Microsoft Word - 【Q&A→自治体】セファゾリン事務連絡

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(地Ⅲ116)

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

名称未設定

づけられますが 最大の特徴は 緒言の中の 基本姿勢 でも述べられていますように 欧米のガイドラインを踏襲したものでなく 日本の臨床現場に則して 活用しやすい実際的な勧告が行われていることにあります 特に予防抗菌薬の投与期間に関しては 細かい術式に分類し さらに宿主側の感染リスクも考慮した上で きめ細

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

(案の2)

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

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2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

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ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

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2012 年 7 月 18 日放送 嫌気性菌感染症 愛知医科大学大学院感染制御学教授 三鴨廣繁 嫌気性菌とは嫌気性菌とは 酸素分子のない環境で生活をしている細菌です 偏性嫌気性菌と通性嫌気性菌があります 偏性嫌気性菌とは 酸素分子 20% を含む環境 すなわち大気中では全く発育しない細菌のことで 通

第 88 回日本感染症学会学術講演会第 62 回日本化学療法学会総会合同学会採択演題一覧 ( 一般演題ポスター ) 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 ア



耐性菌届出基準

抗菌薬の適正使用に向けた8学会提言 抗菌薬適正使用支援(Antimicrobial Stewardship ; AS)プログラム推進のために

改訂の理由及び調査の結果直近 3 年度の国内副作用症例の集積状況 転帰死亡症例 国内症例が集積したことから専門委員の意見も踏まえた調査の結果 改訂することが適切と判断した 低カルニチン血症関連症例 16 例 死亡 0 例

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3. 定期接種の接種時期について結核の定期接種の対象者については 1 歳に至るまでの間にある者と予防接種法施行令 ( 昭和 23 年政令第 197 号 ) 第 1 条の3に規定されているが 本件に伴い 2に記載した方法を検討してもなお やむを得ず1 歳を超えて接種を行った者に対して定期接種の対象外と

グリコペプチド系 >50( 常用量 ) 10~50 <10 血液透析 (HD) 塩酸バンコマイシン散 0.5g バンコマイシン 1 日 0.5~2g MEEK 1 日 4 回 オキサゾリジノン系 ザイボックス錠 600mg リネゾリド 1 日 1200mg テトラサイクリン系 血小板減少の場合は投与

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

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背景 ~ 抗菌薬使用の現状 ~ 近年 抗微生物薬の薬剤耐性菌に伴う感染症の増加が国際的にも大きな課題の一つに挙げられている 欧州及び日本における抗菌薬使用量の国際比較 我が国においては 他国と比較し 広範囲の細菌に効く経口のセファロスポリン系薬 キノロン系薬 マクロライド系薬が第一選択薬として広く使

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感染症学 責任者 コーテ ィネーター 担当講座 学科 ( 分野 ) 情報薬科学分野西谷直之教授 情報薬科学分野 医学部臨床検査医学講座 対象学年 2 期間後期 区分 時間数 講義 18 時間 単位数 1 単位 学習方針 ( 講義概要等 ) 感染症学では既習の微生物学の知識を基にして 感染症の侵入門戸

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葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

180313_①QA事務連絡

topics vol.82 犬膿皮症に対する抗菌剤治療 鳥取大学農学部共同獣医学科獣医内科学教室准教授原田和記 抗菌薬が必要となるのは 当然ながら細菌感染症の治療時である 伴侶動物における皮膚の細菌感染症には様々なものが知られているが 国内では犬膿皮症が圧倒的に多い 本疾患は 表面性膿皮症 表在性膿

(地Ⅲ  )

抗菌療法

(事務連絡)公知申請に係る前倒し保険適用通知

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

中小医療機関における輸血 療法委員会の設置に向けて 長崎県合同輸血療法委員会平成 31 年 1 月 16 日

スライド 1

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

割合が10% 前後となっています 新生児期以降は 4-5ヶ月頃から頻度が増加します ( 図 1) 原因菌に関しては 本邦ではインフルエンザ菌が原因となる頻度がもっとも高く 50% 以上を占めています 次いで肺炎球菌が20~30% と多く インフルエンザ菌と肺炎球菌で 原因菌の80% 近くを占めていま

都道府県医師会 情報システム担当理事殿 ( 情シ 35) 平成 30 年 11 月 6 日日本医師会常任理事石川広己 医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策の周知について 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます 日頃より会務運営に対しましてご高配を賜り深く感謝申し上げます 医療機関でのIT

薬生発 0926 第 5 号 平成 29 年 9 月 26 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について コンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関しては これまで

よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎

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から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

公開情報 2016 年 1 月 ~12 月年報 院内感染対策サーベイランス集中治療室部門 3. 感染症発生率感染症発生件数の合計は 981 件であった 人工呼吸器関連肺炎の発生率が 1.5 件 / 1,000 患者 日 (499 件 ) と最も多く 次いでカテーテル関連血流感染症が 0.8 件 /

