Effects of running ability and baton pass factor on race time in 4100 mr Daisuke Yamamoto, Youhei Miyake Keywords track and field sprint baton pass gain time Abstracts The purpose of this study was to investigate the relationship between the race time and factors related to baton pass. The subject of this study was 17 teams in male sprinters. In this study, the gain time which is the difference between the race time and the total time of season best of 100 m in 4 sprinters was calculated. And, 30 m section time was calculated as the time taken for the blue zone and the exchange zone in outgoing runner. As the results, it was clarified that the 30 m section time in outgoing runner and the total time in 4 sprinters were important factor in increasing the race time. In this study, the gain time was not related to the race time or 30 m section time, and it was distributed in about 5.9% of the total time in any team. For outgoing runner, it was suggested that increasing the 30 m section time is precondition for improving the gain time. mr mr Faculty of Budo and Sport studies, Tenri University Graduate School of Physical Education, Tenri University
2 mr における疾走能力およびバトンパスに 関する要因がレースタイムに及ぼす影響 によって利得した利得タイムによって決まる 間を短くするためには 男子ではバトンゾー 杉浦ら の調査よると レースタイムとバト ン直前での渡し走者の疾走速度を高めること ンパス所要時間との間に有意な相関関係が認 女子ではバトンゾーン区間で受け走者の疾走 められており 近年の日本男子 mr 速度を高めておく必要があること など においてメダルが獲得できた理由は 高いバ バトンパスの方法だけでなくバトンパス区間 トンパス技術と高い疾走能力を有する選手が の所要時間に関する様々な要因についても報 多く育ってきたことにあると考えられる 告されている 指導現場ではレースタイムを mr ではバトンパスを mのテイク 高めるために各選手の疾走能力の向上だけで オーバーゾーン区間で行わなければならない なく より高い速度でバトンパスを行うため そのため この決められた区間の中でいかに に走順や受け走者におけるリード距離などの 高い疾走速度でバトンパスを行えるかが重要 バトンパス技術についても考慮し戦略が立て であり リレー種目ではバトンパス技術に関 られている 本研究では 男子大学レベルの する研究がなされている バトンパスで チームおよび選手を対象に 指導現場やバト は主にオーバーハンドパスとアンダーハンド ンパス練習において有用となりうる知見を探 パスの るために 特にバトン受け走者における つの技術が用いられている オーバ m ーハンドパスはアンダーハンドパスに比べて のブルーゾーンと mのテイクオーバーゾー 利得距離が大きい一方で体幹の前後傾や上肢 ンの計 m区間のタイムに着目し バトンパ の上下への変動が大きく アンダーハンドパ ス区間におけるレースタイムや利得タイムな スは疾走速度を保ちやすい動作でありバトン どとの関係について明らかにすることを目的 ゾーン所要時間が短いことなどが報告されて とした いる さらに バトンゾーンでの所要時 カメラ設置位置
3 mr Panasonic HC-V 700 M mr mr mr SB SB SB SB SB mr
4 mr における疾走能力およびバトンパスに 関する要因がレースタイムに及ぼす影響 均 レースタイムと SB 合計タイム 平 となった 表 帰式を用いて m区間タイムおよび利得時間との関係 チームごとにみた場合 レースタイムは には上記の つの回 秒から タイムを記録するために必要であると推定さ SB 合 計 タ イ ム r p お よ れる SB 合計タイムと平均 び平均 示した m区間タイム r p 秒のレース m区間タイムを との間に有意な正の相関関係が認められたが 利得タイムとの間には有意な相関関係は認め られなかった 有意な相関関係が認 関係 各チームにおける平均 m区間タイムと利 められたレースタイムと SB 合計タイムおよ び平均 m区間タイムについては 回帰分析 を用いてレースタイムを目的変数とした回帰 平均 m区間タイムと利得時間との 得タイムとの間には有意な相関関係は認めら れなかった 式をそれぞれ求めた SB 合計タイムを説明 変数とする回帰式は レースタイム SB 合 計タイム となり 平均 m 区間タイムを説明変数とした場合はレースタ イ ム 平 均 m区 間 タ イ ム 表 レースタイムごとの SB 合計タイムと 平均 m 区間タイム 平均 m 区間タイムと利得タイムとの関 係 各選手における m区間タイムと SB との関係 チームごとではなく 選手ごとの m区間 タイムと SB との関係について検討した そ の結果 相関係数は低いもの有意な正の相関 関係 r p が認められた レースタイムと SB 合計タイム 平均 m 区間タイム 利得タイムとの関係
山本 三宅 これらの 果 変数について回帰分析を行った結 m区間タイムを目的変数とする回帰式 m区 間 タ イ ム SB を得た 表 にはこの回帰式を用いて 各選 5 考察 本研究は特にバトンパスに着目 し mr におけるレースタイム向上 手がそれぞれの走能力である SB に対して発 に関する要因について明らかにすると共に 揮できると予測される 指導やトレーニングに利用できうる知見を明 m区間タイムを示し た らかにすることを目的にいくつかの要因につ いて検討した リレー種目におけるレースタ イムは 各走者の疾走能力とバトンパスによ る利得タイムによって決まる 本研究におい てもレースタイムは各選手の SB 合計タイム との間に高い相関関係が認められた 一方で 利得タイムはレースタイムとの間に有意な相 関関係は認められなかったが どのチームも およそ ± 秒 SB 合計タイムの ± であったことが明らかとなった 各選手における の関係 m 区間タイムと SB と このことから 本研究で対象とした競技レベ ル ± 秒 の範囲では レースタ イムは既知のように走者の疾走能力に大きく 表 SB に対する m 区間タイムの推定値 影響を受け 必ずしもレースタイムが早いチ ームほど利得タイムが大きいということでは ないことが分かった しかしながら 本研究 の対象チームの利得タイムの最大値である 秒と最小値の 秒では 秒の差が あった 短距離種目である mr にお いて 秒は決して小さいとは言えない値で あり 利得タイムはレースタイムに影響を及 ぼす要因であることは明らかである 実際に 指導現場において利得タイムを大きくするこ とはリレー種目における大きな課題の一つで あり バトンパス区間ではバトンパスの方法 疾走能力に応じた走順の決定 バトン受け走 者のリード距離および加速の行い方など様々 な要因を考慮し より高い速度でのバトンパ スを行うために試行錯誤が行われている 杉浦ら によるとバトンパス区間直前での渡 し走者の走速度がバトンパス区間での所要時 間が短縮されることなどが報告されている 本研究では 渡し走者ではなく受け走者のス タート後 歩目の接地からテイクオーバーゾ ーン終了地点までの約 mの区間タイムに着
6 mr SB SB SB SB mr SB SB
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