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Transcription:

Microsoft Excel - 関数編 - 講習会テキスト 明治大学教育の情報化推進本部 2019 年 4 月 1 日

目次 1. 関数の入力... 2 1.1. 関数とは... 2 1.2. 関数の基本構造... 3 1.3. 関数の入力方法... 4 2. よく使う関数... 6 2.1. SUM 関数... 6 2.2. AVERAGE 関数... 8 2.3. RANK 関数... 9 2.5. IF 関数... 10 2.6. VLOOKUP 関数... 12 3. その他の関数... 15 3.1. COUNTIF 関数... 15 3.2. SUMIF 関数... 16 3.3. TODAY 関数... 17 3.4. DATEDIF 関数... 17 4. 付録関数構造の詳細... 18 4.1. 付録 1 引数の種類... 18 4.2. 付録 2 算術演算子... 18 4.3. 付録 3 比較演算子... 18 4.4. 付録 4 文字列演算子... 19 4.5. 付録 5 参照演算子... 19 4.6. 付録 6 エラー値... 19 Excel( 関数編 ) 講習会で使用するファイルについて この講習会は あらかじめデータを入力してある Excel ファイルを使って進行します https://www.meiji.ac.jp/nksd/seminar.html にある Excel ( 関数編 ) をクリックして任意の場所にダウンロードし 準備をしておきましょう このテキストでは OS Windows 10 Microsoft Office Excel 2019 を使用しています 1

1. 関数の入力 1.1. 関数とは関数とは 目的の処理を行うためにあらかじめ用意されている数式のことです Excel の関数は複雑な処理を簡単に行えるように プログラムであらかじめ組み込まれています 例 A1 セルから A10 セルまでの合計を計算して A11 に表示する場合 演算子を使う < 数式 > =A1+A2+A3+A4+A5+A6+A7+A8+A9+A10 関数を使う < 数式 > =SUM(A1:A10) 同じ計算でも 関数 を使うことで数式がより短く そしてわかりやすくなります 2

1.2. 関数の基本構造 関数の基本構造は 次のとおりです 関数の基本構造図 カンマ コロンなども含めて全て半角の英数字で入力しないと関数として認識されません 必ず等号 = で始まる 関数名 ( 例 :AVERAGE: 平均を求める関数 ) 引数 ( カッコで囲み 複数ある時は半角カンマで区切る ) 関数は必ず等号 = から始まります 次に関数名とかっこで囲まれた引数 ( ひきすう : 関数に利用する値 ) で構成されます 関数によっては 引数を必要としないものもあります 関数において 返す という表現を使いますが これは関数に引数を正しく指定することで答えが 返って 来ることを言います 引数の種類や計算演算子 エラー値など関数構造の詳細が付録 (F19~) にあります 必要に応じて確認してみましょう 3

1.3. 関数の入力方法 1)[ 関数の挿入 ] ダイアログボックスから入力する方法 ( 例 :AVERAGE 関数 ) まず 関数を挿入したいセル ( 例では D2 セル ) をクリックして選択します 次に数式バーのをクリック またはメニューバーの [ 数式 ] タブの [ 関数の挿入 ] をクリックすると [ 関数の挿入 ] ダイアログボックスが表示されます キーワードを入力して目的の関数を検索することもできる 財務 日付/ 時刻 数学 / 三角 統計 検索/ 行列 データベース 文字列操作 論理 情報 などに分類される すべて表示 を選択すると用意されているすべての関数名が表示される 最近使用した関数 を選択すると自分が最近使った関数名が表示される [ 関数の挿入 ] ダイアログボックス 選択した関数のヘルプが表示され 関数の使い方を調べることができます [ 関数名 ] の欄から挿入したい関数 ( 例では AVERAGE 関数 ) を選んだら [OK] をクリックします 4

すると [ 関数の引数 ] ダイアログボックスが表示されます 平均を求めたいセルの範囲をドラッグして選択し [OK] をクリックして完了です D2 セルに平均が求められた [ 関数の引数 ] ダイアログボックス 関数名を頭文字で検索する 例えば [ 関数の挿入 ] ダイアログボックスで RANK という関数を探す場合 [ 関数の分類 ] 欄で [ すべて表示 ] を選択し [ 関数名 ] 欄をクリックします 次にキーボードの半角英数で R と入力すると R から始まる関数が昇順で表示されるので 効率良く RANK 関数を見つけることができます または RANK とすばやく入力することで RANK 関数が選択されます 2) キーボードから直接入力する方法 関数式をセル または数式バーに直接キーボードで入力します 数式バーに入力する方法 セルに入力する方法 ( セルをダブルクリック ) 関数は必ず等号 = から始まります 次に 関数名と括弧で囲まれた引数で構成されます 関数を入力する際には 全て半角の英数字だけが関数として認識されます 関数の構造 スペルなどを覚えていないと入力できない為 少し難しい方法です このマニュアルでは 関数の挿入 ダイアログボックスを利用した入力方法を中心に紹介していきます 5

