<連載講座>アルマイト従事者のためのやさしい化学(XVII)--まとめと問題 (1)

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2011年度 化学1(物理学科)

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

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▲ 電離平衡

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

イオン化傾向 イオン化傾向 1 金属の単体はいずれも酸化されて陽イオンになりうる 金属のイオンのなりやすさを表したものをイオン化傾向という イオン化傾向 K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au e- を出してイオンになりやすい酸化されやすい イ

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

2017 年度一般入試前期 A 日程 ( 1 月 23 日実施 ) 化学問題 (63 ページ 74 ページ ) 問題は大問 Ⅰ Ⅳ までありますが 一部 他科目との共通問題となっています 大問 Ⅰ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅰ と共通の問題です 大問 Ⅱ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問

平成27年度 前期日程 化学 解答例

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

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2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

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カールフィッシャー法と濃度計算問題

木村の化学重要問題集 01 解答編解説補充 H S H HS ( 第 1 電離平衡 ) HS H S ( 第 電離平衡 ) そこで溶液を中性または塩基性にすることにより, つまり [ H ] を小さくすることにより, 上の電離平衡を右に片寄らせ,[ S ] を大きくする 193. 陽イオン分析 配位

調査研究「教科等で考える異校種間の連携の工夫」〔理科〕

XIII キレート滴定 Chelatometry 金属イオンにキレート生成試薬 ( 水溶性多座配位子 ) を加え 電離度の極めて小さい水 溶性キレート化合物 ( 分子内錯化合物 ) を生成させる キレート生成試薬 EDTA:Ethylenediaminetetraacetic Acid 最も一般的

電子配置と価電子 P H 2He 第 4 回化学概論 3Li 4Be 5B 6C 7N 8O 9F 10Ne 周期表と元素イオン 11Na 12Mg 13Al 14Si 15P 16S 17Cl 18Ar 価電子数 陽

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FdText理科1年

第 11 回化学概論 酸化と還元 P63 酸化還元反応 酸化数 酸化剤 還元剤 金属のイオン化傾向 酸化される = 酸素と化合する = 水素を奪われる = 電子を失う = 酸化数が増加する 還元される = 水素と化合する = 酸素を奪われる = 電子を得る = 酸化数が減少する 銅の酸化酸化銅の還元

注釈 * ここでニッケルジメチルグリオキシム錯体としてのニッケルの重量分析を行う場合 恒量値を得るために乾燥操作が必要だが それにはかなりの時間を要するであろう ** この方法は, 銅の含有量が 0.5% 未満の合金において最も良い結果が得られる 化学物質および試薬 合金試料, ~0.5 g, ある

必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 O= 標準状態で mol の気体が占める体積. L 問題文中の体積の単位記号 L は, リットルを表す Ⅰ 次の問いに答えなさい 問 飲料水の容器であるペットボトルに使われているプラスチックを, 次の中から つ選び, 番号をマークしなさい ポリエチレン

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H

1 次の問い ( 問 1~ 問 5) に答えよ (23 点 ) 問 1 次の単位変換のうち, 正しいもののみをすべて含む組み合わせは どれか マーク式解答欄 1 (a) 1.0 kg = mg (b) 1.0 dl = ml (c) 1.0 g/cm 3 = 1.

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

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科学先取り岡山コース ( 大学先取り 化学分野 ) 2008 年 12 月 13 日 ( 土 ) 担当 : 大久保貴広 ( 岡山大学大学院自然科学研究科 ) 1 はじめに高校までの化学では 先人たちの努力により解き明かされた物質や基本的な現象を中心に勉強していることと思います それ故 覚えなければな

キレート滴定2014

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SO の場合 Leis の酸塩基説 ( 非プロトン性溶媒までも摘要可 一般化 ) B + B の化学反応の酸と塩基 SO + + SO SO + + SO 酸 塩基 酸 塩基 SO は酸にも塩基にもなっている 酸の強さ 酸が強い = 塩基へプロトンを供与する能力が大きい 強酸 ( 優れたプロトン供与

分析化学講義資料 ( 容量分析 ) 林譲 (Lin, Rang) 容量分析概要容量分析法 (volumetric analysis) は滴定分析法 (titrimetric analysis) とも呼ばれている この方法は, フラスコ中の試料液の成分とビュレットに入れた濃度既知の標準液 (stand

