公表【農研機構プレス】H30組換えイネ(スギ花粉・WRKY)実験計画書、説明会_180223

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Transcription:

お知らせ 平成 30 年 2 月 27 日農研機構 平成 30 年度遺伝子組換えイネの第一種使用等 ( ) による栽培に関する実験計画書の公表及び説明会の開催 ( 第 1 種使用規程承認組換え作物栽培実験指針 に基づいた情報提供です ) ポイント 平成 30 年度に予定している遺伝子組換えイネ ( スギ花粉ペプチド含有イネ スギ花粉ポリペプチド含有イネ 複合病害抵抗性イネ ) の隔離ほ場における栽培について 別紙のとおり栽培実験計画書を公表します スギ花粉ペプチド含有イネ及びスギ花粉ポリペプチド含有イネは 配列を改変したスギ花粉アレルゲン遺伝子を導入したイネです 複合病害抵抗性イネは イネの転写因子 WRKY45 遺伝子を発現させ複数の病害に対して抵抗性を示すイネです 本件について 平成 30 年 3 月 20 日 ( 火曜日 ) に説明会を開催します 説明会では 平成 30 年度の栽培実験計画の説明と併せて 平成 29 年度に実施した遺伝子組換えイネの栽培管理結果の報告及び意見交換を行います 概要栽培実験計画書の公表先農研機構ホームページ http://www.naro.affrc.go.jp/nias/gmo/news/press/index.html 説明会について ( 事前に参加申込みが必要です ) 開催日時 : 平成 30 年 3 月 20 日 ( 火曜日 )13:00~16:00 会場 : 茨城県つくば市観音台 2-1-2 農研機構観音台第 3 事業場構造生物学研究棟附属施設 ( アネックス )2 階共用第 3 会議室申込方法 :3 月 19 日 ( 月曜日 )12 時までに問い合わせ先に電話又は E-mail にて 参加者の氏名 連絡先等をご連絡下さい 申込みを受け付け次第 折り返し申込み受領のご連絡をさし上げます 3 月 19 日 ( 月曜日 )15 時までに申込み受領の連絡がない場合は 同日 16 時までに電話によりご確認をお願いします 参加希望の方は 必ず事前にお申込み下さい 庁舎管理及び資料準備の関係から 事前申込みされていない方の入場は お断りいたしますので 付添の方も漏れなくお申し込み下さい 第一種使用等 : 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 に基づいた開放系 ( 本実験では隔離ほ場 ) での使用 問い合わせ先研究代表者 : 農研機構理事長井邊時雄栽培実験責任者 : 農研機構生物機能利用研究部門長門脇光一申込み 問合せ先 : 農研機構生物機能利用研究部門企画管理部遺伝子組換え研究推進室 ( 山崎 石川 ) 1

電話 :029-838-7138 E-mail:kenkyu-suishin@naro.affrc.go.jp 本資料は 筑波研究学園都市記者会 農業技術クラブに配付しています 農研機構 ( のうけんきこう ) は 農業 食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネーム ( 通称 ) です 新聞 TV 等の報道でも当機構の名称としては 農研機構 のご使用をお願い申し上げます 2

参考資料 農研機構は 平成 30 年 2 月 27 日 ( 火曜日 ) に 第 1 種使用規程承認組換え作物栽培実験指針 に基づき 遺伝子組換えイネ ( スギ花粉ペプチド含有イネ スギ花粉ポリペプチド含有イネ 複合病害抵抗性イネ ) の隔離ほ場における栽培に関する 栽培実験計画書 を公表しました この栽培実験計画書は以下のとおりです 栽培実験計画書スギ花粉ペプチド含有イネ (7Crp, Oryza sativa L.)(7Crp#10) の栽培 ( 別紙 1) スギ花粉ポリペプチド含有イネ (GluA2-F1 GluB1-F2 GluC-F3 SH-Cry j 2 改変 ALS, Oryza sativa L.)(OsCr11) の栽培 ( 別紙 2) 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L.) の栽培 ( 別紙 3) 3

