76_表1-4

Similar documents
80_表1-4

81_表1-4

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D>

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 2 月 4 日 独立行政法人理化学研究所 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の進行に二つのグリア細胞が関与することを発見 - 神経難病の一つである ALS の治療法の開発につながる新知見 - 原因不明の神経難病 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) は 全身の筋

62_.\1-4.eps

Gifu University Faculty of Engineering

A4パンフ

Microsoft Word - 【変更済】プレスリリース要旨_飯島・関谷H29_R6.docx

Untitled

61_.\1-4.eps

-2-

RN201402_cs5_0122b.indd

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

報道解禁日 : 日本時間 2017 年 2 月 14 日午後 7 時 15 日朝刊 PRESS RELEASE 2017 年 2 月 10 日理化学研究所大阪市立大学 炎症から脳神経を保護するグリア細胞 - 中枢神経疾患の予防 治療法の開発に期待 - 要旨理化学研究所 ( 理研 ) ライフサイエンス

<FEFF7B2C DE5B A E BC10D7C3C40EA >

生物時計の安定性の秘密を解明

共同研究報告書

Microsoft Word - tohokuuniv-press _02.docx


報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

長期/島本1

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

Chapter 1

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

統合失調症発症に強い影響を及ぼす遺伝子変異を,神経発達関連遺伝子のNDE1内に同定した

平成 29 年 6 月 9 日 ニーマンピック病 C 型タンパク質の新しい機能の解明 リソソーム膜に特殊な領域を形成し 脂肪滴の取り込み 分解を促進する 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長門松健治 ) 分子細胞学分野の辻琢磨 ( つじたくま ) 助教 藤本豊士 ( ふじもととよし ) 教授ら

概要 名古屋大学環境医学研究所の渡邊征爾助教 山中宏二教授 医学系研究科の玉田宏美研究員 木山博資教授らの国際共同研究グループは 神経細胞の維持に重要な役割を担う小胞体とミトコンドリアの接触部 (MAM) が崩壊することが神経難病 ALS( 筋萎縮性側索硬化症 ) の発症に重要であることを発見しまし

理学研究科 ( 生命理学専攻の大学院生には開放科目の対象外 ) 生命理学特別講義 0 大学院開講科目 生命理学特別講義 大学院開講科目 生命理学特別講義 大学院開講科目 生命理学特別講義 3 大学院開講科目 生命理学特別講義 4 大学院開講科目 生命理学特別講義 5 大学院開講科目 生命理学特別講義

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ

平成14年度研究報告

本成果は 以下の研究助成金によって得られました JSPS 科研費 ( 井上由紀子 ) JSPS 科研費 , 16H06528( 井上高良 ) 精神 神経疾患研究開発費 24-12, 26-9, 27-

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

統合失調症モデルマウスを用いた解析で新たな統合失調症病態シグナルを同定-統合失調症における新たな予防法・治療法開発への手がかり-

<4D F736F F D F4390B388C4817A C A838A815B8358>

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること

untitled

Microsoft Word - 運動が自閉症様行動とシナプス変性を改善する

率 九州 ( 工 -エネルギー科学) 新潟 ( 工 - 力学 ) 神戸 ( 海事科学 ) 60.0 ( 工 - 化学材料 ) 岡山 ( 工 - 機械システム系 ) 北海道 ( 総合理系 - 化学重点 ) 57.5 名古屋工業 ( 工 - 電気 機械工 ) 首都大学東京

報道発表資料 2007 年 4 月 11 日 独立行政法人理化学研究所 傷害を受けた網膜細胞を薬で再生する手法を発見 - 移植治療と異なる薬物による新たな再生治療への第一歩 - ポイント マウス サルの網膜の再生を促進することに成功 網膜だけでなく 難治性神経変性疾患の再生治療にも期待できる 神経回

