(資料3)山野委員説明資料 2/2

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家庭教育支援の推進に関する検討委員会 第3回 配布資料その3

資料3-1.山野則子氏 配布資料(後半)

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資料3 山野委員発表資料

学力向上のための取り組み

児童虐待防止対策体制総合強化プラン 平成 30 年 12 月 18 日 児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議決定 1. 目的 2016 年 5 月に全会一致で成立した児童福祉法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 63 号 以下 平成 28 年改正法 という ) においては 子ども

【資料3】「児童福祉法等の一部を改正する法律」の概要(7.22現在)

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

府立高校 <P138> 支援学校 <P138> 保健センター <P139> 支援の必要な家庭の発見 子ども 保護者 親族からの相談 登校状況などを通して支援の必要な家庭を発見 (P50 表 2-3-4) 4 割程度が保護者の相談支援を実施 (P4 図 2-1-2) ケースに対応する中での課題として

資料4 発表資料(山野委員)

「子ども・若者の生活困窮支援のあり方に関する研究」報告書

資料 1 ~ ケース会議会議に向けて ~ 児童生徒生徒を理解理解しよう!! ケース会議を開催する前に 児童生徒の情報を整理することはとても大切です 情報を整理する中で 児童生徒に対して あるいは支援の在り方について 新たな発見や可能性を見出すことにつながります アセスメントシートアセスメントシート

(資料3)山野委員説明資料 1/2

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

資料3 横井氏 提出資料

に養育されるよう また 児童を家庭及び当該養育環境において養育することが適当でない場合は 児童ができる限り 良好な家庭的環境 において養育されるよう 必要な措置を講ずることとする ( 同法第 3 条の2) なお 家庭 とは 実父母や親族等を養育者とする環境を 家庭における養育環境と同様の養育環境 と

資料3-3.文部科学省における子供の貧困対策の総合的な推進

スクールソーシャルワーカー (SSW) 活用事業 趣旨 いじめ 不登校 暴力行為 児童虐待などの背景には 児童生徒が置かれた様々な環境の問題が複雑に絡み合っています そのため 1 関係機関等と連携 調整するコーディネート 2 児童生徒が置かれた環境の問題 ( 家庭 友人関係等 ) への働きかけなどを

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文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

第 2 節キャリア コンサルティングの理解 (4) キャリア コンサルタントの能力 Ⅰ キャリア コンサルティングの社会的意義に対する理解 1 社会 経済的動向とキャリア形成支援の必要性の認識 2 キャリア コンサルティングの役割の理解 3 キャリア コンサルティングを担う者の活動範囲と義務 ( 活

1. 子育て短期支援事業の概要 根拠法 子育て短期支援事業 は 児童福祉法 ( 昭和 22 年法律第 164 号 以下 法 という ) 第 6 条の 3 第 3 項に規定する市町村が実施する事業 用語の意味 児童 児童福祉法第 4 条に規定する者をいう 保護者 児童福祉法第 6 条に規定する者をいう

⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

資料1 第1回会議のポイントについて

Microsoft PowerPoint - 中板委員提出資料

H27 年度 子ども 若者総合支援センター エールぎふ 20 歳 18 歳 例 : 学校とセンターとの関係 子ども 若者総合支援センターは 社会の変化による子どもや若者に関する問題の複雑化 多様化に対応するため 平成 26 年 4 月に新設され 本年度で 2 年目となりました 支援を必要とする子ども

PowerPoint プレゼンテーション

教育相談報告書(表紙)

長野県プレスリリース 平成16年7月23日

障害児・発達障害支援_

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社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会におけるこれまでの ( 目次 ) これまでの各回における議題の 特に議論いただきたい点 を基に整理 < 第 2 回部会関係 > (2-1) 自立相談支援のあり方について 1 1 自立相談支援のあり方全般 2 自立相談支援事業に生活困窮者をつなげる仕組み

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

第2節 茨木市の現況


児童相談所が虐待通告や子育ての悩み相談に対して確実に対応できる体制強化 滋賀県彦根子ども家庭相談センター菅野道英 児童相談所の使命 2 子どもの発達上のニーズを適切に充たし 現在 ~ 未来の 生きやすさ を保障する 子どもが発達の過程で示すさまざまな症状や問題についての相談に応じ 専門的支援を行って