( 別紙 1) 栽培実験計画書 栽培実験名スギ花粉ペプチド含有イネ (7Crp, Oryza sativa L.) (7Crp#10) の栽培 実施法人 研究所名 公表年月日平成 30 年 2 月 27 日 国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構生物機能利用研究部門 1. 栽培実験の目的 概要 (1) 目的国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構 ( 以下 農研機構 という ) 生物機能利用研究部門は 遺伝子組換え技術を用いて スギ花粉症の治療薬候補であるスギ花粉ペプチド含有イネ (7Crp, Oryza sativa L.)(7Crp#10) ( 以下 遺伝子組換えイネ という ) を開発しました 今回の栽培実験は 遺伝子組換えイネの野外栽培における生育特性等の調査及び加工プロセス開発や有効性 安全性調査のための種子の確保等を目的とします (2) 概要平成 30 年 3 月から平成 30 年 10 月まで 遺伝子組換えイネの栽培実験を行います 2. 栽培実験に使用する第 1 種使用規程承認作物 (1) 作物の名称スギ花粉ペプチド含有イネ (7Crp, Oryza sativa L.)(7Crp#10) (2) 第 1 種使用規程の承認取得年月日等平成 19 年 6 月 26 日に第 1 種使用規程 ( 隔離ほ場における栽培 保管 運搬及び廃棄並びにこれらに付随する行為 ) の承認を取得しています (3) 食品安全性承認又は飼料安全性承認作物の該当性食品安全性承認作物及び飼料安全性承認作物に該当しません 3. 栽培実験の全体実施予定期間 年度毎の栽培開始予定期間及び栽培終了予定期間 (1) 全体実施予定期間平成 30 年 3 月 ~ 平成 30 年 10 月 (2) 年度毎の栽培開始予定時期及び栽培終了予定時期等平成 30 年 3 月下旬 ~ 催芽 播種 育苗平成 30 年 4 月下旬 ~ 水田への移植平成 30 年 6 月中旬 ~ 出穂期 登熟期平成 30 年 8 月上旬 ~ 収穫 脱穀 乾燥平成 30 年 10 月残渣等の処理 4. 栽培実験を実施する区画の面積及び位置 ( 研究所内等の区画配置関係 ) 農研機構観音台第 3 事業場 ( 以下 観音台第 3 事業場 という ) 隔離ほ場 (1) 第 1 種使用規程承認作物の栽培規模 : 約 14.8 アールなお 水田近傍で 若干数のポットを用いた栽培も行います (2) 栽培実験区画の位置 : 茨城県つくば市観音台 2-1-2( 図 1 図 2 参照 ) 過去のデータ等から 本栽培実験区画では イネの開花期の平均風速が毎秒 3m を超えないことを確認しています 農研機構観音台第 4 事業場 ( 以下 観音台第 4 事業場 という ) 高機能隔離圃場 (1) 第 1 種使用規程承認作物の栽培規模 : 約 15 アール - 1 -

なお 水田近傍で 若干数のポットを用いた栽培も行います (2) 栽培実験区画の位置 : 茨城県つくば市観音台 3-1-1( 図 1 図 4 参照 ) 過去のデータ等から 本栽培実験区画では イネの開花期の平均風速が毎秒 3m を超えないことを確認しています 5. 同種栽培作物等との交雑防止措置に関する事項 (1) 交雑防止措置の内容観音台第 3 事業場の栽培実験区画は 観音台第 3 事業場外の最も近いほ場から約 200 m 離れています また 観音台第 4 事業場の栽培実験区画は 観音台第 4 事業場外の最も近いほ場から 250m 以上離れています なお 第 1 種使用規程承認組換え作物栽培実験指針 に従い 観音台第 3 事業場内及び観音台第 4 事業場内で試験栽培により開花させる同種栽培作物から 30m 以上の隔離距離をとります 開花前の低温により交雑の可能性が想定される場合及び開花期に台風等による強風が想定される場合には 防風ネット等で抑風する等の交雑防止措置をとります (2) モニタリング措置の内容遺伝子組換えイネは 食品安全性承認作物及び飼料安全性承認作物に該当しないため 遺伝子組換えイネの開発に用いた キタアケ と茨城県における開花期が同時期であるモチ品種 はくちょうもち を 図 2( 観音台第 3 事業場 ) 及び図 4( 観音台第 4 事業場 ) に示す地点で栽培して 遺伝子組換えイネの花粉が観音台第 3 事業場外及び観音台第 4 事業場外に飛散していないことを確認します 交雑の確認は キセニア現象 ( モチ品種にウルチ品種の花粉が受粉して玄米が半透明になること ) を利用して行います キセニアが見られた場合には 遺伝子組換えイネに導入した遺伝子の有無を検知できる PCR 法による解析により 花粉源が遺伝子組換えイネかどうかを判別します 交雑の確認に用いる種子数は 観音台第 3 事業場でのモニタリング及び観音台第 4 事業場でのモニタリングそれぞれについて 1 万粒以上です 6. 研究所等の内での収穫物 実験材料の混入防止措置 1 遺伝子組換えイネの種子を種子貯蔵庫から育苗施設まで搬入する際は こぼれ落ちないよう密閉容器等に入れて搬送します 2 中間管理作業 収穫作業等に使用した機械 器具 長靴等を栽培実験区画外へ移動する際は 隔離ほ場内の洗い場等において入念に清掃 洗浄します 3 出穂期から収穫期まで 防鳥網を設置し 野鳥等による食害及び種子の拡散を防ぎます 4 収穫は全て隔離ほ場で行い 脱穀作業は隔離ほ場 または 実験室で行います 収穫作業には専用の機械等を使用するか あるいは 使用後に隔離ほ場内で機械等を入念に洗浄します 5 収穫物は こぼれ落ちないよう密閉容器等に入れ 実験室や隔離ほ場の保冷庫等に保管します 7. 栽培実験終了後の第 1 種使用規程承認作物の処理方法 1 収穫した種子は 密閉容器等に保管し 加工プロセス開発や有効性 安全性調査等に使用します 調査終了後の種子は オートクレーブ等により不活化した後 廃棄します 2 栽培を終了した植物体の地上部は刈り取り後に焼却処分するか 残りのイネの残渣や残った株とともに隔離ほ場内に鋤き込む等により 確実に不活化します - 2 -