薬剤耐性とは何か? 薬剤耐性とは 微生物によって引き起こされる感染症の治療に本来有効であった抗微生物薬に対するその微生物の抵抗性を言う 耐性の微生物 ( 細菌 真菌 ウイルス 寄生虫を含む ) は 抗菌薬 ( 抗生物質など ) 抗真菌薬 抗ウイルス薬 抗マラリア薬などの抗微生物薬による治療に耐えるこ

「薬剤耐性菌判定基準」 改定内容

2006 年 3 月 3 日放送 抗菌薬の適正使用 市立堺病院薬剤科科長 阿南節子 薬剤師は 抗菌薬投与計画の作成のためにパラメータを熟知すべき 最初の抗菌薬であるペニシリンが 実質的に広く使用されるようになったのは第二次世界大戦後のことです それまで致死的な状況であった黄色ブドウ球菌による感染症に

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1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

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抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好

は関連する学会 専門医制度と連携しており, 今後さらに拡大していきます. 日本外科学会 ( 外科専門医 ) 日本消化器外科学会 ( 消化器外科専門医 ) 消化器外科領域については, 以下の学会が 消化器外科データベース関連学会協議会 を組織して,NCD と連携する : 日本消化器外科学会, 日本肝胆

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27 年度調査結果 ( 入院部門 ) 表 1 入院されている診療科についてお教えください 度数パーセント有効パーセント累積パーセント 有効 内科 循環器内科 神経内科 緩和ケア内科

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

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鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

公開情報 27 年 月 ~2 月年報 ( 全集計対象医療機関 ) 院内感染対策サーベイランス全入院患者部門 解説. データ提出医療機関数 27 年年報 (27 年 月 ~2 月 ) の集計対象医療機関数は 863 医療機関であり 前年より 医療機関増加した これは国内 8,2 医療機関の.2% を占

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

第11回感染制御部勉強会 『症例から考える抗MRSA治療薬の使い方』

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未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

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【資料1】結核対策について

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

手術部位感染 (SSI) 対策 はじめに 感染のリスクの高い 手術 という医療行為においては 100 % 感染を防ぐ方法は現在無く 少なからず術中 術後感染が起こり得る そのリスクを低コストで 最小限に抑えることが重要である 周術期の手術部位感染 (SSI: Surgical Site Infect

通常の市中肺炎の原因菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌に加えて 誤嚥を考慮して口腔内連鎖球菌 嫌気性菌や腸管内のグラム陰性桿菌を考慮する必要があります また 緑膿菌や MRSA などの耐性菌も高齢者肺炎の患者ではしばしば検出されるため これらの菌をカバーするために広域の抗菌薬による治療が選択されるこ

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

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2012 年 11 月 21 日放送 変貌する侵襲性溶血性レンサ球菌感染症 北里大学北里生命科学研究所特任教授生方公子はじめに b 溶血性レンサ球菌は 咽頭 / 扁桃炎や膿痂疹などの局所感染症から 髄膜炎や劇症型感染症などの全身性感染症まで 幅広い感染症を引き起こす細菌です わが国では 急速な少子

(Microsoft PowerPoint - \201iweb\214\374\201j2009_11 \222\307\225\342\225i\224\255\224\204\210\304\223\340.PPT)

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中

事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法

写 29 生畜第 50 号平成 29 年 4 月 10 日 一般社団法人日本養蜂協会会長大島理森殿一般社団法人全国はちみつ公正取引協議会会長早川幸男殿 農林水産省生産局畜産部畜産振興課長食肉鶏卵課長 蜂蜜を原因とする乳児ボツリヌス症予防に係る注意喚起について 今般 東京都足立区において 乳児に対し離

( 保 99) 平成 29 年 9 月 4 日 都道府県医師会 社会保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本純一 被保険者証の氏名表記について 被保険者証の氏名表記につきましては 性同一性障害を有する被保険者又は被扶養者から 被保険者証において通称名の記載を希望する旨の申出があったことから 保険者が

【事務連絡】偽造医薬品省令Q&A

2015 年 9 月 30 日放送 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE) はなぜ問題なのか 長崎大学大学院感染免疫学臨床感染症学分野教授泉川公一 CRE とはカルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 以下 CRE 感染症は 広域抗菌薬であるカルバペネム系薬に耐性を示す大腸菌や肺炎桿菌などの いわゆる

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抗菌薬の適正使用に向けた8 学会提言「抗菌薬適正使用支援(Antimicrobial Stewardship:AS)プログラム推進のために」―提言発表の背景と目的―

