43(掲載)【徳島県鳴門市立鳴門市鳴門中学校】

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(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

ICTを軸にした小中連携

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課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

61.8%

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

西ブロック学校関係者評価委員会 Ⅰ 活動の記録 1 6 月 17 日 ( 火 ) 第 1 回学校関係者評価委員会 15:30~ 栗沢中学校 2 7 月 16 日 ( 水 ) 学校視察 上幌向中学校 授業参観日 非行防止教室 3 9 月 5 日 ( 金 ) 学校視察 豊中学校 学校祭 1 日目 4 9

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

20(掲載)【石川県小松市立松陽中学校】

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

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平成 28 年度学校評価最終報告 教職員 :20 人生徒 :309 人保護者 :233 人 [ とてもよい 青ややよい 赤やや不十分 黄緑不十分 紫 ] < 教職員 保護者共通項目アンケート > 評価項目教職員保護者 1 学校は 様々な機会を活用して 学校の様子や学習内容を地域や保護者に伝えている

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

農山漁村での宿泊体験活動の教育効果について

人権教育の推進のためのイメージ図

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

学校評価保護者アンケート集計結果 2 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収集を適切に行っている 十分 おおむね十分 やや十分 不十分 分からない 不明

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2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる


Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

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「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

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教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

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(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

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とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

17 石川県 事業計画書

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

系統的で一貫性のあ評価指標 評価指標による達成度 総合評価 るキャリア教育の推進に向けて 小 中 1 卒業後の生活につながる客観的 < 評定 > 学部段階での客観的アセスメントに基づいた指導計画 指標に基づいた卒業を立案することができる A B C 後の生活を見据えた教育活動につながる 2 立案され

平成25~27年度間

実践 報告書テンプレート

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2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

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p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

国語 B では 話すこと 聞くこと 領域において 全国及び県平均を上回っているが 他の三つの領域においては 全国及び県平均を下回っている 活用する力を育成する取組のさらなる充実が必要である 設問 1 の目的に応じて 話し合いの観点を整理する力は身についてきている 設問 3 の二つの詩を比べて読み 自

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

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必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

H26研究レポート一覧(6年研)変更2017.3.22

平成 年度言語活動の充実促進モデル校事業の研究より 豊かな表現力を培う 各教科等における言語活動の充実 伝え合う力 の育成

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

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中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

(3) 指導について本単元のねらいは 体の発育 発達について その一般的な現象や思春期の体の変化などについて理解できるようにすること 体をより良く発育 発達させるための生活のしかたについて理解できるようにすること である そのねらいを達成するため 児童が学習に興味 関心をもち 意欲的に取り組むことが

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

図人権教育を通して育てたい資質 能力 人権教育の指導方法等の在り方について [ 第三次とりまとめ ] をもとに作成 5

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①CSの概要

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授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

いろいろな衣装を知ろう

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

①H28公表資料p.1~2

幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育の在り方を探り 主体的 に生活する子どもを育むための教育課程及び指導計画を作成する 3 研究の計画 <1 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉える 教育課程 指導計画を見直す <2 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉え その要因につ

2、協同的探究学習について

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

難聴児童の伝える力を 高めるための指導の工夫 -iPadを活用した取り組みを通して-

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第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

Taro-大麻中:実績報告書

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基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

2 経年変化 ( 岡山平均との差の推移 ) (1) 中学校 1 年生で比較 ( 昨年度まで中学校 1 年生のみの実施のため ) 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度 国 数 語 学 基 礎 活 用 基 礎

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

教員としてのキャリア形成について考えてみましょう

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H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

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Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

Transcription:

人権教育に関する特色ある実践事例 基準の観点 その他指導内容や指導方法において特徴ある工夫が行われている実 践事例 1. 基本情報 都道府県名及び市町村名徳島県鳴門市 学校名鳴門市立鳴門市鳴門中学校 学校のURL http://e-school.e-tokushima.or.jp/naruto/jh/naruto/html/htdocs/ 2. 学校紹介 学級数 通常の学級 1 年生 2 学級 2 年生 2 学級 3 年生 2 学級 特別支援学級 3 学級 合計 9 学級 児童生徒数 全児童生徒数 182 人 ( 平成 26 年 11 月 17 日現在 ) ( 内訳 :1 年生 71 人 2 年生 55 人 3 年生 56 人 ) 人権教育開発推進事業 人権教育研究推進事業実績 ( 実施年度及び事業の別 ) 平成 24 25 年度文部科学省人権教育研究指定校 学校の教育目標 人権教育に関する目標など 学校の教育目標 知 徳 体の調和のある発達を図り 個性豊かで社会の変化に対応できる 広 い社会性を身に付けた生徒の育成 人権教育に関する目標 自分や仲間の大切さを実感し 自他の人権を尊重するために 自ら感じ 考え 行動する生徒を育成する 人権教育に係る取組一口メモ 行動化につながる指導内容 方法等の工夫改善 ~ 感じ 考え 行動する 活動を意識的に設定した学習の展開 ~ 人権教育にかかる取組の全体概要 研究主題 自分や仲間の大切さを実感し 自他の人権を尊重できる生徒の育成を目指す人権教育 ~ 自ら感じ 考え 行動する生徒を育てる ~ 研究の内容 研究主題の解明に向けて 次のような研究内容に取り組むこととする 人権教育研究事業

[ 第三次とりまとめ ] や 徳島県人権教育推進方針 に基づいて 学校の教育活動全体を通じて人権教育を推進する 学校の教育活動を人権教育の視点から見直し 人権感覚を高め自他を大切にする生徒の育成を目指し 有効化を図る 学校や地域の状況や実態を把握し 特長を生かした取組や参加的 体験的活動等 生徒が主体的に参加できる活動の充実を図る 人権学習研究事業 あわ 人権学習ハンドブック を活用し 生徒が主体的 実践的に学習に取り組む指導方法について研究を進める 鳴門教育大学との連携を図りながら SRPDCA サイクルを踏まえた人権学習 の改善と充実を図る 体験的な学習 や 参加型の学習 を通して感じ 考え 日常生活において人権感覚豊かに行動できる生徒の育成を目指す指導内容や指導方法について研究を進める 関係諸機関との研究事業 PTA 人権研修部や関係機関等と連携を深め 人権教育を推進 充実させる 鳴門市人権教育推進協議会や鳴門教育大学と連携し 指導方法の工夫改善を図り 保護者や地域の人権意識の高揚を図るための啓発活動を推進する 開かれた学校 として 学校の人権教育の内容や取組を積極的に公表し 保護者や地域住民が生徒と共に学ぶことができる人権教育を創造する 校区内の幼稚園や小学校との連携を充実させ 自尊感情の育成や人間関係づくりにおいて有効化を図る

3. 特色ある実践事例の内容 本校は 平成 24 25 年度文部科学省人権教育の指定を受け 人権教育について研修会や研究授業 講演会等 研修を進めてきた 研究主題は 自分や仲間の 大切さを実感し 自他の人権を尊重できる生徒の育成を目指す人権教育 ~ 自ら感じ 考え 行動する生徒を育てる ~ で 自分や仲間を大切にした生き生きと活動する生徒の育成を目指し 豊かな体験活動を取り入れた学習を展開してきた 人権学習の授業実践 人権コンサートや人権劇 人権文化祭の見学を中心に 地域を知る学習や職業体験等 友達と協力して活動する学習も積極的に取り入れてきた それぞれの学習を通して自分の内面を見つめられるようになってきた生徒も増えて きた しかし 実生活に起こった問題について 自分自身の問題として捉えられず 学んだことを反映できていない生徒も多かった 以上のような現状から 学校生活や社会生活の中で 共に支え合って行動する生徒を育てていくために 様々な手立てにより取り組んだ (1) 学校マネジメント研修 協議の様子卒業までのラフシナリオ生徒の実態を見つめ どのような生徒を目指し その生徒像に向けてどのような指導をしていくべきか 具体的なイメージやビジョンを持って取り組んでいく必要 がある 年度末には 研修や授業実践の成果のあったものと改善すべきもの アンケートによる生徒の実態等の確認を行い 次年度の方向性を検討してきた 平成 2 4 年度から毎年度当初には 学校マネジメント研修を実施している 年度末の反省をもとに 4 月当初に学年団に分かれ 中学校卒業までに身に付けさせたい力 を考え 教育の目標を立てていく研修を行っている この研修では まず始めに学年生徒の現在の様子を分析し 何が課題であるかを 検討した さらに いつまでにどのような力を付けさせたいか 中期の目標を立て そのための手立てを考えていった この研修で出された目標や考えは 模造紙にまとめて校長室に 1 年間掲示し 機会を捉えて評価しており SRPDCA の取組の基本としている 新年度に変わっても前年度の指導を振り返り 再検討をして修正を加えている この研修の実施により 学年団で意識を共有するとともに 指導の連続性を確立していくことを目指している

