<4D F736F F F696E74202D E9197BF A C98AD682B782E98DC58BDF82CC93AE8CFC82C A82CC91CE899E F8

Similar documents
1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

議題 担当 (1) のれんの減損と償却 日本 イタリア 7 IFRS の適用に係る論点 IASB 8 非営利組織の財務諸表の表示に関する改訂提案米国 の概要 9 時事的な問題 (1) コア棚卸資産 インド (2) 英国会計基準における財務報告の枠組み 英国 (3) 非伝統的な市場において資金調達を行

アンケート調査の概要 5. 当該アンケートにおいて AASB と KASB は対象者に主に 2 つの質問をしている (1) IFRS における蓋然性の程度を表現する 14 の用語 ( 下の表を参照 ) について それぞれが何パーセントから何パーセントを意味すると解釈しているかを質 問する (2) 同

2014 年 12 月会計基準アドバイザリー フォーラム (ASAF) 議事概要 I. 概要 1. 会計基準アドバイザリー フォーラム (ASAF) 会議が 2014 年 12 月 4 日 5 日に英国 ( ロンドン ) で開催された ASAF 会議の主な内容は 次の通りである 2014 年 12

修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の公開草案の概要

2015 年 9 月 28 日 企業会計基準委員会御中 企業会計研究会 IASB 公開草案 財務報告に関する概念フレームワーク について 日本証券アナリスト協会の企業会計研究会は 2015 年 5 月 28 日に公表された公開草案 財務報告に関する概念フレームワーク ( 以下 ED) について 意見

1. 国際財務報告基準に準拠した財務諸表 ( 抜粋 翻訳 ) 国際財務報告基準に準拠した財務諸表の作成方法について当行の国際財務報告基準に準拠した財務諸表 ( 以下 IFRS 財務諸表 という ) は 平成 27 年 3 月末時点で国際会計基準審議会 (IAS B) が公表している基準及び解釈指針に

IFRS基礎講座 IAS第21号 外貨換算

念.pwd

日本基準と国際会計基準とのコンバージェンスへの取組みについて

平成30年公認会計士試験

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

参考資料 日本語粗訳 このペーパーは IASB による公開会議での討論のために IFRS 財団のスタッフによって作られたものであり IASB または IASB のメンバー個人の見解を表していているものではありません IFRS の適用に関するコメントは それが受け入れ可能な見解であるか否かを定める目的

IFRS第3号「企業結合」修正案及びIAS第27号「連結及び個別財務諸表」修正案に対する

審議事項 (2) 年 7 月 ASBJ/EFRAG のスタッフがのれんと減損に関する定量的調査の付属資料として作成した付録付録 1: 定量的調査の概要付録 2: 主要なデータ セット 参考訳 財務会計基準機構の Web サイトに掲載した情報は 著作権法及び国際著作権条約をはじめ

交換価値は 価格が成立する時点 ( 売却時点 or 購入時点 ) および市場の競争状況 ( 流動性 ) によって細分化できる イ. 売却市場における価値 ( 出口価値 ) と購入市場における価値 ( 入口価値 ) 交換価値は 出口価値と入口価値に分けることができる 出口価値は売却市場における価値 入

7. 我が国の場合 第 4 項に示される政府が企業に課す賦課金の例としては 固定資産税 特別土地保有税 自動車取得税などが挙げられる 8. 日本基準において諸税金に関する会計処理については 監査 保証委員会実務指針第 63 号 諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取り扱い があるが ここでは

Microsoft Word - 9.田原

包括利益の表示に関する会計基準第 1 回 : 包括利益の定義 目的 ( 更新 ) 新日本有限責任監査法人公認会計士七海健太郎 1. はじめに企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 以下 会計基準 ) が平成 22 年 6 月 30 日に

2. 基準差調整表 当行は 日本基準に準拠した財務諸表に加えて IFRS 財務諸表を参考情報として開示しております 日本基準と IFRS では重要な会計方針が異なることから 以下のとおり当行の資産 負債及び資本に対する調整表並びに当期利益の調整表を記載しております (1) 資産 負債及び資本に対する

