Microsoft PowerPoint - PictetMacroWatch_ pptx

Similar documents
【16】ゼロからわかる「世界経済の動き」_1704.indd

Microsoft PowerPoint - Pictet_Market_Flash_ (直近の下落).pptx

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F F696E74202D E835A838B94C5817A837D815B B834A E738FEA816A2E >

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長


米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

22101_PremierTouch_A011_H10B11_201906_2

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

untitled

nichigingaiyo

PowerPoint プレゼンテーション

平成23年11月1日

PowerPoint プレゼンテーション

Outlook201806

<4D F736F F F696E74202D E835A838B94C5817A837D815B B834A E738FEA816A2E >

PowerPoint プレゼンテーション

Invesco Australian Bond Fund (Monthly)

< E97708AC28BAB82C982C282A282C42E786C73>

Invesco Premia Plus Fund

株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

スライド 1

グローバル株式市場を俯瞰する~2015年8月末データで見る市場動向~

PowerPoint プレゼンテーション

Outlook201501

株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

Fidelity Charts & Graphs PowerPoint Template

スライド 1

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

Currency201207

Microsoft Word ECB利下げ.doc

スライド 1

平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

PowerPoint プレゼンテーション

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

週間マーケット情報 (2016 年 9 月 2 日 ~2016 年 9 月 9 日 ) ご参考資料 2016 年 9 月 12 日 野村アセットマネジメント 市場の動向 日本の株式市場 日本の株式市場の代表的な指数である東証株価指数 (TOPIX) は 2 日比で 0.23% 上昇しました 週初の日

株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

PowerPoint プレゼンテーション

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

ファンダの鬼・柳澤 浩と小杉 篤諭の「ファンダメンタルズの学び方、活かし方セミナー!」

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

Outlook201601

株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米


ピクテ・インカム・コレクション・ファンド(毎月分配型)

3_2

Outlook201609

<4D F736F F F696E74202D204D525F A8E918AC28BAB8CA992CA82B52E B8CDD8AB B83685D>

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

Microsoft PowerPoint - ï¼fiã••PAL镕年+第ï¼fiQ;ver5.pptx

チャート編 1 日経平均株価 ( 日経 225) TOPIX( 東証株価指数 ) 2,0 NY ダウ工業株 30 種平均株価 ( 米ドル ) ダウセレクト配当込み指数 3,000 28,000 26,000 24, ,000 26,000 2,0 20,000 1,0 24,000 1

Outlook201805

欧州不動産市場の注目ポイント 1. 大陸欧州は 緩やかな景気回復を維持し 英国は堅調な景気回復の動きが継続 < 大陸欧州 > ECB の金融政策などを下支えに 総じて大陸欧州の緩やかな景気回復基調の維持が期待されている ドイツは 良好な雇用 ( 歴史的な低水準にある失業率 ) 所得環境にあり 個人消

目次 平成 29 年度 第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) P 2 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 1 P 3 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 2 P 4 平成 29 年度 退職等年金給付組合積立金の資産構成割合 P 5 平成 29 年度 退職等年金給付組合

Outlook201812

Outlook201603

<4D F736F F D20819A819A8DC58F49835A C C8E816A2E646F63>

Microsoft PowerPoint - CSIS 【三井住友銀行】 FOMC後のスペシャルレポート(USHY).pptx

[000]目次.indd

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

マクロ インサイト FRB FRB 長期金利 FRB bp 図表 1 FRB と市場の金利予測の乖離 FOMC 予測 vs 市場予測 年末 年末 2.0 市場が

【No

退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

日経平均株価 22,27.3 NY ダウ工業株 3 種 25,9.32 米ドル 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1, 12, 1,,, 2, 22, 1, 1, 1, 21 年 月 2 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~

Microsoft Word doc

米国リート市場と米国株式市場の推移 102 ( 2015 年 12 月末 ~2016 年 2 月 12 日 ) 米国リート 米国株式 /12/ /1/6 2016/1/ /1/ /1/ /1/3

