ダドリー NY 連銀総裁 パウエル理事 ( 再指名 ) コチャラコタ総裁ミネアポリス連銀 ハト派 中立派タカ派 フィッシャータルーロ理事 ( 副総裁候補 ) 理事 1 名が欠員ブレイナード ( 理事候補 ) 意見集約と市場との対話力が焦点に 雇用重視

14 年 2 月の米雇用統計労働人口は 2 カ月連続で増加 景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数は前月比 17.5 万人増 通常の失業率 (U-3) は前月の 6.584% から 6.716% まで上昇 ( 悪化 ) 雇用改善の質を示す広義の失業率 (U-6) は 12.6% まで低下 ( 改善 ) 悪天候による就業不能労働者は 60.1 万人と平均の 31.7 万人を上回る 米雇用統計 事業所調査 : 非農業部門雇用者の増減 ( 単位 : 万人 ) 2 月 7 日発表 年 間 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 月 間 11 月 12 月 1 月 2 月 前年比月平均 105.8 8.8 208.3 17.4 223.6 18.6 232.2 19.4 前月比 3 ヶ月平均 27.4 22.5 8.4 19.8 12.9 16.2 17.5 12.9 米雇用統計 家計調査 : 失業率の詳細データ U-3 通常の失業率 ( 1 月の 6.584% は 2008 年 10 月以来の低水準 ) 労働参加率 ( 12 月は 35 年ぶり低水準となる 62.8% まで低下 ) 労働人口増減 (= 単位 : 万人 就業者と求職者を含む ) U-4 労働市場の状況により求職活動を行っていない者を加えた失業率 U-5 求職活動をしていないが就職の意志がある者を加えた失業率 U-6 フルタイムの仕事に就く意志があるものの経済情勢のためパートタイムに就いている者を加えた不完全雇用も含む失業率平均失業期間失業者のうち 27 週以上失業している人の割合 ( 長期失業者 ) 27 週以上の長期失業者数 ( 万人 ) 12 月 1 月 2 月 6.680% 6.584% 6.716% 62.8% 63.0% 63.0% 34.7 +52.3 +26.4 7.2% 7.1% 7.2% 8.1% 8.1% 8.1% 13.1% 12.7% 12.6% 37.1 週 35.4 週 37.1 週 37.7% 35.8% 37.0% 387.8 364.6 384.9 データ : 米労働省ホームページ

米国の雇用情勢 質的改善 には構造改革が重要 先行指標の 人材派遣 は 07 年末 (=100) を上回る 130.5 まで拡大 就職率 は 46.1 失業率 は 62.1 採用率 は 55.5 と緩慢な改善 質的改善は量的緩和ではなく低金利環境と政府の構造改革が重要 非農業部門雇用者数 先行指標 人材派遣 130.5 91.6 求人件数 雇用環境 求人を埋められない企業 113.9 84.5 採用率 Feb.14 55.5 Dec.07 新規失業保険申請件数 97.9 84.6 採用計画 33.4 46.7 Dec.09 経済的理由のパートタイム 46.1 8.1 62.5 職の就きやすさ 62.1 稼働率自信 就職率 離職率 周縁的労働者 失業率 データ : アトランタ連銀

米国のインフレ指標 FRB の最適レンジを大幅に下回る コア PCE 価格指数は 10 年 10 月に過去最低の 0.7% まで低下 12 年 1-2 月の 2.0% がピークとなり 14 年 1 月に 1.1% まで低下 ディスインフレ傾向が FED の超低金利政策の継続を正当化する % 3.0 2.9 コア CPI コア PCE 価格指数 米主要インフレ指標の推移 ( 前年比伸び率 ) 2006/01-2014/01-02 2.5 2.1 2.0 1.8 1.5 2.4 2.1 2.1 1.9 2.5 2.5 2.4 1.7 FRB が最適と考えるレンジは 1.7-2.0% 1.9 1.8 1.6 2.3 2.0 1.5 2.0 1.6 1.8 1.2 1.2 1.6 1.0 0.5 データ : ロイター 1.2 1957 年統計開始以来低水準 1960 年統計開始以来低水準 0.7 0.6 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 1.1 1.1

