Microsoft Word - ●【本編】おおた高齢者施策推進プラン180313 《最終校正》

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計画の今後の方向性



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2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

3 高齢者 介護保険を取り巻く現状 1 人口 高齢化率本市は高齢化率が 45% を超えており 本計画の最終年度である 2020( 平成 32) 年度には 高齢化率 48.0% 2025( 平成 37) 年度には高齢化率 49.7% まで増加することが推計されます また 2018( 平成 30) 年以

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

第1章 計画の基本的考え方 態を改善して地域社会への参加等を通じ 生きがいや役割を持てるようにすることが 重要です 4 住まい 持ち家や賃貸住宅だけでなく 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など 多様な形態の住まいを含みます 生活の基盤である住まいは 高齢者のプライバシー と尊厳が十分に守ら


計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

基本理念 第 6 期計画では 高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと充実した生活を送ることができる地域社会の構築をめざしてきました 第 7 期計画においても 第 6 期計画の基本理念を継承し 総合計画における高齢者福祉の施策の実現をめざして 住んでよかった亀岡 老後も楽しい亀岡 を本計画の基本理念

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

Microsoft Word - 3

第 2 章垂水市地域包括ケアシステムの概要 1 垂水市の地域包括ケアシステムの考え方地域包括ケアシステムとは 高齢者等に関わる様々な人や社会資源が 地域の中でつながりを持って高齢者等の生活を支える仕組みです 高齢者については 介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう 医

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第 1 章計画の策定にあたって 2 計画の課題 (1) 地域包括ケアシステムの基本的理念と深化 推進 地域包括ケアシステム とは 地域の実情に応じて 高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 ( 要介護状態若しくは要支援状

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

はじめに 国立社会保障 人口問題研究所の将来人口推計によれば 現在 わが国の4人に1人以上が高齢者 65歳以上の方 7人に1人 が75歳以上の方となっており 世界でも類を見ない超高齢社会 を迎えております 今後も 高齢化は着実に進むと予測されてお り 特にすべての団塊の世代の方が75歳以上に達する2

6 児童福祉法の改正 24 年 4 月には 障害者自立支援法と児童福祉法に分かれていた障がい児 の支援体制を一元化する改正がなされ 市町村が支給決定する障がい児通所支援 と都道府県が支給決定する障がい児入所支援が創設されました 7 障害者虐待防止法の施行 24 年 10 月には 障害者虐待の防止 養

第 1 章計画の概要

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

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神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

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1 計画策定の背景と趣旨 昭和 56(1981) 年の 完全参加 をテーマとする 国際障害者年 を契機に, 障害者福祉は大きく変化しました 国では, 平成 5(1993) 年 3 月に 障害者対策に関する新長期計画 が策定され, 同年 12 月には 障害者基本法 * が施行されました 以後も, 平成

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平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

1_【鑑】「生活困窮者自立支援制度と介護保険制度との連携について(通知)」の一部改正について

板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

1 広島市障害者計画の策定について

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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区分

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

スライド 1

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2

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負担割合の引き上げ 一定以上所得者の利用者負担の見直し 保険料の上昇を可能な限り抑えつつ 制度の持続可能性を高めるため これまで一律 1 割に据え置いている利用者負担について 相対的に負担能力のある一定以上の所得の方の自己負担割合を 2 割とする ただし 月額上限があるため 見直し対象者の負担が必ず

泉大津

多賀町地域福祉活動計画案(概要版)

1. 地域ケア会議の定義, 法的な位置づけ狛江市 ( 以下 市 ) では, 多様な生活課題を抱えている高齢者が, 地域で安心して自分らしく生活できる環境づくりを進めるため, 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 等への個別支援や関係機関 団体等の連携体制の構築を通じて, 介護支援専門員等が包括的か

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

平成20年度春の家居宅介護支援事業所事業計画

Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地

地域包括ケアシステム

表紙裏 ( 空白 )

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別紙2

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2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 介護保険は社会保険を構成する 1 つです 介護保険制度の仕組みや給付について説明していきます 介護保険制度 介護保険制度は 高齢者の介護を社会全体で支えるための制度

本来目指すべき療養病棟の転換の方向性 ( イメージ ) 一般病床 医療療養病床 (5:) 介護療養病床 H9 年度末で廃止 (6 年間の経過期間 ) 地域医療構想の推進と療養病床の再編 現行の介護療養病床は平成 9 年度末で廃止 ( 経過措置あり ) となり 新たな類型として介護医療院が設置され こ

