2015年10-12月期の実質GDP~前期比▲0.6%(年率▲2.2%)を予測

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1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

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長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

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経済・物価情勢の展望(2018年1月)

個人消費 ( やや良い ) スーパー 百貨店売高 スーパー売高は 全店ベースで前年同期を 年 月期の個人消費関連 は スーパー売高が 全店ベース ( 前年同期比.% 増 ) は 新規出 回り 既存店ベースは 前年同期を下回る 百貨店売高は前年同期を回る 店効果などにより 前年同期を回 りました 品目

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平成 31 年 1 月 17 日東北経済産業局 管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 ( 平成 30 年 11 月分 ) ~ 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに持ち直している ~ 鉱工業生産 : 個人消費 : 住宅着工 : 公共投資 : 設備投資 : 持ち直しの動きとなっている足踏み状態とな

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

本文

月別の売上でみると 百貨店については 夏物衣料が好調だった 7 月と一部店舗で閉店セールを行った 9 月を除いて前年同月を下回っています 一方 スーパーについては 台風の影響があった 8 月を除いて 前年同月を上回っています 1,2 1-3 平成 28 年百貨店 スーパー販売額合計 ( 北海道 :

1. 総論 総括判断 都内経済は 回復している 項目前回 ( 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断回復している 回復している ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 1 月判断以降 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している ( 判断の要点 ) 個人消費

2018・2019 年度 経済見通し

結果の概要1

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第1章

名目国内総生産 ( 兆円 ) 実質国内総生産 ( 兆円 ) 内 需 民 間 需 要 図表 年度経済見通し ( 前年比 %) 2018 年度予測 2019 年度予測 前回 上期 下期 2018 年 8 月 上期 下期

1. 総括 日本経済の現状と先行きトピック 注意を要する不確実性ショック 日本経済は緩やかに回復している 輸出 生産活動は回復している また 堅調な雇用 所得情勢を背景に 消費も緩やかに回復している 経済の活動水準は潜在生産量を上回って推移している 先行きの日本経済は 輸出の緩やかな回復や個人消費の

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

新設住宅着工戸数 ( 全国 ) 23 年 月の新設住宅着工戸数は 67,273 戸 前年同月比 5.8% と 2 か月連続マイナスとなったがマイナス幅は縮小 1,000 ( 戸 ) 新設住宅着工戸数の月別推移 ( 全国 ) 0,000 90,000 80,000 住宅エコホ イント着工期限 (末 )

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

結果の概要

関西の景気動向 2016 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 総じてみれば足踏み状態が続いている 鉱工業生産は横ばい程度の推移にとどま

各商品の動きについて 新規出店を含めた全店ベースの前年比でみると 衣料品の減少と飲食料品の増加がここ数年のトレンドとして定着しており 7 年も衣料品は減少し 飲食料品は増加した 衣料品が減少傾向にあるのは 販売形態の多様化により 購入先として衣料品専門店や通販 インターネットショッピングなどの選択肢

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2018・2019 年度 経済見通し(1 次改訂)

経済統計と日本経済 第1回:イントロダクション

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物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

2018~2019年度日本経済見通し|第一生命経済研究所|新家義貴

管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 平成 27 年 1 月 15 日 < 管内の経済動向 > ~26 年 11 月の経済指標を中心として ~ 全体の動向 : 緩やかな持ち直し傾向にあるものの 一部に弱い動きがみられる 鉱工業生産 : 生産は一進一退で推移している 個人消費 : 持ち直し傾向にある

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

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マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

2013/2014年度経済見通し(2013年8月)

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( 平成 31 年 1 月判断 ) 平成 31 年 1 月 財務省北陸財務局 富山財務事務所 富山市丸の内 1 丁目 5 番 13 号 ( 富山丸の内合同庁舎 5 階 ) TEL(076) ( 財務課直通 )

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経済・物価情勢の展望(2017年10月)

イクル成分 のみから 需要側の動きの 仮置き値 の作成を行う これにより 次 QE から 2 次 QE への改定幅を縮小させることが期待される 本改善策は 22 年 4-6 月期 次 QE から導入する 本改善策の効果について 一定の仮定をおいて試算を行ったところ 民間企業設備の 2 年 7-9 月

