説明文書 母体血中 cell-free DNA を用いた非侵襲的出生前遺伝学的検査の臨床研究 1. はじめにこの説明文書は 母体血中 cell-free DNA を用いた非侵襲的出生前遺伝学的検査の臨床研究 について内容を説明したものです この研究に参加するかどうかをお決めいただく際に 遺伝カウンセ

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出生前診断を検討している妊婦さんへ

はじめに このサポートブックは 出生前診断に関する情報を提供することで 妊婦さんやパートナー ご家族 今後妊娠を考えている方の不安や疑問を軽減することを目的に作成しました 出生前診断を受けた場合 胎児に異常が見つかることがあります その際 妊娠中から赤ちゃんの病気が分かったから 心の準備ができて良か

4. 結果はお返ししない予定です [ 結果を開示しない場合 ] 今すぐに診療に役立てることができないため結果をお返ししない予定です ご理解く ださいますようお願いいたします 詳しくは ページへ ( 必要に応じて )5. 親権者の承諾のもと 未成年者の参加をお願いしています 詳しくは ページへ 6.

6. 研究が終わった後 血液を他の研究に使わせてください 詳しくは ページへ 病には未解決の部分がまだ多く残っています 今後のさらなる研究のため ご協力をお願いいたします ( 必要に応じて ) バンク事業へのご協力をお願いします 遺伝子を扱う研究を推進するため 多くの人の遺伝子の情報を集めて研究に使

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1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

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同意説明文書(見本)

ただし 対象となることを希望されないご連絡が 2016 年 5 月 31 日以降にな った場合には 研究に使用される可能性があることをご了承ください 研究期間 研究を行う期間は医学部長承認日より 2019 年 3 月 31 日までです 研究に用いる試料 情報の項目群馬大学医学部附属病院産科婦人科で行

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22. 都道府県別の結果及び評価結果一覧 ( 大腸がん検診 集団検診 ) 13 都道府県用チェックリストの遵守状況大腸がん部会の活動状況 (: 実施済 : 今後実施予定はある : 実施しない : 評価対象外 ) (61 項目中 ) 大腸がん部会の開催 がん部会による 北海道 22 C D 青森県 2

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臨床研究に参加される研究対象者の方へ 皮膚症状を呈する膠原病における炎症性サイトカインの病態への関与について に関する研究の説明 これは臨床研究への参加についての説明文書です 本臨床研究についてわかりやすく説明しますので 内容を十分ご理解されたうえで 参加するかどうか患者さんご自身の意思でお決め下さ

臨床試験の実施計画書作成の手引き

説明書

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全な生殖補助医療を含めて, それぞれの選択肢を示す必要がある. 3 種類の HIV 感染カップルの組み合わせとそれぞれの対応 1. 男性が HIV 陽性で女性が陰性の場合 体外受精この場合, もっとも考慮しなければいけないことは女性への感染予防である. 上記のように陽性である男性がすでに治療を受けて

手順書03

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(目的)

別紙

2009年8月17日

診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお

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配偶子凍結終了時 妊孕能温存施設より直接 妊孕能温存支援施設 ( がん治療施設 ) へ連絡がん治療担当医の先生へ妊孕能温存施設より妊孕能温存治療の終了報告 治療内容をご連絡します 次回がん治療の為の患者受診日が未定の場合は受診日を御指示下さい 原疾患治療期間中 妊孕能温存施設より患者の方々へ連絡 定

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サマリー記載について

Microsoft Word - HP用 同意書・説明書 130121

研究課題名 臨床研究実施計画書 研究責任者 : 独立行政法人地域医療推進機構群馬中央病院 群馬県前橋市紅雲町 1 丁目 7 番 13 号 Tel: ( 内線 )Fax: 臨床研究期間 : 年月 ~ 年月 作成日 : 年月日 ( 第 版

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年齢 年齢 1. 柏 2. 名古屋 3. G 大阪 4. 仙台 5. 横浜 FM 6. 鹿島 -19 歳 0 0.0% 0 0.0% 2 2.7% 1 1.4% 3 4.0% 3 4.6% 歳 4 5.0% 5 6.7% 7 9.6% 2 2.7% 2 2.7% % 25-2

