日 本 新 聞 製 作 技 術 懇 話 会 広 報 委 員 会 編 集 編 集 人 辻 裕 史 東 京 都 千 代 田 区 内 幸 町 日 本 プレスセンタービル 8 階 ( 100-0011) 電 話 (03)3503-3829 FAX(03)3503-3828 http://www.conpt.jp CONFERENCE FOR NEWSPAPER PRODUCTION TECHNIQUE JAPAN VOL.35 No.5 2011.9.1 ( 通 巻 209 号 ) 日 本 新 聞 製 作 技 術 懇 話 会 会 報 ( 隔 月 刊 ) ( 禁 転 載 )
目 次 震 災 半 年 備 えと 課 題 を 考 える 河 北 新 報 社 印 刷 局 長 白 鳥 正 3 システム 局 長 草 刈 順 3 新 局 長 に 就 任 して 沖 縄 タイムス 社 システム 局 長 禰 覇 洋 一 5 河 北 新 報 社 印 刷 局 長 白 鳥 正 6 熊 本 日 日 新 聞 社 印 刷 局 長 河 島 健 一 7 信 濃 毎 日 新 聞 社 印 刷 局 長 兼 長 野 製 作 センター 長 木 内 洋 太 郎 8 中 日 新 聞 北 陸 本 社 技 術 局 長 三 盃 賢 一 郎 9 報 知 新 聞 東 京 本 社 制 作 局 長 荻 原 博 文 10 読 売 新 聞 東 京 本 社 取 締 役 制 作 局 長 システム 担 当 早 川 正 11 楽 事 万 歳 佐 賀 新 聞 社 編 制 局 印 刷 部 部 長 古 賀 徳 康 12 ニッカ オフセット 印 刷 機 器 本 部 部 長 角 川 武 13 会 員 社 リポート パナソニック SS インフラシステム 東 京 機 械 製 作 所 14 イリス 岡 本 化 学 工 業 15 第 108 回 技 術 懇 談 会 記 16 CONPT 日 誌 他 16 表 紙 写 真 提 供 :CONPT TOUR2010 入 選 作 より 第 一 工 業 平 賀 康 正 氏 ハンブルク 市 庁 舎 表 紙 製 版 : デイリースポーツプレスセンター 組 版 印 刷 : デイリースポーツプレスセンター 2
震 災 半 年 備 えと 課 題 を 考 える 河 北 新 報 社 印 刷 局 長 白 鳥 正 システム 局 長 草 刈 順 未 曽 有 の 被 害 をもたらした 東 日 本 大 震 災 か ら 半 年 河 北 新 報 は 新 聞 各 社 はじめ 関 係 各 位 のご 支 援 とご 協 力 により 紙 齢 を 絶 やすこ となく 新 聞 発 行 を 継 続 できた あらためてお 礼 を 申 し 上 げるとともに 震 災 下 の 弊 社 の 状 況 を 振 り 返 り 大 災 害 時 における 新 聞 制 作 部 門 の 備 えと 課 題 について 考 えてみたい 被 害 状 況 仙 台 市 にある 河 北 新 報 本 社 は 8 階 建 ての 耐 震 構 造 ビル 3 月 11 日 午 後 2 時 46 分 震 度 6 強 の 激 震 が 約 3 分 間 続 いた 6 階 の 編 集 制 作 フロアは 天 井 パネルが 落 下 本 棚 は 倒 れ 机 上 の 資 料 類 が 飛 び 散 った 3 時 6 分 に 震 度 5 弱 同 15 分 に 震 度 6 弱 の 余 震 が 続 き 総 務 部 がビルからの 退 避 を 指 示 一 部 の 連 絡 者 以 外 は 中 庭 に 避 難 した 8 階 が 最 も 揺 れが 激 しく システム 部 マシンルームは 組 版 サー バーのディスク 装 置 (75センチ 75センチ 170センチ)2 台 のうち1 台 が 横 倒 し 1 台 は90 度 回 転 コン ソール 類 のモニターなども 吹 き 飛 び 新 聞 制 作 システムの 作 動 は 不 可 能 と 判 断 した ビル 内 は 停 電 したが 無 停 電 電 源 装 置 と 自 家 発 電 で 各 システムの 停 止 はなかった 免 震 構 造 の 印 刷 センター(2003 年 建 設 )は 本 社 から 約 12キロの 仙 台 市 泉 区 にある 発 生 時 は 夕 刊 刷 了 後 揺 れは 大 きく 長 かったものの 事 務 室 では 机 から 物 が 落 ちることもなく 印 刷 設 備 に 全 く 被 害 はなかった 停 電 と 同 時 に 自 家 発 電 設 備 (2000KVA)が 稼 働 災 害 時 の 想 定 通 り2セットで 発 行 できることを 確 認 し た 地 下 の 免 震 装 置 に 設 置 した 水 平 方 向 計 測 装 置 によると 揺 れ 幅 は 北 西 南 東 方 向 で 最 大 37.4センチ 2008 年 6 月 の 宮 城 岩 手 内 陸 地 震 時 で 約 6センチであり 6 倍 以 上 の 揺 れだった 新 聞 発 行 へ 本 社 での 紙 面 制 作 を 断 念 し たのが 午 後 3 時 20 分 緊 急 時 の 新 聞 発 行 相 互 支 援 協 定 を 締 結 する 新 潟 日 報 に 号 外 と 朝 刊 の 紙 面 制 作 を 要 請 した 協 定 は2010 年 3 月 に 調 印 したばかり 紙 面 データの 受 け 取 り 手 順 は 1 新 潟 が 自 社 のFTPサーバーに 紙 面 データ をアップ2 河 北 がインターネット 回 線 を 使 っ てデータをダウンロード3データを 河 北 サイ ズにトリミングしCTPサーバーに 移 す 新 潟 日 報 から 号 外 紙 面 のデータアップの 連 絡 が 入 ったのが4 時 半 ところが インター ネット 接 続 回 線 (IIJとOCN)が 本 社 印 刷 セ ンターともに 不 通 で データを 受 け 取 れない 想 定 外 の 事 態 に 直 面 した 幸 い 共 同 通 信 の 社 内 ネットワークが 通 じていることが 判 明 し 共 同 仙 台 支 社 から 東 京 経 由 で 新 潟 のFTPサ ーバーにアクセスして 何 とかデータを 入 手 で きた データは 本 社 印 刷 センター 間 の 素 材 管 理 回 線 で 渡 しCTPサーバーへ 受 信 終 了 は 紙 面 アップから 約 2 時 間 半 後 刷 り 出 しは7 時 15 分 カラー2ヘ ーシ 1 万 部 を7 時 半 に 刷 了 した 朝 刊 の 作 業 は 順 調 だった 8ヘ ーシ (カラー2ヘ ーシ ) で 最 終 降 版 を 午 後 11 時 30 分 に 設 定 新 潟 側 の 提 案 で1 面 末 面 を 完 全 見 開 きにし 大 震 災 を 迫 力 ある 紙 面 で 伝 えた 午 後 7 時 には 自 社 出 稿 メモを 友 好 7 社 回 線 で 新 潟 に 送 り 原 稿 写 真 も 順 次 送 信 し 紙 面 を 制 作 してもら った 9 時 半 整 理 部 員 2 人 が6 時 間 かけて 新 潟 に 到 着 既 に 新 潟 側 では 整 理 記 者 10 人 以 上 で8ヘ ーシ の 紙 面 を 作 っていた 12 日 午 前 0 時 20 分 に 刷 り 始 め 3 時 10 分 には2セット 両 出 しで47 万 2000 部 を 刷 り 終 えた 津 波 被 害 の 甚 大 だっ た 沿 岸 部 を 除 く 宮 城 県 内 の 読 者 に 朝 一 番 で 届 け 各 避 難 所 にも 配 達 できた 停 電 でテレビ 3