経済統計と日本経済 第1回:イントロダクション

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

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はじめに 我が国の建設投資は 社会経済活動 市場動向等に与える影響は極めて大きい このため 国土交通省では 国内建設市場の規模とその構造を明らかにすることを目的とし 昭和 35 年度から毎年度 建設投資推計及び建設投資見通しを作成し 建設投資見通し として公表している 作成の方法と留意点 建設投資推

実体経済 物価 (1) 現状判断 関連統計の動き 生産 輸出 増加している 増加している 鉱工業生産は 4~6 月に続き 7~9 月も前期比増加した後 10 月は小幅ながら前月比減少した 業種別にみると 輸送機械は 自動車部品を中心に緩やかに増加している 電子部品 デバイス はん用 生産用機械 (

経済・物価情勢の展望(2016年10月)

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名目国内総生産 ( 兆円 ) 実質国内総生産 ( 兆円 ) 内 需 民 間 需 要 図表 年度経済見通し 2018 年度予測 2019 年度予測 前回 上期 下期 2018 年 5 月 上期 下期

結果の概要

1. 総括 日本経済の現状と先行きトピック 短観の設備投資計画の点検 日本経済は緩やかに回復している 輸出や生産活動は豪雨等の影響により弱含んでいるが 個人消費 設備投資は回復している 経済の活動水準は 潜在生産量を上回って推移している 先行きの日本経済は 災害の影響が一巡する中で 設備投資や個人消

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Transcription:

ニッセイ基礎研究所 2016-01-29 2015 年 10-12 月期の実質 GDP ~ 前期比 0.6%( 年率 2.2%) を予測 経済研究部経済調査室長斎藤太郎 (03)3512-1836 tsaito@nli-research.co.jp 1. 2/15 に内閣府から公表される 2015 年 10-12 月期の実質 GDPは 前期比 0.6%( 前期比年率 2.2%) と 2 四半期ぶりのマイナス成長になったと推計される 2. 外需は小幅ながら成長率を押し上げたが 国内民需の柱である民間消費 ( 前期比 0.8%) 設備投資( 前期比 0.2%) がいずれも 2 四半期ぶりに減少したことに加え これまで堅調だった住宅投資も前期比 1.2% と 4 四半期ぶりに減少した 3. 2014 年度補正予算の効果一巡から公的固定資本形成も前期比 2.4% の大幅減少となり 内需総崩れの状況となった 在庫調整圧力の高さから 民間在庫が前期比 寄与度 0.2% と 7-9 月期 ( 同 0.2%) に続き成長率を押し下げたことも成長率のマイナス幅を拡大させた 4. 日本経済は消費税率引き上げの影響が和らぐ中 2014 年度末にかけて持ち直していたが 2015 年度に入ってからは一進一退となっており 2015 年 10-12 月期の実質 GDPは 2014 年度末 (2015 年 1-3 月期 ) を下回ることが予想される 日本経済は消費増税から 2 年近く経っても底離れできずにいる ( 前期比 %) 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 1.2 (5.1) 1.9 ( 7.4) 実質 GDP 成長率の推移 0.7 ( 2.9) 0.6 1.1 (2.2) (4.5) 0.2 ( 0.8) 0.2 (0.8) 0.6 ( 2.2) 1401 1402 1403 1404 1501 1502 1503 1504 民間最終消費支出民間企業設備その他民需公需外需 ( 資料 ) 内閣府経済社会総合研究所 四半期別 GDP 速報 ( ) 内は年率換算値 ( 注 )1503 までは当研究所による改定見込値 1504 は予測値 予測 1