(2) SRPDCA サイクルを意識した取組 鳴門教育大学の葛上先生より SRPDCA サイクルを意識した人権教育 について指導を頂き 様々な活動の取組について確認を行った S スタンディング について私たちは 拠って経つところ と理解して取り組んできた 様々な問題への取組を始める前に 教師自身がその問題と深く関わり 生徒が 自分の 問題として 捉えるように準備していくことである この S を充実させることによって 行動化につながる学習展開を目指していくことを重視して進めた S を充実させる取組として様々な人権問題に関わる研修を行い 地域や関係機関の力を借り 教師自身が 自分の課題 として捉えることを重視した 識字学級との交流 ハンセン病についての講演と人権劇の観劇 秋田町空襲を体験されたゲストティーチャーを招き 生徒が自分の問題として取り組む意識を高める活動を 仕組んだ 事前の研修や打合せで 教師自身が学ぶことが大きな力となった (3) 生き方のスキルを学ぶ 絆学習 の導入学校生活において 共に活動する場を平成 24 年 9 月から 絆学習 として各学年で実践設定し 自他のよさに気付き仲間と協力することのすばらしさを感じさせたい と考えて取り組んでいた教職員から 友達との関わりや仲間づくりに課題があるという声が上がった その打開策として Lions-Quest 思春期のライフスキル教育 プログラムに取り組んだ 平成 24 25 26 年度に 講師を迎え研修を受けた 平成 24 年 9 月以降 絆学 習 と名付け 道徳 特別活動の時間に取組をスタートした 学校生活に多くの課題を抱え 授業に入れなかったり 仲間と共に活動できなかったりした生徒もこの 絆学習 の時間は 学級の友達と一緒に活動ができた 安心して自分の意見が出せる場と時間がつくられたからだと考えられる また グループでの話合いが非常にスムーズになり 活発に意見を出し合ったり まとめたりすることができるようになった (4) 人権学習の単元を意識した実践を展開 感じ 考え 行動する 生徒を育成するため 人権学習の流れの中に 感じる 考える 行動する をはっきりと意識した活動を取り入れることによって 指導計画の充実を図ることとし 人権学習の単元 と名付けて取り組んできた 年度末にアンケートによる生徒の実態の確認を行い 次年度の方向性を検討した その内容を受け 年度当初に実施した学校マネジメント研修で 各学年の教員が考

えた目指す生徒像とそのための具体的な手立てをもとに 生徒が 感じ 考え 行動する ことを目指して取り組んできた 平成 26 年度の 1 年生では 9 月から 12 月にかけて 共に生きる という単元で取り組んだ ホワイトボード ミーティング の導入 話し合いのスキルを高め 聴き合う, 学び合う, つながり合う信頼関係を育む (5) ホワイトボード ミーティングの導入本校では 平成 24 年度末から ホワイトボード ミーティング を授業の中に取り入れている ちょんせいこさん ( 株式会社ひとまち代表取締役 ) の信頼ベース の 学級ファシリテーション講座 で研修を受けた教職員がリードし 生徒の話し合いのスキルを高め 教室の中に 聴き合う 学び合う つながり合う信頼関係 を育むために 様々な授業で活用してきた 道徳や人権学習では なかなか発言できない生徒がどの学級にもいるが ホワイ トボード ミーティングを導入したことによって 自分の意見が大切にされ 認められたと実感でき 発言が苦手な生徒も安心して発言できるようになった (6) アサーショントレーニング リフレーミング の実践受け身的な自己表現 攻撃的な自己表 アサーション トレーニング や みんなでリフレーミング で, スキルも習得現 そしてアサーティブな自己表現を通して どの表現が最も対人関係をよくするも のであるかを考えさせた 生徒たちが 3 つのスタイルで会話を考えているとき 最も考えやすかったのが攻撃的表現である いかに私たちがふだん 相手のことを考えず 自己中心的な発言をしているかということに気付かされた 2 年生の授業では 非言語的なコミュニケーションに も注意を払いながらロールプレイを実施した (7) 研究授業 授業研究会の活性化目標を達成するためのよい授業を求めて研究授業を行い 互いが学び合う場とした 授業では体験的参加型学習を取り入れ 生徒が積極的に学習に取り組む学 習形態の工夫を心がけた 参観者は 授業評価シート