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化学基礎 化学 化学基礎 化学 ( 全問必答 ) 第 1 問次の各問い ( 問 1~ 6 ) に答えよ 解答番号 1 ~ 8 ( 配点 25) 問 1 次の a ~ c に当てはまるものを, それぞれの解答群 1~4 のうちから一つずつ 選べ a Al 3+ と物質量の比 2 :3 で化合物をつくる

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student chemistry (2019), 1, 多価酸 1 価塩基滴定曲線と酸塩基滴定における学術用語についての考察 西野光太郎, 山口悟 * 茨城県立水戸第一高等学校化学部 茨城県水戸市三の丸 (2019 年 3 月 1 日受付 ;2019 年

補足 中学校では塩基性ではなくアルカリ性という表現を使って学習する アルカリはアラビア語 (al qily) で, アル (al) は定冠詞, カリ (qily) はオカヒジキ属の植物を焼いた灰の意味 植物の灰には Na,K,Ca などの金属元素が含まれており, それに水を加えて溶かすと, NaOH

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指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

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Ⅲ-2 酸 塩基の電離と水素イオン濃度 Ⅲ-2-1 弱酸 Ex. 酢酸 CH 3 COOH 希薄水溶液 (0.1mol/L 以下 ) 中では 一部が解離し 大部分は分子状で存在 CH 3 COOH CH 3 COO +H + 化学平衡の法則より [CH 3 COO ][H + ] = K [CH 3

現行の学習指導要領(1998年公示,2002年実施)は,教育の総合化をキーワードに,「生きる力の育成」と「ゆとりある教育」をねらいとしている

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前ページの反応から ビタミン C はヨウ素によって酸化され ヨウ素はビタミン C によって還元された と説明できます あるいはビタミン C は還元剤として働き ヨウ素は酸化剤として働いた ともいう事ができます 定量法 ある物質の量や濃度を知りたいとき いくつかの定量法を使って調べることができます こ

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3

ビュレットに水酸化ナトリウム水溶液を入れてビュレット台にセットした この段階で予備測定として ある程度の量を滴下して 指示薬の変色までに必要な水酸化ナトリウム水溶液のおおよその滴下量を調べた 先程と同じように酢酸水溶液を調整し ビュレットに水酸化ナトリウム水溶液を補充して本測定を開始した まず 酢酸

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第3類危険物の物質別詳細 練習問題

木村の有機化学小ネタ セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア

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photolab 6x00 / 7x00 バーコードのない測定項目 バーコードのない測定項目 使用できる測定法 これらの測定項目の分析仕様は 付録 4 に記載されています ここでは 使用方法は カラム 5 の測定法番号を使用して手動で選択します 測定法の選択方法の説明は 光度計の機能説明の 測定法の

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14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

(2) 本単元に関わる生徒の実態及び指導方針 1 既習の学習内容 水溶液には酸性 中性 アルカリ性のものがあること 金属を変化させる水溶液があること( 小 6) 気体の発生と性質 物質への水への溶解について( 第 1 学年 ) 物質が原子や分子でできていること( 第 2 学年 ) 電流が電子の流れで

TECHNICAL DATA SHEET 貴金属化成品 ( 塩化物, 他 ) 金 品名化学式分子量 含有量 ( 理論値 ) 色調 形状 毒劇物 指定 *2*3 CAS No. 詳細 塩化金 (Ⅲ) 酸 4 水和物 H[AuCl 4] 4H 2O % 淡黄色 結晶劇物 130

A 通 則 1. 添加物の適否は, 別に規定するもののほか, 通則, 一般試験法, 成分規格 保存基準各条等の規定によって判定する ただし, 性状の項目の形状は, 参考に供したもので, 適否の判定基準を示すものではない 2. 物質名の前後に を付けたものは, 成分規格 保存基準各条に規定する添加物を

金属イオンのイオンの濃度濃度を調べるべる試薬中村博 私たちの身の回りには様々な物質があふれています 物の量を測るということは 環境を評価する上で重要な事です しかし 色々な物の量を測るにはどういう方法があるのでしょうか 純粋なもので kg や g mg のオーダーなら 直接 はかりで重量を測ることが

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品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ

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がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