6 基本理念及び基本目標 第 11 節 (1) 基本理念 すべての人が人間として尊ばれ 生きがいを持ち 心豊かに 安全に安心して暮らせる長寿社会の実現 (2) 基本目標 1 生涯をいきいきと暮らせる健康づくり ~ 健康寿命の延伸を目指して~ 2 社会参加と生きがいづくりの推進 3 地域における自立し

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

第2節 茨木市の現況

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資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

Microsoft Word - 調査結果

01 【北海道】



第3節 重点的な取り組み

意見を表示したものの全文 有料老人ホーム等の入居者が利用する訪問介護に係る介護給付費の算定について ( 平成 29 年 10 月 19 日付け厚生労働大臣宛て ) 標記について 会計検査院法第 36 条の規定により 下記のとおり意見を表示する 1 制度の概要 (1) 有料老人ホーム等の概要 記 貴省

人口構造の変化 1

Microsoft Word (全文)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

第3章 指導・監査等の実施


青森県高齢者居住安定確保計画 ( 案 ) 平成年月 青森県

地域包括ケアシステム 団塊の世代が75 歳以上となる2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 住まい 医療 介護 予防 生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます 今後 認知症高齢者の増加が見

サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要 バリアフリー化や居住者への生活支援の実施等の基準を満たす住宅について都道府県等が登録を実施 サービス付き高齢者向け住宅の登録制度は 高齢者の居住の安定確保に関する法律 ( 高齢者住まい法 ) の改正により 平成 23 年 10 月に創設 料金やサービス内容

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

居宅介護支援事業者向け説明会

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

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第2節 茨木市の現況

高齢者居住安定確保計画とは 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律 [ 平成 年 8 月 9 日施行 ] 高齢者の居住の安定の確保を一層推進するため 基本方針の拡充 都道府県による高齢者の居住の安定の確保に関する計画の策定 高齢者生活支援施設と一体となった高齢者向け優良賃貸住宅の供給

第 3 章計画の基本的な考え方 第 1 節制度改正のポイント 平成 30 年度以降の介護保険制度の主な改正内容は 次のとおりです (1) 介護保険施設に 介護医療院 の創設 ( 平成 30 年 4 月から ) 要介護者に対して 長期療養のための医療 と 日常生活の世話 ( 介護 ) を一体的に提供す

65歳~74歳 介護認定率(平成22年度)

北多摩南部圏域 東京都 武蔵野市 三鷹市 府中市 調布市 施設 36% 小金井市 狛江市 凡例 円グラフの大きさ 1,百万円未満 延べ 5百人未満 施設 居住系 1% 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 小 1,百万円以上 1,百万円未満 1,百万円以上 5百人以上 1,百人未満 1

区西北部圏域 豊島区 北区 板橋区 練馬区 1,000百万円未満 500百人未満 居住系 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 施設 19% 施設 36% 凡例 円グラフの大きさ 小 東京都 1,000百万円以上 10,000百万円未満 10,000百万円以上 500百人以上 1,00

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

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基本目標 1( 日常生活 ) 地域住民みんながつながり支えあう 心豊かなコミュニティづくり 核家族化や少子高齢化の進行に伴いさまざまな課題が顕著に現われるなか ライフスタイルの多様化や 携帯端末の普及などによる人と人とのつながり方の多様化もあり みなさんが生活する家庭や地域社会におけるつながりが希薄

合計特殊出生率 : 15 歳から49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので 1 人の女性が生涯に生む子どもの数の平均に相当するとされる 図 2-1 総人口及び年少 老年人口割合の推移 図 2-2 合計特殊出生率の推移 -8-

Transcription:

第 1 章計画の策定にあたって 本計画策定時点においてに代わる新元号が未定であるため 本書では 2020 年以降についても元号表記をのまま用いています 計画書中に (*) で表示しているものについては 資料編に用語解説があります 計画書中に ( ) で表示しているものについては 同頁に説明があります 障害 の表記について 法令等に基づくもの 名詞や一般的に漢字で表記したほうがわかりやすいものは 障害 を使用し それ以外は 障がい と表記しています

