1. 事業者の名称 代表者の氏名及び主たる事務所の所在地名称 : 京成電鉄株式会社代表者 : 取締役社長花田力所在地 : 東京都墨田区押上一丁目 10 番 3 号 2. 対象事業の名称及び種類 名称 : 一級河川荒川水系荒川改修事業に伴う京成本線荒川梁及び綾瀬川梁替工事種類 : 鉄の改良 3. 対象事業の内容の概略 本事業は 広域的な地盤沈下によって低くなってしまった堤防の欠損部を 必要な高さまでかさ上げするのに支障となる京成本線荒川梁及び綾瀬川梁の替工事を行うため 京成本線の京成関屋駅 ~ 堀切菖蒲園駅間の約 1.5km を改良するものである 対象事業の内容の概要は 表 3-1 に示すとおりである 表 3-1 対象事業の内容の概略 項目内容起点 : 足立区千住曙町事業区間終点 : 葛飾区堀切四丁目 事業延長約 1.5km 構造形式高 梁 擁壁 盛土 工事予定期間約 16 年 注 ) 擁壁 : 盛土の崩壊を防ぐための壁 1
4. 対象事業の目的及び内容 4.1 事業の目的本事業は 広域的な地盤沈下によって低くなってしまった堤防の欠損部を 必要な高さまでかさ上げするのに支障となる京成本線荒川梁及び綾瀬川梁の替工事を行うため 京成本線の京成関屋駅 ~ 堀切菖蒲園駅間の約 1.5km を改良するものである 4.2 事業の内容 4.2.1 事業区間の位置事業区間は 図 4.2-1 及び図 4.2-2 に示すとおりであり 足立区千住曙町から葛飾区堀切四丁目までの延長約 1.5km の区間である 図 4.2-1 事業区間周辺路線図 2
4.2.2 事業計画 (1) 事業計画の内容 運転本数 事業計画の内容は 表 4.2-1 及び図 4.2-3 に示すとおりである 事業区間は 足立区千住曙町を起点とし 葛飾区堀切四丁目を終点とする延長約 1.5km の区間である 主要構造は 高 梁が主体であり 起点及び終点の一部に 擁壁 盛土を計画している 起点及び終点ともに 現況の盛土の線路に取付く計画となっている 項目 表 4.2-1 事業計画の内容 内容 事業区間足立区千住曙町から葛飾区堀切四丁目 駅間京成関屋駅 ~ 堀切菖蒲園駅間 事業延長約 1.5km 構造物延長 高区間梁区間擁壁 盛土区間 : 約 0.7km : 約 0.6km : 約 0.2km 構造形式高 梁 擁壁 盛土 現状 運 転 方 法 上り :1 線 下り :1 線 将来 上り :1 線下り :1 線 時期現状将来 ヒ ーク 1 時間 ( 上下線 ) 終日 ( 上下線 ) 34 本 / 時 (8 時 00 分 ~9 時 00 分 ) 493 本 / 日 ( 午前 4 時 ~ 午前 0 時 ) 現況と同様 現況と同様 4
都 旧 京成関屋駅 47 号 線 曙 町 図 梁 田 牛 断 路 計 画 綾瀬川 事業計画の平面図及び縦断図 約1.5km 川 終点 堀切菖蒲園駅 2 線 計画路線 既設路線 本書に掲載した地図は 国土地理院長の承認を得て 同院発行の1万分の1地形図及び2万5千分の1地形図を複製したものである 承認番号 平22関複 84号 図 4.2-3 荒川 事業区間 補 縦 9号 川 首 都 都高 小 計 谷 速中 野 45 央環 1 0号 状 号 線 線 小 起点 武 東 谷 13 助 瀬 小 荒 都 綾 線 3号 京成関屋駅 号 谷 4 3 小 野 谷 野 号 野 号 堀切菖蒲園駅 20 図 面 5 平 285 一般河川荒川水系荒川改修事業に伴う京成本線荒川梁及び綾瀬川梁替工事 調査計画書 本 原 柳
ア. 事業区間の構造 事業区間の施工前後の構造は 表 4.2-2 に示すとおりであり 標準断面図は 図 4.2-4 に示すとおりである 区間 起点 ~ 東武伊勢崎線交差部東武伊勢崎線交差部 ~ 荒川梁 構造施工前 ( 現況 ) 表 4.2-2 施工前後の構造 施工後 構造物幅員 軌高さ 盛土高約 10~14m 約 6~10m 高高約 10m 約 10~12m 荒川梁 綾瀬川梁梁梁約 12m 約 8m 綾瀬川梁 ~ 終点 盛土高約 10m 約 6~9m 盛土擁壁約 11~13m 約 6m 注 ) 軌高さは 線路の高さを示しており 遮音壁等を含めた構造物の高さは 現段階では未定である 荒川梁 綾瀬川梁の軌高さは グラウンドや緑地のある高水敷からの高さを示す 起点 ~ 東武伊勢崎線交差部 東武伊勢崎線交差部 ~ 荒川梁注 ) イメージ図であり 実際とは若干異なる場合がある 図 4.2-4(1) 標準断面図 6
荒川梁 綾瀬川梁 綾瀬川梁 ~ 終点 ( 高区間 ) 綾瀬川梁 ~ 終点 ( 擁壁区間 ) 注 ) イメージ図であり 実際とは若干異なる場合がある 図 4.2-4(2) 標準断面図 7
