資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

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平成  年  月  日

議のうえ統括防火管理者として選任し 防火管理上必要な業務の内容について説明をしたうえで 全体についての防火管理業務を行わせなければならない 3 前項の規定により 統括防火管理者を選任したときは 防火管理対象物における管理権原者の主要な者として を代表者として指定し 代表者名をもって届出を行うものとす

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点検実施設備等会場内の構築物火気使用設備器具ガス使用設備器具電気器具等危険物施設 点検実施年月日 8 消防職員の立入検査に伴う立会い消防職員の立入検査がある場合は ATC 防火 防災管理者 防火責任者及び各小間の責任者が立ち会うものとする 9 消防用設備等の点検 (1) 防火責任者は 補助者とともに

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油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

消防法令が改正され 防火防災管理体制が強化されます! ~ 消防法第 8 条の 2 統括防火防災管理者制度 ~ 近年 雑居ビル等で多くの死傷者を伴う火災が相次いで発生していることや東日本大震災での激しい揺れにより 高層ビル等において人的 物的被害が発生したことを受け 防火 防災体制を強化するために消防

消防用設備・機械器具等に係る最近の検討状況等

第 3 章 1. の既往調査研究 1で紹介した 小規模多機能サービスに関する調査報告書 にも指摘されていたように 小規模多機能サービス事業所の整備にあたっては 建築基準法 消防法上の取り扱いの点で検討の余地を残している これに関して 2006 年 1 月に長崎県大村市の認知症高齢者グループホームで発

消防計画

すぐ連絡! すぐ実施! 杉並消防署からのお知らせ 自衛消防訓練を実施しましょう 自衛消防訓練は 火災が発生した場合に消防隊が現場に到着するまで 自衛消防 活動により 迅速 的確に人命の保護と災害の拡大防止の措置をとれるようにする ことを目的としています 訓練の種別 自主的に訓練することが必要です!

(共同防火管理協議事項1)

平成21年6月1日施行

はじめに 消防法の規定では 一定規模の建物の管理権原者は 防火管理者を定め 消防計画を作成し 防火管理上必要な業務の実施を定めています その中でも 消防計画に基づく訓練の実施は最も重要な事項です 特に特定防火対象物 ( 集会場 スーパー ホテル 病院等の不特定多数の人が出入りする施設 ) には 年

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

2. 具体的な実施内容 平成 27 年度 避難訓練実施計画 実施災害の想定 実施時間 4 月 想定 ( 地震 ) 子ども達に 地震とは何かを分かりやすく知らせ 地震の時の身の守り方を知らせる 保育士の動きの確認 5 月 想定 ( 火災 初期消火 ) 厨房からの出火を想定し 園庭に避難する その後近く

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資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

スライド 1

検討の対象施設や着眼点等について 検討の対象施設 高さが100メートルを大きく超える超高層の建築物延べ面積が10 万平方メートルを大きく超える建築物や在館者が超多数 ( 数千人や数万人規模 ) となる建築物大規模 高層の建築物が地下部分や駅施設等を介して複雑に接続された超大規模な建築

○○○ビル防火管理規程

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ウ火元責任者は 自主検査の結果 異常が認められたときは 防火管理者及び防火管理責任者 ( 工事責任者 ) に報告し 指示を受けて対処する (2) 放火対策ア建物の外周部及び階段等には 可燃性の工事用資材又は梱包材等は置かないようにする やむを得ず置く場合は整理整頓し防炎シート等で覆い保管する イ工事

手賀の杜自治会自主防災組織規約 第 1 条 ( 名称 ) この組織は 手賀の杜自治会自主防災組織 ( 以下 本組織 という ) と称する 第 2 条 ( 目的 ) 本組織は 手賀の杜自治会自治会規約第 1 条第 2 項に基づき 住民の隣保協同の精神に基づく自主的な防災活動を行うことにより 手賀の杜自

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第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