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0

体外受精についての同意書 ( 保管用 ) 卵管性 男性 免疫性 原因不明不妊のため 体外受精を施行します 体外受精の具体的な治療法については マニュアルをご参照ください 当施設での体外受精の妊娠率については別刷りの表をご参照ください 1) 現時点では体外受精により出生した児とそれ以外の児との先天異常

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2. 研究の目的及び意義について目的 : 手根管症候群の臨床的な重症度と腱鞘滑膜に発現する炎症性のサイトカインやAGEsの関連を検討する事です 意義 : 手根管症候群の重症度と周囲組織の炎症の相関が明らかになれば 抗炎症作用を持つ薬剤が手根管症候群の治療に有用となる理由がより明らかとなると考えられま

検査項目情報 von Willebrand 因子 ( フォン ウィルレブランド因子 ) Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 血液学的検査 >> 2B. 凝固 線溶関連検査

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医療関係者 Version 2.0 RET 遺伝学的検査の実施について Ⅰ.RET 遺伝学的検査の対象 甲状腺髄様癌に対する RET 遺伝学的検査 平成 28 年 4 月より甲状腺髄様癌に対する RET 遺伝学的検査が保険収載された 診療報酬点数表によると 保険適用による RET 遺伝学的検査は 遺

2 受入施設別献血量 ( 推計値 ) ブロ都ック道府県 合計 全国血液センター献血者数速報 (Ⅰ) 血液センター 平成 30 年 12 月分 L % L % 日 L L % 日 L L % 台 L L % 台 L 8, ,768

平成 22 年第 2 四半期エイズ発生動向 ( 平成 22(2010) 年 3 月 29 日 ~ 平成 22(2010) 年 6 月 27 日 ) 平成 22 年 8 月 13 日 厚生労働省エイズ動向委員会

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第 40 回 看護総合 2009 年 平成 21 年 2009/7/18-19 京都府京都市 2009 年 2010 年 精神看護 2009/7/23-24 島根県松江市 2009 年 2010 年 母性看護 2009/8/6-7 佐賀県佐賀市 2009 年 2010 年 看護教育 2009/8/2

出生前遺伝学的検査と情報提供

 

目 次 1. はじめに 2. 臨床研究とは 3. 研究の目的 意義 4. 研究の対象と方法 5. 研究への自由意志参加 同意取消しの自由 6. 研究責任者 組織 7. 研究の場所 期間 8. 研究試料と情報の取り扱い 9. 研究結果の扱い 10. 研究資金源 11. 利益相反 12. 研究参加者の負

1 検査の背景 国立大学附属病院は 平成 16 年の国立大学の法人化以降 収支の企業的管理が必要 となり 個々の国立大学附属病院がその経営について独自に責任を負うこととなった そして 医療制度改革等では 国立大学附属病院を含めた病院の役割分担による医 療提供体制の再構築が求められている さらに 医療

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

1. 研究の名称 : 芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍の分子病理学的研究 2. 研究組織 : 研究責任者 : 埼玉医科大学総合医療センター病理部 准教授 百瀬修二 研究実施者 : 埼玉医科大学総合医療センター病理部 教授 田丸淳一 埼玉医科大学総合医療センター血液内科 助教 田中佑加 基盤施設研究責任者

別紙様式第1

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2 次 2 次 率 2 次 2 次 大阪教育 ( 教育 - 小中 - 保健体育 ) 69 ( 教育 - 中等 - 保健体育 ) 奈良教育 ( 教育 - 教科 - 英語 ( 中 )) 55.0 山口 ( 教育 - 学校 - 国語 ) 50.0 ( 教育 - 学校 - 英語 ) 52.5 福岡教育 (

妊婦甲状腺機能検査の実施成績 東京都予防医学協会母子保健検査部 はじめに て乾燥させたろ紙血液を検体とする 検体は本会の 妊婦の甲状腺機能異常による甲状腺ホルモンの 過不足は 妊娠の転帰に影響を与えるばかりでなく 代謝異常検査センターに郵送される 2 検査項目と検査目的および判定基準 生まれてくる子

