学会名 : 日本免疫不全症研究会 アンケート 1 1. アンケート 2 に回答する疾患名 (1) X 連鎖無 γ グロブリン血症 (2) 慢性肉芽腫症 2. 移行期医療に取り組むしくみあり :1 年に1 回の幹事会で 毎年 discussion している また 地区ごとの地方会で 内科の先生方にいか

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学会名 : 日本免疫不全症研究会 アンケート 1 1. アンケート 2 に回答する疾患名 (1) X 連鎖無 γ グロブリン血症 (2) 慢性肉芽腫症 2. 移行期医療に取り組むしくみあり :1 年に1 回の幹事会で 毎年 discussion している また 地区ごとの地方会で 内科の先生方にいかに啓蒙していくかということについて discussion を行っている 現状では小さな研究会組織なので 特別に委員会を設けたりはしていない 3. 成人期医療を扱う学会との間の協力体制現在のところありませんが 臨床免疫学会 日本血液学会 日本リウマチ学会がカウンターパートの候補です 協力の内容 : 各学会で 教育講演会などを行い 啓蒙活動を広げている 4. 参考資料 文献 IDF(immunodeficiency foundation) の patient handbook http://primaryimmune.org/idf-publications/patient-family-handbook/ Young Adults Living with Primary Immunodeficiency Diseases Adults Living with Primary Immunodeficiency Diseases 46

アンケート 2 疾患名 :X 連鎖無ガンマグロブリン血症 (XLA) 1. 日本における有病率 成人期以降の患者数 ( 推計 ) 約 250 人の患者が存在し 有病率は 40 万人に 1 人程度である うち成人期移行の患者数は 150 人程度である 2. 小児期の主な臨床症状 治療と生活上の障害 臨床症状は肺炎 気管支炎 中耳炎などの気道感染が主なものである 3-4 週間に 1 回免疫グロブリン補充療法のため通院が必要である 3. 成人期の主な臨床症状 治療と生活上の障害気道感染に加えて気管支拡張症 難治性下痢症 消化器がん 慢性神経疾患の合併を認めることが多い 免疫グロブリン補充療法は一生涯続く 4. 経過と予後免疫グロブリン補充療法によって健常人と変わらない生活を送ることができる成人もいるが 前述した合併症のため 著しく QOL を損ねた成人患者もおり 20 代後半あたりから死亡する患者も徐々に増加し 決して予後良好とは言えない 5. 成人期の診療にかかわる ( べき ) 診療科 膠原病内科 呼吸器内科 消化器内科 神経内科 血液内科など多肢にわたる 6. 成人期に達した患者の診療の理想 b. 小児科と成人診療科 ( 診療科名 : 問 5 に示す診療科 ) の併診コメント複数の合併症を抱えている場合には臓器別診療に特化した成人した成人診療科で主となる診療科が決まらないことがある 7. 成人期に達した患者の診療の現実 c. 小児科で診療を続けながら医師 患者の関係を変えてゆく 47

コメント 前述したように主科となる成人診療科が決まらないため 小児科外来で治療を続けて いることがしばしばである 8. 理想 (6) と現実 (7) の乖離の理由 a. 成人診療科側の受入れの不備 不十分 c. 患者 ( 家族 ) が自立しない 9. 成人期に達しても移行が進まない場合の問題 小児科外来での免疫グロブリン補充療法 合併する成人病への対応が不十分であったり 遅れたりすること 10. 解決のためにすべき努力 a. 成人診療科の医療者を対象に疾患についての教育 啓発 ( 診療科名 学会名 : 臨床免疫学会 ) b. 患者 家族を対象に自立に向けた働きかけ d. 当該疾患に関する小児科と成人診療科の混成チームの結成 11. 本疾患の移行に関するガイドブック等について c. 編纂準備中 ( 主体 :PID つばさの会 ( 患者会 ) 完成予定時期 : 平成 28 年末 ) 48

