ニュースレター 報道関係各位 2018 年 10 月 26 日 株式会社ベネッセホールディングス広報 IR 部 小学生の読書に関する実態調査 研究 読書は学力が低い子どもたちに大きなプラス効果 自分で調べる 話題が増える 幅広いメリットが明らかに 株式会社ベネッセホールディングスの子会社 株式会社ベ

Similar documents
小学生の英語学習に関する調査

<4D F736F F D C815B918D8CA4836A B A81778E7182C782E E B92B28DB E81788C8B89CA82CC82A8926D82E782B E646F63>

報道関係各位 2012 年 1 月 25 日 株式会社ベネッセコーポレーション 代表取締役社長福島保 高校受験調査 ~ 高校 1 年生は自らの高校受験をどのように振り返っているのか ~ 高校受験を通じて やればできると自信がついた 71% 一方で もっと勉強しておけばよかった 65% 株式会社ベネッ

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

資料1 団体ヒアリング資料(ベネッセ教育総合研究所)

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

調査結果からみえてきたこと 大学教育改革の渦中にあった 8 年間の学生の意識や学びの変化をまとめると 以下 3 点です (1) アクティブ ラーニング形式の授業が増え 自己主張できる学生が増加 大学の授業で際立って増加しているのが アクティブ ラーニングの機会です 特にこの 4 年間で ディスカッシ

本調査では 学習時間を十分に取っている子どもほど学業成績がよいという結果が明らかになりました 学習の 量 と 成績 は ある程度比例します この意味で 一定の学習時間を確保することは 学力を高めるのに重要な要素といえます しかし一方で 相対的に短い学習時間でも 学習方法の工夫によって成果を上げること

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

< 受験生トレンド > 受験生に必須のアイテム 受験生の半数以上が勉強に SNS を活用 3 人に 1 人以上が活用している Twitter が第 1 位に 目的は モチベーションを上げたい 記録に残したい 共有して安心したい が上位に 勉強専門アカウントについては約 5 割が興味 約 2 割が活用

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

H30全国HP

4 調査結果について (1) 教科に関する調査の結果 ( 公立 ) の平均正答率を % として換算した市内の領域 観点 問題形式別正答率 グラフの途切れは, 問題が出題されなかった項目 < 小学校 > : 概要 : 課題 : 今後の学習ポイント国語 A( 基礎 ) 国語 B( 活用 ) 話すこと聞く

報道関係各位 2018 年 5 月 31 日 東京大学社会科学研究所所長佐藤岩夫株式会社ベネッセホールディングス代表取締役社長安達保 東京大学社会科学研究所 ベネッセ教育総合研究所共同研究プロジェクト 子どもの生活と学びに関する親子調査 2017 結果速報 勉強や目標が 自己肯定感 に影響 - 保護

(1) 電子書籍 雑誌について 子どもライフスタイル調査 2017 春 電子書籍の閲読の有無女子小 4~6 年生の 44% が電子書籍を読んだことがある 電子書籍 ( 雑誌 コミックスを含む ) を読んだことがあるかどうか尋ねたところ 女子小学生の 29% が電子書籍を 読んだことがあると回答 女子

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

[2007版] 平成23年度 全国学力・学習状況調査の結果概要(01 小・・

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

愛媛県学力向上5か年計画

3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

目 次 1. 策定の趣旨 2 2. 基本理念 2 3. 計画の期間及び推進状況の把握 2 4. 計画の対象 2 5. 第 1 次計画 における成果と課題 2 (1) 成果 2 (2) 課題 3 6. 計画の全体構想図 3 7. 推進事業 4 (1) 家庭における読書活動の推進 4 (2) 地域 図書

2019 年 2 月 12 日株式会社ベネッセホールディングス代表取締役社長安達保 進研ゼミ 受講費内で英語検定試験対策や入試対策も! 学年を超え英語 4 技能を学ぶ 12 段階習熟度別トレーニンク 導入 ~2019 年 4 月号教材から小中高講座で提供開始 ~ 株式会社ベネッセホールディングスの子

2017 年 9 月 8 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2017 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

中学校 (3 年 ) 国語では A( 知識問題 ) は ほぼ全国平均なみです B( 活用問題 ) は 課題が見られます 数学では A( 知識問題 ) B( 活用問題 ) ともに 課題が見られます 国語 A( 知識に関する問題 ) 国語 B( 知識を活用する問題 ) 言語事項は ほぼ全国平均なみです