第 1 章計画の策定にあたって 1 計画策定の趣旨 介護保険制度が始まった 12 年に約 10 万人であった大田区の 65 歳以上の高齢者人口 は 29 年現在 17 年前の約 1.6 倍となる 16 万人を超えました 29 年 10 月現在の高 齢化率 * は 22.7% さらに 75 歳以上の高齢者の割合は 11.1% となっています 加えて 単身世帯の高齢者数も年々増加し 27 年現在約 4 万人と 高齢者の 4 分の 1 を占め るに至っています また 介護や支援を必要とする高齢者も年々増え 29 年 10 月 1 * 日現在の要支援 要介護認定者数は31,934 人 認定率 * は18.9% となっています 高齢者が住み慣れた地域で 安心して暮らすためには 高齢者の生活を支える医療 介護 介護予防 住まい 生活支援が 必要に応じ 適切かつ円滑にコーディネートされる体制である地域包括ケアシステムを構築することが必要です このために 大田区は 高齢者一人ひとりの自立支援 重度化防止の支援や 介護が必要になったときに安心して支援を受けられるよう 介護サービス等の 共助 行政の 公助 の体制整備をすすめます このうえで 高齢者一人ひとりが介護保険法の趣旨を踏まえて元気維持や介護が必要になったときのために備える 自助 高齢者が 支えられる側 のイメージにとらわれることなく 世代を超えて支え合う 互助 の地域づくりをすすめます 国の動きでは いわゆる 地域包括ケアシステム強化法 における 29 年の介護保険法等の改正は 第 5 期に初めて掲げられ 第 6 期において本格的に取組みを開始した地域包括ケアシステムの深化 推進 及び介護保険制度の持続可能性の確保を掲げています このため 自立支援 重度化防止に向けた取組 医療 介護連携の推進や 介護サービスの利用料について 特に所得の高い層の負担割合を3 割とすることなどが規定されました また 地域住民や地域の多様な主体が 我が事 として参画し これらの人と資源が世代や分野を超えて 丸ごと つながる 地域共生社会 の実現に向けた取組みを推進することが掲げられました この計画は 以上のような背景を踏まえ 大田区における今後 3 年間の高齢者福祉施策及び介護保険事業について取り組むべき事項を定めるものです また 計画期間は3 年間ですが 中長期的な視点として 団塊の世代 * が75 歳以上となる2025 年 ( 37 年 ) を見据えた計画を策定します 2

2 計画の基本的性格 (1) 老人福祉法及び介護保険法に基づく策定と見直しの時期 おおた高齢者施策推進プラン~ 大田区高齢者福祉計画 第 7 期介護保険事業計画 ~ は 老人福祉法第 20 条の8に基づく 市町村老人福祉計画 及び介護保険法第 117 条に基づく 市町村介護保険事業計画 を一体のものとして策定するものです 計画期間は 介護保険法に基づき 30 年度から 32 年度の3 年間です 前期計画から取り組んできた 地域包括ケアシステム 構築を深化 推進する計画です 27 年度 28 年度 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 37 年度 おおた高齢者施策推進プラン ~ 大田区高齢者福祉計画 第 6 期介護保険事業計画 ~ おおた高齢者施策推進プラン ~ 大田区高齢者福祉計画 第 7 期介護保険事業計画 ~ 37 年までの見通し : 37 年までのサービス 給付 保険料の水準の推計 (2) 本計画の位置づけ この計画は 老人福祉法及び介護保険法に基づくほか 高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 市町村高齢者居住安定確保計画 を包含します また 大田区の区政運営や施策の基本となる 大田区基本構想 及び 大田区基本計画 の高齢者分野の個別計画でもあります 加えて 大田区地域福祉計画 をはじめとする区の保健 福祉に関する計画と整合性を持った計画とします 大田区基本構想 大田区基本計画 老人福祉法 大田区地域福祉計画 介護保険法 おおた高齢者施策推進プラン ~ 大田区高齢者福祉計画 第 7 期介護保険事業計画 ~ 市町村高齢者居住安定確保計画 整合性 おおた障がい施策推進プラン おおた健康プラン 3

4 3 計画の基本理念と基本目標 (1) 基本理念と基本目標地域包括ケアシステムをさらに深化 推進するため 地域包括ケアシステムが実現した姿を表すとともに 大田区基本計画 に掲げられた高齢者分野の個別目標である 高齢者が住み慣れた地域で 安心して暮らせるまちをつくります を この計画の基本理念と位置づけ 自立支援 重度化防止に向け取り組みます また 大田区基本計画 における高齢者分野の 3 つの施策の目標を この計画の基本目標と位置づけます 大田区基本計画の体系将来像 : 地域力が区民の暮らしを支え 未来へ躍動する国際都市おおた子育て 教育 保健 福祉分野の基本目標 1 生涯を健やかに安心していきいきと暮らせるまち大田区基本計画との関係 [ 基本理念 ] 高齢者分野の個別目標高齢者が住み慣れた地域で 安心して暮らせるまちをつくります高齢者が住み慣れた地域で 安心して暮らせるまちをつくりますおおた高齢者施策推進プランの体系基本目標1高齢者がいきいきと暮らせるまちをつくります基本目標2高齢者が地域で包括的なケアを受け 安心して暮らせるまちをつくります基本目標3いざというときに高齢者を支える体制をつくります