課題名

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

マイクロサテライト不安定性(MSI)検査について

平成14年度研究報告

その最初の日と最後の日を記入して下さい なお 他の施設で上記人工授精を施行し妊娠した方で 自施設で超音波断層法を用いて 妊娠週日を算出した場合は (1) の方法に準じて懐胎時期を推定して下さい (3)(1) にも (2) にも当てはまらない場合 1 会員各自が適切と考えられる方法を用いて各自の裁量の

検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10)

Paternity Testing Corporation 血液による出生前親子 DNA 鑑定 インフォームドコンセント ( 裁判用 ) 必ず全文を読み 内容すべてに同意した上で鑑定を進めてください パタニティテスティングコーポレーション ( 以下 当社 という ) がこの鑑定を行うにあたり 被検者

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

通話品質 KDDI(au) N 満足やや満足 ソフトバンクモバイル N 満足やや満足 全体 21, 全体 18, 全体 15, NTTドコモ

1. この臨床研究は患者さんの治療のためではなく 新たな診断の確立のために行われます 尿路感染症の重症度を診断する際には CRP やプロカルシトニンなどの炎症マーカーが使用されておりますが これらのマーカーは 炎症が起きてから血中に出てくるまで時間がかかったり 炎症が良くなっても血液中からなかなか消

12 伴性遺伝 Modified from leaflets produced by Guy s and St Thomas Hospital, London; and the London IDEAS Genetic Knowledge Park, according to their quali

日本医師会「2008年度緊急レセプト調査(4~6月分)」結果報告(2008年8月6日)

別紙様式第1

目次 1. はじめに ( 臨床研究とは ) 今回の研究について 目的 方法 対象となる患者さん 研究方法 スケジュール 研究参加期間 研究参加予定人数.

- 1 - Ⅰ. 調査設計 1. 調査の目的 本調査は 全国 47 都道府県で スギ花粉症の現状と生活に及ぼす影響や 現状の対策と満足度 また 治療に対する理解度と情報の到達度など 現在のスギ花粉症の実態について調査しています 2. 調査の内容 - 調査対象 : ご自身がスギ花粉症である方 -サンプ

2 2) 確定的 / 非確定的 : 確定的とは検査結果がそのまま染色体や 遺伝子の状態をみているので 結果はその通りです 非確定的とは健常である又は健常でない可能性を予測するものです 従って陰性という結果を得ても陽性である場合や 逆に陽性という結果の中にも陰性の場合が含まれています 3) 侵襲性 /

日本産科婦人科学会雑誌第67巻第8号

平成19年度環境ラベルに関するアンケート調査集計結果報告

検査項目情報 1174 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090.HCGβ サブユニット (β-hcg) ( 遊離 ) HCGβ サブユニット (β-hcg) ( 遊離 ) Department of Clinical Lab

横須賀市医師会事務局小田切行 FAX 中学生に対するピロリ菌検診と除菌治療に関する調査研究 申込書 申込み生徒 フリガナ氏名 E 生年月日年月日 中学校 2 年組 保護者氏名 住所 連絡先 TEL この調査研究に参加を希望しますので 同意書を送付ください 申込書を FAX

