次は 数える例です ex19.c /* Zeller の公式によって 1 日の曜日の分布を求めるプログラム */ int year, month, c, y, m, wnumber, count[7] = {0, i; for(year = 2001; year <= 2100; year++) { for(month = 1; month <= 12; month++) { y = year; m = month; if(m < 3) { /* 1, 2 月のときの処理 */ m += 12; y--; /* 西暦を分ける */ c = y / 100; /* 西暦の上 2 桁 */ y = y % 100; /* 西暦の下 2 桁 */ /* Zeller の公式 */ wnumber = (26 * (m + 1) / 10 + y + y / 4 + c / 4-2 * c % 7) % 7; count[wnumber]++; for(i = 0; i < 7; i++) { printf("%d : %d 回 n", i, count[i]); return(0); 参考 Zeller の公式日付から曜日を求める公式として Zeller の公式といわれる公式があります 西暦の上 2 桁を c, 下 2 桁を y, 月を m, 日を d としたとき 次の値を 7 で割った余りが曜日を表します (0= 土曜 1= 日曜... 6= 金曜 ) d + 26 (m +1) 10 + y + y 4 + c 4 2 c ただし 1 月 2 月は前年の 13 月 14 月として計算しなければいけません ( 例えば 2007 年の 1 月は 2006 年の 13 月とする ) また 割り算は 整数の商 を意味とします ここでは使いやすいように 1 日の曜日番号を求めるのを次のように変えておきます これで曜日番号が 0= 日曜 1= 月曜... 6= 土曜となります (26 * (m + 1) / 10 + y + y / 4 + c / 4-2 * c % 7) % 7 3.2 文字文字を表す型として char 型があります 文字を表すためには 'c' のように '( シングルコーテ 16
ーション ) で囲んで表します ところで char 型は以前に述べたように8ビットの整数も表します 正確にいえば コンピュータの内部では文字は番号をつけて表されています その番号を保存するために8ビットの整数が使われているのです つまり 正確には char 型とは8ビットの整数を表し それを文字コードと考えて文字を意味することにするわけです そのコード表は下のようになります 10 進数 0 16 32 48 64 80 96 112 16 進数 00 10 20 30 40 50 60 70 0 0 NULL スペース 0 @ P ` p 1 1! 1 A Q a q 2 2 " 2 B R b r 3 3 # 3 C S c s 4 4 $ 4 D T d t 5 5 % 5 E U e u 6 6 & 6 F V f v 7 7 ' 7 G W g w 8 8 制御コード ( 8 H X h x 9 9 ) 9 I Y i y 10 A * : J Z j z 11 B + ; K [ k { 12 C, < L l 13 D - = M ] m 14 E. > N ^ n ~ 15 F /? O _ o 8ビットといいましたが上のように英数字は7ビット分しかありません 残りの部分を使って日本語のかなや漢字を表しているのです たとえば漢字は2バイトを使って表されるため ( 例 : 情 =8FEE, 報 =95F1(16 進数 ) ただし これは Shift-JIS といって Windows で採用されている漢字コードで 他のシステムでは別の漢字コードが使われていることもあります ) そのため文字として扱うことはできません 17
ex20.c /* 文字コードを表示してみよう */ int main(void) { char input; /* 変数 input を char 型として宣言 */ printf(" 文字を入れてください : "); scanf("%c", &input); /* %c = 文字を表す書式文字列 */ printf(" 文字 :%c 整数 :%3d 16 進数 :%02X n", input, input, input); /* input を %c( 文字 ) %3d( 整数 ) %02X(16 進数 ) の 3 つの形で表示する */ if ((input >= 'A') && (input <= 'Z')) { printf(" 大文字です n"); else if ((input >= 97) && (input <= 0x7a)) { printf(" 小文字です n"); else { printf(" 数字か記号です n"); ここのように文字 'A' と比較しようと数値 97 と比較しようと 0x7a(0x で始まるのは16 進数と見なされます ) と比較しようと変わらないということです もちろん あくまでも 数値 ですから演算もできます 演算の例をやってみます ex21.c /* 文字コードで演算してみよう */ int main(void) { char input, output; printf(" 文字を入れてください : "); scanf("%c", &input); output = input - 1; printf("%c の前の文字は %c です n", input, output); if ((input >= 'A') && (input <= 'Z')) { printf("%c はアルファベットの %d 番目の文字です n", input, input - 'A' + 1); output = input - 'A' + 'a'; printf(" 小文字に直すと %c となります n", output); 18