8. 栽培実験に係る情報提供に関する事項 1 栽培実験を開始する前の情報提供等茨城県 つくば市 JAつくば市谷田部及びJAつくば市へ情報提供を行います 今後も栽培実験の詳細について情報提供を行います 2 説明会等の計画平成 30 年 2 月 27 日栽培実験計画書の公表平成 30 年 3 月 20 日栽培実験に係る説明会 ( 場所 : 農研機構 ) 3 近隣住民への情報提供近隣自治会の自治会長宅へ出向き栽培実験に関して情報提供を行い 各戸には回覧で栽培実験の概要と説明会等についての情報提供を行います 4 その他の情報提供栽培実験の実施状況については 農研機構ホームページ (http://www.naro.affrc.go.jp/) で情報提供を行います 5 栽培実験に係る連絡先農研機構生物機能利用研究部門企画管理部遺伝子組換え研究推進室電話番号 029-838-7138 9. その他の必要な事項なし ( 参考 ) 今回栽培実験を行う遺伝子組換えイネは スギ花粉アレルゲンに由来する 7 種類の T 細胞エピトープを連結させたペプチドの遺伝子を導入したものです これまでに 閉鎖系温室 特定網室 隔離ほ場において生物多様性への影響を調査するとともに マウス ラット サルを用いた急性 / 亜慢性毒性試験 生殖試験 変異原性試験 ( 復帰突然変異試験 染色体異常試験 小核試験 ) 抗原性試験等を行い 動物実験で異常がないことを確認しています - 3 -

( 参考 ) [ これまでの開発 安全性評価 野外栽培の経緯 ] 平成 13 年 : アグロバクテリウム法による遺伝子導入実験平成 13 年 : 閉鎖系温室 特定網室にて生物多様性影響調査平成 17 年 6 月 : 農業生物資源研究所隔離ほ場にて栽培開始 同年 9 月に収穫平成 18 年 4 月 : 農業生物資源研究所隔離ほ場にて第 1 期作目の栽培開始平成 18 年 8 月 : 第 1 期作目の収穫と 第 2 期作目の栽培開始平成 18 年 11 月 : 第 2 期作目の収穫平成 19 年 6 月 : 作物研究所高機能隔離ほ場にて栽培開始 同年 9 月に収穫平成 25 年 4 月 : 作物研究所高機能隔離ほ場にて栽培開始 同年 9 月に収穫平成 26 年 4 月 : 作物研究所高機能隔離ほ場にて栽培開始 同年 8 月に収穫平成 27 年 4 月 : 作物研究所高機能隔離ほ場にて栽培開始 同年 7 月に収穫平成 29 年 4 月 : 観音台第 3 事業場 第 4 事業場隔離ほ場にて栽培開始 同年 8 月に収穫 [ スギ花粉米の効果 ] - 4 -

