は じ め に このマニュアルは, 徳 島 県 の 医 療 機 関 で,HIV 抗 体 陽 性 又 は 陽 性 が 疑 われる 患 者 に 対 する 医 療 行 為 によって 生 じた 曝 露 事 故 に 際 し, 適 切 に 抗 HIV 薬 の 予 防 内 服 を 行 うことができるように,それぞ



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抗 HIV 予 防 服 用 フローチャート 平 日 対 応 用 < 事 故 発 生!!> 経 皮 的 創 傷 粘 膜 結 膜 および 傷 のある 皮 膚 ( 手 荒 れ 傷 ささくれ)への 曝 露 HIV 抗 体 (+) 血 液 HIV 抗 体 (+)が 強 く 疑 われる 血 液 カリニ 肺 炎

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Transcription:

医 療 従 事 者 等 における 体 液 曝 露 事 故 後 の HIV 感 染 防 止 マニュアル 徳 島 県 エイズ 連 携 会 議 ( 平 成 28 年 4 月 改 訂 )

は じ め に このマニュアルは, 徳 島 県 の 医 療 機 関 で,HIV 抗 体 陽 性 又 は 陽 性 が 疑 われる 患 者 に 対 する 医 療 行 為 によって 生 じた 曝 露 事 故 に 際 し, 適 切 に 抗 HIV 薬 の 予 防 内 服 を 行 うことができるように,それぞれの 医 療 機 関 の 対 応 と 連 携 について 記 載 したものです HIV(ヒト 免 疫 不 全 ウイルス) 感 染 防 止 については,HIV 抗 体 陽 性 又 はHIV 抗 体 陽 性 が 強 く 疑 われる 患 者 の 体 液 による 曝 露 事 故 ( 以 下 HIV 曝 露 事 故 とい う )が 起 こった 場 合 には, 曝 露 事 故 を 起 こした 人 ( 以 下 被 曝 露 者 という ) と 曝 露 事 故 が 発 生 した 医 療 機 関 ( 以 下 事 故 発 生 医 療 機 関 という )は,で きるだけ 早 く 被 曝 露 者 及 び 曝 露 由 来 患 者 のHIV 迅 速 検 査 を 行 い 抗 HIV 薬 の 予 防 内 服 などの 感 染 予 防 対 策 を 行 うことが 必 要 です 徳 島 県 においては,エイズ 診 療 の 拠 点 となる 病 院 として4ヶ 所 のエイズ 治 療 拠 点 病 院 2ヶ 所 のエイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 を 選 定 し,エイズ 診 療 を 行 う とともに, 医 療 機 関 等 において 曝 露 事 故 が 発 生 した 場 合 の 予 防 内 服 を 含 めた 指 導 助 言 等 を 行 う 体 制 を 整 備 しています また,HIV 曝 露 事 故 が 発 生 した 場 合 には, 抗 HIV 薬 を 常 備 していない 医 療 機 関 等 が, 迅 速 に 抗 HIV 薬 を 入 手 できるように,エイズ 治 療 拠 点 病 院 エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 に 抗 HIV 薬 を 配 備 し, 被 曝 露 者 が 迅 速 に 抗 HIV 薬 を 内 服 できる 体 制 を 整 えております 今 回 の 当 マニュアルの 改 訂 は,2014 年 ガイドラインの 改 訂 に 基 づいて 行 い ました HIV 曝 露 事 故 発 生 時 には 当 マニュアルが 活 用 され,HIVの 感 染 が 防 止 される ことを 期 待 致 します 改 訂 の 内 容 曝 露 事 象 のリスクを 分 類 して 曝 露 後 予 防 薬 の 組 み 合 わせを2 剤 または3 剤 ( 以 上 ) と 分 けて 判 断 する 方 法 は, 現 実 の 対 応 に 即 応 して, 使 用 取 りやめとなった 曝 露 後 予 防 内 服 は 今 までの3 剤 ( 以 上 )の 組 み 合 わせに 統 一 されることとなった 標 準 的 な 曝 露 後 予 防 として 推 奨 される 薬 剤 はアイセントレスとツルバダの2 剤 とな ったため, 徳 島 県 予 防 内 服 薬 等 配 備 状 況 の 変 更 を 行 う 徳 島 県 エイズ 連 携 会 議