の 情 報 もなく 孤 立 状 態 だった 読 者 から 朝 新 聞 が 届 いて 感 激 した 新 聞 で 初 めて 状 況 が 分 かった と 感 謝 の 声 が 多 数 寄 せられた 復 旧 へ 本 社 の 復 電 は 翌 12 日 午 後 3 時 印 刷 センターは4 時 半 ネット 回 線 はOCNが 11 日 午 後 9 時 IIJは12 日 午 前 6 時 に 復 旧 セ ンターに 紙 面 データを 送 る 回 線 は12 日 朝 に NTTが 通 信 不 可 予 備 の 東 北 インテリジェ ント 通 信 ( 昨 年 8 月 導 入 )に 切 り 替 わった 印 刷 センターの 自 家 発 電 (タンク3 万 1950 リットル)は 定 期 訓 練 で 重 油 を 消 費 当 時 は 残 2 万 4320リットル 号 外 朝 刊 作 業 など 約 26 時 間 で1 万 4600リットルを 使 い 12 日 の 朝 刊 作 業 で 底 をつく 状 態 だった 13 14 日 に 特 注 した 重 油 が 酒 田 と 新 潟 から 届 いたが タンクを 満 杯 にできたの は2 週 間 後 水 は 発 生 直 後 に 受 水 槽 30トンを 手 動 で 満 杯 にした 後 に 断 水 3 日 はしのげる 計 算 だったが 13 日 から 給 水 車 で 補 給 し17 日 に 通 水 湿 し 水 よりも 一 般 飲 用 空 調 コンプレ ッサーで 大 量 に 使 うことが 判 明 蛇 口 制 限 空 調 加 湿 停 止 などの 措 置 を 取 った 用 紙 の 在 庫 は5 6 日 分 取 引 先 の4 工 場 全 てが 被 災 し 先 が 不 透 明 だったが 他 工 場 への 手 配 と 日 本 製 紙 岩 沼 工 場 の 在 庫 で 何 とかしのげた 紙 面 の 自 社 制 作 は 翌 12 日 夕 刊 モノクロ4ヘ ーシ ( 通 常 カラー8ヘ ーシ )でスタート 13 日 ( 日 曜 )は 夕 刊 と 同 様 扱 いの4ヘ ーシ 号 外 を 発 行 夕 刊 4ヘ ーシ 建 ては31 日 まで 続 き 4 月 1 日 から6ヘ ーシ に 朝 刊 は13 日 付 が12ヘ ーシ (カラー7ヘ ーシ )の1 版 制 通 常 2 版 制 で28ヘ ーシ 前 後 だが 用 紙 不 足 問 題 もあって 震 災 関 連 に 絞 った 紙 面 とした 朝 刊 の 基 本 面 建 ては3 月 25 日 付 から16ヘ ーシ 4 月 1 日 付 から20 ヘ ーシ 5 月 13 日 付 から22 24ヘ ーシ 6 月 からは24ヘ ーシ 体 制 が 定 着 ほぼ 通 常 体 制 に 戻 りつつある 備 えと 課 題 通 信 関 係 などソフト 面 で 二 重 三 重 のバックアップの 必 要 性 を 痛 感 し た 想 定 外 の 弱 点 は インターネット 接 続 回 線 のダウン 共 同 通 信 の 社 内 ネットが 使 えな かったら 支 援 協 定 で 作 ってもらった 貴 重 な 紙 面 を 取 り 込 めなかった 共 同 は 専 用 回 線 が ソフトバンク 回 線 に 切 り 替 わり 記 事 写 真 の 受 信 も 支 障 なく 東 京 本 社 のサーバー 経 由 でネットも 使 用 可 能 だった また 河 北 と 中 日 新 潟 などの 友 好 7 社 回 線 が 健 在 で 自 社 記 事 写 真 を 新 潟 側 に 送 信 できたのも 大 きい 加 え て 顔 の 見 える 連 携 協 力 の 大 切 さを 感 じた 新 潟 日 報 とは1カ 月 前 の 紙 面 交 換 テストを 通 じ 面 建 てや 体 裁 作 業 手 順 を 確 認 していたか らこそ 混 乱 なく 運 用 できたのだと 思 う ハード 対 策 も 重 要 だ 本 社 8 階 は 初 動 900ガ ルでもフリーアクセス( 高 さ50センチ)が 外 れない 耐 震 補 強 工 事 済 みだった 床 下 にアンカー 固 定 したラック 収 容 型 サーバー( 素 材 管 理 出 力 系 メディア 系 など)はほとんど 被 害 がな く 自 社 原 稿 の 受 信 出 稿 は 通 常 通 りできた ハード 面 で 最 大 の 威 力 を 発 揮 したのは 免 震 構 造 だ 宮 城 県 内 の 印 刷 工 場 で 当 日 稼 働 した のは 河 北 新 報 だけ 東 北 全 県 が 停 電 し 輪 転 機 が 無 事 でも 印 刷 できなかった 社 もある 宮 城 県 沖 地 震 に 備 え 自 家 発 電 と 免 震 構 造 という 万 全 の 体 制 を 敷 いたことが 奏 功 した その 構 造 は 揺 れを 吸 収 する 積 層 ゴムアイソレータ ー74 基 と 滑 り 支 承 46 基 の 計 120 基 の 円 柱 ( 直 径 50 90センチ)で 建 屋 全 体 を 支 える 仕 組 み ゴム と 鋼 板 を 重 ね 合 わせた 円 柱 が 変 形 したり ス テンレス 板 上 を 滑 ることで 地 震 の 力 を 弱 め る 震 災 後 センターに 視 察 が 相 次 いだ 今 回 新 聞 は 発 行 できたが 紙 幅 やカラー 面 を 制 限 せざるを 得 なかった その 後 のガソ リン 不 足 への 対 応 を 含 め 電 気 水 通 信 な どのインフラが 長 期 間 使 用 不 能 という 想 定 に ついての 対 策 はまだまだ 不 十 分 である 震 災 後 本 社 ではマシンルームの 耐 震 補 強 を 実 施 したほか 電 話 モバイル インターネット の 不 通 に 備 え 通 信 キャリアや 無 線 設 備 会 社 から 様 々な 提 案 を 受 けている 今 回 の 対 応 を 検 証 し ハード ソフト 両 面 から 地 震 対 策 の 見 直 しを 急 ぐ 必 要 がある 4
新 局 長 に 就 任 して 多 メディア 展 開 が 課 題 沖 縄 タイムス 社 システム 局 長 禰 覇 洋 一 1972 年 工 務 局 植 字 課 に 入 社 72 年 は 沖 縄 が5 月 15 日 に 本 土 復 帰 した 年 で 通 貨 もドルから 円 になり 世 替 わりの 年 でした 当 時 は 勿 論 1ページ15 段 15 文 字 詰 めで 鉛 の 時 代 で す その 後 職 場 もCTSになり 制 作 局 制 作 第 2 部 制 作 局 制 作 部 編 集 局 編 制 本 部 制 作 部 と 職 場 の 名 称 は 何 回 か 変 わりましたが 仕 事 は 新 聞 の 組 版 作 業 畑 一 筋 で 夜 勤 の 多 い 職 場 で した 1カ 月 の 勤 務 体 系 は 月 の 半 分 が 夜 勤 で 夜 勤 の 日 は 午 前 2 時 ごろ 帰 宅 し 朝 刊 作 業 の 興 奮 した 神 経 を 鎮 めるため 夏 はビール 冬 は 泡 盛 で 一 日 の 疲 れを 癒 して 3 時 ごろ 就 寝 7 時 ごろには 子 供 たちが 学 校 に 行 く 仕 度 をす る 声 で 目 が 覚 め 送 り 出 してからまた 一 眠 り する 毎 日 でした 従 ってなかなか 熟 睡 できず 体 内 時 計 も 狂 いっぱなしでした 2008 年 の 次 長 就 任 で 夜 勤 よりも 昼 勤 の 日 が 多 くなり 自 然 と 早 寝 早 起 きが 習 慣 になった ことで いつの 間 にか 体 内 時 計 も 正 常 に 働 く ようになった また 寝 酒 なしでも 眠 れるよ うになり 23 時 就 寝 5 時 半 起 床 と 健 康 的 な 毎 日 を 送 れるようになったのもこのころから でした 早 寝 早 起 きをして 毎 日 朝 日 を 浴 びる 休 みの 日 は1 時 間 のウオーキングとストレッ チ 決 まった 時 間 の 食 事 など 睡 眠 運 動 食 事 と 規 則 正 しい 生 活 習 慣 が 如 何 に 大 切 か 実 感 している 毎 日 です さて 弊 社 は 今 年 7 月 にメディアシステム 本 部 のシステム 部 と 編 集 局 編 制 本 部 制 作 画 像 部 を 統 合 しシステム 局 が 誕 生 しました 初 代 システム 局 長 に 就 任 して1カ 月 半 が 過 ぎまし たが 新 聞 製 作 システムの 変 更 全 社 システ ムの 一 元 化 と 保 守 管 理 多 メディア 展 開 への 対 応 琉 球 新 報 社 との 災 害 協 定 推 進 など シ ステム 局 に 課 せられたテーマは 非 常 に 重 要 で 身 の 引 き 締 まる 思 いです システム 局 統 合 の 前 段 として 今 年 3 月 には 編 集 局 編 制 本 部 の 制 作 部 と 画 像 部 を 統 合 し 制 作 画 像 部 にしました 両 部 を 統 合 することに より 相 互 研 修 で 部 員 のスキルアップを 図 り ながら 新 システム 移 行 時 の 作 業 を 少 しでもス ムーズに 進 めることが 出 来 ると 考 えたのです が 日 常 の 作 業 に 追 われ なかなか 思 った 通 りの 研 修 ができないまま7 月 のシステム 局 誕 生 となってしまいました 来 年 末 の 新 社 屋 移 転 に 合 わせ1998 年 から 親 しんできた 現 在 のオーシャンシステム(キャ ノン)から 次 期 新 聞 製 作 システムをNECにす ることを7 月 末 に 決 定 したばかりですが 新 システムではワンマン 組 版 の 実 現 と 画 像 最 適 化 導 入 などで 省 人 化 を 実 現 したい これまでのメディアシステム 本 部 では3 人 の 部 員 で 全 社 のシステムを 担 当 していたた め 多 メディア 展 開 に 向 けた 研 究 開 発 まで 手 が 回 らなかった しかし 新 システムへの 移 行 で 業 務 の 効 率 化 省 力 化 迅 速 化 自 動 化 などが 見 込 めるため そのメリットを 先 取 りしシステム 局 を 誕 生 させた 制 作 画 像 部 の システム 担 当 もシステム 部 に 統 合 し11 人 に 増 やすことが 出 来 た 事 は 今 後 大 きな 力 になると 確 信 している 当 面 は 新 システム 移 行 や 社 屋 移 転 に 全 力 を 傾 注 せざるを 得 ないが 新 システムが 安 定 稼 働 し 軌 道 に 乗 った 段 階 で システム 局 に 統 合 したスケールメリットを 最 大 限 に 発 揮 し 地 方 紙 としての 多 メディア 展 開 の 可 能 性 を 模 索 していきたい 5