図 1 つくば市観音台地区周辺図 - 5 -

図 2 観音台第 3 事業場内の配置図 1 から 10 の位置で 花粉飛散モニタリング用モチ品種 はくちょうもち を栽培します - 6 -

図 3 観音台第 3 事業場隔離ほ場内の配置図 - 7 -

図 4 観音台第 4 事業場内の配置図 1 から 4 の位置で 花粉飛散モニタリング用モチ品種 はくちょうもち を栽培します - 8 -

21 m 23 m 水田 5 ( 栽培予定 ) 水田 3 ( 栽培予定 ) 水田 1 ( 栽培予定 ) 自然乾燥舎 農機具資材庫 水田 6 水田 4 水田 2 堆肥置場 焼却炉 洗車場 図 5 観音台第 4 事業場高機能隔離圃場内の配置図 - 9 -

( 別紙 2) 栽培実験計画書 栽培実験名 実施法人 研究所名 公表年月日平成 30 年 2 月 27 日 スギ花粉ポリペプチド含有イネ (GluA2-F1, GluB1-F2, GluC-F3, SH-Cry j 2, 改変 ALS, Oryza sativa L.) (OsCr11) の栽培 国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構生物機能利用研究部門 1. 栽培実験の目的 概要 (1) 目的国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構 ( 以下 農研機構 という ) 生物機能利用研究部門は 遺伝子組換え技術を用いて スギ花粉症の治療薬候補であるスギ花粉ポリペプチド含有イネ (GluA2-F1, GluB1-F2, GluC-F3, SH-Cr y j 2, 改変 ALS, Oryza sativa L.)(OsCr11)( 以下 遺伝子組換えイネ という ) を開発しました 今回の栽培実験は 遺伝子組換えイネの野外栽培における生育特性等の調査及び加工プロセス開発や有効性 安全性調査のための種子の確保等を目的とします (2) 概要平成 30 年 5 月から平成 30 年 11 月まで 遺伝子組換えイネの栽培実験を行います 2. 栽培実験に使用する第 1 種使用規程承認作物 (1) 作物の名称スギ花粉ポリペプチド含有イネ (GluA2-F1, GluB1-F2, GluC-F3, SH-Cry j 2, 改変 ALS, Oryza sativa L.)(OsCr11) (2) 第 1 種使用規程の承認取得年月日等平成 28 年 3 月 31 日に第 1 種使用規程 ( 隔離ほ場における栽培 保管 運搬及び廃棄並びにこれらに付随する行為 ) の承認を取得しています (3) 食品安全性承認又は飼料安全性承認作物の該当性食品安全性承認作物及び飼料安全性承認作物に該当しません 3. 栽培実験の全体実施予定期間 年度毎の栽培開始予定期間及び栽培終了予定期間 (1) 全体実施予定期間平成 30 年 5 月 ~ 平成 30 年 11 月 (2) 年度毎の栽培開始予定時期及び栽培終了予定時期等平成 30 年 5 月中旬 ~ 催芽 播種 育苗平成 30 年 6 月中旬 ~ 水田への移植平成 30 年 8 月下旬 ~ 出穂期 登熟期平成 30 年 9 月下旬 ~ 収穫 脱穀 乾燥平成 30 年 11 月まで残渣等の処理 4. 栽培実験を実施する区画の面積及び位置 ( 研究所内等の区画配置関係 ) 農研機構観音台第 3 事業場 ( 以下 観音台第 3 事業場 という ) 隔離ほ場 (1) 第 1 種使用規程承認作物の栽培規模 : 約 4 アールなお 水田近傍で 若干数のポットを用いた栽培も行います (2) 栽培実験区画の位置 : 茨城県つくば市観音台 2-1-2( 図 1 図 2 参照 ) 過去のデータ等から 本栽培実験区画では イネの開花期の平均風速が毎秒 3m を - 1 -