2. よく使う関数 これから紹介する よく使う関数 を用い 下の表を完成させていきましょう ワークシート 成績表 を使います 2.1. SUM 関数 引数の合計を求める関数です SUM( 数値 1, 数値 2 ) 数値 : 合計を出したい数値 またはセル参照で指定する 例 ) 英語 国語 数学の 3 科目の合計点を求める < 完成する数式 > =SUM(C4:E4) 直接セルや数式バーに入力しても OK 6

数式のコピー ( オートフィル ) SUM 関数を使って F4 セルに 3 科目の合計点の値が求められました 続いて F5~F13 セルの値も求めていきますが 同様の作業でひとつひとつのセルに数式を作っていくのは大変です そこで オートフィル機能を使って F4 セルの数式を F5~F13 セルにコピーします F4 セルを選択した状態でセルの右下の角にマウスを合わせると マウスポインタが十字の形 ( フィルハンドル ) になります その状態で F13 セルまでドラッグすると F4 の数式がそれぞれのセルにコピーされ 合計が求められます それぞれのセルで自動的に数式が変化しているのを確認してみましょう ( 相対参照の結果 ) F13 セルまでドラッグ 各セルに数式がコピーされました この先の学習でもオートフィルによるコピーを必要としますが マニュアル上での操作説明は省略しています [ オート SUM] ボタン SUM 関数は使用頻度が高いことから ボタン化されています [ 数式 ] タブの [ 関数ライブラリ ] グループにある [ オート SUM] をクリックし 合計したい値の範囲を確認し [Enter キー ] を押します 7 ボタンを押すと平均 (AVERAGE) や最大値 (MAX) などの関数も選択することができます

2.2. AVERAGE 関数 引数の平均を求める関数です AVERAGE( 数値 1, 数値 2 ) 数値 : 平均を出したい数値 またはセル参照で指定する 例 ) 英語 国語 数学の 3 科目の平均点を求める < 完成する数式 > =AVERAGE(C4:E4) 直接セルや数式バーに入力しても OK 8

2.3. RANK 関数 指定範囲の中で何番目なのか順位を求める関数です 降順 ( 大きい順 ) でも昇順 ( 小さい順 ) でも求めることができます RANK( 数値, 参照, 順序 ) 数値 : 順位をつける数値 またはセル参照で指定する 参照 : 順位を求める範囲をセル参照や数値配列で指定する 順序 : 降順 ( 大きい順序 ) の場合は 0 を指定し 昇順 ( 小さい順 ) の場合は 1 または他の値を指定します なお 降順の 0 は省略できます 例 )3 科目の合計点が 10 人の中で上から何番目なのかを求める 順位を求めるための参照範囲は 数式のコピーの際に動かないように 絶対参照 させる(F4 キーを押す ) < 完成する数式 > =RANK(F4,$F$4:$F$13,0) 直接セルや数式バーに入力しても OK 9

2.5. IF 関数 IF 関数は 指定条件 ( 論理式 ) によって対象が真 (TRUE) か偽 (FALSE) かを判定し それぞれに指定した処理を行うものです IF( 論理式, 真の場合, 偽の場合 ) 論理式 : 真偽を判断する数式真の場合 : 論理式の結果が真の場合の処理偽の場合 : 論理式の結果が偽の場合の処理 例 )3 科目の合計点が 230 点以上ならば 合格 そうでなければ 不合格 と表示する 比較演算子については F19 ページ付録 3 参照 文字列を関数式に入れる場合は ( 半角のダブルクォーテーション ) で囲む < 完成する数式 > =IF(F4>=230," 合格 "," 不合格 ") 直接セルや数式バーに入力しても OK 10

関数のネスト 関数の引数として関数を使い複数の関数を組み合わせることを 関数のネスト ( 入れ子 ) といいます 引数に AND または OR 関数を使って関数を組み合わせたりする事もできます Excel 2013 から最大 64 個 (65 階層 ) まで関数をネストできるようになりました 例 )3 科目の合計点が 250 点以上ならば A 230 点以上 250 点未満なら B 230 点未満ならば C と表示する IF 関数をネストして 3 段階の点数評価に分けられるようにしているつまり真の場合は A 偽の場合 (A 以外の場合 ) は IF 関数の入れ子の処理に従う という意味 < 完成する数式 > =IF(F4>=250,"A",IF(F4>=230,"B","C")) 直接セルや数式バーに入力しても OK 11