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とである そこで, 紫キャベツを使った料理にレモンをかけると色が変わることを取り上げたり, 湖沼の水質の中和やあくとりなどの例を用いたりして, 興味 関心を高めるようにしたい なお,1 学年の いろいろな気体の性質,2 学年の 化学変化と原子 分子 ( 化学式と化学反応式 ),3 学年の 酸 アルカ

研究要旨 研究背景研究目的 意義研究手法結果 考察結論 展望 研究のタイトル 研究要旨 ( 概要 ) あなたの研究の全体像を文章で表現してみよう 乳酸菌を用いてハンドソープの殺菌力を上げる条件を調べる手を洗う時に どのくらいの時間をかければよいのかということと よく薄めて使うことがあるので薄めても効

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決するための学習の見通しをもたせ, 単元を貫く課題を意識させ, 目的意識をもたせた授業を展開していきたい 本単元では, 理科での学習内容が日常生活で見られる事象に関連することに気付かせたい 日常生活の事象から酸とアルカリの性質を粒子で考え中和反応をイオンのモデルと関連付けて理解させたい それを通して

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アルマイト従事者のためのやさしい化学 (ⅩⅦ) - まとめと問題 1- 野口駿雄 Ⅰ. はじめに前号までに化学の基礎 アルミニウム表面処理に使用されている前処理液 ( 特にアルカリ溶液 ) 及び硫酸電解液や蓚酸電解液の分析方法について その手順を 使用する分析用器具を図示し また簡単な使用方法を付け加えながら示し 初心者でもその図を見ながら順を追って操作を行えば それぞれの分析が出来るように心がけ 述べてきたが前号を以って終了とする 前号までの内容については 専門的に見ると少し疑問に思えるような表現も用いてきたが 初心者にわかりやすくする為であり ご理解頂きたい 本号及び次号では最後のまとめとして 今まで述べてきた内容について更に 簡単に解説しながら問題を作成したので解答しながら今までの内容について理解を深めて頂きたい また 解答は次号に纏めて掲載する Ⅱ. 解説を見ながら問題を解いて下さい 1. 基礎化学定量分析には 重量分析 容量分析 比色分析 機器分析などがある ホールピペットを用いて試料溶液の一定量を採取し ビュレットを用いて標準溶液で滴定する方法 即ち 遊離硫酸の濃度や溶存アルミニウムを求める方法は 容量分析になる この項では 化学式 phや容量分析で用いる指示薬などについて述べる 化学式は 例えば アルカリ性を示す水酸化ナトリウムと酸性を示す硫酸との反応を知るうえで重要である 水酸化ナトリウムと硫酸とはどのような反応をするのかを知ることにより 容量分析 ( 滴定 ) により 濃度既知 ( 例えば 1 M f = 1.018 など ) の水酸化ナトリウム溶液を用いて 滴定量 ( ml ) から未知濃度の硫酸濃度を計算により求めることが出来る 従って 化学式 ( 反応式 ) は 容量分析において非常に重要である 1.1. 化学式 解説 1) 水の化学式 ( 分子式 ) H 2 O 及び H 2 O が電離したときの水素イオンと水酸化物イオンの化学記号 正又は負の価数を憶える H 2 O H + + OH - 水水素イオン水酸化物イオン上記式より 水素イオンの価数は +1 水酸化物イオンの価数は -1 であることがわかる 2) 水に溶けて水素イオン又は水酸化物イオンを生じる化合物の化学式から 水素又は水酸化物と化合している原子又は原子団の正又は負の価数を知ることが出来る -14-