Microsoft Word - 【広報課確認】 _プレス原稿(最終版)_東大医科研 河岡先生_miClear

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

1802本文12ページ

神経細胞での脂質ラフトを介した新たなシグナル伝達制御を発見

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

Microsoft Word - (最終版)170428松坂_脂肪酸バランス.docx


疫学研究の病院HPによる情報公開 様式の作成について

Microsoft Word - 研究報告書(崇城大-岡).doc


2. 手法まず Cre 組換え酵素 ( ファージ 2 由来の遺伝子組換え酵素 ) を Emx1 という大脳皮質特異的な遺伝子のプロモーター 3 の制御下に発現させることのできる遺伝子操作マウス (Cre マウス ) を作製しました 詳細な解析により このマウスは 大脳皮質の興奮性神経特異的に 2 個

SNPs( スニップス ) について 個人差に関係があると考えられている SNPs 遺伝子に保存されている情報は A( アデニン ) T( チミン ) C( シトシン ) G( グアニン ) という 4 つの物質の並びによってつくられています この並びは人類でほとんど同じですが 個人で異なる部分もあ

シトリン欠損症説明簡単患者用

第6号-2/8)最前線(大矢)

プレスリリース 報道関係者各位 2019 年 10 月 24 日慶應義塾大学医学部大日本住友製薬株式会社名古屋大学大学院医学系研究科 ips 細胞を用いた研究により 精神疾患に共通する病態を発見 - 双極性障害 統合失調症の病態解明 治療薬開発への応用に期待 - 慶應義塾大学医学部生理学教室の岡野栄

EYES CONTENTS EYES LF Report 70 LF LF A New Horizon of Cancer Immunotherapy LF LF Information Box Relay Talk

1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明

Microsoft Word - 01.doc

77_表1-4

2017 年 12 月 15 日 報道機関各位 国立大学法人東北大学大学院医学系研究科国立大学法人九州大学生体防御医学研究所国立研究開発法人日本医療研究開発機構 ヒト胎盤幹細胞の樹立に世界で初めて成功 - 生殖医療 再生医療への貢献が期待 - 研究のポイント 注 胎盤幹細胞 (TS 細胞 ) 1 は

2006 PKDFCJ


報道発表資料 2001 年 12 月 29 日 独立行政法人理化学研究所 生きた細胞を詳細に観察できる新しい蛍光タンパク質を開発 - とらえられなかった細胞内現象を可視化 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は 生きた細胞内における現象を詳細に観察することができる新しい蛍光タンパク質の開発に成

平成24年7月x日

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9

<4D F736F F D A838A815B C8EAE814095CA8E E A2B8D4C95F189DB8A6D944694C5202B544

60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

表紙69-5,6_v10.eps

年219 番 生体防御のしくみとその破綻 (Immunity in Host Defense and Disease) 責任者: 黒田悦史主任教授 免疫学 黒田悦史主任教授 安田好文講師 2中平雅清講師 松下一史講師 目的 (1) 病原体や異物の侵入から宿主を守る 免疫系を中心とした生体防御機構を理

報道機関各位 平成 30 年 11 月 8 日 東京工業大学広報 社会連携本部長 佐藤勲 東京工業大学生命理工学院 第 5 回生命理工オープンイノベーションハブ (LiHub) フォーラム バイオマトリックス : 生命科学 材料工学から健康 医療 美容への架け橋 のご案内 東京工業大学生命理工学院は

研究の背景社会生活を送る上では 衝動的な行動や不必要な行動を抑制できることがとても重要です ところが注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などの精神 神経疾患をもつ患者さんの多くでは この行動抑制の能力が低下しています これまでの先行研究により 行動抑制では 脳の中の前頭前野や大脳基底核と呼ばれる領域が

精神医学研究 教育と精神医療を繋ぐ 双方向の対話 10:00 11:00 特別講演 3 司会 尾崎 紀夫 JSL3 名古屋大学大学院医学系研究科精神医学 親と子どもの心療学分野 AMED のミッション 情報共有と分散統合 末松 誠 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 11:10 12:10 特別講

記 者 発 表(予 定)

