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第 20 回 ISO/TC34( 食品専門委員会 ) 総会報告 平成 22 年 4 月 28 日 ~29 日にリオ デ ジャネイロ ( ブラジル ) において 第 20 回 ISO/TC34 総会が開催され およそ15カ国から 約 40 名が出席しました 第 20 回 ISO/TC34 国内審議団体であるFAMICからは 3 名が出席しました 総会では 食品に関連するISO 規格や TC34に設置されている分科委員会 (SC) や作業グループ (WG) の活動について話し合われました 今回のTC34 総会の内容を報告します 1 作成中の規格について ISO/DIS 26642 Food products Determination of the glycemic index(gi) and relevant classifications ( 食品 - 血糖指数 (GI) の測定及び関連した分類 ) 当該規格は オーストラリアが提案した規格であり 血糖指数 (GI) のカテゴリー化 制限要因 要求事項 ( 倫理委員会の承認 試験施設や手順 条件等 被験者に係る基準 基準食品や試験食について等 ) 実験手順 分析( 血液試料の分析 試験データの分析 グラフの描写等 ) 試験報告書が規定されています 2008 年 9 月より5カ月間の国際規格案 (DIS) 投票が行われた結果 最終国際規格案 (FDIS) への着手が承認されました 総会では TC34 幹事からまもなくFDIS 投票が開始されることが伝えられました FDISは規格作成の最終段階であり この投票で承認条件を満たすと 国際規格 (IS) として発行されます ISO/DIS 14470 Food irradiation Requirements for the development, validation and routine control of the ionizing radiation process used for the treatment of food ( 食品照射 - 食品を処理するために使用する電離放射プロセスの作成 妥当性確認及び日常管理における要求事項 ) 当該規格には 食品照射プロセスの作成 妥当性確認及び日常管理における要求事項が規定さ れており コーデックスで作成された放射線処理食品に関する文書に準拠した内容となっています アルゼンチンが提案し 作業グループ (WG10) のリーダーとして作成作業を進めており 2010 年 3 月から5カ月間の国際規格案 (DIS) 投票が実施されています 総会では WG10 事務局から 進捗状況及び次回のWG10 専門家会合が9 月にパリで開催されることが報告されました

ISO 8607:2003 Artificial insemination of animals - Frozen semen of breeding bulls - Enumeration of living aerobic microorganisms ( 動物の人工授精 - 繁殖用雄牛の冷凍精液 - 生存好気性微生物の計数 ) 当該規格は 繁殖用雄牛の人工授精用の冷凍精液に含まれる 生存好気性微生物の計数を求める方法を規定しており 試験に使用する実験器具やサンプリング 試験手順 試験結果の算出法等について記載されています 規格発行から5 年経過したことにより 2008 年 1 月から定期見直し投票が実施されました 技術的な変更を行わずに規格を維持するべきであることを意味する 確認 という立場を示した国が大多数であったものの 日本などから技術的なコメントが提出されたことから TC34では当該規格を修正することとしました このことを受け 日本はマイクロピペットの使用に関する記述を加える内容の新業務項目提案 (NP) を行い 投票の結果 作業が承認されました その後 日本はNPに対して寄せられた各国のコメントを反映した修正案を改めてTC34 幹事へ提出しました 総会では TC34 幹事から 日本が修正案を提出したこと それを受けて国際規格案 (DIS) 投票を開 始することが報告され 2010 年 4 月から 5 カ月間の DIS 投票が実施されています ISO/WD 12824 Royal jelly specifications ( ローヤルゼリー - 仕様書 ) 当該規格は 世界一のローヤルゼリー生産国である中国によって規格作成が提案され 作業グループ (WG13) によって作業原案 (WD) の作成作業が進められています ローヤルゼリーの生産及び衛生 輸送 保管 梱包及び表示の要求事項を規定し ローヤルゼリーの品質を管理するための官能試験法及び化学試験法について規定される見込みです 2009 年 10 月に第 1 回 WG13 専門家会合が南京で開催され フランス 中国 日本が参加しました 当会合で検討されたものの1つに 糖含量についての記載がありました 日本は 糖含量の記載を含むべきではないという立場を示し 会合後 日本意見の根拠を示す必要があることから ローヤルゼリーの糖分分析を行っています 総会ではWG13 事務局が 作業の報告を行いました 昨年開催された第 1 回 WG13 専門家会合の参加国が フランス 中国及び日本の3カ国のみであったことからTC34 幹事は 次回のWG 専門家会合ではより多くの国が出席し 委員会原案 (CD) 作成に参加するべきであると中国に伝えました 次回会合は 2010 年 10 月にフランスで開催されることとなっています

