新たな外国人材受入れ制度の検討経緯及び概要 平成 30 年 7 月 12 日 経済産業省 製造産業局 今年 2 月 20 日の経済財政諮問会議において 総理から以下の指示 安倍政権として いわゆる移民政策をとる考えはありません この点は堅持します 他方で 5 年間のアベノミクスによって 有効求人倍率

Similar documents
外国人建設就労者受入事業の運用状況について

Microsoft PowerPoint 榔本è−³äººè³⁄挎.pptx

第 11 回中央執行委員会確認 / 外国人材の受入れに関する新たな在留資格の創設 に対する当面の取り組み Ⅰ. はじめに 6 月 15 日 政府は 経済財政運営と改革の基本方針 2018 において 専ら人手不足対応の観点から 即戦力となる外国人材を幅広く受け入れ るための新たな在留

181104_特定技能とは

(2) 航空分野技能評価試験 ( 仮称 )( 航空機整備 ) ( 運用方針 3(1) イの試験区分 ) ア技能水準及び評価方法 ( 技能水準 ) 当該試験は 整備の基本技術を有し 国家資格整備士等の指導 監督の下 機体や装備品等の整備業務のうち基礎的な作業 ( 簡単な点検や交換作業等 ) ができるレ

日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁とカンボジア王国労働職業訓練省との間の在留資格 特定技能 を有する外国人に係る制度の適正な運用のための情報連携の基本的枠組みに関する協力覚書 ( 仮訳 ) 日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁 ( 以下 日本の省庁 と総称する ) 並びにカンボジア王国

Microsoft Word - 02 ã•’ä¿®æ�£ã†ªã†Šã†®å€´å’‹ã•‚å¤Œåł½äººæš’ã†®å‘Šå–¥ã‡„ã…»å–±çfl�ㆫ咂ㆂã†�摒訕.doc

第 2 職場移転の自由の保障前述のとおり技能実習制度では, 原則として職場移転の自由が認められていない この点, 改正法案では, 入国 在留を認めた分野の中での転職を認めることとされており, 一定の評価に値する ただし, 職場移転の自由を実質的に確保し, 保障するためには, ハローワーク等が特定技能

経済連携協定に基づく外国人看護師候補者・介護福祉士候補者の受入れ

日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁とフィリピン共和国労働雇用省との間の在留資格 特定技能 を有する外国人に係る制度の適正な運用のための基本的連携枠組みに関する協力覚書 ( 仮訳 ) 日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁 ( 以下 日本の省庁 と総称する ) 並びにフィリピン共和国労働雇

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対する附帯決議

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶


平成28年度「全国キャリア・就職ガイダンス」留学生セッション資料_文部科学省学生・留学生課

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

外国人労働者の雇用実態に関するアンケート調査結果 速報版 平成 30 年 12 月 山形県商工労働部 1. 調査目的 県内における外国人労働者の実態等について調査を実施し 今後の外 国人材の活用施策の検討材料とする 2. 調査期間 平成 30 年 10 月中旬 ~11 月中旬 3. 調査対象 方法

高度外国人材の受け入れについて

課題「シラバス分析」に関する講評

(2) 特定機関からの報告の受理及び聴取に関すること (3) 特定機関に対する監査に関すること (4) 外国人家事支援人材の保護に関すること (5) 特定機関において外国人家事支援人材の雇用の継続が不可能となった場合の措置に関すること (6) その他 本事業の適正かつ確実な実施のために必要なこと 3

Microsoft PowerPoint 記者発表資料別添(セット)

02-1大使館説明資料JP(特定技能説明会)

PowerPoint プレゼンテーション

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

外国人材の受入れ 共生のための総合的対応策 ( 検討の方向性 ) 平成 30 年 7 月 4 日 はじめに我が国に在留する外国人は 近年 専門的 技術的分野の外国人材のほか 技能実習生や留学生を含め 増加を続けており 平成 9 年末には過去最多の約 56 万人となった 国内で働く外国人も急増しており

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

PowerPoint プレゼンテーション

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

そのようなことを考えてか 与野党国会議員が一緒に外国人比率が高い群馬県大泉町を見学し 周辺の地方自治体において意見聴取を行ったというが それだけで足りているのかははなはだ疑問である まずは 外国人を 人材 労働力 と見る以前に 一人の人間 として その人の生活や人生などについて見るべきではないか そ