経済の見通し 欧州 欧州経済は グローバル経済の堅調さを背景とした外需セクターの回復 労働市場の回復を背景にした堅調な個人消費 従来に比べ拡張的な財政政策による成長押し上げ効果を背景に潜在成長率を上回る成長が続いています 物価については 労働市場や経済の回復を背景にコアインフレ率 賃金上昇率は今後緩

(Microsoft Word \214\216\215\206_\203g\203s\203b\203N1\201i2010\224N\223x\214o\215\317\214\251\222\312\202\265\201j.doc)

日経平均株価 22,97. 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1,, 1,,, 21 年 7 月 23 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~21 年 7 月第 3 週末 ) 短期 ( 日次ベース ) (217 年 1 月初

米労働市場は直近の回復基調に変化なし ~FRB出口政策への影響は限定的~

株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

○ユーロ

ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として

当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

米失業率と非農業部門雇用者数変化 ( 月次 25 年 1 月 ~214 年 11 月 ) 非農業部門雇用者数変化 ( 千人 前月比 左軸 ) 失業率 (% 右軸) /1 6/9 8/5 1/1 11/

エコノミスト便り【欧州経済】ユーロ圏はどのように財政を再建したか

フ ァ ン ド の 特 色 ハイグレード ハイグレード オセアニア オセアニ ニア ボンド マザーファンド マザーファンド を通じて オーストラリア ドル建ておよびニュージーラ ドル建ておよびニュージーランド ドル 建ての 債券等 に投資します 債券等 には コマーシャル ペーパー等の短期金融商品を

Outlook201901

日経平均株価 21,1. NY ダウ工業株 3 種 2,.31 米ドル 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1, 12, 1,,, 22, 1, 1, 1,, 21 年 1 月 29 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~21

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

PowerPoint プレゼンテーション

【34】今日から使える「リスクとリターン」_1704.indd

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - CSIS 【三井住友銀行】 USHYファンドの分配金について IM pptx

39_3

Transcription:

グローバル マクロ ウォッチ April 2018 当資料をご利用にあたっての注意事項等 当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり 特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません 運用による損益は すべて投資者の皆さまに帰属します 当資料に記載された過去の実績は 将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません 当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが その正確性 完全性 使用目的への適合性を保証するものではありません 当資料中に示された情報等は 作成日現在のものであり 事前の連絡なしに変更されることがあります 投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません 投資信託は 預金や保険契約と異なり 預金保険機構 保険契約者保護機構の対象ではありません 登録金融機関でご購入いただいた投資信託は 投資者保護基金の対象とはなりません 当資料に掲載されているいかなる情報も 法務 会計 税務 経営 投資その他に係る助言を構成するものではありません 当資料で使用した MSCI 指数は MSCI が開発した指数です 同指数に対する著作権 知的所有権その他一切の権利は MSCI に帰属します また MSCI は 同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています

世界の投資環境 マーケットの振り返り 主要国の株式市場 主要為替市場 主要国の長期金利 金 原油 リート市場 今後の市場展望 景気動向 ( 最新のピクテの現状判断 ) 国際通貨基金 (IMF) による主要国の経済予想 米国 主にインフレ動向が金融政策を左右 米国 個人消費と設備投資が回復を下支え 米国 利上げペースを左右するインフレ率 米国 FOMC の金融政策に注目 ユーロ圏 緩やかな経済成長の回復を維持 日本 賃金上昇が鍵 中国 投資から消費へ 中国 インフラ投資などによる景気下支えも必要 主な資源国の経済 原油市場は需給バランスの改善が鍵 主な新興国 資源国の金融政策 ポイントまとめ 1 更新日 :2018 年 4 月 4 日