10-12 月期は年率 2.2% を予測 ~ 内需総崩れで大幅マイナス成長 2015 年 10-12 月期の実質 GDPは 前期比 0.6%( 前期比年率 2.2%) と 2 四半期ぶりのマイナス成長になったと推計される 外需は小幅ながら成長率を押し上げたが 国内民需の柱である民間消費 ( 前期比 0.8%) 設備投資 ( 前期比 0.2%) がいずれも 2 四半期ぶりに減少したことに加え これまで堅調だった住宅投資も前期比 1.2% と 4 四半期ぶりに減少した さらに 2014 年度補正予算の効果一巡から公的固定資本形成も前期比 2.4% の大幅減少となったため 内需総崩れの状況となった 在庫調整圧力の高さから 民間在庫が前期比 寄与度 0.2% と 7-9 月期 ( 同 0.2%) に続き成長率を押し下げたことも成長率のマイナス幅を拡大させた 実質 GDP 成長率への寄与度は 国内需要が 0.7%( うち民需 0.7% 公需 0.0%) 外需が 0.1% と予測する 名目 GDPは前期比 0.5%( 前期比年率 1.9%) と 5 四半期ぶりの減少となるが 実質の伸びは上回るだろう GDPデフレーターは前年比 1.7%(7-9 月期 : 同 1.8%) 前期比 0.1%(7-9 月期 : 同 0.1%) と予測する 国内需要デフレーターが前期比 0.0% の横ばいとなる中 輸入デフレーターの低下幅 ( 前期比 4.0%) が輸出デフレーターの低下幅 ( 同 3.3%) を上回ったことが GDPデフレーターを押し上げた なお 2/15 に内閣府から 2015 年 10-12 月期のGDP 速報値が発表される際には 基礎統計の改定や季節調整のかけ直しなどから 成長率が過去に遡って改定される 当研究所では 2015 年 4-6 月期 ( 前期比年率 0.5% 同 0.8%) 7-9 月期 ( 前期比年率 1.0% 同 0.8%) ともに若干下方修正されると予測している 日本経済は消費税率引き上げの影響が和らぐ中 2014 年度末にかけて持ち直していたが 2015 年度に入ってからは一進一退となっており 2015 年 10-12 月期の実質 GDPは 2014 年度末 (2015 年 1-3 月期 ) を下回ることが予想される 日本経済は消費増税から 2 年近く経っても底離れできずにいる 主な需要項目の動向 民間消費 ~ 消費増税直後の水準を下回る民間消費は前期比 0.8% と 2 四半期ぶりの減少を予測する 名目賃金の伸び悩みに加え 気温が高めに推移し冬物衣料が落ち込んだことが響いた 消費者物価上昇率の低下に伴い物価高による実質所得の押し下げ圧力は緩和されているが 所定内給与 所定外給与ともに増加ペースが鈍いため 実質賃金上昇率が安定的にプラスとなるまでには至っていない 実質賃金 ( 一人当たり ) は 2015 年 7 月に 2 年 3 ヵ月ぶりに前年比で増加に転じ 10 月まではプラスの伸びを維持したが 11 月には特別給与の減少を主因として名目賃金 ( 現金給 2