1 今回の会議の概要 2014 年第 2 回目の国際公会計基準審議会 (IPSASB) の会議は 2014 年 6 月 24 日から27 日までの4 日間にわたり カナダのトロントで開催された 今回の会議には19 名のメンバーのうち17 名が出席し テクニカル アドバイザー (TA) オブザーバー

IFRS基礎講座 IFRS第1号 初度適用

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

IASB Update 2019 年 4 月 IASB Update は 国際会計基準審議会 ( 審議会 ) の予備的決定を示している IFRS 基準 修正及び IFRIC 解釈指針に関する審議会の最終的な決定は IFRS 財団及び IFRS 解釈指針委員会 デュー プロセス ハンドブック に示され

「我が国の財務諸表の表示・開示に関する検討について」の解説

し IFRS の適用を義務付けるとともに 2009 年 1 月からは EU 域外国の上場企業に対しても IFRS 又はこれと同等の基準の適用を義務付けた 米国においては 2002 年 10 月 米国財務会計基準審議会 (FASB) と IASB との間で 米国基準と IFRS のコンバージェンスに合

質問 項から1.33 項では 目的及び 概念フレームワーク の位置付けの提案を示している IASB の予備的見解は次のとおりである (a) 改訂 概念フレームワーク の主要な目的は IASB がIFRS の開発及び改訂を行う際に一貫して使用することとなる概念を識別することにより IAS

2016 年 12 月 ASAF 会議 2016 年 12 月会計基準アドバイザリー フォーラム (ASAF) 議事概要 I. 概要 1. 会計基準アドバイザリー フォーラム (ASAF) 会議が 2016 年 12 月 8 日 9 日に英国 ( ロンドン ) で開催された ASAF 会議の主な内容

第 1 章はじめに ( 本ペーパーの位置付け等について記載であるため 省略 ) 第 2 章キャッシュ フロー情報の有用性 1. 業績についての情報は 主として発生主義による財務諸表によって提供される キャッシュ フローの開示の目的は 業績に関する代替的な測定値を表示することではないが 発生主義ベース

従って IFRSにおいては これらの減価償却計算の構成要素について どこまで どのように厳密に見積りを行うかについて下記の 減価償却とIFRS についての説明で述べるような論点が生じます なお 無形固定資産の償却については 日本基準では一般に税法に準拠して定額法によることが多いですが IFRSにおい

売上減少か?-「収益認識に関する論点の整理」

リリース

審議_3_-3 損益の段階別表示0602.doc

2018 年 4 月会計基準アドバイザリー フォーラム (ASAF) 議事概要 I. 概要 1. 会計基準アドバイザリー フォーラム (ASAF) 会議が 2018 年 4 月 16 日及び 17 日に 英国 ( ロンドン ) で開催された ASAF 会議の主な内容は 次のとおり 2018 年 4

平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

2018 年 8 月 10 日 各 位 上場会社名 エムスリー株式会社 ( コード番号 :2413 東証第一部 ) ( ) 本社所在地 東京都港区赤坂一丁目 11 番 44 号 赤坂インターシティ 代表者 代表取締役 谷村格 問合せ先 取締役 辻高宏

highlight.xls

説明会資料 IFRSの導入について

Microsoft Word - JLA comment doc

実務対応報告第 18 号連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い 平成 18 年 5 月 17 日改正平成 22 年 2 月 19 日改正平成 27 年 3 月 26 日改正平成 29 年 3 月 29 日最終改正平成 30 年 9 月 14 日企業会計基準委員会 目的 本

参考 企業会計基準第 25 号 ( 平成 22 年 6 月 ) からの改正点 平成 24 年 6 月 29 日 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 の設例 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 平成 22 年 6 月 30 日 ) の設例を次のように改正

Microsoft Word IFRSコラム原稿第6回_Final _1_.doc

ならないとされている (IFRS 第 15 号第 8 項 ) 4. 顧客との契約の一部が IFRS 第 15 号の範囲に含まれ 一部が他の基準の範囲に含まれる場合については 取引価格の測定に関する要求事項を設けている (IFRS 第 15 号第 7 項 ) ( 意見募集文書に寄せられた意見 ) 5.