新 局 長 に 就 任 して 支 えられて 生 きる 河 北 新 報 社 印 刷 局 長 白 鳥 正 それまで 部 下 任 せにし ていたツケが 回 ってきた に 違 いない 東 日 本 大 震 災 の 当 日 免 震 構 造 のお かげで 被 害 ゼロだった 印 刷 センターにいながら 一 人 混 乱 していた 3.11 は 入 社 以 来 の 編 集 職 場 を 離 れ 未 経 験 の 印 刷 勤 務 となって1 年 が 過 ぎようという 時 である 日 々の 業 務 は 何 とか 把 握 していた つもりだが 非 常 時 の 対 応 には 無 防 備 だった 大 きな 声 では 言 えないが センター 内 に 災 害 対 応 マニュアル 総 合 防 災 対 策 要 綱 があるこ とさえ 知 らなかった 免 震 構 造 とはいえ 揺 れは 大 きく 長 い ロ ーリングする 大 型 船 内 のような 感 覚 だった 停 電 自 家 発 電 下 ですぐに 輪 転 機 はじめ 生 産 設 備 の 点 検 に 入 ったが 実 はこの 時 点 ではま だ 大 地 震 の 認 識 は 乏 しかった 編 集 局 から 大 丈 夫 か! 印 刷 できるか? 本 社 は 建 物 から 避 難 命 令 が 出 た! という 連 絡 で これは 尋 常 ではない と 初 めて 自 覚 した 現 にわが 机 からは 物 一 つ 落 ちていないのだから 問 題 はそれから ふだん 頼 りにしている 印 刷 総 務 が 不 在 どこをどう 点 検 すればいいの か 分 らず 部 員 に 大 丈 夫 か? 回 せるか? と 聞 くばかり 幸 いみんな 冷 静 で 粛 々とチェ ック 作 業 をこなし 間 もなく 問 題 なし OK です と 頼 もしい 返 事 が 返 ってきた 本 社 の 組 版 サーバーが 倒 れ センターにはシステム 部 員 や 整 理 部 員 が 続 々と 詰 めかけてきたが インターネット 回 線 がダウンし 新 潟 日 報 で 制 作 してもらった 紙 面 が 取 り 込 めない 無 傷 の 輪 転 機 が 回 せないのか イライラが 募 る 中 システム 部 員 らの 奮 闘 で 紙 面 データを 何 とか 取 り 込 む 後 は 大 丈 夫 号 外 と8ヘ ーシ に 減 った 朝 刊 は 問 題 なく 刷 り 終 えることができた 実 は 翌 日 からが 大 変 だった 夕 刊 は 無 事 に 刷 り 上 がったものの 自 家 発 電 用 の 重 油 が 底 を 尽 きかけていた 水 も 足 りない 紙 の 見 通 しがつかない さて どうする? あすの 朝 刊 作 業 で 燃 料 切 れ 輪 転 機 は 回 せない 覚 悟 を 決 めた やれるところまでやろう 捨 てる 神 あれば 救 う 神 あり 12 日 夕 電 気 が 通 った 給 水 車 の 手 配 も 付 きそう 重 油 が 入 るとの 連 絡 もあった そして13 日 午 後 福 の 神 がまとめてやってきた 2トンのバケツ リレーを 覚 悟 しながら 給 水 車 の 受 け 入 れ 準 備 をしていた 時 なんと 巻 き 取 り 輸 送 のトラ ックが 入 ってくるではないか 予 想 外 の 吉 事! 電 話 がつながらない 中 工 場 の 判 断 で 車 を 出 したという 在 庫 品 が 使 え 毎 日 2 台 で 運 びます というありがたい 言 葉 さらにタ ンクローリーが 酒 田 市 から 到 着 前 後 して 給 水 車 もやってきた 涙 が 出 そうになった 周 りに 支 えられて 生 きている 人 も 組 織 も その 後 新 聞 各 社 から 支 援 物 資 が 続 々と 届 い た 印 刷 センターも 数 台 のトラックの 受 け 渡 しを 担 当 した ガソリン 確 保 食 料 調 達 非 常 時 本 来 業 務 よりも 連 絡 調 整 が 主 になっ た うまくいくかどうかは いかに 相 手 の 立 場 を 理 解 するか 状 況 を 想 像 できるかだろう 地 震 発 生 から2 週 間 ほとんどセンターに 泊 まり 込 んだ この1 年 なかなかしっくり こなかった 職 場 がようやく 体 になじんだ 気 が した 混 乱 の 中 での 人 事 発 令 震 災 後 も 対 応 に 追 われ 局 長 を 意 識 しはじめたのは 最 近 のこと 本 稿 執 筆 からと 言 ってもいい 立 場 は 変 われど 周 囲 に 助 けられていることだけ は 間 違 いない 相 手 のことを 考 え 思 いを 巡 らす 非 常 時 に 限 らず 励 行 したい 6
新 局 長 に 就 任 して 熊 本 日 日 新 聞 社 印 刷 局 長 発 想 の 転 換 は 必 需 品 河 島 健 一 サッカー 女 子 ワールド カップ 決 勝 きょうのゴ ールキーパー 海 堀 は 好 調 だ PK 戦 の 一 発 目 を 足 で 止 め 相 手 の 動 きが 見 えている もしかして 優 勝 の 二 文 字 が 頭 をか すめた 対 戦 相 手 の 米 国 には 未 だ 勝 ったこと はなかった この 日 のなでしこジャパンは 最 高 の 点 の 入 れ 方 をした リズムは 日 本 にあっ た 熊 谷 のPKがゴールへ 我 が 家 では 興 奮 が 最 高 潮 となった 二 女 が 女 子 サッカーのチ ャレンジリーグに 所 属 しており なでしこ 優 勝 はことさら 感 無 量 である 興 奮 も 覚 めやら ずに 会 社 に 出 勤 した 6 月 に 印 刷 局 長 を 拝 命 し 初 めての 輪 転 号 外 の 印 刷 であり 一 生 の 思 い 出 となった 総 合 メディア 局 からの 異 動 で 印 刷 局 に メ ディア 感 覚 ならば 優 勝 のメール 速 報 は 出 す べきか しかし 早 朝 で 迷 惑 メールにならな いか と 論 議 したに 違 いない もちろん 速 報 すべきとの 結 論 になる デジタル 情 報 は 速 報 と 蓄 積 することで 価 値 が 生 まれる メディア サービスもコストをかけずに 今 までにない サービスを 提 供 するのがポイントである そ のため システムも 自 ら 構 築 するのではなく ハードウエアーも 購 入 しないし アプリケー ションソフトも 開 発 しない 今 風 にいえばク ラウドサービスを 使 うことを 前 提 に 考 える システムのライフサイクルも3 年 から5 年 程 度 か フリーミアム 的 発 想 で 利 益 を 出 す 仕 組 み 作 りが 問 題 である フリーミアムとはフリー ( 無 料 )とプレミアムの 造 語 無 料 にするのは 広 告 主 情 報 提 供 者 それとも 利 用 者 プレ ミアムを 与 えるのは 広 告 主 情 報 提 供 者 利 用 者 の 中 で 誰 にするのか こんな 発 想 で 情 報 サービスを 考 える 必 要 がある デジタルメデ ィアや 情 報 サービスの 最 先 端 の 動 きにアンテ ナを 立 て 目 先 を 追 いかけ 売 り 上 げを 追 及 す ると 同 時 に 遠 くを 見 据 え 戦 略 を 練 る こんな 要 素 を 考 えながらシステムを 構 築 し システ ム 運 用 を 行 い 様 々なリスクをヘッジしてき