マーケットの振り返り : 主要国の株式市場 米国株式は 過去 1 年 緩やかな米利上げペース 企業業績 財政政策期待を受け上昇 足元は米金利上昇懸念 貿易戦争懸念等を受け下落した 欧州株式は 金融緩和政策と輸出改善による景気回復で上昇する局面もあったが 通貨高や金融政策の不透明感を受け 過去 1 年 足元共に下落 新興国株式は 過去 1 年 原油価格回復傾向と緩やかな米利上げペースで上昇 足元は米金利上昇懸念と 貿易戦争懸念を受け市場の回復は鈍化 250 200 150 100 米国株式 日本株式 欧州株式 新興国株式の株価指数推移日次 現地通貨ベース 期間 :2008 年 7 月末 ~2018 年 3 月末 2008 年 7 月末 =100 として指数化 50 08 年 7 月 10 年 7 月 12 年 7 月 14 年 7 月 16 年 7 月 米国 新興国 日本 欧州 米国株式 日本株式 欧州株式 新興国株式 株価騰落率現地通貨ベース 時点 :2018 年 3 月末 -5.6% -4.1% -4. -1.2% 0. 11.8% 13. 直近 3 ヵ月 直近 1 年 19.3% -1-1 1 2 2 米国株式 :S&P500 種指数 日本株式 :TOPIX 欧州株式 : ユーロストックス 50 指数 新興国株式 :MSCI 新興国株価指数 株価騰落率の期間 : 直近 1 年 :2017 年 3 月末 ~2018 年 3 月末 直近 3 ヵ月 :2017 年 12 月末 ~2018 年 3 月末出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 2

マーケットの振り返り : 主要為替市場 米ドルは過去 1 年 軟調な米インフレ率の推移で利上げペースが抑制され下落 足元は米利上げ継続も 貿易戦争懸念や軟調な株式市場でドル安 ユーロは過去 1 年 欧州の政治動向の落ち着きやユーロ圏の景気回復で上昇する展開 足元は景気回復ペースの鈍化や金融緩和継続期待で下落 ブラジルレアルは過去 1 年 利下げを受け景気は底打ちするも政治改革の後退懸念で下落 足元も同様な傾向と 米利上げ継続で軟調な展開 180 円 140 円 米ドル ユーロ 豪ドル ブラジルレアルの対円為替レートの推移日次 期間 :2008 年 7 月末 ~2018 年 3 月末 ユーロ 対円騰落率時点 :2018 年 3 月末 米ドル -5.6% -5. 直近 3 ヵ月 直近 1 年 100 円 米ドル 豪ドル 60 円 ブラジルレアル 20 円 08 年 7 月 10 年 7 月 12 年 7 月 14 年 7 月 16 年 7 月 -2.9% ユーロ 9.6% -7.1% 豪ドル -4. -5. ブラジルレアル -9. -1-1 - 1 1 円高円安 対円騰落率の期間 : 直近 1 年 :2017 年 3 月末 ~2018 年 3 月末 直近 3 ヵ月 :2017 年 12 月末 ~2018 年 3 月末出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 3

マーケットの振り返り : 主要国の長期金利 米国国債利回り : 過去 1 年は米景気回復を受け利上げペースが年 3 回となり上昇 足元は減税法案成立など財政拡大期待や賃金改善期待で上昇した ドイツ国債利回り : 過去 1 年はユーロ圏景気回復とインフレ予想の小幅ながら上方修正で上昇 足元は金融政策正常化観測で上昇継続だがペースは軟化 日本国債利回り :16 年 9 月に導入された日銀の長短金利操作 ( イールドカーブ コントロール ) の影響で 利回り変動が抑制された動きが続いている 米国 ドイツ 日本の 10 年国債利回り推移日次 期間 :2008 年 7 月末 ~2018 年 3 月末 利回り変化幅時点 :2018 年 3 月末 米国 10 年国債 0.33% 0.3 3% 2% 米国 ドイツ 10 年国債 0.07% 0.17% 1% ドイツ 日本 日本 10 年国債 -0.02% 0.0 直近 3 ヵ月 直近 1 年 -1% 08 年 7 月 10 年 7 月 12 年 7 月 14 年 7 月 16 年 7 月 -0.1% 0. 0.1% 0.2% 0.3% 0. 利回り変化幅の期間 : 直近 1 年 :2017 年 3 月末 ~2018 年 3 月末 直近 3 ヵ月 :2017 年 12 月末 ~2018 年 3 月末 利回り変化幅は 10 年国債の利回り変化幅出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 4