Microsoft PowerPoint _HP_ pptx

<4D F736F F D E30392E32398B5A8F70838A838A815B83588BE391E594C55F8D4C95F18DC58F49816A2E646F63>

報道発表資料 2002 年 10 月 10 日 独立行政法人理化学研究所 頭にだけ脳ができるように制御している遺伝子を世界で初めて発見 - 再生医療につながる重要な基礎研究成果として期待 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は プラナリアを用いて 全能性幹細胞 ( 万能細胞 ) が頭部以外で脳


スライド 1


別紙 自閉症の発症メカニズムを解明 - 治療への応用を期待 < 研究の背景と経緯 > 近年 自閉症や注意欠陥 多動性障害 学習障害等の精神疾患である 発達障害 が大きな社会問題となっています 自閉症は他人の気持ちが理解できない等といった社会的相互作用 ( コミュニケーション ) の障害や 決まった手

4氏 すずき 名鈴木理恵 り 学位の種類博士 ( 医学 ) 学位授与年月日平成 24 年 3 月 27 日学位授与の条件学位規則第 4 条第 1 項研究科専攻東北大学大学院医学系研究科 ( 博士課程 ) 医科学専攻 学位論文題目 esterase 染色および myxovirus A 免疫組織化学染色

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

<835A E E A B83678F578C768C8B89CA E786C7378>

14栄養・食事アセスメント(2)

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

小学生の英語学習に関する調査


Transcription:

千里ライフサイエンス振興財団ニュース No.76 わからん Relay Talk いのうえかずひで 九州大学 理事 副学長 井上和秀 氏 私の研究室の壁面に山頭火の句 分け入っても 分 たら 新たな発見があって その瞬間とてもうれしい が け入っても 青い山 を題材にした秋山巌の木版画が掛 すぐにそこから別の疑問がわいてくる 更に分け入ると かっている これはかつて私が少し昇進したときに友人 また予想もしなかった地平が開かれ 胸がわくわくする 達が贈ってくれたもので とても気に入っている 気に と同時に でも 再び別の なぜなんだ が生じる そうい 入っているが 意味がよく分からない この句 緑一杯の う未熟な境地にしか達し得ないもどかしさを感じるときに 初夏の山は生き生きとした草いきれに満たされ それをか この絵を思い出す ただ すばらしい発見といって喜ん き分けながら進んでいる様子とも受け取れる しかし 先 でも 単なる discover であり 所詮私達はカバーをはぎ取 達によると 大正末期 味取観音堂を飛び出した山頭火 り生体のすばらしい仕組みを垣間見たにすぎず 生命は が 人生の様々な悩みを背負い 流転の旅に出たときの 人間の営みとは無関係にこういう奇跡を常時行っている もので 目的のない旅へのとまどいや諦観が表現されてい 尊ばれるは creation であり 例えば発見を元にすばらし るとのこと そうなのか い薬を創造することなどではあるまいか 人間到る処青山あり にある 青い山 とは墓地のこと 現在 研究と共に 大学経営の一端をになうべく総長 らしい 私は縁を得て東京から九州の母校にもどった の下で分け入っている 国は大学を一体どこに連れて 戻るべきか否か 様々に悩んだときには この絵が どこ 行こうとしているのか わからない あの教師はどうしてこ に行っても青山はあるのだから悩むのはもうやめなさい んなことをするのか わからない 大きなことから小さなこ 一所懸命に働いて その後は不思善悪 おのずから道は とまで理解に苦しむ 一休禅師の遺稿に 本当に困った 開かれる そう教えてくれたように感じた このときの青 ことがあったら開きなさいと託したものがあって 後年その 山はもののふの死に場所 ときに開いたところ 大丈夫 心配するな なんとかなる 私がこれまで好奇心に駆られて行ってきた研究では とだけしたためられていたという 現代 それでほんとうに 分け入っても 分け入っても さらに疑問が生じ いつまで 大丈夫なのか わからん事になんとか分け入って 最後 たっても最終解が得られない 初発の疑問に分け入っ には すべて善し という心境を迎えたい 井上 和秀 氏 1975年 1978年 1985 ー1987年 1991 ー1992年 2000年 2002年 2005年 2010ー2014年 2014年 ー 現 在 九州大学大学院薬学研究科修了 厚生省入省 国立衛生試験所安全性生物試験研究センター薬理部配属 米国国立衛生研究所 NIH 客員研究員 英国ロンドン大学ロンドン単科大学 UCL G.Burnstock教授 名誉客員研究員 九州大学大学院薬学研究院 化学療法分子制御学分野 教授 兼任 国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部長 九州大学大学院薬学研究院 薬理学分野教授 専任 九州大学大学院 薬学研究院 研究院長 学部長 九州大学 理事 副学長 受 賞 歴 文部科学大臣表彰科学技術賞 第3回 日本薬理学会江橋節郎賞 日本薬学会賞 紫綬褒章 所属学会 日本薬理学会 日本神経化学会 日本疼痛学会 専門分野 神経薬理 神経化学 研究テーマと抱負 ATPプリン受容体の生理機能 グリアと疼痛に関する基礎研究 研究成果を元に優れた医薬品を創製すること 次回は 国立精神 神経医療研究センター 神経研究所 名誉所長 高坂新一 氏へ バトンタッチします 企画 発行 公益財団法人千里ライフサイエンス振興財団 560-0082 大阪府豊中市新千里東町1 4 2 千里ライフサイエンスセンタービル20F TEL.06 6873 2001 FAX.06 6873 2002 プリンの森の先導者 バーンシュトック先生 UCL教授 とともに 井上和秀氏提供 千里ライフサイエンス振興財団 ニュース 76 2015.10 ISSN 2189-7999 対談 多剤併用療法でHIV感染者の余命は伸び 世界では新規感染者数も減っています 熊本大学大学院生命科学研究部 血液内科 膠原病内科 感染免疫診療部 教授 満屋裕明 氏 公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団 岸本忠三 理事長