鉱工業生産指数 (02/15) 小売売上高 (02/14) 2014 年 2 月に発表された米主要経済指標は事前予想を軒並み下振れる 新築住宅販売 (02/26) 消費者信頼感指数 (02/25 コンファレンスボード) 中古住宅販売 (02/21) フィリー指数 (02/20) 製造業 PMI(02/20) NY 州製造業業況指数 (02/19) 住宅市場指数 (02/18) 消費者態度指数 (02/15 ミシガン大学 ) 雇用統計 (02/07) ISM 非製造業景気指数 (02/06) ISM 製造業景気指数 (02/04) 14 年 1 月は前月比 9.6% 増の年率 46.8 万戸 08 年 7 月以来の高水準 14 年 2 月 ( 速報値 ) は前月の 79.4 から 78.1 へ低下 ( 予想は 80.0) 現況指数は前月の 77.3 から 81.7 へ上昇し 08 年 4 月以来の高水準に 14 年 1 月は前月比 5.1% 減の年率 462 万戸 12 年 7 月以来の低水準 14 年 2 月の業況指数はマイナス 6.3 と前月のプラス 9.4 から大幅に低下 14 年 2 月は 56.7 と前月の 53.7 から上昇 10 年 5 月以来の高水準となる 14 年 2 月は +4.48 と前月の +12.51 から大幅に低下 先行指標の 新規受注 はマイナス 0.21 と前月のプラス 10.98 から低下 14 年 2 月は 46 と前月の 56 から大幅に低下 低下幅は過去最大に 14 年 2 月 ( 速報値 ) は前月から横ばいの 81.2( 予想は 80.6) 景気景況指数は 94.0 と前月の 96.8 から低下 ( 予想は 95.9) 14 年 1 月は前月比 0.3% 減と前年 4 月以来の大幅な低下 製造業は 0.8% 減と 09 年 5 月以来の大幅な減少幅となった 14 年 1 月は前月比 0.4% 減 減少は 2 カ月連続 ( 予想は ±0) GDP 算出に使用されるコア売上高は 0.3% 減と大幅に落ち込む 14 年 1 月の NFP の伸びは 11.3 万人増と予想の 18 万人を大幅に下回る 景気動向を敏感に映す NFP の伸びは 2 カ月連続で予想を大幅に下回る 14 年 1 月の総合指数は前月の 53.0 から 54.0 へ上昇 今後の動向を示す新規受注は前月の 50.4 から 50.9 へ上昇 14 年 1 月は前月の 56.5 から 51.3 に低下し 8 カ月ぶりの低水準 今後の動向を示す新規受注は 33 年ぶりの大幅な低下幅となった

米選挙サイクルと米国株 米ドルの相関関係 大統領選挙の前年 (1943~2011 年 ) は米国株が 18 連騰中 中間選挙の年 (1974~2010 年 ) は米ドルが 2 勝 8 敗で負け越し 2014 年は 中間選挙の年 となり米ドル安のアノマリーに要注意 米国株は過去 12 回の弱気相場のうち 7 回が中間選挙の年に発生 中間選挙の年大統領選挙の前年大統領選挙の年大統領選挙の翌年 年米国株米ドル年米国株米ドル年米国株米ドル年米国株米ドル 1974-27.6-0.4 1975 38.3 4.4 1976 17.9 1.7 1977-17.3-5.2 1978-3.1-7.4 1979 4.2 1.5 1980 14.9 0.7 1981-9.2 9.2 1982 19.6 11.4 1983 20.3 5.9 1984-3.7 9.5 1985 27.7-10.8 1986 22.6-12.6 1987 2.3-15.5 1988 11.9-1.4 1989 27.0 5.3 1990-4.3-8.6 1991 20.3 0.5 1992 4.2 5.5 1993 13.7 1.6 1994 2.1-4.6 1995 33.5-2.5 1996 26.0 3.7 1997 22.6 10.0 1998 16.1-1.9 1999 25.2 1.0 2000-6.2 8.8 2001-7.1 4.7 2002-16.8-7.4 2003 25.3-15.0 2004 3.1-7.1 2005-0.6 7.0 2006 16.3-5.6 2007 6.4-8.9 2008-33.8 9.6 2009 18.8-9.4 2010 9.4 0.6 2011 5.5-0.7 2012 7.3-0.1 2013 26.5 4.7 2014-3.1 0.9 2015 2016 2017 平均 3.4-3.7 平均 18.1-2.9 平均 4.2 3.1 平均 10.2 1.7 米国株は NY ダウ 米ドルは FRB インデックス ( 主要通貨に対する実効為替レート ) の年間騰落率 (%) を示します

FRB インデックス ( ドル実効為替レート ) の変動パターン 選挙のある年は 1-5 月のドル高のあと 6-7 月にドル急落の季節性を有す 中間選挙の年は 1-3 月のドル高のあとドル急落を経て年末のドル高へ 2014 年の焦点は 7 月と 10 月の季節性が有すドル急落の度合いとなるドル急落の度合いが浅い場合は年末に年間高値を形成する可能性も ド 0.50 ル高 年初のドル高 ドル高局面 FRB インデックス Major Currencies シーズナル サイクル ( 月中平均の前月比 %) 1990 年以降の選挙年の動き 年末のドル高 ドル高局面 ドル反発局面 0.00 3 月 14 日時点 -0.50 ドル安 -1.00 2014 年は中間選挙の年 選挙の年 ( 偶数年 ) の動き 中間選挙の年の動き 2014 年の動き ドル安局面 ドル安局面 ドル安局面 データ :FRB Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec 中間選挙の年 (1974 年以降の過去 10 回 ) の米ドルは 2 勝 8 敗で大きく負け越している

カストディ アカウント ( 外国政府代理保有勘定 ) FRB が外国中銀や国際機関から預かる米国債 政府機関債の残高 3 月 12 日時点の米国債残高は前週比 1,180 億ト ルの 2 兆 8,553 億ト ル 13 年 12 月 18 日の 3 兆 215 億ト ルがピークとなり計 1,661 億ト ル減少 同年 12 月 18 日の FOMC を境にして外国中銀の米国債売却が継続 30,500 30,000 29,500 29,000 28,500 FRB 米国債代理保有勘定米政府機関債の残高 2013/01/02-2014/03/12 29,763.77 05/23 バーナンキ議長 QE3 縮小示唆 13/05/22 3 月 1 週の米国債の大量移管ロシアによる 人質 か? 581.64 29,182.13 08/14 30,214.65 12/18 12 月の FOMC QE3 縮小を決定 13/12/18 659.39 29,555.26 02/12 1,180.42 28,553.97 03/12 出所 :NY 連銀新興国中銀による米国債売りが単位 : 億ドル米長期金利の上昇を促した 28,000 13/Jan 13/Feb 13/Apr 13/Jun 13/Aug 13/Oct 13/Dec 14/Jan

