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National Metrology Institute of Japan / National Institute of Advanced Industrial Science & Technology 適合性評価と国際標準化における計量標準の貢献 1. 適合性評価と規格 ( 文書標準 ) 標準化 2. 適合性評価の国際的な受入れと認定 3. 標準化と適合性評価における計量標準 産業技術総合研究所計測標準研究部門 (NMIJ) 国際標準推進部 ( 兼任 ) 瀬田勝男

1. 適合性評価と規格 標準化 適合性評価における規格の効用 そもそも適合性評価においては 適合性 を示す規格が必要 例えば製品の性能 安全基準 組織の管理基準等々 同一の規格を使用することで 公平な評価の実施 法規による効率的な規制の評価基準を設けること等が可能多様な規制における種々の申請に対しても同一の技術基準であれば対応は容易 同一の製品規格で評価された製品の承認 受入 同一の化学分析試験規格で食品 環境 医療等の分野に引用可能 適合性評価組織の基本要求事項国際化により 評価 の同等性を確保 ISO17000 シリーズ ( 次頁 ) 特に国際規格の場合 同一規格に適合していることで国際相互承認の締結に寄与 NMI レベル 認定機関レベル 認証機関レベル ( 例えば IEC-CB スキームや IT セキュリティ評価機関 )

適合性評価各分野で使用される規格 試験校正 検査 認証 製品管理システム要員 技能試験 標準物質 認定機関規格 ISO/IEC 17011 適合性評価機関規格 適合性評価規格 ISO/IEC 17025 試験方法規格, ISO/ IEC 17020 安全基準規制法規 製品規格 ISO/IEC G65 (17065) 認証規格 ISO-G28 等. ISO/IEC 17021 ISO 9001, ISO 14001, ISO27001, BS25999 等 ISO/ IEC 17024 要員の規格 ISO /IEC 17043 ISO G34 ISOG35 及び標準物質仕様 適合性評価対象 工業製品環境物質計測機器 工業製品農産物医薬品 製品 製造プロセス 等 品質 環境 情報セキュリティ等の管理規格 要員の能力 試験 校正の技能 標準物質 ISO: 国際標準化機構 IEC: 国際電気委員会試験方法規格 製品規格は数が多い ( 対象が広い )

適合性評価分野の概観 計測の信頼性 国家計量標準機関 適合性評価機関の信頼性 認定機関 ISO/IEC1701 1 ISO/IEC 17025 校正機関 標準物質生産者 ISO Guide34 製品認証機関 ISO/IEC 17065 製品の信頼性 検査機関 ISO/IEC 17020 試験所 ISO/IEC 17025 管理システムの信頼性 管理システム * 認証機関 ISO/IEC 17021 ユーザー ( 産業界等 ) 認定計量標準 ( 計量のトレーサビリティ ) 適合性評価サービス 管理システムの例 QMS( 品質管理システム ) ISO9001 ISMS( 情報セキュリティ管理システム ) ISO27001 EMS( 環境管理システム ) ISO14001 BCMS( 事業継続管理システム ) BS25999-1, 2 4

分野別の適合性評価関係国際規格 医療分野の試験機関 医療機器製造事業所 臨床試験室 ISO15189 臨床参照試験所 ISO15195 医療機器製造 ISO 13485 標準物質関係 ( ISO-REMCOが規格作製 ISOガイド30シリーズ ) 標準物質生産者 G34 標準物質認証 G31 G35 等 生産 サービス分野別 もしくは 機能別の管理システム (MS) 規格 食品衛生管理 ISO22000シリーズ 情報セキュリティ管理 ISO/IEC 27001( 個人情報保護法で日本が突出して普及 ) ITサービスマネージメント ISO/IEC 20000 自動車産業 ISO/TS16949 航空宇宙産業 IAQG9100 (AS/EN/JIS Q 9100) 電気通信機器産業 TL9000 医療機器製造 ISO 13485 事業継続管理システム (BCMS) BS25999 ISO 審議中 太字は認定対象 斜体は認証対象

規格の国際化と国際標準化活動 市場の国際化により 規格の国際化も進展 国際標準化により 共通の技術基盤 で産業の発展と貿易障壁の低減に貢献 政府レベルでも規制における国際規格の活用が協定に盛り込まれる WTO-TBT 協定 国際規格の利用義務 一方で 各国の環境 ( 自然 社会基盤整備 技術力 ) により利害は必ずしも一致せず その結果 市場での競争の道具としての活用 国際標準が経済的利害に直結するケースの増加 国際標準化に力を入れる必要性 : 日本は 90 年代から意識 ( 世界の 4,5 番手まで地位の向上 ) 中国もこの数年急速に影響力増大 産総研も標準基盤研究制度等で技術開発から国際標準化へ進む課題を積極的に支援 更に適合性評価の国際共通化が 国際規格の重要性を加速 WTO-TBT 協定 適合性評価の国際整合

