平成 26 年 NO.48 週間火山概況 ( 平成 26 年 11 月 21 日 ~11 月 27 日 ) 火山現象に関する警報等の発表状況 いずれの火山についても 噴火に関する予報警報事項 ( 警戒が必要な事項 ) に変更はありません 表 1 火山現象に関する警報等の発表履歴 ( 平成 26 年

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平成 26 年 NO.47 週間火山概況 ( 平成 26 年 11 月 14 日 ~11 月 20 日 ) 火山現象に関する警報等の発表状況 いずれの火山についても 噴火に関する予報警報事項 ( 警戒が必要な事項 ) に変更はありません 表 1 火山現象に関する警報等の発表履歴 ( 平成 26 年

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 19 日 19 時 40 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 14 日 17 時 50 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベルを1( 活火山であることに留意 ) から2( 火口周辺規制 ) に引上げ> 阿蘇山では 火山性微動の振幅が 3 月 15 日以降 小さい状態

火山ガスの状況( 図 8-5 図 9-4) 1 日 6 日 8 日 14 日 20 日 22 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の1 日あたりの放出量は700~1,800 トン (10 月 :500~1,70 トン ) と増減しながら 概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の

ガス観測の状況( 図 3-36) 2 日に実施した現地調査では 二酸化硫黄は検出されませんでした ( 最後に検出されたのは 2012 年 9 月 26 日の1 日あたり 10 トン ) 図 1 ( 新燃岳 ) 噴煙の状況 (10 月 18 日 韓国岳遠望カメラによる ) :2015 年 10 月の震

火山ガスの状況 ( 図 8-5 図 9-4) 10 月 2 日 9 日 17 日 18 日 23 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の 1 日あ たりの放出量は 500~1,700 トン (9 月 :90~1,400 トン ) と 概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の状況

降灰の状況( 図 6 図 8) 8 日実施した現地調査及び電話による聞き取り調査では 15 時現在で熊本県 大分県 愛媛県 香川県で降灰を確認しました 火口から北東約 6km にある阿蘇警察署で約 3cm 積もるなど の北東側で多量の降灰となっています 噴煙の状況( 図 7) 中岳第一火口では 8

火山ガスの状況( 図 8-5 図 9-4) 12 日 18 日 25 日 27 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の1 日あたりの放出量は 900~1,600 トン (11 月 :700~1,800 トン ) と 増減を繰り返しながら概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の状

地震や微動の発生状況( 図 5-23 図 6-2~4 図 7 表 1~4) 火山性微動の振幅は 3 月にやや大きな状態となる期間もありましたが その他の月は概ね小さな状態で経過しました 火山性地震は 1 月から2 月にかけてやや少ない状態で経過しましたが 3 月以降は概ね多い状態で経過しました 火山

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地震や微動の発生状況( 図 8-2~4 図 9-23 図 10~11 表 1~4) 火山性地震は 3 月から5 月にかけて一時的に減少した期間もありましたが 概ね多い状態で経過しました 火山性地震の震源は 主に中岳第一火口付近のごく浅い所から深さ0km に分布しました 孤立型微動は 3 月以降増加し

11 月 25 日 10 時 11 分に 阿蘇火山博物館火口カメラで 噴火を確認し 現地調査では 12 時 00 分に灰白色の噴煙が火口縁上 500m まで上がっているのを確認しました 11 月 26 日以降は連続的に噴火が発生し 11 月 27 日には噴煙が火口縁上 1,500mまで上がるなど活発

BCMニュースNO.2_企業における火山の噴火降灰対策について

草 津 白 根 山

(3) 爆発的噴火の基準上述の噴火の区分とは別に 爆発的噴火 という呼称を使うことがある 阿蘇山における爆発的噴火とは 爆発地震があり 古坊中 ( 火口から約 1km) の観測点で 30Pa 以上の空振 もしくは仙酔峡 ( 火口から約 2km) の観測点で 20Pa 以上の空振を伴うものとしている

