二 相 ステンレス 鋼 加 工 マニュアル
二 相 ステンレス 鋼 加 工 マニュアル 第 二 版 2009 年 IMOA 1999-2011 ISBN 978-1-907470-06-6 IMOA 出 版 編 集 :IMOA (London, UK) www.imoa.info info@imoa.info 作 成 :TMR Stainless (Pittsburgh, PA, USA) デザイン : circa drei(munich, Germany) 謝 辞 : IMOAは 本 小 冊 子 の 作 成 と 監 修 に 関 す る ISSFおよびEuro Inoxの 協 力 に 謝 意 を 表 した い また 詳 細 なフィードバックと 寄 稿 に 対 し Acerinox 社 Allegheny Ludlum 社 Aquatech 社 ArcelorMittal 社 Baosteel 社 Columbus Stainless 社 JSL 日 本 冶 金 工 業 North American Stainless 社 Outokumpu Stainless 社 Sandvik 社 Swagelok 社 および Yieh United Steel 社 にも 謝 意 を 表 したい The International Molybdenum Association (IMOA) has made every effort to ensure that the information presented is technically correct. However, IMOA does not represent or warrant the accuracy of the information contained in this handbook or its suitability for any general or specific use. The reader is advised that the material contained herein is for information purposes only; it is not intended as a substitute for any person s procedures, and should not be used or relied upon for any specific or general application without first obtaining competent advice. IMOA, its members, staff and consultants specifically disclaim any and all liability or responsibility of any kind for loss, damage, or injury resulting from the use of the information contained in this publication. ASTM s and EN international specifications were used predominantly in this publication; however, material specifications may vary among countries. 表 紙 写 真 :ミーズ リーチ( Meads Reach;Temple Quai, Bristol, UK )( 出 典 : www.m-tec.uk.com ( 製 作 ), www.photogenics.com ( 写 真 )) 2
目 次 1 緒 言 4 2 二 相 ステンレス 鋼 ( 二 相 鋼 )の 歴 史 5 3 化 学 成 分 と 合 金 元 素 の 役 割 8 3.1 二 相 鋼 の 化 学 成 分 8 3.2 二 相 鋼 における 合 金 元 素 の 役 割 8 4 二 相 鋼 の 冶 金 10 5 耐 食 性 13 5.1 耐 酸 性 13 5.2 耐 アルカリ 性 14 5.3 耐 孔 食 性 および 耐 隙 間 腐 食 性 14 5.4 耐 応 力 腐 食 割 れ 性 16 6 エンドユーザー 規 格 書 およ び 品 質 管 理 18 6.1 標 準 試 験 要 件 18 6.1.1 化 学 成 分 18 6.1.2 溶 体 化 処 理 および 冷 却 18 6.2 特 別 試 験 要 件 19 6.2.1 引 張 試 験 および 硬 さ 試 験 19 6.2.2 曲 げ 試 験 19 6.2.3 金 属 間 化 合 物 検 出 のための 衝 撃 試 験 および 金 相 試 験 20 6.2.4 金 属 組 織 または 磁 気 測 定 によ り 決 定 された 相 比 20 6.2.5 腐 食 試 験 21 6.2.6 溶 接 および 検 査 22 7 機 械 的 性 質 23 8 物 理 的 性 質 26 9 切 断 28 9.1 鋸 引 き 28 9.2 せん 断 28 9.3 スリット 28 9.4 打 抜 き 28 9.5 プラズマ 切 断 およびレーザー 切 断 28 10 成 形 29 10.1 熱 間 成 形 29 10.1.1 溶 体 化 処 理 29 10.2 温 間 成 形 30 10.3 冷 間 成 形 30 10.4 プレス 成 形 31 10.5 スピニンク 成 形 31 12 二 相 鋼 の 溶 接 36 12.1 一 般 的 溶 接 手 引 き 36 12.1.1 二 相 鋼 とオーステナイト 系 ス テンレス 鋼 の 相 違 36 12.1.2 素 材 の 選 択 36 12.1.3 溶 接 前 の 洗 浄 36 12.1.4 継 手 設 計 36 12.1.5 予 熱 38 12.1.6 入 熱 およびパス 間 温 度 38 12.1.7 溶 接 後 熱 処 理 38 12.1.8 相 比 の 目 標 値 38 12.1.9 異 材 継 手 溶 接 部 39 12.2 溶 接 施 工 法 の 確 認 試 験 40 12.3 溶 接 方 法 40 12.3.1 ガス タングステン ア ーク 溶 接 (GTAW/TIG) 40 12.3.2 ガス メタル ア ーク 溶 接 (GMAW/MIG) 42 12.3.3 フラックス コア ワイヤ ー アーク 溶 接 (FCW) 44 12.3.4 シールド メタル アーク 溶 接 ( 被 覆 アーク 溶 接 ) (SMAW/electrode) 44 12.3.5 サブマージ アーク 溶 接 (SAW) 46 12.3.6 電 子 ビームおよびレーザ 溶 接 46 12.3.7 抵 抗 溶 接 46 13 他 の 接 合 技 術 47 13.1 接 合 準 備 47 13.2 接 着 剤 47 13.3 はんだ 付 け 47 13.4 ろう 付 け 48 14 加 工 後 の 洗 浄 化 49 14.1 クレヨン マーク 塗 装 汚 れ オイル 49 14.2 埋 込 み 鉄 ( 鉄 汚 染 ) 49 14.3 溶 接 スパッター 接 合 部 変 色 フラックス スラグ アーク ストライク 50 15 二 相 鋼 の 用 途 51 推 奨 文 献 54 参 照 文 献 57 付 属 書 1: 二 相 鋼 のカテゴリー 分 類 および 製 品 名 58 付 属 書 2: 規 格 のまとめ 60 11 二 相 鋼 の 機 械 加 工 32 11.1 二 相 鋼 の 機 械 加 工 のための 一 般 的 手 引 き 32 11.2 旋 盤 加 工 および 面 削 り 33 11.3 超 硬 合 金 による 面 削 り 34 11.4 高 速 度 鋼 ドリルによるねじれ 穿 孔 34 3
1 緒 言 二 相 ステンレス 鋼 ( 以 下 二 相 鋼 )は 強 度 が 高 く 加 工 が 容 易 な 耐 食 性 に 優 れた 鋼 種 群 である その 物 理 的 性 質 はオーステナイト 系 と フェライト 系 ステンレス 鋼 の 中 間 だが フェ ライト 鋼 や 普 通 鋼 により 近 い 二 相 鋼 はクロ ム モリブデン タングステン 窒 素 を 含 有 し ているため 塩 化 物 に 対 する 耐 孔 食 性 耐 隙 間 腐 食 性 を 有 する その 性 能 はTYPE316と 同 等 で またモリブデン6% 含 有 のオーステナイ ト 系 ステンレス 鋼 などの 耐 海 水 ステンレス 鋼 よ りも 優 れている すべての 二 相 鋼 は300シリー ズのオーステナイト 系 ステンレス 鋼 よりも 塩 化 物 に 対 する 耐 応 力 腐 食 割 れ 性 がはるかに 優 れ ている すべての 二 相 鋼 はオーステナイト 系 鋼 種 よりも 強 度 がはるかに 高 く 良 好 な 延 性 お よび 靭 性 も 有 している オーステナイト 系 ステンレス 鋼 と 二 相 鋼 の 加 工 は 多 くの 点 で 類 似 しているが 大 きな 相 違 も 存 在 する 高 合 金 で 高 強 度 の 二 相 鋼 では 一 部 の 加 工 方 法 を 変 更 する 必 要 がある 本 冊 子 は 加 工 業 者 および 加 工 に 責 任 を 持 つエンドユー ザー 用 のマニュアルで 二 相 鋼 の 加 工 を 円 滑 に 行 なうための 実 用 的 な 情 報 を 一 冊 にまとめ たものである 本 冊 子 は ステンレス 鋼 加 工 の 経 験 者 を 対 象 としており 二 相 鋼 と300シ リーズのオーステナイト 系 ステンレス 鋼 および 普 通 鋼 の 特 性 および 加 工 性 に 関 するデータの 比 較 も 行 っている 二 相 鋼 の 加 工 は 異 なる 点 もあるが 困 難 ではな い ストックホルム(スウェーデン)の 二 相 鋼 の 橋 梁 ( 出 典 :Outokumpu 社 ) 4
2 二 相 鋼 の 歴 史 オーステナイト 相 とフェライト 相 の 比 率 がほぼ 等 しい 微 細 構 造 をもつ 二 相 鋼 は 約 80 年 前 に 誕 生 した 初 期 の 二 相 鋼 は クロム ニッケル モリブデンの 合 金 だった 最 初 の 鍛 造 二 相 鋼 は スウェーデンで1930 年 に 生 産 され 亜 硫 酸 紙 産 業 で 使 用 された これらの 鋼 種 は 初 期 の 高 炭 素 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 に 見 られた 粒 間 腐 食 問 題 を 軽 減 するために 開 発 された 鋳 造 二 相 鋼 はフィンランドで1930 年 に 生 産 され 後 にウラナス50として 知 られる よ う に な る 製 品 の 前 身 に 対 し フ ラ ンス で 1936 年 に 特 許 が 認 め ら れ た AISI TYPE329は 第 二 次 大 戦 後 に 普 及 し 硝 酸 の 供 給 用 に 熱 交 換 器 配 管 で 広 く 使 われた 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れ (SCC)への 耐 性 を 高 めるため に 開 発 された 二 相 鋼 の 一 つが3RE60だった その 後 鍛 造 および 鋳 造 の 二 相 鋼 は 圧 力 容 器 熱 交 換 器 ポンプなどさまざまな 加 工 産 業 関 連 の 用 途 に 使 用 されてきた この 第 一 世 代 二 相 鋼 の 良 好 な 性 能 特 性 を 示 し たが 溶 接 部 に 問 題 があった 溶 接 熱 影 響 部 (HAZ)では フェライト 相 が 過 剰 となり 母 材 よりも 靭 性 が 低 くなり 耐 食 性 も 大 幅 に 低 下 した この 問 題 によって 第 一 世 代 二 相 鋼 の 使 用 範 囲 は 通 常 溶 接 を 伴 わない 特 定 の 用 途 に 限 定 された 1968 年 のステンレス 鋼 精 錬 プ ロセス アルゴン 酸 素 脱 炭 (AOD)の 発 明 によ り 新 しいステンレス 鋼 種 開 発 の 可 能 性 が 生 まれた AODで 可 能 になった 技 術 的 進 歩 の1 つが 合 金 元 素 としての 窒 素 の 意 図 的 添 加 だっ た 二 相 鋼 への 窒 素 添 加 によって 溶 接 された HAZの 靭 性 と 耐 食 性 が 母 材 の 靭 性 と 耐 食 性 に 近 づいている またオーステナイト 相 の 安 定 性 が 向 上 し 窒 素 が 有 害 な 金 属 間 層 の 生 成 率 を 低 下 させている 第 二 世 代 二 相 鋼 の 特 徴 は 窒 素 の 合 金 化 である 1970 年 代 後 半 に 始 まったこの 新 鋼 種 の 商 用 化 は 北 海 のガス 田 や 油 田 の 開 発 と 重 なり 優 れた 塩 化 物 耐 食 性 と 加 工 性 や 高 い 強 度 を 持 つ ステンレス 鋼 の 需 要 が 高 まった 2205は 第 二 世 代 二 相 鋼 の 主 力 製 品 となり ガス 輸 送 ライ ンパイプや 海 上 プラットフォームの 処 理 設 備 に 広 く 使 用 された これらのステンレス 鋼 の 高 強 度 により 海 上 プラットフォームの 板 厚 減 少 や 軽 量 化 も 可 能 となり 消 費 伸 長 の 大 きな 要 因 となった 2205 連 続 硫 酸 塩 パルプ 蒸 解 装 置 および 含 浸 タワー(Sodra Cell Mönsteras) スウェーデン ( 出 典 :Kvaerner Pulping) オーステナイト 系 ステンレス 鋼 と 同 様 に 二 相 鋼 には 合 金 含 有 量 によって 腐 食 性 能 が 異 なる 鋼 種 が 存 在 する 二 相 鋼 の 開 発 は 継 続 されて おり 現 在 の 二 相 鋼 は5 種 類 に 分 類 できる 2304などの 低 クロムの 二 相 鋼 で モリブデ ンの 意 図 的 添 加 がない 2205などの 標 準 的 二 相 鋼 で 二 相 鋼 消 費 の 80% 以 上 を 占 める 主 力 製 品 鋼 種 25クロム 二 相 鋼 合 金 255などPREN 値 * 40 以 下 のもの 2507などのスーパー 二 相 鋼 (PRE 値 40-45 )は25-26%クロムを 含 有 し 25クロム 鋼 種 に 比 べ モリブデンと 窒 素 の 含 有 量 が 多 い ハイパー 二 相 鋼 はPREN 値 45 以 上 の 高 合 金 二 相 鋼 と 位 置 づけられている * PREN = 耐 孔 食 係 数 (Pitting Resistance Equivalent Number) =%Cr + 3.3(%Mo + 0.5%W) + 16%N 表 1は 第 二 世 代 の 鍛 造 二 相 鋼 と 鋳 造 二 相 鋼 の 化 学 成 分 を 示 す 比 較 のために 第 一 世 代 の 二 相 鋼 と 通 常 のオーステナイト 系 ステンレス 鋼 も 含 む 注 : 本 文 内 で 引 用 した 各 ステンレス 鋼 の 名 称 または 業 界 内 の 呼 称 は 表 1や 付 属 書 1にも 示 されている 5
表 1: 鍛 造 および 鋳 造 二 相 鋼 の 化 学 成 分 (Wt %)(オーステナイト 系 鋼 種 も 比 較 のために 表 示 ) 鋼 種 UNS No. EN No. C Cr Ni Mo N Mn Cu W 鍛 造 二 相 鋼 第 一 世 代 二 相 鋼 329 S32900 1.4460 0.08 23.0 28.0 2.5 5.0 1.0 2.0 1.00 ** S31500 1.4424 0.03 18.0 19.0 4.3 5.2 2.5 3.0 0.05 0.1 S32404 0.04 20.5 22.5 5.5 8.5 2.0 3.0 0.20 2.00 1.0 2.0 第 二 世 代 二 相 鋼 低 クローム S32001 1.4482 0.03 19.5 21.5 1.0 3.0 0.6 0.05 0.17 4.0 6.0 1.0 S32101 1.4162 0.04 21.0 22.0 1.35 1.7 0.1 0.8 0.20 0.25 4.0 6.0 0.1-0.8 S32202 1.4062 0.03 21.5 24.0 1.0 2.8 0.45 0.18 0.26 2.00 S82011 0.03 20.5 23.5 1.0 2.0 0.1 1.0 0.15 0.27 2.0 3.0 0.5 2304 S32304 1.4362 0.03 21.5 24.5 3.0 5.5 0.05 0.6 0.05 0.20 2.50 0.05 0.60 1.4655 0.03 22.0 24.0 3.5 5.5 0.1 0.6 0.05 0.20 2.00 1.0 3.0 標 準 S32003 0.03 19.5 22.5 3.0 4.0 1.5 2.0 0.14 0.20 2.00 2205 S31803 1.4462 0.03 21.0 23.0 4.5 6.5 2.5 3.5 0.08 0.20 2.00 2205 S32205 1.4462 0.03 22.0 23.0 4.5 6.5 3.0 3.5 0.14 0.20 2.00 25クロム S31200 0.03 24.0 26.0 5.5 6.5 1.2 2.0 0.14 0.20 2.00 S31260 0.03 24.0 26.0 5.5 7.5 2.5 3.5 0.10 0.30 1.00 0.2 0.8 0.1 0.5 S32506 0.03 24.0 26.0 5.5 7.2 3.0 3.5 0.08 0.20 1.00 0.05 0.30 S32520 1.4507 0.03 24.0 26.0 5.5 8.0 3.0 4.0 0.20 0.35 1.50 0.5 2.0 255 S32550 1.4507 0.04 24.0 27.0 4.5 6.5 2.9 3.9 0.10 0.25 1.50 1.5 2.5 スーパー 二 相 鋼 2507 S32750 1.4410 0.03 24.0 26.0 6.0 8.0 3.0 5.0 0.24 0.32 1.20 0.5 S32760 1.4501 0.03 24.0 26.0 6.0 8.0 3.0 4.0 0.20 0.30 1.00 0.5 1.0 0.5 1.0 S32808 0.03 27.0 27.9 7.0 8.2 0.8 1.2 0.30 0.40 1.10 2.1 2.5 S32906 0.03 28.0 30.0 5.8 7.5 1.5 2.6 0.30 0.40 0.80 1.5 0.8 S32950 0.03 26.0 29.0 3.5 5.2 1.0 2.5 0.15 0.35 2.00 S39274 0.03 24.0 26.0 6.8 8.0 2.5 3.5 0.24 0.32 1.0 0.2 0.8 1.5 2.5 S39277 0.025 24.0 26.0 6.5 8.0 3.0 4.0 0.23 0.33 0.80 1.2 2.0 0.8 1.2 1.4477 0.03 28.0 30.0 5.8 7.5 1.5 2.6 0.30 0.40 0.80 1.50 0.8 ハイパー 二 相 鋼 S32707 0.03 26.0 29.0 5.5 9.5 4.0 5.0 0.30 0.50 1.50 1.0 S33207 0.03 29.0 33.0 6.0 9.0 3.0 5.0 0.40 0.60 1.50 1.0 6
鋼 種 UNS No. EN No. C Cr Ni Mo N Mn Cu W 鍛 造 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 304L S30403 1.4307 0.03 17.5 19.5 8.0 12.0 0.10 2.00 316L S31603 1.4404 0.03 16.0 18.0 10.0 14.0 2.0 3.0 0.10 2.00 317L S31703 1.4438 0.03 18.0 20.0 11.0 15.0 3.0 4.0 0.10 2.00 317LMN S31726 1.4439 0.03 17.0 20.0 13.5 17.5 4.0 5.0 0.10 0.20 2.00 904L N08904 1.4539 0.02 19.0 23.0 23.0 28.0 4.0 5.0 0.10 2.00 1.0 2.0 鋳 造 二 相 鋼 CD4MCu J93370 0.04 24.5 26.5 4.75 6.0 1.75 2.25 1.00 2.75 3.25 Grade 1A CD4MCuN J93372 0.04 24.5 26.5 4.7 6.0 1.7 2.3 0.10 0.25 1.00 2.7-3.3 Grade 1B CD3MCuN J93373 0.03 24.0 26.7 5.6 6.7 2.9 3.8 0.22 0.33 1.20 1.4 1.9 Grade 1C CE8MN J93345 0.08 22.5 25.5 8.0 11.0 3.0 4.5 0.10 0.30 1.00 Grade 2A CD6MN J93371 0.06 24.0 27.0 4.0 6.0 1.75 2.5 0.15 0.25 1.00 Grade 3A CD3MN J92205 0.03 21.0 23.5 4.5 6.5 2.5 3.5 0.10 0.30 1.50 Cast 2205 Grade 4A CE3MN J93404 1.4463 0.03 24.0 26.0 6.0 8.0 4.0 5.0 0.10 0.30 1.50 Cast 2507 Grade 5A CD3MWCuN J93380 0.03 24.0 26.0 6.5 8.5 3.0 4.0 0.20 0.30 1.00 0.5 1.0 0.5 1.0 Grade 6A 鋳 造 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 CF3 J92500 1.4306 0.03 17.0 21.0 8.0 12.0 1.50 (cast 304L) CF3M J92800 1.4404 0.03 17.0 21.0 9.0 13.0 2.0 3.0 1.50 (cast 316L) * 最 大 値 ( 範 囲 または 最 小 値 が 示 されない 場 合 ) 規 格 で 定 義 されていない. ** 本 鋼 種 は 当 初 窒 素 を 添 加 せずに 生 産 された 窒 素 添 加 がないため 第 一 世 代 二 相 鋼 と 見 なされる 7
3 化 学 成 分 と 合 金 元 素 の 役 割 3.1 二 相 鋼 における 化 学 成 分 二 相 鋼 の 優 位 性 は 一 般 的 に フェライト 相 とオーステナイト 相 の 比 率 が30から70%の 範 囲 の 相 比 によって 得 られると 考 えられる し かし 通 常 は 二 相 鋼 のフェライト 相 とオース テナイト 相 の 比 率 はほぼ 等 しく 現 在 の 商 業 生 産 においては 靭 性 や 加 工 特 性 を 高 めるた め オーステナイト 相 をやや 多 めにしている クロム モリブデン 窒 素 ニッケルなどの 主 要 合 金 元 素 の 相 互 作 用 は 複 雑 である 処 理 や 加 工 に 適 する 安 定 した 二 相 鋼 構 造 を 得 るため には 各 元 素 を 適 正 レベルに 調 整 する 必 要 が ある 相 比 の 他 にも 二 相 鋼 とその 化 学 成 分 に 関 して は 温 度 の 上 昇 に 伴 う 有 害 な 金 属 間 化 合 物 の 生 成 というもう1つの 大 きな 問 題 点 がある 高 ク ロム 高 モリブデンステンレス 鋼 ではシグマ 相 およびカイ 相 が 生 成 し フェライト 相 で 優 先 的 に 析 出 する 窒 素 の 添 加 は これらの 相 の 生 成 を 大 幅 に 遅 らせることができる そのた め 固 溶 体 における 十 分 な 窒 素 の 存 在 が 重 要 となる 二 相 鋼 に 関 する 知 見 が 豊 富 になるに つれて 成 分 の 範 囲 制 御 の 重 要 性 が 明 らかにな った 当 初 2205 (UNS S31803, 表 1) に 設 定 された 成 分 範 囲 は 大 まか 過 ぎた 最 適 耐 食 性 と 金 属 間 化 合 物 生 成 防 止 のためには クロ ム, モ リ ブ デ ン 窒 素 の 各 含 有 量 は S31803の 設 定 値 の 上 半 分 に 保 たなければな らないことが 知 見 より 明 らかになった そこ で 成 分 範 囲 を 狭 く 改 良 し た 2205が UNSS32205として 開 発 された ( 表 1) 現 在 S32205の 成 分 は 2205の 営 業 生 産 の 主 流 で あ る 別 段 の 注 記 が な い 限 り 本 冊 子 で は 2205は S32205の 成 分 構 成 を 意 味 する 3.2 二 相 鋼 における 合 金 元 素 の 役 割 二 相 鋼 の 機 械 的 性 質 物 理 的 特 性 耐 食 性 に 影 響 する 最 も 重 要 な 合 金 元 素 を 以 下 に 概 説 す る クロム: 軽 度 の 大 気 腐 食 からの 保 護 に 必 要 な 安 定 したクロム 不 動 態 皮 膜 を 形 成 するためには 最 小 限 約 10.5%のクロムが 必 要 である クロ ムの 含 有 量 が 増 加 すればステンレス 鋼 の 耐 食 性 が 高 まる クロムはフェライトフォーマ で あり クロムを 添 加 するほど 鉄 は 体 心 立 法 構 造 になり 易 い クロムの 含 有 量 が 高 くなるほ ど オーステナイトまたは 二 相 (オーステナイ トーフェライト) 構 造 を 形 成 するために 必 要 な ニッケルの 含 有 量 が 多 くなる クロムの 含 有 量 が 高 くなれば 金 属 間 化 合 物 は 生 成 しやす くなる オーステナイト 系 ステンレス 鋼 には 通 常 16% 以 上 の ク ロ ム が 含 ま れ 二 相 鋼 に は 20% 以 上 のクロムが 含 まれる クロムはまた 高 温 における 耐 酸 化 性 を 増 加 させる このク ロムの 作 用 は 熱 処 理 または 溶 接 に 起 因 する 酸 化 物 スケールの 生 成 および 除 去 または 加 熱 着 色 に 影 響 を 及 ぼすため 重 要 である 二 相 鋼 はオーステナイト 系 ステンレス 鋼 より 酸 洗 が 難 しく また 加 熱 着 色 の 除 去 も 難 しい モリブデン: モリブデンは クロムがステンレ ス 鋼 に 耐 孔 食 性 を 付 与 するのを 補 助 する ク ロム 含 有 量 18% 以 上 のステンレス 鋼 では モ リブデンの 添 加 によって 塩 化 物 含 有 環 境 にお ける 孔 食 や 隙 間 腐 食 への 耐 性 がクロムのみの 添 加 の 約 3 倍 になる モリブデンは フェラ イトフォーマーでありさらに ステンレス 鋼 が 有 害 金 属 間 層 を 生 成 する 傾 向 を 促 進 させる そのため 通 常 モリブデンの 含 有 量 はオース テナイト 系 ステンレス 鋼 で 約 7.5% 未 満 二 相 鋼 で4% 未 満 に 制 限 されている 窒 素 : 窒 素 は オーステナイト 系 ステンレス 鋼 および 二 相 鋼 の 耐 孔 食 性 と 耐 隙 間 腐 食 性 を 高 める また 窒 素 は 二 相 鋼 の 強 度 を 大 幅 に 高 め 事 実 最 も 効 果 的 な 固 溶 体 強 化 元 素 であ り 低 コストの 合 金 元 素 でもある 窒 素 含 有 の 二 相 鋼 の 靭 性 が 高 いのは オーステナイト 相 の 増 加 と 金 属 間 層 の 減 少 によるものである 窒 素 は 金 属 間 層 析 出 の 防 止 はできないが 金 属 間 層 の 生 成 を 遅 らせて 二 相 鋼 の 処 理 や 加 工 を 可 能 にしている 窒 素 は 高 クロムお よびモリブデン 含 有 の 高 耐 腐 食 性 オーステナイ ト 系 および 二 相 鋼 に 添 加 され これらの 鋼 種 のシグマ 相 を 形 成 する 傾 向 を 抑 制 する 窒 素 は 強 いオーステナイトフォーマーであり オーステナイト 系 ステンレス 鋼 ではニッケルを ある 程 度 置 換 することができる 窒 素 は 積 層 欠 陥 エネルギーを 減 少 させ オーステナイトの 加 工 硬 化 率 を 高 める また 窒 素 は 固 溶 体 強 度 を 高 めることによって オーステナイトの 強 度 を 増 加 させる 二 相 鋼 では まず 窒 素 が 添 加 され 目 標 とする 相 比 を 達 成 するために ニッケル 含 有 量 を 調 節 することが 多 い 二 相 鋼 構 造 をつくるには フェライトフォーマーで あるクロムやモリブデンと オーステナイトフ ォーマーであるニッケルや 窒 素 をバランスさせ る 必 要 がある 8