EYES CONTENTS EYES LF Report 63 LF LF LF Information Box Relay Talk

L F L F

L F

63 63 Report

Report L F

L F セミナー 千里ライフサイエンスセミナー 日時 2015年7月8日(水)10 00 15 40 場所 千里ライフサイエンスセンタービル5F 山村雄一記念ライフホール 脳内環境の破綻としての 疾患研究フロンティア コーディネータ 高橋良輔氏 写真左 京都大学大学院医学研究科 教授 山中宏二氏 写真右 名古屋大学環境医学研究所 教授 従来 脳に関連する機能障害などの疾患は 主にニューロン 神経細胞 の変性によって生じるものと考えられてきました ところが近年の研究により 脇役 とされてきたグリア細胞や ニューロン周辺に存在する細胞環境などとの相互作用に よって 神経病態を考えることの重要性がわかってきました 7月8日に千里ライフサイエンスセンタービルで開催され リソソーム蓄積病メダカモデルにみる脳内環境の破綻 京都大学大学院医学研究科 教授 スライド 高橋良輔氏 運動神経サブタイプの選択的脆弱性を規定するメカニズム た本セミナーでは 脳内環境 という視点から 6人の研究者に 精神 神経疾患における最先端の知見を披露していただ 慶應義塾大学薬学部 教授 きました 脳内環境の多様な側面が研究により解明されてきていることがわかるセミナーとなりました 三澤日出巳氏 分子イメージングによる脳内環境の可視化 放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター チームリーダー グリア細胞からみた神経変性メカニズム 次に慶應義塾大学の三澤日出巳氏は 筋萎縮性側索硬化症 脳内環境 の諸相が明らかに可視化の技術も発達 重視されるようになったグリア細胞 腸内細菌叢の変化も神経炎症と関連 名古屋大学環境医学研究所 教授 ストレスによる情動変化における脳内炎症の役割 神戸大学大学院医学研究科医学部 教授 腸管免疫と神経炎症 樋口真人氏 山中宏二氏 古屋敷智之氏 (ALS) における運動神経の脆弱性の進行が筋肉によって異なる 午後の講演ではまず 高橋氏とともにコーディネータを務めた ことを規定するメカニズムについて講演 オステオポンチン OPN 名古屋大学の山中宏二氏が ALSに関する研究の一環として 冒頭 千里ライフサイエンス振興財団の岸本忠三理事長が 脳 という運動神経細胞外因子が ALSの進行のしかたに関与して グリア細胞からみた神経変性メカニズムについて紹介 従来グリ 内全体の環境から変性疾患を考えることが潮流 そうした分野の中 いるとする研究結果を紹介しました OPNは FRやSという筋線維 ア細胞は ALSにおける神経変性などに積極的には関与してい 心的な先生方に講演をお願いしました と挨拶しました またコーディ タイプのモーターユニットで高く発現します 三澤氏は OPNの発現 ないとされてきましたが ミクログリアやアストロサイトなどのグリア細 ネーターを務めた京都大学の高橋良輔氏が趣旨説明しました