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

かわごえ子育てプラン(川越市次世代育成支援対策行動計画)

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平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

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資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

別添2 乳児家庭全戸訪問事業の実施状況

スクールソーシャルワーカーの 効果的な活用のために 平成 28 年 4 月 島根県教育委員会

第 1 章 解説 平成 27 年度 スクールソーシャルワーカー活用事業 の概要と成果等について紹介します

研究内容 2016 年 9 月時点 自治体の協力を得つつ 国立教育政策研究所や外部の研究者 有識者により実証研究を実施 関連施策の費用と効果について把握 分析 研究テーマ実施主体研究内容 ( 学力 非認知能力等 ) 国立教育政策研究所 埼玉県 大阪府箕面市等 国立教育政策研究所等 都道府県 :6 程

【資料2】社会教育主事講習の見直しについて【派遣社会教育主事制度とその現状】

調査結果概要 ( 旭川市の傾向 ) 健康状態等 子どもを病院に受診させなかった ( できなかった ) 経験のある人が 18.8% いる 参考 : 北海道 ( 注 ) 17.8% 経済状況 家計について, 生活のため貯金を取り崩している世帯は 13.3%, 借金をしている世帯は 7.8% となっており

資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

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地域子育て支援拠点事業について

02-1 目次11ポイント

(1) 庁内外の関係機関と密に連携を図りつつ必要に応じてひとり親家庭を訪問 1 背景ひとり親家庭からの相談窓口に寄せられる相談件数は増加傾向にある また養育に問題を抱える父母からの相談 父母や子どもが精神的に不安定であるケースに関する相談等 相談内容やその背景も複雑化してきていることから 碧南市では

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鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

特集図 2 やる気が起こらない と食事を家族と食べる場合の相関 担任が深く丁寧に見てくれる可能性がある仕組みから教科担任制で複数教員で見る仕組みへと変化する ここでネグレクトなど家庭背景の大変な家庭 子育てに困難がある家庭がドロップしやすいのは容易に想像できる 学力を見ると ある地域での高校における

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

沖縄県教育庁提出資料 1

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

委員 ; 全国レベル中心 プロフィール 内閣府子どもの貧困対策検討委員会構成員 / 有識者会議委員 (2014 年 ~) 文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会委員 (2013 年 3 月 ~) 文部科学省家庭教育支援の推進方策に関する検討委員会座長 (2016 年度 ) 家庭教育支援手法に関する検

施策吊

事例報告(2)報告2 おうちの方が元気になる!笑顔あふれる家庭教育の充実を目指して

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スライド 1

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平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成実施状況調査結果について

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要対協内での情報共有におけるルール情報共有が可能な要対協構成機関同士においても 第三者への情報の漏洩を防ぐために 事前のルール設定が重要です 各機関の所持資料におけるルールの設定例 会議後の復命ルールの設定 ( 担当者及び管理職のみの回覧にする ) 資料の管理ルールの徹底 ( 配付資料のコピーは禁止

- 目次 - Ⅰ 計画策定の趣旨等 1 Ⅱ 船橋市における自殺の現状 2 Ⅲ 船橋市の自殺対策における取組 3 Ⅳ 船橋市の自殺対策推進体制 6

文部科学省では 被災者の生活再建に関連して 就学援助のほか 教員やスクールカウンセラー ボランティアの配置を充実することにより 子供たちの学習支援や心のケアに向けた対応を行っています 被災児童生徒就学支援等事業 (H30 予算額 ( 案 ) 52 億円 (H29 予算額 62 億円 )) 東日本大震

別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

児童生徒の教育相談の充実について(報告)

山梨県社会福祉士会地域包括支援委員会アンケート調査結果 (43 部回収 22 事業所 ) 問 1 あなたの性別を教えてください 1) 男性 2) 女性 問 2 あなたの現在のご年齢をお答え下さい 1)20 代 2)30 代 3)40 代 4)50 代 5)60 代