日銀金融政策決定会合 (14 年 3 月 10-11 日 ) 大規模な国債購入を柱とする 異次元緩和 の継続を全会一致で決定 2% の物価安定目標 の実現に向けた道筋を順調に辿っていると指摘 黒田総裁は 現時点で何か政策調整する必要はない との見解を示す 13 年 4 月に導入した 量的 質的金融緩和 の継続を全員一致で決定 大規模な国債買入れによりマネタリーベースを年間 60~70 兆円増加させる 異次元緩和は 2% の物価安定目標の実現を目指し 必要な時点まで継続 経済 物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し必要な調整を行う ポイント 1 消費増税後も 基調的には緩やかな回復を継続 との表現を踏襲 景気の現状は 緩やかな回復を継続 とし消費増税前の駆け込み需要に言及 輸出は 横ばい圏内 に下方修正したが主たる理由は 一時的なもの とした 先行きについては 基調的には緩やかな回復を続けていく とのシナリオを維持 CPI についても しばらくの間 1% 台前半で推移する とのシナリオを維持した ポイント 2 黒田総裁は 現時点で何か政策調整する必要はない との見解示す 日本経済は 2% の物価目標の実現に向けた道筋を 順調 に辿っている 一部新興国の通貨下落やウクライナ情勢を巡る影響は現時点で限定的 全体として世界経済の下振れリスクが低下している状況には変わりはない 生産 所得 支出 の好循環が働いており現時点で金融政策の調整は不要 2% の物価目標達成が困難になり必要が出れば躊躇することなく調整する

アベノミクス デフレの出口 着実に近づく 政府は 13 年 12 月の月例経済報告で デフレ の文言を 4 年ぶりに削除 デフレ脱却宣言 は見送りデフレに逆戻りしないか情勢を見極める 脱デフレを測る 4 指標のうち 物価指数 と GDP デフレーター は改善 需給ギャップ と賃金の動きを示す 単位労働コスト はマイナス続く 政府の月例経済報告によるデフレを巡る動き 101 年 3 月に戦後初めて デフレ と認定 06 年 7 月に デフレ の文言を削除 2 リーマンショック後の 09 年 11 月に再び 緩やかなデフレ状況にある と認定 313 年 12 月の月例報告は 4 年 2 カ月ぶりに デフレ状況 との文言を削除 414 年 2 月は物価の判断を 緩やかに上昇 と 08 年 10 月以来の表現に前進 デフレ脱却を測る 4 指標 ( は達成に近づく は改善が続く は悪化を示す ) 消費者物価指数 < 評価 > 14 年 1 月のコア CPI は前年比 +1.3% と 5 年 3 カ月ぶり水準を維持 先行指標の東京都区部の 2 月は +0.9% と 10 カ月連続のプラス GDP デフレーター < 評価 > 需給ギャップ < 評価 > 単位労働コスト < 評価 > 13 年 10-12 月期は前年比 0.3% とプラス圏が目前に 総合的な物価動向を示すデフレーターはマイナス幅が縮小傾向 13 年 10-12 月期は 1.5%( 前期は 1.6) と 4 四半期連続で改善 増税前の駆け込みで需給は改善しているが増税後は再拡大も 13 年 10-12 月期は前年比 0.9% と前期の 1.7% から改善 一定の価値を生み出すのに必要な賃金は構造調整圧力が残る

展望リポート ( 経済 物価情勢の展望 ) 14 年 1 月 中間評価 中間評価は 14 年度の成長率見通しを 1.5% から 1.4% へ下方修正 コア CPI は 15 年度が 1.9% と 2% 目標は達成可能との見通しを維持 民間エコノミストは 15 年度が 0.99% と日銀見通しと大きく乖離する 日銀の強気見通しがどのタイミングで修正されるかが焦点となる 2015 年度までの政策委員の大勢見通しと民間予測 ( 前年度比 %) 実質 GDP 成長率 コア CPI( 消費増税の影響を除く ) 日銀 民間 日銀 民間 2014 年度 +1.4 +0.9~+1.5 +0.72 +1.3 +0.9~+1.6 +0.95 2015 年度 +1.5 +1.2~+1.8 +1.35 +1.9 +1.0~+2.2 +1.01 日銀予想の上段は中央値 下段は政策委員による見通し幅 民間予測は 14 年 3 月 7 日に発表された ESP フォーキャスト調査 ( 民間エコノミストによる日本経済予測の集計調査 ) ESP フォーキャスト調査 ( エコノミスト 40 名 ) による日銀の追加緩和時期 3 月調査 2 月調査 3 月会合 2 名 1 名 4 月 7 名 11 名 5 月 2 名 3 名 6 月 5 名 3 名 7 月 14 名 10 名 8 月 1 名 2 名 10 月以降 5 名 4 名