38 災害緊急時における聴覚障害者の情報伝達保障支援の状況分析 表2 生の協力のおかげで遂行することができた 避難訓練の年間実施回数 回 回 2回 3回 4回 5回以上 4 6 35 9 図 避難所担当者との連携 図2 避難訓練の年間実施回数 Ⅳ 調査研究の経過および結果 なかでも年2 3回実施して

別紙 1 防災訓練結果報告の概要 1. 訓練の目的本訓練は 核物質管理センター六ヶ所保障措置センター原子力事業者防災業務計画第 2 章第 5 節第 2 項 防災訓練 に基づき 原子力災害を想定した総合訓練を実施することで 原子力防災組織が有効に機能することを確認する 訓練後は訓練モニターの評価結果

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東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

⑹ 火災等が発生した場合 自衛消防活動の全般についての責任を共同して負うこと ⑺ 火災等発生の情報を受けた場合 自衛消防本部の設置を自衛消防隊長に指示すること ⑻ 一部委託した防火管理業務が確実に遵守されるように相互に協力すること 法令上 統括防火管理者の選任に係る協議の方法は任意であることから 建

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第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

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二戸市地域防災計画 ( 震災編 ) の一部修正の新旧対照表現行改正案 目次 ( 震災編 ) 目次 ( 震災編 ) 第 1 章総則 第 1 章総則 第 1 節 計画の目的 351 第 2 節 計画の性格 352 第 2 節の2 災害時における個人情報の取り扱い 352 第 3 節 防災関係機関の責務及

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防災業務計画 株式会社ローソン


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BCP(事業継続計画)テンプレート

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

作成例

小規模建築物用消防計画の手引き〔本文〕

第 1 章 危機管理とは 1 1 目的 2 分類 3 対象とする危機の内容 4 体制 5 対応 6 原因の分析と評価 7 見直しの観点 第 2 章 初動対応編 6 1 交通事故発生時の対応 2 事故 ( けが等 ) 発生時の対応 3 病気等 ( 学校において予防すべき感染症含む ) 発生時の対応 4

参考資料 三郷市火災予防条例の一部を改正する条例案の素案 平成 26 年 9 月 三郷市消防本部 大規模な屋外催しにおける防火管理体制の構築について 1 改正の背景 1 京都府福知山市花火大会火災平成 25 年 8 月 15 日 京都府福知山市で行われた花火大会において 死者 3 名 負傷者 56

の 全体についての防火 防災管理に係る消防計画 ( 作成例 ) 第 1 総則 ( 第 1-1 目的及び適用範囲 ) 1. 目的この消防計画は 消防法第 8 条の2 第 1 項及び同法第 36 条第 1 項において準用する規定並びに同法第 8 条の2の5に基づき 統括防火 防災管理者が の全体について

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番号

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

アクション カードは,5つの作業工程と改善のための訓練を経ると作製できます しかし, アクション カードを災害対応の中心に据えるには, マニュアルの改正 策定が必要です このステップでは, 皆さんの組織が減災対策に取り組む心意気が試されます 我々もアクション カードを基にした災害時対応マニュアルを作

第8章 災害復旧計画

序章 計画改定の背景 足立区では 昭和 57 年 3 月に 大地震による火災から区民の生命と財産を守る た め 足立区防災まちづくり基本計画 を策定し この計画に基づき各種事業を展開し てきました その後 平成 7 年 1 月 17 日に発生した阪神 淡路大震災では 密集市街地に被害が 集中し 改め

(取組名を記載)

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目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

1 検査の背景 我が国の防災の基本法として災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 ) が制定されている 同法によれば 内閣府に中央防災会議を置くとされ 同会議は 災害予防 災害応急対策及び災害復旧の基本となる防災基本計画の作成 その実施の推進 防災に関する重要事項の審議をそれぞれ行うな

