相模女子大学 2016 年度 AO 入学試験 適性試験問題 栄養科学部 2015 年 8 月 29 日 ( 土 )10 時 00 分 ~10 時 50 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題冊子を開いてはいけません 2. これは 適性試験の問題冊子です 問題の本文は 1ページから 5 ページまでの計 5 ページです そのほか計算用紙が1 枚セットされています 解答用紙は別に配付します 3. 開始の合図があったら 問題冊子 解答用紙の指定の箇所に学科名 受付番号 氏名を必ず記入してください また計算用紙には受付番号 氏名を記入してください 4. 問題冊子 解答用紙に不鮮明な箇所がある場合は 手を挙げて申し出てください 5. 解答は 解答用紙の指定の箇所に記入してください 6. 問題冊子 解答用紙および計算用紙は持ち帰ってはいけません 栄養科学部 学科 受付番号 氏名
I 水分子に関する問題である 以下の問いに答えなさい 問 1 下記の記述で 内へ適切な語句を記入しなさい 水分子は2 つの水素原子と1 つの酸素原子からなる 水素原子中の電子は原子核の周りの 1 と呼ばれる軌道の中で原子核に近い内側の 2 殻に電子を 3 個収容している 2 殻には最大 4 個まで電子を収納でき 電子数が 4 個の原子は 5 である 一方 酸素原子は 6 個の電子のうち まず 2 殻に 4 個 次に 7 殻に 8 個配置する 7 殻には最大 9 個まで収納可能で 電子数が 10 個の原子であるネオンがこれにあてはまる 原子中で最も外側の電子殻にある電子を 11 といい 原子がイオンになったり 化学結合の際 重要な役割を果たすことが多い このような場合 11 を特に 12 という 問 2 水分子と同様に 共有結合でできている分子をすべて で囲みなさい アンモニア 塩化ナトリウム 炭酸カルシウム 鉄 銅 二酸化炭素 II 酸と塩基の性質に関する問題である 以下の問いに答えなさい 問 1 下記の記述で 内へ適切な語句を記入しなさい 酸とは 1 を相手に与える物質で 塩基とは 1 を受け取る物質のことである たとえば 塩化水素 ( 分子式 2 ) とアンモニア ( 分子式 3 ) が反応すると 4 ( 分子式 5 ) を生じるが この反応では酸である 6 が 1 を与え 塩基である 7 がこれを受け取っている 酸 1 分子中に含まれる 8 原子のうち 1 として電離できる数をその酸の 9 という また 同じ 9 で 濃度がある程度大きい場合でも電離度が 1に近い酸を 10 塩基は 11 といい 逆に電離度が著しく小さいものを 12 あるいは 13 という なお 水溶液中の 1 濃度の逆数の対数を 14 といい 14 が 15 の場合は中性で 酸性の場合は 15 より 16 な値になる 問 2 問 1 において 10 に該当するものをすべて で囲みなさい 塩酸 アンモニア 酢酸 水酸化ナトリウム 硫酸 水酸化カリウム 水酸化カルシウム リン酸 1
III ヨウ化カリウムを使用した酸化還元反応に関する問題である 内へ適切な語句を記入しなさい また / の場合は適切な語句を選択しなさい 酸性溶液中でヨウ化カリウム ( 分子式 1 ) 水溶液へ過酸化水素 ( 分子式 2 ) 水を加えた場合 過酸化水素は 3 酸化 / 還元 剤として作用するため 過酸化水素自体は 4 酸化 / 還元 される 一方 ヨウ化カリウムは 5 酸化 / 還元 剤として作用するため ヨウ化カリウム自体は 6 酸化 / 還元 される また ヨウ化カリウム水溶液に薄い臭素水 ( 黄色 ) を加えると 無色の水溶液が褐色になる ヨウ素や臭素は 7 に属するが ヨウ素より臭素の方が 8 酸化 / 還元 作用の強さが強いためで ヨウ化カリウムが 9 酸化 / 還元 剤として作用し 臭素は 10 酸化 / 還元 剤として作用する 塩素は臭素よりも還元作用が 11 強い / 弱い ため 塩化カリウム水溶液に臭素水を加えても変化は見られない Ⅳ 体液についての質問である 以下の問いに答えなさい 問 1. 血液成分についての質問である 適切な語句で空欄を埋めなさい また 7 血しょうの構成成分 については 水の次に多い構成成分を1つ書きなさい 有形成分 直径 (μm) 数 ( 血液 1mm 3 中 ) 赤血球 1 4 白血球 2 5 血小板 3 6 液体成分 血しょう 構成成分 7 2,000~4,000 4,000~9,000 450~500 万 15~40 万 2~10 万 7~20 2~4 7~8 グルコース 無機塩類 タンパク質 2