マーケットの振り返り : 金 原油 リート市場 金は 過去 1 年では 地政学リスクや米国の利上げペースが緩やかとの見込みから上昇した 足元は 米利上げペースが不透明で上昇ペース鈍化 原油価格は 過去 1 年では 世界的な景気回復に伴う需要回復 過去原油価格を下落させた供給過剰への懸念が後退したことなどを背景に上昇 足元も 石油輸出国機構 (OPEC) 加盟国間での減産期待による需給の改善 減速が懸念されていた中国景気の予想以上の回復を受け上昇した 250 200 金 原油 リートの価格推移日次 期間 :2008 年 7 月末 ~2018 年 3 月末 2008 年 7 月末 =100 として指数化 J リート 価格騰落率時点 :2018 年 3 月末 金 1. 6.1% 150 世界リート 金 原油 7. 28.3% 100-5. 世界リート 1. 50 0 08 年 7 月 10 年 7 月 12 年 7 月 14 年 7 月 16 年 7 月 原油 2.7% Jリート直近 3ヵ月 -1. 直近 1 年 -1 1 2 3 4 価格騰落率の期間 : 直近 1 年 :2017 年 3 月末 ~2018 年 3 月末 直近 3 ヵ月 :2017 年 12 月末 ~2018 年 3 月末 金ならびに原油 : 米ドルベースの先物価格 世界リート :MSCI 世界リート指数 ( 配当込 現地通貨ベース ) J リート : 東証リート指数 ( 配当込 円ベース ) 出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 5

今後の市場展望 : 景気動向 ( 最新のピクテの現状判断 ) 景気サイクルの段階 経済指標世界先進国新興国米国ユーロ圏日本中国 ピクテ景気先行指数 製造業景況感 先行系列 消費者信頼感 耐久財消費 住宅関連 -- -- -- 鉱工業生産 一致系列 小売売上 設備投資 輸出 遅行系列 雇用 信用の伸び 短期の景気サイクル総合評価 各経済指標の状況をピクテのエコノミストが定性的に 5 段階評価 ( 改善 = やや改善 = 中立 = やや悪化 = 悪化 = ) で表記 また 上下矢印で最新の動向を表す 出所 : ピクテ アセット マネジメントのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 6

今後の市場展望 : 国際通貨基金 (IMF) による主要国の経済予想 IMF は世界経済成長率予想を 2018 年は +3.9% 2019 年は +3.9% といずれも前回 (2017 年 10 月時点 ) から各々 0.2% 上方修正した 先進国では 税制改革法案が成立した米国の成長率を大幅に上方修正 ユーロ圏は輸出と内需の回復 日本の 18 年は輸出と財政政策で上方修正 新興国では 好調な輸出を背景に中国を上方修正 商品価格回復や利下げでロシア ブラジルも上方修正 ただ政局不安の南アフリカ等を下方修正 7% 6% 主要国 地域の 2018 年経済成長率見通し前年比 2018 年 1 月予想 2017 年 10 月予想 6.5 6.6 7% 6% 主要国 地域の 2019 年経済成長率見通し前年比 2018 年 1 月予想 2017 年 10 月予想 6.3 6.4 4.9 4.9 5.0 5.0 3% 3.9 3.7 3% 3.9 3.7 2% 1% 世界 2.7 2.3 2.3 2.2 2.0 1.9 1.7 1.5 先進国 米国 ユーロ圏 英国 0.7 1.2 日本 新興国 中国 1.9 1.7 1.5 1.6 ブラジル ロシア 2% 1% 世界 2.5 2.2 2.0 1.8 1.9 1.7 1.5 1.5 先進国 米国 ユーロ圏 英国 0.80.9 日本 新興国 中国 2.0 2.1 1.5 1.5 ブラジル ロシア 出所 : 国際通貨基金 (IMF) のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 7