黒田日銀 量的 質的金融緩和 導入 (13 年 4 月 ) マネタリーベースを操作目標とする 異次元緩和 に踏み切る 巨額の国債購入を軸にマネタリーベースを 2 年間で 2 倍に増額 2% の物価安定目標を目指し それが必要な時点まで継続する 黒田日銀は 戦力の逐次投入 から決別することを明確に示した 黒田新体制の初会合で 量的 質的金融緩和 の導入を決定 (13 年 4 月 4 日 ) 戦力の逐次投入では 2% の物価安定目標は達成できない 現時点で必要と考えられるあらゆる措置を取ったと確信している (1) 金融政策の操作目標をマネタリーベースに変更大量の資金供給で円安促す 2% の物価目標を2 年程度で実現するためにマネタリーベースを年間 60~70 兆円のペースで増加させる (2 年間で2 倍 ) (2) 長期国債買入れの拡大と年限長期化イールドカーブの押し下げ狙う買入れ対象を全年限に拡大し 長期国債の保有残高を年間 50 兆円増加させる (2 年間で2 倍以上 ) 平均残存期間を7 年程度に延長する (2 年間で2 倍以上 ) (3)ETF RIETの買入れを増額資産価格の上昇 ( 株高 ) 促す ETFを年 1 兆円 (2 年間で2 倍以上 ) REITを年 300 億円ペースで買入れ 強力なフォワード ガイダンス ( 時間軸 ) を合わせて決定 量的 質的緩和は 2% の物価安定目標を目指し それが安定的に持続するために必要な時点まで継続する 総裁は 経済物価情勢を点検し 必要な調整があれば躊躇なく行う とも指摘

日銀の異次元緩和 実体経済への波及が課題 日銀は国債購入を軸にマネタリーベースを 2 年間で 2 倍に増額する 14 年末までに資金供給量を約 132 兆円増やし景気底上げを狙う 日銀の見通しでは経済活動に使われる銀行券は 3 兆円増えるだけ 日銀当座預金に滞留する残りの 128 兆円が動き出すかが焦点に 3,000,000 億円 マネタリーベースの月末残高の推移 2008/01-2014/02 データ : 日銀 3 月 4 日発表 2014 年末 270 兆円 2,500,000 2,000,000 日銀当座預金残高 貨幣流通高 日本銀行券発行残高 マネタリーベース月末残高 2013 年 3 月末 58.1 兆円 4.5 兆円 83.4 兆円 146.0 兆円 14 年 2 月末 114.0 兆円 4.6 兆円 86.1 兆円 204.8 兆円 2013 年末 200 兆円の目標達成 1,500,000 1,000,000 500,000 0 08/01 09/01 10/01 11/01 12/01 13/01 14/01 15/01

日本の政治 経済に関する主要日程 経済面での焦点は消費税率引き上げ後の景気落ち込み度合い 政策面での焦点は日銀に対する追加緩和期待と黒田総裁の間合い アベノミクスの 第 3 の矢 第 4 の矢 が滞るなか日銀包囲網が狭まる 14 年 3 月 10 日 12 日 12 日 4 月 1 日 7 日 11 日 22 日 30 日 6 月中 日銀金融政策決定会合 ~11 日迄 黒田総裁は 現時点で政策調整の必要ない との見解を示す 春季労使交渉で会社側が一斉回答 ( アベノミクス 第 5 の矢 ) 主要企業で大幅賃上げが相次ぎ給与総額 1% 増も視野入り政府税制調査会 法人課税ディスカッション グループ 法人税引き下げに向けた議論を開始 ( アベノミクス 第 4 の矢 ) 消費税率を 5% から 8% へ引き上げ 14 年度に政府が民間から吸い上げるのは年 5.1 兆円程度日銀金融政策決定会合 ~8 日迄 G20 財務相 中銀総裁会合オバマ米大統領来日 ~23 日迄 日米首脳階段日銀金融政策決定会合 展望リポート ( 経済 物価情勢の展望 ) 新成長戦略 を 6 月をめどに策定する方針 ( 政府関係者 ) 民間投資を引き出す新たな規制緩和や景気刺激策を打ち出す ( 株式市場の期待をつなぐことを意図したとみられるイベント )

Technical Analysis: USDJPY 一目均衡表 ( 月足ベース ) 75.57(11 年 10 月 ) を起点に新たな上昇波動 ( 五波構成 ) を形成中とみられる 1 波を構成する <3 波 > は 77.13(12 年 9 月 ) を起点に 103.74(13 年 5 月 ) へ上昇 <4 波 > は 93.75(13 年 6 月 ) まで下落 <5 波 > は 105.45(14 年 1 月 ) を示現 遅行線 は 14 年 1 月に雲の上限 (=105.62 処 ) で跳ね返されて反落中 (1) 上向きの 転換線 (=100.63 処 ) がサポートとなる場合は上昇波動継続へ (2) 転換線 が月末の NY クローズで破られる場合は 2 波の修正波へ移行 140 26+1 65+1 135.20 02-Jan USDJPY Global Range Ichimoku Equilibrium Monthly Chart 1999/01/02-2014/03/18 130 b 124.14 07-Jun 65+1 120 110 100 101.25 99-Nov a 101.67 05-Jan 110.67 08-Aug 101.45 09-Apr 雲の上限 =104.62 処 (14 年 10 月まで 104.62) 3 5 105.45 103.74 14-Jan 13-May 1 転換線 100.63 処 95.77 08-Mar 4 90 80 70 一目均衡表 基本数値 基本数値 記号 呼称 単純 1 9 一節 単純 2 17 二節 単純 3 26 一期 ( 三節 ) 複合 4 33 一期一節 複合 5 42 一期二節 複合 6 65 複合 7 76 一巡 ( 三期 ) 複合 8 129 複合 9 172 複合 10 200-257 87.10 09-Jan c 1 75.57 11-Oct 84.18 12-Mar 77.13 12-Sep 33+1 33 14-Jun 2