2 第 3 回 CAG 会議での議論を発端にするもの TC34 に設置されている分科委員会 (SC) の議長らで組織されている ISO/TC34/CAG(Chairman Advisory Group: 議長諮問グループ ) は 2007 年 9 月に設立されました 第 3 回 CAG 会議が 2009 年 10 月 にパリで開催され そこで議論されたものの多くが 今回の TC34 総会の議題に上っています なお, 第 4 回 ISO/TC34/CAG 会議は 当総会の前日 2010 年 4 月 27 日に開催されました 1) ビタミンに関連するISO 規格の作成について第 3 回 CAG 会議で TC34/SC5( 牛乳及び乳製品 ) からビタミン類の分析方法などを規定したISO 規格が不足していることについて所見が述べられたことを受け コーデックスで承認されているCEN( 欧州標準化委員会 ) の規格 (EN 規格 ) を TC34において ISO 規格とすることが提案されました これを受けて TC34はメンバー各国に対し委員会内 (CIB) 投票により このことについての意見を求めると共に TC34 総会で検討することとしました 総会では 作業方法などの議論の結果 ビタミン類の分析方法などのCENの規格 (EN 規格 ) を迅速法でISO 規格とすることで合意されました また 次回定期見直しのためのリーダーをCENのままとし 可能であれば EN 規格番号をISO 規格においても用いることが決められました なお ビタミンについてのWGの設置が 前日に開催された第 4 回 CAG 会合で提案され 将来の規格改正の際には設立することで 概ね合意されました 2) 残留農薬についての規格作成について 第 3 回 CAG 会合で 上記のビタミンに関する規格と同様に 農薬に関する規格について検討されたことを受け TC34 総会で検討することとなりました TC34 総会の前日に開催された第 4 回 CAG 会合で TC34の議長グループは残留物質および汚染物質についてのWGをTC34に設置することを提案しており 総会において設置が合意されました しかし すべての残留物質および汚染物質についての規格を扱うことは困難であることから このWGでは残留農薬のみ取り組むこととなりました

写真 1. 第 20 回 TC34 総会の様子 3)ISO/TC34/SC10( 動物用飼料分科委員会 ) について 2008 年にオランダがSC10( 動物用飼料分科委員会 ) の運営を維持することが困難となったことが伝えられ TC34 幹事はメンバー各国に対し SC10の運営を引き受ける国を募集していました これまで引き受けの意向を示した国はなく 第 3 回 CAG 会合では SC10が存続できなくなった場合 SC10で現在進められている作業 (5 規格が作成作業中であり そのうち2 規格がウィーン協定によりCEN 主導で進められている ) について 維持するべきか否かTC34メンバーに確認し また作業中の規格に関心のあるSCを募ると共に その結果をTC34 総会で検討することとしました しかし 総会では TC34 幹事から イランが SC10 の運営に立候補した事から SC10 が存続される事 が伝えられました TC34 幹事はイランに感謝の意を示し 改めてイランの SC10 運営についての賛 否をメンバー各国に確認することとなりました 3 ISO 15161 Guidelines in the application of ISO 9001: 2000 for the food and drink industry(iso 9001:2000 の飲食産業への適用に関する指針 ) の廃止について ISO 15161: 2001の扱いについて TC34 幹事はISO 22000が発行されて以降 ISO 15161がほとんど使用されていないことから 廃止を提案しており これに対する賛否等を問うCIB 投票が行われていました これに対し 日本は 2006 年の定期見直しの際に 廃止 の立場で投票したこと および当規格がほとんど使用されていないことから 今回の投票についても廃止に 賛成 の立場で投票を行いました 投票メンバーの内訳は 賛成 :29カ国 ( 日本 ) 反対 :3カ国となり 多くのメンバー国が廃止に 賛成 と投票したことが示されました この結果を受け 総会では ISO 15161は利用が少なく ISO 22000の活用を促進すべきであるとの観点から 廃止することが決められました