別添 注射用抗がん剤等の安全な複数回使用の要点 1. 注射用抗がん剤等の複数回使用の定義 : 通常の単回使用注射薬を同時に又は一定期間後に患者に使用することをいう 同一の患者又は複数の患者に使用する場合がある 2. 複数回使用する単回使用注射薬の選択 : (1) 複数回使用する対象の単回使用注射薬の

Transcription:

事務連絡 平成 31 年 4 月 10 日 都道府県 各保健所設置市 特別区 衛生主管部 ( 局 ) 御中 厚生労働省健康局結核感染症課 厚生労働省医政局経済課 セファゾリンナトリウム注射用 日医工 が安定供給されるまでの対応について の Q&A について 標記について セファゾリンナトリウム注射用 日医工 が安定供給されるまでの対応について ( 周知依頼 ) ( 平成 31 年 3 月 29 日付け事務連絡 ) を発出したところですが 今般 当該事務連絡に係る Q&Aを別添のとおり取りまとめましたので 貴管内医療機関に周知をお願いします

< 別添 > ( 略語 ) 事務連絡 : セファゾリンナトリウム注射用 日医工 が安定供給されるまでの対応について ( 周知依頼 ) ( 平成 31 年 3 月 29 日付け事務連絡 ) 問事務連絡別添の代替薬リスト中 セファゾリンの代替薬として 例えば バンコマイシン や リネゾリド ダプトマイシン などメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 等の耐性菌に適応が限定されている抗菌薬も例示されているが 耐性菌以外の場合においても そうした抗菌薬をセファゾリンの代替薬として使用してもよいのか ( 答 ) 適応が限定されている抗菌薬については 使用しようとする抗菌薬の添付文書を十分確認し 効能 効果 に記載がある適応菌種や適応症 用法 用量 使用上の注意 などに従って適切に使用すること

事務連絡 平成 31 年 3 月 29 日 都道府県 各保健所設置市 特別区 衛生主管部 ( 局 ) 御中 厚生労働省健康局結核感染症課 厚生労働省医政局経済課 セファゾリンナトリウム注射用 日医工 が安定供給されるまでの対応について ( 周知依頼 ) 平成 31 年 2 月に日医工株式会社 ( 以下 日医工 という ) から セファゾリンナトリウム注射用 0.25g/0.5g/1g/2g 製品供給に関するご案内 により 同社製品供給に支障をきたす可能性がある旨の周知があったところです このことについて 厚生労働省においては 日医工に対して早急な供給再開へ努めるよう求めるとともに 同種同効品の製造販売業者に対して上記を伝え 同製品の供給再開までの間の同種同効品の生産増強等について配慮を求めているところですが 供給再開の具体的な時期は未だ見通せておらず また今後 同製品の代替品と考えられる製品についても一時的に供給が不足する可能性があることがわかっています そこで 同製品の安定供給が再開されるまでの間の対応について 下記のことについて 貴管内医療機関に周知をお願いします なお 本件については 公益社団法人日本医師会 公益社団法人日本薬剤師会にも別添のとおり周知していることを申し添えます 記 同製品の供給の不足に伴う影響を最小限にし かつ抗菌薬適正使用の観点から 既存の診療ガイドライン等を踏まえ 国立研究開発法人国立国際医療研究センター AMR 臨床リファレンスセンターの協力のもと 別添のとおり代替薬リストを作成したため 各医療機関においては 関係部門 ( 同製品を用いる各診療部門の他 感染制御部門 抗菌薬適正使用支援部門等を含む ) と情報共有の上 御活用いただきたい

供給不足等によりセファゾリンを使用できない場合の代替薬リスト ( 別添 ) 利用にあたっては必ず注意点を確認すること 注意点 このリストは 臨床上の利便のために既存のガイドライン等の内容に基づいて作成したものであり 抗菌薬の処方に関する最終的な決定は ( 場合によって感染対策チーム (ICT) 抗菌薬適正使用支援チーム(AST) 等の助言を踏まえ ) 治療にあたる医師が行うものである このリストは供給不足等によりセファゾリンが使用できない場合の代替薬候補となる薬剤の一覧であり これらの病態 術式に対する本来の推奨薬とは限らない薬剤も含まれる また 本リストに掲載されていない薬剤が不適切とは限らない 個別の患者マネジメントにおいては病態や術式を十分に検討して決定すること 記載順は推奨順ではなく 抗菌薬の系統別に整理し記載している 投与経路の記載のない薬剤はすべて注射薬である もともとセファゾリンの使用が推奨されていない場合( 例 : 消化管を利用した尿路変更術を伴う膀胱摘除術での周術期予防投与 ) は ガイドライン等を参照して抗菌薬を選択する 本リストに記載されている薬剤は推奨される投与量や投与間隔がセファゾリンとは異なるため 必ず添付文書や各種ガイドラインを確認すること 周術期予防抗菌薬に関する本邦の総合的なガイドラインとして 術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン ( 日本化学療法学会 / 日本外科感染症学会 ) がある (http://www.chemotherapy.or.jp/guideline/jyutsugo_shiyou.html)