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

国語 A: 本校と全国の領域別平均正答率比較 話すこと 聞くこと 90.8% 書くこと 73.8% 読むこと 74.0% 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 67.0% 考 察 話すこと 聞くこと では 相手や目的に応じて 理由や事例などを挙げなが ら筋道を立てて話すことができています 今後も

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

2018 年 9 月 3 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2018 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相


調査結果概要

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

アスキー総研ニュース

講談社 岩崎書店 の加入で 電子書籍がますます魅力的なラインナップに さまざまな強みを持つ既存の出版社 6 社に このたび新たに講談社 岩崎書店が加わることで 講談社青い鳥文庫 シリーズ デルトラ クエスト などの良質な児童書 さらに中高生向けの作品を充実させ ますます魅力的なラインナップを揃えてい

5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

本日 2012 年 2 月 15 日の記者説明会でのご報告内容をお送りいたします 文部科学省記者会でも配布しております 報道関係各位 2012 年 2 月 15 日 株式会社ベネッセコーポレーション代表取締役社長福島保 新教育課程に関する校長 教員調査 新教育課程に関する保護者調査 小学校授業 国語

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

PowerPoint プレゼンテーション

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

どこでもかんがえるあそびシリーズ 教材例 4月号 をさがしてみよう 4 5歳向けの すてっぷ 講座には 数 論理プログラム 5 6歳向けの じゃんぷ 講座の総 合コースには 自分なりに考える力プログラム を用意し 視点や立場を変えて複数の視点から考える習 慣や 論理的に順序立てて関連づけながら考えて

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

<4D F736F F D F93C78F9182C68E718B9F82CC C835B C98AD682B782E992B28DB88CB48D655F66696E616C2E646F63>

<4D F736F F D D5792B28DB8838C837C815B A81778E7182C782E E B92B28DB E81788C8B89CA82CC82A8926D82E782B E646F63>

1

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

Microsoft Word - 第3学年国語科学習指導案 .docx

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

「dカーシェア」、“カーシェア時代におけるクルマの使い方”意識調査を実施

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

H

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

報道関係各位

平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

アンケート調査実施概要実施期間 :2017 年 12 月 15 日 ~24 日対象者 : カレコ カーシェアリングクラブ個人会員サンプル数 :4,980 人 ( 内訳 ) 新規会員 (2016 年 12 月以降に入会された会員 )2,570 人既存会員 (2016 年 11 月以前より在籍されている

============================== < 第 6 章 > 高校生 大学生 社会人の反応 ============================== 本調査研究では 高校生が社会に出ていく上での実効性のある資質 能力の重要性が感じられ また 調査問題そのものについての興味 関

インターネット白書2002

勉強が必要だと思ったから27.9% という順となった 別にみたところ 他のと差が出ていたのは 20 代の 定額制 などのサービスができてコストの心配がなくなったから 7.8% となっており 20 代の 定額制 への興味が他のと比較して高いことが見受けられた 減った理由としては 自由に使える時間が減っ

今年度の校内研究について.HP

ICTを軸にした小中連携

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

1: ミレニアル世代のシェアサービスに対する興味 関 場所 モノ 交通手段 3 分野のシェアサービスについて 利 実態 利 意向を調査利 に関 を持つミレニアル世代は6 割超 受容度は親世代の約 3 倍に! 今回は 場所 モノ 交通手段の3 分野におけるシェアサービスについて 調査を実施 その結果

小学校国語について

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

<4D F736F F D C815B918D8CA4836A B A81778E7182C782E E B92B28DB C481788C8B89CA82CC82A8926D82E782B E646F63>

平成19年度全国学力・学習状況調査の結果をふまえた指導改善策

小学校における県平均正答率との比較 市と県の平均正答率の差を比べると 国語 A B 算数 A B 理科のすべての教科 領域 区分で 5ポイント以上の差のものはなくなった 国語 A 市 :68.2% 県 :70.1% 差 :-1.9ポイント 国語 B 市 :49.6% 県 :53.6% 算数 A 市

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

(2) 国語 A 主として知識に関する問題 9 8 話す聞く書くこと読むこと言語事項 全体 71.9% 75.2% 72.9% C 話す聞く 77.8% 79.8% 79.2% C 書くこと % 72.8% B 読むこと 84.7% 79.6% 78.5% A 言語事項 68.1%

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

<4D F736F F D A834182CC49548FEE95F1925B969682C98AD682B782E B836792B28DB88C8B89CA F E646F63>

全国学力・学習状況調査の指導改善策

調査の概要調査方法 : インターネットによる調査調査対象 : 全国のイーオンキッズ保護者様 598 名 < お子様の年齢 > 未就学児 232 名 / 小学校低学年 (1~2 年生 )155 名 / 中学年 (3~4 年生 )123 名 / 高学年 (5~6 年生 )88 名 調査実施期間 :201

婚活実態調査2016『婚活サービス』は、今や結婚に向けた有効な手段に!