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平成25年3月 地震火山月報(防災編)

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資料1 火山研究の現状について

(1) 近年の火山噴火近年 火山活動が全国的に活発化している 図 1 は 日本周辺における火山について 2010 年 1 月から 2016 年 12 月までの噴火警戒レベルが 2 以上 火口周辺危険または周辺海域警戒である火山 ( 以下 活動が活発な火山 とする ) の総数の推移を表したものである

平成30年10月 地震・火山月報(防災編)

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火山活動解説資料 ( 令和元年 5 月 ) 栗駒山の火山活動解説資料 ( 令和元年 5 月 ) 仙台管区気象台地域火山監視 警報センター 火山活動に特段の変化はなく 静穏に経過しており 噴火の兆候は認められません 30 日の噴火警戒レベル運用開始に伴い 噴火予報 ( 噴火警戒レベル 1 活火山である

3 霧島山総合観測班の活動状況について 8 月 8 日から10 日にかけて 東京大学地震研究所の観測点の状況調査 及び8 月 26 日から31 日に噴出物調査を実施し これらの期間中に現地事務所を臨時に立ち上げた 9 月 6 日から8 日にかけての新燃岳北観測点の復旧については 気象庁本庁において現

年間の火山活動

PowerPoint プレゼンテーション

資料構成

平成28年5月 地震・火山月報(防災編)

第 109 回 火山噴火予知連絡会資料 2008 年 2 月 15 日 東北大学大学院理学研究科

2019 年1月3日熊本県熊本地方の地震の評価(平成31年2月12日公表)

200km 20 30km EDM GPS JERS-1 SAR

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同様に急激な地殻変動により励起された構造性の地震と考える方が妥当であって 巨大地震が火山活動を活発化させた証拠と決めつけるのは短絡的である 巨大地震後に噴火が発生した西之島 硫黄島 阿蘇山や口永良部島は震源から 1000km 以上離れている 3.11 巨大地震が近場の火山ではなく 遠方の火山噴火を励

1999年6月福岡水害における博多駅周辺の

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平成28年4月 地震・火山月報(防災編)

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(2) 過去に発生した火山災害 過去に発生した世界の主な火山災害は以下のとおりです 御嶽山では水蒸気爆発による大きな噴石の 飛散により多数の死傷者が発生しましたが 溶岩流や火山灰などによる被害も多く発生しています 1 御嶽山 ( 日本 ) 2014 年 9 月に水蒸気爆発により御嶽山が 7 年ぶりに

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平成30年度予算案における火山防災対策関係予算の概要について

鶴見 伽藍岳 九州の活火山 福江火山群 雲仙岳 阿蘇 阿蘇山 由布岳九重山 韓国 ロシア 日本海 太平洋 世界に約 1200 活火山日本に110 活火山九州に17 活火山 諏訪瀬之島 噴火警戒レベル 2 ( 火口周辺規制 ) 噴火警戒レベル 3 ( 入山規制 ) 薩摩硫黄島 口之島中之島 住吉 米丸

平成20年度予算のメモ

. ポイント 火山活動の変化を的確に検知し 迅速に登山者等に伝達できる 観測体制強化 関係機関への情報伝達迅速化 屋外放送 携帯端末 パトロールから伝達等 予測不能な突発的噴火の際 避難できる施設が整備されている 噴石等に耐えられる堅牢施設 避難すべき施設を登山者が認知等 噴火警報発表時 噴火時に登

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

平成 30 年 4 月 9 日 01 時 32 分頃の島根県西部の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 )

この資料は速報値であり 後日の調査で変更されることがあります 時間帯 最大震度別回数 震度 1 以上を観測した回数 弱 5 強 6 弱 6 強 7 回数 累計 4/14 21 時 -24 時 /15 00 時 -24 時 30

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~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