Microsoft Word - M&A会計 日本基準とIFRS 第1回.doc

085 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 新株予約権 少数株主持分を株主資本に計上しない理由重要度 新株予約権を株主資本に計上しない理由 非支配株主持分を株主資本に計上しない理由 Keyword 株主とは異なる新株予約権者 返済義務 新株予約権は 返済義務のある負債ではない したがって

2018年以降の制度改正予定(IFRS編)

アニュアルレポート 2018

IASB・FASBの金融商品会計検討の現状(2)

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

計算書類等

現金または現金同等物への区分の検討 5. AASB は仮想通貨を IFRS の現金の定義 現金同等物の定義に照らしてそれぞれ検討 し 結論として 以下表のとおり いずれにも当てはまらないとしている 結論 結論の根拠 現金 該当しない 現金 ( 通貨 ) は定義上 交換の媒体 となっている (IAS

収益認識に関する会計基準

議 題 時間 参照ページ のれん及び減損 60 分 19 ページ IFRS 第 9 号と新保険契約基準の発効日の相違 75 分 25 ページ 共通支配下の企業結合 (IASB/HKICPA) 90 分 30 ペ 適用後レビュー (PiR) の役割 60 分 32 ページ 開示に関する取組み- 今後の

有償ストック・オプションの会計処理が確定

Report

Microsoft Word - Q&A 第22回 2892号2008年11月08日.doc

Microsoft Word - IFRSコラム原稿第2回 H doc

Microsoft Word - M&A会計 日本基準とIFRS 第5回.doc

Microsoft Word - 07 資料_3_-4.doc

別添質問に対する回答質問 1 Tax Basis( 税務基準額 ) 及び Temporary Difference( 一時差異 ) の定義について本公開草案では Tax Basis( 税務基準額 ) の定義を変更することを提案しており これにより Tax Basis が資産の回収や負債の決済について

日本基準基礎講座 資本会計

念.pwd

CC2: 連結貸借対照表の科目と自己資本の構成に関する開示項目の対応関係 株式会社三井住友フィナンシャルグループ ( 連結 ) 項目 資産の部 イロハ 公表連結貸借対照表 (2019 年 3 月末 ) 現金預け金 57,411,276 コールローン及び買入手形 2,465,744 買現先勘定 6,4

講 演 準で示されている認識や測定についても取り扱わないこととされている 具体的には 現在の純利益に入れる項目とその他の包括利益に入れる項目に分けられることについては現状どおりとなる その他の包括利益が実現した時に 純利益へ組み替えるリサイクリングの仕組みについても現状どおりとなる この点 このプロ

念.pwd

企業会計基準第 25 号包括利益の表示に関する会計基準 平成 22 年 6 月 30 日改正平成 24 年 6 月 29 日最終改正平成 25 年 9 月 13 日企業会計基準委員会 目次 項 目的 1 会計基準 3 範囲 3 用語の定義 4 包括利益の計算の表示 6 その他の包括利益の内訳の開示

<4D F736F F F696E74202D2091E6328D EF8C7682CC8AEE91628A54944F205B8CDD8AB B83685D>

スライド 1

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

平成26年度 第138回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

在外子会社会計方針統一について

無断複写 転用 転記を禁じます 国際財務報告基準 (IFRS) 連結財務諸表シリーズ シリーズ <5>IAS 第 31 号 ジョイント ベンチャーに対する持分 ( 平成 22 年 7 月 31 日現在 ) 1. ジョイント ベンチャーの対する持分 ( 総論 ) 本シリーズでは ジョイント ベンチャー

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

「中小企業の会計に関する指針《新旧対照表

預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

目次 I. 背景... 3 II. 定量的調査の目的と構成... 3 III. 調査方法... 5 分析対象会社の範囲... 5 会社が使用した会計基準... 6 分析対象年度... 6 収集したデータ... 7 IV. 主な調査結果... 9 V. のれん のれんの合計額の 2005