目 次 1 エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 エイズ 治 療 拠 点 病 院 一 覧 表 1 2 事 故 後 対 応 フローチャート( 緊 急 対 応 用 ) 2 3 HIV 曝 露 後 の 対 応 について( 事 故 後 対 応 フローチャート 参 照 ) 3 4 エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 エイズ 治 療 拠 点 病 院 での 対 応 ( 事 故 後 対 応 フローチャートの 内 容 の 詳 細 ) 5 5 予 防 内 服 薬 の 選 択 と 抗 HIV 薬 の 注 意 点 6 6 費 用 負 担 について 9 7 労 災 保 険 における 取 扱 いについて 9 ( 別 紙 1) 紹 介 状 ( 別 紙 2) 抗 HIV 薬 による 予 防 内 服 についての 説 明 書 ( 別 紙 3) 患 者 へのHIV 検 査 の 説 明 事 項 ( 別 紙 4)HIV 検 査 等 に 関 する 同 意 書 ( 患 者 用 ) ( 別 紙 5)HIV 検 査 等 に 関 する 同 意 書 ( 被 曝 露 者 用 ) ( 別 紙 6) 予 防 内 服 に 関 する 同 意 書

1 エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 エイズ 治 療 拠 点 病 院 一 覧 表 平 成 28 年 4 月 現 在 エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 徳 島 大 学 病 院 770-8503 徳 島 県 徳 島 市 蔵 本 町 2 丁 目 50-1 代 表 電 話 :088-631-3111 担 当 者 ( 所 属 ): 安 倍 正 博 ( 血 液 内 科 ) 徳 島 県 立 中 央 病 院 770-8539 徳 島 県 徳 島 市 蔵 本 町 1 丁 目 10-3 代 表 電 話 :088-631-7151 担 当 者 ( 所 属 ): 尾 崎 修 治 ( 血 液 内 科 ) エイズ 治 療 拠 点 病 院 徳 島 県 立 三 好 病 院 778-8503 徳 島 県 三 好 市 池 田 町 シマ 815-2 代 表 電 話 :0883-72-1131 徳 島 県 立 海 部 病 院 775-0006 徳 島 県 海 部 郡 牟 岐 町 大 字 中 村 字 本 村 75-1 代 表 電 話 :0884-72-1166 徳 島 県 鳴 門 病 院 772-8503 徳 島 県 鳴 門 市 撫 養 町 黒 崎 字 小 谷 32 代 表 電 話 :088-683-0011 阿 南 共 栄 病 院 779-1198 徳 島 県 阿 南 市 羽 ノ 浦 町 中 庄 蔵 ノホケ 36 番 地 代 表 電 話 :0884-44-3131 1

2 事 故 後 対 応 フローチャート( 緊 急 対 応 用 ) 一 体 液 曝 露 事 故 の 発 生 応 急 処 置 現 場 責 任 者 に 報 告 般 曝 露 由 来 患 者 ( 以 下 患 者 という)は HIV 抗 体 が 陽 性 か 否 か 陰 性 予 防 内 服 は 不 必 要 医 で 希 望 しない 療 陽 性 不 明 かつHIV 陽 性 が 強 く 疑 われる 希 望 しない 抗 HIV 薬 の 内 服 抗 HIV 薬 の 内 服 き 希 望 する 希 望 する 経 過 観 察 1 被 曝 露 者 の 採 血 1 患 者 へのHIV 検 査 の 機 2 被 曝 露 者 の 検 体 と 患 説 明 及 び 同 意 る 者 の 情 報 ( 内 服 中 の 抗 HIV 薬, 薬 剤 耐 性, 2 患 者 の 採 血 3 被 曝 露 者 の 採 血 関 B 型 肝 炎 など) 4 紹 介 状 ( 別 紙 1)の 作 成 だ 3 紹 介 状 ( 別 紙 1)の 作 成 2~4を 持 参 して 受 診 する 経 過 観 察 け 等 1~3を 持 参 して 受 診 する 拠 点 病 院 への 電 話 連 絡 診 察 依 頼 拠 点 病 院 に 受 診 (ただし, 被 曝 露 者 が 妊 娠 している 場 合 は 徳 島 大 学 病 院 県 立 中 央 病 院 を 受 診 する ) 早 拠 陰 性 患 者 のHIV 検 査 被 曝 露 者 のHIV 検 査 く 点 ( 1) 被 曝 露 者 のHIV 検 査 予 防 内 服 の 説 明 及 び 同 意 予 防 内 服 は 不 必 要 陽 性 抗 HIV 薬 の 内 服 しない 経 過 観 察 する 病 ( 1)と 同 じ 抗 HIV 薬 受 領 内 服 院 内 服 継 続 の 対 応 2