1 計画の目的 当施設は 箱根町地域防災計画に 活動火山対策特別措置法 ( 以下 活火山法 という ) 第 6 条に基づく 避難促進施設 として定められており 活火山法第 8 条に基づき本計画を定める 本計画は 当施設に勤務する者 ( 従業員 ) 施設の利用者 施設周辺にいる登山者 旅行者等の噴火時

日本の火山災害対策 ~施策と組織~

現 地 調 査 では 火 口 周 辺 の 地 形 や 噴 気 等 の 状 況 に 変 化 は 見 られませんでした また 赤 外 熱 映 像 装 置 5) による 観 測 では 2015 年 3 月 頃 から5 月 29 日 の 噴 火 前 に 温 度 上 昇 が 認 められていた 新 岳 火 口

九州地方とその周辺の地震活動(2016年5月~10月)

むしろ画期的だったのは 火山学者の提言に 行政が初めて耳を傾けたことでした そう言い切る理由は インドネシアにおいて 10 年以上も前の 1988 年に予知に成功しているからである インドネシアのバンダ アピ火山では 噴火の前日に約 5,000 人の全住民を島外避難させている 日本で博士を取得した担

(2) 陸域で噴火した場合に 発生を想定すべき現象について及び水蒸気噴火を想定すべきか 1) 発生が想定される現象 御倉山のような溶岩ドーム形成の可能性があり この場合はドーム崩落型の火砕流を想定していく必要がある 高粘性のマグマ ( 安山岩から流紋岩まで想定 ) 噴出による溶岩ドームの形成およびそ

地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報

我が国における活火山の分布 2

2 月 20 日 に 実 施 した 現 地 調 査 では 2014 年 11 月 25 日 以 降 の 噴 火 活 動 により 中 岳 第 一 火 口 南 側 付 近 に 火 山 灰 やスコリア 6) が6~26cm 堆 積 しているのを 確 認 しました 2 月 23 日 に 熊 本 県 及 び2

資料6 (気象庁提出資料)

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

Microsoft Word - 【河計】北陸管内における砂防部局の火山噴火対策の現状

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火山防災協議会に参画する火山専門家等の連携会議(第2回) 議事次第等

火山噴火予知連絡会への提出資料 火山噴火予知連絡会資料第 116 回 (2010 年 6 月 16 日 ) 雲仙岳周辺における傾斜変動 雲仙岳北麓における全磁力変化 雲仙火山における地下水観測 雲仙火山における温泉観測 阿蘇火山における温泉観測 第 117 回 (2010 年 10 月 13 日 )

1. 内閣府 ( 防災担当 ) P1 2. 内閣府 ( 科学技術 イノベーション担当 ) P6 3. 気象庁 P12 4. 国土地理院 P14 5. 海上保安庁 P27 6. 文部科学省 P30 7. 防災科学技術研究所 P35 8. 情報通信研究機構 P37 9. 産業技術総合研究所 P41 10

GPMデータの 数値予報業務での利用

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(/9) 07 年に発生した地震の概要. 佐賀県の地震活動 07 年に佐賀県で震度 以上を観測した地震は 9 回 (06 年は 85 回 ) でした ( 表 図 3) このうち 震度 3 以上を観測した地震はありませんでした (06 年は 9 回 ) 表 07 年に佐賀県内で震度 以上を観測した地震

火山リスクと企業の対策

福徳岡ノ場 2010/02/03 海底噴火による噴煙 ( 写真 7) 小規模のコックステールジェットが発第三管区海生 ( 写真 8) し 同噴火海域付近には 濃黄褐色 茶褐色 褐色 緑色 上保安本部乳白色の変色水及び浮遊物を視認 ( 写真 9) した 2010/02/04 海上自衛隊 熱及び白煙を伴

平成25年8月 地震・火山月報(防災編)

68 国土地理院時報 2016 No だいち 2 号による緊急観測だいち 2 号は, だいちの後継機として 2014 年 8 月から定常的な観測を開始し,2014 年 11 月からデータの定常配布が始まった. だいち 2 号の主な性能は表 -1 のとおりである. 表 -1 だいち 2