与総額 ) が前年比で横ばいとなったことから 5 ヵ月ぶりの減少となった 民間消費は 2014 年 4-6 月期に前期比 4.8% と急速に落ち込んだ後 2014 年度末にかけていったん持ち直したが 2015 年度に入ってからは弱い動きとなっている 2015 年 10-12 月期の民間消費は消費税率引き上げ直後の 2014 年 4-6 月期をさらに下回ることが予想される 天候不順などによって一時的に押し下げられたこともあるが 均してみれば個人消費と実質雇用者所得は同様の動きとなっており 消費増税後の消費停滞の主因は実質雇用者所得の低迷にあると考えられる ( 前年比 ) 15% 10% 5% 百貨店売上高の推移 総額 ( 前年比 ) 5.0% 4.0% 3.0% 2.0% 賃金上昇率の推移 消費者物価上昇率 ( 持家の帰属家賃を除く総合 ) 名目賃金上昇率 ( 現金給与総額 ) 実質賃金上昇率 ( 現金給与総額 ) 0% 1.0% 0.0% 5% 1.0% 10% 衣料品 2.0% 3.0% 15% 20% 1404 1406 1408 1410 1412 1502 1504 1506 1508 1510 1512 ( 注 ) 店舗数調整済 ( 出所 ) 日本百貨店協会 ( 年 月 ) 消費増税前後の実質民間最終消費支出の動き 104 前回 (1996 年 =) 消費税率引き上げ 103 今回 (2013 年 =) 102 101 99 98 97 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1996 1997 1998 2013 2014 2015 ( 四半期 ) ( 注 ) 今回の2015 年 10-12 月期はニッセイ基礎研究所の予測値 ( 年 ) ( 資料 ) 内閣府 四半期別 GDP 速報 4.0% 5.0% 1204 1207 1210 1301 1304 1307 1310 1401 1404 1407 1410 1501 1504 1507 1510 ( 注 ) 実質賃金 = 名目賃金 消費者物価 ( 持家の帰属家賃を除く総合 ) ( 年 月 ) ( 資料 ) 厚生労働省 毎月勤労統計 個人消費と実質所得の関係 (2013 年 =) 106 105 実質雇用者所得 104 消費総合指数消費税率引き上げ 103 102 101 99 98 97 96 95 1304 1307 1310 1401 1404 1407 1410 1501 1504 1507 1510 ( 年 月 ) ( 注 ) 実質雇用者所得 = 一人当たり実質賃金 雇用者数 ( いずれも季節調整値 ) ( 資料 ) 厚生労働省 毎月勤労統計 総務省 労働力調査 消費者物価指数 住宅投資 ~ 政策効果一巡から弱い動き 住宅投資は前期比 1.2% と 4 四半期ぶりの減少を予測する 住宅投資は 雇用 所得環境の改善 住宅ローン減税の拡充 住まい給付金 低金利 などに支えられ 持ち直しの動きが続いてきた が ここにきて弱い動きとなっている 新設住宅着工戸数 ( 季節調整済 年率換算値 ) は 2014 年 7-9 月期の 86.2 万戸から 2015 年 4-6 月期には 95.6 万戸まで持ち直したが 7-9 月 期が 91.7 万戸 10-12 月期が 86.8 万戸と徐々 に水準を切り下げている 利用関係別には 相 続税対策に伴う需要拡大から堅調に推移して きた貸家が息切れ気味となっている 新設住宅着工戸数の推移 ( 季調済年率換算 万戸 ) ( 季調済年率換算 万戸 ) 105 95 90 85 80 75 住宅着工戸数 ( 左目盛 ) 持家 ( 右目盛 ) 貸家 ( 右目盛 ) 分譲 ( 右目盛 ) 70 0901 0903 1 3 1101 1103 1201 1203 1301 1303 1401 1403 1501 1503 ( 資料 ) 国土交通省 建築着工統計 45 40 35 30 25 20 15 10 3

民間設備投資 ~2 四半期ぶりの減少民間設備投資は前期比 0.2% と小幅ながら 2 四半期ぶりの減少を予測する 設備投資の一致指標である投資財出荷 ( 除く輸送機械 ) は 2015 年 7-9 月期の前期比 1.5% の後 10-12 月期は同 1.4% と 3 四半期連続で減少した また 機械投資の先行指標である機械受注 ( 船 舶 電力を除く民需 ) は 2015 年 7-9 月期に前期比 10.0% と 5 四半期ぶりの減少となった後 10 11 月の平均は 7-9 月期を 5.7% 上回っている 日銀短観などの設備投資計画の強さからすれば好調な企業業績を背景とした設備投資の回復基調は維持されていると判断されるが 景気の先行き不透明感などから投資計画が一部先送りされている可能性がある 公的固定資本形成 ~2014 年度補正予算の効果一巡から 2 四半期連続の減少公的固定資本形成は前期比 2.4% と 2 四半期連続の減少を予測する 公共工事の進捗を反映する公共工事出来高は 2013 年 7-9 月期の前年比 25.7% をピークに鈍化傾向が続き 2015 年 10-12 月期には 4 年ぶりの減少となることがほぼ確実となっている (10 11 月 の平均は前年比 3.4%) また 公共工事の先行指標である公共工事請負金額は 2014 年 7-9 月期から 6 四半期連続で減少し 2015 年 10-12 月期は前年比 4.0% となった 2014 年度補正予算の効果が一巡する中 公共事業関係費が 2015 年度予算 ( 当初 + 補正 ) 2016 年度当初予算案ともに前年度とほぼ同水準にとどまっていることから 公的固定資本形成は当面減少傾向が続くことが予想される 設備投資関連指標の推移 (10 億円 ) (2010 年 =) 2,800 120 2,700 投資財出荷 ( 除く輸送機械 右目盛 ) 2,600 110 2,500 2,400 2,300 2,200 2, 90 2,000 機械受注 ( 船舶 電力除く民需 左目盛 ) 1,900 1,800 80 0901 0903 1 3 1101 1103 1201 1203 1301 1303 1401 1403 1501 1503 ( 注 ) 機械受注の1504は15 年 10,11 月の平均値 ( 資料 ) 内閣府 機械受注統計 景気動向指数 経済産業省 鉱工業指数 公共工事請負金額 出来高の推移 ( 前年比 ) 30% 公共工事出来高 25% 20% 15% 10% 5% 0% 5% 10% 公共工事請負金額 15% 0901 0903 1 3 1101 1103 1201 1203 1301 1303 1401 1403 1501 1503 ( 注 ) 公共工事出来高の1504は15 年 10,11 月の平均 ( 資料 ) 国土交通省 建設総合統計 保証事業会社協会 公共工事前払金保証統計 外需寄与度 ~ 小幅ながら成長率を押し上げ外需寄与度は前期比 0.1% と小幅ながら 2 四半期連続のプラスとなるだろう 財貨 サービスの輸出は前期比 0.4% と低い伸びにとどまったものの 国内需要の弱さを反映し 財貨 サービスの輸入が前期比 0.4% と減少したことが成長率の押し上げ要因となった 4

