広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

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も少なくありません こうした状況に鑑み 舞鶴市は 言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図ることにより 全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることなく 自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現するため この条例を制定するものです 2. 条例の

計画の今後の方向性

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

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第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

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北見市特別支援教育の指針 平成 25 年 11 月



資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

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問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

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越谷市手話言語条例の逐条解説 前文言語は お互いの意思や感情を伝え 理解し合い 知識を蓄え 文化を創造し 継承する上で必要不可欠なものです 日本手話をはじめとする日本の手話 ( 以下 手話 という ) は 手や指の動き 表情を使い視覚的に表現するものであり 音声言語である日本語と同様に一つの言語です


⑴ ⑵ ⑶

2

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(3) 障害を理由とする差別障害を理由とする不当な差別的取扱いを行うこと又は合理的配慮の提供をしないことをいいます (4) 障害を理由とする不当な差別的取扱い客観的にやむを得ないと認められる特別な事情なく 障害又は障害に関連する事由により障害者を区別し 排除し 又は制限すること 障害者に障害者でない

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です


2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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⑴ ⑵ ⑶

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⑴ ⑵ ⑶

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周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 1

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格と個性を尊重し合いながら共に生きる地域社会 の実現に努めてまいりました 一方で 今なお 障害や障害者に対する誤解や偏見があり 周囲の理解が不十分なことにより 障害者の自立や社会参加が妨げられているという現状がございます こうした課題認識の下 この条例では 市 事業者及び市民における障害や障害者に対


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市民自治の捉え方 市民自治 市民参加協働 市民の自立的な活動 市の領域 協働の領域 市民の領域 市の責任と主体性によって独自に行う領域 市の主体性が強く 市民が市に協力する領域 市民と市がそれぞれの主体性のもとに協力して行う領域 市民の主体性が強く 市が市民に協力する領域 市民の責任と主体性によって

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⑵ ⑶ ⑷ ⑸ ⑴ ⑵

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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Transcription:

広島市障害者計画 203 ー 207 平成 25 年 3 月 広島市

目 次 広島市障害者計画の策定について P ⑴ 計画策定の背景 P ⑵ 計画の位置付け P2 ⑶ 計画期間 P2 ⑷ 計画の推進及び点検 P2 2 計画の基本的な考え方 P3 ⑴ 広島市障害者計画の基本理念等 P3 ⑵ 広島市障害者計画の実施に当たっての基本的な視点 P5 ⑶ 基本的な視点に基づく重点事項 P7 ⑷ 施策体系 P8 2 各論各論の構成について P9 理解と交流の促進 P0 ⑴ あらゆる障害や障害者についての理解の促進 P0 ⑵ 障害者と地域住民等との交流の促進 P2 ⑶ 市民主体の活動等の促進 P3 2 生活環境整備の推進 P5 ⑴ 福祉のまちづくりの推進 P5 ⑵ 安心して暮らせる住まいの確保 P20 ⑶ 防災 防犯等の対策と災害時支援対策の推進 P24 3 相談支援の充実 P27 ⑴ 相談支援体制の整備 充実 P27 ⑵ 障害者の権利擁護の推進 P30 4 地域生活支援の充実 P33 ⑴ 福祉サービスの充実 P33 ⑵ 保健 医療 リハビリテーションの充実 P37 ⑶ スポーツ 文化活動の促進 P4 ⑷ 情報 コミュニケーション支援の充実 P43 5 療育と教育の充実 P46 ⑴ 療育の充実 P46 ⑵ 自立に向けた教育の充実 P49 6 就労支援の充実と雇用の拡大 定着 P52 ⑴ 総合的な就労支援 P52 ⑵ 障害者雇用の拡大 定着 P57

巻末資料 各施策に関連する 事業 取組 一覧 P60 2 本市の障害者数 P94 3 計画策定経過 P02 4 広島市障害者施策推進協議会委員名簿 P03 5 障害者福祉に関するアンケート調査結果 P04 6 市民意見募集の結果等 P22 7 関係法律等 P223 障害者基本法 P223 広島市障害者施策推進協議会条例 P23 人がやさしいまち推進本部設置要綱 P233 障害者基本計画策定部会設置要領 P235 8 用語解説 P237