た 一 方 印 刷 の 眼 で 輪 転 機 や 発 送 機 器 を 考 え ると 軽 薄 短 小 から 重 厚 長 大 の 世 界 に 突 入 する 輪 転 機 は1セットで 約 400トン サテ ライト 圧 胴 は 直 径 約 70センチメートル 全 長 は 約 20メートル 高 さは 約 14メートルと 重 く て 大 きい メディアの 考 え 方 が 体 に 沁 み 込 ん でいるだけに 発 想 の 転 換 が 必 需 品 となって いる 特 に 輪 転 機 のライフサイクルがメディ アシステムと 違 っている 輪 転 機 のライフサ イクルは15 年 と 考 えられていたものが 20 年 いや25 年 にもなりそうな 気 配 だ 確 かに 機 械 的 には 頑 丈 にできている しかし 制 御 部 の 電 装 品 関 係 は 生 産 中 止 の 話 をよく 耳 にする 保 守 の 考 え 方 とライフサイクルがミスマッチ の 状 態 だ 高 価 な 設 備 であり 太 く 長 く 使 い たい 輪 転 機 のバックアップも メディアシ ステムのようにそう 簡 単 に 設 備 投 資 する 事 も できない サッカー 女 子 ワールドカップ 優 勝 はこれま での 試 合 経 験 と 自 分 はできると 信 じて 練 習 する 技 術 の 向 上 心 がもたらしたものだろう これからの 印 刷 のあり 方 は これだけでは 務 まりそうもない 輪 転 機 延 命 策 の 必 殺 技 は ないものだろうか 7
新 局 長 に 就 任 して 安 定 稼 働 へ 局 一 丸 信 濃 毎 日 新 聞 社 印 刷 局 長 兼 長 野 製 作 センター 長 木 内 洋 太 郎 7 月 15 日 印 刷 局 長 に 就 任 この 原 稿 執 筆 時 点 で 3 週 間 経 った 緊 張 が 続 くせいか 時 の 経 つのが 遅 い 初 の 生 え 抜 き 局 長 ということで 色 々 言 わ れることも 面 映 ゆい 1978 年 の 入 社 以 来 33 年 間 工 務 局 から 印 刷 局 と 名 は 変 ったが 工 務 印 刷 畑 一 筋 でやってき た 今 ごろになって 思 い 出 されるのが 入 社 試 験 での 面 接 当 時 の 工 務 局 長 から これからの 新 聞 印 刷 の 方 式 はどうなる と 質 問 された 大 学 では 印 刷 工 学 を 専 攻 していたが 生 半 可 な 知 識 で オフセットは 時 期 尚 早 まだ 凸 版 の 時 代 が 続 くと 思 います と 明 快 に 答 えた 入 社 して 驚 いた なんと 面 接 時 点 で 松 本 工 場 では 凸 からオフへの 改 造 が 始 まっていたの だ 79 年 には 全 機 改 造 完 了 その 翌 年 には レ ターオフの 改 良 と 実 用 化 で 新 聞 協 会 賞 を 受 賞 した 全 くもって 汗 顔 の 至 りである 80 年 には 長 野 工 場 が 一 新 オフ 輪 を 導 入 し カラー 印 刷 が 始 まる まだ24ページ4 個 面 カ ラーだったが その 後 怒 涛 のごとく 多 ページ モアカラーへの 道 を 突 き 進 んだ 90 年 代 になると 松 本 工 場 の 老 朽 化 が 深 刻 になり 輪 転 機 トラブルによる 刷 了 の 遅 れが 頻 発 した このため94 年 には 隣 の 塩 尻 市 に 新 工 場 を 建 設 カラーは 当 初 サテライト 機 2 台 の 設 計 だったが 静 岡 新 聞 社 で 開 発 中 のタワ ー(4Hi) 機 を 見 せてもらい その 完 成 度 の 高 さを 確 信 タワー サテ 各 1 台 の 構 成 とした これがタワー 時 代 の 幕 開 けだった 信 毎 は 現 在 長 野 と 塩 尻 に 印 刷 工 場 を 構 え ている その 長 野 では01 年 に 新 工 場 建 設 に 携 わった 40ページオールカラーとCTPが 目 玉 だった 一 方 の 塩 尻 は 二 度 のお 勤 め 今 回 の 異 動 までの 約 9 年 は 塩 尻 で 過 ごした 久 々 の 長 野 センターは 顔 と 名 前 が 一 致 しない 人 も 多 くなり さりげなく 作 業 着 のネームを 凝 視 しインプットしている さて 今 印 刷 局 に 最 も 求 められているこ とは 高 品 質 低 コストの 紙 面 を 安 定 的 に 生 産 することだろう 品 質 の 面 では CTP 化 新 AMスクリーン GCRの 実 用 化 とかなりの 水 準 まで 達 していると 思 う ここ 数 年 損 紙 削 減 にも 力 を 入 れ 結 果 を 出 してきた そし て 今 最 重 要 命 題 は 安 定 稼 働 だと 思 っている たった 一 度 の 遅 れでそれまで 積 み 上 げてきた 信 頼 信 用 を 失 ってしまう 取 り 戻 すことは 容 易 ではない 塩 尻 の2セットは3 年 前 に 新 設 したが 1セ ットは 開 業 時 からのもので18 年 目 だ 長 野 も もうすぐ10 年 安 定 稼 働 のためには 老 朽 化 対 応 が 急 務 だ また 2 工 場 あれば 両 方 倒 れる ことはないだろうと 高 を 括 っていたが 今 回 の 震 災 で 電 気 を 断 たれればどうにもならな いことを 思 い 知 らされた 長 野 センターへの 発 電 機 導 入 を 進 めているが 建 屋 生 産 設 備 の 耐 震 をどうするか 悩 ましい 課 題 だ 機 械 設 備 は 年 を 経 るとともに 心 配 度 が 増 し ていくばかり 一 方 うれしいのは 若 い 人 た ちが 経 験 を 重 ね 着 実 に 成 長 していくことだ ぎこちない 動 きだった 新 人 が 機 敏 な 動 作 に 変 身 していく 姿 が 頼 もしい 新 聞 社 の 経 営 環 境 が 厳 しくなるなか 限 ら れた 予 算 をどこにどう 使 うか 限 られた 人 員 でいかに 効 率 的 で 実 のある 保 守 整 備 をして いけるか 印 刷 局 一 丸 となって 知 恵 を 絞 り 汗 を 流 していく 決 意 です 8
新 局 長 に 就 任 して 忙 しいけど 楽 しいぜ 中 日 新 聞 北 陸 本 社 技 術 局 長 三 盃 賢 一 郎 6 月 24 日 付 で 北 陸 本 社 に 赴 任 しました だい たいのことは 片 付 いてい るから やることは 無 い よ とは 周 囲 の 声 とい うのも それまでに 北 陸 本 社 では 二 つの 大 きなイ ベントをこなしていたからです 一 つは 昨 秋 の 新 社 屋 移 転 もう 一 つは 今 年 4 月 から 始 ま った 朝 日 新 聞 日 本 農 業 新 聞 の 受 託 印 刷 です 先 人 の 敷 いたレールをひた 走 ればいい 環 境 にあるのですが いまだに 戸 惑 いながら 毎 日 を 送 っているというのがこれまでの 状 況 です 旧 社 屋 は 前 田 利 家 を 祭 った 尾 山 神 社 の 向 かい 繁 華 街 の 一 角 にありました 新 社 屋 は そこから 直 線 距 離 で2.5キロ 金 沢 駅 を 挟 んで 西 側 にあります 駅 から 石 川 県 庁 金 沢 港 に 延 びる 大 通 りに 面 しています 引 越 しは 実 質 昨 年 10 月 の 休 刊 日 一 日 で 行 われました 当 時 私 は 名 古 屋 本 社 で 後 方 支 援 していた 立 場 ですが 北 陸 本 社 に 来 て 思 う ことは 図 面 や 計 画 表 では 分 からなかった 苦 労 がいっぱいあったということです 私 ならも うこれだけで 手 一 杯 になっていたかも 知 れま せん 受 託 印 刷 に 関 してはもっと 大 変 膨 大 な 量 の 資 料 がそれを 示 しています ダイヤ 輸 送 紙 面 受 信 支 度 情 報 バックアップ どれも が 多 くの 案 を 検 討 してたどり 着 いた 結 論 であ ることがよく 分 かります 印 刷 開 始 以 降 は 大 きなトラブルもなく 順 調 に 稼 働 しています 限 られた 時 間 でよく 達 成 出 来 たなぁ と 私 は 感 心 するばかりです 大 きな 作 業 を 短 期 間 でやり 遂 げた 局 員 の 能 力 をどう 生 かすか 私 に 託 された 課 題 です 赴 任 早 々 局 員 に 