4. 実施する際に生じた課題及びその解決策 (1) 行動化につながる話合いを意識した取組の展開行動する生徒を育てるためには 考える 活動をも とにした深い話合いが大きな鍵になることを実践の中で感じてきた 形だけの結論を述べ合って 行動化につながらない人権学習にしないために どのような問題をどのように取り上げて話合いを組み立てていくのかが課題となった (2) 指導方法の工夫 改善 1 SRPDCA サイクルを意識した取組で意欲を高める鳴門教育大学の葛上先生より SRPDCA サイクルを意識した人権教育 について指導いただき 様々な活動の取組について確認を行った S スタンディング について私たちは 拠って立つところ と理解して取り組んできた 様々な課題への取組を始める前に 教師自身がその問題と深く関わり 生徒が 自 分の問題として 捉えられるように準備し この S を充実させることによって行動化につながる学習展開を目指していくことを重視した S を充実させる取組として 様々な人権問題にかかわる研修を行い 地域や関係機関の力を借りて 教師自身が 自分の課題 として捉えることを重視した 生徒が自分の問題として取り組む意識を高めるための活動を仕組んだが 教師が事前の研修や打合せ等で学ぶことが多く大きな力となった 2 人権学習の単元を意識した実践を展開する 感じ 考え 行動する 生徒を育てるために 人権学習の流れの中に 感じる 考える 行動する をはっきりと意識した活動を取り入れることによって 指導計画の充実を図ることとし 人権学習の単元 と名付けて取り組んできた 単元を計画して生徒の意識の流れを大切にすることによって 教材や資料をも とにした学習を自分の生活と結び 考えたことを行動に移す生徒を育てることに取り組んできた 学習に取り組む中で 感じる 考える は何度も往復する ことや よりよい行動するためには 深い話合いが求められる ことが明らかになった 1 時間の授業や一つの資料 教材を取り上げた学習だけでなく 学校マネジメント を受けた長いスパン 1 年間の指導計画 単元の指導計画を意識した取組により 目標に向けた方向性のはっきりした学習や活動の展開に つながったと考えられる 5. 実践事例の実績 実施による効果

感じ 考え 行動する 生徒が育ったか平成 24 年度 この研究をスタートさせたときの本校の生徒には多くの課題があった 仲間への迷惑行為や暴力 不登校があり 様々 な場面で自尊感情の低さが目立った それは 毎年行っている 人権に関する意識調査 にも表れていた 一人一人の生徒に まず自分を好きになってほしい その上で周りの人とつながって その人も大切にして生きる人になってほしいと願い 試行錯誤を繰り返しな がら人権教育に取り組んできた それが実際に成果として表れているかどうかを検証するために 平成 24 年 6 月に行った 人権に関する意識調査 の項目のうち 特に課題であると思われる 5 項目について 平成 25 年 6 月に行った調査結果と比較してみた 同じ対象の意識の変化を見るために 今年の 2 3 年生 ( 昨年度の 1 2 年生 ) を比較の対象にした これをみると あなたは学校生活が楽しいですか という問 1 に対して 楽し くない どちらかと言えば楽しくない と答えた割合が 13.0% から 7.5% に減ってきていることがわかる 具体的に人権意識がどれくらい高まってきているのかを確認するために 評価アンケート では 他人の人権を侵害する行為は どんな理由があっても行ってはならないと思うか という問いかけでは どちらの質問にも 97% 以上の人が そう思う どちらかといえばそう思う と答えている 平成 24 年度の生活の様子 から考え 生徒の中に人権意識が高まったと捉えている しかし 数値は減っても まだまだ課題をもっている生徒はいる これは 我々の取組が まだ最初の一歩であることを示している また 左のグラフから 学年が上がるごとに人権意識が高まっていることが確認できる どの生徒もそれぞれの課題と向き合いながら成長をしている また 友達を見るまなざしや困っている人に手を差し伸べようとする行動の中に 人権感覚が 育ってきていることも確かである 私たちは生徒の中に 感じ 考え 行動する 力が育ってきていることを実感している これからも 人権感覚や行動力を育てるためにこれまでの取組を力強く継続し 人権教育を進めていきたい 6. 実践事例についての評価 私たちは 本校の抱える課題から出発し 私たちが目指す生徒の姿 に向かって試行錯誤を繰り返し 人権教育の側面から生徒たちの育ちに関わってきた その結果 どの学年でも生徒の自他を大切にする行動に変容が見られた 多くの生徒が

