Diagnosis and Treatment of Post-traumatic Syringomyelia Takamitsu Tokioka, Kimio Shimada, Hiroshi Wadayama and Kazuhiro Nakayama Department of Orthopaedic Surgery, Okayama Rosai Hospital by We report 6 cases of post-traumatic syringomyelia. The mean age at the time of injury was 33.5 years ranging from 18 to 60 years. The paralysis was complete in 5, and incomplete in one case. Their vertebral fractures were treated surgically except for one case. The duration from injury to diagnosisof syringomyelia ranged from 1.25 to 29 years (mean 7.7 years). The intial symptoms were numbness and/or pain, but 2 cases had no symptoms. All cases showed multi-cystic syringomyelia expanding both rostrally and caudally on MR imaging. 4 patients were treated surgically becase of progression of their symptoms. Laminectomy was performed in 3 cases at the thoracic region, and hemi-open laminoplasty in 2 in the cervical region. They underwent syringo-subarachnoid shunting (one required reoperation due to malfunction of the syringo-peritoneal shunting. Postoperative MR imaging showed the disappearence of the syrinx in one case, significant decrease in2, and very slight decrease in one. The patients obtained improvement of symptoms, but the case who required reoperation showed poor recovery of muscle atrophy.
外傷性 脊髄 空洞症の治療経験 420 図2症 例1:L2破,T2強 調像 調像 後1年 時,空 洞 は わ ず か に縮小 したの み. 図3症 例3:C7/Th1椎 間 関 節 脱 臼 後4年 術 前MRIT1強,T2強 S-S 術 後,MRIで 再 手 術 前MRIT1強 S-S よる腫 大 した脊 髄 の 除 圧 とS-S 裂骨 折 後14年 後1年 時,空 洞 は 著 明 に縮 小 した. と診 断 され た(図3-a,b). を行 っ た. 手術 はC3か は わず か に空 洞 が 縮 小 し(図2-c,d), ら6の 脊柱 管 拡 大 術 を 行 い,C4高 臨 床 的 に は上 肢 の しびれ は軽 減 した が,筋 萎縮 な ど の で 脊髄 切 開 を加 え,シ 麻 痺 は残 存 した, 挿 入 し,脊 髄 軟 膜 に 固 定 した.手 術 時,く 症 例3:C7/Th1椎 間 関 節 脱 臼(完 全 麻 痺),男 51歳 の と き交通 事 故 に よ るC7/Th1間 shunt 位 tubeを も膜 は高 度 に 白 濁 し,肥 厚 して い た.腫 大 した 脊 髄 は脊 髄 切 開 に 性 よ り髄 液 が 噴 出 し,虚 脱 した. の椎 間関節 術 後 のMRIで 脱 臼 で,観 血 的整 復 術 を施 行 され,完 全麻 痺 であ った. 2年 後 よ り右 上 肢 の しび れ が 出 現 し,MRIで リ コ ン製 のS-S 空洞症 失 した(図3-c,d) 82 空 洞 は 著 明 に縮 小 し,症 状 は ほ ぼ 消