働 きがいのある 職 場 にしよ うと 呼 びかけました 忙 しいけど 楽 しいぜ という 職 場 私 の 理 想 です 北 陸 中 日 新 聞 独 自 の 紙 面 に popress(ポプ レス) があります 20 代 記 者 がつくるペー ジ と 銘 打 ち 取 材 記 者 も 整 理 記 者 も 若 手 だ けでつくっています 編 集 局 長 と 話 していた ら その 話 題 になりました 名 古 屋 本 社 に 行 くと 若 い 記 者 から 北 陸 本 社 への 異 動 希 望 を 聞 くというのです 若 手 が 意 欲 を 持 って 好 き なことができる 本 社 で 仕 事 がしたいと 技 術 局 もそうしたい 思 いっきり 仕 事 がで きそうだから 金 沢 の 技 術 局 に 行 きたい そう いう 志 願 者 が 集 まる 局 にしたいと 願 うので す 能 登 で 生 まれ 育 った 私 にとって40 年 ぶりの 石 川 県 になります 入 社 以 来 半 分 を 技 術 職 場 半 分 を 整 理 部 で 過 ごしました 北 陸 本 社 でも 編 集 局 の 方 が 顔 見 知 りが 多 いのですが それより 技 術 局 員 の 人 となり を 覚 えなけれ ばと 思 っています 印 刷 部 の 会 合 で 編 集 出 身 の 新 局 長 という 紹 介 をされました 前 任 の 名 古 屋 本 社 では 技 術 局 でも 上 流 システムの 職 場 を 担 当 していた ため 印 刷 に 関 する 知 識 や 人 脈 は 極 めて 貧 弱 です そう 言 われるのも 無 理 ないことです しばらくは 印 刷 工 場 へ 通 って 輪 転 機 を 眺 めて いようと 思 っています 金 沢 では 単 身 赴 任 還 暦 まであと1 年 での 独 り 暮 らしですから 身 体 に 気 をつけようと 思 い 始 めました 名 古 屋 時 代 の ガンガンバ リバリ を 知 る 人 は そういう 考 え 方 をする 私 に 一 番 驚 くかも 知 れません 局 員 と 一 緒 に 忙 しいけど 楽 しい 職 場 をつくるには 忙 し さに 負 けない 体 力 が 必 要 ですから 9
新 局 長 に 就 任 して やっぱり 新 聞 っていいな 報 知 新 聞 東 京 本 社 制 作 局 長 荻 原 博 文 6 月 7 日 に 報 知 新 聞 ( 東 京 )の 制 作 局 長 を 拝 命 し ました まだ 数 カ 月 のキ ャリアです 私 事 になり ますが やけに 忙 しく 常 に 勉 強 し 続 ける 日 々で す それでも 日 常 のもろもろは すぐに 消 え 去 って 行 き 残 るのは 常 に あの3 月 11 日 の ことです 被 災 地 の 皆 さんから 言 えば 笑 わ れるようなことですが あの 日 の 恐 怖 は 東 京 にいても 大 変 なものでした すぐ 頭 に 浮 かん だのは 家 族 の 安 否 でした さらに 続 く 原 発 の 恐 怖 幼 い 子 のいる 親 類 は 本 当 に 心 配 し ていました 仕 事 の 上 でも あの 日 の 新 聞 工 程 は 各 社 必 死 のものだったと 思 います わが 社 でも 大 幅 な 繰 上 げは 当 然 として 紙 が 足 りない 都 内 の 道 が 帰 宅 難 民 の 渦 で 発 送 車 両 が 動 けな いなど 予 想 もしない 事 態 に 見 舞 われました 読 売 グループの 仙 台 工 場 は あの 日 以 来 1 度 も 動 くことなく 事 実 上 の 停 止 です 従 業 員 の 皆 様 は さぞ 無 念 であろうと 思 います 震 災 直 後 の 現 地 からの 報 道 も 胸 を 痛 めるも のばかりでした 母 をなくした 少 女 孫 をな くした 老 婦 人 紙 面 に 載 った 写 真 を 見 るのが 辛 くなるほどでした 3 月 11 日 は 金 曜 でした 実 は 私 は その 前 の 日 曜 日 3 月 6 日 に 鎌 倉 にいました 仏 様 を 見 るのが 学 生 時 代 からの 趣 味 で その 日 も 久 し ぶりに 大 仏 様 を 拝 みに 行 きました 大 仏 殿 の 近 くで 2 人 乗 りの 人 力 車 に 出 会 いました 一 人 は70 歳 くらいの 老 婦 人 もう 1 人 は10 歳 くらいの 女 の 子 たぶん お 祖 母 さんと 孫 なのでしょう 女 の 子 は 人 力 車 に 乗 るのが 始 めてなのでしょう 本 当 にうれしそ うな 笑 顔 でお 祖 母 さんに 話 しかけていまし た 大 震 災 の 後 そのことが 思 い 浮 かびまし た 一 方 で 幸 せがあります 一 方 で 孫 に 死 に 別 れた 老 婦 人 がいます この 震 災 で 新 聞 の 役 割 が 改 めて 分 かったよ うな 気 がします リアルタイム 性 ではTVや ネット 動 画 にかなわないことは 事 実 です で も 人 がどう 悲 しみ 人 がそこからどう 立 ち 直 っていくか それは 新 聞 でしか 描 けないの だと 思 います 制 作 局 がそれにどう 係 わって いくのか 記 者 写 真 パソコンから 組 版 輪 転 発 送 までをスピード 化 し 読 者 に 最 新 のニュースを 伝 える それが 基 本 だろうと 思 います でも 今 回 の 震 災 ではもう 一 つの 要 素 が 出 て きました 読 者 に 安 定 して 新 聞 を 提 供 する 災 害 時 ならより 以 上 にそれが 必 要 なのでしょ う そのためには 全 国 の 新 聞 が 今 までどお り 競 争 は 続 けつつ 協 力 を 深 めることです わが 社 もこの 間 印 刷 発 送 業 務 は 大 きく 乱 れました 普 段 はあまりお 付 き 合 いのない 社 にも 多 大 な 協 力 を 頂 き 感 激 したほどでした 新 潟 日 報 社 殿 を 含 め 東 北 地 方 の 各 社 の 災 害 協 定 が 稼 動 したのは 意 義 深 いことです システム 印 刷 発 送 の 各 社 協 力 体 制 を 強 化 し 読 者 が 災 害 時 でも 安 定 して 読 むことが 出 来 力 付 けられる 紙 面 体 制 を 作 っていけれ ばと 考 えます 鎌 倉 の 大 仏 様 は 阿 弥 陀 如 来 です 長 寿 を 全 うし 西 方 極 楽 浄 土 の 阿 弥 陀 様 に 会 えれば 幸 いですが どうもそれは 稀 のようです 読 者 のために あがいて より 良 い 紙 面 を 作 って 行 きたい と 考 えているところです 10
新 局 長 に 就 任 して 談 論 風 発 の 全 員 野 球 読 売 新 聞 東 京 本 社 取 締 役 制 作 局 長 システム 担 当 早 川 正 3.11 東 日 本 大 震 災 では 海 峡 を 隔 てた 北 海 道 も 大 きく 揺 れた 13 歳 の 時 に 経 験 した 新 潟 地 震 の 体 感 に 似 た 長 く 気 味 の 悪 い 揺 れ これはすごいこ とになる と 思 ったが 予 感 をはるかに 上 回 る 惨 状 に 茫 然 自 失 の 状 態 が 続 いている 被 災 地 の 人 々の 身 を 真 に 思 い やる 想 像 力 がすべての 日 本 人 わけてもメデ ィアに 問 われていると 思 う 読 売 新 聞 は 東 日 本 19 工 場 のうち 六 つが 震 災 で 一 時 ダウンし 東 北 の 旗 艦 仙 台 工 場 が 深 手 を 負 った 被 災 を 免 れた 北 海 道 支 社 のトッ プとして 人 員 や 物 資 の 後 方 支 援 にあたってき たが まさか3か 月 後 に 今 度 は 生 産 復 興 の 指 揮 を 執 ることになろうとは これまでも 地 方 部 長 で 新 潟 中 越 地 震 編 集 局 次 長 で 同 中 越 沖 地 震 と 地 震 には 縁 があった 何 かの 巡 りあわせというほかない 制 作 局 勤 務 は 今 回 が2 度 目 になる といっ ても 前 回 は18 年 前 に わずか1 年 3か 月 いただ けだが 人 生 の 原 風 景 ともいえる 鮮 烈 な 印 象 をここで 受 けた 新 聞 社 は 広 く 様 々な 職 種 があり その 連 携 ではじめて 新 聞 ができ 読 者 のもとに 届 く 編 集 しか 知 らない 者 がただ 頭 で 理 