新たな在留資格創設でも不透明な人材確保

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

柔軟で弾力的な給付設計について

資料 3 国家戦略特区における追加の規制改革事項等について ( 案 ) 平成 29 年 2 月 21 日国家戦略特別区域諮問会議 国家戦略特区について 日本再興戦略 2016 ( 平成 28 年 6 月 2 日閣議決定 ) などに基づき また 指定した特区の区域会議や全国の地方自治体 民間からの提案

高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度不交付高度人材としての在留資格認定証明書を取得するまでの手続きの流れ現行の就労資格に係る在留資格認定証明書交付申請在留資格該当上陸許可基準適合在留資格非該当上陸許可基準不適合在留資格認定現行の

資料9

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

2 主な論点 ( 例 ) Ⅰ 外国人との共生社会の実現に向けた基本的考え方 < 総論 >( 例 ) 最近 ( 経済危機後 ) の外国人を取り巻く状況 目指すべき共生社会のあり方 社会的統合 ( あるいは多文化共生 ) の意義や内容 ( どこまでの社会的統合 ( あるいは多文化共生 ) を求めるのか

1. 新たな外国人材受入れ制度に関する省令 ( 案 ) に対する意見 法務省 (1) 契約 受入れ機関 支援計画等の基準に関する省令 ( 案 ) について < 特定技能雇用契約の内容が満たすべき基準について > 1 特定技能外国人が雇用契約終了後に帰国する際の旅費負担の取り扱い 省令 ( 案 ) で

特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 - 宿泊分野の基準について - 平成 31 年 3 月 法務省 国土交通省編 ( 制定履歴 ) 平成 31 年 3 月 20 日公表 法務大臣は, 出入国管理及び難民認定法 ( 昭和 26 年政令第 319 号 以下 法 という ) 第 2 条の

平成 31 年度予算案 の概要について 平成 30 年 12 月 人材開発統括官

お知らせ 柔道整復師の資格を取得される皆さま 関係の皆さまへ 平成 30 年 4 月から 柔道整復療養費の受領委任を取り扱う 施術管理者 になる場合は 実務経験と研修の受講が必要となる方向で 以下のとおり検討しています 柔道整復療養費の受領委任の取扱いを管理する 施術管理者 になるための要件について

女性が働きやすい制度等への見直しについて

規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

【通知】海外療養費・出産育児一時金の支給の適正化に向けた対策等について

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

2019 年 6 月 経営 Q&A 回答者 永浦労務管理事務所 特定社会保険労務士永浦聡 外国人材の受入れ対策講座 ~ 受入れ時の留意点と必要な手続き ~ Question 当社は コンビニエンスストアを数店舗経営しています 先日 ハローワークでアルバイトを募集したところ 応募者の中に 2 名の外国

貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

高度人材ポイント制の見直しに係る経緯について 実施日 実施内容 平成 24 年 5 月 7 日高度人材ポイント制の運用開始 ( 在留資格 特定活動 ) 平成 25 年 12 月 24 日 平成 27 年 4 月 1 日 平成 28 年 6 月 2 日 認定要件及び優遇措置の見直しを実施 年収基準の緩

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

資料 3 時代の要請を受けた 消費者保護の課題について 平成 31 年 4 月 経済産業省商務 サービスグループ 商取引監督課

Microsoft Word 年度評価シート.docx

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

Microsoft Word - 介護保健最新情報vol.583.doc

資料 3-2

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

PowerPoint Presentation


外国人労働者の現状 資料 1

害者 万人 精神障害者 万人となっている 複数の障害を併せ持つ者もいるため 単純な合計にはならないものの 国民のおよそ7.4% が何らかの障害を有している 障害福祉サービスの利用者数は 国民健康保険団体連合会へ支払いを委託する自立支援給付の支払いに関するデータによれば 平成

平成 27 年改正の概要 ( サマリー ) 一般労働者派遣事業 ( 許可制 ) 特定労働者派遣事業 ( 届出制 ) 26 業務 期間制限なし 26 業務以外 原則 1 年 意見聴取により最長 3 年まで 規定なし 規定なし 1. 許可制への統一 2. 派遣契約の期間制限について すべての労働者派遣事

<4D F736F F D B A815B836782CC8A C98C5782E9834B C4>

<4D F736F F F696E74202D C668DDA A8DB293A190E690B62E B8CDD8AB B83685D>

規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)