3 HIV 曝 露 後 の 対 応 について( 事 故 後 対 応 フローチャート 参 照 ) (1) 曝 露 した 場 合 は, 直 ちに 業 務 を 中 止 し, 代 行 を 依 頼 する 予 防 内 服 は,できるだけ 早 く(2 時 間 以 内 ) 開 始 する (2) 応 急 処 置 直 ちに, 石 鹸 と 流 水 で 十 分 に 洗 浄 する ( 粘 膜 の 場 合 は 流 水 のみ ) (3) 対 応 < 被 曝 露 者 が 行 うこと> 1 被 曝 露 者 は, 現 場 責 任 者 へ 事 故 の 時 刻 状 況, 曝 露 源 となった 患 者 の 病 状 等 を 報 告 する 2 事 故 の 状 況 を 確 認 し,フローチャートに 沿 って, 予 防 内 服 を 検 討 する 3 妊 娠 の 有 無, 慢 性 B 型 肝 炎 の 既 往,HBs 抗 原,HCV 抗 体,HB ワクチン 接 種 の 有 無 を 確 認 する 4 生 化 学 用 採 血 管 に 約 5ml 採 血 する HIV 検 査 を 実 施 する 前 に 被 暴 露 者 用 の 同 意 書 を 記 入 する 後 日, 新 たな 感 染 症 に 罹 患 した 場 合 の 比 較 となるため, 余 った 血 清 を 保 管 しておくことが 望 ましい < 患 者 の 感 染 症 に 関 する 情 報 入 手 について> 患 者 の 感 染 症 に 関 する 情 報 (HIV 抗 体,HBs 抗 原,HBs 抗 体,HCV 抗 体 など)を 確 認 する 1 HIV 抗 体 陽 性 の 場 合 : 服 用 中 の 抗 HIV 薬,HIV の 薬 剤 耐 性 などを 確 認 する 2 HIV 抗 体 陽 性 か 否 かが 不 明 の 場 合 * 患 者 へ HIV 迅 速 検 査 の 実 施 を 依 頼 し 採 血 を 行 う ( 生 化 学 用 採 血 管, 約 5ml) * 患 者 の HIV 検 査 を 実 施 するには, 患 者 への 説 明 及 び 同 意 が 必 要 同 意 を 得 たら,その 旨 を 必 ずカルテへ 記 載 する 患 者 への HIV 検 査 の 説 明 事 項 ( 別 紙 3) HIV 検 査 に 関 する 同 意 書 ( 患 者 用 ) ( 別 紙 4)を 参 考 にする * 患 者 から 検 査 の 同 意 が 得 られない 場 合, 感 染 リスクが 高 いときは,1 回 目 の 内 服 を 検 討 する (4) HIV 曝 露 後,エイズ 治 療 拠 点 病 院, 又 は,エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 への 連 絡 及 び 受 診 1 受 診 を 希 望 するエイズ 治 療 拠 点 病 院, 又 は,エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 へ 事 故 の 状 況 を 連 絡 する 被 曝 露 者 が 妊 娠 あるいは B 型 肝 炎 に 罹 患 している 場 合 は,エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 である 徳 島 大 学 病 院,または, 県 立 中 央 病 院 の 専 門 医 に 受 診 または 相 談 する 2 被 曝 露 者 が 拠 点 病 院 を 受 診 するための 紹 介 状 ( 別 紙 1)を 作 成 する 3 被 曝 露 者 が 拠 点 病 院 を 受 診 する 3

* 院 内 で HIV 検 査 が 済 んでいる 場 合 は, 患 者 及 び 被 曝 露 者 の 検 体 を 持 参 する 必 要 は 無 い [ 患 者 が HIV 抗 体 陽 性 の 場 合 ] 患 者 情 報 ( 服 用 中 の 抗 HIV 薬, 薬 剤 耐 性,B 型 肝 炎 など), 被 曝 露 者 の 検 体, 紹 介 状 ( 別 紙 1) [HIV 抗 体 陽 性 か 否 かが 不 明 の 場 合 ] 患 者 情 報 (B 型 肝 炎 など), 患 者 の 検 体, 被 曝 露 者 の 検 体, 紹 介 状 ( 別 紙 1) * 抗 HIV 薬 の 処 方 は 原 則 1 回 分 とし, 内 服 継 続 についてはエイズ 治 療 拠 点 病 院 専 門 医 に 相 談 する (5) 守 秘 義 務 の 徹 底 事 故 発 生 を 知 った 職 員 に 対 して, 感 染 症 法 上 の 守 秘 義 務 が 発 生 することを 徹 底 する (6) その 他 被 曝 露 者 の 予 防 内 服 に 関 する 資 料 は 予 防 内 服 に 関 する 同 意 書 ( 別 紙 6)を 参 照 とする 4