(2) 施工計画 ア. 施工工程 本事業における施工工程は 表 4.2-3 に示すとおりである 表 4.2-3 施工工程 工種 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 5 年目 6 年目 7 年目 8 年目 準備工 土木工事 ( 撤去工含む ) 軌工事 電気工事 工種 9 年目 10 年目 11 年目 12 年目 13 年目 14 年目 15 年目 16 年目 準備工 土木工事 ( 撤去工含む ) 軌工事 電気工事 イ. 施工方法 本事業における構造物の施工方法は 起点 ~ 東武伊勢崎線交差部 東武伊勢崎線交差部 ~ 荒川梁及び綾瀬川梁 綾瀬川梁 ~ 終点の3 区間で大別される < 起点 ~ 東武伊勢崎線交差部 > 1 現況の線路を支える構造物を仮桁に置き換え 現況の盛土 梁等の構造物を撤去する 2 仮桁の下または脇に新たな構造物を設置して 下り線の走行位置を切替える 3 下り線と上り線の間に 新たな構造物を設置して 上り線の走行位置を切替える < 東武伊勢崎線交差部 ~ 荒川梁 綾瀬川梁 > 1 現況の線路を支える構造物の北側に新たな構造物を設置する 2 新たな構造物に線路を敷いて 下り線 上り線の順に 列車の走行位置を切替える 3 列車の走行位置の切替え後に 旧構造物を撤去する < 綾瀬川梁 ~ 終点 > 1 現況の線路を支える構造物の南側に仮桁を設置する 2 上り線 下り線の順に 線路の走行位置を切替える 3 盛土 梁等の現況の構造物を撤去する 4 下り線が走行していた位置に 新たな構造物を設置して 下り線の走行位置を切替える 5 上り線が走行していた位置に 新たな構造物を設置して 上り線の走行位置を切替える 8
ウ. 基礎工事の工事規模本事業における基礎杭の深さは 約 30~35mであり 掘削工で掘削する深さは 最大約 3mである 基礎杭の杭径は 1~2m 線路方向の杭のピッチは概ね 10m 線路直角方向ピッチは概ね 3~5mである なお 基礎杭の施工は リバースサーキュレーション工法等の場所打ち杭による工法等を計画している 施工にあたっては孔内水又は安定液を満たし 削孔する地盤の土圧と水圧をバランスさせることで周辺地盤の崩壊等の変状及び地下水の出入りがないように行う 図 4.2-5 基礎杭の標準的な施工状況 エ. 建設機械及び工事用車両運行計画施工に用いる建設機械は 掘削 埋戻し工ではバックホウ ダンプトラック等 基礎工では杭打ち機等 コンクリート工ではコンクリートポンプ車等 鋼桁工ではクローラクレーン等を計画している 工事用車両には 発生する土砂を運搬するダンプトラック 建設機械及び仮設用資材を運搬するトレーラー又はトラック コンクリートを運搬するコンクリートミキサー車等を計画している 工事用車両は 工事計画から足立区側で最大 50 台 / 日 ( 片 ) 葛飾区側で最大 40 台 / 日 ( 片 ) 程度と想定している 工事用車両運行ルートは 一般車両 緊急車両及び近隣住民の日常生活に著しい影響を及ぼすことのないよう十分に検討のうえ 路管理者等の関係機関と調整を図り決定する 主要な運行ルートは 図 4.2-5 に示すとおりであり 都 461 号 都 314 号等の主要路を想定している なお 工事区域内には工事用車両の通行帯を設けて走行させ 工事用車両が細街路を走行することは 極力 避けるものとする 9
5. 事業計画の策定に至った経過京成本線は 東京都台東区の京成上野駅と千葉県成田市の成田空港駅を結ぶ路線延長約 69.3km の路線である 京成本線荒川梁は昭和 6 年に完成 同年 12 月 19 日に供用を開始し 以来 重要な交通機関として位置づけられ 現在では1 日に約 14.6 万人に利用されている 一方 高度成長期の地下水の過剰なくみ上げにより 荒川下流域の江戸川区や江東区を中心に 広域的な地盤沈下が生じ 最大で 4.5m の沈下が確認されている 広域的な地盤沈下で低くなった堤防は 必要な高さまでかさ上げされてきたが 梁部は梁自体が支障となってかさ上げができない状況にあり この付近の堤防は周辺の堤防に比べて最大約 3.7mの段差がある このため 増水時には 堤防の低い部分から水があふれて堤防が決壊する危険性が生じるなど 荒川における治水対策上の大きな問題となっている 本事業は 荒川の治水上の弱点となっている堤防改修事業に伴う京成本線荒川梁及び綾瀬川梁部の替え工事によって 京成本線の京成関屋駅 ~ 堀切菖蒲園駅間の約 1.5km を改良するものである 11