超えないことを確認しています 5. 同種栽培作物等との交雑防止措置に関する事項 (1) 交雑防止措置の内容栽培実験区画は 観音台第 3 事業場外の最も近いほ場から約 200m 離れています なお 第 1 種使用規程承認組換え作物栽培実験指針 に従い 観音台第 3 事業場内で試験栽培により開花させる同種栽培作物から 30m 以上の隔離距離をとります 開花前の低温により交雑の可能性が想定される場合及び開花期に台風等による強風が想定される場合には 防風ネット等で抑風する等の交雑防止措置をとります (2) モニタリング措置の内容遺伝子組換えイネは 食品安全性承認作物及び飼料安全性承認作物に該当しないため 遺伝子組換えイネの開発に用いた コシヒカリ変異系統 a123 と茨城県における開花期が同時期であるモチ品種 関東糯 236 号 を 図 2 に示す地点で栽培して 遺伝子組換えイネの花粉が観音台第 3 事業場外に飛散していないことを確認します 交雑の確認は キセニア現象 ( モチ品種にウルチ品種の花粉が受粉して玄米が半透明になること ) を利用して行います キセニアが見られた場合には 遺伝子組換えイネに導入した遺伝子の有無を検知できる PCR 法による解析により 花粉源が遺伝子組換えイネかどうかを判別します 交雑の確認に用いる種子数は 1 万粒以上です 6. 研究所等の内での収穫物 実験材料の混入防止措置 1 遺伝子組換えイネの種子を種子貯蔵庫から育苗施設まで搬入する際は こぼれ落ちないよう密閉容器等に入れて搬送します 2 中間管理作業 収穫作業等に使用した機械 器具 長靴等を栽培実験区画外へ移動する際は 隔離ほ場内の洗い場等において入念に清掃 洗浄します 3 出穂期から収穫期まで 防鳥網を設置し 野鳥等による食害及び種子の拡散を防ぎます 4 収穫は全て隔離ほ場で行い 脱穀作業は隔離ほ場 または 実験室で行います 収穫作業には専用の機械等を使用するか あるいは 使用後に隔離ほ場内で機械等を入念に洗浄します 5 収穫物は こぼれ落ちないよう密閉容器等に入れ 実験室や隔離ほ場の保冷庫等に保管します 7. 栽培実験終了後の第 1 種使用規程承認作物の処理方法 1 収穫した種子は 密閉容器等に保管し 加工プロセス開発や有効性 安全性調査等に使用します 調査終了後の種子は オートクレーブ等により不活化した後 廃棄します 2 栽培を終了した植物体の地上部は 刈り取り後に焼却処分するか 残りのイネの残渣や残った株とともに隔離ほ場内に鋤き込む等により 確実に不活化します 8. 栽培実験に係る情報提供に関する事項 1 栽培実験を開始する前の情報提供等茨城県 つくば市 JAつくば市谷田部及びJAつくば市へ情報提供を行います 今後も栽培実験の詳細について情報提供を行います 2 説明会等の計画平成 30 年 2 月 27 日栽培実験計画書の公表 - 2 -

平成 30 年 3 月 20 日栽培実験に係る説明会 ( 場所 : 農研機構 ) 3 近隣住民への情報提供近隣自治会の自治会長宅へ出向き栽培実験に関して情報提供を行い 各戸には回覧で栽培実験の概要と説明会等についての情報提供を行います 4 その他の情報提供栽培実験の実施状況については 農研機構ホームページ (http://www.naro.affrc.go.jp/) で情報提供を行います 5 栽培実験に係る連絡先農研機構生物機能利用研究部門企画管理部遺伝子組換え研究推進室電話番号 029-838-7138 9. その他の必要な事項なし ( 参考 ) 今回栽培実験を行う遺伝子組換えイネは スギ花粉症の主要なアレルゲンである Cry j 1( ペクテートリアーゼ ) 及び Cry j 2( ポリメチルガラクツロナーゼ ) の立体構造を改変したタンパク質をコードする遺伝子群を導入したものです 図 4 の様に Cry j 1 を 3 つに分割し それぞれをイネ種子貯蔵タンパク質と融合させた 改変 Cry j 1-F1 -F2 -F3 融合貯蔵タンパク質及び Cry j 2 を 3 つに分割し 各断片の順序を入れ替えて再結合させたシャッフル Cry j 2 タンパク質について イネ種子貯蔵タンパク質遺伝子のプロモーターを用いて種子胚乳特異的に発現させています これらの発現タンパク質は アレルゲンの立体構造を認識するスギ花粉症患者のアレルゲン特異的 IgE 抗体との結合性が低下しているため アナフィラキシーのリスクが低減した免疫寛容誘導剤としての利用が期待されています - 3 -