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国土技術政策総合研究所 研究資料

(4) 統括防火管理者の届出等の消防機関との連絡など防火管理上必要な事項を行うととも に 相互に意思の疎通を図り 建物全体の安全性の確保に努めること (5) 建物の全体についての防火管理業務の実施体制を確立し 維持すること (6) 火災等が発生した場合 自衛消防活動の全般についての責任を共同して負う

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

2

リスク調査報告書(サンプル)

平成 30 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書の概要 消防庁救急企画室 はじめに 消防庁救急企画室では 高齢化を背景として救急需要が増大する中 救急車の適正利用の推進や救急業務の円滑な実施と質の向上等 救急業務を安定的かつ持続的に提供し救命率の向上を図ることを目的に 平成 30 年度救急業務の

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第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

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突然の災害に負けない社内の体制整備 最終回 火災からの企業防衛 77 東京海上日動リスクコンサルティング ( 株 ) 危機管理グループグループリーダー茂木寿 日本では 消防法において規模 用途に応じ 消防計画 の策定が義務付けられている 一般的に企業においては ほとんどの拠点 施設で この消防計画策

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大規模地震対応消防計画作成例(基本編)

第 7 条防火 防災管理者は 総務室長又はこれに準ずる職にある者とし この計画の作成及び実行についてのすべての権限を持って 次の業務を行うものとする (1) 消防計画の作成及び変更 (2) 自衛消防組織に係る事項 (3) 防火 防災に係る自主検査 点検の実施と監督 (4) 消防用設備 特殊消防用設備

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<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

H30雑踏事故防止通達(公表用)

第3編 災害応急対策

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非常災害対策計画 風水害 地震 火災 1 風水害 非常災害時の行動手段 警報発表 情報の収集 施設周辺の点検 職員の招集 参集 担当業務内容の確認や準備 施設の休業判断 職員や利用者への周知 施設外へ避難 施設内の安全な場所へ避難 家族への報告 健康ケアとメンタル対策 情報収集 テレビ ラジオ イン

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防災マニュアル 戸室 2 丁目自治会自主防災隊 自主防災隊組織図 任務と各役割 厚木市災害時要援護者支援制度実施要綱 要援護者支援体制について 戸室地区災害時における要援護者支援の活動プラン 要援護者への支援活動内容 災害時の要援護者支援に係る戸別訪問調査表 支援者連絡表 神奈川県立厚木高校避難所運

Ⅰ 医療機関の防災対策と災害時対応行動 1 医療機関における防災対策 この度の東日本大震災では 医療機関も大きな被害を受けました 一部の建物の利用ができなくなったのに加えて 電気やガスの供給が一時停止した結果 業務に大きな支障が出た医療機関は数多くあります 中には 空調が停止してほこりが舞ったことや

工事中の消防計画 第 1 工事計画について 1 工事概要 ( 別紙 1 ) 2 工事工程表 ( 別紙 2 ) 3 緊急時連絡体制 ( 別紙 3 ) 4 関連業者一覧 ( 別紙 4 ) 第 2 目的及び適用範囲 1 目的この計画は 消防法第 8 条第 1 項の規定に基づきにおける防火管理について必要な

大通センタービル大規模地震対応消防計画(基本形)

川越地区消防局 消防署組織図 消防局長 消防局 ( 代 ) 総務課 総務担当 消防団担当 財務担当職員担当 管理担当 予防課 予防担当 査察指導担当 保安担当 警防課 警防担当 装備担当 救急課 0

1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

大規模イベント開催時の危機管理等における消防機関のあり方に関する研究結果について ( 概要 ) 研究の趣旨 現在 国際社会では各地で多様な形態のテロが発生し また NBCテロ災害等 特別な備えが必要となる事案が発生する恐れも増してきている 2019 年のラグビーワールドカップ 2020 年のオリンピ

火災発生件数の推移 件 年 昭和 平成 2 消防団の活動京都市の消防団は, 各行政区に設けられ, 消防局との力強い連携により, 火災, 震災その他の非常災害時における警戒防御活動を行うとともに, 市民の皆様の防火 防災意識と災害対応力を高めるため昼夜を分かたず活動しています ⑴ 消防団の現状 ( 平