Technical Analysis: USDJPY 一目均衡表 ( 週足ベース ) 2011 年 10 月の安値 75.57 を起点に新たな上昇波動 ( 五波構成 ) を形成中 3 波で 103.74 まで上昇したあと 4 波で 93.75 まで反落し 三角保ち合い となる 現在進行中の 5 波は 105.45(01/02) まで上昇したあと 100.76(02/04) へ反落 基準線 をサポートに 103.77(03/07) まで上昇したあと 101.21 まで反落 (1) 基準線 がサポートとなる場合は 転換線 (=102.80 処 ) を巡る上抜け攻防へ (2) 基準線 (=101.06 処 ) が NY クローズで破られる場合は 100.02 処を試す展開へ 110 100 90 USDJPY Global Range Ichimoku Equilibrium Weekly Chart 2011/01/03-2014/03/18 一目均衡表 基本数値 基本数値 記号 呼称 単純 1 9 一節 単純 2 17 二節 単純 3 26 一期 ( 三節 ) 複合 4 33 一期一節 複合 5 42 一期二節 複合 6 65 複合 7 76 一巡 ( 三期 ) 複合 8 129 複合 9 172 複合 10 200-257 複合 6-2 63 weeks 3 92.57 04/02 103.74 13/05/22 101.49 07/08 95.81 08/08 93.75 06/13 一期一節 33 weeks 100.62 09/11 4 96.67 10/07 105.45 14/01/02 103.77 03/07 100.76 02/04 5 4 85.53 11/04/06 1 84.18 12/03/15 80 80.57 06/22-25 70 78.26 11/03/17 一期一節 34 weeks 75.57 11/10/31 5 77.66 06/01 77.13 12/09/13 2 複合 8 129 weeks 遅行線 が週足に接近 ( 衝突 ) する 4~5 月の時間帯が極めて重要になる 4 月 3 週

110 Technical Analysis: USDJPY 一目均衡表 ( 日足ベース ) 2011 年の安値 75.57(10/31) を起点に上昇波動 ( 五波構成 ) を形成中 3 波は 複合 8 の節目 05/22 に N- 計算値の 103.73 処に応答する 103.74 を示現 4 波は 93.75(06/13) まで下落したあと 基準線 を軸とする 三角保ち合い を形成 5 波は 三角保ち合い を上放れ 105.45(01/02) を示現したあと 100.76 まで反落 今週の焦点は 遅行線 の下げを食い止めた雲の下限を巡る攻防 (1) 雲の下限 ( 03/19 は 101.45 処 ) がサポートとなる場合は自律反発へ (2) 雲の下限が破られる場合は重要な安値 100.76(02/04) を試す一段安へ USDJPY Global Range Ichimoku Equilibrium Daily Chart 2013/05/01-2014/03/18 200 日平均線 (=100.33 処 ) が下値目途に 105 100 3 ⅴ 103.74 05/22 一期一節 34 days b 101.49 07/08 複合 6+1 66 days d 100.62 09/11 複合 8-1 128 days ⅰ ⅲ 105.45 01/02 102.85 01/13 100.76 02/04 複合 6 65 days ⅳ 102.83 02/21 遅行線 103.77 03/07 101.20 03/03 転換線基準線 101.21 03/14 04/02 5 ⅴ 95 90 a 93.75 06/13 4 一期二節 41 days c 95.81 08/08 一期二節 43 days e 96.67 10/07-08 ⅱ 複合 8-1 128 days 一期一節 33 days 03/20 一目均衡表 基本数値 基本数値 記号 呼称 単純 1 9 一節 単純 2 17 二節 単純 3 26 一期 ( 三節 ) 複合 4 33 一期一節 複合 5 42 一期二節 複合 6 65 複合 7 76 一巡 ( 三期 ) 複合 8 129 複合 9 172 複合 10 200-257