( 参考 ) [ これまでの開発 安全性評価 野外栽培の経緯 ] 平成 19 年 : アグロバクテリウム法による遺伝子導入実験平成 21 年 : 閉鎖系温室 特定網室にて生物多様性影響調査平成 23 年 7 月 : 農業生物資源研究所隔離ほ場にて栽培開始 同年 11 月に収穫平成 24 年 5 月 : 農業生物資源研究所隔離ほ場にて栽培開始 同年 9 月に収穫平成 25 年 5 月 : 農業生物資源研究所隔離ほ場にて栽培開始 同年 9 月に収穫平成 26 年 6 月 : 農業生物資源研究所隔離ほ場にて栽培開始 同年 10 月に収穫平成 27 年 5 月 : 農業生物資源研究所隔離ほ場にて栽培開始 同年 10 月に収穫平成 28 年 6 月 : 観音台第 3 事業場隔離ほ場にて栽培開始 同年 9 月と 10 月に収穫平成 29 年 6 月 : 観音台第 3 事業場隔離ほ場にて栽培開始 同年 10 月に収穫 [ スギ花粉米の効果 ] - 4 -

図 1 つくば市観音台地区周辺図 - 5 -

図 2 観音台第 3 事業場内の配置図 1 から 10 の位置で 花粉飛散モニタリング用モチ品種 関東糯 236 号 を栽培します - 6 -

図 3 観音台第 3 事業場隔離ほ場内の配置図 - 7 -

Original Cry j 1 GluA2 Cryj1-F1 GluA2 Cry j 1 (1-353) GluB1 Cryj1-F2 GluB1 Cryj1-F1 Cryj1-F2 Cryj1-F3 GluC Cryj1-F3 GluC Original Cry j 2 シャッフル Cry j 2 図 4 改変 Cry j 1-F1 -F2 -F3 融合貯蔵タンパク質及びシャッフル Cry j 2 タンパク質の構造 - 8 -

( 別紙 3) 栽培実験計画書栽培実験名実施法人 研究所名公表年月日 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L.) の栽培国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構生物機能利用研究部門 平成 30 年 2 月 27 日 1. 栽培実験の目的 概要 (1) 目的国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構 ( 以下 農研機構 という ) 生物機能利用研究部門は 遺伝子組換え技術を用いてイネの転写因子 WRKY45 遺伝子を発現させることにより 複数の病害に対して抵抗性をもつ複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ )( 以下 遺伝子組換えイネ という ) を開発しました 今回の栽培実験は 作製した遺伝子組換えイネの野外栽培における生育特性 収量特性及び複合病害抵抗性を評価し 多数の系統から最も良好な形質のものを選抜するとともに生物多様性影響評価等のデータを収集するために行います (2) 概要本栽培実験では 平成 30 年 4 月から平成 30 年 11 月まで 遺伝子組換えイネの栽培試験を行います 2. 栽培実験に使用する第 1 種使用規程承認作物 (1) 作物の名称 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L. 日本晴 ;NIA-OS001-8) 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L. 日本晴 ;NIA-OS002-9) 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L. 日本晴 ;NIA-OS003-1) 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L. たちすがた ;NIA-OS004-2) 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L. たちすがた ;NIA-OS005-3) 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L. たちすがた ;NIA-OS006-4) 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L. 日本晴 ;NIA-OS007-5) 複合病害抵抗性イネ (WRKY45 遺伝子発現イネ Oryza sativa L. たちすがた ;NIA-OS008-6) (2) 第 1 種使用規程の承認取得年月日等平成 29 年 4 月 20 日に第 1 種使用規程 ( 隔離ほ場における栽培 保管 運搬及び廃棄並びにこれらに付随する行為 ) の承認を取得しています (3) 食品安全性承認作物又は飼料安全性承認作物の該当性食品安全性承認作物及び飼料安全性承認作物に該当しません - 1 -