WTO/TBT * 上の中央政府の義務 2.4 条 ( 強制規格の国際整合性 ) 加盟国は 強制規格を必要とする場合において 関連する国際規格が存在するとき又はその仕上がりが目前であるときは 当該国際規格又はその関連部分を強制規格の基礎として用いる ただし 気候上の又は地理的な基本的要因 基本的な技術上の問題等の理由により 当該国際規格又はその関連部分が 追求される正当な目的を達成する方法として効果的でなく又は適当でない場合は この限りでない 個別規格 ( 技術規格 ) 5.4 条 ( 適合性評価の国際整合 ) 加盟国は 産品が強制規格又は任意規格に適合していることの明確な保証が必要とされる場合において 国際標準化機関によって発表された関連する指針若しくは勧告が存在するとき又はその仕上がりが目前であるときは 当該指針若しくは勧告又はこれらの関連部分を中央政府機関が適合性評価手続きの基礎として用いることを確保する ( 例外あり ) 適合性評価規格 * 世界貿易機構 / 貿易の技術障壁に関する協定

WTO/TBT 上の中央政府の義務 ( 続き ) 6.1 条 ( 適合性評価結果の受け容れと認定 ) 加盟国は 他の加盟国の適合性評価手続きが自国の適合性評価手続きと異なる場合であっても 可能なときは 当該他の加盟国の適合性評価手続きの結果を受け容れることを確保する ただし 適用される強制規格又は任意規格に適合しているかどうかについて当該他の加盟国の適合性評価手続によって与えられる保証が自国の適合性評価手続きによるものと同等であると当該加盟国が認めることを条件とする 特に 次の事項について 相互に満足すべき了解に達するため 事前の協議が必要となることが認められる 6.1.1 条 輸出加盟国の適合性評価の結果が継続的に信頼できるものであることについて確信が得られるような 輸出加盟国における適合性評価を行う関連する機関の十分かつ永続的な技術的能力 この点に関し 認定等により 国際標準化機関によって発表された関連する指針又は勧告の遵守が確認されていることが 十分な技術的能力を示すものとして考慮される

値段が上がってる!! 2. 適合性評価の国際的な受入と認定 この玩具は危い! コストがかさむ! 参入条件 : 規制を守っていることの信頼できる証明! 新型が買えない! 不当な技術的貿易障壁だ! 9

規制法規や品質保証の要求事項がある場合 規制当局は製品が要求事項を満たしていることの保証を求めている 試験 検査 製品認証の活用による証明 証明書 信頼性? 有効性? とくに海外からの製品では 試験成績書や検査証明書は有効で信頼できるのだろうか? そもそも試験は同等のものなのか? 10

適合性評価機関の適合性評価 = 認定 認定機関 (AB:Accreditation (AB:Accreditation Body) 認定証 相互承認 AB: CAB を評価 ( 適合性評価対象の間接評価 ) 他の認定機関 認定機関マーク * (+ 相互承認シンボル ) 適合性評価機関 (CAB:Conformity (CAB:Conformity Assessment Assessment Body) (QMS (QMS 認証機関 製品認証機関 試験所 検査機関 校正機関等 ) AB 間の相互承認により CAB の発行する適合証明書の相互受入が可能になる 適合証明書 CAB マーク (+ 認定機関シンボル ) (+ 相互承認シンボル ) 適合性評価対象 ( 管理システム 製品 原材料 環境物質 要員 計測機器等 ) 11

定義の進化 : 認定とは 認定 (accreditation) ある組織体又は個人が特定の職務を果たす能力のあることを 権威のある 機関 が公式に認める手続き ( ISO / IEC ガイド 2:1996) ある機関が規定された要求事項を満たしており 特定の適合性評価業務を行う能力があるという正式な第三者による承認 (ISO / IEC17011: 2004) 認定機関 (accreditation body) 認定を行う権威機関 (ISO / IEC17011: 2004) 適合性評価分野の用語は 90 年代に 進化 し 現在では自然言語から幾分離れた専門用語となっている 例として 認証 と 認定 は日本語としての差異はほとんど無いが この分野では異なった意味で定義されている 余談 : 中国語では認証は 認証 であるが認定は 認可 と表記される 12