14 年 3 月 6 日 ECB 理事会 & ドラギ総裁の記者会見 主要政策金利は事前予想通り過去最低水準に据え置くことを決定 追加措置を正当化するほど 経済 金融 の状況は変化していない 高度な金融緩和を維持し必要なら一段の断固とした措置を講じる 為替相場は政策目標ではないが成長や物価安定に非常に重要 主要政策金利と下限金利を過去最低水準に据え置いた 主要政策金利のリファイナンス金利を過去最低の 0.25% に据え置いた 下限の中銀預金金利はゼロ % 上限の限界貸出金利は 0.75% で据え置いた ドラギ総裁の記者会見 : 政策変更 ( 緩和措置 ) の見送りは妥当な判断 今回の理事会では利下げや追加的な緩和策など幅広い議論を行った 1 月の理事会で示唆した 1 2 の 不測の事態 に該当する状況はみられない 1 短期市場の正当化されない引き締まり 2 中期的なインフレ見通しの悪化 市場で期待された証券市場プログラム (SMP) の不胎化オペ中止について 証券市場プログラム (SMP) の非不胎化は 1 つの手段として選択肢にある SMP が保有する国債は短期債であり流動性注入効果は 1 年未満にとどまる 低金利定着とユーロ高抑制を狙い 定性的フォワードガイダンス を一段と強化 必要な限り緩和的なスタンスに維持することを理事会として強く再確認する 主要政策金利が長期間に亘り現行水準かそれを下回る水準にとどまると見込む 1 景気の緩慢さに言及し低水準の設備稼働率や需給ギャップを挙げた上で 景気回復が見られた後でも現状の金融政策スタンスは継続する と明言 2 ガイダンスが実質金利の低下とユーロの値下がりにつながる可能性を指摘

14 年 3 月 6 日 ECB 理事会 公表時点 2014 年 3 月 2013 年 12 月 2013 年 9 月 ECB のスタッフによる経済予測 (14 年 3 月の ECB 定例理事会より ) 実質 GDP 伸び率 ( 前年比 %) 消費者物価指数 (HICP 前年比 %) 2014 年 2015 年 2016 年 2014 年 2015 年 2016 年 1.2 (0.8-1.6) 1.1 (0.4-1.8) 1.0 (0.0-2.0) 1.5 (0.4-2.6) 1.5 (0.4-2.6) マクロ経済見通し 実質 GDP は 13 年の 0.4% から +1% 台の緩やかな成長率を見込む インフレ率は 13 年の 1.4% から低下したあと 16 年は 1.5% を見込む スタッフ経済予測の前提となる為替水準は 1 ユーロ =1.36 ト ルとされた ドラギ総裁は 為替レートは成長や物価安定に極めて重要 と述べた 1.8 (0.7-2.9) 1.0 (0.7-1.3) 1.1 (0.6-1.6) 1.3 (0.7-1.9) 1.3 (0.6-2.0) 1.3 (0.5-2.1) ( 注 ) カッコ内はレンジ 2013 年 6 月から中間値を中心として示されているドラギ総裁は理事会後の記者会見で 16 年 4QのHICPは +1.7% と予想される と述べた 1.5 (0.7-2.3) 前提条件 ( 平均 ) 14 年 2014 年 3 月 2013 年 12 月 原油 (Brent) 15 年 16 年 105.8 101.1 96.9 103.9 99.2 為替 (EURUSD) 14 年 15 年 16 年 1.36 1.36 1.36 1.34 1.34

ユーロ圏の雇用情勢失業率は過去最悪水準で高止まり 14 年 1 月のユーロ圏失業率は 12.0% と 4 カ月連続で変わらず 13 年 4~9 月まで過去最悪の 12.1% で高止まりしたあと 0.1% 低下 14 年度の緊縮型予算や弱い景況感 ユーロ高が改善の足かせに 12.5 ユーロ圏 17 カ国の失業率 2007/01-2014/01 12.1 2013/04-09 10.0 データ :EU 統計局 2 月 28 日発表 10.2 2010/08 7.5 6.9 2007/05 ユーロ圏の失業率 (%) 12 年 12 月 13 年 12 月 14 年 1 月 ユーロ圏 17カ国 11.9 12.0 12.0 ドイツ 5.4 5.1 5.0 フランス 10.7 10.8 10.9 イタリア 11.4 12.7 12.9 スペイン 26.2 25.9 25.8 ギリシャ 26.2 N.A N.A ポルトガル 17.4 15.3 15.3 アイルランド 14.0 12.0 11.9 オーストリア 4.7 5.0 4.9 オランダベルギー 5.8 8.1 7.0 8.5 7.1 8.5 5.0 Jan-07 Jan-08 Jan-09 Jan-10 Jan-11 Jan-12 Jan-13 Jan-14

ユーロ圏マネーサプライ民間部門に資金行き渡らず 14 年 1 月の M3 前年比伸び率 (3 ヶ月移動平均 ) は +1.2% へ低下 民間向け与信の伸びは 2.2% うち貸出は 2.2% へ小幅改善 ECB による追加利下げや無制限の資金供給オペも限界を露呈 必要なのはマイナス金利の導入ではなく金融機関の信認回復 5.0 4.0 ユーロ圏マネーサプライ M3 の前年比伸び率 2010/04-2014/01 3.7 データ :ECB 2 月 27 日発表 3.0 2.0 1.0 2.7 2.5 2.7 2.1 2.9 2.5 1.9 1.3 1.2 0.0-1.0 14 年 1 月マネーサプライM3 3ヶ月移動平均 (%) -1.1-2.2-2.0 民間向け信用の伸び率 (%) -1.6-2.2 うち貸出の伸び率 (%) -2.3-2.4-3.0 10 年 04 月 10 年 11 月 11 年 06 月 12 年 01 月 12 年 08 月 13 年 03 月 13 年 10 月 -0.7