4 エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 エイズ 治 療 拠 点 病 院 での 対 応 ( 事 故 後 対 応 フローチャートの 内 容 の 詳 細 ) * 曝 露 後 の 予 防 の 対 応 について 依 頼 を 受 けたら,できるだけ 早 く 第 1 回 目 の 内 服 が 可 能 になるよう, 直 ちに 受 診 受 け 入 れ 対 応 および 薬 剤 の 準 備 を 開 始 する (1) 患 者 の HIV 検 査 の 実 施 患 者 から HIV 検 査 の 実 施 について 同 意 が 得 られていることを 確 認 して,HIV 検 査 を 行 う (2) 被 曝 露 者 の HIV 検 査 の 実 施 被 曝 露 者 の 同 意 を 得 て HIV 検 査 を 行 う (3) 被 曝 露 者 への 説 明 と 同 意 *エイズ 治 療 拠 点 病 院,エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 の 医 師 は, 患 者 の HIV 検 査 結 果 及 び 事 故 の 状 況 を 聞 き 取 り, 体 液 曝 露 の 程 度 等 を 確 認 した 上 で, 感 染 のリスクを 判 断 する * 被 曝 露 者 に 対 して, 妊 娠 の 有 無 ( 必 要 な 場 合 は, 妊 娠 検 査 を 実 施 する )や 慢 性 B 型 肝 炎 の 既 往,HBs 抗 原 及 び,HB ワクチン 接 種 の 有 無 を 確 認 する 被 曝 露 者 が 妊 娠 している 場 合 や B 型 肝 炎 の 場 合 は,エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 であ る 徳 島 大 学 病 院, 又 は, 県 立 中 央 病 院 の 専 門 医 に 相 談 する * 被 曝 露 者 へ, 抗 HIV 薬 による 予 防 内 服 についての 説 明 書 ( 別 紙 2)を 用 いて 予 防 内 服 の 効 果 と 副 作 用 について 説 明 する * 予 防 内 服 を 実 施 するか 否 かは, 被 曝 露 者 が 決 定 する (4) 予 防 内 服 の 実 施 * 被 曝 露 者 が 予 防 内 服 を 希 望 した 場 合 には, 速 やかに 曝 露 後 予 防 薬 を 処 方 し, 内 服 を 開 始 する (5) カルテへの 記 載 上 記 (1)から(4)までに 関 する 事 項 について,カルテへ 記 載 する 予 防 内 服 薬 等 配 備 状 況 ( 平 成 28 年 4 月 ~) 病 院 名 ツルバダ 錠 アイセントレス 錠 迅 速 キット 徳 島 大 学 病 院 徳 島 県 立 中 央 病 院 徳 島 県 立 三 好 病 院 徳 島 県 立 海 部 病 院 徳 島 県 鳴 門 病 院 阿 南 共 栄 病 院 * 徳 島 大 学 病 院 の 予 防 薬, 迅 速 キットについては 自 病 院 分 5

5 予 防 内 服 薬 の 選 択 と 抗 HIV 薬 の 注 意 点 医 療 従 事 者 における HIV 感 染 血 液 による 針 刺 し 切 創 などの 職 業 曝 露 からの HIV 感 染 が 成 立 するリスクは, 経 皮 的 曝 露 で 約 0.3% 粘 膜 曝 露 では 約 0.09%と 報 告 されている この 感 染 危 険 率 は B 型 肝 炎 ウイルスや C 型 肝 炎 ウイルスに 比 べると 明 らかに 低 いと 考 え られる 血 液 体 液 曝 露 時 の 対 応 通 常,HIV 感 染 成 立 の 可 能 性 がほとんどなければ, 抗 HIV 薬 による 予 防 内 服 は 不 要 と 判 断 される しかしながら,HIV 感 染 成 立 の 可 能 性 が 考 慮 される 場 合 には, 抗 HIV 薬 の 予 防 内 服 開 始 が 推 奨 される 曝 露 事 象 で 感 染 の 可 能 性 が 高 いのは 以 下 の 通 りである AIDS 患 者 からの 曝 露 HIV RNA 量 が 1500 copies/ml 以 上 の 患 者 からの 曝 露 針 ( 器 具 )が 中 空 ( 針 )の 場 合 針 ( 器 具 )に 血 液, 体 液 が 肉 眼 的 に 見 える 場 合 血 管 内 に 刺 入 された 後 の 器 具 ( 針 )の 場 合 深 い 傷 の 場 合 曝 露 由 来 患 者 の HIV に 関 する 状 態 が 不 明 な 場 合 には, 曝 露 後 事 象 発 生 後 は, 事 情 を 話 して,その 患 者 に HIV スクリーニング 検 査 を 施 行 する HIV 曝 露 後 の 抗 HIV 薬 内 服 を 実 施 すべきか 否 かについては,それぞれの 事 例 について 感 染 リスクを 勘 案 しつつ, 専 門 医 と 相 談 の 上 で 最 終 的 には 被 曝 露 者 が 決 定 する 権 利 を 有 する 予 防 内 服 について 現 在,HIV の 血 液 体 液 曝 露 後 の 感 染 成 立 を 完 全 に 予 防 できる 方 法 は 確 立 していないが, 感 染 リスクが 考 えられる 場 合 は, 可 及 的 速 やかに( 可 能 であれば 2 時 間 以 内 に), 内 服 を 開 始 し,4 週 間 は 予 防 内 服 を 継 続 する 予 防 内 服 の 遅 延 が 認 められた 場 合, 由 来 ウイルス の 薬 剤 耐 性 が 疑 われる 場 合 などの 場 合 は, 専 門 家 に 相 談 することが 奨 励 されている 一 般 に, 短 期 間 の 抗 HIV 薬 の 投 与 による 副 作 用 は 少 ないが, 曝 露 後 予 防 を 受 けた 医 療 従 事 者 に 重 大 な 副 作 用 ( 腎 結 石 薬 疹 肝 機 能 検 査 異 常 汎 血 球 減 少 横 紋 筋 融 解 症 など) が 報 告 されている また, 曝 露 後 の 予 防 内 服 は 労 災 保 険 の 保 険 給 付 が 認 められるため, 曝 露 の 記 録 を 文 章 で 残 すことが 重 要 である 6