( 消防機関への報告等 ) 第 6 条防火管理者は 防火管理業務の適正を図るため 常に消防機関と連絡を密にし 次の業務を行うものとする (1) 消防計画の提出 ( 改正の場合はその都度 ) (2) 建築物及び諸設備の設置又は変更の事前連絡並びに法令に基づく諸手続 (3) 消防用設備等の点検結果の報告

大津市避難所運営マニュアル

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資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

訓練視察の結果から考えられる課題 1 1 1 訓練形態 ~3 災害 被害想定についての考察と考えられる課題は表 1 のとおり 訓練シナリオを参加者に事前周知しており 指揮能力 状況判断能力の向上の点で課題有 訓練参加者が限定的であり 本部隊と地区隊 地区隊相互間の連携体制の点で課題有 災害 被害想定が限定的であり 大人数の避難が必要となった際の対応の点で課題有 表 1 訓練視察結果を踏まえた考察と考えられる課題 ( その 1) 視察の確認事項確認結果を踏まえた考察考えられる課題 1 訓練形態 2 参加者の範囲 人数 3 災害 被害想定 今回の訓練はすべて 事前周知型 により実施していた 事前周知型 のメリットとしては 割り振られた役割分担に応じて定められた行動を行う能力は向上すると考えられる 事前周知型 のデメリットとしては 実災害時に臨機応変な対応が求められた場合の指揮 状況判断 避難誘導能力を向上させるには 効果が不十分と考えられる 今回のすべての訓練に本部隊は参加していたものの 地区隊や施設利用者 ( 来訪者 ) の参加は部分的だった 一方 外国人や障害者の参加者がいる事例もあった また 参加者の人数は400 人から2,200 人程度であった 本部隊がメインの訓練では 本部隊内での意思疎通の向上では効果があるが 本部隊と地区隊や地区隊相互間の連携体制の向上という点で不十分だと考えられる 本部隊と地区隊が参加する訓練では本部隊と地区隊の連携や役割分担の明確化を図る点で効果があるが 地区隊全員を参加させることは困難であると考えられる 本部隊 地区隊 施設利用者が参加する訓練では 施設利用者を含めた災害情報の伝達や避難誘導等を実施できるという効果があるが 施設の営業や従業員の勤務に影響が大きく 時間帯や時間数が限られると考えられる 今回の訓練では 地震とそれによる火災や負傷者の発生を想定したものが多く 建物の被害の想定は避難に支障となるような想定はされていなかった 地震 火災 負傷者の発生する想定では 各地区隊が役割に応じた行動をしており 初動対応能力が向上するという効果があると考えられる 建物の被害が軽微で火災が初期消火される想定では 大人数の避難に結びつかず 避難の実効性を検証する訓練にはつながりにくいと考えられる 大規模地震により高層階で火災が発生した際に適切な初期消火や避難誘導が行えるのか 消防用設備等が損傷して火災が拡大した場合に円滑な避難誘導ができるのか等 より厳しい想定上で訓練を実施することが有効と考えられる 事前周知型 では 自衛消防組織の本部隊の指揮能力 状況判断能力 避難誘導能力等の向上の点で 効果が十分とは言えない 参加者が限定的な訓練では 本部隊と地区隊 地区隊相互間の連携体制の向上の点で十分とは言えない 本部隊 地区隊 施設利用者が大人数で参加する訓練は 時間帯や時間数が限られる 大人数の避難の可能性のある災害 被害想定 ( シビアアクシデント ) の採用が十分とは言えない