ユーロ圏消費者物価指数 (HICP) 危険領域 にとどまる 14 年 2 月 ( 改定値 ) は前年比 +0.7% と 09 年 11 月以来の水準に並ぶ ECB の中期的な物価安定の定義 2% に近い 1% 台 を大幅に下回る ドラギ総裁が懸念を示した 1% 未満の危険領域に 5 カ月連続とどまる 3 月の ECB 理事会はユーロ高が物価安定に及ぼす影響に懸念示す 5.0 % 4.0 データ :EU 統計局 ECB 3 月 17 日発表 4.0 4.25 ユーロ圏 EU 基準 CPI と ECB 政策金利 2005/01-2014/02 ユーロ圏 EU 基準 CPI 前年比 ECB 政策金利 ( リファイナンス金利 ) 3.0 2.8 3.0 2.6 2.0 2.5 1.50 2.4 1.6 1.0 0.0 ECB の物価安定の定義 2% に限りなく近い 1% 台 1.00 1.00 0.75 1.2 0.7 0.7 0.50 0.25-1.0-0.7 05 年 1 月 07 年 1 月 09 年 1 月 11 年 1 月 13 年 1 月

ユーロ圏 HICP(EU 基準の CPI) ディスインフレ傾向 14 年 2 月は前年比 +0.7% と 5 カ月連続で危険水域の 1% を下回る ECB の物価安定の定義 2% に限りなく近い 1% 台 を大幅に下回る 雇用コスト削減などの取り組みが物価低下圧力につながっている 3 月の ECB 理事会はユーロ高が物価安定に及ぼす影響に懸念示す Feb.14 Jan.14 Dec.13 Nov.13 Oct.13 Sep.13 Feb.13 前年比 前年比 前年比 前年比 前年比 前年比 前年比 ユーロ圏 +0.7 +0.8 +0.8 +0.9 +0.7 +1.1 +1.2 ドイツ +1.0 +1.2 +1.2 +1.6 +1.2 +1.6 +1.5 フランス +1.1 +0.8 +0.8 +0.8 +0.7 +1.0 +0.9 イタリア +0.4 +0.6 +0.7 +0.7 +0.8 +0.9 +1.0 スペイン +0.1 +0.3 +0.3 +0.3 ±0.0 +0.5 +1.1 ギリシャ 0.9 1.4 1.8 2.9 1.9 1.0 1.1 ポルトガル 0.1 +0.1 +0.2 +0.1 ±0.0 +0.3 +0.4 アイルランド +0.1 +0.3 +0.4 +0.3 0.1 ±0.0 +0.3 キプロス 1.3 1.6 1.3 0.8 0.5 +0.3 0.2 出所 : EU 統計局ホームページ HICP(EU 基準の消費者物価指数 ) 単位 %

1.60 1.50 1.40 1.30 Technical Analysis: EURUSD 一目均衡表 ( 週足ベース ) 2011 年 5 月の高値 1.4940 を起点に <C 波 > の下落波動 ( 五波構成 ) を形成中 <C 波 > を構成する (1) 波で 1.2042 まで下落したあと (2) 波で 1.3894 まで上昇このあと 1.3477 まで反落したが 基準線 がサポートとなり 1.3967 まで上昇 現状は C 波 -(2) を構成する c の上昇波が継続しているとみられる (1) 転換線 ( 上向き ) をサポートに N- 計算値の 1.4076 処に向けた一段高へ (2) 遅行線 が週足に衝突したあと転換線が破られると C 波 -(3) へ移行も <B> c 1.4940 11/05/04 1 2 1.3838 07/12 一期二節 43 weeks 1.4550 08/29 1.4248 10/27 1.3145 10/04 複合 6 65 weeks 1.3486 02/24-29 4 1.3172 09/17 EURUSD Global Range Ichimoku Equilibrium Weekly Chart 2011/01/03-2014/03/18 a 複合 6+1 66 weeks 1.3711 13/02/01 一巡 -1 75 weeks 1.3417 06/19 1.3832 10/25 1.3295 11/07 1.3894 13/12/27 c 1.3477 02/03 一目均衡表 基本数値 基本数値 記号 呼称 単純 1 9 一節 単純 2 17 二節 単純 3 26 一期 ( 三節 ) 複合 4 33 一期一節 複合 5 42 一期二節 複合 6 65 複合 7 76 一巡 ( 三期 ) 複合 8 129 複合 9 172 複合 10 200-257 (2) 1.3967 03/13 1.20 3 1.2624 12/01/13 一期二節 43 weeks 1.2042 12/07/24 5 (1) 1.2661 11/13 1.2745 04/04 b 1.2755 07/09 一期一節 32 weeks 複合 6 65 weeks 6 月 4 週 1.10 複合 6 65 weeks <C>