平成 22 年度科学技術振興調整費 重要政策課題への機動的対応の推進 課題 成果速報 平成 23 年霧島山新燃岳噴火に関する緊急調査研究 1-4 広帯域地震 計による 観測 広帯域地震計による観測 東京大学地震研究所

佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

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スライド 1

日本海溝海底地震津波観測網の整備と緊急津波速報 ( 仮称 ) システムの現状と将来像 < 日本海溝海底地震津波観測網の整備 > 地震情報 津波情報 その他 ( 研究活動に必要な情報等 ) 海底観測網の整備及び活用の現状 陸域と比べ海域の観測点 ( 地震計 ) は少ない ( 陸上 : 1378 点海域


気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

火山噴火予知連絡会会報第 113 号 資料 5 第 14 回火山活動評価検討会議事概要 日時 ) 平成 24 年 9 月 27 日 ( 木 )13:00~16:00 場所 ) 気象庁 5F 大会議室出席者 ) 石原座長 井口 ( 京大防災研 ) 今給黎( 地理院 ) 植木( 東北大 ) 藤山( 内閣

2018 年の山形県とその周辺の地震活動 1. 地震活動の概況 2018 年に 山形県とその周辺 ( 図 1の範囲内 ) で観測した地震は 2,250 回 (2017 年 :2,447 回 ) であった 山形県内で震度 1 以上を観測した地震は 図の範囲外で発生した地震を含めて 47 回 (2017

新潟県中越沖地震を踏まえた地下構造特性調査結果および駿河湾の地震で敷地内の揺れに違いが生じた要因の分析状況について

火山噴火予知連絡会会報 第 124 号 青ヶ島の噴気帯の現地調査結果 (2016 年 4 月 19 日 ~21 日 ) * Results of Field Survey on Fumarolic Area in Aogashima (April 19-21, 2016) ** 筑波大学 Unive

4-2 伊豆地方の地殻変動

はじめに 火山噴火予知連絡会では 衛星データを利用した火山活動の把握及び評価を目的とした 衛星解析グループを平成 18 年 11 月に設置し 気象庁と宇宙航空研究開発機構との間で締結した 陸域観測技術衛星データによる火山活動の評価及び噴火活動の把握に関する共同研究協定 に基づき 平成 19 年度から

布 ) の提供を開始するとともに 国民に対し分かりやすい説明を行い普及に努めること 図った 複数地震の同時発生時においても緊急地震速報の精度を維持するための手法を導入するとともに 緊急地震速報の迅速化を進める 特に 日本海溝沿いで発生する地震については 緊急地震速報 ( 予報 ) の第 1 報を発表

活動火山対策特別措置法 ( 昭和 48 年法律第 61 号 昭和 53 年改正 ) の概要 目的火山の爆発その他の火山現象により著しい被害を受け 又は受けるおそれがあると認められる地域等について 避難施設 防災営農施設等の整備及び降灰除去事業の実施を促進する等特別の措置を講じ もつて当該地域における

これら1 県 5 市町が設置した退避壕のうち 特に 阿蘇山及び桜島に設置のものはかなりの年数を経過していることもあって 当局が現地で抽出調査した退避壕の中には 施設本体に亀裂が生じたり コンクリートが剥落し一部で鉄筋が露出しているなど 施設の経年劣化が進行しているものもみられた また 退避壕の維持管

準書29(火山)【確定稿】

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< 藤井会長 >: まずは物理観測に関して何か質問はあるか < 石原副会長 >: 気象庁資料 p.12 の地震及び微動の図は 観測点はどこか また 8 時台にA 型地震があったとのことだが 波形の中のどれを指すのか < 気象庁 >: 観測点は田の原上 < 石原副会長 >:A 型地震は それ以前のもの

【資料1-1】最近の火山防災対策の取組状況

資料 3

日本の火山災害対策 ~施策と組織~

静岡県地域防災計画

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

Transcription:

平成 26 年 NO.48 週間火山概況 ( 平成 26 年 11 月 21 日 ~11 月 27 日 ) 火山現象に関する警報等の発表状況 いずれの火山についても 噴火に関する予報警報事項 ( 警戒が必要な事項 ) に変更はありません 表 1 火山現象に関する警報等の発表履歴 ( 平成 26 年 11 月 21 日 ~11 月 27 日 ) 特別警報 発表日時火山名概要警報 予報毎日 07 時 17 時三宅島火山ガス予報島内の火山ガスの分布予想 表 2 11 月 27 日現在の火山現象に関する警報等の発表状況 特別警報 噴火警戒レベルP 警報 予報及びキーワード 該当火山 レベル3( 入山規制 ) 御嶽山 桜島 口永良部島 入山危険 西之島 火口周辺警報 レベル2( 火口周辺規制 ) 草津白根山 三宅島 阿蘇山 霧島山 ( 新燃岳 ) 諏訪之瀬島 火口周辺危険 硫黄島 霧島山( えびの高原 ( 硫黄山 ) 周辺 ) 噴火警報 ( 周辺海域 ) 周辺海域警戒 福徳岡ノ場 噴火予報 レベル 1( 平常 ) 平常上記以外の活火山 印のついた火山は火山現象に関する海上警報も発表中 雌阿寒岳 十勝岳 樽前山 有珠山 北海道駒ヶ岳 秋田焼山 岩手山 秋田駒ヶ岳 吾妻山 安達太良山 磐梯山 那須岳 浅間山 新潟焼山 焼岳 富士山 箱根山 伊豆東部火山群 伊豆大島 九重山 雲仙岳 霧島山 ( 御鉢 ) 薩摩硫黄島 図 1 火山現象に関する警報を発表中の火山 (11 月 27 日現在 ) この資料は気象庁ホームページ (http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/volcano.html) にも掲載しています

警報発表中の火山の活動状況及び警報事項 くさつしらねさん草津白根山 [ 火口周辺警報 ( 噴火警戒レベル2 火口周辺規制)] 火山活動はやや活発な状態で推移しています GNSS 1) 観測によると 湯釜付近の膨張を示す変動が引き続きみられています 3 月上旬から湯釜付近及びその南側を震源とする火山性地震が増加し 消長を繰り返しながら多い状態が継続していましたが 8 月 20 日以降はやや少ない状態で経過しています ( 図 全磁力観測によると 5 月以降の湯釜近傍地下の温度上昇を示す変化は 7 月以降は停滞しています 今後 小規模な噴火が発生する可能性があることから 湯釜火口から概ね1km の範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください また ところどころで火山ガスの噴出が見られ 周辺のくぼ地や谷地形などでは滞留した火山ガスが高濃度になることがありますので 注意してください 図 2 草津白根山火山性地震の日別回数 (2014 年 3 月 1 日 ~11 月 27 日 ) おんたけさん御嶽山 [ 火口周辺警報 ( 噴火警戒レベル3 入山規制)] 火山活動には低下傾向がみられるものの 火口列からの噴煙活動や地震活動が続いており活発な状態で推移しています 火山性地震は少ない状態で経過しています 21 日に2 回 22 日に1 回 23 日に1 回 いずれも継続時間が数分程度で 振幅の小さい火山性微動を 観測しました 遠望カメラによる噴煙などの状況 傾斜計などその他の観測データには特段の変化はみられていません 山頂火口からの噴煙は 白色で火口縁上 10~500m で経過しています 国土地理院の GNS 1) データの解析によると 9 月上旬頃から御嶽山を挟む基線でごくわずかな伸びがみられ また 9 月下旬頃からごくわずかな縮みの傾向がみられています 御嶽山では 今後も小規模な噴火が発生する可能性があります また 噴気活動や地震活動等が活発 化する場合には 火口周辺に大きな噴石を飛散させ 火砕流を伴うような噴火となる可能性があります 火口から4km程度の範囲では大きな噴石の飛散や火砕流に警戒してください 風下側では火山灰だ けでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください また 降雨時には土石流の可能性がありますので注意してください みやけじま A 三宅島 [ 火口周辺警報 ( 噴火警戒レベル2 火口周辺規制)] 噴煙は 白色で火口縁上 50~200m で経過しています 火山性地震は 少ない状態で経過しています 21 日に実施した現地調査では 二酸化硫黄の放出量は1 日あたり 300 トン ( 前回 9 月 26 日 200 トン ) で やや少ない状態でした 二酸化硫黄の放出量が長期的に継続しており 火山活動はやや活発な状態で推移しています 三宅村によると 山麓ではまれにやや高濃度の二酸化硫黄が観測されています 山頂火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので 山頂火口周辺 ( 雄山環状線内側 ) では噴火に警戒してください また 火山ガス予報で火山ガスの濃度が高くなる可能性があると予想