2.6. VLOOKUP 関数 VLOOKUP 関数は リストや表の指定した範囲の中で左端の列内から検索値を検索し 指定した列からそれに該当するデータを返す関数です 列ラベルがあり 列毎にデータが入力されたリスト形式の表の検索に用います VLOOKUP 関数 ( 垂直方向 ) VLOOKUP( 検索値, 範囲, 列番号, 検索方法 ) HLOOKUP 関数 ( 水平方向 ) 検索値 : 検索するときにキーとなるコードや番号を入力するセルを指定する 範囲 : 参照表の範囲を指定する ただし 参照表の左端の列にキーとなるコードや番号を入力する必要があります また 数式のコピーを行うときのために絶対参照で範囲を指定しましょう 列番号 : 参照表の左端からの列番号を指定する 検索方法 : FALSE または TRUE を指定する 検索の型 検索目的指定論理値論理値の代用データの並べ替え 完全に一致する値だけを検索 FALSE 0( ゼロ ) 完全に一致するので必要なし 完全に一致しない場合は検索値未満での最大値を検索 TRUE 省略または 0( ゼロ ) 以外の値 左 ( 上 ) 端の列を基準に昇順 ( 小さい順 ) に並べ替え 12

例 ) セル A25 に入力された番号を表 (A4:J13) の 1 列目 ( 左端の列 ) から検索し 値の一致した番号の行の氏名 ( 表の左端から 2 列目 ) および合否 ( 表の左端から 10 列目 ) のデータを表示する 2 列目 セル A25 が空欄のままだと VLOOKUP 関数を入れたセルがエラー #N/A になる ( エラー値の詳細は F20 ページ参照 ) [ 氏名 ] の列は表の左から 2 列目 < 完成する数式 > =VLOOKUP(A25,$A$4:$J$13,2,FALSE) 直接セルや数式バーに入力しても OK 13

9 列目 [ 合否 ] の列は表の左から 9 列目 < 完成する数式 > =VLOOKUP(A25,$A$4:$J$13,9,FALSE) 直接セルや数式バーに入力しても OK 検索値を入力するセル ( 例では A25 セル ) に値がない場合 VLOOKUP 関数の結果は #N/A というエラーになります 検索値を入力するセルが空欄のときにエラー値を出現させないためには IF 関数を用いて VLOOKUP 関数を直接入力で修正します ("" はセルが空欄という意味 ) =IF(A25="","", VLOOKUP(A25,$A$4:$J$13,9,FALSE)) 14

3. その他の関数 3.1. COUNTIF 関数 検索条件に一致したセルの個数を求めることができます COUNTIF( 範囲, 検索条件 ) 範 囲 : データの個数を求めるセル範囲 検索条件 : 検索する数値 ( またはセル参照や文字列 数式 ) 検索条件には 検索したいセルを定義する数値 文字列 式で指定します 式や文字列で検索条件を指定する場合には " 半角のダブルクォーテーションで囲む必要があります 例 ) リストの合格者の数を数える 合格 という文字列を検索条件に設定する < 完成する数式 > =COUNTIF(I4:I13," 合格 ") 直接セルや数式バーに入力しても OK 15

3.2. SUMIF 関数 指定した条件に一致するセルの値の合計を求めることができます SUMIF( 範囲, 検索条件, 合計範囲 ) 範囲 : 検索の対象となるセル範囲検索条件 : 検索する文字列 ( またはセル参照や数値 数式 ) 合計範囲 : 検索条件を満たすデータを合計するセル範囲 例 ) 食費の合計支出額を求める ワークシートを 家計簿 に切り替えて下さい < 完成する数式 > =SUMIF(C4:C18," 食費 ",D4:D18) 直接セルや数式バーに入力しても OK 同様に H7 セルに光熱費の合計支出額を求めてみましょう 仕上げに 先ほど求めた合計額に マークを付けましょう H5 セルを選択し [ ホーム ] タブにある [ 通貨表示形式 ] ボタンをクリックします \ マークが付いた 16

3.3. TODAY 関数 パソコン内部の時計から現在の日付を表示する関数です 標準では 日付 の 2009/7/13 の表示形式が適用されます 引数を持たない関数ですので 直接セルか数式バーに入力してみましょう ワークシートを 年齢 に切り替えてください TODAY() 引数を持たない 3.4. DATEDIF 関数 =TODAY() 開始日から終了日までの年数や月数 日数を表示することができます 直接セルか数式バーに入力しましょう DATEDIF( 開始日, 終了日, 単位 ) 開始日 : 期間の開始日終了日 : 期間の終了日単位 : 表示する期間の単位 Y : 期間内の満年月 M : 期間内の満月数 D : 期間内の満日数 YM :1 年未満の月数 YD :1 年未満の日数 MD :1 ヶ月未満の日数 例 D6~8 のセルに生年月日から現在までの満年数を求める まず生年月日を入力する =DATEDIF(D3,B3,"Y") =DATEDIF(D3,B3,"YM") =DATEDIF(D3,B3,"D") =DATEDIF(D3,B3,"MD") 17