解 するのではなく 五 感 でこれを 体 験 できたことがとても 貴 重 だった 当 時 はまだ 工 務 局 の 名 残 をとどめ 技 術 系 は 技 術 システムの2 部 のみで 数 百 人 の 部 隊 を 抱 える 印 刷 発 送 部 が 一 大 勢 力 だった 現 在 では 両 部 門 とも 子 会 社 委 託 方 式 に 変 わ り 局 本 体 の 構 成 も 技 術 職 が 大 多 数 を 占 める など 様 変 わりした だが 内 局 外 局 の 違 い はあれ 一 体 になって 新 聞 という 言 論 商 品 を 作 っているのだという 気 概 は 健 在 と 感 じた こうしたモラールや 部 門 間 の 垣 根 の 低 さは よそに 誇 れる 文 化 だと 自 負 している 就 任 にあたり 三 つのことを 訴 えた 第 一 に どこよりも 強 い 新 聞 社 になろう ポイントは 商 品 力 と 販 売 力 と 技 術 力 制 作 局 は 技 術 力 だけでなく 編 集 局 と 並 ぶ 商 品 力 の 担 い 手 であることを 自 覚 し 活 字 見 出 しや 広 告 カラーまで 完 璧 にこなす どんな 条 件 下 であ れ 販 売 店 読 者 に 届 けるのも 商 品 力 この 2 点 に 徹 底 してこだわる 第 二 に 本 業 の 技 術 力 で ナンバーワン をめ ざす 支 社 長 として 業 務 全 般 を 見 てきた 側 か らすると 重 厚 長 大 なわりに 稼 働 率 の 良 くな い 装 備 労 働 集 約 型 の 構 造 にメスを 入 れる 余 地 はまだまだある 技 術 者 全 員 が 生 産 性 の 向 上 に 知 恵 をしぼり 日 常 の 仕 事 でまず 一 歩 階 段 を 上 がる 改 善 目 標 を 立 て 実 践 する 上 意 下 達 の 富 士 山 型 ではなく 談 論 風 発 の 八 ヶ 岳 スタイルでいこう 三 つ 目 に 企 画 立 案 にあたっては 最 小 の 投 資 で 最 大 の 効 果 をめざす 言 うは 易 く 行 うは 難 しの 典 型 取 引 先 とは 緊 張 感 のある 連 携 を 徹 底 吟 味 セカンドオピニオンの 活 用 に 努 め 脇 を 締 める ど の 付 く 素 人 が 偉 そうなことを 言 ってし まったと 後 悔 しているが この 間 仕 事 を 共 にして 彼 らを 改 めて 好 きになった 思 慮 深 く 堂 々と 物 を 言 い 責 任 感 も 強 い 何 より 仕 事 に 対 し 高 をくくらず 謙 虚 であるところに 好 感 が 持 てる 紙 媒 体 を 大 黒 柱 にしながら デジタル 媒 体 への 対 応 も 抜 かりなく 業 界 を 取 り 巻 く 環 境 は 厳 しいが 力 を 合 わせ 疾 風 に 勁 草 を 知 る と 言 われるような 存 在 にな りたいと 思 う 11
くじ 引 きで 広 がった 見 識 佐 賀 新 聞 社 編 制 局 印 刷 部 部 長 古 賀 徳 康 人 生 最 大 のうねりの 始 まりは2006 年 春 運 命 の くじ 引 きが 決 行 された 日 その 年 長 男 が 中 学 に 入 学 したのだが 地 区 ごとの 持 ち 回 りでPTA 役 員 の 選 出 があり すっ たもんだの 揚 げ 句 見 事 と 言 うか 悲 しくも 引 き 当 ててしまったのです 教 育 に 関 しては 入 学 式 や 卒 業 式 ぐらいしか 行 った 事 が 無 く ほと んど 妻 に 任 せっきりで 学 校 の 事 なんてチンプ ンカンプン そんな 状 況 にも 関 わらず 最 初 の 役 員 会 議 での 事 自 分 の 思 いとは 裏 腹 に 佐 賀 新 聞 社 の 看 板 はとても 大 きく その 肩 書 きに 集 まった 保 護 者 の 視 線 がキラキラと 期 待 の 眼 差 しが 注 がれているのを 感 じました 最 初 の 年 は 副 会 長 の 役 職 でしたが 引 き 受 けたからに は 手 を 抜 く 事 が 嫌 いな 性 質 きちんとやらね ばと 言 う 思 いから 夜 勤 明 けや 仕 事 前 時 に は 休 みの 日 も 関 係 なく35 年 ぶりに 母 校 通 いの 生 活 が 始 まりました 前 向 きに 考 えれば 奇 し くも 教 育 行 政 の 一 端 を 内 部 から 観 察 できるチ ャンスに 恵 まれた 訳 です 学 校 と 言 えば 勉 学 の 次 に 非 行 虐 め 問 題 が クローズアップされている 時 代 ご 多 分 に 漏 れずちょっとした 問 題 があり 良 からぬ 噂 が 市 外 まで 飛 び 交 っていました 校 長 と 会 長 の 機 転 により 保 護 者 会 を 招 集 しようとなったので すが ただ 呼 びかけたのでは 最 近 の 保 護 者 は なかなか 集 まってくれません そこで 一 計 を 案 じ( 私 が 仲 介 した 訳 ではないが) 知 名 度 の 高 いわが 社 のT 論 説 委 員 長 の 講 演 を 依 頼 予 想 以 上 の 大 盛 況 で 内 容 も 考 えさせる 事 が 多 く 興 奮 も 冷 めやらぬうちに 本 題 の 対 応 と 説 明 を 済 ませ 大 事 に 至 らずに 済 んだのでした 危 機 管 理 と 言 えば 携 帯 電 話 とメールも 大 き な 問 題 でした 一 部 の 生 徒 の 間 でメールに 嵌 まり 睡 眠 不 足 になったり 有 料 サイトに 接 続 して 数 十 万 の 請 求 がきたりで 深 刻 な 状 況 も 報 告 されていました 学 校 では 不 必 要 と 言 って 簡 単 に 禁 止 できる 問 題 でもなく ならば 危 険 の 周 知 徹 底 とマナー 教 育 を 徹 底 しようと 言 う 対 応 でした 一 方 では 保 護 者 の 管 理 責 任 が 占 める 割 合 も 大 きいとしてPTAを 通 じて 訴 え ていました そう 言 う 流 れが 全 国 各 地 で 沸 き 起 こり マスコミも 大 々 的 に 報 道 するように なって 通 信 会 社 がセキュリティーと 承 認 強 化 に 本 腰 を 入 れ 始 めた 年 ではなかったかと 記 憶 しています 小 さな 問 題 のうちに 気 付 き い ち 早 く 対 策 を 打 ち 立 てていた 教 頭 の 行 動 力 に は 感 心 させられたものでした 成 り 行 き 上 翌 年 は 会 長 になった 訳 ですが 何 と 言 っても 一 番 緊 張 したのは 卒 業 式 ぶっ つけ 本 番 の 一 発 勝 負 で 失 敗 は 許 されない 神 聖 な 空 間 厳 粛 な 空 気 の 中 で 深 呼 吸 し 壇 上 に 上 がる 数 歩 を 踏 みしめて 国 旗 に 一 礼 振 り 返 れ ば400 名 近 くを 見 渡 す 壮 観 さに 一 瞬 で 覚 悟 が 出 来 ました 祝 辞 を 自 分 で 考 え 何 度 も 車 の 中 で 声 に 出 して 練 習 した 努 力 が 実 り 無 事 に 大 役 を 果 たせた 事 に 満 足 感 で 一 杯 でした その 夜 校 長 に 頼 み 込 んで 教 職 員 の 慰 労 会 に 参 加 させてもらいました 子 供 が 入 学 し 紆 余 曲 折 を 経 て 卒 業 までに 大 きく 成 長 する 時 の 思 い 出 やエピソードに 先 生 達 の 涙 ぐむ 姿 や 熱 い 情 熱 を 感 じ 取 った 一 夜 でもありました 卒 業 式 で 一 区 切 りできる 先 生 がこの 日 ほど 羨 ましい と 思 った 事 は 無 いほど 感 動 の 一 日 でした 考 えてみればこんな 経 験 は 誰 にでも 出 来 る 事 ではなく 貴 重 な 体 験 をさせてもらったと 感 謝 しています そんな 思 い 出 と 共 に 学 校 には 感 動 感 謝 の 標 語 が 掲 げてあった 事 を 今 も 心 に 刻 み 心 豊 かに 過 ごせたらと 思 っています 12