ニッケル: ニッケルは ステンレス 鋼 の 結 晶 構 造 を 体 心 立 方 (フェライト)から 面 心 立 方 (オー ステナイト)への 変 化 を 促 進 し オーステナイ ト 相 を 安 定 化 させる フェライト 系 ステンレス 鋼 はニッケルをほとんど 含 有 しないが 二 相 鋼 は1.5から7%の 少 量 から 中 量 のニッケル を 含 有 しており 300シリーズのオーステナイ ト 系 ステンレス 鋼 には6% 以 上 のニッケルが 含 まれる ( 図 1, 2) ニッケルの 添 加 は オース テナイト 系 ステンレス 鋼 では 有 害 金 属 間 層 の 生 成 を 遅 らせるが 二 相 鋼 の 有 害 金 属 間 化 合 物 生 成 を 遅 らせる 面 では 窒 素 に 比 べてはる かに 効 果 が 少 ない オーステナイト 系 ステンレ ス 鋼 は 面 心 立 方 構 造 のため 優 れた 靭 性 を 持 つ 二 相 鋼 種 の 微 細 構 造 の 約 半 分 に 面 心 立 方 構 造 が 存 在 するため フェライト 系 ステンレ ス 鋼 に 比 べてはるかに 靭 性 が 高 い ニッケル の 添 加 フェライト ( 体 心 立 方 ) 構 造 オーステナイト 系 ( 面 心 立 方 ) 構 造 図 1: ニッケルの 添 加 によって 結 晶 構 造 は 体 心 立 方 (ニッケル 含 有 量 は 小 量 またはゼロ)から 面 心 立 方 (ニッ ケル 含 有 量 は6% 以 上 300シリーズ)に 変 化 する 中 量 のニッケルを 含 有 する 二 相 鋼 は その 粒 子 の 一 部 がフ ェライト 相 一 部 がオーステナイト 相 の 微 細 構 造 を 持 ち 両 者 の 量 はほぼ 等 しいことが 理 想 的 である( 図 2) ニッケル の 添 加 ニッケル の 添 加 フェライト 相 構 造 二 相 構 造 オーステナイト 相 構 造 図 2: ニッケル 含 有 量 を 増 やすことで ステンレス 鋼 の 微 細 構 造 はフェライト ( 左 ) から 二 相 ( 中 央 ) へ さら に オーステナイト ( 右 ) に 変 化 する (Outokumpu 社 の 提 供 によるこれらの 画 像 は 研 磨 とエッチングをほ どこしたサンプルを 光 学 顕 微 鏡 で 拡 大 したものである 二 相 鋼 構 造 でフェライト 相 が 濃 く 見 えるように 着 色 さ れている ) 9
4 二 相 鋼 の 冶 金 鉄 -クロム-ニッケルの 三 元 系 状 態 図 は 二 相 鋼 の 冶 金 的 挙 動 のロードマップである 68%の 鉄 を 通 る 断 面 ( 図 3) によれば これらの 合 金 はフェライト (α) 相 として 凝 固 し 合 金 成 分 によっては 1000 C (1832 F)に 温 度 が 下 が るとオーステナイト 相 (γ) に 変 化 する 部 分 も ある さらに 低 い 温 度 では フェライト オー ステナイトバランスはほとんど 変 化 しない 窒 素 の 増 加 がもたらす 作 用 も 図 3 (Ref. 1) に 示 されている 熱 力 学 的 には オーステナイ トはフェライトから 形 成 されるので 合 金 が オーステナイトの 平 衡 水 準 を 超 えることはない しかし 冷 却 が 低 温 域 に 達 するに 伴 い カーバ イド 窒 化 物 シグマ 金 属 間 層 が すべてミ クロ 組 織 構 成 の 成 分 になり 得 る 素 材 または 加 工 品 に 含 まれるフェライト 相 と オーステナイト 相 の 比 率 は 鋼 の 成 分 と 熱 履 歴 によって 決 まる 状 態 図 が 示 すように 成 分 に わずかな 変 化 が 生 じても この 二 相 の 相 対 体 積 分 率 に 対 する 影 響 は 大 きくなる オーステナ イト 相 またはフェライト 相 の 形 成 を 促 進 する 各 元 素 の 特 質 は 二 相 鋼 の 場 合 にもほぼ 適 用 される 微 細 構 造 のフェライト/オーステナイ ト 位 相 バランスは 以 下 の 多 変 数 線 形 回 帰 を 使 って 予 測 できる Creq = %Cr + 1.73 %Si + 0.88 %Mo Nieq = %Ni + 24.55 %C + 21.75 %N + 0.4 %Cu % フェライト = -20.93 + 4.01 Creq 5.6 Nieq + 0.016 T T ( )は1050 1150 の 領 域 の 焼 鈍 温 度 元 素 成 分 はWt.%とする(Ref. 2) 二 相 鋼 にお ける 相 比 の 目 標 値 の 維 持 は まずクロム モ リブデン ニッケル 窒 素 の 含 有 量 を 調 整 し 次 いで 熱 履 歴 を 制 御 することで 可 能 となる しかし 冷 却 速 度 がオーステナイト 相 に 変 化 す るフェライト 相 の 量 を 決 定 するため 高 温 度 への 暴 露 に 続 く 冷 却 速 度 が 相 比 に 影 響 を 与 え る 急 冷 はフェライト 相 の 保 持 に 有 効 なので フェライト 相 を 平 衡 量 より 多 くすることが 可 能 である 例 えば 断 面 の 厚 い 部 分 に 低 入 熱 溶 接 を 行 なえば 熱 影 響 部 (HAZ)に 過 剰 なフ ェライト 相 が 生 じる 場 合 もある C L L+γ+α L+γ F もう1つの 窒 素 の 有 効 性 は 図 3に 示 す 通 り フェライト 相 からオーステナイト 相 の 形 成 開 始 温 度 を 上 昇 させることである これにより フェライト 相 からオーステナイト 相 への 変 化 率 を 高 めることができる そのため 比 較 的 急 速 な 冷 却 速 度 でも オーステナイト 相 の 平 衡 水 準 にほぼ 達 することができる 第 二 世 代 二 相 鋼 では これによりHAZのフェライト 相 過 剰 形 成 の 問 題 が 軽 減 される 1400 1200 L+α α γ 2552 2192 冷 却 過 程 ではフェライト 相 からのオーステナイ ト 相 形 成 よりも 低 い 温 度 でシグマ 析 出 が 生 じ るため ( 図 4) 素 材 でのシグマ 相 の 生 成 は 焼 鈍 温 度 を 制 御 し 確 実 に 製 品 を 焼 鈍 温 度 か ら 急 速 に 焼 き 入 れすることによって 回 避 できる 非 常 に 急 速 な 冷 却 が 必 要 なときには 水 冷 を 行 うことができる サイズが 大 きく 異 なる 製 品 の 溶 接 や 断 面 の 厚 い 部 分 を 非 常 に 低 入 熱 で 溶 接 する 場 合 実 際 の 加 工 時 に 冷 却 速 度 が 早 くなり 過 ぎることがある 1000 800 α+γ [N] 1832 1472 αプライム 相 は 二 相 鋼 の 安 定 した 相 であり 完 全 フ ェ ラ イ ト 相 で 生 成 す る の と 同 様 に 約 525 (950 F) 以 下 のフェライト 相 に 生 成 する αプライム 相 は 約 475 (885 F)の 温 度 に 長 時 間 暴 露 されると フェライト 系 ステンレス 鋼 において 常 温 靭 性 を 損 失 させる この 挙 動 作 用 は 475 /885 F 脆 化 として 知 られる %Ni %Cr 0 5 10 15 30 25 20 15 図 3: Fe-Cr-Niの 三 元 系 状 態 図 の68%の 鉄 の 断 面 (ニッケルとクロムの 含 有 量 が 僅 かに 違 っても 二 相 鋼 のオーステナイト 相 とフェライト 相 の 量 に 大 きな 影 響 が 出 る) 10
これらのステンレス 鋼 で 合 金 元 素 として 窒 素 を 使 用 すると 溶 接 熱 影 響 部 のフェライト-フェ ライト 粒 界 およびオーステナイト-フェライト 粒 界 にクロム 窒 化 物 が 発 生 する 場 合 がある 体 積 分 率 が 高 い 状 態 で( 大 量 に)かつ 焼 鈍 中 にクロム 欠 乏 層 が 均 質 化 する 時 間 がない 状 態 で 発 生 した 場 合 には こうしたクロム 窒 化 物 は 耐 食 性 を 劣 化 させる 可 能 性 がある しか し 窒 素 の 含 有 量 が 高 いほどオーステナイト 相 形 成 が 促 進 され 窒 素 の 溶 解 度 が 高 くなるの で 第 二 世 代 二 相 鋼 が 大 量 のクロム 窒 化 物 を 含 有 することはほとんどない さらに 第 二 世 代 二 相 鋼 の 炭 素 は 非 常 に 低 いため 実 際 に は 有 害 なカーバイドが 生 成 される 危 険 は 少 ない 有 害 なシグマ 相 αプライム 相 カーバイド 窒 化 物 は 一 定 の 温 度 では 数 分 で 生 成 され ることがある そのため 様 々な 処 理 加 工 および 定 期 保 全 に 必 要 な 熱 処 理 の 際 には 要 求 される 耐 食 性 および 機 械 的 性 質 を 確 保 する ために 相 形 成 の 反 応 速 度 を 考 慮 する 必 要 があ る これらの 二 相 鋼 は 耐 食 性 を 最 大 限 とし 析 出 反 応 を 遅 延 させ 加 工 を 容 易 にするため に 開 発 されたものである 2304 2205 2507の 各 二 相 鋼 の 等 温 析 出 ダイアグラムを 図 5 (Ref. 4, 5, 6, 7)に 示 す クロム 炭 化 物 窒 化 物 の 析 出 は 室 温 で 比 較 的 緩 やかな 1 2 分 の 速 度 で 始 まる この 速 度 は フェライト 鋼 または 高 合 金 のオーステナ F 図 4: 850 (1560 F) に40 分 間 保 持 された2205 の 微 細 構 造 サンプル には オーステナイト/フェライ ト 粒 界 のシグマ 相 析 出 ( 矢 印 )が 生 じている 顕 微 鏡 写 真 (Ref. 3)では フェライト (F) 相 はオーステナ イト (A) 相 よりも 濃 く 見 える イト 鋼 の 場 合 よりも 緩 慢 であるが これは 低 ニッケルオーステナイト 相 の 炭 素 および 窒 素 の 高 溶 解 度 が 一 因 であり さらに 窒 素 によ る 炭 化 物 析 出 の 遅 延 効 果 も 一 因 である 可 能 性 がある その 結 果 二 相 鋼 は 冷 却 時 の 鋭 敏 化 に 対 して 比 較 的 大 きな 耐 性 がある これらの 鋼 種 のカーバイドおよび 窒 化 物 の 生 成 速 度 は クロム モリブデン ニッケルなどの 影 響 をほ とんど 受 けず 窒 素 合 金 二 相 鋼 種 は 析 出 物 の 点 では2205と 同 様 の 速 度 論 を 示 す A 1100 2012 1000 900 2507 カイ シグマ 1832 1652 800 2304 1472 温 度 C 700 600 炭 化 物 窒 化 物 1292 1112 温 度 F 500 400 硬 度 αプライム 靭 性 932 752 300 572 200 0 2205 2304 2507 392 1 10 100 1000 10000 時 間 ( 分 ) 図 5: 1050 (1920 F)で 焼 鈍 した2205 二 相 鋼 の 等 温 析 出 ダイアグラム ( 比 較 のために 2304および 2507の 二 相 鋼 種 も 表 示 ) 11
イト 鋼 の 場 合 ほど 有 害 ではない αプライム 析 出 による 靭 性 の 損 失 ( 脆 化 )は 硬 化 速 度 よりも 緩 慢 である ( 図 5) αプライム 脆 化 は 脆 化 の 発 生 に 長 時 間 を 要 するため 加 工 において 問 題 になることはほとんどない しかし 製 品 使 用 時 の 上 限 温 度 は αプライム 生 成 によっ て 制 御 される 2507 二 相 鋼 継 手 ( 出 典 :Swagelok 社 ) シグマ 析 出 およびカイ 相 析 出 はカーバイドおよ び 窒 化 物 の 析 出 よりやや 高 温 で 生 じるが ほ ぼ 同 時 に 発 生 する クロム モリブデン ニッ ケルの 含 有 量 が 高 い 二 相 鋼 は 2205よりもシ グマ 相 およびカイ 相 の 形 成 速 度 が 速 い これ らの 合 金 含 有 量 が 低 ければ 遅 くなる 図 5の 破 線 は 合 金 含 有 率 がより 高 い2507でのシグ マ およびカイ 生 成 の 開 始 が 早 く 2304では 緩 慢 であることを 示 している 長 時 間 の 高 温 度 への 暴 露 は 常 温 での 靭 性 低 下 を 生 じる 可 能 性 があるため 圧 力 容 器 設 計 コードは 最 大 許 容 設 計 応 力 に 対 して 上 限 温 度 を 設 定 している ドイツTüVコードでは 溶 接 構 造 物 と 非 溶 接 構 造 物 を 区 別 し ASMEボ イラーおよび 圧 力 容 器 コードよりも 低 目 の 上 限 温 度 を 設 定 している 圧 力 容 器 設 計 コード に 規 定 された 各 種 二 相 鋼 の 制 限 温 度 は 表 2に まとめてある 表 3は 各 二 相 鋼 の 重 要 な 析 出 反 応 と 限 界 温 度 を 示 す フェライト 相 のαプライム 析 出 物 およびその 影 響 は フェライトの 硬 化 と 脆 化 である 幸 い 二 相 鋼 はオーステナイト 相 を50% 含 有 するた め この 硬 化 と 脆 化 の 影 響 は 完 全 なフェラ 表 2: 圧 力 容 器 設 計 コードの 最 大 許 容 応 力 値 に 対 する 二 相 鋼 の 上 限 温 度 鋼 種 状 態 ASME TüV C F C F 2304 未 溶 接 315 600 300 570 2304 適 正 溶 接 ワイヤー 溶 接 済 み 315 600 300 570 2304 2205/2209で 溶 接 済 み 315 600 250 480 2205 未 溶 接 315 600 280 535 2205 溶 接 済 み 315 600 250 480 2507 シームレス 管 315 600 250 480 255 合 金 溶 接 済 み または 未 溶 接 315 600 表 3: 二 相 鋼 で 析 出 反 応 および 他 の 特 性 反 応 が 発 生 する 標 準 的 温 度 2205 2507 C F C F 凝 固 範 囲 1470から1380 2680から2515 1450から1350 2640から2460 空 気 中 のスケーリング 温 度 1000 1830 1000 1830 シグマ 相 生 成 700から950 1300から1740 700から1000 1300から1830 カーバイド 析 出 450から800 840から1470 450から800 840から1470 475 C/885 F 脆 化 300から525 575から980 300から525 575から980 12
5 耐 食 性 二 相 鋼 は 標 準 的 なオーステナイト 鋼 が 使 われ る 環 境 のほとんどで 高 い 耐 食 性 を 発 揮 する しかし 二 相 鋼 が 決 定 的 に 優 れている 場 合 が いくつかある これは 酸 化 性 酸 に 対 し 有 効 な 高 いクロム 含 有 量 マイルドな 還 元 環 境 に 耐 えるのに 十 分 な 量 のモリブデンおよびニッケル に 起 因 する 比 較 的 高 いクロム モリブデン 窒 素 の 含 有 量 は 塩 化 物 に 誘 発 される 孔 食 隙 間 腐 食 にも 非 常 に 強 い 耐 性 を 持 つ 潜 在 的 な 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れ 環 境 では こうした 二 相 鋼 構 造 が 有 利 である ミクロ 組 織 が25%か ら30% 以 上 のフェライト 相 を 含 有 する 場 合 TYPE304または316オーステナイト 系 ステン レス 鋼 よりも 二 相 鋼 の 方 が 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れに 対 する 耐 性 がはるかに 高 くなる しか しながら フェライト 相 は 水 素 脆 化 を 受 けや すい そのため 水 素 が 金 属 にチャージされ 水 素 脆 化 が 発 生 する 環 境 または 用 途 において は 二 相 鋼 の 耐 性 は 高 くない 5.1 耐 酸 性 強 酸 中 での 二 相 鋼 の 耐 食 性 を 説 明 するため 図 6に 硫 酸 溶 液 の 腐 食 データを 示 す この 環 境 は 低 濃 度 の 弱 還 元 性 から 高 濃 度 の 酸 化 性 および 中 濃 度 で 中 温 から 高 温 までの 強 還 元 性 の 範 囲 を 示 してある 2205および2507 二 相 鋼 は 約 15%までの 酸 を 含 む 溶 液 内 では 多 くの 高 ニッケルオーステナイト 系 ステンレス 鋼 よりも 優 れている また 40% 以 上 の 酸 では TYPE304や316よりも 優 れている 二 相 鋼 は 塩 化 物 を 含 む 酸 化 性 酸 の 環 境 下 においても 利 用 価 値 が 高 い ただし 二 相 鋼 のニッケル 含 有 量 は 中 濃 度 硫 酸 溶 液 または 塩 酸 の 強 還 元 状 態 への 耐 性 の 維 持 には 十 分 ではない 還 元 環 境 における 乾 湿 境 界 部 には 酸 の 濃 化 が 起 こり 特 にフェライト 相 の 腐 食 が 活 性 化 して 速 やか に 進 行 する 二 相 鋼 には 酸 化 環 境 での 耐 性 が あるため 硝 酸 および 強 有 機 酸 での 利 用 に 適 している 160 320 140 284 120 真 沸 点 曲 線 248 100 212 温 度 ( C) 80 Alloy 20 175 温 度 ( F) 60 904L 140 40 104 20 0 0 2205 2507 317 LMN 254 SMO Type 316 32 20 40 60 80 100 硫 酸 濃 度 ( 重 量 %) 68 図 6: 非 通 気 硫 酸 における 0.1 mm/yr (0.004 inch/yr) 等 腐 食 度 曲 線 ( 硫 酸 試 薬 を 使 用 した 実 験 室 試 験 ). ( 出 典 : 生 産 者 データシート 254SMOはOutokumpu 社 の 商 標 ) 13
腐 食 速 度 (mm/yr) 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 図 7は 沸 騰 温 度 における50% 酢 酸 と 様 々な 量 のギ 酸 を 含 む 溶 液 を 示 す TYPE304 および 316は 室 温 または 中 位 の 温 度 において 強 有 機 酸 には 耐 性 があるが 2205や 他 の 二 相 鋼 は 高 温 での 有 機 酸 が 関 連 する 多 くの 用 途 に 優 れて いる また 二 相 鋼 は 孔 食 応 力 腐 蝕 に 対 す る 耐 性 があるため ハロゲン 化 炭 化 水 素 が 関 連 する 用 途 にも 使 用 できる 5.2 耐 アルカリ 性 高 いクロム 含 有 量 とフェライト 相 の 存 在 によ って アルカリ 環 境 では 二 相 鋼 は 優 れた 性 能 を 示 す 中 温 では 標 準 的 なオーステナイト 系 鋼 よりも 腐 食 速 度 率 が 低 い 5.3 耐 孔 食 性 および 耐 隙 間 腐 食 性 ステンレス 鋼 の 耐 孔 食 性 と 耐 隙 間 腐 食 性 を 検 討 するには 孔 食 が 生 じるまでの 臨 界 温 度 の 概 念 を 導 入 するのが 有 効 である 各 ステンレ ス 鋼 には 特 定 の 塩 化 物 環 境 一 定 の 温 度 以 上 で 孔 食 が 始 まり 24 時 間 以 内 に 明 白 に 検 出 可 能 な 程 度 まで 増 殖 する 特 徴 がある この 温 度 よりも 低 ければ 孔 食 は 長 時 間 経 過 しても 発 生 し な い こ の 温 度 は 臨 界 孔 食 発 生 温 度 (CPT)として 知 られる これは 特 定 のステン レス 鋼 種 および 特 定 の 環 境 で 生 じる 特 性 であ Type 316L Type 317L Alloy 28 2205 12 10 8 6 4 腐 食 速 度 (mpy) る 孔 食 の 開 始 は 統 計 的 にランダムであり さらに 各 鋼 種 または 各 製 品 の 微 小 な 相 違 に 対 するCPTは 変 化 するため CPTは 各 鋼 種 に 対 し 通 常 温 度 範 囲 で 表 示 す る し か し ASTM G 150 1 に 記 載 されている 測 定 機 器 を 使 用 すれば 電 気 化 学 的 測 定 によってCPTの 正 確 で 信 頼 性 の 高 い 値 を 出 すことができる 隙 間 腐 食 にも 同 様 の 臨 界 温 度 があり 臨 界 隙 間 腐 食 発 生 温 度 (CCT)と 呼 ばれる CCTは ステンレス 鋼 の 各 サンプル 塩 化 物 環 境 隙 間 の 特 性 ( 狭 さ 長 さなど) に 左 右 される 隙 間 の 形 状 の 影 響 が 大 きく 実 際 上 再 現 可 能 な 隙 間 を 作 り 出 すのは 困 難 であるため CCTの 測 定 は CPTの 測 定 よ り も ば らつ き が 多 く な る 標 準 的 に 同 じ 鋼 種 および 同 じ 腐 食 環 境 では CCTはCPTよりも15から20 (27から 36 F) 低 い 二 相 鋼 種 が 含 有 する 高 クロム モリブデン 窒 素 は 水 環 境 での 塩 化 物 誘 起 腐 食 に 対 して 効 果 的 な 耐 性 を 付 与 する 成 分 である 合 金 含 有 量 によっては 二 相 鋼 がステンレスの 中 で 最 も 優 れた 性 能 を 持 つ 場 合 もある 二 相 鋼 はクロ ム 含 有 量 が 比 較 的 高 いので 高 水 準 の 耐 食 性 がコスト 面 に 非 常 に 有 利 な 形 で 付 与 されてい る 図 8は ASTM G 48 2 のテスト 手 順 (6% 塩 化 第 二 鉄 )による 溶 液 における 多 くの 焼 鈍 状 態 のステンレス 鋼 の 耐 食 性 と 耐 隙 間 腐 食 性 の 比 較 である 溶 接 したままの 状 態 における 各 素 材 の 臨 界 温 度 は 比 較 的 低 くなると 予 想 さ れる 臨 界 孔 食 温 度 または 臨 界 隙 間 腐 食 発 生 温 度 が 高 いほど 両 タイプの 腐 食 の 開 始 に 対 す る 耐 性 は 高 く な る 2205の CPTお よ び CCTは TYPE316よりも 大 幅 に 高 い このた め 熱 交 換 器 の 蒸 気 空 間 や 絶 縁 体 の 下 など 塩 化 物 が 蒸 発 によって 濃 縮 されるような 場 所 での 使 用 には 2205が 多 目 的 材 料 として 有 用 である 2205のCPTは この 鋼 種 が 半 塩 水 お よび 脱 気 塩 水 にも 対 応 可 能 であることを 示 す それは 脱 気 海 水 の 中 で 高 流 量 や 他 の 手 段 で 堆 積 物 を 残 らないようにした 表 面 に 対 し 有 用 性 を 発 揮 している 0.05 254 SMO 2 0 2507 アタックなし 0 0 5 10 15 20 25 ギ 酸 濃 度 (wt %) 図 7: 酢 酸 50%および 異 なる 比 率 のギ 酸 の 沸 騰 混 合 液 中 での 二 相 鋼 およびオース テナイト 系 ステンレス 鋼 の 腐 食 ( 出 典 :Sandvik 社 ) 1 ASTM G 150: ステンレス 鋼 の 電 気 化 学 臨 界 孔 食 温 度 試 験 の 標 準 試 験 方 法 2 ASTM G 48: 塩 化 第 二 鉄 溶 液 を 使 ったステンレス 鋼 および 関 連 合 金 の 耐 孔 食 性 と 耐 隙 間 腐 食 性 の 標 準 試 験 方 法 14