問 2. 血液凝固についての問題である 空欄に適切な語句を選び文章を完成させなさい 体内で血管が傷つけられると出血を防ぐため 止血のしくみが働く 血管の傷口に まず 1 が集まり かたまりを形成する さらに 2 などの働きで 繊維状タンパク質の 3 が形成されて 血球をからめて 4 を作り 傷口をふさいで止血される 試験管の中に 採血した血液を入れて放置すると 凝固した 4 と黄色味を帯びた液体にわかれるが この液体を 5 という 血清 血しょう 血ぺい 血小板 フィブリン ヘモグロビン タンパク質 血液凝固因子 Ⅴ 免疫機構についての質問である 空欄に適切な語句を選び文章を完成させなさい ヒトの身体には 病原体などを排除する防御システムが備わっている その一つは 生まれながらに持つ自然免疫だが そこで活躍する細胞は 1 好中球 樹状細胞である これらは食作用によって異物を処理している 次の段階の防御システムは獲得免疫であり 2 と 3 に分かれている 特異的な免疫の応答を起こす病原体などの異物を抗原という 2 では 樹状細胞から抗原の情報を受け取ったヘルパー T 細胞が 同じ抗原を認識した 4 を活性化させる 活性化された 4 は 5 へと分化し 6 を作り体液中に放出する その後 放出された 6 と特異的に結合した抗原は 1 などの食作用を受け排除される 一方 3 では 抗原情報を受けたヘルパー T 細胞によって 同じ抗原を認識した 7 が活性化され 直接 病原体や感染細胞などを攻撃する またこれら獲得免疫では 4 やヘルパー T 細胞などの一部が 8 として体内に残り 再度同じ抗原が侵入した時 速やかに活性化し対応していく マクロファージ 記憶細胞 細胞性免疫 B 細胞 抗体 キラー T 細胞 体液性免疫 抗体産生細胞 3
Ⅵ ホルモンについての問題である ホルモンとその主な働きについてまとめた表である 空欄部分に 適切な語句を選び 番号で答えなさい 分泌腺 ホルモン 主な働き 視床下部 放出ホルモンなど 6 脳下垂体前葉 1 甲状腺刺激ホルモン 副腎皮質刺激ホルモン タンパク質合成促進 血糖量を増加 甲状腺機能促進 チロキシンの分泌促進 糖質コルチコイド分泌の促進 脳下垂体後葉 2 腎臓での水の再吸収の促進 血圧上昇促進 甲状腺 チロキシン 7 副甲状腺 3 血液中のカルシウムイオン濃度を増加 副腎髄質 アドレナリン 8 副腎皮質 4 鉱質コルチコイド タンパク質から糖の合成を促進 血糖量を増加 9 膵臓 A 細胞 5 血糖量を増加 B 細胞 インスリン 10 (1) グルカゴン (2) パラトルモン (3) 成長ホルモン (4) 糖質コルチコイド (5) バソプレシン (6) 脳下垂体ホルモン分泌の促進など (7) 血糖量を減少 (8) 血糖量を増加 (9) 体内の化学反応を促進 (10) ナトリウムイオン カリウムイオンなどの調節 Ⅶ 下記の炭水化物を (A) 単糖類 (B) 二糖類 (C) 多糖類に分類し A B C で答えなさい ( ア ) ぶどう糖 ( イ ) ガラクトース ( ウ ) ペクチン ( エ ) 乳糖 ( オ ) しょ糖 ( カ ) セルロース ( キ ) 果糖 ( ク ) でんぷん ( ケ ) 麦芽糖 ( コ ) グリコーゲン 4
Ⅷ 調理に関する問題である 以下の問に答えなさい 問 1 卵の調理性について 正しい組み合せをすべて選びなさい (1) マヨネーズソース 起泡性 (2) カスタードプデイング 乳化性 (3) メレンゲ 起泡性 (4) 目玉焼き 乳化性 問 2 ア~エの食品に含まれるうま味成分について 正しい組み合せを選びなさい ア : こんぶ イ : しいたけ ウ : はまぐり エ : かつお節 (1) ア グルタミン酸イ グアニル酸 ウ コハク酸 エ イノシン酸 (2) ア イノシン酸 イ コハク酸 ウ グアニル酸 エ グルタミン酸 (3) ア コハク酸 イ グアニル酸 ウ グルタミン酸 エ イノシン酸 (4) ア グアニル酸 イ グルタミン酸ウ イノシン酸 エ コハク酸 Ⅸ 野菜に関する問題である 以下の問に答えなさい 問 1 野菜は緑黄色野菜とその他の野菜 ( 淡色野菜 ) に分類されるが 緑黄色野菜とする基準を 2 つ書 きなさい 問 2 緑黄色野菜に該当する野菜をすべて選びなさい (1) トマト (5) グリンピース (2) ほうれん草 (6) なす (3) キュウリ (7) セロリ (4) さやいんげん (8) キャベツ Ⅹ 塩分濃度 0.6% のコンソメスープを 150g 作りたい 固形コンソメのみで味をつけた場合に 何 g の 固形コンソメを使用すればよいか計算式を示し 解答しなさい ( ただし 固形コンソメ 100g 中の 食塩相当量は 43.2g とし 四捨五入をして小数点以下第 1 位まで答えなさい ) 5