心 と 体 の 健 康 について ニッカ オフセット 印 刷 機 器 本 部 部 長 角 川 武 楽 事 万 歳 の 場 をお 借 りして 健 康 の 話 題 を 申 し 上 げるのは 甚 だ 僭 越 ではありますがお 許 し 願 います 私 のスポーツクラブ 歴 も 四 半 世 紀 となりま す 10 年 ほど 前 の 私 は 兎 に 角 走 る 事 に 夢 中 で した 冬 場 にはクラブ 仲 間 と 月 に1 回 は 市 民 マラソン 大 会 にエントリーし 月 間 走 行 距 離 も150kmを 越 え 我 ながら 良 くやっていたと 思 います 当 時 の 夢 ホノルルマラソンは 目 の 前 にある 手 の 届 く 夢 でした 市 民 ランナー の 第 1 関 門 であるサブフォーもクリアし 自 分 でも 健 康 には 自 信 を 持 っていました スト レスの 解 消 を 目 的 に 走 り 始 めた 事 もあり あ る 意 味 体 の 健 康 と 心 の 健 康 も 一 挙 両 得 で 得 ら れる 最 良 の 状 態 だったのかもしれません ま た 走 る 事 は 私 に 色 々な 楽 しみを 与 えてくれ ました 高 橋 尚 子 さんのシドニーオリンピッ ク 金 メダルもある 大 会 当 日 で 趣 味 を 同 じく する 仲 間 とラジオの 中 継 に 夢 中 になったのも 良 い 思 い 出 です そのような 至 福 の 時 もある 日 を 境 に 終 わり を 告 げます その 日 は 台 風 の 直 撃 を 受 け 高 速 道 路 が 通 行 止 めとなり 車 で 移 動 していた 私 が 目 的 地 に 到 着 したのは 真 夜 中 でした その 途 中 の 車 の 中 でラジオから 流 れたのが9.11テ ロのニュースでした ホテルでも 真 っ 暗 な 部 屋 の 中 で 音 声 を 消 したWTCビルの 映 像 か ら 目 を 逸 らす 事 が 出 来 ませんでした 私 の 人 生 の 転 換 点 となった 出 来 事 の 開 始 日 が9.11と 重 なる 事 により 一 生 忘 れられない 記 憶 とな っております そして 数 ヵ 月 後 には 失 意 のどん 底 をさ 迷 う 事 となります 心 の 挫 折 から 体 を 動 かす 事 さ え 出 来 なくなり 更 に 数 ヵ 月 後 には 体 が 悲 鳴 を 上 げ 大 きな 病 に 陥 ります 人 間 の 体 とは 不 思 議 なもので 心 と 体 が 密 接 に 関 係 している と 改 めて 感 じさせられました 健 康 な 体 も 意 外 と 簡 単 に 壊 れる 事 実 も 学 びました 以 降 の 10 年 間 は 心 に 負 担 をかけないように 心 がけて 参 りましたが 残 念 ながら 体 を 動 かす 事 は 出 来 なくなってしまいました いつかはと 考 え スポーツクラブは 退 会 せずに 継 続 していま す 取 り 敢 えず 今 は 通 う 事 が 最 優 先 通 って いればいずれ 体 を 動 かせるだろうと 開 き 直 っ ていますが ここ 数 年 はお 風 呂 だけの 付 き 合 いが 続 いております この10 年 間 は 私 に 15kg 程 のお 肉 と100mも 走 れない 体 をプレゼ ントしてくれました 私 の 出 身 地 でもある 東 北 地 方 を 襲 った 未 曾 有 の 大 災 害 この 東 日 本 大 震 災 を 契 機 に 世 の 中 が 大 きく 変 わりました そして 私 の 回 りで も 仙 台 に 住 む 従 兄 弟 が 亡 くなりました し かも 震 災 から 数 ヵ 月 後 の 事 です 直 接 の 被 害 は 無 いと 聞 き 安 心 していた 矢 先 の 出 来 事 でし た 心 筋 梗 塞 で 家 族 にも 気 付 かれずに 亡 くな りました 後 日 分 かった 事 ですが 震 災 の 影 響 で 会 社 の 移 転 が 決 定 し 秋 には 解 雇 される 事 が 決 ま っていたようです 家 族 を 抱 え 彼 がどれ 程 の 不 安 に 駆 られていたのか その 不 安 がどれ 程 体 を 蝕 んでいたのか 10 年 前 に 経 験 して 運 良 く 生 還 した 自 分 はなぜ 気 付 いてやれなかった のか 考 える 事 が 多 くどうしようもない 気 持 ちになります ただ 震 災 を 契 機 に 今 生 き ている 者 として 精 一 杯 この 人 生 を 生 きなけれ ばと 改 めて 思 い 始 めています 再 び 夢 を 追 い かけるのも 良 いかもしれません たとえ 今 で は 途 方 も 無 い 夢 だとしても ご 覧 の 通 りこの 度 は 楽 事 とは 言 えない 話 題 となりますが 震 災 以 降 の 世 相 を 写 す 話 題 の ひとつと 考 えて 頂 きご 容 赦 願 います 13
パナソニックインフラシステムです! 当 社 は 本 年 4 月 1 日 にパナソニックグルー プ 内 で 事 業 統 合 を 行 い パナソニックSSイ ンフラシステムとして 発 足 いたしました 新 会 社 は パナソニックグループのシステ ムソリューション 事 業 の 中 核 を 担 う 会 社 とし て パナソニックのコンポーネント 事 業 との 連 携 により オールパナソニックの 技 術 を 生 かした 新 しいインフラシステムソリューショ ンを 創 造 し 貢 献 することを 理 念 としており ます せっかくの 機 会 をいただきましたので こ こでは 新 聞 印 刷 以 外 の 事 業 内 容 について 簡 単 に 紹 介 させていただきます 高 度 映 像 監 視 映 像 伝 送 技 術 や 画 像 処 理 技 術 を 活 用 して 建 物 監 視 駅 構 内 監 視 侵 入 者 検 知 等 社 会 の 安 心 安 全 な 環 境 づくりに 貢 献 しています ITS(Intelligent Transport Systems) 高 度 な 制 御 無 線 技 術 でスムーズな 道 路 交 通 の 最 適 化 を 実 現 しています ETCシステム 交 通 管 制 システム 交 通 量 計 測 端 末 等 を 提 供 しています 無 線 システム 自 治 体 様 向 けに 防 災 無 線 システム を 提 供 しています 地 域 の 安 心 安 全 に 貢 献 してい ます 社 会 インフラシステム 放 送 設 備 やダム 管 理 システム 水 処 理 道 路 電 気 設 備 などのさまざまな 社 会 インフラの 長 期 に 亘 る 運 用 を 提 供 支 援 しています 新 会 社 となりましたが 新 聞 印 刷 事 業 を はじめ 広 く 社 会 に 貢 献 し 続 けていくため 努 力 していきますので 引 き 続 きご 支 援 賜 り ますようよろしくお 願 いいたします パナソニック SS インフラシステム かずさテクノセンター 本 稼 働 私 ども 東 京 機 械 製 作 所 では 新 たな 生 産 拠 点 かずさテクノセンター が 竣 工 去 る7 月 1 日 より 本 稼 働 を 開 始 致 しました 昭 和 13 年 よ り70 余 年 にわたり 神 奈 川 県 川 崎 市 は 武 蔵 小 杉 の 玉 川 製 造 所 において 操 業 して 参 りました が 工 場 周 辺 の 環 境 変 化 に 対 応 するため 新 天 地 にて 新 たな 一 歩 を 踏 み 出 すこととなりま した 玉 川 製 造 所 時 代 に 皆 様 から 頂 きました ご 厚 情 に 対 し 誌 上 をお 借 りして 改 めて 御 礼 申 し 上 げます かずさテクノセンター は 千 葉 県 の 木 更 津 市 君 津 市 など4 市 にまたがるテクノパーク である かずさアカデミアパーク 内 に 位 置 し 総 面 積 は 約 10 万 5,000 平 方 メートル( 約 3 万 2000 坪 )です 時 代 の 経 過 に 伴 い 段 階 的 に 発 展 させた 為 やや 非 効 率 な 面 が 否 めなかっ た 玉 川 製 造 所 の 問 題 点 を 解 消 するため 人 や 物 情 報 の 流 れを 徹 底 的 に 見 直 し 極 めて 使 い 勝 手 のよい 工 場 が 誕 生 致 しました 今 後 は この かずさテクノセンター を 東 の 製 造 拠 点 従 来 からの 伊 賀 テクノセンタ ー を 西 の 製 造 拠 点 として お 客 様 のニーズ に 合 致 した 輪 転 機 製 造 に 邁 進 致 します また 工 場 移 転 に 伴 い アフターサービスの 窓 口 と なるサービスセンターを 組 織 的 には 本 社 営 業 部 門 に 移 して 交 通 至 便 な 都 内 に 配 置 する ことにより お 客 様 のご 要 望 に 迅 速 に 対 応 可 能 な 体 制 を 確 立 することができました これ により 更 にきめ 細 かいメンテナンスや 輪 転 機 の 延 命 化 に 対 応 して 参 る 所 存 です 今 後 と も 皆 様 の 変 わらぬご 指 導 ご 鞭 撻 をお 願 い 申 し 上 げます 14