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説明文書 母体血中 cell-free DNA を用いた非侵襲的出生前遺伝学的検査の臨床研究 1. はじめにこの説明文書は 母体血中 cell-free DNA を用いた非侵襲的出生前遺伝学的検査の臨床研究 について内容を説明したものです この研究に参加するかどうかをお決めいただく際に 遺伝カウンセリングの内容を補い 研究内容のご自身の理解を助けるために用意されています この説明文書の内容でわからないことや疑問点などがありましたら遠慮なくお尋ねください 2. 母体血中 cell-free DNA 胎児染色体検査について近年 高齢妊娠の増加に伴い 赤ちゃんの染色体疾患を危惧する妊婦さんの数は増加しています また 超音波診断装置の性能の向上や診断技術の進歩により 妊娠の早い時期に染色体疾患と関連する赤ちゃんの超音波所見が見つかることもあります 実際に このような状況におかれた妊婦さんは羊水穿刺や絨毛採取による染色体検査を行うかどうかを検討することになります しかし 羊水検査には 0.3% 絨毛検査には 1% の流産リスクがあり 母体にとっても胎児にとっても侵襲の少ない検査法の開発が検討されていました 1997 年に妊婦さんの血液の血漿成分中に胎盤に由来する浮遊 DNA が含まれていることが報告され それを用いて赤ちゃんの性別や遺伝子病を診断する研究が行われてきました また 赤ちゃんの染色体疾患の診断に応用する研究も行われていました そこに 高速度に遺伝子配列を読む研究装置が開発され この研究分野に応用されるようになりました この装置を用いて 母体血漿中の浮遊 DNA の断片の遺伝子配列を解読することで DNA 断片が何番染色体に由来しているかを判定することができます そして 染色体ごとにその断片数を集計して 赤ちゃんの染色体の数の変化 その代表的疾患がダウン症候群 (21 トリソミー ) や 18 トリソミー 13 トリソミーですが その検出を行います ( 母体血中 cell-free DNA 胎児染色体検査 : 母体血胎児染色体検査と略す ) この検査の精度ですが 検査結果が陰性の場合 赤ちゃんにその染色体疾患がみられる確率は 0.1% 以下といえます 検査結果が陽性の場合 赤ちゃんにその染色体疾患のみられる確率は相当高くなりますが 年齢や異常所見の有無によって異なります 通常の適応で羊水検査をうける方 ( 今回この検査を受ける方に相当します ) の場合は この検査の陽性適中率 ( 検査が陽性とでた場合に実際に染色体疾患が見られる率 ) は約 80-95% です 1

このように本検査は 母体と赤ちゃんの双方にとって侵襲がなく 生まれてくる赤ちゃんに見られる主な染色体疾患である 21 番 18 番 13 番染色体の数の変化を高い精度で検出する検査です 検査には 赤ちゃんに疾患があるのに陰性と出る ( 偽陰性 ) ことや 疾患がないのに陽性と出る ( 偽陽性 ) ことが稀にあります よって 確実な診断には羊水穿刺や絨毛採取による染色体検査が必要になります また母体の血漿中に浮遊する胎児の DNA 断片量が少ないとうまく結果がでなくて判定保留となることがあります その場合はもう一度採血をして再度検査することとなります 再検査による追加の費用は発生しません この検査で検出できる染色体疾患はダウン症 18 トリソミー 13 トリソミーの 3 種類のみです ダウン症は 21 番染色体が1 本多い染色体疾患です そこで 21 トリソミーとも呼ばれます ダウン症候群は常染色体の変化による疾患の中では最も頻度が高い疾患です ダウン症の人には知的発達や運動発達の遅れがみられたり 先天性心疾患などの病気の合併がみられますが その程度は一人一人で異なります 発達は全体的にゆっくりな傾向があります 根本的な治療法は今のところありませんが 最近の医療や療育 教育の進歩によりほとんどの方が学校生活や社会生活を送っています 中には趣味を生かし 画家や書道家 俳優として活躍している人もいます 18 トリソミーは 18 番染色体が一本多い染色体疾患です 子宮内から赤ちゃんの体重発育が遅れることが多く 90% に先天性の心臓病があり その重症度が赤ちゃんの生命力に大きく影響すると考えられています また運動面 知的な発達は強い遅れを認めます 出生 1 ヶ月で約半数が亡くなり 1 年後の生存率は約 10% といわれていますが 中学生になるまで成長した方もいらっしゃいます 13 トリソミーは 13 番染色体が一本多い染色体疾患です 複数の先天的な内臓疾患などを合併します 80% 以上が重篤な先天性心疾患を合併するとされ 運動や知的な発達は強い遅れを認めます 生命的な予後は内臓合併症によりますが 1 年後の生存率は約 10% といわれています どの赤ちゃんにも先天的な疾患などの障がいをもって生まれてくる可能性があります 先天的な疾患の頻度は 3-5% とされています 染色体疾患の赤ちゃんの出生頻度は約 0.6% です 染色体疾患を持つ赤ちゃんの障がいの程度には個人差が大きく 普通となんら変わりなく発育する赤ちゃんもいますが 障がいの程度が重篤で生後まもなく亡くなる場合もあります 生まれつき障がいをもっていることは その子どもの個性の一面でしかなく 障がいをもつことと本人および家族の幸 不幸は本質的には関連がないといわれています 障がいには上記のような先天的なものもありますが 生後に起こる障がいもあり 我々すべてがいつかはなんらかの障がいをもって生活する可能性があるといえます 2