がないことはALSの発症を遅らせる一方で 病気の進行は速めて 胞がALSの進行に積極的に関与していることを 遺伝性ALS 午前の講演では最初に高橋氏が リソソーム蓄積病メダカモデル しまうといった複雑なメカニズムを説明しました またOPNは グリア モデルマウスを用いた研究で解明したことを述べました そして にみる脳内環境の破綻をテーマに登壇 メダカでパーキンソン病モ 細胞の一つ アストロサイトの遊走や増殖を促進したり ミクログリア アストロサイト由来のTGF-β1という分子に着目し このTGF-β1 デルを作成することができたことを報告しました ParkinやPINK1 の貪食を促進したりする側面をもつことを述べました がALS進行期においてアストロサイトから過剰に産生されることで という因子の変異が重なるとミトコンドリアの機能が低下し 異常ミト 放射線医学総合研究所の樋口真人氏は 分子イメージングに 神経保護環境を悪化させる因子となることを説明しました 最後の講演では 順天堂大学の三宅幸子氏が腸管免疫と神 コンドリアが増加することから この二つの因子はミ トコンドリアの機能 よって 脳内環境 の可視化する技術の進展ぶりを披露しました 神 戸 大 学の古 屋 敷 智 之 氏は ストレスで起きる抑うつなどの 経炎症という観点から講演 繊維の豊富に含まれれる食べ物を 維持に相補的に働いていることが示唆されたと報告しました 講演では主に アルツハイマー病における主要原因物質ではない 情動変化に脳内炎症が関与していることを披露しました まず 摂取することで 腸内細菌が短鎖脂肪酸を多く産生し これが自 かとされるタウタンパク質の蓄積のし マウスに反復ストレスをあたえると ミクログリアが活性化するとと 己免疫性脳脊髄炎の病態を抑制するという研究内容などを紹 かたが P E TやM R Iなどの各 種イ もにプロスタグランディン P G E 2の生 産が増 加し これにより 介しました ストレス 食事 感染症の他 さらに幼少期に投与され メージング技術で詳細にわかってき 情動変化が誘導するという過程を示しました さらに とりわけ前 る抗生物質がヒトの腸内細菌叢を決めているとし 腸内細菌叢の たことを 画像を示しながら紹介 発 頭前皮質では ミクログリアの活性化が神経細胞の形態萎縮な 変化が自己免疫の機能や神経などの炎症と結びつくという仮説を 症前段階からタウタンパク質の蓄積 どを介して情動変化を誘導するという過程も示しました ストレス 示しました を診断することで発症を予測するこ で起きる情 動 変 化では ミクログリアが複 数の側 面をもっている セミナーの終わりには 山中氏が 脳内環境に対する理解を深 とや 発症後の病期の進行を客観 ことを説きました め サポートいただけたらと思っています と締めくくりました 順天堂大学医学部 教授 三澤日出巳氏 樋口真人氏 三宅幸子氏 古屋敷智之氏 三宅幸子氏 的に診断することも可能になると述 べました 他にグリア細胞の毒性転 換の指標となる因子の可視化技術 なども紹介しました 11 会場全景 闊達な質疑応答風景 12