2205には 薄 番 手 を 使 用 した 熱 交 換 器 用 鋼 管 などの 厳 しい 用 途 や 堆 積 物 または 隙 間 がある 場 合 には 海 水 に 耐 えるのに 十 分 な 耐 隙 間 腐 食 性 がない しかし スーパー 二 相 鋼 種 など 2205よりも 高 いCCTを 示 す 合 金 化 率 の 高 い 二 相 鋼 は 強 度 と 塩 化 物 抵 抗 力 の 両 方 が 必 要 と される 多 くの 重 要 な 海 水 関 連 用 途 で 使 用 され ている CPTは 材 料 と 特 定 の 環 境 で 決 定 されるため 個 々の 元 素 の 影 響 を 解 明 することは 可 能 であ る ASTM G 48 手 順 Aが 定 める 通 りCPTを 使 用 し 鋼 種 成 分 ( 各 元 素 は 個 別 変 数 とみなす) と 測 定 されたCPT( 上 記 に 影 響 される 変 数 )に 統 計 回 帰 分 析 を 行 なった その 結 果 クロム モリブデン タングステン 窒 素 のみが 数 式 に 応 じて 常 に 測 定 可 能 な 影 響 をCPTに 及 ぼし ていることが 判 明 した CPT = 定 数 + %Cr + 3.3 (%Mo + 0.5%W) + 16%N. 数 式 では 変 数 である4つの 合 金 元 素 とそれ ぞれの 回 帰 定 数 の 各 積 の 和 が 一 般 に 耐 孔 食 指 数 (PREN)と 呼 ばれている 窒 素 の 係 数 は 可 変 であり 16 22 30がよく 使 われる (Ref. 8) PRENは 同 一 の 鋼 種 群 の 範 囲 内 で 鋼 種 の 序 列 を 決 めるのに 有 用 である しかし この 数 式 を 信 頼 し 過 ぎないように 注 意 しなければ ならない 試 験 片 の 成 分 はバランスされたも のとなっているため 個 別 の 変 数 は 真 の 意 味 で 個 別 ではない この 数 式 では クロム とモリブデンの 相 乗 作 用 は 考 慮 されていない また この 数 式 は 材 料 がすべて 理 想 的 に 加 工 さ れるものと 見 なし 金 属 間 化 合 物 非 金 属 相 耐 食 性 に 悪 影 響 を 与 える 可 能 性 のある 不 適 切 な 熱 処 理 などの 影 響 を 考 慮 していない 5.4 耐 応 力 腐 食 割 れ 性 初 期 の 二 相 鋼 の 一 部 は その 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れ (SCC)に 対 する 耐 性 により 使 用 された 類 似 の 耐 塩 化 物 孔 食 性 と 耐 隙 間 腐 食 性 を 有 す るオーステナイト 系 ステンレス 鋼 に 比 べて 二 相 鋼 は 著 しく 優 れたSCC 耐 久 性 を 示 す 化 学 工 業 で 多 く 使 われる 二 相 鋼 は 大 きなSCCリ スクを 伴 う 用 途 で オーステナイト 系 鋼 種 を 置 換 した しかし 他 の 多 くの 材 料 と 同 様 に 二 相 鋼 もある 特 定 条 件 では 応 力 腐 蝕 割 れの 影 響 を 受 けやすい 高 温 度 塩 化 物 含 有 環 境 また 水 素 誘 起 によっても 割 れが 発 生 しやすい 状 態 になる 90 80 70 60 50 CCT ( C) CPT ( C) 温 度 ( C) 40 30 20 10 0-10 -20 304L 316L 317L 317LMN 904L 6Mo S32101 2304 2205 255 2507 図 8: 溶 液 焼 鈍 した 状 態 (6% 塩 化 第 二 鉄 でのASTM G 48による 評 価 )での 未 溶 接 のオーステナイト 系 ステンレス 鋼 ( 左 ) および 二 相 鋼 ( 右 )の 臨 界 孔 食 温 度 と 臨 界 隙 間 腐 食 発 生 温 度 15
100 二 相 鋼 の SCCが 発 生 し 得 る 環 境 に は 沸 騰 42% 塩 化 マグネシウム 試 験 高 い 金 属 温 度 で の 液 滴 蒸 発 試 験 周 囲 圧 力 下 の 温 度 よりも 高 温 での 加 圧 塩 化 水 への 露 出 などが 含 まれる 図 9 (Ref. 9)は 厳 しい 塩 化 物 環 境 における 焼 鈍 済 二 相 鋼 およびオーステナイト 系 ステンレ ス 鋼 の 耐 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れ 性 を 示 す これら のデータを 収 集 するための 液 滴 蒸 発 試 験 の 条 件 は 120 (248 F) の 高 温 度 と 塩 化 物 溶 液 の 蒸 発 による 濃 縮 という 厳 しいものである 2205および2507の 二 相 鋼 はいずれも この 試 験 では 最 終 的 には 降 伏 点 に 達 する 前 の 時 点 で 割 れが 生 じたが この 時 点 は T316よりも 大 幅 に 高 い 例 えば 絶 縁 体 下 の 腐 食 など 周 囲 圧 力 を 受 ける 塩 化 水 環 境 でのSCC 耐 久 性 のため 二 相 鋼 は T304やT316が 耐 えられ ない 塩 化 物 割 れが 発 生 する 環 境 での 使 用 が 考 えられる 表 4は 条 件 の 異 なる 試 験 環 境 での 各 ステンレス 鋼 の 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れ 反 応 を 示 す 左 表 の 環 境 の 過 酷 さは 酸 性 塩 を 含 むため であり 右 表 の 環 境 の 苛 酷 さ 高 温 度 のため である 中 央 の 表 は 上 記 よりも 穏 やかな 環 境 である Mo4% 以 下 の 標 準 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 は これら 全 ての 環 境 で 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れを 起 こすが 二 相 鋼 は 中 程 度 の 穏 やかな 条 件 下 で 一 貫 した 耐 久 性 を 示 している 二 相 鋼 パイプ ( 出 典 :Butting) 水 素 誘 起 による 応 力 腐 食 への 耐 久 性 は フェ ライト 相 の 多 少 だけでなく 強 度 温 度 チ ャージ 条 件 負 荷 応 力 が 関 係 する 複 雑 な 機 能 である 二 相 鋼 は 水 素 割 れしやすい 性 質 も あるが 使 用 条 件 を 細 かく 検 証 し 制 御 すれば その 強 度 により 水 素 含 有 環 境 でも 使 用 でき る 最 も 顕 著 な 用 途 例 は 弱 酸 性 ガスと 塩 水 の 混 合 物 用 の 高 強 度 鋼 管 である 図 10は 塩 化 ナトリウムを 含 有 する 酸 環 境 における2205 の 耐 性 と 脆 弱 性 の 体 系 を 示 す (Ref. 10) 90 80 70 SCCのPct. Y.S. 60 50 40 30 20 10 0 316 S32101 2205 2507 904L 6%Mo 図 9: 120 (248 F)で 塩 化 ナトリウム 溶 液 を 使 った 液 滴 蒸 発 試 験 における 焼 鈍 済 オーステナイト 系 および 二 相 鋼 の 耐 応 力 腐 食 割 れ 性 ( 割 れを 生 じさせる 応 力 の 降 伏 点 を 百 分 率 で 示 す) ( 出 典 : Outokumpu 社 ) 16
表 4: 実 験 室 での 加 速 試 験 による 未 溶 接 二 相 鋼 およびオーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 耐 応 力 腐 食 割 れ 比 較 ( 出 典 : 諸 文 献 ) 鋼 種 Type 304L Type 316L 3RE60 S32101 S32202 2205 25 Cr Duplex Superduplex 42% MgCl 2 沸 騰 154 C U 曲 げ 35% MgCl 2 沸 騰 125 C U 曲 げ 液 滴 蒸 発 0.1M NaCl 120 C 0.9xY.S. ウィック 試 験 1500 ppm Cl NaCl 100 C 33% LiCl 2 沸 騰 120 C U 曲 げ 40% CaCl 2 100 C 0.9xY.S. 25 28% NaCl 沸 騰 106 C U 曲 げ 26% NaCl 加 圧 滅 菌 155 C U 曲 げ 26% NaCl 加 圧 滅 菌 200 C U 曲 げ 600 ppm Cl (NaCl) 加 圧 滅 菌 300 C U 曲 げ 100 ppm Cl ( 海 塩 +0 2 ) 加 圧 滅 菌 230 C U 曲 げ 予 想 される 割 れ 発 生 し 得 る 割 れ 予 想 外 の 割 れ データ 不 足 20% NaCl 300 B 活 性 G G G 温 度 ( C) 200 A C SCCの 発 生 なし SCC L 1 G G 全 面 腐 食 G G 500 温 度 (K) 局 部 腐 食 400 100 L 1 L 1 N L 1 0 アタックなし 不 活 性 10-2 10-1 10 10 1 H 2 S 圧 力 (MPa) 300 図 10: 電 気 化 学 予 測 および 実 験 結 果 に 基 づく 2205 二 相 鋼 の20%ナトリウム 塩 化 水 素 および 硫 化 物 環 境 で の 腐 食 17
6 エンドユーザ 規 格 書 および 品 質 管 理 二 相 鋼 加 工 の 規 格 および 品 質 管 理 の 重 要 な 実 務 的 問 題 に 溶 接 後 の 特 性 保 持 がある 母 材 である 二 相 鋼 の 化 学 成 分 と 製 造 工 程 が 適 切 で 正 しい 溶 接 方 法 後 に 良 好 な 製 品 に 仕 上 がるこ とが 重 要 である 6.1 標 準 試 験 要 件 6.1.1 化 学 成 分 ASTMまたはEN 規 格 は 第 二 世 代 二 相 鋼 を 選 択 する 基 準 として 適 切 である 窒 素 は 熱 影 響 部 (HAZ) の 過 剰 なフェライト 相 の 生 成 回 避 と 高 い 冶 金 安 定 性 という 点 で 有 益 である 二 相 鋼 における 窒 素 の 上 限 は 製 鋼 における 窒 素 の 溶 解 度 であり それは 標 準 規 格 の 窒 素 許 容 範 囲 の 最 大 値 として 示 される しかし 窒 素 の 最 小 値 については 最 適 な 溶 接 結 果 を 得 る ために 必 要 な 水 準 を 示 さない 場 合 がある そ の 例 が2205の 当 初 の 規 格 だった S31803で ある (Ref. 11) S31803に 許 容 される 窒 素 0.08-0.20%Nの 下 限 では 2205の 熱 処 理 や 溶 接 の 結 果 に 一 貫 性 がない 経 験 値 によれば 2205の 溶 接 加 工 に は 最 小 0.14%の 窒 素 が 必 要 である こ の 最 小 値 が 頻 繁 に 特 定 されるので 溶 接 が 必 要 なエンドユーザーの 便 宜 のために 2205の S32205バージョンが 導 入 された スーパー 二 相 鋼 も 高 い 窒 素 許 容 範 囲 を 持 ち ここでも 窒 素 の 重 要 性 が 反 映 されている PREN 数 式 に 基 づく 二 相 鋼 のエンドユーザー 用 規 格 がある PREN 数 値 は 正 確 に 均 衡 をとっ た 成 分 群 中 の 各 鋼 種 の 耐 食 性 を 比 較 するのに 効 果 的 である 一 方 特 定 のPREN 値 を 満 たす ために 調 整 された 成 分 は 必 ずしも 適 切 な 冶 金 均 衡 になるとは 限 らない PRENは 特 定 鋼 種 群 から1 鋼 種 を 選 択 する 助 けにはなるが 1 鋼 種 内 の 差 異 に 関 しては クロムやモリブデン が 窒 素 と 置 換 可 能 なことを 示 す しかし 冶 金 的 には クロムおよびモリブデンは フェラ イト 相 や 金 属 間 化 合 物 を 促 進 するが 窒 素 は オーステナイトを 促 進 し 金 属 間 化 合 物 の 生 成 を 抑 制 する そのため 二 相 鋼 鋼 種 の 成 分 の 選 択 は 各 鋼 種 の 規 格 範 囲 の 窒 素 をできるだけ 上 限 に 抑 制 した 規 格 の 標 準 鋼 種 に 基 づいて 行 なうのが 最 善 である 成 分 がどのように 規 定 されていても 加 工 で 期 待 される 結 果 の 面 で 溶 接 施 工 法 の 確 認 試 験 が 有 意 義 となるように 実 際 の 加 工 材 料 は 確 認 試 験 に 使 われるのと 同 じ 材 料 でな ければならない 6.1.2 溶 体 化 処 理 および 冷 却 化 学 成 分 に 加 えて 素 材 の 焼 鈍 状 態 も 一 貫 した 溶 接 結 果 を 得 るために 重 要 である オーステナ イト 系 ステンレス 鋼 においては 焼 鈍 の 目 的 は 金 属 の 再 結 晶 化 と 炭 素 の 溶 体 化 である 低 炭 素 のL- 鋼 種 では 有 害 となる 程 度 の 炭 化 物 を 再 生 成 するには 長 時 間 かかるため ステン レス 鋼 の 水 冷 または 空 冷 が 比 較 的 緩 やかに 行 なわれる しかし 二 相 鋼 の 場 合 理 想 的 な 窒 素 含 有 量 を 持 つものでも 臨 界 温 度 範 囲 に 数 分 間 露 出 されると 腐 食 と 靭 性 に 悪 影 響 が 生 じる (Ref. 12) 素 材 製 品 が 緩 やかに 冷 却 さ れ る 場 合 素 材 が 700-980 (1300-1800 F)の 温 度 範 囲 を 通 過 するのに 時 間 がか かるために 溶 接 など さらなる 高 温 への 露 出 ができなくなる そのため 溶 接 工 が 熱 影 響 部 (HAZ)の 金 属 間 化 合 物 の 影 響 を 受 けずに 溶 接 を 行 なえる 時 間 は 限 られてしまう ASTMなどの 規 格 では 二 相 鋼 鋼 種 を 水 冷 や 他 の 方 法 による 急 冷 する 方 法 が 認 められて いるが 溶 接 に 最 適 の 冶 金 状 態 は 焼 鈍 温 度 から 最 速 焼 き 入 れを 行 なうことで 得 られる しかし これでは 歪 みと 水 冷 が 起 こす 残 留 応 力 の 増 加 への 対 応 ができなくなる 鋼 板 薄 板 製 品 の 場 合 現 在 のコイル 加 工 では 空 冷 が 非 常 に 効 果 的 であるが 厚 板 では 水 冷 が 溶 接 に 最 適 の 冶 金 状 態 を 作 り 出 す 水 冷 前 に 厚 板 またはフィッティングを700 980 (1300 1800 F)の 範 囲 に 冷 却 すると 金 属 間 化 合 物 が 生 成 される 場 合 がある 最 適 な 作 業 開 始 条 件 を 確 実 にするもう 一 つの 方 法 は 素 材 を 試 験 して 有 害 な 金 属 間 化 合 物 の 不 在 を 確 認 す る こ と で あ る ASTM A 923 3 では 金 属 間 化 合 物 が 有 害 水 準 に 達 して いないことを 明 確 にするために 冶 金 試 験 衝 撃 試 験 腐 食 試 験 の 実 施 を 規 定 している 3 ASTM A 923 二 相 鋼 オーステナイト 系 /フェライト 系 ステンレス 鋼 の 有 害 金 属 間 化 合 物 を 検 知 するた めの 標 準 試 験 方 法 18
この 試 験 では 有 害 な 析 出 発 生 の 有 無 だけを 判 断 する EN 標 準 には 同 様 の 試 験 手 順 は 含 まれていない この 生 産 工 程 の 試 験 により 工 程 中 に 有 害 金 属 間 化 合 物 が 生 成 されないこ と が 確 認 で き る こ の 試 験 は ク ロ ム 炭 化 物 析 出 によるオーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 鋭 敏 化 を 調 査 す る ASTM A 262 4 ま た は EN ISO 3651-2 5 試 験 と 同 様 のものである ASTM A 923は 2205 (S31803 お よ び S32205) 2507 255 S32520だけを 対 象 とするが 将 来 は 他 の 二 相 鋼 鋼 種 が 加 えら れる 可 能 性 がある 加 工 者 の 多 くは 溶 接 方 法 確 認 の 一 環 として これらや 類 似 の 試 験 ま たは 他 の 認 定 基 準 を 採 用 している 6.2 特 別 試 験 要 件 6.2.1 引 張 試 験 および 硬 さ 試 験 二 相 鋼 は オーステナイト 系 ステンレス 鋼 に 比 べて 強 度 が 高 い しかし 強 度 または 硬 度 の 最 大 値 を 規 定 するエンドユーザーの 仕 様 書 も 見 られる こうした 最 大 値 の 規 定 は おそら く 未 制 御 のマルテンサイトによって 強 度 また は 硬 度 が 高 くなるマルテンサイト 系 ステンレス 鋼 の 知 見 の 名 残 りと 思 われる しかし 二 相 鋼 は 冷 却 中 にマルテンサイトを 生 成 しない 二 相 鋼 の 強 度 および 硬 度 の 高 さは 高 窒 素 含 有 二 相 鋼 の 構 造 自 体 成 形 または 矯 正 作 業 で 生 じる 加 工 硬 化 の 結 果 である 硬 さ 試 験 は 加 工 において 過 剰 な 冷 却 作 用 がなかったことを 示 す 方 法 として 有 効 である しかし この 目 的 のために 硬 さ 試 験 を 行 う 場 合 測 定 を 断 面 の 表 面 と 中 心 の 間 の 中 間 点 で 行 い 局 部 的 およ び 表 層 的 に 硬 化 する 表 面 で 行 なわないことが 重 要 である 6.2.2 曲 げ 試 験 曲 げ 試 験 は 素 材 に 圧 延 による 割 れが 生 じてい ないことを 示 すが 重 厚 製 品 小 片 特 定 の 形 状 をもつ 製 品 などで 行 なうのは 難 しい 曲 げ 試 験 は 曲 げた 部 分 が 不 合 格 な 部 分 と 必 ずしも 一 致 するとは 限 らないので 二 相 鋼 の 品 質 指 標 として 確 実 な 方 法 ではない 中 心 の 金 属 間 化 合 物 の 状 態 などは 曲 げの 方 向 性 に より 検 知 されにくい 曲 げ 試 験 は オーステナイト 系 ステンレス 鋼 とりわけ 溶 接 部 構 造 の 収 縮 が 大 きいオーステ ナイト 系 では 溶 接 の 高 温 割 れのリスクがあ るために 溶 接 方 法 確 認 の 一 環 として 一 般 的 に 使 われている ケミカルタンカーの2205 (1.4462) タンク 内 部 ( 出 典 : ThyssenKrupp Nirosta 社 ) 4 ASTM A 262 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 における 粒 界 攻 撃 に 対 する 鋭 敏 性 を 検 知 するための 標 準 作 業 要 領 5 EN ISO 3651-2 ステンレス 鋼 の 粒 間 腐 食 に 対 する 耐 久 性 の 測 定 Part 2: 硫 酸 含 有 溶 剤 によるフェラ イト 系 オーステナイト 系 およびフェライト オーステナイト 系 ( 二 相 鋼 ) ステンレス 鋼 の 腐 食 試 験 19
溶 接 の 完 全 性 に 関 する 問 題 を 検 出 するための 曲 げ 試 験 の 有 用 性 は 二 相 鋼 のフェライト 相 凝 固 高 温 度 の 伝 導 性 低 温 の 熱 膨 張 により 限 定 的 である 曲 げ 試 験 は 試 験 部 位 が 影 響 を 受 けた 部 位 と 正 確 に 一 致 する 場 合 過 剰 な フェライト 相 を 検 出 するが 加 工 製 品 の 耐 食 性 および 靭 性 に 有 害 な 低 水 準 の 金 属 間 化 合 物 の 生 成 は 検 出 できない 6.2.3 金 属 間 化 合 物 検 出 のための 衝 撃 試 験 および 金 相 試 験 材 料 の 特 定 または 処 理 加 工 の 適 性 の 判 断 に 関 して 衝 撃 試 験 は2つの 方 法 で 利 用 できる 過 剰 なフェライト 相 金 属 間 化 合 物 の 存 在 な ど 不 適 切 な 材 料 を 検 知 できる 状 況 で 試 験 を 行 なう 加 工 品 が 意 図 された 用 途 を 満 たすのに 十 分 な 特 性 を 持 つことを 示 す 第 一 の 利 用 方 法 については ASTM A 923が 2205に 対 する 試 験 方 法 を 示 している ASTM A 923 方 法 Bに 記 載 さ れ る 靭 性 の 低 下 は -40 F/C 54J (40 ft-lb) 以 下 の 条 件 での 標 準 的 な 縦 方 向 のシャルピー 試 験 における 圧 延 焼 鈍 製 品 の 不 適 切 な 状 態 を 示 す 熱 処 理 および 焼 入 れが 正 しく 行 なわれたことを 確 認 するた めに ASTM A 923の 方 法 B(または 方 法 Cの 腐 食 試 験 )を 加 工 管 理 方 法 として 素 材 の 各 ヒ ート ロット 毎 に 行 なう 必 要 がある しかし ASTM A 923では 不 合 格 ではなく 確 認 の ためのスクリーニング 審 査 として 組 織 観 察 ( 方 法 A)を 利 用 することを 認 めている 方 法 Aの 実 行 には 金 属 組 織 を 扱 う 高 水 準 の 技 能 が 必 要 なため エンドユーザー には 組 織 観 察 よ りも 方 法 Cの 腐 食 試 験 のほうが 適 切 であろう これを 要 請 する1つの 方 法 は 腐 食 速 度 の 報 告 を 求 めることである ASTM A 923の 方 法 Aの 利 点 の 一 つは 図 7の ASTM A 923の 通 り センターライン 金 属 間 化 合 物 が 確 定 できることである 方 法 Aによる 試 験 では センターライン 金 属 間 化 合 物 は 材 料 を 不 合 格 とするが ASTM A 923 方 法 B の 衝 撃 試 験 では 必 ずしも 当 該 材 料 が 不 合 格 になるとは 限 らない センターライン 金 属 間 化 合 物 が 成 形 温 度 切 断 溶 接 の 過 程 で 厚 板 の 相 間 剥 離 を 起 こす 可 能 性 があるため ユ ーザーは 方 法 BまたはCに 加 えて 方 法 Aの 試 験 を 行 なうことを 要 求 し センターライン 金 属 間 化 合 物 が 存 在 したら いかなる 材 料 も 不 合 格 にする 必 要 がある ASTM A 923は 方 法 Aが 不 合 格 判 定 に 用 いられてはならないと 規 定 しているが エンドユーザはより 厳 しい 条 件 を 要 求 することができる ASTM A 923 図 7 のように 厚 みのある 中 間 部 近 くにセンターラ イン 金 属 間 化 合 物 が 見 られる 材 料 は 不 合 格 とす べきである 意 図 する 用 途 よりも 厳 しい 条 件 で 母 材 溶 着 部 HAZを 評 価 する 衝 撃 試 験 の 第 二 の 利 用 方 法 は 費 用 効 率 が 良 く 確 実 な 対 応 である 溶 接 の 評 価 については 試 験 温 度 と 確 認 基 準 が 溶 接 タイプごとに 特 定 され 使 用 条 件 に 適 切 に 関 連 するものでなければならない その 靭 性 は 溶 体 化 処 理 済 み 二 相 鋼 素 材 ほど 高 く はない 溶 接 部 の 靭 性 低 下 は 必 ずしも 金 属 間 化 合 物 を 生 成 させるものではなく とりわけ フラックス シールド 接 合 方 法 の 場 合 には 酸 素 含 有 量 の 増 加 を 意 味 することの 方 が 多 い ASMEは 9.5 mm (0.375インチ) 以 上 の 板 厚 の 二 相 鋼 に 対 す る 新 し い 要 求 を 発 表 し た (Ref. 13) この 要 求 は 最 低 設 計 金 属 温 度 (MDMT) 以 下 でシャルピー 衝 撃 試 験 を 行 ない 母 材 および 製 品 溶 接 部 が 意 図 する 用 途 に 十 分 な 靭 性 を 持 つことを 横 膨 出 量 により 評 価 する このASMEの 試 験 は 3 個 の 試 料 を 使 用 した シャルピー 試 験 ( 用 途 への 適 性 を 測 定 するさら に 一 般 的 な 靭 性 測 定 法 )の 実 施 と 最 小 値 と 平 均 値 の 報 告 が 必 要 な 点 で ASTM A 923 試 験 とは 異 なる ASMEは 母 材 の 各 ヒートと フィラーの 各 ロットについて 母 材 溶 着 部 HAZの 試 験 を 定 めている 経 済 的 に 確 実 な 試 験 結 果 を 得 るためには 2 つの 試 験 温 度 のうち 低 い 方 (ASTM A 923では -40 /Fまたは ASMEコードではMDMT)だけ で 行 ない 3 個 の 試 料 の 衝 撃 エネルギーおよ び 横 膨 出 量 により 靭 性 を 測 定 することもでき る 6.2.4 金 属 組 織 または 磁 気 測 定 に より 決 定 された 相 比 二 相 鋼 素 材 のオーステナイト-フェライト 相 比 は 化 学 成 分 の 範 囲 を 極 めて 狭 く 規 定 し 詳 細 まで 規 定 された 焼 鈍 作 業 で 形 成 されるので ヒ ート 間 またはロット 間 の 差 異 は 極 めて 小 さい 通 常 2205は40 50%のフェライト 相 を 含 有 する このため 焼 鈍 済 みメーカー 出 荷 材 の 相 比 を 判 定 する 価 値 は 限 られている 20