推 奨 されている 予 防 内 服 2014 年 のガイドラインから, 第 1 推 奨 薬 は 以 下 の 2 剤 に 単 純 化 された 1. アイセントレス 400mg 1 回 1 錠 1 日 2 回 ( 一 般 名 :ラルテグラビル) 2. ツルバダ 配 合 錠 1 回 1 錠 1 日 1 回 ( 一 般 名 :テノホビル+エムトリシタビ ン) < 抗 HIV 薬 の 注 意 点 について> 以 下 に 各 薬 剤 の 注 意 点 について 示 す 具 体 的 な 副 作 用 等 については 添 付 文 書 を 必 ず 確 認 すること アイセントレス 錠 :1 回 1 錠,1 日 2 回 内 服 食 事 に 関 係 なく 内 服 可 能 < 主 な 副 作 用 > スティーブンジョンソン 症 候 群 横 紋 筋 融 解 症 肝 障 害 など < 注 意 点 > 1 日 2 回 の 内 服 が 必 要 である リファンピシンとの 併 用 により 本 剤 の 薬 効 が 低 下 する 本 剤 投 与 の 前 後 6 時 間 以 内 にマグネシウム/アルミニウム 製 剤 と 併 用 した 場 合 本 剤 の 薬 効 が 低 下 するため 同 時 併 用 は 避 ける ツルバダ 錠 :テノホビルとエムトリシタビンの 成 分 の 合 剤 1 回 1 錠,1 日 1 回 内 服 食 事 に 関 係 なく 内 服 可 能 < 主 な 副 作 用 > 悪 心 腹 部 膨 満 感 下 痢 腎 機 能 障 害 乳 酸 アシドーシスなど 腎 機 能 が 著 しく 低 下 している 場 合 は, 拠 点 病 院 専 門 医 に 相 談 することが 望 ましい < 注 意 点 > CCrが50 ml/min 未 満 の 場 合 は 減 量 が 必 要 投 与 中 は 腎 機 能 尿 検 査 電 解 質 のモニタリングが 必 要 服 用 する 前 にはB 型 肝 炎 の 有 無 を 確 認 すること テノホビル 及 びエムトリシタビンともに 抗 B 型 肝 炎 ウイルス 効 果 を 有 する そ のため 曝 露 者 が 慢 性 B 型 肝 炎 を 罹 患 している 場 合 は この 薬 剤 を 中 止 後 に 肝 炎 が 悪 化 する 可 能 性 がある 7