訓練視察の結果から考えられる課題 2 2 4 訓練内容 ~6 消防計画上の記載についての考察と考えられる課題は表 2 のとおり 本部隊の指揮 連絡調整訓練の実施が少ないと考えられる 在館者全員を避難完了させるまでの訓練時間を確保するのが難しいと考えられる 消防計画に避難誘導に関する記載が少ないと考えられる 視察の確認事項確認結果を踏まえた考察考えられる課題 4 訓練内容 表 2 訓練視察結果を踏まえた考察と考えられる課題 ( その 2) 救急救命処置訓練 地区隊の初動対応訓練 在館者の避難訓練はほとん 本部隊の指揮 連絡調整訓練のどの訓練で実施されていた一方 本部隊の指揮 連絡調整訓練を実施してい実施が少ない たところは少なかった 救急救命処置訓練 地区隊の初動対応訓練 在館者の避難訓練は 繰り返し実施していくことで習熟度が向上するという効果があると考えられる 本部隊の指揮 連絡調整訓練は 目的 テーマに応じた災害想定を設定し 想定に応じた指揮能力や本部隊 地区隊相互の連絡調整能力が向上する効果があると考えられる 5 訓練時間 時間帯や時間数は日中の 1 時間から 2 時間であったほか 災害発生から避難完了までを想定し 時間の流れは実時間で行っているところがほとんどであった 時間帯が営業時間前の早朝時だと 在館者がいなくて実際の状況とは異なるものと考えられる 限られた時間内で総合訓練を自衛消防隊全員で行うことは困難であり 在館者を避難許容時間 ( 構造耐力上支障となる変形等が生じる前までの時間 ) 内に避難完了できるか確認することができないと考えられる 関係者の様々な事情により 十分な訓練時間の確保が難しい状況である 部分的な訓練では 区画内での避難誘導等は円滑に行うことができるが 全館避難の際に優先して行うべき事項について十分な確認をすることができるとは言えない 6 消防計画上の記載 今回の訓練では 基本的には消防計画の記載内容に沿ったものであった 地震や火災発生時の初動対応については 消防計画に記載があるものの 大人数の避難誘導に関しては 具体的な記載は少なく 試行錯誤しながら訓練をしている状況であると考えられる 避難誘導に関する記載が少ない

課題への対応案 ( 訓練の充実強化方策案 ) 3 確認事項考えられる課題対応案 ( 訓練の充実強化方策案 ) 1 訓練形態 2 参加者の範囲 人数 3 災害 被害想定 4 訓練内容 事前周知型 では 自衛消防組織の本部隊の指揮能力 状況判断能力 避難誘導能力等の向上の点で 効果が十分とは言えない 参加者が限定的な訓練では 本部隊と地区隊 地区隊相互間の連携体制の向上の点で十分とは言えない 本部隊 地区隊 施設利用者が大人数で参加する訓練は 時間帯や時間数が限られる 大人数の避難の可能性のある災害 被害想定 ( シビアアクシデント ) の採用が十分とは言えない 本部隊の指揮 連絡調整訓練の実施が少ない 適切な指揮 状況判断能力の向上をするため ブラインド型 の訓練を実施する 限られた参加者において効果的な連携体制を構築するため 訓練時間を比較的長く確保しやすい 図上型 の訓練を実施する なお 以下の点に留意した訓練とする 本部隊と地区隊の役割分担の明確化 初期消火班 情報連絡班等の各班の対応状況を随時共有し 統括管理者に情報を集約し 自衛消防活動全体を管理する 地区隊長 ( テナント等の責任者 ) に不在時があることを踏まえた本部隊の指揮統制能力の充実 具体的な想定時間 状況変化を定めた効果的なシナリオを検討する 特に地震の場合は 以下について留意する 複数の箇所で同時に火災が発生する可能性がある ( 火気使用場所など一定の予測が可能 ) 防火設備 避難施設 消防用設備等の損傷 ライフラインの途絶等の可能性がある 公設消防隊の迅速な駆け付けが期待できない 避難に関する計画や建物の防災設備の設計意図を踏まえた本部隊の運用訓練を充実させる 5 訓練時間 6 消防計画上の記載 関係者の様々な事情により 十分な訓練時間の確保が難しい状況である 部分的な訓練では 区画内での避難誘導等は円滑に行うことができるが 全館避難の際に優先して行うべき事項について十分な確認をすることができるとは言えない 避難許容時間 ( 目標時間 ) 内に対応すべき事項を適切な順序で実施できるか確認するため 図上 で訓練を実施する なお 以下の対応行動について 十分な確認をする 身の安全を守る 災害発生の覚知 消防機関への通報 初期消火 被害状況の把握 報告 区画の形成 避難誘導 情報伝達 消防隊への情報提供 応急救護 ライフライン途絶への対応 避難誘導に関する記載が少ない 建築防災計画 ( 後述 ) の考え方を活用した避難に関する記載を充 実させる