⑴ 水素イオンの含まれている化合物 1 塩酸 (HCl) は 次の電離式より塩化物イオンの価数は -1 であることがわかる HCl H + + Cl - 2 塩化ナトリウム (NaCl) の場合 塩化物イオン (Cl - ) は上記電離式より価数は -1 であることがわかっているので ナトリウムイオンの価数は +1 である 水に溶解すると次のように電離する NaCl Na + + Cl - 3 塩化バリウム (BaCl2) は 塩化物イオン2つと反応した化合物であるので バリウムイオンの価数は +2 であることがわかる 電離式は次のようになる BaCl 2 Ba 2+ + 2Cl - 4 硫酸 (H 2 SO 4 ) は 水素イオン2つと反応した化合物である 従って 硫酸イオンの価数は -2 であることがわかる H 2 SO 4 2H + 2- + SO 4 3りん酸 (H 3 PO 4 ) は 水素イオン3つと反応した化合物である 従って りん酸イオンの価数は -3 であることがわかる H 3 PO 4 3H + 3- + PO 4 ⑵ 水酸化物イオンの含まれている化合物 1アンモニア水 (NH 4 OH) は 次のように電離してアンモニウムイオンと水酸化物イオンを生じる 次の式よりアンモニウムイオンの価数は + 1 であることがわかる この場合は 窒素 (N)1 原子に水素 (H)4 原子が結合してNH + 4 ( アンモニウムイオン ) で表わされる原子団を生じ このイオンは水素と窒素に分かれることなく水素イオンのように 1つの原子からなるイオンと同じように反応する 硫酸イオン (SO 2 4 ) りん酸イオン (PO 3 4 ) 硝酸イオン (NO 3 ) などもそれぞれの原子に分かれることなく反応する + NH 4 OH NH 4 + OH - 2 水酸化カルシウム Ca(OH) 2 は 2つの水酸化物が結合しているので カルシウムイオンの価数は + 2 であることが分かる Ca(OH) 2 Ca 2+ + 2OH - 問題 以下に示した問題で 正しい記述には 印 誤っているものには 印を ( ) 内に入れなさい もしも誤っている場合は 正しい答えの番号を 内に入れなさい ( ) 水の一般的な化学式は 1 が正しい ( 誤っている場合 が正しい ) 1 H 2 O 2 H 3 O 3 H 2 O 2 4 HO 2 ( ) 水素イオンの原子価は 2 が正しい ( 誤っている場合 が正しい ) 1 +1 2 +2 3 +3 4-1 5-2 6-3 ( ) 水酸化物イオンの原子価は3が正しい ( 誤っている場合 が正しい ) 1 +1 2 +2 3 +3 4-1 5-2 6-3 -15-

( ) 水酸化物イオンの原子価を参考にして 水酸化鉄 Fe (OH)3 の鉄イオンの原子価を求 めると 3になる ( 誤っている場合 が正しい ) 1 +1 2 +2 3 +3 4-1 5-2 6-3 ( ) 硫酸の化学式は 2 が正しい ( 誤っている場合 が正しい ) 1 H 2 CO 4 2 H 2 SO 4 3 H 3 PO 4 4 HNO 3 ( ) 硝酸の化学式は 3 が正しい ( 誤っている場合 が正しい ) 1 HCl 2 H 2 SO 4 3 H 3 PO 4 4 HNO 3 ( ) 硫酸と水酸化ナトリウムの反応は 4 が正しい ( 誤っている場合 が正しい ) 1 2HCl + Na 2 CO 3 2NaCl + H 2 O + CO 2 ( H 2 CO 3 ) 2 H 2 SO 4 + 2NaOH Na 2 SO 4 + 2H 2 O 3 H 3 PO 4 + 3NaOH Na 3 PO 4 + 3H 2 O 4 HNO 3 + NaHCO 3 Na 2 CO 3 + H 2 O + CO 2 ( H 2 CO 3 ) ( ) アンモニア水の化学記号は 1 が正しい ( 誤っている場合 が正しい ) 1 (NH 4 ) 2 CO 3 2 NH 4 OH 3 (NH 4 ) 2 SO 4 4 NH 4 NO 3 1.2. ph 解説 1pH 関連内容については 次ページに示した phと水素イオン指数の関係及び指示薬の変色 域の表 を参照されたい 2pHとは水素イオン ( 濃度 ) 指数を言い 水素イオン濃度を10 n mol/lで表したときのnで ある 酸性側では 水素イオン濃度は大きくなり 水酸化物イオン濃度は小さくなる 従っ て 塩基性側では 水素イオン濃度は小さくなり 水酸化物イオン濃度は大きくなる 注:[ アルカリと塩基の定義 ] 水酸化物イオン (OH - ) を持つ化合物を塩基といい その なかで水に溶ける塩基をいアルカリという 3 指示薬には ph 指示薬 酸化還元指示薬 キレート指示薬などがある ph 指示薬は 少しのpH 変化で鋭敏に色が変化する色素を用いる 指示薬は 一定のpH 範囲で変色する これを変色域という 例えば メチルレッドは酸性側 (ph4.2) で赤色を 塩基性側 (ph6.3) で黄色を呈する 4pH 指示薬にはどのようなものが表面処理液の分析で用いられているか また それぞれの 指示薬は 何の分析に用いられているかを憶えておく 表参照 例 1 アルカリ脱脂液の全アルカリ度の測定では 指示薬 : メチルオレンジ 変色 ph 範囲 :ph3,1 ( 赤色 ) ~ ph4.4( 黄色 ) アルカリ脱脂液を一定量採取して 塩酸標準溶液で滴定する 被滴定溶液は メチルオレンジをいれると黄色 終点では 塩酸が過剰に入るので酸性側の色になり 赤色になったときが終点 例 2 硫酸電解液中の遊離硫酸の定量では 指示薬 : フェノールフタレイン -16-