し か し フ ェ ラ イ ト 相 の 決 定 は 熱 影 響 部 (HAZ)の 過 剰 なフェライト 形 成 を 防 ぐための 溶 接 方 法 の 確 認 には 適 切 である 二 相 鋼 の 相 比 の 正 確 な 測 定 には 通 常 たとえばASTM E 562 ( 手 動 )または E 1245 ( 自 動 )などの 組 織 観 察 およびポイントカウントが 必 要 である 二 相 鋼 は オーステナイト 相 とフェライト 相 の 間 に ご く 僅 か な 隙 間 し か な い 強 磁 性 体 で あ るため 同 一 の 形 状 と 金 属 組 織 を 使 った 相 比 の 参 照 資 料 が な い 限 り 磁 気 検 出 法 の 信 頼 性 は 限 定 的 で あ る AWS A4.2-91お よ び EN ISO 8249 6 は 二 相 鋼 溶 接 部 のフェライ トを 磁 気 機 器 で 計 測 し フェライト 番 号 FNで 測 定 結 果 を 報 告 する 手 順 を 説 明 している 溶 接 部 で 認 められる 相 比 範 囲 は ベースメタルの ものより 大 幅 に 広 い ASTM A 923などの 試 験 で 示 されるように 溶 接 部 およびHAZの 靭 性 および 耐 食 性 が 許 容 できれば 25 75%の 範 囲 のフェライトが 二 相 鋼 の 目 的 とする 特 性 を 提 供 できる FN 30 90の 範 囲 の 磁 気 測 定 は 許 容 できると 思 われる すでにサービス センタ- または 販 売 業 者 の 在 庫 品 となった 材 料 の 相 比 の 測 定 は 工 場 で 生 産 中 の 材 料 を 同 じ 要 件 で 測 定 するより もコストがかかる サンプルを 取 って 別 個 の 試 験 を 行 えば タイムリーな 供 給 に 支 障 をきたす 恐 れがある 金 属 間 化 合 物 は 非 磁 気 性 なので シグマおよ びカイ 相 の 検 知 には 磁 気 試 験 は 使 用 できない 6.2.5 腐 食 試 験 ASTM A 923 方 法 Cに 準 じて 溶 体 化 処 理 を 行 ったメーカー 製 品 の 腐 食 試 験 は 有 害 な 状 況 を 検 出 するための 最 も 費 用 効 率 の 良 い 試 験 方 法 である 金 属 間 化 合 物 の 析 出 および 過 剰 なフェライト 相 比 の 窒 化 クロムは 耐 孔 食 性 の 低 下 という 形 で 検 出 できる これらの 相 は 適 切 に 焼 鈍 された 材 料 には 標 準 的 な 臨 界 孔 食 温 度 (CPT)からの15 以 上 の 低 下 を 引 き 起 こ す サンプルの 臨 界 孔 食 温 度 の 測 定 には 1サン プルにつき ASTM G 48またはASTM G 150 による 多 数 の 試 験 を 行 なう 必 要 があり 比 較 的 コストがかかる しかし 単 一 の 腐 食 試 験 (ASTM A 923 方 法 C) を 標 準 的 CPTより10 から15 低 い 温 度 で 行 えば 二 相 鋼 に 有 害 な 相 があるかどうかを 検 出 できる 有 害 相 の 検 知 に 腐 食 試 験 を 使 う 場 合 不 合 格 の 根 拠 とし て 表 面 またはエッジの 孔 食 も 含 める 必 要 があ る 実 際 の 使 用 上 では エッジが 露 出 される 大 型 橋 への 二 相 鋼 鉄 筋 の 適 用 ( 出 典 :Hardesty & Hanover, LLP) ことは 無 いかもしれないが 試 験 は 金 属 間 化 合 物 を 検 知 するためであり エッジの 孔 食 が 評 価 に 含 まれる 場 合 センターラインにはよ り 多 くの 金 属 間 化 合 物 が 検 知 される 可 能 性 が ある ASTM A 923の 開 発 以 前 腐 食 試 験 は 一 般 的 に 改 定 ASTM G 48 試 験 と 呼 ばれた しか し G48は 材 料 承 認 試 験 というより 実 験 室 での 研 究 方 法 である G48の 試 験 要 件 はどち らのG48を 行 うのか 下 記 の 試 験 に 関 する 変 動 要 因 を 明 らかにしないと 完 全 にはならない 表 面 調 整 試 験 温 度 試 験 時 間 エッジの 腐 食 を 含 むか 含 まないか 承 認 基 準 の 定 義 ASTM A 923は メーカー 製 品 に 有 害 金 属 間 化 合 物 が 存 在 しないことを 費 用 面 で 効 率 良 く また 比 較 的 迅 速 に 確 認 する 承 認 試 験 である ASTM A 923の 方 法 Cは 腐 食 速 度 として 承 認 基 準 を 示 している 6 EN ISO 8249 溶 接 オーステナイト 系 および 二 相 鋼 フェライト-オーステナイト 系 Cr-Ni ステンレス 鋼 溶 接 材 料 のフェライト 番 号 (FN)の 判 定 21
2205 二 相 鋼 を 使 って 作 られたメノルカ 島 カラ ガルダナの 橋 梁 ( 出 典 :PEDELTA) 意 外 かも 知 れないが 孔 食 の 検 出 のために この 方 法 は2つの 理 由 で 使 われてきた 1. 承 認 の 基 準 を 重 量 損 失 とすることによって 何 が 金 属 表 面 の 孔 食 であるかという 非 常 に 主 観 的 になる 恐 れがある 問 題 を 回 避 でき る 不 合 格 になる 重 量 損 失 は 測 定 には 十 分 な 大 きさだが 24 時 間 試 験 で 金 属 間 化 合 物 の 存 在 と 関 係 する 孔 食 などを 検 知 するの に 小 さ 過 ぎるものである 2. 腐 食 速 度 を 利 用 すれば 全 体 の 表 面 面 積 が 確 定 している 場 合 ほとんど 全 てのサイズ や 形 状 のサンプルを 試 験 することができる 6.2.6 製 品 の 溶 接 および 検 査 二 相 鋼 に 発 生 し 得 る 問 題 は 溶 接 士 がすぐに 認 識 できるものでなく また 非 破 壊 検 査 で 検 出 できるものでもない 溶 接 士 は 製 品 の 使 用 中 の 靭 性 および 耐 食 性 で 評 価 される 溶 接 の 全 体 的 品 質 は 規 定 の 溶 接 方 法 を 厳 格 に 順 守 するか 否 かに 左 右 されるという 点 を 認 識 すべき である 規 定 の 溶 接 方 法 からの 逸 脱 は 工 場 では 必 ずしも 検 出 できない 場 合 もあるが こ うした 逸 脱 が 安 全 で 経 済 的 な 製 品 使 用 上 の リスクとなる シャルピー 試 験 が 方 向 やノッチの 位 置 に 敏 感 な のに 対 し 腐 食 試 験 は 信 頼 性 が 高 く サンプ ルの 形 状 や 位 置 に 左 右 されない 腐 食 試 験 は 溶 接 方 法 の 確 認 の 一 環 として また 製 品 の 溶 接 部 のサンプルが 入 手 できる 場 合 には 費 用 効 率 の 良 い 品 質 管 理 試 験 としても 適 切 である しかし 焼 鈍 済 メーカー 製 品 と 溶 接 された 継 手 部 分 の 耐 食 性 の 違 いを 考 慮 する 必 要 がある 適 切 に 溶 接 された 部 分 でも 溶 接 方 法 シー ルドガス 材 料 である 二 相 鋼 の 鋼 種 によって 母 材 よりも5から15 低 いCPTを 示 す 場 合 が ある 22
7 機 械 的 性 質 二 相 鋼 は 特 異 な 機 械 的 性 質 を 有 する 表 5に 標 準 的 二 相 鋼 の 機 械 的 性 質 を 示 す 溶 体 化 された 状 態 の 室 温 における 降 伏 点 は 窒 素 を 含 有 して いない 標 準 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 降 伏 点 の2 倍 以 上 である このため 用 途 によ っては 設 計 技 師 は 板 厚 を 下 げることができ る 図 11では 室 温 から300 (570 F)の 範 囲 で 数 種 類 の 二 相 鋼 とType316Lオーステナ イト 系 ステンレス 鋼 の 標 準 的 降 伏 点 を 比 較 して いる 475 (885 F) でフェライト 相 が 脆 化 するため 二 相 鋼 は 圧 力 容 器 設 計 コードの 許 容 値 よりも 高 い 温 度 に 長 時 間 露 出 される 用 途 に 使 用 してはならない( 表 2 参 照 ) あるが 両 方 の 相 が 存 在 する 状 態 で 圧 延 また は 鍛 造 され その 後 焼 鈍 が 行 なわれる 最 終 製 品 に 二 相 が 現 れることによって 加 工 の 方 向 性 が 明 らかになる 強 度 は 圧 延 方 向 より も 圧 延 に 対 して 直 角 方 向 の 方 が 高 くなる 衝 撃 靭 性 は ノッチが 圧 延 方 向 に 対 して 直 角 の 方 が 圧 延 方 向 よりも 高 くなる 測 定 靭 性 は シャルピー 試 験 試 料 の 縦 方 向 (L-T)の 方 が 他 の 試 験 方 向 よりも 高 くなる 二 相 鋼 厚 板 の 横 方 向 の 衝 撃 エネルギーは 標 準 的 に 縦 方 向 サ ンプルの1/2から2/3である 鍛 造 二 相 鋼 の 機 械 的 性 質 は 非 常 に 異 方 性 が 強 く 試 験 方 法 によって 変 化 する この 異 方 性 は 高 温 または 低 温 圧 延 によって 生 じる 伸 長 粒 子 および 結 晶 構 造 に 由 来 する ( 図 2 参 照 ) 二 相 鋼 の 溶 体 化 処 理 組 織 は 標 準 的 に 等 方 性 で 表 5. 二 相 鋼 厚 板 のASTMおよびEN 機 械 的 性 質 の 最 低 限 界 値 ASTM 鋼 種 UNS No. 降 伏 点 引 張 強 さ 伸 び 率 EN No. 耐 力 引 張 強 さ 伸 び 率 0.2% MPa (ksi) 2" (%) Rp 0.2 R m A 5 MPa (ksi) MPa (ksi) MPa (ksi) % 2304 S32304 400 (58) 600 (87) 25 1.4362 400 (58) 630 (91) 25 2205 S32205 450 (65) 655 (95) 25 1.4462 460 (67) 640 (93) 25 2507 S32750 550 (80) 795 (116) 15 1.4410 530 (77) 730 (106) 20 EN 600 500 降 伏 点 (MPa) 400 300 200 2507 2205 S32760 2304 316L 100 0 0 50 100 150 200 250 300 350 温 度 ( C) 図 11: 室 温 から300 (572 F)における 二 相 鋼 および316Lの 標 準 的 降 伏 点 の 比 較 ( 出 典 : 加 工 者 データシ ート) 23
表 6. ASTM A 240およびEN 10088-2の 要 件 に 準 じた 二 相 鋼 およびオーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 延 性 比 較 ASTM A 240 EN 10088-2 UNS No. 鋼 種 伸 び 率 min. (%) EN No. 伸 び 率 min. (%)* S32003 25 P H C S32101 30 1.4162 30 30 30 S32202 30 1.4062 S32304 2304 25 1.4362 25 20 20 S32205 2205 25 1.4462 25 25 20 S32750 2507 15 1.4410 20 15 15 S30403 304L 40 1.4307 45 45 45 S31603 316L 40 1.4404 45 40 40 P = 熱 間 圧 延 厚 板 H = 熱 間 圧 延 コイル C = 冷 延 コイルおよび 鋼 板 * 横 方 向 二 相 鋼 には 強 度 が 高 いにもかかわらず 優 れ た 延 性 と 靭 性 がある 普 通 鋼 やフェライト 系 ステンレス 鋼 と 比 較 して その 脆 性 - 延 性 移 行 はより 段 階 的 である 二 相 鋼 は -40 /Fなど の 低 い 気 温 でも 優 れた 靭 性 を 保 持 する しか し 二 相 鋼 の 延 性 および 靭 性 は 一 般 的 にオー ステナイト 系 ステンレス 鋼 よりも 低 い オース テナイト 系 ステンレス 鋼 は 一 般 的 に 脆 性 - 延 性 遷 移 を 示 さず 極 低 温 でも 靭 性 を 保 持 する 表 6は 一 般 的 なオーステナイト 系 および 二 相 鋼 の 引 張 試 験 における 延 性 の 最 低 限 界 値 の 比 較 を 示 す 110 100 90 80 最 終 曲 げ 角 ( 度 ) 70 60 50 2304 316L 2205 40 30 20 10 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 曲 げ 角 ( 度 ) 図 12. 二 相 鋼 および316Lの 板 厚 2 mm (0.08インチ) の 鋼 板 のスプリングバック 比 較 ( 出 典 :Outokumpu 社 ) 24
応 力 (N/mm 2 ) 32 1400 30 引 張 り 強 さ 28 1300 1200 0.2% オフセット 降 伏 点 26 24 22 20 1100 18 16 1000 900 HV 14 12 10 800 伸 び 8 6 700 4 2 600 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 伸 び (%) 600 550 500 450 400 350 300 250 HV 冷 間 加 工 率 (%) 図 13. 2205 二 相 鋼 の 機 械 的 性 質 への 冷 間 加 工 の 影 響 ( 出 典 :Baosteel 社 ) 二 相 鋼 の 降 伏 点 は 高 いため 座 屈 およびヤン グ 率 の 限 界 により 板 厚 を 下 げることが 可 能 だが 加 工 中 に 問 題 を 生 じることもある ま た 強 度 が 高 いため 塑 性 変 形 には 大 きな 力 が 必 要 になる 同 レベルの 曲 げ 加 工 で 比 較 する と 二 相 鋼 の 場 合 曲 げ 加 工 後 のスプリングバ ックは オーステナイト 系 ステンレスより 大 き くなる ( 解 説 : 曲 げ 加 工 での 塑 性 変 形 によ り ステンレス 鋼 はある 程 度 その 変 形 を 失 うが その 度 合 いは 二 相 鋼 の 方 がオーステナイ ト 系 ステンレス 鋼 よりも 大 きい これは 二 相 鋼 の 機 械 的 性 質 が オーステナイト 系 よりも 高 いからでもある ) 図 12は 二 相 鋼 および Type316Lオーステナイト 系 ステンレス 鋼 のス プリングバックの 比 較 を 示 す 二 相 鋼 は オー ステナイト 系 ステンレス 鋼 より 延 性 が 小 さく 割 れを 避 けるためには より 大 きな 曲 げ 半 径 が 必 要 となる 二 相 鋼 は 硬 度 および 加 工 硬 化 率 が 高 いため 一 般 的 には 機 械 加 工 における 工 具 寿 命 を 短 縮 したり 標 準 的 オーステナイト 系 鋼 種 よりも 多 くの 機 械 加 工 時 間 を 必 要 とする 二 相 鋼 の 延 性 はオーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 約 半 分 で あるため 焼 鈍 工 程 が 成 形 または 曲 げ 加 工 の 間 に 必 要 に な る 可 能 性 が あ る 図 13は 2205の 機 械 的 性 質 への 冷 間 加 工 の 影 響 を 示 す プルドーベイでの24インチ 絶 縁 2205パイプの 垂 直 支 柱 の 取 り 付 け ( 出 典 : Arco Exploration and Production Technology 社 ) 25
8 物 理 的 性 質 表 7は 一 部 の 二 相 鋼 の 室 温 での 物 質 的 性 質 を 示 し 表 8は 一 部 の 高 温 値 を 示 す データには 比 較 のために 普 通 鋼 およびオーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 数 値 も 含 まれている 鋼 種 の 物 理 的 性 質 は オーステナイト 系 ステン レス 鋼 と 普 通 鋼 の 物 理 的 性 質 の 間 だが オース テナイト 系 ステンレス 鋼 の 方 に 近 い いずれの 場 合 も 二 相 鋼 鋼 種 間 の 物 理 的 性 質 の 差 異 はごく 僅 かであり おそらく 試 験 方 法 の 違 いを 反 映 したものと 思 われる 各 二 相 鋼 表 7: 二 相 鋼 と 普 通 鋼 およびオーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 室 温 での 物 理 的 性 質 の 比 較 ( 出 典 : 加 工 者 データシート) 鋼 種 UNS No. 密 度 比 熱 電 気 抵 抗 率 ヤング 率 g/cm 3 lb./in 3 J/kg K Btu/lb./ F micro Ω m micro Ω in. GPa x10 6 psi 普 通 鋼 G10200 7.64 0.278 447 0.107 0.10 3.9 207 30.0 Type 304 S30400 7.98 0.290 502 0.120 0.73 28.7 193 28.0 Type 316 S31600 7.98 0.290 502 0.120 0.75 29.5 193 28.0 Type 329 S32900 7.70 0.280 460 0.110 0.80 31.5 200 29.0 S31500 7.75 0.280 482 0.115 200 29.0 S32101 7.80 0.281 500 0.119 0.80 31.5 200 29.0 2304 S32304 7.75 0.280 482 0.115 0.80 31.5 200 29.0 S31803 7.80 0.281 500 0.119 0.80 31.5 200 29.0 2205 S32205 7.80 0.281 500 0.119 0.80 31.5 200 29.0 S31260 7.80 0.281 502 0.120 200 29.0 S32750 7.85 0.285 480 0.114 0.80 31.5 205 29.7 255 S32550 7.81 0.282 488 0.116 0.84 33.1 210 30.5 S39274 7.80 0.281 502 0.120 200 29.0 S32760 7.84 0.281 0.85 33.5 190 27.6 S32520 7.85 0.280 450 0.108 0.85 33.5 205 29.7 2507 S32750 7.79 0.280 485 0.115 0.80 31.5 200 29.0 26
表 8: 二 相 鋼 と 普 通 鋼 およびオーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 高 温 での 物 理 的 性 質 の 比 較 ( 出 典 : 加 工 者 データシート) 鋼 種 UNS No. 20 C (68 F) 100 C (212 F) 200 C (392 F) 300 C (572 F) 400 C (754 F) 500 C (932 F) GPa 表 示 の 温 度 差 異 による 張 力 の 弾 性 率 (ksi x 1,000) 普 通 鋼 G10200 207 (30.0) Type 304 S30400 193 (28.0) 192 (27.9) 183 (26.6) 177 (25.7) 168 (24.4) 159 (23.0) Type 329 S32900 200 (29.0) 195 (28.0) 185 (27.0) S31500 200 (29.0) 190 (27.6) 180 (26.1) 170 (24.7) 160 (23.2) 150 (21.8) S32101 200 (29.0) 194 (28.0) 186 (27.0) 180 (26.1) 2304 S32304 200 (29.0) 190 (27.6) 180 (26.1) 170 (24.7) 160 (23.2) 150 (21.8) S31803 200 (29.0) 190 (27.6) 180 (26.1) 170 (24.7) 160 (23.2) 150 (21.8) 2205 S32205 200 (29.0) 190 (27.6) 180 (26.1) 170 (24.7) 160 (23.2) 150 (21.8) 255 S32550 210 (30.5) 200 (29.9) 198 (28.7) 192 (27.8) 182 (26.4) 170 (24.7) S32520 205 (29.7) 185 (26.8) 185 (26.8) 170 (24.7) 2507 S32750 200 (29.0) 190 (27.6) 180 (26.1) 170 (24.7) 160 (23.2) 150 (21.8) 10-6 /K (10-6 / F) 表 示 の 熱 膨 張 係 数 20 C (68 F) から T 普 通 鋼 G10200 NA 12.1 (6.70) 13.0 (7.22) 14 (7.78) Type 304 S30400 NA 16.4 (9.10) 16.9 (9.40) 17.3 (9.60) 17.6 (9.80) 18.0 (10.0) Type 329 S32900 NA 10.9 (6.10) 11.0 (6.30) 11.6 (6.40) 12.1 (6.70) 12.3 (6.80) S31500 NA 13.0 (7.22) 13.5 (7.50) 14.0 (7.78) 14.5 (8.06) 15.0 (8.33) S32101 NA 13.0 (7.22) 13.5 (7.50) 14.0 (7.78) 2304 S32304 NA 13.0 (7.22) 13.5 (7.50) 14.0 (7.78) 14.5 (8.06) 15.0 (8.33) S31803 NA 13.0 (7.22) 13.5 (7.50) 14.0 (7.78) 14.5 (8.06) 15.0 (8.33) 2205 S32205 NA 13.0 (7.22) 13.5 (7.50) 14.0 (7.78) 14.5 (8.06) 15.0 (8.33) 255 S32550 NA 12.1 (6.72) 12.6 (7.00) 13.0 (7.22) 13.3 (7.39) 13.6 (7.56) S32520 NA 12.5 (6.94) 13.0 (7.22) 13.5 (7.50) 2507 S32750 NA 13.0 (7.22) 13.5 (7.50) 14.0 (7.78) 14.5 (8.06) 15.0 (8.33) W/m K 表 示 の 温 度 差 異 による 温 度 伝 導 性 (Btu in/hr ft 2 F) 普 通 鋼 G10200 52 (360) 51 (354) 49 (340) 43 (298) Type 304 S30400 14.5 (100) 16.2 (112) 17.8 (123) 19.6 (135) 20.3 (140) 22.5 (155) Type 329 S32900 S31500 16.0 (110) 17.0 (118) 19.0 (132) 20.0 (138) 21.0 (147) 22.0 (153) S32101 15.0 (105) 16.0 (110) 17.0 (118) 18.0 (124) 2304 S32304 16.0 (110) 17.0 (118) 19.0 (132) 20.0 (138) 21.0 (147) 22.0 (153) S31803 16.0 (110) 17.0 (118) 19.0 (132) 20.0 (138) 21.0 (147) 22.0 (153) 2205 S32205 16.0 (110) 17.0 (118) 19.0 (132) 20.0 (138) 21.0 (147) 22.0 (153) 255 S32550 13.5 (94) 15.1 (105) 17.2 (119) 19.1 (133) 20.9 (145) 22.5 (156) S32520 17.0 (118) 18.0 (124) 19.0 (132) 20.0 (138) 2507 S32750 16.0 (110) 17.0 (118) 19.0 (132) 20.0 (138) 21.0 (147) 22.0 (153) 27