される地域では 火山ガスに警戒してください にしのしま西之島 [ 火口周辺警報 ( 入山危険 ) 及び火山現象に関する海上警報 ] これまでの海上保安庁 海上自衛隊の観測によると 噴火活動の継続が確認されていることから 今後も噴火が続くおそれがありますので 西之島の中心から概ね6km 以内の範囲では噴火に警戒してください また 周辺海域では浮遊物に注意してください いおうとう硫黄島 [ 火口周辺警報 ( 火口周辺危険 ) 及び火山現象に関する海上警報 ] 火山性地震は少ない状態で経過しています 23 日に1 回及び27 日に1 回 いずれも継続時間が数分程度で 振幅の小さい火山性微動が発生しましたが 遠望カメラでは特段の変化は認められませんでした GNS 1) 観測によると 地殻変動は2 月下旬頃から隆起の傾向がみられていましたが 9 月頃から停滞傾向です 硫黄島の島内は全体に地温が高く 多くの噴気地帯や噴気孔があり 過去には各所で小規模な噴火が発生しています このことから火山活動はやや活発な状態で推移しており 火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想されますので 従来から小規模な噴火が発生している地点 ( ミリオンダラーホール ( 旧噴火口 ) 等 ) 及びその周辺では噴火に警戒してください ふくとくおかのば福徳岡ノ場 [ 噴火警報 ( 周辺海域警戒 ) 及び火山現象に関する海上警報 ] 26 日に第三管区海上保安本部が実施した上空からの観測によると 変色水等は認められませんでした 海上保安庁海洋情報部 第三管区海上保安本部 海上自衛隊及び気象庁によるこれまでの上空からの観測によると 福徳岡ノ場付近の海面には長期にわたり火山活動によるとみられる変色水等が確認されるなど やや活発な状態で推移しており 今後も小規模な海底噴火が発生すると予想されますので 周辺海域では噴火に警戒してください あそさん阿蘇山 [ 火口周辺警報 ( 噴火警戒レベル2 火口周辺規制)] 阿蘇山では活発な噴火活動が続いています 25 日に噴火が発生し連続的な噴火が継続しています 27 日に実施した現地調査では ストロンボリ式噴火を観測しました また 中岳第一火口の南側で火山灰が約 7cm 堆積し こぶし大のスコリア 4) が飛散していることを確認しました 遠望カメラでは 噴煙は火口縁上 300~1,500m まで上がり 火口周辺に小さな噴石が飛散しました 27 日に国土交通省九州地方整備局の協力を得て 気象庁機動調査班 (JMA-MOT) が実施した上空からの観測では 火山灰を含む噴煙が火口縁上 1,000m まで上がり 火口周辺に多量の降灰が確認しました また 福岡管区気象台 熊本地方気象台 大分地方気象台は噴火に伴う降灰の状況について現地調査及び聞き取り調査を行いました 25 日は中岳第一火口の東側約 30km まで 26 日は南東側約 40km まで 27 日は西側約 50km を最大に南側約 20km 北側約 10km と広い範囲で降灰を確認しました 火山性微動の振幅は引き続き大きい状態が継続しています 火山性地震及び孤立型微動は多い状態で経過しているものと推定しています 中岳第一火口では 夜間に遠望カメラ ( 高感度カメラ ) で火映を 火口カメラ ( 阿蘇火山博物館設置 ) 5) で火炎を期間を通して観測しました GNSS 1) 連続観測では一部の基線にわずかな伸びの傾向が認められます 傾斜計では25 日 06 時過ぎから火口上がりの傾向が認められます 今後も噴火が繰り返し発生する可能性があります 中岳第一火口から概ね1km の範囲では 噴火に伴う 弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください 図 3 阿蘇山火山性微動の 30 分間平均振幅 (2013 年 1 月 1 日 ~2014 年 11 月 27 日 )