4. 付録関数構造の詳細 4.1. 付録 1 引数の種類関数によって いろいろな種類 ( 型 ) の引数を使うことができます 引数の種類 ( 型 ) 説明 数値 整数 小数などすべての数値 文字列文字の入力の際には Excel というように必ずダブルクォーテーションで囲みます 1 論理値 TRUE( 真 ) または FALSE( 偽 ) 配列 複数のデータをひとつの集合体として扱うもの エラー値 #### #N/A などのエラー値 2 セル参照数式関数その他 セル (A1) またはセルの範囲(A1:B6) =10+20 などの計算式引数に関数を用いることができる 入れ子 ( ネスト ) という定義された名前やセル範囲につけられた名前など 1 関数の中で文字列を入力する際には " ダブルクォーテーションを用いましたが セル内に文字列を表示させるときには ' シングルクォーテーションを用います 例 ) 分数 1/2 を文字列として表示させるときには '1/2 と入力する 2 関数を入力する際に誤った数値や引数を指定してエラー値が表示された場合 数式に何らかの間違いが存在するので該当セルの数式を再編集してください ( 付録 6 エラー値参照 ) 関数を含む数式で利用する計算演算子を示します これらは入力するときは半角で入力します 4.2. 付録 2 算術演算子 種類内容例 + 加算 1+2 - 減算または負の数 3-1 * 乗算 2*3 / 除算 6/3 ^ べき算 2^2(2 2 と同じ ) 4.3. 付録 3 比較演算子 2 つの値を比較し 判定するときに使用します 種類内容例 =( 等号 ) 左辺と右辺が等しい A1=B1 >(~ より大きい ) 左辺が右辺より大きい A1>B1 <(~ より小さい ) 左辺が右辺より小さい A1<B1 >=(~ 以上 ) 左辺は右辺以上 A1>=B1 <=(~ 以下 ) 左辺は右辺以下 A1<=B1 <>( 等しくない ) 左辺と右辺は等しくない A1<>B1 18

4.4. 付録 4 文字列演算子複数の文字列を結合するときに使います 種類内容例 &( アンパサンド ) 4.5. 付録 5 参照演算子 2 つの文字列の結合 または連結して 1 つの連 続する文字列の値を作成する セルに = 明治 & 太郎 と入力すると 明治太郎 となります 種類内容例 :( コロン ) セル範囲を指定する参照演算子 セル参照コロンで結ぶことでその範囲をひとつの参照とする A1:A10(A1 から A10 まで ),( カンマ ) 複数の参照の参照演算子 関数の引数との間に使う SUM(A1,A3:A10) 4.6. 付録 6 エラー値 エラー値 #### 読み: シャープ #DIV/0! 読み: ディバイド パー ゼロ #N/A 読み: ノー アサイン #NAME? 読み: ネーム #NULL! 読み: ヌル #NUM! 読み: ナンバー #REF! 読み: リファレンス #VALUE! 読み: バリュー 説明セルの幅より長い数値が入力された場合や 日付の設定がされているセルにマイナス値が入力された場合に表示されます 数式で 0 で割り算が行われた(0 で除算 ) 場合に表示されます 関数や数式に使用できる値がない場合や VLOOKUP 関数で [ 検索値 ] がない場合などに表示されます 関数名やセル範囲名などの名前が正しくない場合に表示されます 関数の引数に セル指定の :( コロン ) や,( カンマ ) がない場合に表示されます 大きすぎる または小さすぎる数値を計算した場合や DATEDIF 関数などで指定した引数が不適切な場合に表示されます 参照していたセルが削除された時など セルが参照できない場合に返されます 参照値や引数の種類が正しくない場合に表示されます エラー値の例 #DIV/0! セルに =3/0 と入力した #N/A 3.2 VLOOKUP 関数 にて説明 #NAME? AVERAGE 関数のスペルを間違え =ABERAGE(A1:A5) とした #NULL! AVERAGE 関数で引数にコロンを忘れ =AVERAGE(A1 A5) とした #NUM! セルに =23^413 と入力した #REF! A1 セルに 1 A2 セルに 2 A3 セルに = A1+ A2 と入力した後 A2 セルを削除した #VALUE! A1 セルに 1 A2 セルに 明治 A3 セルに = A1+ A2 と入力した 19