一応の答え 国内規制と同じ ( 国際 ) 規格による試験を求める 認定された試験所や検査機関を利用する 認定された試験所の成績書 かなりましだ!! しかし認定って信用できるのか? 証明書 認定試験所 13

ILAC/APLAC-MRA 国際試験所認定協力機構と アジア太平洋 試験所認定機構の相互承認取り決め ILAC/APLAC-MRA の目的 : 1. 各国試験所認定機関の認定における技術力 試験所 / 校正機関認定基準の整合性確保 2. 認定試験所 / 校正機関の信頼性確保 試験成績書 校正証明書の相互受け入れ One Stop Testing 3. 以上により 国際貿易の活性化に資する ILAC-MRA は 2001 年発効 58 カ国 / 経済圏の 71 認定機関が署名 (2011,1 月 ) APLAC-MRA は 1997 年開始 21 カ国 / 経済圏の 32 認定機関が署名 (2011, 1 月 ) MRA 参加のためには認定機関相互の評価を最低 4 年に一度以上受ける必要

ILAC/APLAC-MRA で必要な国際計測トレーサビリティ確保 CIPM-MRA 国家計量標準及び計量標準研究所 (NMI) の 発行する校正証明書の相互承認取り決め CIPM-MRA の目的 : 1. NMI により維持されている国家計量標準の同等性を確立 2. NMI が発行している校正証明書を相互に承認 3. 以上により 政府あるいは他機関の 国際貿易 商取引 規制に関するより広範な合意の技術基盤を保証する 1999 年 10 月 38 カ国の NMI と 2 つの国際研究所が署名,2011 年末で 77 カ国 / 経済圏 ( メートル条約加盟 48 カ国と 29 準メンバー ) 及び 3 国際組織の 135 計量標準機関 * に増加 * 各国 1 つの代表 (P)NMI 並びに 代表 NMI によって指定された (D)NMI が参加 日本からは (P)NMI として NMIJ/AIST (D)NMI として NICT CERI JEMIC が参加

2 つの相互承認による国際トレーサビリティの確保 CIPM MRA (1999)+ILAC MRA(2001) 他国の校正 試験データを自国でも受け入れる ワンストップテスティング

主要国の CMC( 校正測定能力 ) 登録状況 日本のCMC 登録は9 分野全てをカバーし CMC 登録数は712 件で世界第 8 位 (2009 年 8 月 28 日現在 ) 最近 1 年間の日本のCMC 登録の増加数は +93 件 APMP 内では 中国 韓国と共にトップグループ 各分野のCMC 登録数は調整の方向 AUV L TF T PR M EM RI QM Total Australia 23 6 21 8 17 29 105 49 56 314 China 21 9 5 7 20 54 155 195 232 698 Chinese Taipei 23 15 6 5 33 50 151 89 3 375 Hong Kong, China 15 10 29 16 34 195 8 307 Japan 8 30 12 1) 14 17 80 32 240 279 2) 712 Korea 41 5 18 9 11 47 135 208 430 904 Thailand 4 30 313 347 France 58 27 11 26 19 119 320 244 122 946 Germany 76 94 25 27 66 209 326 79 592 1494 Italy 42 39 16 29 23 108 206 98 10 571 Netherlands 6 70 31 11 13 89 238 85 244 787 Russia 68 19 36 130 44 59 325 329 382 1392 United Kingdom 42 46 12 19 129 81 319 194 357 1199 United States 32 49 9 71 126 119 329 540 975 2250 1) NICT の 6 件を含む 2) CERI の 37 件を含む CMC: Calibration and Measurement Capabilities AUV: 音響 超音波 振動 L: 長さ TF: 時間 周波数 T: 温度 PR: 測光 放射 M: 質量関連量 EM: 電磁気 RI: 放射能 放射線 中性子 QM: 標準物質

最終的な答え APLAC ILAC 相互承認 (MRA) に署名した認定機関により 対応した規格 ( 多くは国際規格 ) に基づく試験について認定された試験所 検査機関発行の証明書 証明書 APLAC MRA 参加機関に認定された試験所 これなら良い! 理想的には以上で解決となるが 現実は各国の規制等による認定やその MRA の受入状況により複雑 18