高 さ 4 メートルのタワー 機 イリスは1859 年 ドイツ 人 の 貿 易 商 により 日 本 で 設 立 された 商 社 です ドイツハンブル グに 本 社 を 置 き 現 在 世 界 13か 国 に 約 450 名 の 社 員 を 擁 する 企 業 です 国 内 では 東 京 大 阪 を 拠 点 とし 技 術 エンジニアリング そして 保 守 サービスをト ータルで 提 供 しております イリスでは 印 刷 に 関 する 様 々なメーカー の 商 品 をご 紹 介 しています 取 扱 商 品 は 印 刷 機 メーカーのKBA 社 (Koenig & Bauer)を 始 めとして 水 なし 枚 葉 印 刷 機 ジーニアス 52UVのKBAメ ト ロ プ リ ン ト 社 (KBA MetroPrint) インキジェットプリンターの KBAメトロニック 社 (KBA Metronic)など 多 岐 にわたります 中 でも 45% 以 上 のトップシェアを 誇 り 新 聞 印 刷 業 界 の 技 術 革 新 の 代 名 詞 ともなって いるKBA 社 のセミコマーシャル 印 刷 機 コル チナは 現 在 までに82 台 以 上 のタワーユニッ トが 出 荷 されており そのマーケットは 欧 州 から 中 東 へと 拡 大 しています コルチナは 高 さわずか4mの 革 新 的 な 新 型 キーレス 水 なし ギアレス 印 刷 機 で 環 境 問 題 経 済 性 そして 印 刷 品 質 の 基 準 を 改 めました また 6 2 4 2 4 1の 印 刷 ユニット 構 成 が 可 能 で あらゆるニーズにお 応 えします コールドセット 印 刷 で 最 高 の 新 聞 品 質 を 実 現 できる 全 く 新 しいコンセプトの 新 聞 印 刷 機 です お 問 い 合 わせ: 印 刷 紙 加 工 機 械 部 まで イリス CTP 版 事 業 に 特 化 2 回 目 の 会 員 社 リポートとなります 岡 本 化 学 工 業 です 初 回 の 会 員 社 リポートでは 弊 社 の 歴 史 について 書 かせて 頂 きました 弊 社 は 商 業 印 刷 及 び 新 聞 印 刷 用 オフセット PS 版 を 製 造 販 売 しておりましたが 2010 年 4 月 より 印 刷 事 業 は 新 聞 用 PS 版 及 びCTP 版 の 製 造 販 売 に 特 化 し 現 在 に 至 ります 弊 社 は 新 聞 用 CTP 版 としては 業 界 初 のコ ンパチブルプレートを 開 発 し JANPSなど で 発 表 し 市 場 投 入 することが 出 来 ました 一 般 的 にコンパチブルプレートのメリット は 一 種 類 の 処 理 液 で 複 数 社 の 刷 版 が 可 能 な 事 です 今 まで 複 数 購 買 が 出 来 なかった 新 聞 社 では 複 数 購 買 が 可 能 になり 万 一 の 場 合 でも 刷 版 の 安 定 供 給 性 が 向 上 したと ご 好 評 いただい ております 弊 社 CTP 版 の 主 な 実 績 として2009 年 から4 社 5 工 場 へ 他 社 現 像 システムにドロップイン でご 提 供 させて 頂 いております 更 に 弊 社 CTP 版 は 自 現 機 洗 浄 が 容 易 です 自 現 機 洗 浄 は 約 1カ 月 ご 使 用 後 に 洗 浄 を 実 施 すると 思 いますが 弊 社 CTP 版 は 現 像 槽 内 の 残 渣 が 少 なく 特 別 な 薬 剤 も 不 要 です 現 場 の 方 々には 洗 浄 時 間 が 短 縮 できご 好 評 を 得 ております 今 後 さらに 現 場 の 声 を 大 切 にし 新 聞 社 のニーズに 合 った 商 品 の 開 発 製 造 をし 新 聞 業 界 の 発 展 のため 更 なる 努 力 をしてい きたいと 考 えております 最 後 になりましたが 今 回 の 東 日 本 大 震 災 で 被 災 された 方 々へ 心 よりお 見 舞 い 申 し 上 げ ます 一 日 も 早 い 復 興 復 旧 をお 祈 りしてお ります 岡 本 化 学 工 業 15
読 売 新 聞 社 木 場 工 場 見 学 7 月 21 日 前 日 まで 猛 威 を 振 るった 台 風 6 号 が 心 配 されましたが 雨 も 上 がり 涼 しい 気 温 の 中 読 売 新 聞 木 場 工 場 の 見 学 会 が 開 催 され 26 名 が 参 加 しました まず 株 式 会 社 ミナトの 川 崎 取 締 役 工 場 長 山 崎 副 工 場 海 宝 工 場 次 長 から 工 場 設 備 の 説 明 を 受 け その 後 工 場 の 案 内 を 頂 きました 同 工 場 は2010 年 2 月 1 日 竣 工 施 設 運 営 を 株 式 会 社 ミナトが 行 なってい ます 工 場 の 案 内 には 読 売 新 聞 東 京 本 社 技 術 2 部 の 安 達 次 長 および 澤 井 様 にも 同 行 して 頂 き CTP 室 輪 転 機 給 紙 部 紙 庫 イン キタンク 室 トラックヤード 屋 上 を 見 学 同 工 場 のこだわりは 災 害 に 強 く 環 境 に やさしく ということで 耐 震 構 造 の 建 物 工 場 敷 地 部 だけでなく 建 物 屋 上 にも 緑 地 化 を 取 り 入 れ ミドリのカーテンやLED 照 明 人 感 点 灯 の 採 用 また 蓄 熱 による 電 力 使 用 削 減 など 様 々な 工 夫 や 配 慮 が 感 じられる 工 場 という 印 象 を 強 く 受 けました また 空 調 は 場 所 により 強 弱 をつけて 空 気 の 流 れがより 良 く なるように 工 夫 している 結 果 が 良 くても 満 足 することなくさらに 良 い 方 向 になるよう 日 々 努 力 しているという 説 明 も 印 象 に 残 りま した 夕 刊 印 刷 では 綺 麗 な 紙 面 が 非 常 に 早 く 立 ち 上 がり 折 機 調 整 しているオペレーターが 入 読 売 新 聞 木 場 工 場 前 にて 社 数 カ 月 ということを 聞 いて 非 常 に 驚 いたと 同 時 に 教 育 レベルの 高 さにも 感 心 しました 通 常 15 万 のスピードで 印 刷 をしているそうで す 見 学 終 了 後 の 懇 親 会 は 会 員 と 事 務 局 だけの 参 加 となりましたが 情 報 交 換 など 有 意 義 な 時 間 を 過 ごしました 最 後 にお 忙 しい 中 CONPT 技 術 懇 談 会 に 対 応 して 頂 きました 株 式 会 社 ミノリ 川 崎 取 締 役 工 場 長 山 崎 副 工 場 長 海 宝 工 場 次 長 読 売 新 聞 東 京 本 社 安 達 次 長 澤 井 様 には 心 より 御 礼 を 申 し 上 げます (クォード テック インク 有 川 直 彦 記 ) CONPT 日 誌 6 月 29 日 ( 水 )JANPS 準 備 部 会 ( 出 席 5 名 ) 7 月 14 日 ( 木 ) JANPS2012 第 1 回 運 営 委 員 会 ( 出 席 10 名 ) 7 月 21 日 ( 木 ) 第 108 回 技 術 懇 談 会 読 売 新 聞 社 木 場 工 場 並 びに 江 戸 東 京 博 物 館 見 学 会 ( 参 加 者 26 名 ) 8 月 2 日 ( 火 )JANPS 準 備 部 会 ( 出 席 4 名 ) 8 月 11 日 ( 木 ) 17 日 ( 水 ) 夏 季 休 暇 会 員 消 息 担 当 者 変 更 三 菱 製 紙 (7 月 1 日 付 ) [ 新 ] 谷 本 泰 彦 氏 (I&Dカンパニー 印 刷 感 材 営 業 部 新 聞 グループリーダー) [ 旧 ] 豊 嶋 守 氏 (I&Dカンパニー 新 聞 グループリーダー) 所 在 地 変 更 三 菱 製 紙 (7 月 1 日 付 ) 100 0005 千 代 田 区 丸 の 内 3-2-3 富 士 ビル4 階 TEL 番 号 :03 3216 7603 FAX 番 号 :03 3216 7505 16