9 切 断 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 および 普 通 鋼 の 標 準 的 加 工 方 法 は 二 相 鋼 の 切 断 にも 使 用 で きる しかし 機 械 的 性 質 および 温 度 反 応 の 差 異 を 考 慮 したパラメーターの 調 整 が 必 要 で ある 9.1 鋸 引 き 二 相 鋼 は 強 度 および 加 工 硬 化 率 が 高 く チ ップブレーカーとして 機 能 する 含 有 物 がほとん ど 無 いため 普 通 鋼 よりも 鋸 引 きが 難 しい ブレードが 冷 却 剤 を 加 工 材 まで 運 べるように 強 力 な 機 械 強 力 なブレード 配 列 歯 の 荒 い ブレード 低 速 から 中 速 の 切 断 速 度 冷 却 剤 ( 出 来 れば 潤 滑 および 冷 却 機 能 を 持 つ 合 成 エ マルジョン)の 大 量 投 入 と 十 分 な 流 量 があれば 最 適 な 結 果 を 得 ることができる 切 断 速 度 と 冷 却 材 はType316オーステナイト 系 ステンレ ス 鋼 と 同 じにする 必 要 がある 二 相 鋼 のスリット ( 出 典 :ThyssenKrupp Nirosta 社 ) 9.2 せん 断 二 相 鋼 は 通 常 は 特 別 な 調 整 な しで Type 304およびType 316のせん 断 に 使 用 するのと 同 じ 機 器 を 使 ってせん 断 できる しかし 二 相 鋼 のせん 断 強 度 が 大 きいため せん 断 性 能 の 高 い 機 器 を 使 用 するか せん 断 板 厚 を 下 げ る 必 要 がある ステンレス 鋼 のせん 断 強 度 は 熱 延 厚 板 およ び 冷 延 鋼 板 の 最 大 引 張 強 さの 約 58%である 実 際 のせん 断 強 度 にもよるが 二 相 鋼 はより 厚 いType 316ステンレス 鋼 と 同 様 の 挙 動 を 見 せる そのため 特 定 のせん 断 機 で 切 断 でき る 2304ま た は 2205 二 相 鋼 の 厚 み の 最 大 値 は Type 304または316の 約 85%である 特 定 のせん 断 機 で 切 断 できるスーパー 二 相 鋼 の 厚 みの 最 大 値 は 一 般 的 なオーステナイト 系 鋼 種 の 約 65%である 9.3 スリット 二 相 鋼 コイルまたはストリップのスリットには 従 来 のコイルスリッターが 使 われる ステンレ ス 鋼 コイルは ペイオフ リールから 円 形 ス リッターナイフを 含 むスリッティング ライ ンのアーバーの 上 部 および 下 部 を 通 じてフィー ドされ 巻 取 りリールがスリット 幅 のコイルを 巻 き 取 る スリッターナイフの 位 置 は 目 的 のスリット 幅 のコイル 製 品 に 合 わせて 調 節 でき る 二 相 鋼 は オーステナイト 系 ステンレス 鋼 より 強 度 が 高 いため スリッターナイフの 摩 耗 や スリット エッジの 安 定 性 を 制 御 するの が 難 しい 二 相 鋼 コイルのスリット エッジを 適 切 な 品 質 に 維 持 するには スチールまたは カーバイド スリッターナイフを 使 用 する 必 要 がある 9.4 打 抜 き 打 抜 きは 難 度 の 高 いせん 断 の 一 形 態 と 見 な される 二 相 鋼 は 高 い 強 度 速 い 加 工 硬 化 強 い 対 断 裂 性 のために 打 抜 きを 行 うのは 比 較 的 難 しく 工 具 の 摩 耗 も 早 い この 作 業 の 知 見 はあまり 蓄 積 されておらず 二 相 鋼 は 厚 み が2 倍 のオーステナイト 系 ステンレス 鋼 と 同 じ ような 挙 動 を 見 せるとする 指 針 は この 作 業 を 行 う 際 の 良 い 入 門 ガイドとなるだろう 窒 素 を 多 く 含 有 する 高 合 金 二 相 鋼 では 打 抜 き は 極 度 に 難 しくなる 9.5 プラズマ 切 断 およびレー ザー 切 断 二 相 鋼 の 切 断 には オーステナイト 系 ステンレ ス 鋼 と 同 じプラズマ 切 断 およびレーザー 切 断 機 がよく 使 用 される 二 相 鋼 の 若 干 高 い 熱 伝 導 性 と 一 般 的 に 低 い 硫 黄 含 有 量 は 最 適 なパラ メ ー タ ー に 若 干 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 が あ る が 特 別 な 調 整 なしでも 満 足 できる 結 果 は 得 られる プラズマ 切 断 加 工 の 熱 影 響 部 (HAZ) の 幅 は 一 般 的 に 切 断 が 厚 板 または 鋼 板 から 急 冷 を 伴 う 一 回 のパスで 素 早 く 行 なわれるた め 約 0.25 mm (0.010 インチ)と 狭 い 溶 接 個 所 の 通 常 の 機 械 加 工 および 溶 接 中 の 隣 接 母 材 の 溶 解 によって プラズマ 切 断 加 工 による HAZは 取 り 除 かれる 28
10 成 形 10.1 熱 間 成 形 二 相 鋼 は 1230 (2250 F)までの 比 較 的 低 成 形 荷 重 に 対 して 優 れた 熱 間 成 形 性 を 示 す し かし 熱 間 成 形 が 低 温 度 で 行 われるとより 強 度 が 弱 く 延 性 の 低 いフェライト 相 に 変 形 が 蓄 積 しその 結 果 変 形 部 位 のフェライト 相 に 割 れが 生 じる さらに 熱 間 成 形 温 度 が 極 端 に 低 くなると 多 くのシグマ 相 に 析 出 物 が 生 成 される 大 半 の メ ーカ ー は 熱 間 成 形 温 度 を 最 大 値 1100 (2000 F) から 1150 (2100 F)の 間 にするように 推 奨 している この 上 限 温 度 の 推 奨 は 部 位 の 寸 法 安 定 性 に 及 ぼす 高 温 の 影 響 および 温 度 上 昇 に 伴 いスケール 発 生 傾 向 が 増 大 するためである 高 温 では 二 相 鋼 は 支 持 材 がなければ 軟 化 し 容 器 ヘッドやパイプな ど 二 相 鋼 を 使 った 部 品 は 炉 内 でゆがんだり たるんだりする こうした 高 温 では 加 工 材 が 特 定 の 熱 間 成 形 には 耐 えられないほど 軟 化 し てしまう 場 合 もある 図 9は 推 奨 される 熱 間 成 形 の 温 度 範 囲 及 びソーキング 温 度 の 最 小 値 を 示 す この 範 囲 の 最 高 温 度 で 熱 間 成 形 を 開 始 することは 必 要 でもないし 常 に 推 奨 される ことでもない しかし 加 工 材 は 熱 間 成 形 の 前 に 少 なくともソーキング 温 度 の 最 小 値 に は 達 する 必 要 がある 炉 は シグマ 相 が 生 成 される 温 度 範 囲 を 通 る 緩 慢 な 加 熱 を 避 けるた め ホット チャージにする 必 要 がある 二 相 鋼 の 熱 間 成 形 を 適 正 に 行 なうには 温 度 の 均 一 性 が 重 要 である 加 工 材 の 形 状 が 小 型 でない 場 合 は 他 の 大 部 分 よりもエッジが 大 幅 に 低 い 温 度 になり この 低 温 部 位 に 割 れが 生 じる 可 能 性 がある この 割 れを 避 けるため には 部 品 が 局 部 的 に 熱 間 加 工 温 度 の 最 小 値 よりも 冷 たくなる 危 険 がある 場 合 再 加 熱 す る 必 要 がある 推 奨 される 熱 間 成 形 温 度 範 囲 の 最 低 値 は 加 工 材 (とりわけエッジまたは 薄 い 部 分 )の 温 度 均 一 性 が 確 保 できる 場 合 に のみ 下 げることができる 厚 物 部 品 に 関 しては 水 冷 が 金 属 間 化 合 物 の 析 出 を 防 ぐのに 十 分 な 速 度 で 行 なわれるかど うかを 検 討 すべきである 厚 板 部 品 の 場 合 板 厚 の 上 限 は2205mm 厚 板 では 約 150 mmから 200 mm (6 8インチ) スーパー 二 相 鋼 では 75 mmから125 mm (3 5インチ) であるが 正 確 な 上 限 は 二 相 鋼 の 成 分 と 焼 入 れ 設 備 の 効 率 によって 違 ってくる 簡 単 な 管 状 部 品 では 直 径 上 限 は 約 375 mm (15インチ)である 完 成 部 品 の 内 径 が 貫 通 している 場 合 最 終 熱 処 理 前 にこの 開 口 部 を 突 き 通 すか 機 械 加 工 すれ ば その 部 品 の 最 終 焼 鈍 後 の 冷 却 は 大 幅 に 改 善 される 10.1.1 溶 体 化 処 理 熱 間 成 形 後 には 機 械 的 性 質 と 耐 食 性 を 十 分 に 回 復 するために 完 全 溶 体 化 処 理 とその 後 に 急 冷 却 を 行 うことを 推 奨 する ( 解 説 : 熱 間 成 形 は 一 般 的 に 残 留 応 力 により 室 温 での 強 化 現 象 を 引 き 起 こす 合 金 元 素 をより 多 く 含 む 二 相 鋼 の 場 合 金 属 間 化 合 物 のさらなる 析 出 現 象 が 起 こる 可 能 性 がある これが 延 性 と 耐 食 性 の 損 失 を 引 き 起 こす 延 性 と 耐 食 性 を 回 復 するためには 補 足 的 な 焼 鈍 処 理 が 推 奨 さ れる ) 加 工 材 の 温 度 は 溶 体 化 処 理 の 最 小 温 度 より 高 くし 金 属 間 析 出 物 を 溶 解 させる に 十 分 な 時 間 と 保 持 が 必 要 である 確 実 なガ イドラインとしては その 温 度 での 保 持 時 間 は 当 該 部 品 が 前 回 の 完 全 焼 鈍 後 で 温 度 範 囲 650 980 (1200 1800 F) 時 間 と 同 じにす べきである こうした 部 品 は 溶 体 化 処 理 温 度 から 水 冷 を 行 なう 必 要 がある 表 9: 二 相 鋼 の 熱 間 成 形 温 度 範 囲 および 最 小 ソーキング 温 度 ( 比 較 のために 標 準 的 なオーステナイト 系 鋼 種 も 含 まれる ) ( 出 典 : 加 工 者 データシート) 鋼 種 UNS No. EN No. 熱 間 成 形 温 度 範 囲 最 小 ソーキング 温 度 C F C F S32101 1.4162 1100から900 2000から1650 950 1750 2304 S32304 1.4362 1150から950 2100から1740 980 1800 2205 S32205 1.4462 1230から950 2250から1740 1040 1900 2507 S32750 1.4410 1230から1025 2250から1875 1050 1920 S32520 1.4507 1230から1000 2250から1830 1080 1975 S32760 1.4501 1230から1000 2250から1830 1100 2010 304 S30400 1.4301 1205から925 2200から1700 1040 1900 316 S31600 1.4401 1205から925 2200から1700 1040 1900 29
当 該 部 品 は 最 終 焼 鈍 後 焼 き 入 れ 場 所 に 移 送 される 間 700 1000 (1300 1830 F)の 温 度 範 囲 に 数 分 間 も 留 めてはならない 表 10は 二 相 鋼 の 溶 体 化 処 理 温 度 の 最 小 値 を 示 す 溶 体 化 処 理 温 度 では 二 相 鋼 は 非 常 に 軟 化 し 適 切 な 支 持 材 がなければ 加 工 部 品 に 反 りや 歪 みが 生 じやすい これは 管 状 部 品 (とりわ け 大 口 径 で 肉 厚 が 薄 い 場 合 )では 深 刻 な 問 題 である 二 相 鋼 製 品 の 再 成 形 や 反 りの 矯 正 は 室 温 での 二 相 鋼 は 高 強 度 のためにオーステナ イト 系 ステンレス 鋼 より 難 しい 焼 鈍 時 間 の 短 縮 焼 鈍 温 度 範 囲 への 緩 やかな 加 熱 推 奨 焼 鈍 温 度 よりも 低 い 温 度 の 使 用 によって 歪 み を 最 小 限 に 留 めようとすると 金 属 間 化 合 物 の 不 溶 解 または さらに 多 くの 金 属 間 化 合 物 の 生 成 を 引 き 起 こす 恐 れがある これは 耐 食 性 および 硬 度 低 下 につながる 冷 間 加 工 成 形 または 矯 正 作 業 を 軽 減 するため に 応 力 除 去 処 理 を 行 うことは 推 奨 できない 二 相 鋼 は 優 れた 耐 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れ 性 を 有 しており 応 力 除 去 処 理 によるその 改 善 効 果 は わずかである 耐 食 性 と 硬 度 を 下 げる 金 属 間 化 合 物 生 成 の 危 険 を 伴 わずに 応 力 除 去 を 行 う のに 適 した 温 度 は 溶 体 化 処 理 温 度 以 下 では 存 在 しない 10.2 温 間 成 形 成 形 作 業 を 促 進 するために 素 材 部 品 を 温 間 加 熱 にすることは 有 効 な 場 合 もある しかし 二 相 鋼 を315 (600 F) 超 えで 加 熱 時 間 を 長 時 間 にすると 475 C (885 F) 脆 化 により 常 温 での 硬 度 耐 食 性 に 不 具 合 が 生 じる 場 合 もあ 表 10: 二 相 鋼 の 溶 体 化 処 理 温 度 の 最 小 値 ( 出 典 : 加 工 者 デ ー タ シ ー ト お よ び ASTM A 480) 鋼 種 UNS No. 最 低 焼 鈍 温 度 C F 2304 S32304 980 1800 S32003 1010 1850 S32001 1040 1900 S32101 1020 1870 S32202 980 1800 S82011 1010 1850 2205 S32205 1040 1900 S32506 1020から1120 1870から2050 S32520 1080から1120 1975から2050 255 S32550 1040 1900 曲 げ 応 力 (kn) 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 2205 2304 316L ステンレス 鋼 種 図 14: 幅 50 mm (2インチ) 厚 さ2 mm (0.08イ ンチ) の2304 2205 316Lの 各 試 験 サンプルに 塑 性 変 形 が 生 じ 始 めるのに 必 要 な 応 力 の 最 小 値 ( 出 典 :Outokumpu 社 ) る( 図 5 参 照 ) 高 温 では 金 属 間 化 合 物 の 析 出 からより 急 速 で 有 害 な 影 響 が 生 じる 危 険 があ る これらの 相 は 成 形 加 工 を 妨 げないので 成 形 のために 二 相 鋼 を 加 熱 することは 可 能 で ある 約 300 (570 F) 以 上 の 温 度 で 成 形 加 工 を 行 う 場 合 ステンレス 鋼 の 機 械 的 性 質 と 耐 食 性 を 回 復 するために 完 全 溶 体 化 処 理 を 行 う 必 要 がある ( 解 説 :300 以 上 の 高 温 では 延 性 が 低 下 し シグマ 相 やカイ 相 などの 金 属 間 化 合 物 の 生 成 により フェライト 相 の 構 造 変 形 が 起 こり 得 る これら 金 属 間 化 合 物 は 二 相 鋼 の 耐 食 性 に 有 害 な 影 響 を 及 ぼす )( 表 10 参 照 ) 10.3 冷 間 成 形 二 相 鋼 は さまざまな 加 工 で 優 れた 成 形 性 を 示 す 二 相 鋼 の 主 な 用 途 は 鋼 管 圧 延 プレス 成 形 加 圧 成 形 または 圧 延 による 容 器 類 の 鏡 板 成 形 などの 比 較 的 単 純 な 成 形 で 対 応 可 能 な ものである こうした 用 途 のほとんどで 最 も 重 要 なのは 二 相 鋼 の 高 強 度 および 成 形 機 の 性 能 である 一 般 的 な 初 期 の 概 算 では 二 相 鋼 の 成 形 性 は 板 厚 が2 倍 の300シリーズのオ ーステナイト 系 鋼 と 類 似 している 図 14は 数 種 類 のステンレス 鋼 に 関 する 曲 げ 加 工 で 塑 性 変 形 が 生 じるのに 必 要 な 応 力 の 最 小 値 の 比 較 である 二 相 鋼 を 使 えば 板 厚 を 下 げることが 可 能 だが その 値 は 降 伏 点 の 上 昇 によって 予 想 よりも 小 さくなる 2507 S32750 1025から1125 1880から2060 S32760 1100 2010 30
機 器 の 性 能 が 十 分 な 場 合 でも 二 相 鋼 の 高 強 度 によってスプリングバックが 大 きくなる 点 に 留 意 する 必 要 がある ( 図 12 参 照 ) オーステナイト 系 ステンレス 鋼 に 比 べて 二 相 鋼 の 延 性 が 低 い 点 も 考 慮 しなければならない 多 くのオーステナイト 系 鋼 では 最 低 40%の 伸 びが 必 要 とされるのに 比 べ 二 相 鋼 はほとん どの 規 格 で 最 低 15から30%の 伸 びが 必 要 とさ れている 実 際 の 伸 びは 多 少 大 きくなるが これらの 最 小 値 による 数 式 は 適 切 で 冷 間 成 形 作 業 の 良 いガイドとなる 二 相 鋼 は 延 性 が 低 いため オーステナイト 系 鋼 よりも 大 きな 曲 げ 半 径 または 厳 しい 成 形 や 複 雑 な 成 形 では 中 間 焼 鈍 が 必 要 となる 10.4 プレス 成 形 二 相 鋼 は 簡 単 にプレス 成 形 ができる しか し 多 くの 場 合 二 相 鋼 は オーステナイト 系 ステンレス 鋼 普 通 鋼 フェライト 系 ステンレ ス 鋼 が 最 適 材 とされてきた 部 位 の 代 替 として 使 用 されている 最 初 の 試 用 は 板 厚 を 変 えずに 行 なわれることが 多 い 二 相 鋼 の 高 強 度 によ り 板 厚 を 下 げることは 可 能 かつ 正 当 だが 再 設 計 の 費 用 がかかるため 軽 量 化 とそれに よるコスト 削 減 が 先 送 りされる 場 合 もある ほとんどの 場 合 板 厚 を 下 げることによって 実 際 には 成 形 が 容 易 になる それにもかかわ らず 二 相 鋼 の 最 初 の 試 用 では 成 形 は 難 し い と 見 られている 普 通 鋼 またはフェライト 系 ステンレス 鋼 の 成 形 を 比 較 してみると 問 題 はほとんど 全 て 強 度 およびスプリングバックに 関 連 していること がわかる 二 相 鋼 は 降 伏 点 が 約 30から50% 高 い フェライト 鋼 には 限 定 的 な 加 工 硬 化 し か 発 生 せず 作 業 負 荷 は 比 較 的 低 い 二 相 鋼 は 強 度 が 高 く スプリングバックが 問 題 になる 一 方 二 相 鋼 の 延 性 は 過 度 の 曲 げによりス プリングバックを 補 うことができる また フ ェライト 鋼 と 比 較 して 二 相 鋼 は 圧 延 方 向 に 対 する 曲 げ 方 向 の 影 響 を 受 けにくい 二 相 鋼 は 二 相 鋼 構 造 の 圧 延 により 機 械 的 性 質 の 異 方 性 を 示 すが 二 相 鋼 の 延 性 の 方 が 高 いため フ ェライト 鋼 よりも 実 際 の 影 響 は 小 さい さらに 多 くの 場 合 二 相 鋼 とオーステナイト 系 ステンレス 鋼 を 比 較 すると 強 度 が 高 く 延 性 が 低 い 二 相 鋼 は 調 節 が 必 要 である 二 相 鋼 の 張 出 成 形 は フェライト 相 によって 制 限 されて おり 二 相 鋼 には 高 い 張 出 を 有 するオーステナ イト 系 ステンレス 鋼 の 大 きな 加 工 硬 化 性 は 見 られない 10.5 スピニング 成 形 二 相 鋼 は 強 度 と 耐 食 性 (とりわけ 耐 塩 化 物 応 力 腐 食 割 れ 性 )のために 遠 心 分 離 機 のよ うな 回 転 部 分 に 使 うのに 適 している スピニン グ 成 形 は 経 済 的 な 方 法 で これらの 部 品 の 加 工 に 多 用 される スピニング 成 形 は 機 器 およびオペレーターの 技 能 に 依 存 する 複 雑 な 作 業 である オーステナ イト 系 ステンレス 鋼 の 成 形 は 通 常 この 方 法 によるが 多 くの 場 合 成 形 過 程 での 延 性 回 復 に 複 数 回 の 中 間 焼 鈍 が 必 要 となる 二 相 鋼 のス ピニング 成 形 の 知 見 は 限 定 的 であるが それ によるとオーステナイト 系 ステンレス 鋼 よりも 板 厚 を 下 げる 調 整 を 行 なわない 場 合 は とり わけ 成 形 負 荷 が 非 常 に 高 くなる 設 備 の 性 能 と 強 度 が 十 分 であれば 二 相 鋼 のスピニング 成 形 は 順 調 に 行 われるが 延 性 が 低 いためオース テナイト 系 鋼 種 より 頻 繁 に 中 間 焼 鈍 を 行 なう 必 要 がある スピニング 成 形 のためには 母 材 の 平 坦 度 と クラウン の 最 小 化 が 重 要 と なる しかし ローラーレベリングなど 負 荷 のかかる 機 械 的 平 坦 化 はスピニング 成 形 の 第 一 段 階 での 延 性 を 減 損 させる 可 能 性 がある 二 相 鋼 の 部 材 の 中 には 650 (1200 F) 以 上 の 温 度 でスピニング 成 形 を 行 ない その 後 完 全 溶 体 化 処 理 を 行 なうものがある フェライト 系 ステンレス 鋼 板 の 成 形 は 深 絞 り 性 を 利 用 している この 作 業 において 鋼 板 は 金 型 に 絞 り 込 まれる 時 に 最 も 板 厚 減 少 が 小 さい 面 で 変 形 する フェライト 系 ステンレス 鋼 では この 成 形 性 は 金 属 組 織 構 造 の 発 生 に よって 大 きく 高 められている 二 相 鋼 鋼 板 のこ の 挙 動 はほとんど 注 目 されないが 二 相 鋼 構 造 で 同 程 度 の 目 標 とする 挙 動 は 期 待 できない 二 相 鋼 の 深 絞 りの 技 術 は フェライト 系 やオー ステナイト 系 ステンレス 鋼 の 関 連 技 術 とは 大 きく 異 なる 31
11 二 相 鋼 の 機 械 加 工 二 相 鋼 の 降 伏 点 は 通 常 窒 素 を 含 有 しないオー ステナイト 系 鋼 種 の 約 2 倍 であり その 当 初 の 加 工 硬 化 率 は 多 くのオーステナイト 系 鋼 種 の 加 工 硬 化 率 と 同 等 か それ 以 上 である 二 相 鋼 が 機 械 加 工 される 際 に 発 生 するチップは 硬 く 工 具 を 摩 耗 させ 特 に 合 金 比 率 のより 高 い 二 相 鋼 ではこの 現 象 が 顕 著 である 二 相 鋼 は 加 工 時 に 硫 黄 含 有 を 低 く 抑 えられている ためチップの 粉 砕 を 促 進 する 要 因 はほとんど ない そのため 二 相 鋼 は 通 常 同 等 の 耐 食 性 を 持 つ300-シリーズ オーステナイト 系 ステン レス 鋼 よりも 機 械 加 工 が 難 しい 二 相 鋼 の 機 械 加 工 には 通 常 より 大 きな 切 断 性 能 が 求 め られ 工 具 の 摩 耗 も 速 くなる また とりわ け 超 硬 工 具 の 使 用 時 にはオーステナイト 系 に 比 べて 機 械 加 工 性 が 難 しくなる 図 15は 数 種 類 の 二 相 鋼 およびType316の 機 械 加 工 性 指 数 の 比 較 を 示 す 注 意 すべき 点 は Type316ス テ ン レス 鋼 に 比 べ て Ni 含 有 量 の 低 い 二 相 鋼 S32101の 機 械 加 工 性 が 高 いことである 11.1 二 相 鋼 の 機 械 加 工 のた めの 一 般 的 手 引 き 以 下 の 機 械 加 工 の 手 引 きは 一 般 的 に 全 ての ステンレス 鋼 に 適 用 できるが 特 に 二 相 鋼 に 重 点 を 置 いたものである 工 具 および 加 工 対 象 物 の 取 り 付 けが 極 めて 強 く 頑 丈 で 強 力 な 剛 性 の 高 い 機 械 を 使 用 すること ( 類 似 の 切 断 を 行 うのに 要 求 され る 切 断 性 能 は 標 準 的 に 二 相 鋼 の 方 がオー ステナイト 系 ステンレス 鋼 よりも 大 幅 に 大 きい) 工 具 の 延 長 コードは 可 能 な 限 り 短 くして 振 動 を 最 小 限 にする 必 要 最 小 限 のノーズ 半 径 の 工 具 を 使 用 する 適 切 な 強 度 を 保 ちながら 鋭 い エッジを 形 成 する 炭 化 物 のエッジ 形 状 を 優 先 する 機 械 加 工 の 順 序 は 常 に 切 断 の 深 さが 前 工 程 で 硬 化 した 層 よりも 下 になるように 設 計 する 1.6 1.4 HSS( 高 速 度 鋼 ) 炭 化 物 1.2 機 械 加 工 性 指 数 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 316 (2.5Mo) S32101 2304 2205 2507 ステンレス 鋼 種 図 15. 超 硬 工 具 および 高 速 度 鋼 超 硬 工 具 と 高 速 度 鋼 工 具 を 使 用 した 場 合 の 二 相 鋼 とType316(2.5Mo)の 機 械 加 工 性 の 比 較 ( 出 典 : Outokumpu 社 ) 32
エッジ 部 分 への 凝 着 や 急 速 な 摩 耗 を 避 ける ために 過 大 なスピードを 避 け 適 度 なスピ ードで 加 工 する 定 期 的 に 工 具 を 交 換 または 再 研 磨 し 鋭 い エッジを 確 保 する 超 高 圧 (EP) 添 加 剤 および 冷 却 剤 / 潤 滑 剤 を 使 った 切 断 オイルまたはエマルジョンを 充 分 に 使 用 する 凸 型 チップブレーカ 付 の 超 硬 インサートを 使 う 11.2 旋 盤 加 工 と 面 削 り 旋 盤 加 工 および 面 削 り 作 業 には 多 くの 変 動 要 因 があるため あらゆる 状 態 に 対 応 できる 方 法 を 推 奨 することは 不 可 能 である 図 16と 表 11は 旋 盤 加 工 と 切 断 の 一 般 的 手 引 きである 超 硬 工 具 は 旋 盤 加 工 に 使 用 でき 高 速 度 鋼 工 具 よりも 高 速 で 作 業 ができる しかし 超 硬 工 具 は 工 具 および 加 工 対 象 物 の 剛 性 にさら なる 注 意 が 必 要 であり 断 続 切 削 は 避 けるべ きである 切 削 速 度 (m/min) 240 220 200 180 160 140 120 100 80 60 40 2205 2507 SAF2304 インサート CNMG 120412 QM GC235 工 具 寿 命 4 分 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 送 り 量 (mm/rev.) 図 16: 工 具 寿 命 4 分 の 超 硬 合 金 インサートを 使 った 二 相 鋼 旋 盤 加 工 パラメーターの 比 較 ( 出 典 :Sandvik 社 ) 表 11: 二 相 鋼 フライス 加 工 の 手 引 き ( 出 典 : Outokumpu 社 ) ステンレス 鋼 (また 超 硬 工 具 高 速 度 鋼 工 具 は 機 械 加 工 データ) 荒 削 り 仕 上 げ 削 り 速 度 (m/min) 速 度 (sfm) 速 度 (m/min) 速 度 (sfm) 速 度 (m/min) 速 度 (sfm) S32101 170 240 560 790 200 280 660 925 20 30 65 100 2304 120 160 400 525 150 210 500 680 18 25 60 85 2205 90 120 300 400 120 160 400 525 15 20 50 65 スーパー 二 相 鋼 50 70 165 230 70 105 230 350 10 15 35 50 送 り 量 (per turn) 0.3 0.6mm 0.012 0.024 in. 0.05 0.3 mm 0.002 0.012 in. 0.05 0.2mm 0.002 0.008 in. 切 削 深 さ 2 5 mm 0.080 0.200 in. 0.5 2 mm 0.020 0.080 in. 0.5 2 mm 0.020 0.080 in. 鋼 種 2101, 2304, 2205: 2101, 2304, 2205: 高 品 質 ISO P20 P35 (C5) ISO P10 P15 (C6 C7) スーパー 二 相 鋼 : ISO P30 P50 スーパー 二 相 鋼 : ISO P25 P35 33