421 症例4:L1破 裂 骨 折(完 全 麻 痺) り閉塞 しに くい点 で優 れ て い る と言 わ れて い る2).我 々 18歳 の と き胴 上 げ さ れ て転 落 し,L1破 全麻 痺 とな っ た.受 傷 後25年 裂 骨 折,完 もS-P 頃 よ り,左 胸 部 の 痛 み 現 在 で はS-S 施行 例 でshunt不 shuntを 行 っ て い る.し が 出 現 し,知 覚 障 害 も出現 した.ま た,左 手 尺 側 の し shuntで び れ も出現 した.症 状 は咳,く 題 は現 在 も解 決 され て い ない.大 年 後 のMRIで,損 しゃ み で増 悪 した.29 傷 部 よ り中枢 側 に 向 け てC6ま 手術 はTh10 11の た.く 椎 弓切 除 とS-S shunt設 も膜 は 白 濁,肥 厚 し,脊 髄 切 開 に よ り髄 液が 噴 tubeの 薦 め て い る.ま た, 置 高 位 に つ い て は,上 肢 症 状 が 強 か っ た2例 り,次 に 空 洞 が 最 大 の 部 分 に脊 髄 切 開 を加 え てshunt tubeを はshunt 全 の課 田 ら41はS-Sshunt で は ま ず 脊柱 管 拡 大 術 で 腫 大 した 脊 髄 の 除 圧 を は か を行 っ 出 し,脊 髄 は 虚脱 した. 術 後,症 状 は 消 失 し,MRIで か し,S-S も閉塞 した 報 告2)4)があ り,shunt不 不 全 防止 の た め に 複 数 のtubingを で 多 房性 の 空 洞 症 が認 め られ た(図4-a,b). 全 を経 験 した ため, 先 設 置 した.脊 髄 切 開 に よ る 新 た な神 経 症 状 の 出現 は 経験 して い な い.損 傷 部 の尾 側 で行 っ た 例 で は 端 よ り中枢 側 で 空 洞 は消 失 して い た(図4-c,d), 頭 側 の 空 洞 の 縮 小 が 不 十 分 で あ っ た こ と よ り,shunt は損 傷 部 の 頭 側 に設 置 した方 が 有 効 と思 わ れ る. 考 察 本 症 の 予 後 につ い て は,す で に筋 萎 縮 が あ る 症 例 で は 脊 髄 の 可 塑 性 が 失 われ て お り,も は や 麻痺 の 改 善 は 外 傷 性 脊 髄 空 洞 症 は まれ な もの で,そ の 発 生 頻 度 は 1.2%1)か ら3.2%5)程 MRIに 度 と され て い た.し か し,近 よ り空 洞 症 の 診 断 が 容 易 と な っ て,報 増 加 傾 向 にあ り,MRIを 用 い た研 究 で は,飛 は発 生 率8.3%,Wangら6)は25.5%と 年 困 難 で,し び れ お よ び疼 痛 の改 善 が期 待 で き るの み で 告例 は あ ろ う.早 期 に診 断 し,症 状 進 行 時 に 時 期 を逸 せ ず に 松 ら3) 適 切 な処 置 を行 う こ とが 必 要 と考 え る 報 告 して い る. ま 本 症 の 成 因 に関 して は,こ れ までい くつ かの説 が あっ たが,最 近 で は,く も膜 癒 着 の 合 併 に よ る微 細 な髄 液 ① 外 傷 性 脊 髄 空 洞 症 の6例 の環 流 障 害 が 原 因 と考 え られ て い る2)3).我 々 の 手 術 め を経 験 し,診 断 と治 療 を 中 心 に検 討 した. 例 全 て に くも膜 の 白濁 と肥 厚 が 認 め ら れ,こ の 説 を示 ② 初 発 症 状 は疼 痛 あ る い は しび れ で あ り,長 期 経 過 唆 す る もの と考 え られ る. 治 療 方 法 は,最 近 で はS-S と 例 で は高 度 の筋 萎 縮 が 出現 して い た. shuntがs-p 図4症 shuntよ ③4例 例4:L1破 にS-S,T2強 を施 行 し,空 裂 骨 折 後29年 術 前MRIT1強 S-S に よ りshunt tube先 失 し た. 83 端 よ り 中 枢 側 の 空 洞 は 消 洞が ほ ぼ消 失
1) Barnett, et al.: Syringomyelia, pp3-3l3, WB Sounders, London, 1973. 5) Rossier AB., et al.: Posttraumatic cervical syring omyelia. Brain, 108 : 439-461, 1985. 6) Wang, D., et al.: The spinal cord over 20 year following trauma-an MRI study of 153 patients Programme and Abstracts 33rd Annual Scientifi Meeting of the International Medical Society ofpar aplegia : 113, 1994.