欧州の動向 :EU 法 No.765:2008 の成立 欧州各国規制法規が利用している指定機関 ( 主に製品認証機関 ) は 1800 あり これの全てに認定取得を義務づけ 食品 たばこ 血液等除外分野はあるものの 規制法規全般を広く対象としている 認定機関については 国が指定した 1 カ国 1 機関 非営利 EA( 欧州認定協力機構 ) 相互承認参加等を義務づけ (2010 年 1 月から実施済み ) 同時に政府当局には市場監視 ( 例えば試買試験 ) 等の強化を義務付け この方向を EU 決定 No.768:2008/EC で今後の法整備に活かすよう確認 国外認定は欧州域内では原則禁止 ただし 欧州外では認定機関毎に決定 実際に多くの規制法規で認定利用は既に拡大している また 自国認定機関以外の ILAC/IAF の相互承認参加認定機関の受け入れも進展中 ただし 新法案は ILAC 国際相互承認に無い要求事項 (1 カ国 1 機関等 ) もあり それが海外 ( 日本を含む ) 認定機関の認定排除に繋がる可能性は小さくない 欧州で例外的に複数認定機関体制であったドイツも 2009 年 12 月に統合し 単一認定機関 Dakks が発足した 基本的に 認定法 で定義された機関で株の 2/3 を政府が保有する公的機関 Dakks は認定数 4000 を超える世界最大の認定機関 ( ただし 近日中に認定数では中国 CNAS が追い抜くだろう ) 19

参考資料 : 欧州法について 欧州法には法令 (regulation) 指令 (directive) 決定 (decision) がある 法令は 同一の国内法 作製が EU 加盟各国に義務付けられ 指令は 同等の国内法 作製が義務付けられる 決定は将来的な法令や指令の枠組み 考え方を示す内容となっている いずれも欧州議会で決定され 加盟各国に対して拘束力を持つ 拘束力は法令 > 指令 > 決定の順 前頁の No.765 法令は 認定と市場監視に関する要求事項の発足 No.768 決定は 製造物市場の在り方に関する共通の枠組み と言う表題 おなじみの MID 計測器に関する欧州指令 は No.22:2004 なぜ 認定と市場監視 が法令で 計測器 は指令なのか? 認定と市場監視は製品の信頼性を担保するための共通の枠組み 上部構造であり よりがっちりした同等性が必要 指令はこの他にも低電圧指令や Rohs 指令等 実際の 技術的実務 をともなうものに多い 上部構造の枠組みと異なり これまでの蓄積 整備状況がものをいうため 各国毎の事情 に配慮する必要がある 認定機関は 3 年でできるが計量システム整備は 10 年以上かかる

米国の動向 : 規制ごとの独自性の中での受入拡大 米国では各種規制法規は必要な適合性評価制度を確立することを個々の規制当局に義務付けている ( 原則 ) 主な規制当局の例は以下の通り 食品と薬品 :FDA(US Food & Drag Administration) 航空機 :FAA ( 連邦航空局 ;Federal Aviation Administration) 環境 :EPA ( 環境保護庁 ;Environmental Protection Agency) 生活用品 ( 家電 玩具等 ):CPSC( 消費者製品安全委員会 ) 国自体が適合性評価をする場合と民間を活用する場合と形態は様々 重複や隙間もあり 全体としての整理はあまり良く無いものの 対応は迅速 海外での適合性評価結果については一部を受け入れている 試験結果については ILAC 相互承認の受入が拡大しているが 一方 製品認証は政府機関自身 あるいは特定の認証機関に行わせる事例が多い FDA と CPSC(ILAC 相互承認メンバーが認定した試験所の結果を受入れ 試験報告書付きの申請をもとに自ら認証 ) FAA ( 航空機の整備工場を自ら訪問して審査 その際に計測機器では JCSS 等 海外の認定された校正機関を受入 ) EPA:Energy Star マークの認証を付与するためのデータとして ILAC 相互承認参加機関が認定した試験所の結果を受入れ ただし認証は北米にある製品認証機関のみで実施 ( 日本は UL 日本支社が実施 ) 21