10-12 月期の輸出数量指数を季節調整値 ( 当研究所による試算値 ) で見ると 米国向けが前期比 1.7%(7-9 月期 : 同 4.0%) EU 向けが前期比 4.6%(7-9 月期 : 同 3.1%) アジア向けが前期比 1.5%(7-9 月期 : 同 0.8%) 全体では前期比 0.6%(7-9 月期 : 同 1.3%) であった EU 向け アジア向けは持ち直しているが 米国向けがエネルギー関連投資の弱さを反映し 資本財 部品関連を中心に減少が続いている (2010 年 =) 地域別輸出数量指数 ( 季節調整値 ) の推移 115 米国向け 110 105 全体 アジア向け 95 90 85 EU 向け 80 75 1 3 1101 1103 1201 1203 1301 1303 1401 1403 1501 1503 ( 資料 ) 財務省 貿易統計 5

日本 月次 GDP 予測結果 [ 月次 ] [ 四半期 ] 実績値による推計 改定見込 予測 2015/7 2015/8 2015/9 2015/10 2015/11 2015/12 2015/4-6 2015/7-9 2015/10-12 実質 GDP 528,205 531,003 528,371 530,437 527,617 520,617 528,153 529,193 526,213 前期比年率 0.8% 0.8% 2.2% 前期比 0.3% 0.5% 0.5% 0.4% 0.5% 1.3% 0.2% 0.2% 0.6% 前年同期比 2.1% 2.2% 0.6% 1.6% 0.9% 0.3% 0.7% 1.6% 0.1% 内需 ( 寄与度 ) 518,400 520,261 518,609 519,913 516,331 510,186 518,652 519,090 515,467 前期比 0.3% 0.4% 0.3% 0.2% 0.7% 1.2% 0.1% 0.1% 0.7% 前年同期比 1.7% 2.2% 0.2% 1.0% 0.3% 0.5% 0.5% 1.4% 0.1% 民需 ( 寄与度 ) 392,677 394,866 394,272 394,528 391,342 385,551 393,345 393,939 390,473 前期比 0.2% 0.4% 0.1% 0.0% 0.6% 1.1% 0.1% 0.1% 0.7% 前年同期比 1.3% 2.0% 0.3% 0.5% 0.1% 0.4% 0.2% 1.2% 0.1% 民間消費 305,883 308,835 307,709 308,565 305,492 301,370 306,431 307,476 305,142 前期比 0.5% 1.0% 0.4% 0.3% 1.0% 1.3% 0.6% 0.3% 0.8% 前年同期比 0.6% 1.3% 0.8% 0.1% 1.2% 1.6% 0.1% 0.4% 1.0% 民間住宅投資 13,566 13,558 13,691 13,434 13,476 13,396 13,392 13,605 13,435 前期比 0.5% 0.1% 1.0% 1.9% 0.3% 0.6% 2.3% 1.6% 1.2% 前年同期比 4.8% 6.0% 6.6% 5.4% 4.8% 3.8% 3.3% 5.8% 4.7% 民間設備投資 72,025 70,948 71,532 71,774 71,854 70,478 71,139 71,502 71,369 前期比 1.2% 1.5% 0.8% 0.3% 0.1% 1.9% 1.3% 0.5% 0.2% 前年同期比 2.0% 4.0% 0.8% 0.4% 2.9% 1.2% 1.1% 2.2% 1.5% 民間在庫 ( 寄与度 ) 1,385 1,708 1,523 938 703 490 2,504 1,539 710 前期比 0.2% 0.1% 0.0% 0.1% 0.0% 0.0% 0.3% 0.2% 0.2% 前年同期比 0.5% 0.5% 0.5% 0.4% 0.4% 0.4% 0.1% 0.5% 0.3% 公需 ( 寄与度 ) 125,617 