PowerPoint プレゼンテーション

資料 ( 目次 ) 1 新たな外国人材の受入れに関する制度の概要 1 2 政府基本方針 2 3 受入れ機関 登録支援機関の役割等 4

官・総クリア版

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

輸出許可一般的な輸出申告による輸出通関 搬出許可概 要 輸出通関における保税搬入原則の見直しが施行されました - お知らせ - 輸出通関における保税搬入原則の見直しについては 当該見直しを盛り込んだ関税改正法が平成 23 年 3 月 31 日に成立し 同年 10 月 1 日より施行されました これに

マイナンバー制度 実務対応 チェックリスト

<4D F736F F D208E9197BF E88E68EE58CA C490BA96BE95B62E444F43>

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

能実習 による実習中の者については その在留資格の性格上 当該試験の受験資格を認めない 2. 日本語能力水準及び評価方法等 ( 特定技能 1 号 ) (1) 日本語能力判定テスト ( 仮称 ) ア日本語能力水準及び評価方法 ( 日本語能力水準 ) 当該試験は 本制度での受入れに必要となる基本的な日本

別添

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要


2019 年 5 月 経営 Q&A 回答者 永浦労務管理事務所 特定社会保険労務士永浦聡 外国人材の受入れ対策講座 ~ 外国人労働者の現状 ~ Question 当社は 地方都市でホテルを数軒経営しています 法律の改正もあり 今後日本には外国人労働者が増えてくるというニュースを新聞 テレビ等で目にし

Microsoft PowerPoint 修正「外国人留学生の受け入れ・進路状況と日本語教育に関する調査」結果

PowerPoint プレゼンテーション

留学ビザから就労ビザへ切り替える際の事例と課題 宮川真史

Microsoft Word - 文書 1

調査結果 外国人労働者の受入れについて 自分の職場に外国人労働者が いる 28% 情報通信業では 48% が いる と回答 全国の 20 歳 ~69 歳の働く男女 1,000 名 ( 全回答者 ) に 職場における外国人労働者の受入れ状況や外国人労働者の受入れに対する意識を聞きました まず 全回答者

指定特定相談支援事業 指定障害児相談支援事業の指定に係る Q&A 注意事項事業の実施にあたっては, 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 や 児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 等を必ず確認

登録審査機関の審査ポイント

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

(2)3 年以内の有期プロジェクト型業務 ( 同項第 2 号イ ) 事業の開始 転換 拡大 縮小または廃止のために必要な業務で 一定期間内で完了することが予定されている業務への派遣については その業務が完了するまでの期間であれば 受入期間の制限はありません (3) 日数限定業務 ( 同項第 2 号ロ

平成22 年 11月 15日

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律

県医労.indd

<4D F736F F F696E74202D C E9197BF A90EA96E58AC58CEC8E E88AC58CEC8E F0977B90AC82B782E98AF991B682CC89DB92F682C682CC8AD68C5782C982C282A282C42E >


第 1 回自動車運送事業のホワイト経営の 見える化 検討会 検討の目的 日時 : 平成 30 年 6 月 11 日 ( 月 ) 10:00~12:00 場所 : 合同庁舎 3 号館 8 階自動車局第一 第二会議室 運転者としての就職を希望する求職者が就職先を選ぶ際や 荷主 旅行業者等が取引先を選ぶ際

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

Microsoft PowerPoint - 横浜市説明資料.pptx

未来投資戦略2018(PFI関連部分抜粋)

PowerPoint プレゼンテーション

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

Microsoft PowerPoint - 020_改正高齢法リーフレット<240914_雇用指導・

このため 政府においては 地方への人の流れの創出等による地方 東京圏の転出入の均衡をはじめとする地方創生の実現に向け 新たな5 年間のまち ひと しごと創生総合戦略を策定するとともに 以下の6 点について 別紙のとおり総合的かつきめ細かな施策を早急に実施するよう強く求める 1. 移住定住 UIJター

Transcription:

新たな外国人材受入れ制度の検討経緯及び概要 平成 30 年 7 月 12 日 経済産業省 製造産業局 今年 2 月 20 日の経済財政諮問会議において 総理から以下の指示 安倍政権として いわゆる移民政策をとる考えはありません この点は堅持します 他方で 5 年間のアベノミクスによって 有効求人倍率が 44 年ぶりの高水準となる中で 中小 小規模事業者の皆さんをはじめ 深刻な人手不足が生じています 生産性向上や女性 高齢者の就業環境の整備のため 生産性革命 人づくり革命 働き方改革を推進するとともに 併せて 専門的 技術的な外国人受入れの制度の在り方について 早急に検討を進める必要があると考えます 在留期間の上限を設定し 家族の帯同は基本的に認めないといった前提条件の下 真に必要な分野に着目しつつ 制度改正の具体的な検討を進め 今夏に方向性を示したいと考えます 菅官房長官 上川法務大臣におかれては 各分野を所管する関係省の協力を得て 急ぎ 検討を開始いただきたいと考えます 経済財政諮問会議に関する公開資料 ( 内閣府 HP) http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/index.html 上記の総理指示を踏まえ 専門的 技術的な外国人を労働力として受け入れるべく 内閣官房や法務省を中心に 専門的 技術的分野における外国人材の受入れに関するタスクフォース を立ち上げ 新たな在留資格制度について検討を開始 専門的 技術的分野における外国人材の受入れに関するタスクフォース に関する公開資料 ( 内閣官房 HP) http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gaikokujinzai_tf/index.html 5 月 29 日にタスクフォースとして意見をとりまとめ 6 月 9 日の経済財政諮問会議において法務省より内容を報告 取りまとまった具体案を元に 骨太の方針 2018 に新たな外国人材の受入れに関する事項を明記 骨太の方針 2018 ( 経済財政運営と改革の基本方針 2018)( 平成 30 年 6 月 1

15 日閣議決定 ) http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2018/2018_basicpolic ies_ja.pdf 新たな外国人材の受入れ (P26-28)( 別紙 参照) すでに建設分野では 技能実習制度修了者を最長 2022 年度まで受け入れる制度を開始している 農業分野においては 一年以上の実務経験 一定の知識 技能 日本語要件を満たす外国人の受入れが行われることとなっている 製造分野においては 受入れ業種の考え方を満たし 業種別受入れ方針の策 定等をはじめ必要な対応を進めることにより 必要な外国人材を労働力とし て受け入れることができる機会が生じている 今後 必要な法令の整備を行った上で 受入れに関する業種横断的な方針をあらかじめ 政府基本方針 として閣議決定するとともに 当該方針を踏まえ 法務省等制度所管省庁と業所管省庁において業種の特性を考慮した業種別の受入れ方針 ( 業種別受入れ方針 ) を作成 決定し これに基づき来年度以降 外国人材の受入れ開始を目指すことになる このため業界として新たな外国人材の受入れを希望する場合 新たな外国人 材の受入れに向けた検討 作業を業所管省庁とともに早期に開始する必要が ある なお 政府としては 上記のほか 既存の技能実習制度における新たな対象 職種 作業の追加 / 拡大についても引続き検討を行っていく 2

別紙 骨太の方針 2018 ( 経済財政運営と改革の基本方針 2018) ( 外国人部分の抜粋 下線は経済産業省が追記 ) 4. 新たな外国人材の受入れ 中小 小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており 我が国の経済 社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきている このため 設備投資 技術革新 働き方改革などによる生産性向上や国内人材の確保を引き続き強力に推進するとともに 従来の専門的 技術的分野における外国人材に限定せず 一定の専門性 技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する必要がある このため 真に必要な分野に着目し 移民政策とは異なるものとして 外国人材の受入れを拡大するため 新たな在留資格を創設する また 外国人留学生の国内での就職を更に円滑化するなど 従来の専門的 技術的分野における外国人材受入れの取組を更に進めるほか 外国人が円滑に共生できるような社会の実現に向けて取り組む (1) 一定の専門性 技能を有する外国人材を受け入れる新たな在留資格の創設現行の専門的 技術的な外国人材の受入れ制度を拡充し 以下の方向で 一定の専門性 技能を有し 即戦力となる外国人材に関し 就労を目的とした新たな在留資格を創設する 1 受入れ業種の考え方新たな在留資格による外国人材の受入れは 生産性向上や国内人材の確保のための取組 ( 女性 高齢者の就業促進 人手不足を踏まえた処遇の改善等 ) を行ってもなお 当該業種の存続 発展のために外国人材の受入れが必要と認められる業種において行う 2 政府基本方針及び業種別受入れ方針受入れに関する業種横断的な方針をあらかじめ政府基本方針として閣議決定するとともに 当該方針を踏まえ 法務省等制度所管省庁と業所管省庁において業種の特性を考慮した業種別の受入れ方針 ( 業種別受入れ方針 ) を決定し これに基づき外国人材を受け入れる 3 外国人材に求める技能水準及び日本語能力水準 在留資格の取得に当たり 外国人材に求める技能水準は 受入れ業種で適切 3