L F

小学生向けセミナー 見て 触 れて 考える 小学生 自分自身で考えて実験が出きる所が良かった 今まで知らないことをたくさん教えてもらえ 科学の楽しさを満きつした一日でした 豊中教育委員会と共催 茨木市 箕面市 池田市 吹田市各教育委員会の協力を得て開催 第1回 高分子がまわりに いっぱいあるのに おどろいた 8/12 水 午前 10:00 12:00 あっという間に作って触れる大きな分子 高分子 山口浩靖先生 大阪大学大学院理学研究科 第2回 8/21 金 高校生向けセミナー LEDの ランタン作りが 楽しかったです あかりのしくみとオリジナルLEDランタンづくり 宮澤佳代氏 パナソニック 株 エコソリューションズ社 研究者と語ろう 7月21日 大阪市のエル おおさかで 第8回となる 高校生ライフサイエンスセミナー 研究者と語ろう が開 かれました 約200名という大勢の高校生たちが参加し 細胞 免疫 光といった各分野の先端科学分野で活 躍している研究者たちのお話を聴き また語り合いました 鋭い質問も飛び出し おおいに盛りあがりました 研究者たちのお話の内容と質疑応答の一部をお伝えします 米田悦啓先生には 生命の基本単位である細胞の世界につい て 細胞内のタンパク質の働きを中心にわかりやすく紹介していた だきました 個々のタンパク質の特徴や機能を推測するために 遺 身の回りには繊維 ゴム プラスチックや 衛星写真から見ると日本の夜は非常に 伝子の類縁度を調べるホモロジー調査や 細胞内分子イメージング 塗料など様々な 高分子 化合物が活躍 明るい それは 大量の電気を使っているか 日常生活にはなくてはならない物になってい らです 灯りは多くの電気を使っています 技術 遺伝子ノックアウトなど様々な方法を駆使していると説明 最 ます 高分子の種類を 有機高分子 主 家庭で使う灯りの主な種類は白熱灯 蛍光 に炭素系骨格 天然高分子 合成高分 灯 LEDです 今回の授業は手回しの発電 子 無機高分子 ケイ素骨格 天然高 装置を使って白熱灯 蛍光灯 LEDが何人 分子 合成高分子に分類して説明されて で点灯するか実験し LEDが省エネのスー 配布された素材を使いゼリーのような高分 パースターであることを学びました 後半は参 子 見て楽しい 触って楽しいカラフルな高 加者全員がLEDランタンづくりをしました 分子を作りました 午後 13 00 15 00 電気と磁石はおなじもの 金谷一朗先生 大阪大学大学院工学研究科 じしゃくで鉄球が うごくのが すごいなと思った 午後 13 00 15 00 後に生命科学者として 真摯に 誠実に そして 謙虚でありたいと 類以上の腸内細菌が細胞の数より多く存在し 栄養素をつくるとと もに 免疫系の発達を担っていると竹田先生はご説明 近年の日 イヤホンは電磁石が入っていたよ ITO電話からIT電話へ ミライの電話を作ってみよう 伊藤雄一先生 大阪大学クリエイティブユニット 基本となるスピーカーづくりを体験 未来の電話機 IT はどんなも る科学者アルベルト アインシュタインです このアインシュタインのひら のかを学びました 声 音 を伝えるための声の正体は 糸電話は めきのもとになった実験 エルステッドの実験 ファラデーの実験 を簡 音声を糸の振動に変換して伝達し 再び音声に変換することで離 