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変色 ph 範囲 :ph8.3( 無色 ) ~ ph10.0( 赤色 ) 硫酸電解液を一定量採取して 水酸化ナトリウム標準溶液で滴定する 被滴定溶液は 無色終点は 水酸化ナトリウムが過剰に入るので塩基性側の色になり 赤色になったとき 5pH1の差と水素イオン濃度の関係前記 2で述べたようにpHとは水素イオン ( 濃度 ) 指数を言い 水素イオン濃度 [ H + ] を 1 10 n mol/lで表したときの nをいい 前ページの表からも次の関係にあることがわかる ph 4 の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-4 mol / L ( 0.0001 mol/l) ph 5 の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-5 mol / L ( 0.00001 mol/l) ph 6 の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-6 mol / L ( 0.000001 mol/l) ph 7 の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-7 mol / L ( 0.0000001 mol/l) ph 8 の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-8 mol / L ( 0.00000001 mol/l) ph 9 の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-9 mol / L ( 0.000000001 mol/l) ph 10 の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-10 mol / L ( 0.0000000001 mol/l) 従って 水素イオン濃度 [ H+] を数値で表示し 大きい方から順に並べると ph 0(1 mol/l)>ph 1 ( 省略 )>ph 2(0.01 mol/l)>ph 3( 省略 )>ph 4(0.0001 mol/l)>ph5( 省略 ) >ph 6(0.00001 mol/l)>ph 7(0.0000001 mol/l)ph 8(0.00000001 mol/l)>ph 9(0.000000001 mol/l) >ph 10( 省略 )>ph 11(0.00000000001 mol/l)>ph 12( 省略 )>ph 13( 省略 )>ph 14(0.00000000000001 mol/l) となる 故に 例えばpH 0 を基準にしてpHが大きくなる場合は ph 0 よりpH が1 増加すると ( ph 1の場合 ) 水素イオン濃度は1/10になり ph 0 よりpH が2 増加すると ( ph 2の場合 ) 水素イオン濃度は1/100になり : ph 0 よりpH が5 増加すると ( ph 5の場合 ) 水素イオン濃度は1/100000になる 逆に 例えばpH 14を基準にしてpHが小さくなる場合は ph 14 よりpHが 1 減少すると ( ph 13の場合 ) 水素イオン濃度は10 倍になり ph 14 よりpHが 2 減少すると ( ph 12の場合 ) 水素イオン濃度は100 倍になる : ph 14 よりpHが 5 減少すると ( ph 9の場合 ) 水素イオン濃度は100000 倍になる 以上のことから ph 14 とpH 9 を水素イオン濃度の比として表すと ph 14の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-14 mol / L ph 9 の水素イオン濃度 [ H + ] = 1 10-9 mol / L より ph 14とpH 9では水素イオン濃度は 10-14 10-9 = 10-5 = 0.00001(1 / 100000) の差がある 故に 水素イオン濃度を比で表すと ph 14 : ph 9 = 1 : 100000 の関係になる -18-