11.3 超 硬 合 金 による 面 削 り 表 12は 超 硬 合 金 を 使 った 二 相 鋼 の 正 面 フラ イス 削 りの 手 引 きである 荒 削 りには コーティング 工 具 または 高 靱 性 な 鋼 種 のインサートを 使 う より 細 やか な 仕 上 げが 必 要 な 場 合 は さらに 堅 固 なイ ンサートを 仕 上 げ 削 りに 使 用 する 0.1 mm (0.004インチ) 以 上 の 平 均 的 切 り 屑 厚 みの 下 向 き 削 りを 使 用 する 入 射 角 が 45 から90 になれば 比 率 を1.0から 0.7に して 送 り 量 を 調 節 する とりわけ 荒 削 り 中 には 工 具 からのチップ 排 出 を 良 くするために 冷 却 剤 は 使 用 しな い 11.4 高 速 度 鋼 ドリルを 使 っ たねじれ 穿 孔 旋 削 作 業 ( 出 典 :Seco Tools 社 ) 表 13および14は 二 相 鋼 へのHSSドリルを 使 ったねじれ 穿 孔 の 手 引 きである ドリル 形 状 : 先 端 角 130o; 自 動 中 央 位 置 調 節 ドリル 点 形 状 が 推 奨 され;ウェッブをシ ンニングした 大 口 径 ドリルが 推 奨 される 冷 却 剤 ; 工 具 点 への10% エマルジョンの 十 分 な 流 入 ; 深 さが 直 径 の2 倍 以 上 の 場 合 は 定 期 的 に 穴 に 冷 却 材 を 大 量 注 入 し 切 り 屑 を 流 出 させる 加 速 : TiNコーティングによって10% 加 速 できる; ドリル 冷 却 剤 によって10-20% 加 速 できる 表 12: 二 相 鋼 の 超 硬 合 金 を 使 った 正 面 フライス 削 りの 手 引 き( 出 典 :Outokumpu 社 ) ステンレス 鋼 (また 荒 削 り 仕 上 げ 削 り は 機 械 加 工 データ) 速 度 (m/min) 速 度 (sfm) 速 度 (m/min) 速 度 (sfm) S32101 180 230 595 760 200 250 660 825 2304 100 130 330 425 130 150 425 525 2205 50 80 165 260 80 110 260 360 2507 30 50 100 165 50 70 165 230 送 り 量 (per tooth) 0.2 0.4 mm 0.008 0.016 in. 0.1 0.2 mm 0.004 0.008 in. 穿 孔 深 さ 2 5 mm 0.080 0.200 in. 1 2 mm 0.040 0.080 in. 超 硬 等 級 2101, 2304, 2205: ISO P20 P40 2101, 2304, 2205: ISO P10 P25 スーパー 二 相 鋼 : ISO P25 P40 スーパー 二 相 鋼 : ISO P20 P30 34
表 13: SI 単 位 による 二 相 鋼 に 対 する 高 速 度 鋼 ねじれ 穿 孔 のパラメーター ( 出 典 : Outokumpu 社 ) ドリル 径 (mm) 速 度 (m/min) 送 り 量 (mm/rev) S32101 2304 2205 スーパー 二 相 鋼 S32101, 2304, 2205 スーパー 二 相 鋼 1 3 12 37 6 10 6 8 5 8 0.05 0.04 5 12 37 10 12 10 12 9 11 0.10 0.08 10 12 37 12 15 10 12 9 11 0.20 0.15 15 12 37 12 15 10 12 9 11 0.25 0.20 20 12 37 12 15 10 12 9 11 0.30 0.25 30 12 37 12 15 10 12 9 11 0.35 0.30 40 12 37 12 15 10 12 9 11 0.41 0.35 表 14: 二 相 鋼 の 高 速 度 鋼 を 使 用 したねじれ 穿 孔 の 英 単 位 によるパラメーター ( 出 典 :Outokumpu 社 ) ドリル 径 (in.) 速 度 (sfm) 送 り 量 (in./rev) S32101 2304 2205 スーパー 二 相 鋼 S32101, 2304, 2205 スーパー 二 相 鋼 0.040 0.120 40 120 20 33 20 25 16 25 0.002 0.0015 0.2 40 120 33 40 33 40 30 36 0.004 0.003 0.4 40 120 40 50 33 40 30 36 0.008 0.006 0.6 40 120 40 50 33 40 30 36 0.01 0.008 0.8 40 120 40 50 33 40 30 36 0.012 0.01 1.2 40 120 40 50 33 40 30 36 0.014 0.012 1.6 40 120 40 50 33 40 30 36 0.016 0.014 35
12 二 相 鋼 の 溶 接 12.1 一 般 的 溶 接 手 引 き 12.1.1 二 相 鋼 とオーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 相 違 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 に 溶 接 の 問 題 が ある 場 合 それは 溶 接 金 属 自 体 (とりわけ フルオーステナイトあるいはオーステナイト 組 織 が 多 い 場 合 の 凝 固 高 温 割 れ)に 関 するもの であることが 多 い 通 常 のオーステナイト 系 ス テンレス 鋼 の 場 合 金 属 フィラー( 溶 加 材 )の 成 分 を 調 節 してフェライト 含 有 率 を 大 幅 に 増 やせば 問 題 は 最 小 に 抑 えられる ニッケル をベースとした 金 属 フィラーの 使 用 が 必 要 で オーステナイト 凝 固 が 避 けられないような 高 合 金 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 の 場 合 低 い 入 熱 を 行 なうことで 問 題 に 対 処 できるが 溶 接 部 を 強 化 するのに 多 くのパスが 必 要 であ る フェライト 相 を 多 く 含 む 二 相 鋼 には 優 れた 耐 高 温 割 れ 性 があるため 二 相 鋼 の 溶 接 では 高 温 割 れが 生 じる 恐 れはほとんどない 二 相 鋼 の 場 合 の 懸 念 すべき 問 題 は 溶 接 金 属 ではなく 熱 影 響 部 (HAZ)に 関 係 するものである つま り 耐 食 性 や 靭 性 の 劣 化 溶 接 後 割 れである これらの 問 題 を 避 けるためには 溶 接 は 個 々のパスの 入 熱 を 制 御 するよりも 赤 熱 領 域 の 合 計 時 間 を 最 小 限 にすることを 重 視 すべ きである 知 見 によれば こうした 注 意 が 経 済 的 にも 技 術 的 にも 最 適 の 方 法 につながる この 概 要 を 念 頭 に 置 き 二 相 鋼 の 溶 接 に 関 す る 一 般 的 な 手 引 きを 策 定 し こうした 関 連 情 報 と 手 引 きを 具 体 的 な 溶 接 方 法 に 適 用 するこ とが 可 能 である 12.1.2 素 材 の 選 択 二 相 鋼 の 溶 接 への 対 応 は 化 学 成 分 または 加 工 によって 大 幅 に 違 ってくる 母 材 に 十 分 な 窒 素 が 含 有 されていることの 重 要 性 は 繰 り 返 し 強 調 さ れ て き た 素 材 が 700か ら 1000 (1300から1800 F) の 領 域 で 緩 やか に 冷 却 される または 水 冷 前 に 数 分 間 この 温 度 領 域 まで 空 冷 される 場 合 こうした 作 業 で 若 干 の 時 間 が 取 られ 有 害 析 出 反 応 が 発 生 する 前 に 溶 接 士 が 溶 接 を 完 了 することができ なくなる 実 際 の 加 工 に 使 われる 材 料 の 冶 金 的 特 性 が 化 学 成 分 と 加 工 工 程 の 点 で 溶 接 方 法 の 確 認 に 使 われた 材 料 と 同 等 の 質 であるこ とが 重 要 である 素 材 の 成 分 による 選 択 お よび 適 切 な 試 験 の 規 格 は エンドユーザー 規 格 および 品 質 管 理 ( 第 6 項 )に 示 されている 12.1.3 溶 接 前 の 洗 浄 溶 接 前 に 加 熱 部 分 全 体 を 洗 浄 すべきなのは 二 相 鋼 だけでなく 全 てのステンレス 鋼 に 該 当 する 素 材 および 金 属 フィラーの 化 学 的 成 分 は 他 に 汚 染 源 がないものとの 想 定 で 決 定 されてい る 埃 グリース 油 塗 料 湿 気 は 全 て 溶 接 作 業 を 妨 げ 溶 接 物 の 耐 食 性 および 機 械 的 性 質 に 悪 影 響 を 与 える 溶 接 前 に 材 料 を 徹 底 的 に 洗 浄 しなければ どんなに 正 しい 方 法 で 溶 接 しても 良 い 結 果 は 得 られない 12.1.4 継 手 設 計 二 相 鋼 の 溶 接 継 手 設 計 は 完 全 な 溶 け 込 みを 容 易 にすることが 必 要 であり 凝 固 溶 接 金 属 の 中 に 素 材 がそのまま 残 るのを 避 けなければな らない 開 先 の 厚 みまたはギャップを 均 一 に するためには 研 磨 よりも 機 械 加 工 が 適 して いる 2205 酸 素 脱 リ グニ ン 化 学 反 応 装 置 (Enterprise Steel Fab 社, Kalowna, Prince George, British Columbia, Canada) ( 出 典 :Outokumpu 社 ) 36
研 磨 を 行 なう 必 要 がある 場 合 は 溶 接 前 処 理 および 取 り 付 けの 均 一 性 に 注 意 する 必 要 があ る 完 全 な 溶 融 および 溶 け 込 みを 維 持 するた めに 研 磨 バリは 全 て 除 去 すべきである オー ステナイト 系 ステンレス 鋼 では 技 能 の 高 い 溶 接 士 はトーチの 操 作 によって 溶 接 準 備 段 階 でのいくつかの 欠 陥 を 修 復 できる 二 相 鋼 の 場 合 は これらの 操 作 によって 有 害 温 度 領 域 にさらされる 時 間 が 予 想 以 上 に 長 引 き 確 認 された 溶 接 方 法 による 作 業 では 見 られない 結 果 を 引 き 起 こすことがある 図 17は 二 相 鋼 に 使 われる 継 手 設 計 の 一 部 を 示 す 完 全 な 溶 け 込 みが 保 証 され 溶 け 落 ちの 危 険 性 が 最 小 限 である 場 合 にはこれら 以 外 の 設 計 も 可 能 である 開 先 形 状 溶 接 方 法 板 厚 t (mm) ギャップ d (mm) ルート k (mm) 開 先 角 度 α ( ) GTAW 3 5 1 3 t GMAW 3 6 1 3 d SMAW 3 4 1 3 α SMAW 4 15 1 3 1 2 55 65 t GTAW GMAW 3 8 5 12 1 3 1 3 1 2 1 2 60 70 60 70 d SAW 9 12 0 5 80 α SMAW >10 1.5 3 1 3 55 65 k t GMAW >10 1.5 3 1 3 60 70 d SAW >10 0 3 5 90 α SMAW > 25 1 3 1 3 10 15 r k t GMAW > 25 1 3 1 3 10 15 d r=6 8 mm SAW > 25 0 3 5 10 15 GTAW >3 0 2 t GMAW >3 0 2 d SMAW >3 0 2 α SMAW 3 15 2 3 1 2 60 70 t GTAW GMAW 2.5 8 3 12 2 3 2 3 1 2 1 2 60 70 60 70 d SAW 4 12 2 3 1 2 70 80 α SMAW 12 60 1 2 2 3 10 15 r t GTAW GMAW >8 >12 1 2 1 2 1 2 2 3 10 15 10 15 d r=6 8 mm SAW >10 1 2 1 3 10 15 図 17: 二 相 鋼 に 使 用 される 溶 接 継 手 設 計 の 例 ( 出 典 :ArcelorMittal 社 ) 37
12.1.5 予 熱 一 般 的 に 予 熱 は 有 害 になる 場 合 もあるので 推 奨 されず 正 当 な 理 由 がある 場 合 を 除 いて 溶 接 作 業 の 一 環 とすべきではない 低 い 室 温 や 夜 間 での 結 露 水 を 素 材 から 除 去 するために 予 熱 は 有 効 である 水 分 除 去 のために 予 熱 を 行 うにあたっては 素 材 を 溶 接 前 洗 浄 した 後 約 100 (200 F) まで 均 一 に 加 熱 する 必 要 が ある 12.1.6 入 熱 およびパス 間 温 度 二 相 鋼 は 比 較 的 高 い 入 熱 に 耐 えられる 溶 接 金 属 の 二 相 凝 固 構 造 は オーステナイト 系 溶 接 金 属 よりも 高 温 割 れに 対 してはるかに 大 き な 耐 性 を 持 つ 熱 伝 導 性 が 高 く また 熱 膨 張 係 数 が 低 い 二 相 鋼 は オーステナイト 系 ステン レス 鋼 ほど 溶 接 部 の 局 所 熱 応 力 が 高 くない 溶 接 上 の 厳 格 な 制 約 は 必 要 だが 高 温 割 れは 頻 繁 に 発 生 する 問 題 ではない 極 端 に 低 い 入 熱 は フェライト 相 が 過 剰 にな り 溶 融 部 およびHAZの 靭 性 や 耐 食 性 の 劣 化 を 引 き 起 こす 極 端 に 高 い 入 熱 は 金 属 間 化 合 物 の 生 成 の 危 険 性 を 高 める HAZの 問 題 を 避 けるためには 溶 接 後 この 部 位 の 急 冷 を 行 な う 必 要 がある 加 工 品 の 温 度 は HAZの 冷 却 に 最 大 の 影 響 を 及 ぼすので 重 要 である 一 般 的 な 手 引 きでは パス 間 温 度 の 最 高 値 は 低 ニッケルおよび 標 準 二 相 鋼 では150 (300 F) スーパー 二 相 鋼 では100 (210 F) に 制 限 され ている 溶 接 方 法 の 確 認 にあたっては この 制 限 を 課 すべきであり 実 際 の 溶 接 ではパス 間 温 度 が 規 定 された 温 度 よりも 高 くならないよ うに 注 意 しなければならない 電 子 温 度 計 お よび 熱 電 温 度 計 が パス 間 温 度 をモニターす るための 機 器 として 適 している 溶 接 施 工 法 確 認 試 験 で 実 際 の 溶 接 工 程 で 合 理 的 または 経 済 的 に 達 成 できるよりも 低 いパス 間 温 度 で 試 作 部 品 のマルチ パス 溶 接 を 行 なうのは 良 策 とは 言 えない 大 規 模 な 溶 接 を 行 なう 場 合 は パス 間 で 十 分 な 冷 却 時 間 が 取 れるように 溶 接 作 業 を 計 画 するのが 正 当 で 経 済 的 な 方 法 である 12.1.7 溶 接 後 熱 処 理 二 相 鋼 では 溶 接 後 のストレス 除 去 を 行 なう 必 要 がなく この 熱 処 理 が 金 属 間 化 合 物 やαプ ライム (475 C/885 F) 脆 化 を 促 し その 結 果 靭 性 や 耐 食 性 の 劣 化 を 引 き 起 こすため 有 害 になる 場 合 もある 溶 接 後 熱 処 理 温 度 が 315 (600 F)を 越 えると 二 相 鋼 の 硬 度 およ び 耐 食 性 に 悪 影 響 を 与 える 可 能 性 がある 溶 接 後 熱 処 理 には 完 全 溶 体 化 処 理 そしてそ の 後 の 水 冷 が 含 まれる ( 表 10) 完 全 溶 体 化 処 理 は 過 剰 合 金 化 された 金 属 フィラーが 溶 接 中 に 使 用 されなければ ミクロ 組 織 は 高 フェ ライト 相 になるため 自 動 溶 接 後 の 工 程 とし て 検 討 されるべきである 例 えば 配 管 継 手 の 加 工 時 など 溶 接 後 に 完 全 溶 体 化 処 理 および 冷 却 を 行 なう 場 合 は 熱 処 理 を 溶 接 作 業 の 一 環 と 見 るべきである 焼 鈍 は 過 剰 なフェライト 相 および 金 属 間 化 合 物 に 関 する 問 題 を 解 消 でき そのような 製 造 工 程 により 最 終 焼 鈍 前 のいくつかの 最 適 では ない 状 態 を 克 服 できる 12.1.8 相 比 の 目 標 値 二 相 鋼 の 相 比 は オーステナイトおよびフェラ イト 相 量 が 等 しい 50-50 と 言 われている しかしながら それは 厳 密 には 正 しくない 現 代 の 二 相 鋼 のフェライト 相 量 は40-50%( 残 オーステナイト 相 )だからである 一 般 的 に 25%のフェライト 相 量 ( 残 オーステナイ ト 相 )があれば 二 相 鋼 の 特 長 が 発 揮 される 一 部 の 溶 接 方 法 とりわけ 溶 剤 シールドに 左 右 される 方 法 ーでは 溶 剤 からの 酸 素 吸 収 に 起 因 する 靭 性 劣 化 を 相 殺 して 靭 性 を 改 善 する ために 相 比 はオーステナイト 相 を 多 く 含 むよ うに 調 整 されている これらの 金 属 フィラー( 溶 加 剤 )の 靭 性 は 焼 鈍 済 み 厚 板 およびパイ プの 値 を 下 回 るが 意 図 する 用 途 には 適 切 な ものである これらいずれの 溶 接 方 法 でも 完 全 焼 鈍 鍛 造 製 品 のような 高 い 靭 性 は 得 られ ない 金 属 フィラーの 成 分 と 溶 接 条 件 を 最 適 化 することで 溶 接 部 のミクロ 組 織 に 素 材 に 通 常 指 定 されているよりも 高 いオーステナイ ト 体 積 分 率 を 与 えることができる これは 溶 接 部 に 最 低 限 の 延 性 を 確 保 する 手 段 のひと つである ( 解 説 : 溶 接 金 属 は 同 量 のフェ ライト/オーステナイト 体 積 分 率 を 持 ち その 延 性 は 素 材 より 低 い 延 性 と 靭 性 の 低 下 を 防 38
ぐ 方 法 には オーステナイト 体 積 分 率 の 増 加 またはフェライト 体 積 分 率 の 低 減 がある オー ステナイト 体 積 分 率 の 増 加 は 素 材 に 認 めら れているオーステナイト 体 積 分 率 の 上 限 よりも 高 くなっても そしてフェライト 体 積 分 率 の 低 減 は 素 材 に 認 められているフェライト 体 積 分 率 の 下 限 よりも 低 くなっても 可 とする ) HAZの 相 比 は 元 の 鍛 造 厚 板 やパイプに 熱 処 理 履 歴 が 加 わ っ た 周 期 を 添 加 し た も の で あ り 一 般 的 に 当 初 の 材 料 よりもフェライト 相 が 多 い HAZにおける 金 属 組 織 の 正 確 な 相 比 の 測 定 は ほとんど 不 可 能 である この 部 位 が 高 フェライト 相 になっている 場 合 は 非 常 に 急 速 な 冷 却 が 過 剰 なフェライト 相 の 形 成 と 靭 性 の 損 失 を 引 き 起 こした 異 常 なケースである ことが 考 えられる 2205 二 相 鋼 溶 接 金 属 の 金 属 組 織 500 倍 ( 出 典 : Lincoln Smitweld bv 社 ) 12.1.9 異 材 継 手 溶 接 部 二 相 鋼 は 他 の 二 相 鋼 オーステナイト 系 ステ ンレス 鋼 普 通 鋼 および 低 合 金 鋼 などと 溶 接 できる 母 材 と 比 べてニッケル 含 有 量 を 増 加 した 二 相 鋼 金 属 フィラーは 二 相 鋼 を 他 の 二 相 鋼 に 溶 接 する 際 に 最 も 頻 繁 に 使 用 される 金 属 フィ ラーの 高 いニッケル 含 有 率 により 冷 却 中 の 溶 接 部 に 発 生 するオーステナイト 相 の 適 切 な 水 準 が 確 保 される オーステナイト 系 鋼 種 に 溶 接 する 場 合 低 炭 素 および モリブデン 含 有 率 が2つの 鋼 種 の 中 間 にあるオーステナイト 系 金 属 フィラーが 使 用 される AWS E309LMo/ER309LMoはこれ らの 継 手 部 分 によく 使 用 される 同 じ 金 属 フ ィラーまたはAWS E309L/ER309Lは 二 相 鋼 を 普 通 鋼 および 低 合 金 鋼 に 溶 接 するのに 使 われる ニッケルベースの 金 属 フィラーを 使 用 する 場 合 は ニオブ (コロンビウム)を 含 まな いようにする オーステナイト 系 ステンレス 鋼 は 二 相 鋼 よりも 強 度 が 低 いため オーステナ イト 系 金 属 フィラーの 溶 接 継 手 部 分 は 二 相 鋼 母 材 ほど 強 度 が 高 くない 表 15は 二 相 鋼 を 異 種 金 属 に 溶 接 するのによ く 使 用 される 金 属 フィラーを 示 す これらは AWS 電 極 カテゴリー 分 類 (E)を 指 すが 溶 接 方 法 継 手 部 分 の 形 状 その 他 の 条 件 次 第 で は 裸 ワイヤー (AWSカテゴリー 分 類 ER) お よびフラックス 入 りワイヤーを 検 討 することも できる 表 15: 異 種 金 属 の 溶 接 に 使 われる 溶 接 消 耗 品 2304, S32101 2205 25Cr 二 相 鋼 S32202, S82011 S32003 スーパー 二 相 鋼 2304 23Cr-7Ni-N E2209 E2209 S32101 E2209 S32202 E309L S82011 2205 E2209 E2209 25Cr-10Ni-4Mo-N S32003 25Cr 二 相 鋼 E2209 25Cr-10Ni-4Mo-N 25Cr-10Ni-4Mo-N スーパー 二 相 鋼 304 E2209 E2209 E2209 E309L E309LMo E309LMo E309LMo 316 E2209 E2209 E2209 E309LMo E309LMo E309LMo 普 通 鋼 E2209 E2209 E2209 低 合 金 スチール E309L E309L E309L E309LMo E309LMo E309LMo 39