単な装置を使って行い 電気と磁石が同じものであることを体験し れた2点間で会話ができるように作られた物です 授業は生徒に あ 理科の面白さを体験しました と音の発生源である紙コップに向かってしゃべってもらい 紙コッ 参加した感想を 聞かせてください あまりおもしろくなかった 3 少しおもしろかった 11 たんへんおもしろかった 83 その他 3 15 竹田 潔氏 中 大阪市立大学大学院理学研究科 准教授 杉崎 満氏 右 高校生と講師の討論会 高校生から多様な質問 活発な討論に 腸疾患などの患者が増えているといったお話もありました 多く出て活発な討論になりました 主なものを紹介します 杉崎満先生には 物理学における 光 を中心テーマにお話をい 脳を人工的に作ることは可能ですか ただきました 電磁波の理論により 光と電気と磁気の正体が同じ 神経細胞のようなものを作ることまでは可能です けれども脳の であると解明された経緯や 光には波の性質と粒子の性質があるこ 形 をどう作るかは ほぼわかっておらず 現段階ではできません と ノーベル賞の対象となる研究の多くが光に関する研究であること 米田先生 などを紹介していただきました 腸内細菌どうしはおたがい影響しあわないのですか 細菌どうしが 会話 のようなことをして 全体でのバランスをとって います 竹田先生 自然現象を数学の言葉で説明することが物理学の特徴とのこと ですが 人の死を物理学で説明することは考えますか で触ってみて音が振 一つの原子が細胞をどう動かすかといったことが解明されていけ 動であることを体 験 ば 人 の生命活動 は電気的な反応によるものなので 究極的に アンケート結果 少しわかった 32 大阪大学大学院医学系研究科 教授 光と私達の世界 光で解明した物理学の不思議な世界 各先生の講演後やセミナーの最後には 高校生たちから質問が してもらいました たいへんよくわかった 60 国立研究開発法人 医薬基盤 健康 栄養研究所 理事長 米田悦啓氏 左 消化管の免疫と腸内細菌 本人の食生活の変化により腸内環境が変化するなどして 炎症性 プの 底 の 平 面を指 説明や内容は わかりましたか 細胞の世界 細菌というテーマでお話をいただきました ヒトの消化管には1000種 実は同じものだと気づいた天才科学者がいました 20世紀を代表す その他 8 日時 2015年7月21日13:00 16:00 場所 エル おおさか 南館5階 南ホール コーディネーター 竹田 潔氏 大阪大学大学院医学系研究科 教授 コーディネーターでもある竹田潔先生には 消化管の免疫と腸内 授業は糸電話から始まった電話の歴史を解説 参加者37名 欠席5名 応募総数172名 Pr og r a m 心がけている というメッセージで締めくくりました 電気と磁石は何千年もの間 別々の現象と考えられていましたが アンケート結果 第8回 高校生ライフサイエンスセミナー 細胞 腸内細菌 光 研究者みずからが語る科学 午前 10:00 12:00 説明や内容は わかりましたか 参加した感想を 聞かせてください は 説明 できると思います 杉崎先生 参加者36名 欠席6名 応募総数262名 少しわかった 16 たいへんよくわかった 84 少しおもしろかった 16 たんへんおもしろかった 81 その他 3 会場全景 講演風景 討論会 16