問題 以下に示した問題で 正しい記述には ( ) 内に 印 誤っているものには 印を入れなさい もしも誤っている場合は 以下の全ての問題について 記入場所のある場合に限り 正しい答えを 内に入れなさい ( ) 溶液が中性のときpHは3である ( 誤っている場合 : が正しい ) 1 3 2 5 3 7 4 9 ( )phについて4の記述が正しい ( 誤っている場合 : が正しい ) 1 水素イオン濃度 [ H + ] が大きいほど または 水酸化物イオン濃度 [ OH - ] が大きいほどその水溶液のpH 値は小さくなる 2 水素イオン濃度 [ H + ] が大きいほど または 水酸化物イオン濃度 [ OH-] が小さいほどその水溶液のpH 値は大きくなる 3 水素イオン濃度 [ H + ] が大きいほど または 水酸化物イオン濃度 [ OH-] が小さいほどその水溶液のpH 値は小さくなる 4 水素イオン濃度 [ H + ] が小さいほど または 水酸化物イオン濃度 [ OH-] が小さいほどその水溶液のpH 値は大きくなる ( )phとは 水素イオン( 濃度 ) 指数のことを言う ( )ph3: ph7 は 10,000 : 1 の関係にある ( 誤っている場合 : ; が正しい ) ( )ph2: ph5 は 1,000 : 1の関係にある ( 誤っている場合 : ; が正しい ) ( )ph7 は中性で ph8 以上は酸性 ph6 以下は塩基性である 誤っている場合は 誤っている箇所のみ訂正しなさい: ph7 は ( ) 性で ph8 以上は ( ) 性 ph6 以下は ( ) 性である ( ) 水素イオン濃度 [ H + ] が大きくなるに従い その溶液のpHは酸性側に移行する 1.3. 指示薬 解説 1 容量分析に利用されている反応では 無色の溶液と無色の溶液とが反応して 無色の生成物を生じる場合が殆どである そのために 目視では定量目的物質と標準溶液中の標準物質とが完全に反応したかどうかを確認することが困難である 従って 定量目的物質と標準物質とが完全に反応して標準物質が過剰 ( 余分 ) に入ったとき変色するような物質 ( 指示薬という 主として色素 ) を加えておくと 目視で反応の終点を知ることが出来る 特に ph 指示薬は 良く使用する指示薬について酸性側の色 及びアルカリ性 ( 塩基性 ) 側の色と おおよその変色 ph 範囲を記憶しておくと便利である 2 指示薬には ph 指示薬 酸化還元指示薬 キレート指示薬などがある ph 指示薬は 少しのpH 変化で鋭敏に色が変化する色素を用いる 指示薬は 一定のpH 範囲で変色する これを変色域という 例えば メチルレッドは酸性側 (ph4.2) で赤色を 塩基性側 (ph6.3) で黄色を呈する 3pH 指示薬にはどのようなものが表面処理液の分析で用いられているか また それぞれの指示薬は 何の分析に用いられているかを憶えておく 次ページの表参照 例 1 アルカリ脱脂液の全アルカリ度の測定では -19-

指示薬 : メチルオレンジ溶液 変色 ph 範囲 :ph3,1 ( 赤色 ) ~ ph4.4( 黄色 ) アルカリ脱脂液を一定量採取して 塩酸標準溶液で滴定する 被滴定溶液 : メチルオレンジ溶液を加えたときは黄色 終点では 塩酸が過剰に入るので酸性側の色になり 赤色になったときが終点 例 2 硫酸電解液中の遊離硫酸の定量では 指示薬 : フェノールフタレインのエタノール溶液 変色 ph 範囲 :ph8.3( 無色 )~ ph10.0( 赤色 ) 硫酸電解液を一定量採取して 水酸化ナトリウム標準溶液で滴定する 被滴定溶液 : フェノールフタレインのエタノール溶液を加えたときは無色終点では 水酸化ナトリウムが過剰に入るので塩基性側の色になり 赤色になったときが終点 4キレート滴定法では キレート指示薬を用いる 溶存アルミニウムの定量では 過剰の EDTAを 亜鉛標準溶液で滴定する 指示薬 : キシレノールオレンジ溶液 変色 :EDTA 溶液 ( 黄色 )~ 亜鉛標準溶液の過剰 ( 赤色 ) EDTA 標準溶液を加え 所定のpH 調整操作を行った後 亜鉛標準溶液で滴定する 被滴定溶液 : キシレノールオレンジ溶液を加えたときは黄色終点では 亜鉛標準溶液が過剰に入るので 亜鉛イオンとEDTAとが反応し 赤色になったときが終点 問題 以下に示した問題で正しい記述には ( ) 内に 印 誤っているものには 印を入れなさい も しも誤っている場合は 正しい答えを 内に入れなさい ( ) 標準水酸化ナトリウム溶液を用いて硫酸電解液を滴定し 遊離硫酸の濃度を求める場合 指示薬にフェノールフタレインを用いるが 終点での変色は黄色から赤色になる ( 誤っている場合 : 終点での変色は 色から 色 になる が正しい ) ( ) メチルレッド指示薬は 酸性側で黄色を示し 塩基性側では赤色を示す ( 誤っている場合 : 酸性側で 色を示し 塩基性側では 色を示す が正しい ) ( ) チモールブルーはキレート指示薬で 溶存アルミニウムの定量に用いる ( 誤っている場合 : 指示薬で の定量に用いる が正しい ) ( ) キレート滴定では 次に示す3の指示薬を使用する ( 誤っている場合 : が正しい ) 1キシレノールオレンジ 2フェノールフタレイン 3メチルレッド 4チモールブルー -20-