市場参入が容易に!! APLAC MRA 22

法規による認定類似業務の民営化 国際化状況 建築基準法 : 確認検査機関大臣指定で国際規格要求無し 薬事法 : 人体に用いる医薬品は国自らが認証機関で 実務を独立行政法人医薬品医療機器機構が担当 管理医療機器又は体外診断用医薬品については ISO ガイド 65 を利用して 登録認証機関 を大臣が調査 登録 JAS 法 : 登録認定機関 ( 国際規格で言う認証機関 ) を ISO ガイド 65 に基づく調査により登録 ( 実務の多くは独立行政法人 FAMIC が担当 ) 製品安全 4 法 : 登録検査機関を ISO ガイド 65 に基づく調査により登録 ( 実務の多くは NITE が担当 ) ただし 検査機関による工場審査 を監査するシステムは無い 一方で試買試験による事後チェックあり JIS 法 : 登録認証機関を ISO ガイド 65 に基づく調査により登録 ( 実務の多くは NITE が担当 ) また 試験所については ISO/IEC17025 による登録 認定業務 (JNLA) を NITE に移管 計量法 : 校正機関については ISO/IEC17025 による登録 認定業務 (JCSS) を NITE に移管 特定計量証明事業者の認定 (MLAP) は当初から NITE が実施 国際規格による適合性評価は拡がってきているものの その結果について認定による信頼性確保を要求 受け入れているケースは少なく ILAC/APLAC-MRA により海外の認定結果を明示的に受け入れている法規は無い

3. 標準化と適合性評価における計量標準 規格に出てくる計測と計量標準 規格により製品 ( 工業製品 食品 薬品 建造物等々 ) の仕様 さらにはそれを確認する試験 検査法等を規定 仕様の確定には計測が不可欠 計測標準が必要 例 : 冷蔵庫 : JIS C9801 家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫の特性及び試験方法 6.2.1 表 1 に示すそれぞれの室の貯蔵温度 表 2 に示す霜取り期間の許容限界温度を同時に 表 1 例 - 3 < チラ 室温度 3 温度計測 6.2.3 1 台目の消費電力量試験によって測定した値は表示値の + 15 % 以下とする 電力量計測 5.4 ふたが庫内側から 70 N 以下の力で 力計測 6.2.6 温度が 3 時間以内に規定の 時間計測 6.1.1 総内容積の測定値と表示値の差は 3 % または 1 L のいずれか大きい値以内 体積 長さ / 幾何計測 この他 質量 冷却能力測定の負荷となる標準物質等

規格と計量標準整備 試験規格 製品規格において 客観的な数値データを得るためには計測とその基礎である計量標準は不可欠 NMIJは産総研第一期 二期を通じて物理量 化学標準物質でそれぞれ300 弱の計量標準を開発多様な規格へ対応可 300 250 200 150 100 50 0 137 152 平成 13 年度 第 2 期中供給開始第 1 期中供給 179 平成 14 年度 平成 15 年度 36 196 196 平成 16 年度 56 196 平成 17 年度 75 196 平成 18 年度 83 196 平成 19 年度 93 196 平成 20 年度 平成 21 年度目標値 300 293 第 2 期中供給開始 289 第 1 期中供給 293 250 87 97 29 46 64 標 200 物準 150 理物 100 185 196 196 196 196 196 196 標 151 質 123 50 準 0 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度目標値 一方で主に JCSS 制度を通じて認定された校正機関からの校正証明書発行を促進 : 物理系 80,000 枚 化学標準物質 330,000 万枚 / 年 量的拡充と国内計測トレーサビリティの整備

計測の信頼性確保 = 計測トレーサビリティの確立 光周波数コム 認定による各機関における信頼性の担保 NMIJ/AIST, NICT, NICT, CERI, CERI, JEMIC JEMIC 国家計量標準研究所 ISO/IEC17043: 技能試験参照値 ASNITE ASNITE 認定認定 ISO/IEC17011 レーザ ブロックゲージ 校正機関 試験所試験所 JCSS JCSS 認定認定 JNLA JNLA 認定認定 ASNITE ASNITE 認定認定認定基準 ISO/IEC 17025 NITE NITE 認定認定センター (IAJapan) ノギス 産業界 社会 学会

ISO/IEC(JIS Q)17025 5.6.2.1.1 校正機関においては設備の校正のためのプログラムは その校正機関が行った校正 および測定が国際単位系にトレーサブルであることを確実にするように設計し 運用すること ISO/IEC(JIS Q)17025 5.6.2.2.1 試験所においては試験結果の不確かさに対する校正の寄与分がごくわずかであると確認されていない限り 測定設備 及び測定機能を有する試験設備に対して 5.6.2.2.1 に規定する要求事項が適用される この状況において 試験所は 使用する設備が必要とされる不確かさを与えうることを確実にすること 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項 ISO/IEC(JIS Q)17025 では計測トレーサビリティを明示的に要求 (5.6 節全体で詳細に記述 ) 認定機関により 認定をうける校正機関 試験所に対して要求