練習問題 3.2 文字を入力してもらい アルファベットならば 次の文字を表示するプログラムを作成しなさい ただし この問題では大文字小文字がつながっていると考えて Z の次の文字は a z の次の文字は A として扱うことにします また アルファベット以外の文字は そのままの変換しないでそのままで表示すること ex22.c /* 次の文字 ( 円環の順 ) */ int main(void) { char input, next; printf(" 文字を入れてください : "); scanf("%c", &input); printf("%c の後の文字は %c です n", input, next); return(0); 19
3.3 文字と配列 もちろん 文字型 (char 型 ) の配列も考えことができます まず簡単な例です 点数を S~D の評価 に変換するプログラムの例を挙げます ex23.c /* 点数から評価に変換 */ #define MAXNUM 10 /* MAXNUM 人分の点数と評価の配列を宣言 */ int num[maxnum]; char grade[maxnum]; int i, sum = 0; double mean; /* 点数の入力 */ printf(" 点数を入力してください n"); for(i = 0; i < MAXNUM; i++) { printf("%d 人目 : ", i + 1); scanf("%d", &num[i]); sum += num[i]; if(num[i] >= 90) { grade[i] = 'S'; else if(num[i] >= 60) { grade[i] = 'A' + 8 - num[i] /10; else { grade[i] = 'D'; mean = (double)sum / MAXNUM; printf(" 平均点 =%.2f n", mean); for(i = 0; i < MAXNUM; i++) { printf("%2d 人目 %3d 点 (%c) ", i + 1, num[i], grade[i]); if(num[i] >= mean) { printf(" 平均以上 n"); else { printf(" 平均未満 n"); return(0); ここでは A, B, C は計算で作成しています 20
3.4 文字列文字列は文字がいくつか集まったものを意味します ですから char 型を並べないと文字列を扱うことはできません そのため 文字列を格納するためには文字型 char 型を複数並べる必要があります 複数個同じものを並べたのが配列でしたから 文字列を表すためには char 型の配列を使わなければならないことになります 配列になる関係上 文字のように単純に比較することはできません 文字列を使うときには "( ダブルコーテーション ) で囲むことになります "abc" は3 文字の文字列 "a" は1 文字の文字列, "" は何もない文字列 ( 空文字列 ) ということになります このように文字列は何文字の長さかわかりません そこで 文字列には終わりを表す記号をつけて表します つまり メモリに格納されるときには次のようになります "abc" 'a'=97=0x61 'b'=98=0x62 'c'=99=0x62 ' 0'=0=0x00 文字列では ' 0' を最後につけて文字列の終わりを意味させているのです したがって 文字列を格納するためには長さ+1つ以上の長さの配列が必要になるわけです ex24.c /* 文字列の簡単な例 */ char input[11]; /* 10 文字までの文字列が格納できるように */ int i; printf(" 文字列を入れてください :"); scanf("%10s", input); /* ここは &input としないことに注意 */ /* 最大 10 文字まで読み込む */ for(i = 0; input[i]!= ' 0'; i++) { printf("%c (%02X) n", input[i], input[i]); /* input[i] を %c( 文字 ) %02X(16 進数 ) の 2 つの形で表示する */ ここで使った for 文ですが 読み込んだ文字列を前から順に1 文字ずつ調べて終わりの記号 ' 0' が出てくるまで繰り返すことを意味しています なお ここでは scanf 関数を使っていましたが scanf 関数で文字列を入力する場合 空白があるとそれ以降は入力されません そこで 空白を含む文を扱うときには fgets 関数を使います scanf("%80s", strings); の部分を fgets(string, 80, stdin); とすればいいのです ただし この場合は 最後の改行 (0x0c, 0x0a =2 文字分 ) も文字列の一部とみなされます このことに気をつけましょう ではもう少し複雑なものを作成してみましょう 21
ex25.c /* 文字列の長さを調べる */ char string[81]; /* 80 文字までの文字列が格納できるように */ /* 最後に NULL = ' 0' がくるので文字数 + 1 の大きさの配列を用意すること */ int i, len = 0; /* 長さを保存する変数 */ printf(" 文字列を入力してください n ); scanf("%80s", string); /* 最大 80 文字まで読み込む */ printf("%s n", string); for(i = 0; string[i]!= ' 0'; i++) { len++; printf("%d 文字の文字列です n", len); 練習問題 3.3 文字列を入力してもらい その文字列に含まれている アルファベット小文字 アルファベット大文字 数字のそれぞれの個数を表示するプログラムを作成しなさい ex26.c /* 小文字 大文字 数字のそれぞれの個数を表示する */ char string[81]; int ; printf(" 文字列を入力してください n"); scanf("%80s", string); /* 最大 80 文字まで読み込む */ printf(" 小文字は %d 個 大文字は %d 個 数字は %d 個 n", ); 22