Technical Analysis: EURUSD 一目均衡表 ( 日足ベース ) 12 年 7 月の安値 1.2042 を起点とする C 波 -(2) の修正波が継続中とみられる C 波 -(2) は三波構成 (a-b-c) となり c-5 の上昇波で 1.3967(03/13) を示現 現状は 三役揃い踏み による買いの現在性が維持された状態にある (1) この現在性が維持される場合は V- 計算値の 1.4003 処が次のターゲットに (2) 転換線 が NY クローズで破られる場合は 1.3780 処を試す展開へ 1.400 1.375 EURUSD Global Range Ichimoku Equilibrium Daily Chart 2013/05/01-2014/03/18 複合 9+1 173 days 1.3646 10/03 ⅲ 1.3832 10/25 3 ⅴ 1.3894 13/12/27 1.3812 12/18 遅行線 1.3740 01/24 複合 6 65 days 1.3967 03/13 (2) c 5 03/28 転換線基準線 1.350 1.325 1.3243 05/01 1 1.3417 06/19 ⅰ 1.3453 08/20 1.3472 10/16 1.3295 11/07 ⅳ 1.3508 01/20 1.3477 02/03 4 一期一節 33 days 03/19 1.300 1.3105 09/06 ⅱ 1.275 1.250 1.2796 05/17 1.2755 07/09 2 対等日数 44 days 対等日数 44 days 一目均衡表 基本数値 基本数値 記号 呼称 単純 1 9 一節 単純 2 17 二節 単純 3 26 一期 ( 三節 ) 複合 4 33 一期一節 複合 5 42 一期二節 複合 6 65 複合 7 76 一巡 ( 三期 ) 複合 8 129 複合 9 172 複合 10 200-257

Technical Analysis: EURJPY 一目均衡表 ( 週足ベース ) 12 年 7 月 4 週の安値 94.12 を起点に新たな上昇波動 ( 五波構成 ) を形成中 ⅲ 波で 127.71(2 月 2 週 ) まで上昇したあと ⅳ 波で 118.74(2 月 4 週 ) まで反落 ⅴ 波は 一期一節 の節目で 145.67(12 月 4 週 ) を示現したあと 136.25 まで下落このあと 基準線 が NY クローズのサポートとなり 143.79(3 月 1 週 ) まで切り返す (1)N- 計算値の 143.84 処を上抜く場合は重要な高値 145.67 を目指す展開へ (2)136.25(02/04) が破られる場合は ダブルトップ の完成により下落波動へ 150 145 EURJPY Global Range Ichimoku Equilibrium Weekly Chart 2011/01/03-2014/03/18 一期一節 32weeks 一期一節 32weeks 145.67 13/12/27 ⅴ 1 143.79 03/07 複合 8 129 weeks 133.82 05/22 134.95 09/19 136.25 02/04 130 2 123.28 11/04/11 ⅲ 127.71 02/06 ⅳ 124.94 06/13 115 111.57 10/31 4 111.43 12/03/21 118.74 02/25 ⅰ 遅行線 が週足に接近 ( 衝突 ) する 4~5 月の時間帯が極めて重要になる 100 85 100.80 10/04 3 97.04 01/16 一期二節 43weeks 5 94.12 12/07/24 <C> 100.33 11/16 一期一節 32weeks ⅱ 一目均衡表 基本数値 基本数値 記号 呼称 単純 1 9 一節 単純 2 17 二節 単純 3 26 一期 ( 三節 ) 複合 4 33 一期一節 複合 5 42 一期二節 複合 6 65 複合 7 76 一巡 ( 三期 ) 複合 8 129 複合 9 172 複合 10 200-257

150 140 130 Technical Analysis: EURJPY 一目均衡表 ( 日足ベース ) 2012 年 7 月の安値 94.12 を起点に上昇波動 ( 五波構成 ) を形成中 ⅲ 波で 133.82(05/22) まで上昇したあと ⅳ 波で 124.94(06/13) まで下落 ⅴ 波は 複合 8 の節目 12/27 に 145.67 を示現したあと 136.25(02/04) まで反落抵抗帯を上抜けて 143.79(03/07) まで上昇したあと 140.46(03/14) へ反落 今週の焦点は再び抵抗帯に埋没した状態にある 遅行線 の動向となる (1) 日々線 ( 上向き ) がサポートとなる場合は雲の上限を目指す展開へ (2) 日々線を下抜ける場合は雲の下限 (=138.45 処 ) を試す展開へ EURJPY Global Range Ichimoku Equilibrium Daily Chart 2013/05/01-2014/03/18 ⅲ 一目均衡表 基本数値 基本数値 記号 呼称 単純 1 9 一節 単純 2 17 二節 単純 3 26 一期 ( 三節 ) 複合 4 33 一期一節 複合 5 42 一期二節 複合 6 65 複合 7 76 一巡 ( 三期 ) 複合 8 129 複合 9 172 複合 10 200-257 133.82 05/22 131.08 07/02 132.74 07/24 132.42 08/23 複合 8 129 days 一期二節 43 days 134.95 09/19 131.24 10/08 135.52 10/22 131.22 11/07 ⅴ 142.90 12/18 145.67 13/12/27 140.50 01/13 遅行線 a 複合 6 65 days 136.25 02/04 b 141.29 02/21 143.79 03/07 一期一節 33 days 140.46 03/14 03/28 転換線 基準線 c 03/20 128.03 08/12 124.94 06/13 ⅳ 一期二節 42 days 120 一期二節 43 days 複合 6-1 64 days 一巡 76 days

本日はありがとうございました 本日のセミナーは 3 月 19 日時点におけるシナリオです 今後の展開次第では予告なしにシナリオを変更する場合もありますのでご注意下さい 最新の情報につきましては各種レポートをご参照下さい 1 Daily Market Comment 毎週火曜日 ~ 金曜日発行 2 森レポート ( 全 12 頁 ) 毎週月曜日の早朝発行 3 FX-Technical outlook( 全 49 頁 ) 毎週月曜日の早朝発行

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