上越市立有田小学校いじめ防止基本方針 平成 30 年 4 月策定 1 いじめの定義といじめに対する基本的な考え方 (1) いじめの定義児童生徒に対して 当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為 ( インターネット

, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性

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児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

要保護児童対策地域協議会の支援対象3 母子保健 子育て支援における児童福祉分野との役割分担 ~ 杉並区の要保護児童対策地域協議会の仕組み~ (1) 進行管理の役割分担杉並区では平成 24 年 6 月 児童福祉法や関係法令 通知に基づき 杉並区要保護児童対策地域協議会設置要綱を改正し 子ども家庭支援セ

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資料5 親の会が主体となって構築した発達障害児のための教材・教具データベース

児童虐待防止対策の経緯 児童福祉法による要保護児童対策として対応 平成 12 年 児童虐待の防止等に関する法律 ( 児童虐待防止法 ) の成立 (11 月施行 ) 1 児童虐待の定義 ( 身体的虐待 性的虐待 ネグレクト 心理的虐待 ) 2 住民の通告義務等 平成 16 年 平成 19 年 児童虐待

2コアメンバー会議の開催時期コアメンバー会議は 事実確認調査で得られた情報や相談 通報内容に基づき 緊急性を判断し 緊急性が高いと判断される事例については 早急に開催します 3 協議内容 虐待の事実認定情報の内容により虐待の事実の有無の判断を行います 情報の内容虐待の事実の有無の判断 高齢者の権利を

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

各都道府県・指定都市・中核市の取組の概要1

1_【鑑】「生活困窮者自立支援法の施行に伴う多重債務者対策担当分野との連携について(通知)」の一部改正について

乳児家庭全戸訪問事業(一部改正)

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第 1 部 施策編 4

18 定期的にモニタリンク を行い 放課後等ディサービス計画の見直しの必要性を判断しているか 19 カ イト ラインの総則の基本活動を複数組み合わせて支援を行っているか 20 障害児相談支援事業所のサービス担当者会議にその子どもの状況に精通した最もふさわしい者が参画しているか 関係機関や保護者との連

1. 地域ケア会議の定義, 法的な位置づけ狛江市 ( 以下 市 ) では, 多様な生活課題を抱えている高齢者が, 地域で安心して自分らしく生活できる環境づくりを進めるため, 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 等への個別支援や関係機関 団体等の連携体制の構築を通じて, 介護支援専門員等が包括的か

和光市保育の必要性の認定に関する条例施行規則 ( 制定準備資料 ) 資料 2 1 条例第 3 条第 1 項関係 ( 保育の必要性の基準 ) 市長は 小学校就学前子どものうちその保護者のいずれもが次の各号のいずれかの事由 ( 以下 保育の必要性の基準 という ) に該当するものを法第 19 条第 1

(2) 検討の方向性 1 グループホームを本体施設の近くに設置したり 複数のグループホームを集積することで 本体施設との連携 グループホーム間の連携を強化し 職員の負担の軽減や 子どもの安全確保を強化できないか 地域小規模 FH の隣接複数設置 + 本 4 ユ 園 ニット + 本 園 4 ユ ニット

Transcription:

SSW の対応 : 学校に必要なこと コンフリクトマネジメント 対立構造に注目( パワーバランスをとる ) いじめている方にもケアを 教師集団にも注目 教師間でのブレスト グループワーク 学校にチーム対応を作る地域や保護者との協働を作る 例 ) 保護者会の開催 学校に第三者入れる 35 首長部局や関係機関との連携のポイント 限界を明らかにすること メンバー全員が全体像をつかむこと 自分がどこを担っていのか明確化 36-18 -

子どもの福祉課題に対する政策の限界 身近な生活圏ではない児童相談所 措置を中心にした施策展開 児相 37 児童相談所は担当エリアが広域 児童福祉司の配置割合は 人口 4~7 万人に 1 人 児童福祉施設に措置されるのは児童相談所相談件数の 10% 子どもや家族 学校にとって特別な対象であり 身近ではない 子どもの福祉課題に対する政策の限界 市町村 市町村においての児童相談を法律に明記されたのが 2004 年の法改正 相談に携わる職員の実態は 法規定はなく 児童福祉司と同様の資格を有するもの 9.9% 社会福祉士 3.5% 職員の 62.4% が兼務 ( 厚生労働省 2010). 複数配置されていない SV がいない実態 38-19 -