3. 栽培実験の全体実施予定期間 年度毎の栽培開始予定期間及び栽培終了予定期間 (1) 全体実施予定期間平成 30 年 4 月 ~ 平成 30 年 11 月 (2) 年度毎の栽培開始予定時期及び栽培終了予定時期等 水田区画 平成 30 年 4 月下旬 隔離ほ場に移植 平成 30 年 8 月 モニタリング調査 白葉枯病抵抗性検定等 平成 30 年 10 月 草丈等の生育調査及び収量調査 平成 30 年 10 月 残渣処理 ( 栽培終了 ) 畑ほ場 ( 第一作 ) 平成 30 年 5 月下旬 ~6 月上旬隔離ほ場に播種 ( 1 直播栽培 畑晩播法注 ) 平成 30 年 7 月いもち病抵抗性検定平成 30 年 8 月上旬鋤き込み ( 栽培終了 ) ( 第二作 ) 平成 30 年 8 月中旬 ~8 月下旬隔離ほ場に播種 ( 直播栽培 畑晩播法注 1 ) 平成 30 年 9 月上旬 ~10 月上旬いもち病抵抗性検定平成 30 年 11 月まで鋤き込み ( 栽培終了 ) 注 1 畑地に肥料を多めに投入し そこに高密度でイネ籾を直播 栽培するといもち病 ( 葉いもち ) が出やすくなることを利用した耐病性検定法 本計画ではさらに 予めいもち病菌を接種 感染させた非遺伝子組換えイネの近傍で遺伝子組換えイネを栽培し 高濃度のいもち病菌の胞子に暴露させ 発病程度を観察することでいもち病に対する抵抗性を調べる予定です - 2 -

4. 栽培実験を実施する区画の面積及び位置 ( 研究所内等の区画配置関係 ) (1) 第 1 種使用規程承認作物の栽培規模栽培実験区画の面積 規模 : 水田区画水田区域の面積計約 520m 2 ( 約 16m 約 16m が 2 ヶ所 ; 水田区画 A 及び B( 図 5 に位置 )) 枠水田の面積計 75m 2 (10m 1.25m の枠水田が 6 ヶ所 各水田区画に 3 つずつ設置 ; 図 1 に写真 ) なお 枠水田近傍 ( 防鳥網内部 ) で 若干数のポットを用いた栽培も行います 畑ほ場畑区域の面積計 320m 2 (20m 16m; 図 5 に位置 図 2 に写真 ) (2) 栽培実験区画の位置 : 茨城県つくば市観音台 3-1-3 農研機構観音台第 7 事業場 ( 以下 観音台第 7 事業場 という ) ( 図 3~5) 花粉の飛散を減少させるため 隔離ほ場の周りに防風林を備えています 水田区画には 風の勢いを弱めるため防風網が備えられています 過去データ等から 本栽培実験区画は イネの開花期の平均風速が毎秒 3m を超えないことを確認しています - 3 -

5. 同種栽培作物等との交雑防止措置に関する事項 水田区画 (1) 交雑防止措置の内容本遺伝子組換えイネの栽培実験区画は観音台第 7 事業場外の最も近い水田から 500m 以上離れております また 第 1 種使用規程承認組換え作物栽培実験指針 に従って 観音台第 7 事業場内で試験栽培により開花させる同種栽培作物から 30m 以上の隔離距離をとります 30m 以上の隔離距離を確保できずに開花させて栽培用に採種する場合は 交雑を防止するために袋掛けを行います また 開花前の低温により交雑の可能性が想定される場合及び開花期に台風等による強風が想定される場合には 防風ネット等で抑風する等交雑防止措置をとります (2) 食品安全性承認作物又は飼料安全性承認作物でない場合のモニタリング措置の内容本遺伝子組換えイネは 食品安全性承認作物 飼料安全性承認作物に該当しないため 観音台第 7 事業場外部との境界近くに 本遺伝子組換えイネの開発に用いた品種 日本晴 及び品種 たちすがた と茨城県における開花期が同時期であるモチ品種 ( モチミノリ 等 ) を図 4 に示す敷地内の 6 カ所で栽培して 観音台第 7 事業場外に遺伝子組換えイネの花粉が飛散していないことを確認する予定です モチ品種は移植時期を数段階に分けてポット栽培し 遺伝子組換えイネと出穂期の合った集団を使用します 交雑の確認は キセニア現象 ( モチ品種にウルチ品種の花粉が受粉して玄米が半透明になること ) を利用して行います キセニアが見られた場合には 遺伝子組換えイネに導入した遺伝子の有無を検知できる PCR 法による解析により 花粉源が遺伝子組換えイネかどうかを判別します 交雑の確認に用いる種子数は合計 1 万粒以上です 畑ほ場 (1) 交雑防止措置の内容本遺伝子組換えイネの栽培実験は幼苗期にいもち病への抵抗性を調べるものであり 開花前に調査を終了し 鋤き込みにより不活化することから 花粉の飛散はありません 6. 研究所等内での収穫物 実験材料への混入防止措置 1 遺伝子組換えイネの種子を種子貯蔵庫から育苗施設や隔離ほ場まで搬入する際には こぼれ落ちないよう密閉容器に入れて搬送します 育苗した苗を隔離ほ場に搬入する際には 苗を密閉容器に入れて搬送します 2 中間管理作業 収穫作業に使用した機械 器具 長靴等を栽培実験区画外へ移動する際は 隔離ほ場内の洗い場において入念に清掃 洗浄します 3 出穂期から収穫期まで 防鳥網を設置し 野鳥等による食害及び種子の拡散を防ぎます 4 収穫は全て隔離ほ場で行い 脱穀作業は隔離ほ場内または実験室内で行います 収穫作業には専用の機械等を使用するか あるいは使用後に機械等を隔離ほ場内で入念に洗浄します 5 収穫物はこぼれ落ちないように密閉容器に入れ 分析を行う実験室に保管します 7. 栽培実験終了後の第 1 種使用規程承認作物の処理方法等 1 収穫した種子は 密閉容器に保管し 特性調査 安全性調査等に使用します 調査終了後の種子はオートクレーブ等により不活化した後 廃棄します 2 水田にて栽培を終了した植物体の地上部は刈り取り オートクレーブ又は焼却炉を用い確実に不活化します 残りのイネの残渣及び残った株 畑ほ場で栽培したイネ植物体は 隔離ほ場内に埋設又は鋤き込むことにより 確実に不活化します - 4 -