スライド 1

平成28年度 第143回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

IFRS News Flash


念.pwd

10年分の主要財務データ

連結会計入門 ( 第 6 版 ) 練習問題解答 解説 練習問題 1 解答 解説 (129 頁 ) ( 解説 ) S 社株式の取得に係るP 社の個別上の処理は次のとおりである 第 1 回取得 ( 平成 1 年 3 月 31 日 ) ( 借 )S 社株式 48,000 ( 貸 ) 現預金 48,000

Microsoft Word - 公開草案「中小企業の会計に関する指針」新旧対照表

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

注記事項 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) : 無 新規 社 ( 社名 ) 除外 社 ( 社名 ) (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 無 2 1 以外の会計方針の変更 : 無 3

マツダ株式会社

2019年年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

IFRSを巡る世界と日本の動向

独立行政法人評価制度委員会会計基準等部会において 中長期的に検討すべきとされた論点 独立行政法人会計基準に係る中長期課題検討事項一覧 1. 財務報告に関する基礎的前提論点 主要な財務報告利用者 ( 利害関係者 ) の整理 独立行政法人の財務報告の目的 機能の整理 整理された財務報告の目的と機能を踏ま

関する IFRS-IC の議論が IASB と FASB により共同で行われている IFRS 第 15 号に関する移行リソースグループ (TRG) における議論と不整合を生じさせる可能性が危惧されたためである 論点の所在 4. 今回 明確化が要請された会計処理に関する主な論点は 銀行がプリペイド カ

6. データ集 2) 国内金融事業 1 日本保証 主要残高 貸借対照表 日本基準に基づく単体数値 ( 連結調整前 ) で作成しています ( 単位 : 百万円 ) 2015/ / / / / / /03 (a) 現金及び預金 1,

(訂正・数値データ訂正)「平成25年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

注記事項 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) : 無 新規 社 ( 社名 ) 除外 社 ( 社名 ) (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 有 2 1 以外の会計方針の変更 : 無 3

IASB、最終版のIFRS第9号「金融商品」を公表

< F815B835B838B87568EA98CC88E91967B94E497A68C768E5A B C8B816A E398C8E A2E786C73>

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

ほくほくフィナンシャルグループ (8377) 2019 年 3 月期 4. 補足情報 株式会社北陸銀行の個別業績の概要 2019 年 5 月 10 日 代表者 ( 役職名 ) 取締役頭取 ( 氏名 ) 庵栄伸 問合せ先責任者 ( 役職名 ) 執行役員総合企画部長 ( 氏名 ) 小林正彦 TEL (0

< C8E3493FA8F4390B395AA817A836F815B835B838B87568EA98CC88E91967B94E497A68C768E5A B C8B816A E398C8E A2E786

< F815B835B838B87568EA98CC88E91967B94E497A68C768E5A B C8B816A E338C8E A C8E3293FA8F4390B3816A2E786C73>

Transcription:

資料 3 IFRS に関する最近の動向と ASBJ の対応 企業会計基準委員会副委員長小賀坂敦 2013 年 6 月 17 日 ( 本資料中の意見に係る部分は 発表者の個人的見解であり 企業会計基準委員会の公式見解ではありません )

目次 会計基準アドバイザリー フォーラム (ASAF) の設置 現在の IASB のアジェンダ 概念フレームワークの見直し 2

会計基準アドバイザリー フォーラムの設置 (ASAF) 3

ASAF の趣旨 目的 IASB と基準設定主体との関係の公式化 二国間協議 (FASB ASBJ EFRAG) から多国間協議へ ASAF の目的 公益に資するよう 高品質で理解可能な 執行可能な国際的に認められた財務報告基準の単一のセットの開発に貢献すること 基準設定プロセスにおける各国会計基準設定主体及び地域団体とIASBの関係を公式なものにするとともに効率化すること それにより IASBの基準設定に関する主要な技術的論点に関する広範囲の各国及び各地域のインプットが議論され考慮されることを確保すること 基準設定上の論点に関する効果的な専門的議論を促進すること それは 十分な深度をもって 高水準の専門的能力と自国 ( 自地域 ) について十分な知識を有する代表者により行われる 4