B) 厚生労働省 子どもを守る地域ネットワーク ( 要保護児童対策地域協議会 ) について 果たすべき機能 要保護児童等 ( 要支援児童や妊婦を含む ) の早期発見や適切な保護や支援を図るためには 関係機関が当該児童等に関する情報や考え方を共有し 適切な連携の下で対応していくことが重要であり 市町村 ( 場合によっては都道府県 ) が 子どもを守る地域ネットワーク ( 要保護児童対策地域協議会 ) を設置し 1 関係機関相互の連携や役割分担の調整を行う機関を明確にするなどの責任体制を明確化するとともに 2 個人情報保護の要請と関係機関における情報共有の在り方を明確化することが必要 警察 市町村 保健機関 学校 教育委員会 医療機関 協議会参加者の守秘義務 ( 児童福祉法第 25 条の 5) 支援内容を一元的に把握する機関の選定 民生 児童委員 弁護士会 保育所 児童相談所 民間団体 39 B) 要保護児童対策協議会 : 連携の実態 総務省 (2010) 児童虐待の防止等に関する意識等調査 http://www.soumu.go.jp/main_content/000142665-20 -

登録ケースの実際 41 要対協で活用しているプログラム ( 山野ほか 2012) 子どもの健全育成プログラム 子ども若者育成支援推進法に基づくネットワーク会議以外の事業 子ども若者育成支援推進法に基づくネットワーク会議 学校支援地域本部事業 児童生徒指導におけるボランティア活用 児童生徒支援における学生ボランティア活用 適応指導教室 サポートチーム 家庭教育支援事業 文科省スクールソーシャルワーカ - 活用事業 文科省スクールカウンセラー等活用事業 障害野ある親のグループワーク 障害児の親のグループワーク 親支援プログラム ( 貧困 虐待以外 ) 親支援プログラム ( 虐待ケース ) 親支援プログラム ( 貧困ケース ) 被虐待児個別プログラム 被虐待児グループワーク 非行児個別プログラム 非行グループワーク 不登校児個別プログラム 不登校グループワーク 3 4 6 5 5 9 8 8 11 12 12 20 25 33 43 47 50 54 67 66 42 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200-21 - 162 184

C 内閣府 内閣府 青少年育成 のホームページ http://www8.cao.go.jp/youth/index.html C) 困難を有する子ども 若者の支援者調査 447 法人 (62.6% 回収率 ) 1064 人回答 内閣府 http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hyouka/k_2/pdf/s4.pdf - 22 -

内閣府 家庭教育支援との協働例 - 23 - 文科省配布資料から

家庭教育支援との協働例 文科省配布資料から 連携システムの課題 : 学校から切れる仕組み作り ( ヨコとタテ ) が必要 間接支援 定例でこのタテのメンバーで検討会議が開かれている所が多い しかし 学校へ行くと - 24 -

扱う対象領域と自分たちの位置を認識した連携 全体をつなぐ連絡協議会議 児童相談所対応緊急対応が必要 市町村の児童相談部署丁寧に共に歩む支援 学校や地域介入というより教える 伝える必要大 重要ポイント全体のなかで自身や自身の機関がどこを担っているかわかることすべての子どもたちへの支援 ( 予防や発見領域 ) と個別支援の必要な事例への支援と 2 つの領域への視点が必要全体をつなぐ連携会議や連絡会議が必要 ( 間接支援であり組織化 ) 法的にも子どもの貧困対策法 子ども若者育成支援推進法 いじめ防止対策推進法 生活困窮者自立支援法 そして家庭教育支援 児童福祉等をうまく共有 活用して包括的な仕組作りが必要 - 25 -