Information Box 2016 Senri Life Science International Symposium on Frontiers in Structural Biology - - - X-ray Free Electron Laser and Drug Discovery New Frontier in Structural Biology: Free Electron Laser So Iwata (Kyoto University, RIKEN SPring-8 Center, Japan) Beyond Crystallography: Diffractive Imaging Using Coherent X-ray Source Jianwei (John) Miao (UCLA, USA) GPCR crystallography with X-ray lasers Vadim Cherezov (University of Southern California, USA) Structural and functional studies of bovine cytochrome oxidase by X-ray free electron laser and synchrotron radiation X-ray Tomitake Tsukihara (University of Hyogo/Osaka University, Japan) Structural insights into G protein coupled receptor activation Brian Kobilka (Stanford University School of Medicine, USA) The application of Free Electron Lasers to biology: a new age of time resolved crystallography Gebhard F.X. Schertler (Paul Scherrer Institute/ETH Zurich, Switzerland) Understanding the Complete GPCR Superfamily Raymond C. Stevens (University of Southern California, USA) 18:0019:00 1,000 19:0020:00 3,000 3,000 Report Program

千里ライフサイエンス振興財団ニュース No.76 わからん Relay Talk いのうえかずひで 九州大学 理事 副学長 井上和秀 氏 私の研究室の壁面に山頭火の句 分け入っても 分 たら 新たな発見があって その瞬間とてもうれしい が け入っても 青い山 を題材にした秋山巌の木版画が掛 すぐにそこから別の疑問がわいてくる 更に分け入ると かっている これはかつて私が少し昇進したときに友人 また予想もしなかった地平が開かれ 胸がわくわくする 達が贈ってくれたもので とても気に入っている 気に と同時に でも 再び別の なぜなんだ が生じる そうい 入っているが 意味がよく分からない この句 緑一杯の う未熟な境地にしか達し得ないもどかしさを感じるときに 初夏の山は生き生きとした草いきれに満たされ それをか この絵を思い出す ただ すばらしい発見といって喜ん き分けながら進んでいる様子とも受け取れる しかし 先 でも 単なる discover であり 所詮私達はカバーをはぎ取 達によると 大正末期 味取観音堂を飛び出した山頭火 り生体のすばらしい仕組みを垣間見たにすぎず 生命は が 人生の様々な悩みを背負い 流転の旅に出たときの 人間の営みとは無関係にこういう奇跡を常時行っている もので 目的のない旅へのとまどいや諦観が表現されてい 尊ばれるは creation であり 例えば発見を元にすばらし るとのこと そうなのか い薬を創造することなどではあるまいか 人間到る処青山あり にある 青い山 とは墓地のこと 現在 研究と共に 大学経営の一端をになうべく総長 らしい 私は縁を得て東京から九州の母校にもどった の下で分け入っている 国は大学を一体どこに連れて 戻るべきか否か 様々に悩んだときには この絵が どこ 行こうとしているのか わからない あの教師はどうしてこ に行っても青山はあるのだから悩むのはもうやめなさい んなことをするのか わからない 大きなことから小さなこ 一所懸命に働いて その後は不思善悪 おのずから道は とまで理解に苦しむ 一休禅師の遺稿に 本当に困った 開かれる そう教えてくれたように感じた このときの青 ことがあったら開きなさいと託したものがあって 後年その 山はもののふの死に場所 ときに開いたところ 大丈夫 心配するな なんとかなる 私がこれまで好奇心に駆られて行ってきた研究では とだけしたためられていたという 現代 それでほんとうに 分け入っても 分け入っても さらに疑問が生じ いつまで 大丈夫なのか わからん事になんとか分け入って 最後 たっても最終解が得られない 初発の疑問に分け入っ には すべて善し という心境を迎えたい 井上 和秀 氏 1975年 1978年 1985 ー1987年 1991 ー1992年 2000年 2002年 2005年 2010ー2014年 2014年 ー 現 在 九州大学大学院薬学研究科修了 厚生省入省 国立衛生試験所安全性生物試験研究センター薬理部配属 米国国立衛生研究所 NIH 客員研究員 英国ロンドン大学ロンドン単科大学 UCL G.Burnstock教授 名誉客員研究員 九州大学大学院薬学研究院 化学療法分子制御学分野 教授 兼任 国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部長 九州大学大学院薬学研究院 薬理学分野教授 専任 九州大学大学院 薬学研究院 研究院長 学部長 九州大学 理事 副学長 受 賞 歴 文部科学大臣表彰科学技術賞 第3回 日本薬理学会江橋節郎賞 日本薬学会賞 紫綬褒章 所属学会 日本薬理学会 日本神経化学会 日本疼痛学会 専門分野 神経薬理 神経化学 研究テーマと抱負 ATPプリン受容体の生理機能 グリアと疼痛に関する基礎研究 研究成果を元に優れた医薬品を創製すること 次回は 国立精神 神経医療研究センター 神経研究所 名誉所長 高坂新一 氏へ バトンタッチします 企画 発行 公益財団法人千里ライフサイエンス振興財団 560-0082 大阪府豊中市新千里東町1 4 2 千里ライフサイエンスセンタービル20F TEL.06 6873 2001 FAX.06 6873 2002 プリンの森の先導者 バーンシュトック先生 UCL教授 とともに 井上和秀氏提供 千里ライフサイエンス振興財団 ニュース 76 2015.10 ISSN 2189-7999 対談 多剤併用療法でHIV感染者の余命は伸び 世界では新規感染者数も減っています 熊本大学大学院生命科学研究部 血液内科 膠原病内科 感染免疫診療部 教授 満屋裕明 氏 公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団 岸本忠三 理事長