に働くために必要な知識及び技能とし 業所管省庁が定める試験等によって確認する また 日本語能力水準は 日本語能力試験等により ある程度日常会話ができ 生活に支障がない程度の能力を有することが確認されることを基本としつつ 受入れ業種ごとに業務上必要な日本語能力水準を考慮して定める ただし 技能実習 (3 年 ) を修了した者については 上記試験等を免除し 必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものとする 4 有為な外国人材の確保のための方策有為な外国人材に我が国で活動してもらうため 今後 外国人材から保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者等の介在を防止するための方策を講じるとともに 国外において有為な外国人材の送り出しを確保するため 受入れ制度の周知や広報 外国における日本語教育の充実 必要に応じ政府レベルでの申入れ等を実施するものとする 5 外国人材への支援と在留管理等新たに受け入れる外国人材の保護や円滑な受入れを可能とするため 的確な在留管理 雇用管理を実施する 受入れ企業 又は法務大臣が認めた登録支援機関が支援の実施主体となり 外国人材に対して 生活ガイダンスの実施 住宅の確保 生活のための日本語習得 相談 苦情対応 各種行政手続に関する情報提供などの支援を行う仕組みを設ける また 入国 在留審査に当たり 他の就労目的の在留資格と同様 日本人との同等以上の報酬の確保等を確認する 加えて 労働行政における取組として 労働法令に基づき適正な雇用管理のための相談 指導等を行う これらに対応するため きめ細かく かつ 機能的な在留管理 雇用管理を実施する入国管理局等の体制を充実 強化する 6 家族の帯同及び在留期間の上限以上の政策方針は移民政策とは異なるものであり 外国人材の在留期間の上限を通算で5 年とし 家族の帯同は基本的に認めない ただし 新たな在留資格による滞在中に一定の試験に合格するなどより高い専門性を有すると認められた者については 現行の専門的 技術的分野における在留資格への移行を認め 在留期間の上限を付さず 家族帯同を認めるなどの取扱いを可能とするための在留資格上の措置を検討する (2) 従来の外国人材受入れの更なる促進 留学生の国内での就職を促進するため 在留資格に定める活動内容の明確化 や 手続負担の軽減などにより在留資格変更の円滑化を行い 留学生の卒業後 4

の活躍の場を広げる また 高度人材ポイント制 について 特別加算の対象大学の拡大等の見直しを行う これらの前提として 日本語教育機関において充実した日本語教育が行われ 留学生が適正に在留できるような環境整備を行っていく さらに 留学生と企業とのマッチングの機会を設けるため ハローワークの外国人雇用サービスセンター等を増設する また 介護の質にも配慮しつつ 相手国からの送出し状況も踏まえ 介護の技能実習生について入国 1 年後の日本語要件を満たさなかった場合にも引き続き在留を可能とする仕組みや 日本語研修を要しない一定の日本語能力を有するEPA 介護福祉士候補者の円滑かつ適正な受入れを行える受入人数枠を設けることについて検討を進める このほか クールジャパン関連産業の海外展開等を目的とする外国人材の受入れを一層促進するための方策や 我が国における外国人材の起業等を促進し 起業家の受入れを一層拡大するための方策について検討を進める (3) 外国人の受入れ環境の整備上記の外国人材の受入れの拡大を含め 今後も我が国に滞在する外国人が一層増加することが見込まれる中で 我が国で働き 生活する外国人について 多言語での生活相談の対応や日本語教育の充実をはじめとする生活環境の整備を行うことが重要である このため 2006 年に策定された 生活者としての外国人 に関する総合的対応策 1 を抜本的に見直すとともに 外国人の受入れ環境の整備は 法務省が総合調整機能を持って司令塔的役割を果たすこととし 関係省庁 地方自治体等との連携を強化する このような外国人の受入れ環境の整備を通じ 外国人の人権が護られるとともに 外国人が円滑に共生できるような社会の実現に向けて取り組んでいく なお 法務省 厚生労働省 地方自治体等が連携の上 在留管理体制を強化し 不法 偽装滞在者や難民認定制度の濫用 誤用者対策等を推進する ( 以上 ) 1 生活者としての外国人 に関する総合的対応 ( 平成 18 年 12 月 25 日外国人労働者問 題関係省庁連絡会議 ) 5