(Microsoft Word - \207U\202P.doc)

指導方法等の改善計画について

M28_回答結果集計(生徒質問紙<グラフ>)(全国(地域規模別)-生徒(公立)).xlsx

<4D F736F F D C815B918D8CA4836A B A E B92B28DB F C8B89CA82CC82A8926D82E782B E646F632E646F6378>

Transcription:

ニュースレター 報道関係各位 2018 年 10 月 26 日 株式会社ベネッセホールディングス広報 IR 部 小学生の読書に関する実態調査 研究 読書は学力が低い子どもたちに大きなプラス効果 自分で調べる 話題が増える 幅広いメリットが明らかに 株式会社ベネッセホールディングスの子会社 株式会社ベネッセコーポレーション ( 本社 : 岡山市 代表取締役社長 : 小林仁 ) の社内シンクタンク ベネッセ教育総合研究所では 電子書籍の読書履歴と学力テストやアンケート調査の結果をもとに 読書が学力や学びの姿勢にどのような影響を与えているのか その変化を追跡する調査 研究を開始しました 1 年 4 か月にわたる今回の研究では その間の読書量が多い子どもほど学力が向上していること その影響は特に 算数 で見られること 学力が低い子ども ( 学力下位者 ) にプラスの効果が大きいことが明らかになりました また 子どもたちは読書を通じて 学びの広がり や 他者とのつながり を実感しており 意識や行動面への幅広いメリットがあることも見えてきました ベネッセ教育総合研究所では 引き続き 読書のジャンルや読み方などに関する分析を行い 読書が多様な資質 能力の向上にどのような影響があるのかについて研究してまいります 主な分析結果 1 たくさん読書をしている子どもほど学力が向上特に 算数 に影響読書量が 多い 少ない ない 群について 1 年 4 か月の偏差値の変化を比較したところ 多い 子どもは平均で+1.9 ポイントであるのに対し 無し は-0.7 ポイントと偏差値を下げている 図 1 とくに算数で偏差値の変化の差が大きく 多い 群では+3.5 ポイント 無し 群では-1.3 ポイントであった 図 2 * 読書多い は 1 年 4 か月の期間中に電子書籍で本を 10 冊以上読んだ子ども 読書無し は 1 冊も読まなかった子ども 2 読書は学力が低い子どもたちにプラス効果が大きい 学力テストの結果を基に子どもたちを3グループに分け 各学力層で読書の効果が異なるのかを確認したところ 学力が低いほうが読書の効果が大きかった 4 教科の偏差値の変化を見ると 学力上位者 では 読書多い 群と 読書無し 群の差 +1.5 ポイントに対して 学力下位者 では 読書多い と 読書無し の差 +4.7 ポイントだった 図 3 3 子ども自身も 学びの広がり 他者とのつながり など幅広い読書のメリットを実感電子書籍を利用した子どもを対象によかったと感じることをたずねたところ 授業で取り上げられた本を読んだ (71.3%) わからないことがあったら自分で調べるようになった (66.9%) 本について家の人と話した (60.0%) などが上位にあがった 学びの広がり から 他者とのつながり まで 読書のメ リットを幅広く実感していることがわかった 図 4

研究枠組み データ 1: 読書の量は 学力にどのような影響を与えているのか 1) 読書量と学力の変化との関係 たくさん読書をしている子どもほど学力が向上 読書量が多い子どもほど 学力 (4 教科の偏差値平均 ) を伸ばしている 読書多い は平均で + 1.9 であるのに対して 読書無し は -0.7 と偏差値を下げている 図 1 学力の変化 (4 教科の偏差値平均 読書量別 )