今後の市場展望 : 米国 主にインフレ動向が金融政策を左右 米連邦公開市場委員会 (FOMC) は 2018 年 3 月に利上げ開始 (15 年 12 月 ) から 6 回目の利上げを実施 過去の米利上げ局面では 1 年に概ね 6~8 回程度の利上げペースに比べ 現在 若干緩やかなペースにとどまっている だが 今後のインフレ率 財政政策次第で利上げペース加速の可能性もある 米経済は個人消費と設備投資を軸に回復傾向を維持 ただ 足元の成長率は 2~3% 程度と堅調だが 過去の利上げ局面に比べれば相対的に低水準 1 8% 6% 米国政策金利の推移と利上げペース日次 期間 :1990 年 1 月 2 日 ~2018 年 3 月 30 日 7 回 12 ヵ月 6 回 11 ヵ月 17 回 24 ヵ月 利上げ局面 米政策金利 6 回 27 ヵ月 米 10 年国債利回り 1 米国の実質 GDP 成長率の推移四半期 年率 期間 :1990 年 1-3 月期 ~2017 年 10-12 月期 利上げ局面 米実質 GDP 成長率 12 四半期移動平均 2% - 90 年 1 月 95 年 1 月 00 年 1 月 05 年 1 月 10 年 1 月 15 年 1 月 -1 90 年 3 月 95 年 3 月 00 年 3 月 05 年 3 月 10 年 3 月 15 年 3 月 過去の米国の利上げ局面 :1994 年 2 月 ~1995 年 2 月 1999 年 6 月 ~2000 年 5 月 2004 年 6 月 ~2006 年 6 月出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 8

今後の市場展望 : 米国 個人消費と設備投資が回復を下支え 米国経済は 失業率の低下などに見られる雇用の改善などを受け 個人消費は堅調に推移し 内需を下支えしている また 世界景気の回復やドル安を受け輸出は概ね回復傾向となっている 個人消費の底堅い展開が想定される内需と 堅調な外需によるバランスの取れた成長が見込まれる 2008 年の世界的金融危機以降 概ね下落傾向であった設備投資は 高水準の設備稼働率などを背景に回復が続き 景気の下支え要因と見ている 米国の個人消費 ( 内需 ) と輸出 ( 外需 ) 月次 期間 :2011 年 3 月 ~2018 年 1 月 ( 個人消費は四半期ベース 2017 年 12 月まで ) 4 米実質 GDP 個人消費変化率 ( 前年同期比 左軸 ) 米輸出 ( 前年同月比 右軸 ) 3 3 2 米国の設備投資四半期 年率 期間 :1992 年 10-12 月期 ~2017 年 10-12 月期 1 3% 2 2% 1-1 1% 11 年 3 月 13 年 3 月 15 年 3 月 17 年 3 月 -1-2 米設備投資 ( 住宅を除く 前期比 ) 12ヵ月移動平均 -3 92 年 12 月 97 年 12 月 02 年 12 月 07 年 12 月 12 年 12 月 17 年 12 月 出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 9

今後の市場展望 : 米国 利上げペースを左右するインフレ率 賃金の底打ち傾向は明確だが足元 天候要因等で変動も見られる 今後は 失業率の低下などが賃金上昇を支える可能性もあると見ている 米インフレ率は 原油価格の回復等を受け上昇傾向で 一時期 2% を超えたが 2017 年には携帯電話料金の値下げ等で一時低下した しかし低水準の失業率などインフレ率上昇要因は健在 米金融当局の政策判断の鍵はインフレ率で インフレ動向が今後の利上げペースを左右する展開を想定 4. 米国の平均時給月次 期間 :2007 年 4 月 ~2018 年 2 月 6% 米国のインフレ率 ( 消費者物価指数 ) の推移月次 期間 :1992 年 2 月 ~2018 年 2 月 米平均時給 ( 前年同月比 全従業員平均 ) 3. 3. 2% 2. 2. 1. 07 年 4 月 10 年 4 月 13 年 4 月 16 年 4 月 米消費者物価指数 ( 前年同月比 ) 12ヵ月移動平均 -2% 92 年 2 月 97 年 2 月 02 年 2 月 07 年 2 月 12 年 2 月 17 年 2 月 出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 10