適合性評価活動の目的 = 製品 ( 含サービス ) の品質保証計量標準のニーズ計測の信頼性 製品の適合性評価の要素 サンプリング 全個数検査の場合以外は適用 ランダムが原則 設計審査 ( 図面審査 ) 製品の型式ごとの図面を審査 製品試験 ( 初期 ) 確認検査( 大型建造物等 ) プロセス審査 ( 製造 設計 いずれもあり ) ISO9001 認証を通じてのニーズ 継続的サーベイランス 現地 ( 生産現場 ) サーベイランス 報告書サーベイランス 抜き取り検査 ( 製造ラインからのサンプリングによる試験 ) 市場サーベイ ( 市場に出ている製品の試買試験等 ) 製品の適合性評価の主体 第一者 : 製造 サービス提供を実施している事業者 第二者 : 製品 サービスを購入する顧客 (B to Bのみ B to Cではほとんど無い ) 第三者 : 規制当局 その代理者 民間認証機関等 第一者による評価結果の表明が 宣言 第三者による評価が 認証

新製品と規格 適合性評価への計量標準の対応 新製品の開発新機能の計測新規計量標準のニーズ LED 照明の例 LED は省電力ではあるが 各波長 ( 色 ) の明るさが大きく変動し しかも製品毎にその様子が異なる ( 左下の図 ) 人の眼も波長により感度が異なるため 照射エネルギーを 明るさ に換算することが従来のやり方ではできない 試験方法規格の作製 改訂と新規計量標準 ( 分光全放射束標準 ) の開発が同時進行中 既に開発した標準 LED ( 用途は限定的 ) 試験規格作成では米国 NIST が先行 試験 認証実施段階で回復? http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol11_01/p18.html 参照

既存の製品認証制度としてどのようなものがあるか? 官の代表例がJIS 法による登録認証機関制度 JISマーク 製品 JIS:JIS 製品規格に合致した製品 加工法 JIS:JIS 規格による特定の加工法で製造された製品 側面 JIS:JIS 製品規格のうち特定側面を満たした製品実施例は無い (!) が 例えば計測機器のトレサ要求などは対象となり得る JIS 法の登録認証制度 : 製品試験 + 製造管理システムの審査を認証機関の責任で行う また 認証機関は ISO ガイド 65 による認定 ( 登録 ) と試買試験によるチェックを受ける 認定審査と試買試験は NITE が実施 登録は 4 年更新 任意制度 製品安全四法の登録検査機関制度 : 原則は検査記録の保存義務等を含む自己検査 自己宣言であるが 特定の電気用品等は登録検査機関による検査 ( 製品試験と自己検査設備の審査 ) が義務づけられる 検査 ( 製品認証 ) 機関は ISO ガイド 65+ 法令基準により登録 ( 認定 ) を受ける また METI が試買試験を実施 強制制度

適合性評価制度の問題点と課題 産総研の取り組み 認証機関相互では国内機関は弱小 ( 最大でも職員が 1000 名以下 ) 一方で 海外には SGS TUV インターテック UL 等の巨大認証機関 (8000 50,000 名 ) 国内認証機関は国内法への対応からスタート : 海外の主要認証機関のような国際ビジネス化が進まなかった 結果として 海外展開力 新規技術への対応に弱点 産総研は適合性評価分野 特に製品認証での技術力向上への寄与を強化 技術開発の段階から標準化と認証への対応を意識 試行段階の認証 ( パイロット認証 ) 実施まで行う 開発段階からの一体的関与の例 生活支援型ロボットの安全性確認 : 試験と認証

まとめ : NMIJ/AIST の適合性評価 / 国際標準化に対応した課題 計量標準の質と量の維持 向上 特にユーザニーズへの対応の中で 国際規格で要求されている ( 新たに要求される ) 計測に必要な計測標準の整備 : グリーンイノベーション ライフ 産業の国際競争力等で課題設定 JCSS 制度等を通じた国内トレーサビリティ体系の改善 :IAJapan 等の認定機関との協力 ( 委員 技術アドバイザー派遣 技術文書作製 技能試験 ) 適合性評価機関規格等への積極的関与 : 審議委員派遣等 ISO/IEC17025 17043 17065 ISO Guide30 シリーズ 国内認証力の向上に向けて :AIST 全体での取り組みの支援 技術開発段階からの認証法の検討 パイロット認証 必要な計量標準の提供 開発 ロボットの例ではトルク 衝撃加速度等