(2) 基本目標概要 基本目標 1 高齢者がいきいきと暮らせるまちをつくります 基本目標 1では 8 割以上の人が要支援 要介護認定を受けていないなど 介護や支援を必要としていない元気な高齢者が これまでの人生で培ってきた経験や知識を活かしながら いつまでも生きがいを持って暮らせることをめざします 一人ひとりが 就労 社会参加 介護予防とさまざまに活動することにより 地域の担い手を育成するとともに 地域ぐるみで元気維持や自立支援への取組を促す施策をすすめます 基本目標 2 高齢者が地域で包括的なケアを受け 安心して暮らせるまちをつくります 基本目標 2では 介護や支援が必要となった高齢者が 生活を支えるために必要となる医療 介護 介護予防 住まい 生活支援などのサービスが適切 かつ円滑に確保されることで 地域の中で安心して暮らせる 地域包括ケアシステム を構築することをめざします 地域包括ケアシステム構築を中核となってすすめる地域包括支援センター * の機能を強化し 生活を支えるサービスの連携 発掘をすすめるとともに 介護保険サービスの充実 医療と介護の連携を推進する施策をすすめます 基本目標 3 いざというときに高齢者を支える体制をつくります 基本目標 3 では 災害時や介護者の急病など緊急時の生活 また 財産などの権利や 尊厳が守られ 高齢者が安心して暮らせることをめざします * * 福祉避難所等の災害時の支援体制の充実や 成年後見制度利用促進法が施行された ことも踏まえた成年後見制度の利用支援 虐待防止の施策をすすめます 5

(3) 基本目標達成に向けた視点と考え方 これらの基本目標の達成に向けた施策の取組は 地域力 の活用 分野を超えた 切れ目のない支援 対応が困難化する前の 予防的取組 の 3つの視点を踏まえて推進します 地域力大田区基本計画では 地域力 を 区民一人ひとりの力を源として 自治会 町会 事業者 団体 NPO * など様々な主体が持っている力 それら相互及び区との連携 協働によって生まれる力を含んだもの と定義しています ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が急増している中 地域住民の支え合いや 買い物 食事作り 見守り などといった 生活支援サービス のニーズが高まっています そのため 行政サービスのみならず 区民 NPO ボランティア 事業者等の多様な事業主体による重層的な支援体制を構築することが求められています 同時に 高齢者の社会参加をより一層推進することを通じて 元気な高齢者が生活支援や次世代支援の担い手として活躍するなど 高齢者が社会的役割を持つことで 生きがいや介護予防にもつなげる取組が重要です こうした地域づくりのために欠かせない力として 地域力 を積極的に活用する取組をすすめます 切れ目のない支援元気なときから介護が必要になったときまでという 時期の切れ目 に加え 一つの世帯の複数の課題等に対し 高齢分野 障がい分野といった 分野の切れ目 なく対応するため 地域包括支援センターを中心とする相談体制を充実し 世帯 地域を包括的に支援する取組をすすめます 予防的取組 加齢に伴う心身の機能低下に対し 早期から備えることの重要性が浸透するよう 介護予防 認知症予防などの取組を推進します また 見守り 支え合う地域をつくることによる虐待予防等 事態が発生する前の予防の取組をすすめるとともに 早期発見 早期対応することにより課題の複雑化 困難化を防ぐ取組をすすめます 6