SSW から見える機関連携と地域連携の効果と実態 ( 課題 ) 51 1. 全国調査 1-2. スクールソーシャルワーカーの実態 本研究は まず全国の SSWer の実践の実態を把握すること そしてその実践がどの程度効果につながっているのかを把握することを目的とする 調査は 2012 年 2 月から 5 月にかけて SSWer 活用事業を実施している 155 自治体の教育委員会担当者と SSWer を対象として実施し 108 の自治体と 372 名の SSWer から回答を得た ここではまず SSWer を対象に実施した調査結果を示す 図 5: 年間勤務日数 50 日未満 19.9% 50~100 日未満 100~150 日未満 150~200 日未満 200 日以上 9.9% 9.7% 13.2% 26.3% 勤務日数は 50 日から 100 日未満が最も多く (26.3%) 次が 50 日未満 (19.9%) と週 2 日未満が多い 無回答 21.0% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 52-26 -

効果 ; 教員の共有する力 教育目標の達成を全教職員で共有 ( 学校組織 ) 60 50 40 30 20 10 0 H19 H20 H21 ssw 配置校 33.3 50 ssw 未配置校 44.4 33.3 ( 加藤拓作成 学校 SW 学会発表資料より (2010) 効果 ; 学力向上への貢献 ( 保護者と学校をつなぐことによるもの ) 正答率の前年度比 1.5% 1.0% 0.5% 0.0% -0.5% -1.0% -1.5% -2.0% -2.5% -3.0% 19 20 20 21 未配置校 1.2% -2.7% SSW 配置校 -1.3% -1.3% ( 加藤拓作成 学校 SW 学会発表資料より (2010) - 27 -

1. 全国調査 1-3. スクールソーシャルワーカー配置プログラム : 効果と関連する実践 55 全国調査 スクールソーシャルワーカー配置プログラム : 効果と関連する実践 - 28-56

SW 実践効果 全国調査 スクールソーシャルワーカー配置プログラム : 効果と関連する実践 57 サービス利用計画のプログラム実施度 教委インパクト (* P<.01 ** P<.05) (12-1 月 ) 相関係数が0.2 以上のものを残し,0.4 以上のものに網掛けをしている. A1-H7は各回答を1-5 点のアンカーポイントに変換した. インパクトは実数回 答を変換することなく分析した. SW 実践効果 学校組織へのアプローチ 教育委員会へのアプローチ モニタリング 2.87 1.52.240 **.231 **.213 *.319 ** 教育委員会担当者へ定期的に報告 連絡 相談 学校との調整 2.41 1.40 -.291 ** -.224 ** -.200 * -.217 ** ケース会議に向けた戦略 2.27 1.43 -.250 ** -.254 ** 関係機関 関係者 地域へのアプローチ子ども 保護者へのアプローチ SSWer としての基本的な姿勢 SSWer のマクロアプローチ 学校アセスメント ( 様々な資源を活用して学校の状況を把握する ) 不登校解決 好転 いじめ解決 好転 児童虐待解決 好転 家庭環境解決 好転 教職員との関係解決 好転 心身解決 好転 発達障害解決 好転 連携した関係機関等 連携した校内の教職員等 平均値 4.54 0.43 0.60 2.71 0.43 1.43 2.11 32.00 113.43 SD 9.83 2.20 1.06 6.19 1.07 4.83 5.25 116.75 287.44 3.35 1.42.209 *.265 ** 潜在的ニーズの発見 3.25 1.42.203 *.291 **.392 **.266 **.290 **.265 **.357 **.395 **.335 ** 戦略を立てる 2.76 1.46.232 **.420 **.294 **.272 **.340 **.389 **.408 **.293 ** 教員のニーズに沿う 3.41 1.43.270 **.283 **.236 **.222 **.249 **.278 **.227 ** 相談活動の推進 3.06 1.41.307 **.301 **.262 **.309 **.309 **.317 **.264 **.276 ** 子ども 保護者の共同アセスメント 3.59 1.38.234 ** 関係機関と学校の仲介 3.54 1.56.292 **.228 ** ケース会議実施前の活動 3.04 1.60.262 **.215 ** ケース会議の実施 ( インテーク 情報収集 整理 ) 3.29 1.62.236 **.189 * ケース会議ではない場面によるケース会議実施後の活動 2.53 1.37.247 **.267 ** プランの実行 2.22 1.05.305 ** 関係機関 関係者 地域への基本的 2.84 1.53.225 ** ケース会議実施前の活動 2.56 1.61.272 **.251 ** 子ども 保護者のアセスメント 2.67 1.62.213 *.208 * クライエントに対してSSWerとしての基本的な姿勢を持っているか 4.55 1.01.236 ** 面談において 以下の点を実施しているか 4.32 1.22.296 ** 教育委員会担当者との戦略的協議 2.54 1.56 -.250 ** -.225 ** -.228 ** 管理職 SSWer 担当教員との戦略的 2.16 1.33.238 **.299 ** 自己評価 2.05 1.33.317 ** *- は データ数が極端に少ないなどあり 引き続き精査を行う予定である 山野則子ほか (2014a) - 29 -