125,288 124,230 125,279 124,883 124,529 125,190 125,045 124,887 前期比 0.0% 0.1% 0.2% 0.2% 0.1% 0.1% 0.2% 0.0% 0.0% 前年同期比 0.4% 0.2% 0.1% 0.5% 0.4% 0.1% 0.3% 0.2% 0.0% 政府消費 103,505 103,320 103,446 103,632 103,715 103,960 103,135 103,424 103,769 前期比 0.1% 0.2% 0.1% 0.2% 0.1% 0.2% 0.4% 0.3% 0.3% 前年同期比 1.8% 1.3% 0.9% 3.3% 0.6% 1.1% 1.3% 1.3% 1.2% 公的固定資本形成 22,243 22,098 20,914 21,746 21,267 20,669 22,144 21,752 21,227 前期比 0.4% 0.6% 5.4% 4.0% 2.2% 2.8% 3.1% 1.8% 2.4% 前年同期比 3.5% 0.1% 4.4% 2.1% 5.7% 6.9% 2.0% 0.7% 5.0% 外需 ( 寄与度 ) 11,531 12,469 11,489 12,250 13,012 12,157 10,848 11,830 12,473 前期比 0.1% 0.2% 0.2% 0.1% 0.1% 0.2% 0.2% 0.1% 0.1% 前年同期比 0.5% 0.1% 0.4% 0.6% 0.6% 0.3% 0.1% 0.2% 0.1% 財貨 サーヒ スの輸出 91,752 93,164 93,860 93,987 94,554 91,241 90,561 92,925 93,261 前期比 2.3% 1.5% 0.7% 0.1% 0.6% 3.5% 4.5% 2.6% 0.4% 前年同期比 5.5% 4.6% 0.6% 4.3% 0.9% 2.7% 1.8% 3.1% 0.7% 財貨 サーヒ スの輸入 80,221 80,695 82,371 81,736 81,541 79,084 79,713 81,096 80,787 < 民間消費の内訳 > 前期比 2.1% 0.6% 2.1% 0.8% 0.2% 3.0% 2.6% 1.7% 0.4% 前年同期比 3.3% 4.5% 3.0% 1.2% 5.2% 4.8% 0.8% 1.5% 0.4% 家計消費 ( 除く帰属家賃 ) 246,782 249,153 247,789 247,508 244,464 242,374 246,982 247,908 244,538 前期比 0.6% 1.0% 0.5% 0.1% 1.2% 0.9% 0.8% 0.4% 1.4% 前年同期比 0.3% 1.1% 1.1% 0.6% 1.7% 2.1% 0.1% 0.1% 1.5% 需要側推計前期比 2.4% 2.7% 0.9% 2.3% 2.4% 2.6% 1.5% 1.2% 4.4% 前年同期比 0.8% 1.0% 1.6% 0.6% 3.2% 3.3% 0.4% 0.1% 2.4% 供給側推計前期比 0.1% 0.9% 1.1% 1.7% 0.8% 0.1% 1.0% 0.3% 0.7% 前年同期比 0.1% 1.2% 0.1% 0.5% 0.6% 1.2% 0.6% 0.4% 0.4% 帰属家賃 4,336 4,339 4,342 4,350 4,354 4,357 51,961 52,113 52,200 前期比 0.3% 0.1% 0.1% 0.2% 0.1% 0.1% 0.2% 0.3% 0.2% 前年同期比 1.0% 1.0% 1.0% 1.0% 1.0% 1.0% 0.9% 1.0% 1.0% ( 注 ) 家計消費 ( 除く帰属家賃 ) には 需要側推計 供給側推計 以外に 共通推計 部分が含まれる ( お願い ) 本誌記載のデータは各種の情報源から入手 加工したものであり その正確性と安全性を保証するものではありません また 本誌は情報提供が目的であり 記載の意見や予測は いかなる契約の締結や解約を勧誘するものでもありません 6