広島市障害者計画の策定について ⑴ 計画策定の背景 国においては 平成 2 年の障がい者制度改革推進本部設置後 障害者権利条約の批准に向けて 障害者基本法 が改正 ( 平成 23 年 8 月公布 ) されるとともに 障害者自立支援法 の改正による 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 ( 平成 24 年 6 月公布 以下 障害者総合支援法 という ) によって障害福祉サービスの対象となる障害者の範囲が拡大されるなど 障害者施策の充実に向けた取組が進められています 広島市においても 障害者の数及び人口に占める割合が増加の一途をたどっており 障害福祉サービス等の利用者数も顕著な伸びを示すなど 今後とも障害者施策の充実が必要となっています 広島市障害者計画の策定につい て 平成 23 年 2 月 広島市では 市政推進に当たっての基本コンセプト 世界に誇れる まち の実現に向けて を公表し 障害者施策については 障害のある人もない人も 全ての市民が社会のあらゆる活動に自由に参画し その能力を最大限に発揮するとともに 互いに人格と個性を尊重し 支え合うことが必要です そのためには 障害者の活動を制限し 社会への参画を制約している要因を取り除き 経済的な側面を含め 障害者が住み慣れた地域において 自己選択と自己決定の下 自立して生活できるように社会のバリアフリー化を推進するとともに 地域における障害者の自立支援に取り組みます としています こうした中 広島市新障害者基本計画 ( 以下 前計画 という ) が平成 24 年度で計画期間の終期を迎えましたが 引き続き 広島市の障害者施策を総合的に推進していくためには障害者計画を策定する必要があり この度 平成 25 年度から平成 29 年度までの5 年間を計画期間とする広島市障害者計画を策定します - -

広島市障害者計画の策定につい て 広島市障害者計画の策定について ⑵ 計画の位置付け この計画は 障害者基本法に基づく 市町村障害者計画 であり 本市の障害者施策全般にわたる推進の方向性と具体的な方策を示す中長期的な計画です ( 根拠法令 ) 障害者基本法 ( 一部抜粋 ) ( 市町村障害者計画 ) 条 ( 略 ) 2 ( 略 ) 3 市町村は 障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに 当該市町村における障害者の状況等を踏まえ 当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画 ( 以下 市町村障害者計画 という ) を策定しなければならない ⑶ 計画期間 本計画は 平成 25 年度から平成 29 年度までの 5 年間の計画です ⑷ 計画の推進及び点検 本計画に掲げる施策は 障害者の保健福祉だけではなく 住宅 交通 教育 就労など様々な分野にわたっていることから 関係部局と連携を図りながら 施策の総合的な推進に取り組んでいきます また 本計画に掲げる施策を着実に推進していくためには 社会全体での取組が不可欠であることから 広報等を通じて市民の理解を深め 多様な活動の促進を図るとともに 社会福祉協議会等の地域団体 医療機関等の関係機関や障害福祉サービス事業者などと連携を図ります さらに 毎年度 広島市障害者施策推進協議会等の意見を聞きながら 本計画に掲げる施策の実施状況の点検及び進行管理を行います - 2 -

2 計画の基本的な考え方 ⑴ 広島市障害者計画の基本理念等 この広島市障害者計画では 平成 23 年 2 月公表の市政推進に当たっての基本コンセプト 世界に誇れる まち の実現に向けて に基づき 以下のように 基本理念 及び 基本理念実現のための前提条件 を掲げます 基本理念 2 計画の基本的な考え方 障害のある人もない人も 全ての市民が互いに人格と個性を尊重し 支え合い 自立して暮らせる まち を実現する 基本理念実現のための前提条件 基本理念の実現のためには 地域ごとにそれぞれの特性を踏まえ 多様性のある施策を展開する必要がある 施策の展開に当たっては 個々の障害者が 生活の拠点での日々の活動を通じて自立した生活を実現し 更に その活動の範囲を広げていく ということを念頭におくべきである 広島市は この計画が 実行段階において 各区 各地域のそれぞれの特性を踏ま えた多様性のある施策展開につながり 障害者の自立及び社会参加等に向けて真に機 能するよう 各般の施策に真摯に取り組みます - 3 -