今後の市場展望 : 米国 FOMC の金融政策に注目 景気回復を受け過去の金融緩和政策で購入 保有していた債券を減らすバランスシート縮小は混乱無く開始され 継続中 潜在的な利回り上昇要因 利上げについて FOMC 参加者の予測は中央値でみれば 18 年は年 3 回の利上げが想定されるが 年 4 回の利上げ予想も 前回 ( 昨年 ) に比べ増えた 外的要因として ユーロ圏は景気回復が続いており 2018 年から欧州中央銀行 (ECB) が債券購入の減額を開始するなど今後の展開に注意が必要 550 各国中央銀行のバランスシートの推移月次 期間 :2007 年 12 月 ~2018 年 3 月 2007 年 12 月末 =100 として指数化 FRB:2014 年 11 月に量的緩和を停止 2017 年 10 月にバランスシート縮小開始 5. FOMC 参加者による政策金利予測時点 :2017 年 12 月 2018 年 3 月 3 月時点の各参加者の予測 3 月時点の予測 ( 中央値 ) 450 350 日本 米国 ユーロ圏 日銀 : 年間 80 兆円をめどに買入れ継続 ( 注 ) 4. 4. 3. 12 月時点の予測 ( 中央値 ) 市場予想 (2018 年 3 月 29 日時点 ) 3. 250 2. 150 ECB:2017 年 4~12 月は月間 600 億ユーロ 2018 年 1~9 月は月間 300 億ユーロの量的緩和 2. 1. 50 07 年 12 月 09 年 12 月 11 年 12 月 13 年 12 月 15 年 12 月 17 年 12 月 1. 2018 年 2019 年 2020 年 ( 注 )2016 年 9 月の金融政策決定会合で決定した長期金利操作方針 (10 年物国債金利が 程度で推移するよう 年間 80 兆円をめどに長期国債の買入れを行い 金利操作方針を実現するよう運営する ) 政策金利予測のドットは各参加者 (15 名 ) の予測値 折れ線グラフは予測の中央値 破線 ( 市場予想 ) は市場で観察される政策金利予想出所 : ブルームバーグ 日本銀行 各種報道 FOMC 関連資料のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 11

今後の市場展望 : ユーロ圏 緩やかな経済成長の回復を維持 ユーロ圏は 失業率低下を受けた消費の改善 製造業も輸出の回復を受け改善持続は継続 ただ ユーロ高などの影響で改善ペースの鈍化も見られる インフレ率は過去の原油価格回復傾向を受け緩やかに上昇するも ( 食料 エネルギーを除く ) コア インフレ率の水準は低く 新たな展開待ち ユーロ圏の銀行貸出は 当面金融緩和政策の継続を必要としている ドイツなど中核国とポルトガルなど周縁国の貸出需要の格差に注意 10 ユーロ圏の製造業景況感および消費者信頼感の推移月次 期間 :2006 年 1 月 ~2018 年 3 月 80 70 3% ユーロ圏信用の伸びの推移 ( 前年同月比 ) 月次 期間 :2010 年 1 月 ~2018 年 2 月 ECB 量的金融緩和 2015 年 1 月開始を表明 2015 年 3 月開始 0 60 2% -10 50 1% 40-20 30-1% 20-30 ユーロ圏消費者信頼感指数 ( 左軸 ) 10 ユーロ圏製造業 PMI( 右軸 ) -40 0 06 年 1 月 09 年 1 月 12 年 1 月 15 年 1 月 18 年 1 月 -2% 家計向け - 周縁国 企業向け - 周縁国 -3% 家計向け - 中核国 企業向け - 中核国 民間貸出合計 - 10 年 1 月 11 年 7 月 13 年 1 月 14 年 7 月 16 年 1 月 17 年 7 月 ユーロ圏の中核国 : ドイツ フランス オランダ ベルギーの合計 ユーロ圏の周縁国 : イタリア スペイン ポルトガル ギリシャ アイルランドの合計出所 : ブルームバーグ ピクテ アセット マネジメントのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 12