疾患名 : 慢性肉芽腫症 1. 日本における有病率 成人期以降の患者数 ( 推計 ) 慢性肉芽腫症登録患者 378 名中 19 歳以上は生年月日がわからない 11 名がおられますので 249/367=67.8% この年齢での死亡者は確認された患者で 69/249=27.7% です 18 歳以下は 118 名で 118/367=32.2% で, 死亡者は 5/118=4% です 1983 2013 年の約 30 年間の CGD 患者統計では子供人口 100 万人に対し 6.09±2.15 2. 小児期の主な臨床症状 治療と生活上の障害慢性肉芽腫症 (chronic granulomatous disease; CGD) は乳幼児期より重症細菌 真菌感染症を反復し 諸臓器に肉芽腫形成する特徴を有し 深在感染症 ( 肺肉芽腫 肝肉芽腫 皮膚化膿症 ) 難治性腸炎を呈し 難治性で慢性の経過を辿る 特に小児期の死亡が多かったのですが 最近はバクターによる感染予防や過剰炎症症候群対策が周知され 小児期の予後は前記のように良くなっている しかし 慢性炎症または過剰炎症のため皮膚 リンパ節 肺 肝臓 消化器の障害が成人期には著しくなる 就学 就職の面でも困難をきたすようになっている 重症度により骨髄移植が必要になり 2006 年までの統計では32 例の骨髄移植が実施され 7 名が死亡されている状態で 良性疾患にしては生存率が79% とまだ十分生着が得られていない状態だったが それ以降 RIC などの前処置が 生着率を改善している状態である やっと日本でも1 例の遺伝子治療が行われたところである 3. 成人期の主な臨床症状 治療と生活上の障害上記のように 慢性炎症または過剰炎症のため皮膚 リンパ節 肺 肝臓 消化器の障害が成人期には合併症が著しくなり 慢性化し皮膚膿瘍など難治性で薬剤耐性もあり治癒が難しくなり通院が必要となる 就学 就職の面でも困難をきたすようになっている 4. 経過と予後慢性肉芽腫症では これまでの死因として 重症感染症で 特に真菌感染症が多くなっている 予後には上記したように 18 歳以下での死亡は4% と19 以上の 27.7% と比較しても明らかである 高齢になるにしたがって 死亡率が上がっている 死亡原因としては 真菌感染症による臓器障害が大部分である 49

根治療法としての骨髄移植は 適応とされた初期の時代は (2000-2006 年 ) 32 名の移植症例で GVHD などの移植関連死が7 名ほどおられたが 前処置の工夫もあり 最近は数名となっている 骨髄移植ができない症例への遺伝子治療の試みがなされているが 初期の炎症の沈静化には有効であるが 長期の効果が十分得られていない 5. 成人期の診療にかかわる ( べき ) 診療科 総合的に診察していただくためには 血液内科だと思います 症例により 消化器内 科 呼吸器内科 眼科 皮膚科 脳外科 ( 脳炎後 ) 泌尿器科に相談している 6. 成人期に達した患者の診療の理想 a. 成人診療科 ( 診療科名 : 血液内科 感染症内科 ) に全面的に移行 b. 小児科と成人診療科 ( 診療科名 : 血液内科 感染症内科 ) の併診コメント小児科でよく経験する問題は 高血圧など高齢による合併症は内科で見てもらいたいというのが原則ですが 家族も本人もなかなか 疾患のため就学や就職ができておらず 自立を求められる内科への移行という点ではすぐに納得していただけないことが多い 小児科医としては 20 代まではその心理は理解できても 30 代 40 代で就職されている患者さんについては理解が十分できず できれば内科で専門に診てもらえるのが理想かと思います 7. 成人期に達した患者の診療の現実 b. 小児科と成人診療科 ( 診療科名 : 血液内科 ) の併診コメント移植後の症例の一部では d.( 小児科卒業後は 特にどこにもかからない ) もありうる 8. 理想 (6) と現実 (7) が乖離している場合 その主な理由は何ですか ( 複数回答可 ) a. 成人診療科側の受入れの不備 不十分 c. 患者 ( 家族) が自立しないコメント患者さんによって いろいろな経験 ( 重症感染症や難治性腸炎など ) や立場があるので 家族や本人が内科への移行を拒否されるなど 一概に原因はわからない 9. 成人期に達しても移行が進まない場合の問題 50

病棟の入院年齢が入院加算料のこともあり 小児期患者を優先すると言う規制があり 成人期の小児科関連疾患の患者が入院しにくくなっている 一方で内科の受け入れも 小児独特の疾患であるため 共診の形を要求される 10. 解決のためにすべき努力 a. 成人診療科の医療者を対象に疾患についての教育 啓発 b. 患者 家族を対象に自立に向けた働きかけ c. 小児科の医師を対象に成人期に入った患者の治療 管理に関する知識 技術の普及 f. 患者団体の強化 11. 移行に関するガイドブック等 d. 編纂の予定はない : 特になし 追加. 予防と環境への認識慢性肉芽腫症では 大量の真菌に暴露されると 激しい状態となり死亡される場合があり このような重症感染症がいつ来るかわからないことが多いので ( 活性酸素産生能がある程度残っている症例でも ) 本人の真菌感染に対する対策を含めた生活環境への注意が重要である 幼少期は家族の生活環境の見直しが ( 特にカビの生えやすいところを避けるなど ) また成人期には本人の生活環境への配慮を教育することが重要である 成人になると自らの判断で生活されるため予防的な手段が取られにくく 慢性化した段階で受診されることがしばしばとなり 成人でも定期的受診が望まれる 51