6 費 用 負 担 について 医 療 機 関 内 の 医 療 事 故 による 医 療 従 事 者 の 感 染 予 防 対 策 は, 各 医 療 機 関 の 責 任 におい て 実 施 していただくものである 患 者 の 血 液 検 査 及 び 抗 HIV 薬 の 予 防 内 服 は 健 康 保 険 の 給 付 対 象 ではないので, 自 費 扱 いとなる エイズ 治 療 拠 点 病 院,エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 の 請 求 に 基 づき, 事 故 発 生 医 療 機 関 等 が 支 払 いする エイズ 治 療 拠 点 病 院,エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 は, 一 般 の 外 来 患 者 と 同 様 にカルテを 作 成 し, 経 過 を 詳 細 に 記 録 して, 処 方 箋 の 発 行 により 抗 HIV 薬 の 処 方 を 行 う 被 曝 露 者 が 予 防 内 服 を 希 望 しなかった 場 合 においても, 医 師 の 説 明 及 び 被 曝 露 者 が 希 望 しなかった 旨 等 を, 詳 細 に 記 載 し 記 録 を 残 す 7 労 災 保 険 における 取 扱 いについて 被 曝 露 者 に 対 する HIV 検 査 や 抗 HIV 薬 の 予 防 内 服 については, 健 康 保 険 の 給 付 対 象 ではないが, 感 染 の 危 険 に 対 し 有 効 であると 認 められる 場 合 は 労 災 保 険 の 給 付 対 象 とな る C 型 肝 炎,エイズ 及 び MRSA 感 染 症 に 係 る 労 災 保 険 における 取 扱 いについて より 平 成 5 年 10 月 29 日 付 け 基 発 第 619 号 ( 平 成 22 年 9 月 9 日 付 け 基 発 0909 第 1 号 により 改 正 ) 2 エイズについて (3) 労 災 保 険 上 の 取 扱 い エイズについては, 現 在,HIV 感 染 が 判 明 した 段 階 で 専 門 医 の 管 理 下 に 置 かれ, 定 期 的 な 検 査 とともに, 免 疫 機 能 の 状 態 をみて HIV の 増 殖 を 遅 らせる 薬 剤 の 投 与 が 行 われることから,HIV 感 染 をもって 療 養 を 要 する 状 態 とみるものである したがって, 医 療 従 事 者 等 が,HIV の 感 染 源 である HIV 保 有 者 の 血 液 等 に 業 務 上 接 触 したことに 起 因 して HIV に 感 染 した 場 合 には, 業 務 上 疾 病 として 取 り 扱 われる とともに, 医 学 上 必 要 な 治 療 は 保 険 給 付 の 対 象 となる イ 血 液 等 に 接 触 した 場 合 の 取 扱 い (イ) 血 液 等 への 接 触 の 機 会 医 療 従 事 者 等 が,HIV に 汚 染 された 血 液 等 に 業 務 上 接 触 する 機 会 としては, 次 のような 場 合 が 考 えられ,これらは 業 務 上 の 負 傷 として 取 り 扱 われる a HIV に 汚 染 された 血 液 等 を 含 む 注 射 針 等 ( 感 染 性 廃 棄 物 を 含 む )により 手 指 等 を 受 傷 したとき b 既 存 の 負 傷 部 位 ( 業 務 外 の 事 由 によるものを 含 む ), 眼 球 等 に HIV に 汚 8

染 された 血 液 等 が 付 着 したとき (ロ) 療 養 の 範 囲 a 前 記 (イ)に 掲 げる 血 液 等 への 接 触 ( 以 下, 記 の 2 において 受 傷 等 という )の 後, 当 該 受 傷 等 の 部 位 に 洗 浄, 消 毒 等 の 処 置 が 行 われた 場 合 には, 当 該 処 置 は, 業 務 上 の 負 傷 に 対 する 治 療 として 取 り 扱 われるも のであり, 当 然, 療 養 の 範 囲 に 含 まれるものである b 受 傷 等 の 後 に 行 われた HIV 抗 体 検 査 等 の 検 査 ( 受 傷 後 の 直 後 に 行 われる 検 査 を 含 む )については, 前 記 1の(3)イの(ロ)のbと 同 様 に 取 り 扱 う c 受 傷 等 の 後 HIV 感 染 の 有 無 が 確 認 されるまでの 間 に 行 われた 抗 HIV 薬 の 投 与 は, 受 傷 等 に 起 因 して 体 内 に 侵 入 した HIV の 増 殖 を 抑 制 し, 感 染 を 防 ぐ 効 果 があることから, 感 染 の 危 険 に 対 し 有 効 であると 認 められる 場 合 には, 療 養 の 範 囲 として 取 り 扱 う 9

( 別 紙 1) 紹 介 状 担 当 医 病 院 様 この 度, 患 者 様 の 体 液 によって, 当 院 の 職 員 が, 皮 内 粘 膜 及 び 傷 のある 皮 膚 への 曝 露 事 故 を 起 こしました ついては, 必 要 な 検 査, 予 防 内 服 の 処 方 及 び 指 導 について,ご 検 討 いただきますよう お 願 いします 職 員 名 所 属 部 署 連 絡 先 平 成 年 月 日 医 療 機 関 名 所 在 地 医 師 印 10