周術期予防抗菌薬 ( セファゾリンを選択する術式の代替薬 ) 領域ターゲットとする細菌セファゾリンの代替薬 ( 例 ) 備考 脳神経外科黄色ブドウ球菌 レンサ球菌セフォチアム セフォタキシム セフトリアキソン クリンダマイ シン バンコマイシン 耳鼻咽喉科 黄色ブドウ球菌 口腔内嫌気 アンピシリン スルバクタム セフォチアム クリンダマイシン 口腔内切開を伴う場合は嫌気性菌をカバーするためクリンダ 性菌 レンサ球菌 マイシン アンピシリン スルバクタムを選択する 心血管外科 ( 心臓 血管 ) 黄色ブドウ球菌 レンサ球菌 セフォチアム セフォタキシム セフトリアキソン クリンダマイシン バンコマイシン 胸部外科 ( 肺 気管 ) 口腔内嫌気性菌 レンサ球菌 アンピシリン スルバクタム セフォチアム クリンダマイシン 乳腺外科 黄色ブドウ球菌 レンサ球菌 セフォチアム クリンダマイシン 上部消化管外科 ( 食道 胃 空腸 ) 大腸菌 肺炎桿菌アンピシリン スルバクタム セフォチアム 消化器外科 腸内細菌科細菌 アンピシリン スルバクタム セフォチアム セフメタゾール フ ( 肝 胆嚢 胆管 膵 ) ロモキセフ 婦人科 腸内細菌科細菌 Bacteroides アンピシリン スルバクタム セフォチアム セフメタゾール フ fragilis グループ ロモキセフ 泌尿器科腸内細菌科細菌アンピシリン スルバクタム セフォチアム アミノグリコシド系 薬 シプロフロキサシン ( 注射 経口 ) レボフロキサシン ( 注 整形外科 ( 脊椎手術 人工骨頭 置換術など ) 黄色ブドウ球菌 レンサ球菌 射 経口 ) セフォチアム セフメタゾール フロモキセフ クリンダマイシ ン バンコマイシン

治療用抗菌薬 ( 一般にセファゾリンを用いることが多いと考えられるもの ) 感染症ターゲットとする細菌セファゾリンの代替薬 ( 例 ) 備考 黄色ブドウ球菌 (MSSA) 菌血症黄色ブドウ球菌アンピシリン スルバクタム セフォタキシム セフトリアキソ ン バンコマイシン ダプトマイシン これらによる治療成績はセファゾリンに劣るか十分なエビデ ンスがないため セファゾリンを優先的に使用する 軟部組織感染症 ( 蜂窩織炎 丹毒など ) 黄色ブドウ球菌 レンサ球菌 アンピシリン スルバクタム セフォタキシム セフトリアキソン クリンダマイシンアモキシシリン クラブラン酸 ( 経口 ) セファレキシン( 経口 ) クリンダマイシン( 経口 ) 急性骨髄炎 化膿性関節炎黄色ブドウ球菌セフォタキシム セフトリアキソン クリンダマイシン バンコマ イシン リネゾリド ダプトマイシン 尿路感染症 ( 急性腎盂腎炎 ) 大腸菌セフォチアム セフメタゾール フロモキセフ セフォタキシム セフトリアキソン アミノグリコシド系薬 シプロフロキサシン ( 注射 経口 ) レボフロキサシン ( 注射 経口 ) ST 合剤 ( 経 口 ) 本表の作成にあたっては JAID/JSC 感染症治療ガイド 2014( 日本感染症学会 / 日本化学療法学会 ), JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2017 敗血症およびカテーテル関連血流感染症 ( 日本感染症学会 / 日本化学療法学会 ), JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015 尿路感染症 男性性器感染症 ( 日本感染症学会 / 日本化学療法学会 ), 術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン ( 日本化学療法学会 / 日本外科感染症学会 ), 骨 感染術後感染予防ガイドライン ( 日本整形外科学会 / 日本骨 関節感染症学会 ), レジデントのための感染症診療マニュアル第 3 版, 感染症診療の手引き新訂第 3 版 ( シーニュ ), Clinical Practice Guidelines for Antimicrobial Prophylaxis in Surgery (SHEA, IDSA, ASHP, SIS), Johns Hopkins ABX Guide, Sanford Guide to Antimicrobial Therapy, UpToDate, Curr Infect Dis Rep. 2017 Sep 23;19(11):43., World J Surg. 2009 Dec;33(12):2538-50. を参考にした