今後の市場展望 : 日本 賃金上昇が鍵 2017 年 10-12 月期の日本の GDP 成長率 ( 改訂値 ) は前期比年率 1.6% の増加と 速報値から上方修正された 設備投資 個人消費は底固い動きを見せた 今後も 設備投資と個人消費は底堅く推移し 日本経済を下支えする展開が続くと見込んでいる 賃金の回復は途上だが 雇用市場は 2 月の失業率が 2. と依然低水準での推移となっている ペースは緩やかだが 賃金上昇への期待も見られる 1 GDP 成長率と寄与度の推移四半期 前期比年率 季節調整後 期間 :2013 年 1-3 月期 ~2017 年 10-12 月期 消費者物価指数と給与の伸び率の推移月次 前年同月比 期間 :2010 年 10 月 ~2018 年 2 月 ( 給与総額は 1 月まで ) 3% 3% 2% 2% 1% 1% - -1 民間在庫 純輸出 -1% -1% -1-2 2013 年 1-3 月期 2014 年 1-3 月期 2015 年 1-3 月期 公共投資設備投資個人消費 2016 年 1-3 月期 政府消費住宅投資 GDP 成長率 2017 年 1-3 月期 -2% 消費者物価指数 ( 左軸 ) 毎月勤労統計現金給与総額 ( 右軸 ) -3% 10 年 10 月 12 年 10 月 14 年 10 月 16 年 10 月 -2% -3% 出所 : ブルームバーグ 内閣府のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 13

今後の市場展望 : 中国 投資から消費へ 中国政府は設備投資や住宅など 投資や輸出主導の経済成長から 消費を主体とした緩やかな経済成長へと構造改革を継続し 年間成長率目標を緩やかに引き下げ 18 年は 6. 前後としている また 過剰設備 過剰債務の削減など構造改革を進める方針を維持している 変動の大きい輸出から 安定的な小売に経済主体をシフトすることで 成長率は低下するも 経済全体の変動は抑えられる可能性に期待 2 中国の経済成長率の推移四半期 期間 :2005 年 10-12 月期 ~2017 年 10-12 月期 中国名目 GDP( 年額 円換算 右軸 ) 中国実質 GDP 成長率 ( 前年比 左軸 ) 兆円 1,800 1,600 6 中国の小売売上高と輸出の伸び率の推移月次 前年同月比 期間 :2008 年 2 月 ~2018 年 2 月 1 1,400 4 1,200 1 1,000 800 2 600 400 200 0 05 年 12 月 08 年 12 月 11 年 12 月 14 年 12 月 17 年 12 月 -2 中国小売売上高 中国輸出 -4 08 年 2 月 11 年 2 月 14 年 2 月 17 年 2 月 出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 14

今後の市場展望 : 中国 インフラ投資などによる景気下支えも必要 中国は 2 期目の習近平総書記の体制が強化されている 当面の経済運営は安定を基本方針に 金融 財政政策などが行われる見込み 住宅市場での規制緩和が奏功し 大都市の不動産価格に上昇が見られたが 大方の大都市では既に引き締めに転じ 安定化の成果が見られる 投資から消費への構造改革 安定化のための債務削減に伴う成長率低下と 景気対策による下支えで一定の成長を確保するバランスが課題 3 3 中国の預金準備率と M2 の推移月次 期間 :2007 年 2 月 ~2018 年 2 月 預金準備率は 6 ヵ月先行 M2 前年比伸び率 ( 左軸 ) 預金準備率 (6 ヵ月先行 右軸 逆目盛り ) 10 8 中国 70 都市の住宅市況月次 期間 :2016 年 2 月 ~2018 年 2 月 住宅価格が上昇した都市の割合 2 1 6 2 1 1 4 1 2 2 07 年 1 月 09 年 1 月 11 年 1 月 13 年 1 月 15 年 1 月 17 年 1 月 2 16 年 2 月 16 年 8 月 17 年 2 月 17 年 8 月 18 年 2 月 出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 15