2 計画の基本的な考え方 2 計画の基本的な考え方 ( 参考 ) 市政推進に当たっての基本コンセプト 世界に誇れる まち の実現に向けて ( 平成 23 年 2 月公表 ) 抜粋 3 ワーク ライフ バランスのまち の実現に向けた取組の方向性 (3) 福祉の充実 ( 略 ) また 障害のある人もない人も 全ての市民が社会のあらゆる活動に自由に参画し その能力を最大限に発揮するとともに 互いに人格と個性を尊重し 支え合うことが必要です そのためには 障害者の活動を制限し 社会への参画を制約している要因を取り除き 経済的な側面を含め 障害者が住み慣れた地域において 自己選択と自己決定の下 自立して生活できるように社会のバリアフリー化を推進するとともに 地域における障害者の自立支援に取り組みます ( 参考 2) 基本理念における 自立 とは 障害者の活動を制限し 社会への参画を制約している要因が取り除かれ 経済的な側面を含め 障害者が住み慣れた地域において 自己選択と自己決定の下 必要な支援を受けながら生活できる状態です 基本理念における 自立して暮らせる まち の実現 とは 個々の障害者が 生活の拠点での日々の活動を通じて自立した生活を実現し 更に その活動を広げていく ようにするための障害者への支援と 障害者の活動が行われる環境を整えることです その対象となる まち の範囲については 具体的に多種多様な施策を展開していく場面において 広島市域の全体になったり 各区や小学校区になったりと その施策の特徴によって 地理的な広がりは変わるものです - 4 -

2 計画の基本的な考え方 ⑵ 広島市障害者計画の実施に当たっての基本的な視点 広島市障害者計画の実施に当たっては 基本理念を念頭に 前計画の 基本的な視点 ( より一層のバリアフリー化の推進 地域における障害者の自立の支援 ) を発展させた以下の 3つの視点を意識して 計画に基づく各般の施策に取り組みます 個々の障害者が 生活の拠点での日々の活動を通じて自立した生活を実現し 更に その活動範囲を広げていくために障害者が市民の一人として 学び 働き 社会に貢献する営みなどを行う 生活の拠点での日々の活動を通じて自立した生活を実現し 更に その活動範囲を広げていく取組が求められています このためには 障害者団体 福祉サービス事業者 民間事業者などを含め市民と行政が協働して地域での障害者の生活を支援する仕組みづくりが必要であると考えます また 障害者自身についても 可能な人については 必要な支援を受けて自立し その能力をいかして他の障害者や社会を支えていくことも重要となってきます 2 計画の基本的な考え方 2 相談支援の充実に向けて相談支援は 全ての障害福祉サービスの基本となるものであり 障害者が自立して生活を送るために重要な支援の つです この相談支援は 障害の特性や障害者の置かれた環境に応じたきめ細かなサービス提供が行われることで 障害者の自己選択 自己決定を支援するものである必要があります このためには 行政の取組だけでは十分ではありません 障害者団体やグループ等による自主的な相談支援等の取組に対する支援など障害者団体等と連携した取組の充実により 身近な事柄を気軽に相談できる体制等の充実も図りつつ 障害者とその周囲の人たちを支援することが必要です また 障害者の自立及び社会参加にとって障害者に対する差別や虐待の防止 障害者の権利擁護は極めて重要ですが このときも相談支援は重要な役割を担っています 相談支援の充実を通じて 障害者を地域の一員とし 地域で市民の誰もが共に暮らしていくための良好な環境づくりにつなげていくことが必要です - 5 -

2 計画の基本的な考え方 2 計画の基本的な考え方 3 総合的な就労支援 障害者雇用の拡大 定着に向けて近年 障害者の勤労意欲が高まっている中 より多くの障害者の就労を実現し 障害者が地域において 自立して生き生きと暮らせる社会を目指すことが重要です また 個々の障害者の尊厳が保たれるよう 障害者が必要な支援を受けつつも経済的に自立した生活ができる環境を整えていく必要があります このためには 障害の特性に配慮しながら 障害者の就労支援に努めることが重要です さらに 企業等による障害者雇用の拡大 定着に向けては 障害者雇用施策のために関係機関が連携して 企業等に対する支援の充実に努める必要があり 本市においても必要な取組に努めます ( 参考 3) 前計画の 基本的な視点 より一層のバリアフリー化の推進 障害者の活動を制限し 社会への参画を制約している要因を取り除き 障害の有無にかかわらず誰もが安全に安心して暮らせるよう また 誰もが同様に社会へ参画できるよう 建物 移動 情報 制度 慣行 意識などソフト ハード両面にわたって社会のバリアフリー化を一層推進します 地域における障害者の自立の支援 障害者が住み慣れた地域において 個々の状況に応じ自立して生活できることを基本に支援していくため 障害者が自らの選択により 適切にサービスが利用できるよう 総合的な相談 援助体制の整備 サービス提供体制の確保を進めるとともに 経済的に自立した生活が送れるよう雇用 就労の促進を図ります - 6 -