12.2 溶 接 施 工 法 の 確 認 試 験 12.3 溶 接 方 法 標 準 オーステナイト 系 ステンレス 鋼 を 使 用 した 通 常 の 溶 接 方 法 確 認 試 験 は ごく 限 られた 数 の 試 験 で 材 料 金 属 フィラー 溶 接 方 法 を 確 認 するだけの 極 めて 簡 単 なものである 硬 さ 試 験 および 曲 げ 試 験 (マルテンサイトおよび 高 温 割 れの 検 査 )については いかなる 不 具 合 が フェライト 系 マルテンサイト 系 オーステ ナイト 系 鋼 種 に 発 生 するかに 関 する 知 見 の 蓄 積 を 反 映 している 二 相 鋼 がこれらの 要 件 を 満 たせない 可 能 性 は 低 いが これらの 試 験 で 二 相 鋼 にとって 問 題 となりうる 金 属 間 化 合 物 または 過 剰 なフェライトを 検 出 できる 可 能 性 も 低 い また HAZの 温 度 領 域 の 合 計 時 間 を 制 限 する 必 要 があるのは 二 相 鋼 が 断 面 厚 み および 実 際 の 溶 接 作 業 の 詳 細 に 左 右 されやす いからである そのため 施 工 法 の 確 認 を 広 い 意 味 で 考 慮 しなければならず つまりそれ は 使 用 される 溶 接 方 法 が 許 容 できない 材 料 特 性 (とりわけ 靭 性 および 耐 食 性 )の 劣 化 を 引 き 起 こさないことを 示 している 設 定 上 の 小 さな 差 異 が 加 工 の 成 果 にとり 重 要 な 場 合 があるため 各 溶 接 の 厚 みおよび 形 状 を 検 査 するほうが 良 い しかしながら 実 際 の 加 工 品 は 複 雑 なため このような 試 験 には 大 きなコストがかかる 二 相 鋼 に 対 して 最 も 要 求 される 方 法 ( 断 面 厚 み 充 填 材 溶 接 方 法 ) を 採 用 することで コスト 削 減 が 達 成 できる 第 二 世 代 二 相 鋼 については 1980 年 初 頭 に 大 規 模 な 市 販 製 品 の 開 発 が 始 まった 相 の 安 定 と 制 御 における 窒 素 の 機 能 が 十 分 に 理 解 されて いなかったため 初 期 の 頃 の 溶 接 では 入 熱 の 制 限 に 重 点 が 置 かれた このような 厳 格 な 入 熱 制 限 のため サブマージアーク 溶 接 など 高 溶 着 率 をもつ 経 済 性 の 高 い 溶 接 方 法 は 二 相 鋼 には 不 適 切 と 考 えられた しかし 二 相 鋼 の 特 性 は 優 れているため より 経 済 性 の 高 い 方 法 を 使 用 することに 努 力 を 向 けられた その 結 果 酸 素 アセチレン( 溶 接 部 の 炭 素 汚 染 の ため)を 除 くほぼ 全 ての 溶 接 法 が 二 相 鋼 に 使 用 できるようになっている 12.3.1 ガス タングステン アー ク 溶 接 (GTAW/TIG) ガスタングステンアーク 溶 接 (GTAW)は タ ングステン 不 活 性 ガス (TIG) 溶 接 とも 呼 ばれ ることもあり 短 時 間 の 手 動 溶 接 には 有 用 で ある GTAWは 単 純 な 形 状 なら 自 動 化 もでき るが 一 般 的 に 大 型 機 器 での 大 量 溶 接 の 主 要 な 方 法 としては 経 済 的 ではない 加 工 材 の 多 くでは 初 期 溶 接 に 他 の 方 法 を 使 った 場 合 で も GTA 溶 接 が 必 要 となるため 一 般 的 に 修 復 または 局 部 的 な 仕 上 げ 削 りのためにGTAW を 行 なうのが 適 切 である 機 器 GTAWは アークの 始 動 を 促 進 する 高 周 波 回 路 と 一 定 の 電 流 の 供 給 が 確 保 されていると き に 最 適 な 性 能 を 発 揮 す る GTA 溶 接 に は 直 流 正 極 性 (DCSP)を 使 用 する 必 要 があ る 直 流 逆 極 性 (DCRP)を 使 用 すると 電 極 消 耗 が 発 生 する 電 極 には2%トリウム 入 りタングステン 電 極 (AWS 規 格 5.12 分 類 番 号 EWTh-2)を 使 用 す る アーク 制 御 は 頂 角 30から60 度 で 先 端 に 小 さな 平 坦 部 を 持 つ 円 錐 先 端 へと 電 極 を 研 磨 することで 可 能 となる 自 動 GTAWで 溶 け 込 み 達 成 に 理 想 的 な 頂 角 は 実 際 の 加 工 で 試 験 を 数 回 行 なうことによって 決 定 すべきである 2507 ステンレス 鋼 の 石 油 増 進 回 収 器 ( 出 典 :Aquatech 社 ) 40
する 電 極 範 囲 では 推 奨 流 量 は 通 常 のガス ディフューザー スクリーン(ガスレンズ)の 場 合 12 18 l/min (0.4 0.6 cfm) 通 常 のガ ス ノズルの 場 合 その1/2が 必 要 である バック ガス (これも 純 アルゴン) の 流 量 は ルート 量 に 左 右 されるが エアが 赤 くなるの が 完 了 し 溶 接 部 の 完 全 保 護 ( 加 熱 着 色 が 発 生 していないことでわかる)を 確 保 するのに 十 分 でなければならない アルゴンは 空 気 よ りも 重 いため その 供 給 は 容 量 の7 倍 以 上 の パージにより 封 入 容 量 の 下 方 から 上 方 へ 行 わ れるべきである 純 アルゴンで 充 分 な 溶 接 が 実 現 できるが さ らなる 改 善 の 可 能 性 もある 3%までのドライ 窒 素 を 加 えれば とりわけ 合 金 の 含 有 量 の 高 い 二 相 鋼 では 溶 接 金 属 における 窒 素 保 留 が 助 長 される 窒 素 添 加 によって 電 極 消 耗 率 が 増 加 することがわかっているが ヘリウムを 添 加 すればこの 影 響 をある 程 度 相 殺 できる 二 相 鋼 の 大 口 径 パイプラインの 機 械 溶 接 ( 出 典 : Arco Exploration and Production Technology 社 ) 金 属 フィラー( 溶 加 材 ) 二 相 鋼 溶 接 に 使 われる 金 属 フィラーの 大 部 分 は 適 合 性 あり とされるが 適 合 すると される 鍛 延 製 品 と 比 較 すると ニッケル 含 有 量 が 過 剰 であることが 多 い 大 抵 の 場 合 鍛 延 製 品 よりもニッケルが 約 2-4% 多 く 含 まれて いる 通 常 金 属 フィラーの 窒 素 含 有 量 は 母 材 よりもわずかに 低 い 一 般 的 に 二 相 鋼 溶 接 充 填 材 ( 溶 加 材 ) は 合 金 含 有 量 が 高 い ほ ど 合 金 含 有 量 の 低 い 二 相 鋼 製 品 の 溶 接 に 適 しているといわれる 適 切 な 充 填 材 は 二 相 鋼 をオーステナイト 系 ステンレス 鋼 または 普 通 鋼 および 合 金 鋼 と 接 合 する 場 合 に 満 足 で きる 結 果 を 生 み 出 すことが 報 告 されている シールド GTAWにおいては 全 てのガスシールド 溶 接 法 と 同 様 溶 解 池 が 大 気 酸 化 および 不 純 物 から 保 護 されていることが 重 要 である 一 般 的 に 純 度 99.95% 以 上 のドライ 溶 接 適 合 の 不 活 性 (イナート)ガス アルゴンで 十 分 な 保 護 が 達 成 できる ガスの 供 給 システムが 清 潔 で 乾 燥 していて 漏 れが 無 いことが 重 要 で かつ 適 切 な 範 囲 をカバーするように 流 れを 調 節 し シールド ガスへの 空 気 の 乱 流 および 吸 引 を 防 ぐことが 必 要 である ガスの 流 れは アー クの 発 火 の 数 秒 前 に 行 ない アーク 消 火 後 数 秒 間 にわたって 維 持 されされるべきだが 理 想 的 には 溶 接 およびHAZがステンレス 鋼 の 酸 化 領 域 以 下 に 冷 却 するまで 保 つことを 目 標 と シールド ガスへの 酸 素 および 二 酸 化 炭 素 の 添 加 は 溶 接 部 の 耐 食 性 を 減 少 させるため 避 けなければならない 水 素 は 二 相 鋼 のフ ェライト 相 に 水 素 脆 性 または 水 素 割 れを 発 生 させる 可 能 性 があるため シールドまたはバッ ク ガスに 使 ってはならない 適 切 なトーチが 装 備 されている 場 合 には ガ スの 乾 燥 特 性 および クリーン 特 性 が 確 保 され ていることを 保 証 するため ガス 取 り 扱 いシス テム および 水 冷 却 システムを 定 期 的 に 検 査 す る 必 要 がある 技 術 およびパラメーター 二 相 鋼 では 適 切 なエッジ 前 処 理 アライン メント ルート ランドまたは 間 隔 を 維 持 す ることが 重 要 である オーステナイト 系 ステン レス 鋼 の 場 合 は こうした 点 の 欠 陥 を 克 服 する ために 幾 つかの 溶 接 技 術 が 使 用 できるが 二 相 鋼 の 場 合 これらの 技 術 が 使 われると 加 工 品 が 適 温 以 下 に 長 時 間 置 かれるリスクが ある 二 相 鋼 は 銅 表 面 汚 染 の 影 響 を 受 けやす いため 銅 製 の 支 持 材 はできる 限 り 避 けるこ とを 推 奨 する 溶 接 部 分 の 外 でのアーク ストライクは 非 常 に 高 い 焼 き 入 れ 率 の 溶 加 材 無 しの 溶 接 部 位 を 局 部 的 に 生 み 出 し その 結 果 その 部 位 で 高 フ ェ ラ イ ト 相 含 有 お よ び 耐 食 性 損 失 が 発 生 す る この 問 題 を 避 けるために アーク ストラ イクは 溶 接 継 手 部 分 で 行 なうべきである 仮 付 け 溶 接 は 完 全 にガス シールドをして 行 なう 必 要 がある ルートパスの 始 点 に 仮 付 け 溶 接 をしてはならない 理 想 的 には 仮 付 け 溶 接 部 に 関 連 するルートパスの 割 れを 避 ける ために ルートパス 溶 接 を 中 断 して 仮 付 け 溶 接 部 を 削 るか ルートパス 前 に 仮 付 けを 部 分 的 に 研 削 する 必 要 がある 41
低 ニッケルの 二 相 鋼 のアスファルト 運 搬 タンカー ( 出 典 :Outokumpu 社 ) ルート ギャップの 幅 は ルート パスの 安 定 した 入 熱 および 希 釈 を 確 保 するために 慎 重 に 維 持 すべきである ルート パスの 始 点 と 終 点 は 充 填 材 パスの 開 始 前 に 研 削 する 必 要 がある 加 工 材 は 後 続 のパスにおけるHAZ の 適 切 な 冷 却 を 行 なうため 溶 接 パスの 間 は 標 準 二 相 鋼 では150 (300 F) 以 下 に スーパ ー 二 相 鋼 では100 (210 F) 以 下 に 冷 却 すべ きである GTAWでは 二 相 鋼 の 接 合 に 最 も 一 般 的 に 使 われる 金 属 フィラーは ニッケルの 合 金 度 がや や 高 い 適 合 充 填 材 である 2205 母 材 溶 接 用 のスーパー 二 相 フィラーなど 合 金 含 有 量 が より 高 い 二 相 鋼 の 適 合 充 填 材 は 今 まで 問 題 なく 使 用 されてきた 直 径 1.6 2.4 3.2mm (1/16 3/32 1/8 インチ) の 各 ワイヤーが 一 般 的 に 使 用 されている 充 填 材 ワイヤーは 汚 れがなく 乾 燥 した 状 態 でなければならず 使 用 時 までは 蓋 つきの 容 器 で 保 管 する 必 要 があ る また 下 向 き 溶 接 の 場 合 に 最 適 な 効 果 が 得 られる シールド ガスへの 空 気 の 吸 引 を 最 小 限 に 留 めるために トーチはできる 限 り 垂 直 に 保 つ 必 要 がある 様 々な 材 料 厚 および 継 手 設 計 を 扱 うための 入 熱 の 選 択 は 自 由 度 が 非 常 に 高 い 入 熱 は 下 記 の 計 算 方 法 で 算 定 し 標 準 的 に0.5-2.5 kj/mm (15から65 kj/インチ) 範 囲 で 行 なう 入 熱 (kj/mm) = (V xa)/(s x1000) V = 電 圧 (ボルト) A = 電 流 (アンペア) S = 移 動 速 度 (mm/ 秒 ) または 入 熱 (kj/インチ) = (V x A x 6)/(S x 100) V = 電 圧 (ボルト) A = 電 流 (アンペア) S = 移 動 速 度 (インチ/ 分 ) 一 般 的 に 推 奨 される 入 熱 2304または 低 ニッケル 二 相 鋼 0.5 2.0 kj/mm (15 50 kj/インチ) 2205 0.5 2.5 kj/mm (15 65 kj/インチ) 2507 0.3 1.5 kj/mm (8 38 kj/インチ) GTAWは 適 切 なシールド および 室 温 での 時 間 管 理 を 行 なえば 靭 性 および 耐 食 性 の 優 れ た 溶 接 を 行 なうことができ 様 々な 条 件 下 で 使 用 できる GTAWは 他 の 溶 接 方 法 を 使 っ て 組 み 立 てた 大 型 の 構 造 物 の 補 修 や 仕 上 げに もよく 使 用 される GTAWを 多 様 な 使 用 可 能 条 件 に 併 せて 規 定 しておくことが 重 要 である 12.3.2 ガス メタル アーク 溶 接 (GMAW/MIG) ガス メタル アーク 溶 接 (GMAW)は 金 属 不 活 性 ガス/ミグ (MIG) 溶 接 と 呼 ばれることも あるが 特 に 比 較 的 大 規 模 な 溶 接 金 属 の 経 済 的 な 使 用 を 必 要 とする 長 時 間 の 溶 接 に 適 し ている 単 純 な 溶 接 形 状 の 場 合 は 自 動 化 でき る GMAWは 溶 接 作 業 が 長 くかかる 場 合 に 多 用 されるが 複 雑 な 仕 上 げ 作 業 には 最 適 な 制 御 が 得 られるGTAWで 補 うことが 多 い 機 器 GMAWには 変 数 勾 配 および 変 数 インダクタ ンス 制 御 付 き または パルス アーク 電 流 能 力 付 きの 安 定 した 電 圧 供 給 機 器 を 含 む 特 殊 設 備 が 必 要 で あ る ま た 直 流 電 流 逆 極 性 (DCRP)と 陽 性 電 極 を 用 い る 必 要 が あ る GMAWで は 3 種 類 の アー ク 移 行 モ ー ド が ある 42
短 絡 移 行 このモードには 異 なる 勾 配 と 二 次 インダクタ ンス 制 御 が 必 要 だが 厚 み 約 3 mm (1/8 イン チ)までの 材 料 に 適 している このモードは GMAWの 入 熱 を 最 低 にし 高 温 の 入 熱 による 歪 みのリスクがある 板 厚 の 薄 い 部 品 では 特 に 適 している これは 位 置 外 溶 接 にも 使 える パルス アーク 移 行 このモードは 動 力 源 の 切 り 替 えでパルスを 供 給 して2 種 類 の 領 域 の 出 力 を 行 なうために 2カ 所 の 動 力 源 が 必 要 となる 金 属 移 行 率 は スプレー 移 行 領 域 では 高 いが グロビュール 移 行 領 域 では 低 くなる この 組 み 合 わせによ り 入 熱 を 制 御 しながら 高 い 金 属 溶 着 率 を 得 ることができる スプレー 移 行 こ の モ ー ド は 安 定 し た アー ク で 溶 着 率 を 急 上 昇 させるが それは 高 い 入 熱 でも 発 生 す る こ れ は 一 般 的 に 下 向 き 溶 接 に 限 定 さ れ る 中 規 模 の 溶 接 部 に 長 く 直 線 的 な 溶 接 を 行 う 場 合 に 経 済 的 である 技 術 およびパラメーター 表 16は 短 絡 アーク 移 行 およびスプレー ア ーク 移 行 の 標 準 的 溶 接 パラメーターを 示 す 二 相 鋼 のGTAWでは GMAWは 適 切 で 安 定 し たエッジ 前 処 理 アラインメント ルート ランドまたは 間 隔 を 必 要 とする 二 相 鋼 は 銅 表 面 汚 染 に 影 響 されやすいため 銅 製 の 支 持 材 はできるだけ 避 けるべきである また 状 況 によっては 銅 製 の 支 持 材 が 過 度 に 急 激 な 焼 入 れを 引 き 起 こすこともある 溶 接 部 分 の 外 でのアーク ストライクは 非 常 に 高 い 焼 き 入 れ 率 の 溶 加 材 無 しの 溶 接 部 位 を 局 部 的 に 生 み 出 し その 結 果 その 部 位 で 高 フ ェライト 相 生 成 および 耐 食 性 損 失 が 発 生 する この 問 題 を 避 けるために アーク ストライク は 溶 接 継 手 部 分 で 行 なうべきである 溶 接 部 分 外 のアーク ストライクは 全 て 細 かい 研 削 によって 除 去 すべきである 金 属 フィラー GMAWでは 自 動 供 給 システムによってトーチ から 連 続 的 に 供 給 されるワイヤーが 消 耗 電 極 となる 二 相 鋼 のGMAW 用 には 溶 接 したま まの 状 態 で 適 切 な 相 バランスおよび 特 性 が 得 られるように 過 剰 なニッケルを 含 有 する 適 合 成 分 の 金 属 フィラーが 使 用 される シールド GMAWのシールド ガスの 選 択 はGTAWより もやや 複 雑 で 加 工 業 者 が 混 合 ガスを 購 入 す るか 現 場 でガス 混 合 を 行 う 設 備 を 持 ってい るかによって 大 きく 変 わってくる GMAW シールド ガスの 種 類 には 純 アルゴンから 約 80%アルゴンに 溶 接 能 力 を 高 め 溶 接 構 造 の 特 性 を 最 適 化 するために ヘリウム 窒 素 酸 素 を 添 加 した 混 合 ガスまである 流 量 は 移 行 モード 移 動 速 度 ワイヤー 直 径 によって 変 わ る が 標 準 的 に は 直 径 が 1か ら 1.6 mm (0.035 to 0.063 イ ン チ )のワ イヤ ー で は 12 16 l/ 分 (0.4 0.6 cfm)の 範 囲 となる 過 剰 なワイヤーの 突 出 は 溶 接 中 のシールドを 維 持 するため 避 けるべきである GTAWの 項 でも 述 べた 通 り ガス 取 り 扱 いシステムの 完 全 性 は 非 常 に 重 要 であり シールドガスへの 空 気 流 入 の 予 防 が 必 要 である 溶 接 には 長 い 作 業 時 間 を 要 することもあるので すきま 風 か らのシールドは 溶 接 の 質 を 維 持 するために 重 要 である 水 素 は 二 相 鋼 のフェライト 相 に 水 素 脆 性 または 水 素 割 れを 発 生 させる 可 能 性 があるため シールド ガスやバック ガス に 使 用 すべきではない 2205 フランジ T- 部 品 ( 出 典 :Arco Exploration and Production Technology 社 ) 表 16: さまざまなサイズのワイヤーを 用 いた 二 相 鋼 溶 接 の 短 絡 アーク 移 行 およびスプ レーアーク 移 行 のための 標 準 ガスメタルアーク 溶 接 (GMAW) パラメーター ( 出 典 : Avesta Welding 社 ) 短 絡 アーク 移 行 溶 接 ワイヤー 直 径 電 流 電 圧 mm inch A V 1.0 0.035 90 120 19 21 1.2 0.045 110 140 20 22 スプレー アーク 移 行 1.0 0.035 170 200 25 28 1.2 0.045 210 280 26 29 1.6 0.063 270 330 27 30 43
される 機 器 を 用 い フラックスを 含 むワイヤ ーが 自 動 的 にトーチから 供 給 される ワイヤ ー 内 の 粉 末 は 溶 接 金 属 合 金 化 元 素 とスラグ を 供 給 する このスラグは 溶 接 を 大 気 から 保 護 し HAZを 保 護 するためにトーチから 供 給 されるシールドガスを 補 う FCWは 高 い 溶 着 率 なので 経 済 的 であり 位 置 外 溶 接 や 様 々な 厚 みの 加 工 品 の 溶 接 に 適 している 機 器 フラックス コア ワイヤー アーク 溶 接 は GMAWと 同 じ 機 器 を 使 用 する アラスカ 北 岸 の 傾 斜 地 の 二 相 鋼 大 口 径 パイプラインの 機 械 溶 接 ( 出 典 :Arco Exploration and Production Technology 社 ) 仮 付 け 溶 接 は 完 全 ガスシールドで 行 なう 必 要 がある ルート パスの 始 点 では 仮 付 け 溶 接 は 利 用 できない 理 想 的 には 仮 付 け 溶 接 部 に 関 連 するルート パスの 割 れを 避 けるた めに ルート パス 溶 接 を 中 断 して 仮 付 け 溶 接 を 研 削 するか ルート パス 前 に 仮 付 けを 部 分 的 に 研 削 す る ル ー ト ギ ャ ップ の 幅 は ルート パスの 安 定 した 入 熱 および 希 釈 を 確 保 するために 慎 重 に 維 持 すべきである ルート パスの 始 点 と 終 点 は 充 填 材 パスの 開 始 前 に 研 削 する 必 要 がある 加 工 品 は 後 続 のパスにおけるHAZの 適 切 な 冷 却 を 行 なう ため 溶 接 パスの 間 は150 (300 F) 以 下 に 冷 却 すべきである 直 径 1.6 2.4 3.2mm (1/16 3/32 1/8 インチ) の 各 ワイヤーが 一 般 的 に 利 用 される 充 填 材 ワイヤーは 汚 れがなく 乾 燥 した 状 態 でなければならず 使 用 時 までは 蓋 つきの 容 器 で 保 管 する 必 要 がある 最 適 な 結 果 は 下 向 き 溶 接 によって 得 られる シールド ガスへの 空 気 の 吸 引 を 最 小 限 に 留 めるために トーチ はできる 限 り 垂 直 に 保 つ 必 要 がある 12.3.3 フラックス コア ワイヤ ー アーク 溶 接 (FCW) フラックス コア ワイヤー アーク 溶 接 は 二 相 鋼 を 対 象 とした 最 新 の 商 業 開 発 の 一 つで あ る こ の 開 発 に よ り 二 相 鋼 の 技 術 が 長 足 かつ 急 速 な 発 展 を 遂 げているのがよく 理 解 できる FCWでは GMAWで 一 般 的 に 使 用 金 属 フィラー フラックス コア ワイヤー アーク 溶 接 法 は 溶 接 金 属 の 酸 素 含 有 増 に 起 因 すると 思 われる が 靭 性 がやや 低 い 溶 接 部 を 作 る 傾 向 がある そのためFCWの 金 属 フィラーは 溶 接 金 属 が ほぼ 均 衡 のとれた 母 材 構 造 よりもオーステナイ ト 相 を 多 く 含 むよう ニッケル 含 有 量 が 高 く なっている FCWの 溶 剤 成 分 およびワイヤー の 加 工 には 独 占 所 有 権 が 関 係 するので サプ ライヤーによってFCW 充 填 材 に 大 きな 相 違 が 出 る 可 能 性 がある FCWによる 製 品 溶 接 では 加 工 にばらつきが 生 じないように 施 工 法 確 認 試 験 で 使 われたのと 同 じ 供 給 者 からの ワ イヤーを 使 用 することが 重 要 である シールド FCWで 最 も 一 般 的 に 使 用 されるシールド ガ スは 下 向 き 溶 接 ではアルゴン80%と 二 酸 化 炭 素 20% 混 合 立 向 溶 接 で は 二 酸 化 炭 素 100%がそれぞれ 使 用 される 流 量 は いずれ のガスまたは 溶 接 方 法 でも20 25 l/ 分 (0.7 0.9 cfm)である とりわけ 二 酸 化 炭 素 100% を 使 う 場 合 は 炭 素 のピックアップを 制 限 する ためにワイヤーの 突 出 制 御 は 重 要 である 技 術 およびパラメーター 直 径 1.2 mm (0.045インチ)のワイヤーでは 下 向 き 溶 接 では 電 圧 22 38ボルトに 対 し 電 流 150 200 amps 立 向 溶 接 では 電 圧 20 24 ボルトに 対 し60 110 ampsがそれぞれ 使 用 さ れる それ 以 外 では FCWの 溶 接 技 術 に 関 す る 注 意 事 項 は GMAWに 関 するものと 全 く 同 じである 12.3.4 シールド メタル アーク 溶 接 ( 被 服 アーク 溶 接 ) (SMAW/ 棒 状 電 極 ) シールドアーク 溶 接 ( 手 棒 溶 接 またシールド 電 極 溶 接 とも 呼 ばれる)は 困 難 な 位 置 での 作 業 または 保 護 が 必 要 な 状 況 などで 複 雑 な 形 状 の 溶 接 を 行 なうのに 便 利 な 方 法 である 構 造 物 全 体 とりわけ 規 模 が 小 さく 複 雑 な 構 造 物 全 体 をSMAWで 溶 接 することは 可 能 だが 大 規 模 な 構 造 物 の 場 合 SMAWはコスト 効 率 の 高 い 他 の 溶 接 方 法 との 組 み 合 わせで 頻 繁 に 使 用 される 44
機 器 SMAWには 安 定 した 電 流 供 給 を 行 なう 機 器 が 必 要 である SMAWは 直 流 逆 極 性 (DCRP) の 陽 電 極 を 使 用 して 行 なわれる 金 属 フィラー SMAWの 電 極 は フラックス コーティング された 消 耗 電 極 からなる コーティングは 溶 接 に 移 行 する 添 加 合 金 要 素 を 含 んでいても いなくても 良 い コーティングは 独 占 所 有 権 が 関 連 する 複 雑 な 混 合 物 で アークに 安 定 性 をあたえ 移 行 中 に 金 属 をシールドし 凝 固 中 または 凝 固 後 溶 接 を 大 気 から 保 護 する コーティングには 独 占 所 有 権 が 関 連 するた め 加 工 会 社 によって 同 種 の 製 品 の 間 に 大 き な 相 違 が 見 られる コーティングは 溶 接 部 の 靭 性 や 外 見 の 改 善 を 強 調 する 場 合 もあり ま た 下 向 き 位 置 外 立 向 など 具 体 的 な 位 置 で 最 適 な 性 能 を 発 揮 するように コーティン グを 特 別 に 設 計 することも 可 能 である SMAW 電 極 のコーティングは 吸 湿 性 があり 水 分 により 性 能 が 劣 化 する 電 極 は 使 用 まで は 加 工 時 に 梱 包 された 容 器 で 保 管 する 必 要 が あ る 梱 包 を 解 い た 後 は 電 極 は 95 (200 F) 以 上 のオーブンの 中 で 保 存 し 溶 接 時 の 気 孔 または 割 れの 原 因 となる 水 分 の 蓄 積 を 防 ぐ 必 要 がある フラックスは 溶 接 部 の 含 有 酸 素 を 高 め その 結 果 硬 度 が 下 がるた め SMAW 電 極 は 通 常 金 属 が 二 相 鋼 構 造 の 有 効 な 効 果 を 保 持 できるオーステナイトの 最 大 値 に 近 い 水 準 にバランスされている 溶 接 の 靭 性 は 母 材 の 靱 性 より 大 幅 に 低 いが 一 般 的 に 普 通 鋼 および 合 金 スチールに 適 切 と 考 えられ る 靱 性 よりも 高 い SMAW 溶 接 の 確 認 の 際 に 時 折 犯 されるミスは 確 認 基 準 の 適 切 な 調 整 を 行 わずにASTM A 923 試 験 を 使 用 すること で あ る SMAW 溶 接 部 で 見 ら れ る 低 い 靱 性 は 金 属 間 化 合 物 の 生 成 を 意 味 するのではな く フラックス シールドに 起 因 する 酸 素 が 原 因 となっている 母 材 に 要 求 される40 / F での 最 小 値 54 J/40 ft-lbをsmaw 溶 接 の 確 認 に 適 用 すると 優 れた 実 用 的 結 果 で 長 年 使 われてきたこの 汎 用 処 置 を 不 適 切 に 失 格 とし てしまう 可 能 性 がある ASTM A 923による と 衝 撃 エネルギーの 最 小 値 は 溶 接 金 属 で は34 J/ 25 ft-lb 熱 影 響 部 では54 J/40 ft-lb である シールド 通 常 SMAWではシールドは 問 題 にはならな い なぜならこの 方 法 は 保 護 フラックスと 電 極 のシールドによって 発 生 するガスに 依 存 し ているからである フラックスによる 保 護 効 果 を 最 大 にするため には 溶 接 士 はできる 限 りアークを 短 く 保 つ 必 要 がある 長 いアーク と 呼 ばれる 過 大 なギャップでは 溶 接 気 孔 が 発 生 し 過 剰 な 酸 化 過 剰 な 入 熱 機 械 的 性 質 の 劣 化 が 生 じ る ルートパスは 小 さいサイズの 電 極 で 行 い 大 きい 電 極 は 充 填 材 パスに 使 用 すべきである ア ークは 常 に 溶 接 部 分 内 で 発 火 させる 必 要 が ある それ 以 外 のアークストライクまたはスパ ッターは 全 て 細 かな 研 削 によって 除 去 すべき である SMAWは 厚 みが2 mm (0.08 インチ) 以 下 の 二 相 鋼 に 使 用 すべきではない 加 工 材 は でき れば 平 面 的 なものがよいが SMAW 電 極 を 選 べばほぼどんな 位 置 でも 溶 接 できる 電 極 は 進 行 方 向 に 電 極 グリップが 傾 くようにし 加 工 品 に 対 して20 の 角 度 (ドラッグ アングル) を 維 持 する 素 材 は ウィービンク を 最 小 限 に 抑 えた 直 線 的 なストリンガー ビードに 置 く べきである 電 流 は スムーズなアークおよび 溶 接 部 と 母 材 の 適 切 な 溶 融 を 実 現 するのに 足 る 程 度 の 高 さに 設 定 する 表 17: さまざまなサイズの 電 極 を 使 った 二 相 鋼 溶 接 のための 標 準 シールドアーク 溶 接 (SMAW) パラメーター( 出 典 :Outokumpu 社 ) 電 極 直 径 溶 接 ワイヤー 直 径 電 流 電 圧 mm inch A V 2.0 0.078 35 60 22 28 2.5 0.094 60 80 22 28 3.25 0.125 80 120 22 28 4.0 0.156 100 160 22 28 技 術 およびパラメーター 表 17が 示 すように SMAWの 溶 接 パラメータ ーは 電 極 直 径 の 機 能 が 大 部 分 である 2205 マニホールド ( 出 典 :Arco Exploration and Production Technology 社 ) 45