今後の市場展望 : 主な資源国の経済 オーストラリアとブラジル経済は商品市況の動向に連動する傾向があり 商品価格の安定化が景気を下支えする展開が想定される オーストラリアは賃金動向 景気に底入れ感が見られ始めたが インフレ率上昇は鈍く 当面政策金利据え置き 利上げはインフレ率改善が条件と見る ブラジルは商品市況の回復 構造改革の進展とインフレ率低下で景気後退から脱却 利下げも景気回復を下支え ただ政治動向の不安は継続中 6% オーストラリアの経済成長率の推移四半期 前年同期比 期間 :2005 年 1-3 月期 ~2017 年 10-12 月期 12% ブラジルの経済成長率の推移四半期 前年同期比 期間 :2005 年 1-3 月期 ~2017 年 10-12 月期 8% 3% 2% 1% オーストラリアGDP 成長率 オーストラリア消費者物価指数変化率 05 年 3 月 08 年 3 月 11 年 3 月 14 年 3 月 17 年 3 月 - ブラジルGDP 成長率 ブラジル消費者物価指数変化率 -8% 05 年 3 月 08 年 3 月 11 年 3 月 14 年 3 月 17 年 3 月 ブラジルの消費者物価指数変化率は 2018 年 1-3 月期まで出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 16

今後の市場展望 : 原油市場は需給バランスの改善が鍵 過去の原油価格下落の背景であった需要低迷 供給過剰は 米エネルギー省情報局 (EIA) の見通しでは中長期的には解消に向かう見込みで 原油価格の下支え要因と見られる また足元では世界的な景気回復と OPEC を中心とした減産合意等の動きも原油価格を下支えする要因と見られる ただ 原油価格の上昇に応じて米国の石油掘削装置の稼動数は上昇 減産に消極的と見られる面もあり 短期的な変動要因として注意が必要 104 102 100 98 世界の原油生産量と消費量 在庫の推移四半期 期間 :2013 年 1-3 月期 ~2019 年 10-12 月期 ( 予想 ) 百万バレル / 日在庫増減 ( 右軸 ) 在庫増減 ( 予想 右軸 ) 生産量 ( 左軸 ) 生産量 ( 予想 左軸 ) 消費量 ( 左軸 ) 消費量 ( 予想 左軸 ) 百万バレル / 日 6 5 4 3 1,800 1,500 1,200 米国の石油掘削装置の稼動数と米国の原油生産量の推移 週次 期間 :2013 年 3 月 29 日 ~2018 年 3 月 30 日 ( 生産量は月次 2018 年 2 月まで ) 1,200 基万バレル / 日 1,000 800 96 2 94 1 900 600 92 90 88 13 年 1-3 月期 15 年 1-3 月期 17 年 1-3 月期 19 年 1-3 月期 0-1 -2 600 米国の石油掘削装置の稼動数 ( 左軸 ) 400 米国の原油生産量 ( 右軸 ) 300 200 13 年 3 月 14 年 3 月 15 年 3 月 16 年 3 月 17 年 3 月 18 年 3 月 出所 : 米エネルギー省情報局 (EIA) ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 17

今後の市場展望 : 主な新興国 資源国の金融政策 通貨防衛とインフレ防止のため以前は高水準の政策金利を余儀なくされていた国 ( 例 : ロシア 南アフリカ ) が減り 利下げの実施 / 模索に転じた 通貨安定で物価抑制が進んだ国 ( 例 : インドネシア 南米 ) では 米国の金融引き締め政策への転換 景気回復で利下げの停止や 利上げも想定される 国内の政治が不安定なことや 不安定な米国の通商政策などを背景に金融政策の動向が不透明な国も見られる ( 例 : トルコなど ) 17% 主な新興国 資源国の政策金利の推移日次 期間 :2006 年 12 月末 ~2018 年 3 月末 1 13% 11% 9% 7% 3% トルコロシアブラジル南アフリカインド中国インドネシア オーストラリア 1% 06 年 12 月 07 年 12 月 08 年 12 月 09 年 12 月 10 年 12 月 11 年 12 月 12 年 12 月 13 年 12 月 14 年 12 月 15 年 12 月 16 年 12 月 17 年 12 月 中国は貸出基準金利 (1 年 ) を使用 トルコは 2010 年 5 月 20 日から ロシアは 2013 年 9 月 13 日から インドネシアは 2016 年 8 月 19 日から出所 : ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 18

今後の市場展望 : ポイントまとめ 1 先進国は緩やかな景気回復 商品市況の回復が新興国を下支え 景気回復が見込める国 地域を投資の基本に 2 選別色強まる株式市場 変動性の高さより 利回り確保を重視する 3 回復の見られる資源国は長期分散で 新興国 資源国へは長期分散投資 19