3. 検査の方法について本検査は 妊婦さんが検査や検査でわかる疾患 検査結果によって起きうる状況について十分理解した上で研究参加を希望される場合に行われる検査です 高齢妊娠 前のお子様が染色体疾患であった 超音波検査で染色体疾患を疑う所見があるなど 赤ちゃんに染色体疾患 ( ダウン症 [21 トリソミー ] 18 トリソミー 13 トリソミー ) がみられる可能性が通常の妊婦さんに比べて高いと考えられる妊婦さんを対象とした検査です 検査を希望される場合は 本検査とともに羊水検査や絨毛検査などの確定的検査も説明して遺伝カウンセリングを行います 本検査は確定的検査ではないので 超音波所見などでダウン症 [21 トリソミー ] 18 トリソミー 13 トリソミーが極めて高く疑われる場合や他の染色体疾患が疑われる場合は 本検査を受ける意味がありません それらの説明を理解した上で 本検査を自らの意思で希望する場合に約 20mL 採血します 血液は米国の検査会社 (Sequenom 社や Ariosa 社 Natera 社 Verinata 社のいずれか ) に送られて検査されます これらは 十分な遺伝カウンセリングができる施設からの検体のみを受領している信頼できる検査会社です 検査でわかることは 赤ちゃんの染色体の中で 21 番 18 番 13 番染色体の数的変化の有無です 検査結果がでるまでには約 2 週間かかります 検査結果は遺伝カウンセリング外来で説明します 検査結果が染色体疾患を疑うという結果であった場合には その結果の意味やその後の確定的検査を受けるかどうかの判断などについて 自ら判断できるように遺伝カウンセリングを行いながらサポートいたします 後述のように 本研究は臨床研究として行われ 検査を受けた方の結果や転帰などを把握してその内容は研究事務局へ送付されます 事務局へ送付される報告内容は無記名ですので個人情報は含まれません なお 研究への参加を希望しない場合には 検査を受けることはできません 4. 検査に伴う利益と不利益本検査のメリットは 赤ちゃんの 21 番 18 番 13 番染色体の数的変化による疾患の有無の可能性を知りたい場合に 絨毛検査や羊水検査などの流産のリスクのある侵襲的な検査を行わないで結果を得ることができることです 本検査のデメリットは 採血が必要なことと自費診療になることです また検査の結果に動揺したり 混乱したり 不安や心配になる可能性があります 5. 本検査は臨床研究として行われます羊水検査や絨毛検査と同様に 母体血胎児染色体検査を受ける前後の遺伝カウンセリングは不可欠です 特に新しい検査であり 検査を受ける意味 検査の限界 検査の結果とその後の対応など いままで以上に細心な注意を払った遺伝カウンセリングが必要 3