きりしまやましんもえだけ霧島山 ( 新燃岳 ) [ 火口周辺警報 ( 噴火警戒レベル2 火口周辺規制)] 新燃岳では 噴火は発生しませんでした 火山性地震は少ない状態で経過し 火山性微動は発生していません 傾斜計では 火山活動に伴う特段の変化は認められません GNSS 1) 連続観測によると 新燃岳の北西数 km( えびの高原付近 ) の地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は 2011 年 12 月以降鈍化 停滞していましたが 2013 年 12 月頃から伸びの傾向がみられます 今後の火山活動の推移に注意する必要があります 新燃岳火口から概ね1km の範囲では 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してくだ さい 風下側で火山灰だけでなく小さな噴石 ( 火山れき 7) ) が風に流されて降るおそれがあるため注意してください 降雨時には 泥流や土石流に注意してください きりしまやま霧島山 ( えびの高原 ( 硫黄山 ) 周辺 )[ 火口周辺警報 ( 火口周辺危険 )] 霧島山のえびの高原 ( 硫黄山 ) 周辺では 火山性地震が時々発生しました ( 図 5) 火山性微動は観測されていません えびの高原の硫黄山から概ね1km の範囲では 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒して下さい 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください 図 5 霧島山 ( えびの高原 ( 硫黄山 ) 周辺 ) 火山性地震の日別回数 (2013 年 12 月 1 日 ~2014 年 11 月 27 日 ) さくらじま桜島 [ 火口周辺警報 ( 噴火警戒レベル3 入山規制)] 桜島では 噴火活動が続きました 昭和火口では 小規模な噴火が発生しましたが 爆発的噴火は発生しませんでした また 同火口では 夜間に高感度カメラ 8) で明瞭に見える火映を 24 日から 26 日にかけて観測しました 南岳山頂火口では 噴火は発生しませんでした 桜島島内の傾斜計では 2014 年 1 月頃から山体が隆起する傾向がみられていましたが 7 月中旬頃から山体が沈降する傾向となっています GNS 1) 連続観測では 桜島島内の基線で 2014 年 1 月頃から伸びの傾向がみられていましたが 7 月頃から停滞しています 姶良カルデラ ( 鹿児島湾奥部 ) の膨張を示す伸びの傾向は 2013 年 6 月頃から停滞していますが 長期的には膨張が進行してきており 引き続き活発な噴火活動が継続すると考えられますので 火山活動の推移に注意してください 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2km の範囲では 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及 び火砕流に警戒してください 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石 ( 火山れき 7) ) が遠方まで風に流されて降るため注意してください 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください また 降雨時には土石流に注意してください 口永良部島くちのえらぶじま [ 火口周辺警報 ( 噴火警戒レベル 3 入山規制 )] 口永良部島では 火山活動の高まった状態が継続しています 噴火は発生しませんでしたが 新岳火口からの噴煙量は噴火前に比べて多い状態で 白色の噴煙が最高で火口縁上 800m まで上がりました 東京大学大学院理学系研究科及び京都大学防災研究所が 26 日に実施した調査では 二酸化硫黄の放出量は 1 日あたり 700 トンで 噴火前に比べ多い状態が継続しています 火山性地震 火山性微動は観測されていません 噴煙活動等は継続しており 今後も 8 月 3 日と同程度の噴火が発生する可能性がありますので 新岳火口から概ね 2km の範囲では 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石 に警戒してください 向江浜地区から新岳の南西にかけて 火口から海岸までの範囲では火砕流に警戒してください 風下側では火山