4 見直し作業が行われている規格について ISO 2451: 1973 Cocoa beans Specification ( カカオ豆 - 仕様 ) 当該規格は カカオ豆 不良カカオ豆の種類等についての定義 豆の品質 等級についての要求 事項及び包装 表示等についての規定が本文に 貯蔵及び駆除について付属書に示されています 当該規格は 2006 年の定期見直し投票の際 改正すべきと投票した国が2カ国のみであったことから TC34 幹事は規格の扱いについて 確認 と提案していました しかし 前回のTC34 総会 (2008 年 フランス ) で 世界最大のカカオ豆輸出国であるガーナが 改正の必要性を主張し 参加メンバー各国により了承されました このことから ガーナによる修正のための新業務項目提案 (NP) 投票が 2010 年 3 月から3カ月間実施されています 総会では TC34 幹事より ガーナは電子会議による WG を運営し P メンバー 5 カ国の参加を望んで いることが報告され 概ね合意されました 6 月末まで実施されている NP 投票の結果により作業が承 認されると 当 WG により修正作業が開始されます ISO 16050: 2003 Foodstuffs Determination of aflatoxin B1, and the total content of aflatoxins B1, B2, G1 and G2 in cereals, nuts and derived products High performance liquid chromatographic method ( 食品 - 穀物, ナッツ及び派生製品中のアフラトキシン B1 並びにアフラトキシン B1 B2 G1 G2 の総含有量の測定 - 高速液体クロマトグラフィー法 ) 当該規格は高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いた アフラトキシンB1の定量 及びアフラトキシンB1 B2 G1 並びにG2の総含有量の測定法が示されており 発行されてから5 年が経過したことから 2008 年に定期見直し投票が実施されました 日本はこの時 測定方法についての技術的コメントを付して 改正あるいは修正 の立場で投票を行いました 結果は多くの国が 確認 と投票していましたが 日本からのものを含め多くの技術的コメントが提出されました この事から TC34 幹事は 改正あるいは修正 と投票した国から 修正案が提出されれば改正作業を開始するという意向をメンバー各国へ伝えました これを受け 日本は2009 年 4 月に当該規格の修正案を作成し TC34 幹事へ提出しました しかしその後 TC34 幹事は 当該規格は CENの規格である EN 12955:1999 を基に作成されているため CENの作業グループによる EN 12955の見直し作業を行った後に新業務項目提案 (NP) 投票を行う必要性があるとの提案を行い 総会において 改正作業の進め方について検討することとなりました 総会では CEN の作業グループによる EN 12955 と ISO 16050 との比較作業の検討結果を待った後 CEN の作業グループをリーダーとして 改正作業を開始することで合意されました またその一方で ISO 16050 が TC34 内の SC で使用されているかどうかの調査を実施することが決められました