となります 母体血胎児染色体検査は 侵襲がなく流産のリスクがないため 適切な遺伝カウンセリングを受けないで安易に検査を受けることが懸念されます そのため 十分な遺伝カウンセリングの提供が可能な限られた施設で限定的に行われるべきとされています そこで当センターならびに研究協力施設において十分な遺伝カウンセリング体制を整えて臨床検査として実施し 検査結果とその後の対応や転帰を調べます この研究の目標は ただ検査を受けて頂くだけではなく 検査の実態 ( 検査を受けた方の結果とその後の対応や転帰など ) を把握して解析できる体制を整備することを目的としています なお 研究結果は 日本産科婦人科学会が将来的に行う症例登録制度の作成のために 学会に提供されます 研究は母体血胎児染色体検査を希望する妊婦さんを対象として 2014 年 4 月頃から開始し 35,000 人の妊婦さんに参加して頂く予定です 6. 研究に参加することによる利益と不利益本研究の予測される成果として 検査を受けるに際して遺伝カウンセリングを適切に行って検査の実態を登録する体制が整うことで 将来検査を受けられる方へ貢献することができるといえます 7. 研究参加の自由と同意撤回の自由検査を選択され研究に参加するかどうかは自由で ご自身および配偶者に相当する方お二人でお決めいただきます 研究参加を選択されない場合にも何ら不利益はありません また いったん同意された後でも いつでも同意を撤回することができます ( 検査を受けた後に同意撤回された場合は 検査結果を伝えないようにいたします 採血をした翌日以降に同意撤回のご連絡をいただいた場合には 血液がすでに検査会社に送られているため 検査費用の返金はできません ) 本研究では配偶者の方も同意をいただく必要があるため 配偶者の方とは一緒によくお読みください 他の家族の方と一緒にご覧いただいても結構です この検査を選択される場合は 同意書 にご自身および配偶者の方のお二人の署名をお願いします 8. 費用負担 本研究で実施する検査は自己負担の検査で自費診療となります 検査費用は 約 21 万円です 9. 研究結果の学術的発表と個人情報の保護 一般に 新しい検査法を臨床に導入した際には その精度や利用価値についてのデー タを正しく蓄積し 学問的に公表していくことが必要です 本研究で実施する検査は 4

日本では 2013 年 4 月に開始されたばかりであり その結果やその後の対応と帰結などは 医療の進歩にかかわる大切な情報となります そのため カルテ情報を収集させていただきます またそれらを含めて 学術集会 論文などで発表させていただきます その場合には妊婦さん個人を特定できるような情報は完全に削除し 個人情報の保護には十分な配慮を講じます 10. 研究組織この臨床研究は 出生前診断に精通した臨床遺伝専門医 認定遺伝カウンセラーが複数名所属し 専門外来を設置して診療している施設が共同でおこなう研究です 当センターの他に以下のような複数の施設で行います この臨床研究は臨床検査会社その他民間企業からの資金援助は受けておりません 研究実施施設 (2013 年 11 月 30 日現在 ) 北海道大学 札幌医科大学附属病院 岩手医科大学附属病院 宮城県立こども病院 昭和大学病院 山王病院 東京女子医科大学 日本医科大学付属病院 横浜市立大学附属病院 埼玉医科大学病院 千葉大学医学部附属病院 新潟大学医歯学総合病院 名古屋市立大学病院 藤田保健衛生大学病院 大阪大学医学部附属病院 大阪市立総合医療センター 大阪府立母子保健総合医療センター 兵庫医科大学病院 神戸大学医学部附属病院 奈良県立医科大学 岡山大学病院 広島大学病院 徳島大学病院 愛媛大学医学部附属病院 四国こどもとおとなの医療センター 国立病院機構九州医療センター 長崎大学病院 福岡大学病院 大分大学医学部附属病院 11. 問い合わせ先この臨床研究全体の責任者 連絡窓口は以下の通りです 研究責任者 : 左合治彦国立成育医療研究センター周産期 母性診療センター長 157-8535 東京都世田谷区大蔵 2-10-1 TEL: 03-5494-0181( 代 ) 研究事務局 : 関沢明彦昭和大学医学部産婦人科 142-8666 東京都品川区旗の台 1-5-8 TEL: 03-3784-8000 ( 代 ) 5

施設内担当医師左合治彦 : 国立成育医療研究センター周産期 母性診療センターセンター長和田誠司 : 国立成育医療研究センター周産期 母性診療センター胎児診療科医師佐々木愛子 : 国立成育医療研究センター周産期 母性診療センター産科医師小崎里華 : 国立成育医療研究センター器官病態系内科部遺伝診療科医長西山深雪 : 国立成育医療研究センター周産期 母性診療センター遺伝カウンセラー 6