( 参考 ) ブラインド型図上訓練について 4 ブラインド型図上訓練 実災害に近い場面を想定して 訓練参加者が与えられる役割で災害を模擬的に体験し 付与される災害状況に応じた状況判断を行うもの 進行管理者 ( コントローラー ): シナリオに基づき進行 時 間 発災時 災害情報 ( 第 1 報 ) 初期 災害情報 ( 第 2 報 ) 後期 災害情報 ( 第 3 報 ) 収束 災害情報 ( 第 4 報 ) 付与 1 付与 2 付与 3 付与 4 訓練参加者 ( プレイヤー ): シナリオは知らされない 本部隊 ( 防災センターなど ) 指揮班 本部隊長 副本部隊長 指揮班 経 1 活動内容の指示 命令 2 活動状況 被害状況の報告 過 活動状況 被害状況 付与 地区隊 各班 ( 出火場所など ) 消火班 被害状況 避難誘導班 安全防護班 通報班

( 参考 ) 建築防災計画の考え方の活用 5 建築防災計画 建築物を構成する構造 設備等の要素と建築物を維持 使用する人が相互に連携した総合的な見地から 建築物の安全性を考えた総合的計画書 (1) 避難計画の考え方 建物用途に応じて在館者の特性に配慮した避難計画を定め 避難は以下の 3 段階により行い 2 方向避難と 避難経路の防火防煙対策を計画する 第 1 段階 : 火災室からの居室避難 第 2 段階 : 火災階からの階避難 第 3 段階 : 全館避難 (2) 避難のゾーイング 避難は 在館者が常時利用するエリア 防火区画エリア等で限定したエリアで完結することが望ましい (4) 垂直避難と水平避難 階段によって縦方向に避難する垂直避難と 防火区画された隣接の非出火エリアに一時的に避難する水平避難がある (5) 災害弱者の被害 外国人や障害者等に配慮したハード面 ソフト面の計画が必要になる (3) 安全区画の形成 安全区画とは 避難行動中の避難者を火煙から守るとともに 階段室への煙の伝播を防止する役割を果たす空間であり 避難者の人数に合わせた滞留に有効な広さを確保する 第 1 次安全区画 : 廊下 第 2 次安全区画 : 附室 (6) 避難誘導システム 計画した避難計画が有効な避難経路として機能するため 建物の空間特性と避難者特性を考慮したものとしなければならない 詳細は参考資料 2-3 のとおり

訓練の充実強化方策案の検証について ( 案 ) 6 以下のとおり 対応案を踏まえた訓練を数カ所の施設で実証した上で 超大規模防火対象物等における訓練の実施要領を作成することとしてはどうか 訓練の実施要領の作成フロー 1. 実証訓練の企画 ( イメージ ) 過去 10 年間程度の超大規模防火対象物等における火災事例の収集 分析 妥当なシナリオの作成( 複数のパターンを用意 ) 訓練目標( テーマ ) 前提条件の設定 訓練範囲 対象者の選定 コントローラー役 状況付与カードの作成等 訓練企画や指導の知見や実績のある団体 企業に委託することを想定 2.3 ヶ所程度の施設で実証訓練を実施 3. 結果の検証とりまとめ 4. 超大規模防火対象物等における訓練の実施要領案の作成