5 ビジネスプランの具体的な活用に関する議論について 昨年 2 月に更新されたTC34ビジネスプランにおいて TC34が掲げる目的である 食品の安全性 公正な取引 製品の品質 及び 持続可能な発展 の観点からの ビジネスプランの具体的な活用についての検討が行われました 持続可能性 の観点から ISO/TC207( 環境管理専門委員会 ) とより密接な提携をとること アドホックグループ 1 を設置し TC34メンバー各国およびSCでの環境問題への取り組み 及び持続可能性に関するISO Guideの使用について調査を行うことが合意され 次回総会で調査結果が報告されることとなりました また TC34にとって 栄養 については重要な問題であることが議論に取り上げられました ISO 及びコーデックスにおいて既に行われている 栄養 に関わる標準化についての評価を行い その結果をメンバー各国に回付することが決められました この件については 次回のCAG 会合において検討されることとなりました さらに ケニアによる 栄養サービス についてのTC 設立の提案が報告されました 総会では ケニアからのこの提案を歓迎し 適用範囲を再検討した上で 新 TC 設置の提案を回付することで合意されました 1 アドホックグループ : TC 又は SC において 特定の調査を行うためのグループ 調査結果が会議で報告されると 自動的に解散される 6 リエゾンを確立している組織について リエゾンは 互いに関係する国際組織やTC/SCが 互いに標準化作成情報を得ること 規格策定に参加すること等を目的として 各組織の判断によって確立されます 現在 TC34はISOの委員会などの9の内部組織 及び10の外部国際組織とリエゾンを確立しています 総会では 前もって投票が行われた 3 組織とのリエゾン確立についての確認が行われ 新たに GS1 IAEA 及びISO/TC 207 2 とリエゾンを確立することで合意されました また リエゾン確立については 原則としてできるだけ多くの組織とリエゾンを築くことが重要であるとし リエゾンを確立する組織の優先順位を決めなければならないこと 各組織は 選択した組織とのリエゾンの運営について 責任があることが確認されました さらに TC147( 水質専門委員会 ) とTC34との関係についても議論され TC34 幹事は TC147の作業が食品または食品成分として用いる水に取り組む場合には リエゾン提携を求める可能性があることをメンバー各国に確認しました 2 GS1: 商品コードに関する流通標準化国際組織 IAEA:International Atomic Energy Agency: 国際原子力機構 ISO/TC207: 環境管理専門委員会

7 新しい専門委員会 ISO/TC247( 不正防止対策及び管理専門委員会 ) について 不正防止対策及び管理についての専門委員会 ISO/TC247が昨年新しく設立されました TC247では 追跡 予防 同一性の管理 金融 製品 及びその他の社会的 経済的不正に関する標準化の作業を開始しており TC34 及びTC34 内のSCとのスコープの重複を確認するために情報が提供されました TC34の食品安全 食品同定 食品品質についてのISO 規格は 不正行為を見抜く手段としても用いられています これらの事を受け TC34 総会では TC247のスコープ及びリエゾン確立について議論されました 議論のなかでは 食品の不正について メラミンの例などが取り上げられ TC247が 食品分野についても発案することを歓迎し TC34は食品不正の分野に関して積極的に支援することで合意されました 8 開発途上国のための支援について CAG( 議長諮問グループ ) では 開発途上国の参加を育成するためのアクションプランについて検討されています 開発途上国の支援については 開発途上国の育成の為の予算 (DEVCO) がありますが この機関の支援は 代表者の参加に制限されており 幹事運営などは難しいという現状が報告されています 総会では TC34 幹事から開発途上国のためのアクションプランについての活動報告が行われ TC34メンバー各国に対し 国際標準化についての開発途上国に提供する支援について情報を求めることとなりました 集められた各国からの意見は 次回のCAG 会合で検討されることとなっています 写真 2. 第 20 回 ISO/TC34 総会出席者

9 最後に 我々は ISO/TC34 国内審議団体として 国内意見をとりまとめ TC34 幹事へ電子メールにより提出しています 普段のやりとりのほとんどが 電子メールやWebサイトで行われます 規格の検討は 投票によって段階を経ることにより進められますが 投票結果だけでは決められないケースもあり 意見を直接述べることのできる総会は 大変重要なものであると考えています また ほとんどのプロジェクトが数年の期間を要することからも 今後も我が国の意向を正確に伝えるため 継続的な出席が必要です 次回の総会は 2 年後の2012 年に開催されることとなり 開催国が募集されています