2) 読書量と各教科の学力との関係 読書量は 特に 算数 の学力向上に影響している 各教科別に偏差値の変化を見たところ 国語 算数 理科 社会のいずれの教科も 読書量 と 偏差値の変化 には有意差があった 読書多い がもっとも偏差値を高めている そのなかでも 特に 算数 の学力に大きな影響が見られた 文章中に与えられた問いや条件を正確に読み取る力 を高めていることや 読書習慣によって落ち着いた学習環境が整い 積み上げ型 の問題 ( 計算問題など ) にプラスの効果をもたらしたことなどが推察される 図 2 学力の変化 ( 各教科の偏差値平均 読書量別 )

3) 誰に効果があるのか 読書は学力が低い子どもたちにプラス効果が大きい 事前 (2016 年 8 月 ) の学力テストの結果を基に 子どもたちを 3 グループに分け 各学力層 によって読書の効果が異なるのかを確認したところ 学力が低い子どものほうが読書の効果が大 きかった 図 3 学力の変化 (4 教科の偏差値平均 初期学力別 読書量別 ) ( 偏差値変化 ) 4 学力上位者 4 学力下位者 3.9 3 3 読書多 2 1 0-1 読書読書多読書無 少 1.3 0.4-0.2 1.5pt. 差 2 1 0-1 読書 読書無 少 1.9-0.8 4.7pt. 差 -2 事前 事後 -2 事前 事後 * 偏差値は 進研ゼミ の 実力診断テスト 各教科成績の結果 事前 (2016 年 8 月 ) の偏差値を起点にして 読書量を計測後 事後 (2017 年 12 月 ) 偏差値の変化を示した 事後 については各属性別の変化の平均を 0 に換算し その数値と読書量による違いを数値で示した * 学力上位者 学力下位者のいずれも p.<0.001( 分散分析 ) データ 2: 子どもたちは読書のどのような点に 良さ を感じているのか 4) 子どもからみた読書の効果 読書がもたらす 学びの広がり 他者とのつながり 電子書籍を利用している子どもを対象に よかったと感じることをたずねた その結果 授業で取 り上げられた本を読んだ わからないことがあったら自分で調べるようになった 本について家 の人と話した 友だちに本をすすめることができた ことなどが上位にあがった 学びの広がり から 他者とのつながり まで 読書のメリットを幅広く実感していることがわかる 図 4 電子書籍を利用してよかったこと 授業で取り上げられた本を読んだ 71.3 わからないことがあったら自分で調べるようになった 66.9 自分で書く文章が上手になった 60.7 本について家の人と話した 60.0 友だちに本をすすめることができた 58.9 友だちとの話題が増えた 58.6 知っている漢字が増えた 46.9 本を読む習慣ができた 42.0 知っている言葉が増えた 41.3 本を読むのが早くなった 39.6 興味のあることが増えた 38.8 本が好きになった 32.8 好きな本が見つかった 19.3 * 複数回答 数値は選択された比率を示す

まとめ これからの時代を生きていくために 今の子どもたちには 知識や技能を身につけることだけでなく それらを活用して思考 判断 表現する力を高めることが求められています 今回の分析では 読書が教科の学力の伸びと関連している可能性が示されました しかし それだけでなく 子どもたちは読書を通じて自分が感じたことや疑問を調べたり 誰かと共有するきっかけをつくったりしています こうした体験は 多様な資質 能力を高めることにつながると考えられます ベネッセ教育総合研究所では 今後 より詳細な読書履歴のデータを分析する予定です どのような子どもがいつ どのような種類の本を読んでいるのか その体験がとのような資質 能力につながっているのか こうした研究を深め 明らかになったことを社会に発信して 子どもたちのよりよい読書環境づくりに役立てていきたいと思います 電子書籍サービス 電子図書館まなびライブラリー 進研ゼミ会員が自由に使える電子書籍のサービスです (https://www.benesse.co.jp/zemi/ml/) ネットワークがつながる環境とデバイスがあれば いつでも どこでも自由に読書ができます 貸出できる本は定期的に入れ替え 常時 1000 冊の本から自分の読みたい本を選ぶことができます このような使い勝手のよさから 今ではこのサービスを使う小 中 高校生は約 80 万人 毎月の利用者は平均約 36 万人 (2018 年 9 月現在 ) 子どもたちにとって 一般の( 紙の ) 書籍に代わる重要な読書機会になっています ベネッセ教育総合研究所のホームページから 本リリースに関連する資料をダウンロードできます 詳細はこちら https://berd.benesse.jp/special/bigdata/ebookanalysis.php 本件に関するお問い合わせ 株式会社ベネッセホールディングス広報 IR 部宮本 萩澤 齋藤 TEL:042-357-3658/FAX:042-389-1757