2 液分析 解説 1] 遊離硫酸の濃度測定法 ( 手順 ) 硫酸電解液採取量 5 ml [ 操作 ] 1) 硫酸電解液 5 ml をホールピペットで300 ml コニカルビーカに採る 2) 純水 70 ml をメスシリンダーで量って加える 3)10 % ふっ化カリウム溶液 30 ml をメスシリンダーで量って加える [ ふっ化カリウム溶液を加える理由 : 試料溶液 ( 硫酸電解液 ) 中のアルミニウムイオンをふっ化アルミニウムの沈殿にして 水酸化ナトリウムと反応しないようにするため ] 4) フェノールフタレイン指示薬溶液を3 ~ 4 滴加える 5) 標準水酸化ナトリウム溶液で滴定する 6) 終点では微紅色に着色 [ 着色理由 : 被滴定溶液中の遊離硫酸が完全に中和され 水酸化ナトリウムの極微量が過剰に入ったとき塩基性になるので フェノールフタレインの塩基性色である微紅色に着色する ] 7) 終点でのビュレットの目盛りは 0.01 ml の桁まで読み取る 8) 遊離硫酸の計算式遊離硫酸 (g/l)= 滴定量 (ml) f 9.8 9) 調整計算は 遊離硫酸の濃度が150 g/l より濃い場合は水を 薄い場合は 500 g/l 硫酸溶液を用いて それぞれ1 m3 に対して何 L 加えれば良いかを計算する 調整計算式 (a) 150 g/lより薄い場合 [ 求めた遊離硫酸濃度 (g/l) 1000 (L) ] + [ 濃い硫酸濃度 (g/l) 追加量 X(L)] 1000 (L) + X (L) = 150 (g/l) (b) 150 g/lより濃い場合 求めた遊離硫酸濃度(g/L) 1000 (L) 1000 (L) + X (L) = 150 (g/l) 問題 ( ) 遊離硫酸の定量で使用する薬品は 次の3である ( 誤っている場合 : が正しい ) 1 NH4F 2 KF 3 NiF2 ( ) 遊離硫酸の定量で使用しない薬品は 次の3である ( 誤っている場合 : が正しい ) 1 NaOH 2 KF 3 フェノールフタレイン 4 NiF2 ( ) 全硫酸の定量で 終点での変色は次の3である ( 誤っている場合 : が正しい ) 1 黄色 赤色 2 赤色 無色 3 赤色 黄色 4 無色 赤色 ( ) 標準水酸化ナトリウム溶液を用いて硫酸電解液を滴定し 遊離硫酸の濃度を求める場合 指示薬にフェノールフタレインを用いるが 終点での変色は黄色から赤色になる ( ) アルカリ脱脂液の全アルカリ度の測定では 指示薬にメチルオレンジを用い 塩酸標準溶 -21-

液で滴定するが 終点の変色で正しいのは1である ( 誤っている場合 : が正しい ) 1 黄色 赤色 2 赤色 無色 3 赤色 黄色 4 黄色 紫色 ( ) 滴定量は 0.1 ml の単位まで正確に読み取ればよい ( ) 滴定量は 0.01 ml の単位まで正確に読み取り 小数以下二桁目は四捨五入してもよい ( ) ビュレットに標準溶液を入れる場合は 必ず 毎回 0の目盛り線にメニスカスを合わさなければならない ( ) 硫酸電解液中の遊離硫酸の定量で フッ化カリウムを加える理由は 次の3が正しい ( 誤っている場合 : が正しい ) 1 終点が判りやすいように phを調整するために加える 2 指示薬の変色が鮮明になるように加える 3 溶存アルミニウムと反応し 沈殿として取り除くため 4 全硫酸と反応して 遊離硫酸と水酸化ナトリウム標準溶液とが反応しやすくするため -22-