灰だけでなく小さな噴石 が風に流されて降るおそれがあるため注意してください 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください すわのせじま諏訪之瀬島 [ 火口周辺警報 ( 噴火警戒レベル2 火口周辺規制)] 諏訪之瀬島では 活発な噴火活動が続いています おたけ御岳火口では時々噴火が発生し 23 日には灰白色の噴煙が火口縁上 1,000m まで上がりました 火山性地震はやや多い状態で経過し 火山性微動を時々観測しました また 同火口では期間を通して 夜間に高感度カメラで火映を観測しました 諏訪之瀬島では 長期にわたり噴火を繰り返しています 今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので 火口から概ね1km の範囲では 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴 石に警戒してください 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注意してください 噴火予報発表中の火山の活動状況及び予報事項 ざおうざん蔵王山 [ 噴火予報 ( 平常 )] 今期間 坊平観測点に設置している傾斜計では わずかな東 ( 山頂の南側 ) 上がりの変動がみられています 火山性地震は少ない状況で経過し 火山性微動は観測されませんでした 蔵王山では 2014 年 8 月以降 火山活動の高まりがみられます 過去の活動期には 突発的な噴気孔の生成や 火山ガスの噴出等の現象があったことから 登山等で火口に近づく際には十分注意してください 上記以外の火山では 期間中 火山活動に特段の変化はなく 予報事項に変更はありません 1) GNSS(GlobalNavigationSateliteSystems) とは GPS をはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称です 火山活動による山体の傾きを精密に観測する機器 火山体直下へのマグマの貫入等により変化が観測されることがあります 噴石については その大きさによる風の影響の程度の違いによって到達範囲が大きく異なります 本文中 大きな噴石 とは 風の影響を受けず弾道を描いて飛散する大きな噴石 のことであり 小さな噴石 とはそれより小さく 風に流されて降る小さな噴石 のことです 4) マグマ由来の多孔質の黒い噴出物で 白っぽいものは軽石と呼びます 5) 高温の噴出物が炎のように見える現象 6) 阿蘇山特有の微動で 火口直下のごく浅い場所で発生しており 周期 0.5~1.0 秒 継続時間 10 秒程度で振幅が 5μm/s 以上のものを孤立型微動としています 7) 霧島山 桜島では 火山れき の用語が地元で定着していると考えられることから 付加表現しています 8) 九州地方整備局大隅河川国道事務所が黒神河原上流に設置したカメラ等によります 注 ) 本資料は速報的な内容を含みます データについては精査により 後日修正することがあります 詳細については 毎月発表の火山活動解説資料を参照してください http:/ww.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/stock/monthly_v-act_doc/monthly_vact.htm 参考 噴火警報 予報と噴火警戒レベル等の対応表噴火警戒レベル対象火山 噴火警戒レベル対象外の火山 噴火警戒レベル ( キーワード ) 警報 予報警戒事項等 ( キーワード ) レベル 5( 避難 ) レベル 4( 避難準備 ) レベル 3( 入山規制 ) レベル 2( 火口周辺規制 ) 噴火警報居住地域厳重警戒 火口周辺警報 入山危険 火口周辺危険 レベル 1( 平常 ) 噴火予報平常海底火山については 噴火警報 ( 周辺海域 )( キーワード : 周辺海域警戒 ) と噴火予報 ( キーワード : 平常 ) で発表します 印のついた噴火警報は 特別警報に位置づけられています