抗 HIV 薬 による 予 防 内 服 についての 説 明 書 ( 別 紙 2) 1 予 防 内 服 は 次 のとおり 行 います 事 故 発 生 から,できるだけ 早 く(2 時 間 以 内 ) 内 服 を 開 始 します 多 剤 併 用 療 法 である 2 剤 の 内 服 を 行 います [ 選 択 薬 :ツルバダ](*)ツルバダは, 剤 型 は 1 錠 ですが,この 中 に 2 剤 が 含 まれています HIV の 曝 露 量 が 多 いと 予 想 される 場 合 はツルバダに 加 え 1 剤 を 追 加 で 内 服 します [ 選 択 薬 :アイセントレス] 4 週 間 の 内 服 が 推 奨 されています 事 故 発 生 後,6 週 間 後,3 ヶ 月 後 に HIV(ヒト 免 疫 不 全 ウイルス) 感 染 の 有 無 について 確 認 が 必 要 です HIV 専 門 医 の 多 くは 耐 性 ウイルスの 懸 念 から, 抗 HIV 薬 を 2 剤 以 上 内 服 することを 推 奨 しています 内 服 するか 否 かについて,どうしてよいかわからない 場 合 は, 妊 娠 の 可 能 性 がなけ れば,HIV 専 門 医 の 多 くは,とりあえず 第 1 回 目 の 内 服 をすることを 推 奨 していま す その 後 12 時 間 の 時 間 的 余 裕 ができますので,その 時 点 で 再 度 拠 点 病 院 の 専 門 医 に 相 談 して 更 にベストな 方 法 を 考 慮 することが 可 能 になります 2 HIV 感 染 血 液 による 針 刺 しなどの 職 業 曝 露 から,HIV の 感 染 が 成 立 する 危 険 性 は 非 常 に 低 く, 次 のとおり 報 告 されています HIV 汚 染 血 液 の 針 刺 し 事 故 によって 感 染 する 確 率 は,0.3 % HIV 汚 染 血 液 の 粘 膜 への 曝 露 によって 感 染 する 確 率 は,0.09 % HIV 汚 染 血 液 の 血 中 ウイルス 量 が 1000 コヒ ー/ml 以 下 では, 感 染 する 確 率 は, ほとんど 0 に 近 い 3 予 防 内 服 の 効 果 は 次 のとおりです 予 防 内 服 により 100 % 感 染 が 防 止 できるものではありません それでも, 予 防 内 服 を 勧 める 理 由 は, 感 染 直 後 にレトロビル(AZT)を 内 服 することで, 感 染 のリスクを 約 80 % 低 下 させることが 報 告 されている からです 抗 HIV 薬 を 2 剤 以 上 を 内 服 することで, 抗 ウイルス 効 果 がさらに 強 力 になることが 報 告 されています 4 その 他 妊 娠 していても 抗 HIV 薬 の 内 服 は 可 能 ですが, 妊 娠 している 場 合 は,エイズ 治 療 中 核 拠 点 病 院 である 徳 島 大 学 病 院, 又 は, 県 立 中 央 病 院 の 専 門 員 に 受 診 または 相 談 してください 抗 HIV 薬 は,B 型 肝 炎 の 治 療 薬 として 使 われているものがあります B 型 肝 炎 の 11

既 往 がある 場 合 は, 専 門 員 への 相 談 が 必 要 です 患 者 への HIV 検 査 の 説 明 事 項 ( 患 者 に 対 し HIV 検 査 の 同 意 を 得 る 場 合 に, 必 要 な 説 明 内 容 ) ( 別 紙 3) 以 下 の 内 容 を,プライバシーが 守 られる 環 境 で 説 明 する この 度, 医 療 行 為 または 看 護 ケアを 行 う 過 程 で, 当 院 職 員 が 患 者 の 体 液 に 曝 露 したこと による 事 故 を 起 こしたこと 一 般 に, 体 液 からは HIV(ヒト 免 疫 不 全 ウイルス) 感 染 症 等 を 起 こすことが 知 られてい るので, 職 員 への 感 染 予 防 のため,HIV 迅 速 検 査 をさせていただきたいこと 検 査 結 果 は, 分 かり 次 第, 後 日 お 伝 えすること 検 査 結 果 には 偽 陽 性 の 場 合 もあり, 確 定 診 断 がでるまでは 時 間 がかかること 万 一 感 染 されている 場 合 でも, 現 在 は 良 い 治 療 方 法 や 社 会 支 援 制 度 があること 当 院 職 員 が 予 防 内 服 治 療 を 行 う 場 合 に 必 要 となるため,HBs 抗 原 及 び HCV 抗 体 の 検 査 も 併 せて 行 いたいこと 検 査 の 為 に, 約 5ml の 採 血 を 行 うこと 検 査 の 費 用 は, 全 て 当 方 で 負 担 すること 個 人 情 報 ( 検 査 の 実 施, 結 果 等 )については, 患 者 への 報 告 及 び 当 院 職 員 の 感 染 予 防 の 目 的 以 外 には 使 用 しないこと 12