効果 ; 関係機関広げる 要保護児童対策地域協議会からみた SSW 効果 59 課題 SSW は学校を拠点に首長部局や関係機関そして地域に広げる役割で効果が実証されている 人材 力量不足と受け皿不足 ( 子どもの貧困対策検討会議で議論 ) 地域と学校や首長部局 関係機関との連携をシステム化するには守秘義務の壁が大きい お互いの機能を知ること 法的根拠が必要 - 30 -

全数把握可能な学校 CS に期待できる プラットフォーム化を 学校に1キャッチできる 2 様々な資源を活用して丁寧に情報提供できる仕組みを作る 3 教員の認識を作る ( 教員免許科目に ) =SSWの可能性 情報が共有できる法的根拠が必要 ( 児童虐待の例 ) 全校が無理でも中学校区に 1 システム = 学校の地域ベースのプラットフォーム化 ( 学校に子どもたちの居場所 地域活動 専門支援が共存 ) 西成高校のとなりカフェ 湯浅町 各 CS の取り組みなど 原田正文 山野則子ほか (2004) 児童虐待発生要因の構造分析と地域における効果的予防法の開発 平成 15 年度厚生労働科学研究 ( 子ども家庭総合研究所保護事業 ) 報告書. 九社連児童養護施設協議会 (2013) 平成 23 年度 24 年度自立支援の実態報告書 高橋重宏ほか (2004) 児童虐待防止に効果的なセーフティネットのあり方に関する研究 平成 15 年度厚生科学研究 ( 子ども家庭総合研究所保護事業 ) 報告書 高橋重弘ほか (2011) 児童福祉司の専門性に関する研究 子ども総研.. 山野則子ほか (1998) 生活保護家庭における児童問題へのアプローチ- 問題発見の指標作りをめざして- 大阪市立大学児童家族相談所紀要第 14 号, 61-70. 山野則子 山縣文治 (1999) 子どもの相談援助システム構築の必要性と課題 大阪市立大学生活科学部紀要第 47 巻. 山野則子 (2006) 子ども家庭相談体制におけるスクールソーシャルワークの構築 ~ 教育行政とのコラボレーション~ ソーシャルワーク研究第 32 巻 2 号. 山野則子 (2005) 育児負担感と不適切な養育の関連に関する構造 原田正文 平成 16 年度厚生科学研究 ( 子ども家庭総合研究事業 ) 報告書 山野則子 (2007) 日本におけるスクールソーシャルワーク構築の課題- 実証的データから福祉の固有性の探索 学校ソーシャルワーク研究創刊号, 日本学校ソーシャルワーク学会,67-78. 山野則子 峯本耕治 (2007) スクールソーシャルワークの可能性 ミネルヴァ. 金澤ますみ (2008) 第 4 回研究会 山野則子 日本におけるスクールソーシャルワークの実証的研究 ~ 福祉の固有性の探究 平成 19 年度文部科学研究. 山野則子 (2009) 子ども虐待を防ぐ市町村児童虐待防止ネットワークとソーシャルワーク 明石書店. 62 山野則子 (2014a) エビデンス ベースト スクールソーシャルワーク報告書 山野則子 (2014b) 高等学校等定着支援事業における事業評価研究 - 31 -