おおた高齢者施策推進プランにおける 自立支援 重度化防止 の考え方 介護保険法は 自立した日常生活 及び国民の努力義務について 下記のとおり定めています ( 目的 ) 第 1 条この法律は 加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり 入浴 排せつ 食事等の介護 機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について これらの者が尊厳を保持し その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため 国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け その行う保険給付等に関して必要な事項を定め もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする ( 国民の努力及び義務 ) 第 4 条国民は 自ら要介護状態となることを予防するため 加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに 要介護状態となった場合においても 進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより その有する能力の維持向上に努めるものとする この計画においては 自立した日常生活 を 可能な限り できる範囲で 自分の生活 人生に主体的に参画し 自分らしい生活を営むこと とします 元気な高齢者はその状態を維持し 支援や介護が必要な高齢者は状態の維持向上に努めるとともに できる範囲で自分らしく暮らす その人に応じた 自立した日常生活 の実現を計画全体で支援します 自立支援及び要介護高齢者の要介護度の重度化防止のためには 介護保険法第 4 条に規定されるとおり 高齢者本人が意欲を持って主体的に取り組むことが欠かせません 加齢に伴い心身の機能が低下してきたとき できないから諦めて人に任せる よりも 手助けを受けながらも できる限り自分のしたいことを続ける 主体的な生き方に多くの高齢者が挑戦することができるよう この計画では 高齢者の意欲が高まることを掲げています 重度の要介護状態であっても 必ず その人に応じた自分らしい暮らし方があります そのような 自立した日常生活 を区は地域の皆様とともに応援していきます この考え方は 高齢者福祉計画 介護保険事業計画推進会議における検討を経て示しております 計画期間中に この考え方を区民 事業者に広く周知することをめざします 7

4 計画策定の体制と方法 (1) 区民との協働 高齢者福祉計画 及び 第 7 期介護保険事業計画 を一体的に策定するため 学識経験者 関係団体 公募委員で構成する 大田区高齢者福祉計画 介護保険事業計画推進会議 を設置し これまでの計画推進状況や計画の策定について 公開の場で審議を行ってきました また 区民意見公募手続 ( パブリックコメント ) * や区民説明会を通して区民からの意見を聴取し 区民との協働による計画策定を行いました (2) 関係部局の連携 高齢福祉課 介護保険課を中心に 福祉部のみならず 健康政策部 地域力推進部 まちづくり推進部 企画経営部 区民部の関係管理職で構成する 大田区高齢者福祉計画 介護保険事業計画庁内検討委員会 を設置し 計画策定の検討を行いました (3) 高齢者等実態調査等の実施 計画策定にあたり その基礎資料とするため 介護保険の被保険者 介護サービス事業者を対象に実態調査を行いました ( 以下 高齢者等実態調査 といいます ) 調査対象や調査方法及び回収状況は以下のとおりです 〇実施期間 28 年 11 月 10 日 ~12 月 5 日 調査対象者調査方法調査対象者数 有効回収数 ( 回収率 ) 要支援 要介護認定を受けていない 65 歳以上の被保険者 要支援 要介護認定を受け 居宅サービスを利用している 65 歳以上の被保険者 要支援 要介護認定を受け 介護保険サービスを利用していない 65 歳以上の被保険者 要支援 要介護認定を受け 区内の介護保険施設 有料老人ホーム 認知症高齢者グループホーム * を利用している 65 歳以上の被保険者 郵送配付 郵送回収 はがきによる督促 1 回 2,600 人 2,600 人 1,000 人 1,000 人 1,876 人 (72.2%) 1,579 人 (60.7%) 599 人 (59.9%) 607 人 (60.7%) 8

調査対象者 調査方法 調査対象者数 有効回収数 ( 回収率 ) 特別養護老人ホームへの入所申請をしている 65 歳以上の被保険者 700 人 376 人 (53.7%) 要支援 要介護認定を受けていない 40~64 歳の被保険者 要支援 要介護認定を受けている 40~64 歳の被保険者 区内の介護 ( 予防 ) サービス提供事業者 郵送配付 郵送回収 はがきによる督促 1 回 800 人 200 人 547 事業者 426 人 (53.3%) 118 人 (62.7%) 417 事業者 (76.2%) また 計画策定にあたり 大田区と東京都健康長寿医療センターが共同で実施した 大 田区シニアの健康長寿に向けた実態調査 の結果を活用しました 調査対象や調査方法 及び回収状況は以下のとおりです 〇実施期間 28 年 6 月 28 日 ~7 月 29 日 調査対象者調査方法調査対象者数 有効回収数 ( 回収率 ) 要支援 要介護認定を受けていない 65~84 歳の高齢者 郵送配付 郵送回収 はがきによる督促 1 回 15,500 人 11,701 人 (75.5%) (4) 介護給付実績の分析 評価 第 7 期介護保険事業計画の作成にあたり 第 6 期計画期間中の給付状況や要介護認定率については介護保険事業状況報告のデータのほか 地域包括ケア 見える化 システム * による他の保険者との地域間比較を行うなど 区の介護保険サービスの利用状況等の傾向や特徴等を分析しました 9

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