HIV 検 査 等 に 関 する 同 意 書 ( 患 者 用 ) ( 患 者 に 対 し HIV 検 査 の 同 意 を 得 る 場 合 に, 必 要 な 説 明 内 容 ) ( 別 紙 4) 様 この 度,あなたの 医 療 行 為 または 看 護 ケアを 行 う 過 程 で, 当 院 職 員 が,あなたの 体 液 ( 血 液 その 他 : )に 曝 露 するという 事 故 を 起 こしました 一 般 に, 体 液 による 事 故 で, 肝 炎 ウイルスや HIV(ヒト 免 疫 不 全 ウイルス)の 感 染 が 起 こ ることがあります 職 員 への 感 染 の 危 険 性 を 知 り, 予 防 的 治 療 の 必 要 性 を 判 断 するために, あなたの 血 液 を 採 血 して 検 査 をさせてください 検 査 の 項 目 は,B 型 肝 炎 ウイルス 検 査 (HBs 抗 原 検 査 ),C 型 肝 炎 ウイルス 検 査 (HCV 抗 体 検 査 ),HIV 検 査 (HIV 抗 原 抗 体 検 査 )です 検 査 の 費 用 は 病 院 が 負 担 いたします また, 検 査 の 結 果 は, 後 日,ご 報 告 させていただ きます なお, 個 人 情 報 ( 検 査 の 実 施, 結 果 等 )については, 当 院 職 員 の 感 染 予 防 の 目 的 以 外 には 使 用 いたしません 平 成 年 月 日 説 明 者 上 記 の 説 明 を 受 け, 採 血 検 査 を 受 けることに 同 意 します 平 成 年 月 日 署 名 13

( 別 紙 5) HIV 検 査 等 に 関 する 同 意 書 ( 被 曝 露 者 用 ) 様 この 度, 発 生 した 体 液 曝 露 事 故 において,あなたが 予 防 内 服 をすることについての 必 要 性 を 検 討 する 上 で,あなたの HIV(ヒト 免 疫 不 全 ウイルス) 検 査 (HIV 抗 体 迅 速 検 査 )を 実 施 する 必 要 があります HIV 抗 体 が 作 られるまで 2 ~ 3 ヶ 月 かかると 言 われています 真 の 結 果 を 得 るため,HIV 検 査 を 複 数 回 行 うことになります 目 安 として, 事 故 発 生 後,6 週 間 後,3 ヶ 月 後 に 検 査 を 行 います また, 抗 HIV 薬 を 選 択 する 上 で,B 型 肝 炎 (HBs 抗 原 抗 体 検 査 ),HCV 抗 体 についても, 必 要 であれば 検 査 します 個 人 情 報 ( 検 査 の 実 施, 結 果 等 )については,あなたの HIV 感 染 予 防 の 目 的 以 外 には 使 用 しません 平 成 年 月 日 病 院 担 当 医 上 記 の 説 明 を 受 け, 複 数 回 の 採 血 検 査 を 受 けることに 同 意 します 平 成 年 月 日 名 前 14

( 別 紙 6) 予 防 内 服 に 関 する 同 意 書 病 院 長 様 この 度, 私 は 体 液 曝 露 事 故 により HIV(ヒト 免 疫 不 全 ウイルス)に 感 染 する 危 険 性 と, 抗 HIV 剤 を 服 用 することによる 感 染 予 防 の 利 益, 抗 HIV 剤 による 副 作 用 の 発 生 リスクについ て 説 明 書 を 読 み, 医 師 から 説 明 を 受 けました また, 妊 婦 への 安 全 性 が 確 認 されていないことを 含 め, 説 明 を 十 分 理 解 した 上 で, 自 ら の 意 思 で, 抗 HIV 剤 による 予 防 内 服 ( 多 剤 併 用 療 法 )を 行 うことを 決 めましたので, 下 記 の 投 薬 を 希 望 します 服 用 希 望 薬 剤 ( 必 ず 本 人 がチェックすること) ツルバダ 錠 (テノホビルとエムトリシタビンの 合 剤 ) アイセントレス 錠 平 成 年 月 日 名 前 ( 医 療 機 関 名 : ) 15