2 計画の基本的な考え方 ⑶ 基本的な視点に基づく重点事項 広島市は 基本理念を実現するため 本計画に関連する各事業 取組に鋭意取り組みますが この中で 本計画が5 年間の中長期計画であることを踏まえ 3つの基本的な視点に対応する3つの重点事項に取り組みます 個々の障害者が 生活の拠点での日々の活動を通じて自立した生活を実現し 更に その活動範囲を広げていくために に対する取組 2 計画の基本的な考え方 障害者が生活の拠点において自立し 活動の範囲を広げていくための取組の実施障害者に対する 基礎的な生活支援 と 社会参加活動の促進 が効果的に行われるよう 障害者を支援する事業の再を着実に進めます 再に当たっては 行政が実施することが適切な事業 取組と障害者団体等が実施することが適切な事業 取組があること 全市的に一律に実施すべき事業 取組と地域特性や障害種別 障害程度に応じて実施すべき事業 取組があることを念頭に検討を行います 2 相談支援の充実に向けて に対する取組相談支援事業等の強化障害者総合支援法に基づく協議会等において 相談事例の集積 共有を行い 相談支援事業所など事業所間の連携強化を図ります 併せて 相談支援事業所の評価方法の検討を行います また 相談支援の中核的役割を担う基幹相談支援センターを設置し 相談支援体制の強化を図ります 3 総合的な就労支援 障害者雇用の拡大 定着に向けて に対する取組障害者雇用の拡大 定着に向けた関係機関の連携の在り方等についての検討関係者による検討会議において 現在の障害者雇用に対する関係者の取組内容や連携状況 障害者雇用の事例やノウハウを整理した上で 必要な検討を行い 障害者雇用の拡大 定着に向けた取組を実施します 具体的には 行政関係機関 企業等が障害者雇用のために果たすべき役割と具体的取組 連携の在り方 障害の特性に応じた仕事の開拓や職域の拡大などの障害者雇用のノウハウを関係者で共有 蓄積するための方策について検討し さらにそれらを広島市の資源 特性を踏まえた障害者雇用の拡大 定着につなげていきます - 7 -

2 計画の基本的な考え方 2 計画の基本的な考え方 ⑷ 施策体系 基本理念の実現のためには 3 つの重点事項に関する取組だけでなく 幅広い分野 における取組が丌可欠です 本計画では 基本理念の実現に向け 広島市の障害者関連施策を網羅する 6 本の施 策の柱を掲げます その上で 各柱に関連する施策項目を整理し 具体的な事業 取 組を展開します 基本理念施策の柱施策項目 理解と交流の促進 () あらゆる障害や障害者についての理解の促進 (2) 障害者と地域住民等との交流の促進 (3) 市民主体の活動等の促進 2 生活環境整備の推進 () 福祉のまちづくりの推進 (2) 安心して暮らせる住まいの確保 (3) 防災 防犯等の対策と災害時支援対策の推進 障害のある人もない人も 全ての市民が互いに人格と個性を尊重し 支え合い 自立して暮らせる まち を実現する 3 相談支援の充実 4 地域生活支援の充実 () 相談支援体制の整備 充実 (2) 障害者の権利擁護の推進 () 福祉サービスの充実 (2) 保健 医療 リハビリテーションの充実 (3) スポーツ 文化活動の促進 (4) 情報 コミュニケーション支援の充実 5 療育と教育の充実 () 療育の充実 (2) 自立に向けた教育の充実 6 就労支援の充実と雇用の拡大 定着 () 総合的な就労支援 (2) 障害者雇用の拡大 定着 - 8 -