ASAF の概要 ASAF のメンバー 各国基準設定主体 9カ国 ( 欧州 3 AO3 米 2 アフリカ1) 地域団体(3 団体 ) 個人ではなく組織としての資格 各国 各地域での意見の集約が期待されている 2 年おきに見直し 判断基準 : 技術的な専門性 当該法域の資本市場の規模 IASBの基準設定プロセスへの当該組織の貢献 当該組織が利用できる人的資源の規模と程度 ASAF 議長 =IASB 議長 年 4 回開催 アジェンダ =IASB と ASAF メンバーが協議の上 ASAF 議長が決定する 5

第 1 回 ASAF の概要 2013 年 4 月 8 日 9 日ロンドンIASBオフィスで開催第 1 回 ASAF 参加メンバー 組織名 出席メンバー 南アフリカ財務報告基準評議会 Kim Bromfield 欧州財務報告諮問グループ (EFRAG) Franҫoise Flores 英国財務報告評議会 Roger Marshall ドイツ会計基準委員会 Liesel Knorr スペイン会計監査協会 Ana Martínez-Pina アジア オセアニア会計基準設定主体グループ (AOSSG) Clement Chan オーストラリア会計基準審議会 Kevin Stevenson 企業会計基準委員会 (ASBJ) 西川郁生 中国会計基準委員会 Liu Guangzhong ラテンアメリカ会計基準設定主体グループ (GLASS) Alexsandro Broedel Lopes 米国財務会計基準審議会 (FASB) Leslie Seidman カナダ会計基準審議会 Gord Fowler IASB 参加メンバーハンス議長 (ASAF 議長 ) 他 IASB 理事 5 名アジェンダ : 概念フレームワーク (8H) 金融資産の減損(2H) 6

ASAF の今後の予定 2013 年 7 月 3 日金融資産の減損に関する電話会議 第 2 回 ASAF=2013 年 9 月 25 日 26 日 以後 3 か月おきに開催 今後予想される主な議題 概念フレームワーク (7 月ディスカッション ペーパー公表予定 コメント期間 180 日 ) 金融資産の減損 (3 月公開草案公表済 ) リース (5 月改訂公開草案公表済 ) 保険 ( 間もなく改訂公開草案公表 ) 7

ASAF への対応 各論点に対する我が国としての統一的な意見の形成 第 1 回 ASAF 対応 アジェンダ コンサルテーションに関する協議会 ( 注 ) におけるハイレベルな意見の聴取 ( 注 ) 財務会計基準機構及び金融庁を事務局とし 企業会計基準委員会 日本経済団体連合会 日本公認会計士協会 日本証券アナリスト協会 東京証券取引所 経済産業省 法務省をメンバーとする ASBJ における ASAF 対応専門委員会の設置 8

現在の IASB のアジェンダ 9

現在の IASB のアジェンダ 2011 年から 2012 年にかけてアジェンダ コンサルテーションの結果を踏まえて 以下が現在のアジェンダとされている 概念フレームワークの見直し 金融商品 ( 分類と測定 減損 ヘッジ ) リース 保険 その他 ( 農業 料金規制事業等 ) 10

参考 : 我が国のアジェンダ コンサルテーションに対する意見 既存のIFRSの維持管理の優先概念フレームワークと開示フレームワークの優先的取組み以下の会計基準への取組み 当期純利益とOCI 公正価値測定の適用範囲 開発費の資産計上 のれんの非償却 機能通貨 減損の戻入 開示フレームワーク 11

概念フレームワークの見直し 12

概念フレームワークの見直しの概要 (1/ ) 概念フレームワークの役割 将来のIFRSの開発と現行のIFRSの見直し 個々のIFRSに規定がない事項については 概念フレームワークにおける資産 負債 収益 / 費用に関する定義 認識 測定を参照 これまでの取組み 1989 年に概念フレームワークを設定 2004 年に FASB( 米国財務会計基準審議会 ) と共同プロジェクトを開始 2010 年に総論部分を共同して改正 ( 一般財務報告の目的 有用な財務情報の質的特性 ) ただし 各論部分 ( 認識 測定等 ) は未完のままプロジェクトを中断 13