8. 栽培実験に係る情報提供に関する事項 1 栽培実験を開始する前の情報提供等茨城県 つくば市 JA 谷田部及びJAつくばへ情報提供を行います 今後も栽培実験の詳細について情報提供を行います 2 説明会等の計画平成 30 年 2 月 27 日栽培実験計画書の公表平成 30 年 3 月 20 日栽培実験に係る説明会 ( 場所 : 農研機構 ) 3 近隣住民への情報提供近隣自治会の自治会長宅へ出向き栽培実験に関して情報提供を行い 各戸には回覧で栽培実験の概要と説明会等についての情報提供を行います 4 その他の情報提供栽培実験の実施状況については 農研機構ホームページ (http://www.naro.affrc.go.jp/) で情報提供を行います 5 本栽培実験に係る連絡先農研機構生物機能利用研究部門企画管理部遺伝子組換え研究推進室電話番号 029-838-7138 9. その他の必要な事項特になし ( 参考 ) 今回 栽培試験を行う遺伝子組換え植物は イネから単離した転写因子 WRKY45 の遺伝子を導入したイネで いもち病や白葉枯病に対して抵抗性が付与されたものです また 選抜マーカーとして 大腸菌由来のハイグロマイシン抵抗性遺伝子又はイネ由来の除草剤抵抗性遺伝子 ALS が導入されています 比較のため 食用品種 日本晴 及び飼料用品種 たちすがた を宿主とし それぞれの品種で各 4 種のプロモーターで WRKY45 を発現させた計 8 種の遺伝子組換えイネの栽培を予定しており 平成 30 年度は 40 系統程度 約 1,500 個体を水田区画で 約 20,000 個体を畑ほ場で栽培する予定です WRKY45 に関しては 農研機構のホームページ (http://www.naro.affrc.go.jp/) にも情報があります いもち病 ; イネの重要病害の 1 つ 病原体はカビの一種 日本全土で発生し 病気による年間の被害総額は数百億円に上ります また 防除に使われる農薬は約 220 億円になります 白葉枯病 ; イネの重要病害の 1 つ 病原体は細菌の一種 日本では西南暖地を中心に発生し アジアにおいてはもっとも甚大な被害を与える病害として知られています 転写因子 ; 細胞内で遺伝子のスイッチをオンあるいはオフにする機能を持つタンパク質 - 5 -

図 1 水田区画 図 2 畑ほ場 2 図 3 農研機構つくば観音台事業場配置図 - 6 -

図 4 観音台第 7 事業場内隔離ほ場位置 ( 赤の四角 ) 及びモニタリング用ポットの設置場所 ( 数字 ; 予定 ) N 水田区画 A 畑ほ場 2 水田区画 B 図 5 隔離ほ場内配置図 - 7 -