自分自身の育ちを自覚し始めている しかし 人権に関する意識調査 や 評価アンケート の結果からわかるように すべての生徒に変容があったわけではない 課題 1 は まだ人権課題を抱えたままの生徒が目の前にいるということである 生徒の様子を観察していると 集団づくり という面からも 人権意識の高揚 や 社会性 という面からも明らかに成長しているのだが 自己の変容を認識することができず 自己評価の低い生徒がいる また心の奥深いところで不安が残っており 堅い信頼関係まで育っていないこともわかる 生徒同士 生徒と教師のどちらも時間をかけて 本当の信頼関係を育てていかなければならない そして すべての人が幸せに暮らせる社会の担い手に育てるための取組を続けていきたい 課題 2 として指導計画の充実がある 昨年度の課題を受けて 平成 25 年度は単 元という発想から指導計画を工夫して人権学習を展開してきた 体験的な学習や ゲストティーチャーを招いての講話など 生徒が豊かに感じ 深く考える学習を目指して様々な学習活動を展開した しかし 単元を意識した学習を展開する中で 課題も出てきた 例えば 3 年生は 識字学級との交流会に出かけ たくさんのことを学んだ 生徒が作成した 識字新聞 には 就職や結婚の問題が取り上げられていた しかし 10 月にゲストティーチャーを招いて結婚差別についての話を聞い たとき まるで初めて課題に接したような感想を述べた生徒がいた 様々な学習活動を通して 生徒が成長したと私たち教師は感じてきた しかし これまでの実践を検証し生徒の状況を丁寧に見取って 本当に目標を達成する学習になっているのかを常に意識しながら今後の学習計画を工夫していかねばならない 課題 3 は教員の研修という面からの課題である 平成 24 年度から 3 年間 私たちは Lions-Quest ホワイトボード ミーティング SRPDCA 学習サイク ル などの研修を通して 指導の方法や計画の立て方 学習を支える様々な技能等について習得してきた 目指す生徒を育成するために それらを人権教育の中でどのように活用していくのが効果的なのか引き続き研究していく必要がある これまでの取組を検証した結果 新たな課題も確認できた 残された課題の解決を求めながら いつの時代も 感じ 考え 行動できる 生徒の育成を目指して今後も取り組んでいきたい

人権教育の指導方法等に関する調査研究会議によるコメント 鳴門市立鳴門市鳴門中学校 この事例の目的は 自分と仲間の大切さを実感し 自他の人権を尊重できる生徒の育成におかれている この目的達成のために学校研修が実施されている 1 生徒の実態分析 2 課題の検討と手立ての共有 3 方向性のある実践 4 振り返りと再検討というプロセスからなるが このプロセスを経ることで 教職員が 学年団の意識を共有し 指導の連続性を確保する ことが目指されている その際 校長室に 1 年間掲示される 研修成果の模造紙 が 振り返り 再検討 修正 などに活用されている 中学生期の特性を 思春期ライフスキル教育 のプログラムに学び 道徳や特別活動の実践による < 絆学習 > が生徒個々の自己形成やライフプランの志向に資している 安心して意見を言える場を共有する グループの話合いがスムーズにできる 互いに活発な意見を出し合うなどの生徒像がみえる また 生徒同士のホワイトボード ミーティングにより 自らの意見が < 大切にされる 認められる実感 > は個々の人権感覚を豊かに育んでいる アサーショントレーニングやリフレーミングの実践も功を奏している