概念フレームワークの見直しの概要 (2/ ) 今回の見直しプロジェクトの概要 各論部分を 一括して検討する ( 構成要素 認識 測定 表示 開示 報告企業 ) 総論部分は 見直さない FASBとの共同プロジェクトではなく IASB 単独のプロジェクトとする ただし FASBとASBJのスタッフがプロジェクトに参加している 2015 年 9 月を完成目標とする 2013 年 7 月にディスカッション ペーパー 2014 年 8 月に公開草案を公表する計画 14

概念フレームワークの見直しの概要 (3/ ) 我が国に関連する主要な論点 当期純利益 その他の包括利益 (OCI) のリサイクリング 公正価値測定の範囲 保守主義 ( 慎重性 ) の規定 15

当期純利益 /OCI 公正価値測定の範囲 (1/ 現在の概念フレームワークの基本構造のイメージ 財務諸表の構成要素 資産 別途定義 負債 別途定義 資本 = 資産マイナス負債 収益 費用 = 当該会計期間中の資産の増加 ( 減少 ) 負債の減少 ( 増加 )( 出資者からの出資等を除く ) 16

当期純利益 /OCI 公正価値測定の範囲 (2/ ) 当期純利益 包括利益が財務諸表の構成要素とされていない 各基準ごとに OCI のリサイクリングの有無を設定 リサイクリングする OCI の例 = 債券の公正価値評価差額 在外子会社財務諸表の為替換算 ノンリサイクリングの OCI の例 = 株式の公正価値評価差額 年金の評価差額 資産 負債の測定 ( 取得原価 or 公正価値等 ) が規定されていない 各基準ごとに公正価値 / 取得原価を設定 日本基準と異なる評価の例 固定資産の再評価の ( 選択適用 ) 投資不動産の公正価値測定 ( 選択適用 ) 非上場株式の公正価値測定 17

当期純利益 /OCI 公正価値測定の範囲 (3/ ) 今回の見直しプロジェクトにおける当期純利益に関する議論 アプローチ 1A 以下の原則を設ける (2013 年 4 月 IASB 会議資料より ) 原則 1: 純損益 ( 当期純利益 ) に表示する項目は 報告期間についての企業の財務業績 (financial performance) の主要な像 (primary picture) を伝達する 原則 2: ある項目をOCIに表示することが財務業績のより適切な描写となる場合を除いて すべての収益及び費用の項目は純損益に認識すべきである 原則 3: 当該期間の財務業績に関して目的適合性のある情報をもたらす場合には 以前にOCIに表示した項目を純損益に振り替える ( リサイクル ) べきである アプローチ 1A では OCI は 全てリサイクリングされる ただし 当期純利益は定義されていない ~ 続く ~ 18

当期純利益 /OCI 公正価値測定の範囲 (4/ ) アプローチ 1B アプローチ 1A( リサイクリングする OCI) に加え 別途 一定の指標を設け OCI を認める ( リサイクリングするとは限らない ) アプローチ 2 単一の包括利益計算書とし 当期純利益についての小計を規定しない IASB は アプローチ 1( 当期純利益を設ける ) を支持している 19

保守主義 慎重性の原則 (prudence) 2010 年の概念フレームワークの改正において それ以前のフレームワークにおいて信頼性の一つの特性とされていた 慎重性 ( 保守主義 ) は 中立性と矛盾するため 財務諸表の質的特性から削除されている 第 1 回 ASAF における ASBJ の主張 : 慎重性 ( 保守主義 ) は 現行の IFRS でも多く用いられ概念は残っており 再度 見直すべき EFRAG 2013 年 4 月公表の Bulletin (Prudence-Getting Better Framework) 慎重性は概念として広く知れ渡っているが 全ての人が同じように 慎重さ を行使しているわけではないので 様々な見解 ( 支持 反対 ) が生じている これらの様々な見解は 概念フレームワークの改訂作業において 認識 測定等を検討するうえで役に立つものであり 慎重性の役割について明示的に検討すべきである 20

21