12.3.5 サブマージ アーク 溶 接 (SAW) サブマージ アーク 溶 接 を 使 えば パスあたり の 溶 着 を 少 なくしながら 多 数 のパスを 行 なう よりも HAZが 室 温 に 留 まる 合 計 時 間 を 少 な くして 比 較 的 大 きな 溶 接 部 の 溶 着 が 可 能 とな る フェライト 鋼 凝 固 と 溶 接 金 属 の 二 相 への 変 化 により 二 相 鋼 は 高 温 割 れの 危 険 を 最 小 限 のSAWで 溶 接 できる しかし 完 全 な 溶 け 込 み 溶 接 部 を 得 るために オーステナイト 系 ステンレス 鋼 に 応 じて 継 手 設 計 または 溶 接 パラ メーターの 調 節 を 行 なう 必 要 がある 不 適 切 な 開 先 設 計 と 非 常 に 速 い 移 動 速 度 で 行 なった SAW 溶 接 部 は 中 心 線 割 れを 生 じる 可 能 性 が あるが 移 動 速 度 を 遅 くすることで 通 常 は 割 れの 問 題 を 解 決 できる 大 規 模 建 造 物 や 大 規 模 な 直 線 溶 接 に 関 しては SAWはコスト 効 率 が 高 く 技 術 的 にも 優 れた 二 相 鋼 を 溶 接 する 方 法 である SAWは 二 相 鋼 厚 肉 パイプの 加 工 によく 使 用 される 金 属 フィラーおよびシールド SAWには 通 常 の 適 合 二 相 鋼 金 属 フィラ ーが 適 している しかしながら 必 要 な 特 性 を 得 るために 適 切 なフラックスを 選 ぶことが 大 切 である 高 塩 基 性 フラックスが 最 適 の 衝 撃 靭 性 を 二 相 鋼 に 付 与 することが 報 告 されて いる 技 術 およびパラメーター 表 18.は SAW 二 相 鋼 の 標 準 パラメーターで ある 表 18: さまざまなサイズのワイヤーを 使 った 二 相 鋼 のサブマージアーク 溶 接 (SAW) に 関 する 標 準 パラメーター ( 出 典 :Outokumpu 社 ) 溶 接 ワイヤー 直 径 電 流 電 圧 mm inch A V 12.3.6 電 子 ビームおよびレーザ 溶 接 これらの 溶 接 方 法 を 二 相 鋼 に 適 用 した 結 果 は 良 好 だった これらの 作 業 は 熱 影 響 部 を 狭 く することと 急 冷 することにより 金 属 間 化 合 物 の 生 成 を 妨 げる しかし この 技 術 に 伴 う 高 冷 却 速 度 が 溶 接 部 に 過 剰 なフェライト 相 生 成 を 引 き 起 こすこともある 従 って この 溶 接 の 適 用 に は 溶 接 方 法 確 認 試 験 が 必 須 と な る この 方 法 を 使 用 した 溶 接 後 の 溶 体 化 処 理 は フェライト 相 を 減 少 させ 溶 接 のオーステ ナイト 相 /フェライト 相 の 比 率 を 改 善 する 12.3.7 抵 抗 溶 接 単 一 パルス 抵 抗 溶 接 をスポット 溶 接 に 使 う 場 合 HAZには 急 速 な 焼 き 入 れが 行 なわれる 二 相 鋼 の 熱 伝 導 性 が 高 いため 焼 き 入 れ 速 度 は オーステナイト 系 ステンレス 鋼 よりも 二 相 鋼 の 方 が 速 くなる この 場 合 二 相 鋼 構 造 が 完 全 にフェライト 相 に 変 換 される 温 度 領 域 に 達 する 溶 融 ラインに 隣 接 して 薄 い 層 が 発 生 す る 冷 却 が 急 速 に 行 なわれるため 窒 素 含 有 量 の 高 い 二 相 鋼 でも この 部 位 にオーステナイ ト 相 が 再 生 成 されることはない 従 って 靭 性 の 高 い 母 材 と 靭 性 が 限 定 的 なフェライトの 連 続 的 な 層 が 介 在 する 溶 接 部 ができることが ある プログラムで 制 御 可 能 な 溶 接 機 を 使 えば こ の 連 続 的 なフェライト 層 の 生 成 を 避 けるのに 必 要 な 時 間 冷 却 を 遅 らせる 二 重 パルス 溶 接 周 期 を 作 ることができる しかし ここでも 様 々な 厚 み 毎 に 確 認 することが 必 要 となる 抵 抗 シーム 溶 接 機 が 同 様 の 問 題 を 起 こす 可 能 性 は 少 なく また 金 属 間 層 が 生 成 するほど 露 出 時 間 が 長 く な る 可 能 性 も 非 常 に 少 な い が 溶 接 の 際 には 特 に 過 剰 なフェライト 相 が 発 生 する 可 能 性 に 注 意 を 払 うべきである 2.5 0.094 250 450 28 32 3.25 0.125 300 500 29 34 4.0 0.156 400 600 30 35 5.0 0.203 500 700 30 35 注 : 作 業 速 度 は 標 準 で30-60 cm/ 分 46
13 その 他 の 接 合 技 術 溶 接 ( 母 材 が 溶 かされ 継 手 部 分 を 形 成 する) 以 外 の 接 合 技 術 の 利 点 には 最 小 限 の 反 りや 低 い 残 留 応 力 などがある 継 手 部 分 は 漏 れに 強 くかなり 堅 牢 になることもある しかし その 接 合 部 は 溶 接 金 属 の 耐 食 性 および 強 度 が 母 材 と 等 しい または 同 等 である 溶 接 接 合 には 及 ばない これは 強 度 および 耐 食 性 の 点 で300シリーズオーステナイト 系 ステンレス 鋼 より 優 れた 二 相 鋼 を 検 討 する 際 の 重 要 点 で ある 13.1 接 合 準 備 接 合 作 業 では 常 に 部 分 と 部 分 の 接 合 前 に 母 材 を 完 全 に 洗 浄 することが 非 常 に 重 要 である 表 面 から オイル グリース 汚 れ 埃 指 紋 を 完 全 に 除 去 しなければならない 表 面 の 汚 染 の 洗 浄 には 溶 剤 を 使 う オイルやグリース は はんだ 付 けおよびろう 付 けにおいて フラ ックスが 酸 化 被 膜 を 除 去 する 妨 げになる わ ずかな 表 面 の 汚 染 でも 継 手 部 分 表 面 の 有 効 性 を 減 少 する 滑 らかな 表 面 よりも わずか に 荒 い 表 面 の 方 が 良 好 な 継 手 部 分 を 作 ること が 多 い 細 かいヤスリで 肌 を 荒 くすることに よって 良 好 な 接 合 に 必 要 な 表 面 の 親 水 性 が 高 まる 2507 ステンレス 鋼 の 流 下 膜 式 蒸 発 器 ( 出 典 :Gary Carinci TMR ステンレス 社 ) 13.2 接 着 剤 金 属 表 面 を 接 合 するには さまざまな 市 販 の 接 着 剤 が 利 用 で き る 接 着 剤 で 接 合 す る に は 二 相 鋼 も 他 の 金 属 と 同 じ 方 法 で 行 なう 接 着 剤 加 工 会 社 が 特 定 の 継 手 部 分 強 度 使 用 温 度 使 用 環 境 に 応 じた 適 切 な 接 着 剤 の 選 択 をアドバイスしてくれる 13.3 はんだ 付 け はんだ 付 けは 充 填 材 の 溶 解 温 度 によってろ う 付 けと 区 別 される はんだ 付 け 温 度 は 一 般 的 に 450 (840 F) 以 下 である また はん だによる 継 手 部 分 はそれほど 強 力 ではなく そ の 使 用 温 度 は ろ う 付 け 継 手 部 分 よ り も 低 い 標 準 的 なはんだ 付 け 充 填 材 には スズ 鉛 合 金 スズアンチモン 合 金 スズ 銀 合 金 ス ズ 鉛 ビスマス 合 金 がある これらの 低 融 点 充 填 材 は さまざまな 強 度 耐 食 性 色 整 合 の 継 手 部 分 を 作 り 出 す 適 切 なはんだ 継 手 部 分 を 作 るには はんだ 付 けを 行 なう 前 に ステンレス 鋼 の 表 面 酸 化 被 膜 をフラックスで 除 去 しなければならない ステンレス 鋼 (とりわけモリブデン 含 有 二 相 鋼 )の 保 護 酸 化 被 膜 は 安 定 性 が 高 いために 適 切 なフラックス 塗 布 が 難 しくなる 場 合 があ る 標 準 的 な 酸 性 タイプのフラックスには 塩 化 物 が 含 まれる 塩 化 物 含 有 フラックスを 使 用 する 場 合 は はんだ 付 けの 後 すぐに 水 ま たは 中 和 剤 によって 洗 浄 する 必 要 がある フ ラ ッ ク ス を 完 全 に 除 去 し な い と 加 工 品 が 使 用 される 前 にでも 孔 食 を 起 こす 可 能 性 が ある 47
13.4 ろう 付 け ろ う 付 け 材 の 融 点 は 450 (840 F) 以 上 で あ る ろう 付 け 金 属 フィラーには 銀 ろう 付 け 合 金 ニッケルろう 付 け 合 金 銅 ろう 付 け 合 金 が あ る 銀 ろ う 付 け 合 金 の 融 点 は 618 705 (1145 1300 F) 銅 ろう 付 け 合 金 の 融 点 は1100 1150 (2000 2100 F)だが ニ ッケルろう 付 け 合 金 の 融 点 はより 高 く 最 高 1175 (2150 F)である ニッケルろう 付 け 合 金 の 継 手 部 は 銅 ろう 付 け 合 金 や 銀 ろう 付 け 合 金 より 高 い 使 用 温 度 に 耐 えることができ る 二 相 鋼 では 705 980 (1300 1800 F) の 温 度 領 域 は 避 ける 必 要 がある そのため ろ う 付 け は 1040 (1900 F) 以 上 ま た は 705 (1300 F) 以 下 の 温 度 で 行 なうことが 重 要 で あ る ろ う 付 け 継 手 部 分 は 1040 (1900 F)を 超 えた 温 度 でのろう 付 け から 焼 き 入 れを 行 なうことができる 窒 素 含 有 ステンレス 鋼 は ろう 付 けが 難 しい とされていた このことは 窒 素 含 有 量 が 多 い 第 二 世 代 二 相 鋼 に 影 響 を 与 え 得 る 二 相 鋼 のろう 付 けに 関 するデータがほとんどないた め 加 工 業 者 は 実 験 を 行 なって 最 適 なろう 付 けパラメーターを 見 つける 必 要 がある 酸 化 被 膜 は はんだ 付 けと 同 様 良 好 なろう 付 け 継 手 部 分 を 形 成 するために ろう 付 け 操 作 の 前 および 作 業 中 に 除 去 しなければならな い ここでもまたフラックスを 使 用 するが ろう 付 け 後 には このフラックスを 除 去 する 必 要 がある はんだ 付 け 後 の 洗 浄 化 と 同 様 水 ま た は 中 和 剤 を 使 っての 除 去 作 業 を 行 な う 適 切 なろう 付 け 材 料 は 要 求 される 耐 食 性 使 用 温 度 継 手 部 分 の 強 度 に 従 って 選 択 され なければならない ニッケルろう 付 けの 材 料 には 最 高 クロム25% が 含 まれ 多 少 耐 食 性 を 持 つが 二 相 鋼 2205ほどの 耐 食 性 はない 2205ステンレス 鋼 を 使 って 加 工 した 排 煙 脱 硫 ユニット ( 出 典 :ArcelorMittal 社 ) 48
14 加 工 後 の 洗 浄 化 二 相 鋼 の 加 工 後 の 洗 浄 法 は 他 のステンレス 鋼 の 場 合 と 変 わらない 加 工 後 の 洗 浄 化 は パス 間 温 度 制 御 や 溶 接 中 のシールドガス 使 用 と 同 様 に 重 要 である 加 工 後 の 洗 浄 が 適 切 で ないステンレス 加 工 品 は 母 材 よりもずっと 低 い 温 度 や 侵 食 性 の 低 い 環 境 で 劣 化 を 起 こす 最 適 表 面 が 維 持 または 回 復 されるように 加 工 さ れた 材 料 を 用 いなければ 耐 食 性 の 高 い 材 料 に 費 用 をかけても 無 駄 になってしまう 水 が 存 在 する 環 境 では 溶 接 スパッター 溶 接 加 熱 着 色 クレヨン マーキング アークストラ イク アンダーカットは 全 て 隙 間 となりうる また こうした 状 況 は 鋼 の 表 面 とは 異 なる 電 位 を 持 つので ガルバニック 相 互 作 用 が 発 生 す る 可 能 性 がある これらの 保 護 不 動 態 皮 膜 へ の 障 害 は 除 去 すべきである 図 18は 加 工 中 に 生 じ ステンレス 鋼 の 使 用 前 に 除 去 すべき 障 害 を 示 している アンダーカット アークス トライク 荒 い 研 削 バリ 加 熱 着 色 塗 料 埋 込 み 鉄 またはさび 溶 接 スパッター キズ 14.1 クレヨン マーク 塗 装 汚 れ オイル 図 18. 標 準 的 な 加 工 の 欠 損 または 表 面 状 態 ( 出 典 :Nickel Institute Publication 10 026) 表 面 汚 染 のそれぞれは 隙 間 となり ステンレ ス 鋼 の 孔 食 や 隙 間 腐 食 の 原 因 になる 可 能 性 が ある さらに 炭 素 性 汚 染 の 原 因 にもなる 更 なる 溶 接 が 行 なわれれば 炭 化 物 析 出 が 発 生 する 可 能 性 もある これにより 材 料 は 鋭 敏 化 しやすくなり 粒 間 腐 食 が 加 工 品 の 使 用 中 に 発 生 する こうした 汚 染 は 溶 剤 によって 除 去 すべきである 14.2 埋 込 み 鉄 ( 鉄 汚 染 ) 埋 込 み 鉄 または 遊 離 鉄 は ステンレス 鋼 を 普 通 鋼 工 具 器 具 で 加 工 または 輸 送 することに よって 生 じる ステンレス 鋼 に 普 通 鋼 工 具 を 使 用 したり ステンレス 鋼 の 保 管 場 所 の 近 くで 普 通 鋼 が 加 工 されると ステンレス 鋼 の 表 面 に 鉄 が 移 行 することがある その 鉄 は 湿 っ ていたり 多 湿 の 環 境 でさびを 生 じ ステンレ ス 鋼 表 面 に 腐 食 がはじまる 対 策 の 一 つは ステンレス 鋼 と 普 通 鋼 の 接 触 を 一 切 避 けること である ステンレスの 加 工 には ステンレス 工 具 ステンレス ワイヤーブラシ ステンレス クランプ 汚 れのない 新 しい 研 削 砥 石 に 限 る べきである 通 常 工 場 内 では 工 具 は 色 分 け されている 普 通 鋼 工 具 の 使 用 を 全 面 的 に 回 避 し 工 場 環 境 に 鉄 汚 染 が 定 着 するのを 防 ぐことは 非 現 実 的 であり 非 経 済 的 であることが 多 い こう した 場 合 には 鉄 移 行 が 生 じることを 織 り 込 み ステンレス 加 工 品 が 出 荷 使 用 される 前 に 鉄 移 行 部 分 を 確 実 に 除 去 する 対 策 を 取 る ことが 肝 要 である ロール 成 形 二 相 鋼 厚 板 の 加 工 における 埋 込 み 鉄 ( 出 典 :Gary Carinc TMRステン レス 社 ) 49
鉄 を 除 去 する 方 法 には 機 械 的 洗 浄 化 学 的 洗 浄 機 械 的 と 化 学 的 洗 浄 の 組 み 合 わせがあ る 最 適 な 洗 浄 方 法 は 機 器 のサイズと 形 状 意 図 される 用 途 洗 浄 排 出 物 の 処 理 を 含 む 実 際 的 な 問 題 を 考 慮 して 決 定 する 一 般 的 な 洗 浄 方 法 の 一 つは 硝 酸 を 使 った 化 学 処 理 で これはステンレス 鋼 表 面 の 遊 離 鉄 を 溶 かすが ステンレス 鋼 や 保 護 不 動 態 皮 膜 は 侵 さない しかし 目 標 とする 結 果 をもたらす 化 学 洗 浄 法 は 他 にも 数 多 くある ASTM A 380 7 に は 詳 細 にわたる 洗 浄 方 法 の 説 明 が 記 されている ユーザーは ASTM A 380に 記 されている 安 全 問 題 をよく 理 解 しておくべきである ASTM A 967 8 (US 連 邦 規 格 QQP-35cにか わる 規 格 )に は ステンレス 鋼 の 不 動 態 化 処 理 が 有 効 か 否 かを 判 定 するための 適 切 な 試 験 の 選 択 についての 情 報 が 提 供 されている この 規 格 では 購 入 者 が 達 成 すべき 不 動 態 化 処 理 の 水 準 を 決 定 し 表 面 処 理 業 者 が 経 済 性 と 効 果 を 考 慮 して 適 切 な 方 法 を 選 択 するのを 認 めるこ とが 期 待 されている 14.3 溶 接 スパッター 溶 接 部 変 色 フラックス スラグ アーク スト ライク 溶 接 中 に 上 記 の 不 具 合 が 発 生 する 場 合 があ る 不 具 合 は 隙 間 となることがあり 塩 化 物 含 有 環 境 で 隙 間 腐 食 の 原 因 になる 可 能 性 があ るので その 発 生 を 防 ぐか 溶 接 後 に 除 去 すべ きである 溶 接 スパッターは 加 工 中 にスパ ッター 防 止 化 合 物 の 使 用 により 避 けることが できる 溶 接 変 色 は 不 動 態 皮 膜 破 壊 による 耐 食 性 の 損 失 を 引 き 起 こす 重 度 の 接 合 部 変 色 または 加 熱 着 色 は 不 活 性 ガスでのシールドや 不 活 性 ガスによる 溶 接 部 裏 側 のパージによって 避 けることができる しかし 加 熱 着 色 は 完 全 に 避 けることはできず 溶 接 後 の 研 磨 除 去 工 程 で 除 去 しなければならない フラックス スラグ アークストライクも 加 工 品 を 使 用 す る 前 に 除 去 しなければならない 溶 接 スパッ ター 溶 接 加 熱 着 色 フラックス スラグ ア ーク ストライク 溶 接 アンダーカットのすべ てはどれも 細 かい 研 磨 などの 研 磨 除 去 や ス テンレスワイヤーホイールまたはブラシで 除 去 できる 荒 い 研 磨 による 疵 が 使 用 中 に 沈 着 物 の 付 着 および 隙 間 の 形 成 を 促 し 腐 食 の 原 因 となるため 細 かい 研 磨 ホイールを 使 うこと が 重 要 である 二 相 鋼 の 顕 著 な 特 徴 の 一 つは 同 レベルの 耐 食 性 を 持 つオーステナイト 系 ステンレス 鋼 より も 溶 接 加 熱 着 色 が 薄 く 付 着 力 が 高 く 化 学 除 去 に 対 する 抵 抗 が 高 いことである 溶 接 変 色 は 酸 洗 によって 化 学 的 に 除 去 できる 例 えば 2205は 硝 酸 20%とふっ 酸 5%の 溶 液 で 酸 洗 することができる この 溶 液 はクロ ム 酸 化 物 を 溶 かし ステンレス 鋼 に 強 い 腐 食 性 をもつため クロム 欠 乏 層 部 分 が 優 先 溶 解 する 焼 け 取 りペーストは 同 様 の 効 果 を 持 ち 大 型 部 品 により 簡 単 に 使 えるので 酸 溶 液 の 代 わりに 使 用 することができる しかしながら 焼 け 取 りペーストは 洗 浄 の 際 に 有 害 な 溶 液 を 発 生 させるため ユーザーは 責 任 をもって 適 切 な 安 全 性 確 保 取 り 扱 い 作 業 廃 棄 処 置 を 行 なわなければならない 加 熱 着 色 の 除 去 に 必 要 な 酸 の 強 度 は 二 相 鋼 の 耐 食 性 によって 異 なる 溶 接 後 の 最 良 な 耐 食 性 は 機 械 的 洗 浄 の 後 に 化 学 薬 品 による 表 面 不 動 態 化 処 理 を 行 なうこ とで 得 られると 報 告 されている 2205ステンレス 鋼 製 タンクを 搭 載 したケミカルタンカー( 出 典 :ArcelorMittal 社 ) 7 ASTM A 380 ステンレス 鋼 の 部 品 機 器 システムの 洗 浄 表 面 不 動 態 化 処 理 のための 標 準 作 業 8 ASTM A 967 ステンレス 鋼 部 品 のための 化 学 的 不 動 態 化 処 理 処 理 処 理 の 標 準 規 格 50
15 二 相 鋼 の 用 途 排 煙 脱 硫 石 炭 を 燃 料 とする 火 力 発 電 所 は 世 界 中 の 大 気 環 境 の 関 連 で 将 来 が 不 透 明 になっている さらなる 二 酸 化 硫 黄 の 排 出 量 の 削 減 が 必 要 と なり 排 煙 脱 硫 (FGD) は 二 酸 化 硫 黄 の 排 出 削 減 を 達 成 する 方 法 の 一 つである 石 灰 また は 石 灰 岩 のスラリーを 使 用 して 排 煙 からの 二 酸 化 硫 黄 を 湿 間 除 去 することは 1970 年 代 以 降 事 業 用 ボイラーに 適 用 されてきた 成 熟 技 術 である 最 新 の 洗 浄 装 置 は 90% 以 上 の 二 酸 化 硫 黄 を 排 気 ガスから 除 去 する 能 力 がある 最 新 のFGDユニットは さまざまな 温 度 塩 化 物 濃 度 phをもつ 複 数 の 部 分 で 構 成 されて いる 2205ステンレス 鋼 S32205は オー ステナイト 系 ステンレス 鋼 に 比 べて 低 コストで 高 い 耐 食 性 があるため ヨーロッパとアジア でFGD 関 連 の 用 途 に 使 われてきた 近 年 二 相 鋼 の 使 用 は 北 米 でも 承 認 されるようにな り この 鋼 種 は 高 い 強 度 優 れた 耐 食 性 や 溶 接 後 の 高 い 靭 性 により FGD 装 置 部 材 として 最 も 一 般 的 なものとなっている 二 相 鋼 S32101およびS32205を 使 用 して 建 設 された 多 段 階 フラッシュ 海 水 淡 水 化 ユニット ( 出 典 :Outokumpu 社 ) 淡 水 化 処 理 淡 水 化 処 理 は 高 塩 化 物 が 存 在 し 高 温 腐 食 が 進 む 環 境 のため 材 料 には 最 も 厳 しい 用 途 の 一 つである 淡 水 化 の 歴 史 は おもに 材 料 開 発 の 歴 史 である なぜなら 淡 水 化 業 者 は 要 求 する 耐 食 性 と 採 算 が 取 れる 淡 水 化 プロ ジェクトを 実 現 するための 投 資 コストのバラ ンスを 追 求 するからだ 淡 水 化 の 開 発 初 期 に は 多 段 フラッシュ(MSF)と 多 重 効 用 淡 水 化 (MED) 両 方 のプラントの 蒸 発 装 置 は 普 通 鋼 で 作 られていた その 後 MSF 蒸 発 装 置 は 一 般 的 に316L (EN 1.4404) オーステナ イト 系 ステンレス 鋼 で 被 覆 されるようになっ た MEDチャンバーは 最 初 にエポキシで 被 覆 され その 後 ステンレスで 被 覆 されるよう になった この 用 途 に 二 相 鋼 を 使 う 利 点 は 強 度 が 高 い こと ( 従 来 のオーステナイト 系 鋼 種 の 二 倍 ) また 耐 食 性 も 高 いことである その 結 果 二 相 鋼 製 蒸 発 器 は より 薄 番 手 の 厚 板 で 製 作 で き 材 料 の 削 減 や 溶 接 作 業 の 簡 素 化 が 可 能 に なる 他 の 利 点 としては 取 り 扱 いやすさ 総 合 的 な 環 境 への 負 荷 が 少 なくなる 点 などが ある 二 相 鋼 の 飛 躍 的 進 歩 は 2003 年 に 訪 れた そ の 年 2205 二 相 鋼 (EN 1.4462)が リビ アのメリッタMSFプラントとズアラMEDプラ ントに 設 置 される 蒸 発 装 置 に 採 用 された 日 産 400 万 ガロン (MIGD) の 能 力 を 持 つプラン トも2004 年 に 稼 動 を 始 めた 二 相 鋼 を 使 っ た 淡 水 化 の 第 二 段 階 の 進 歩 は 2004 年 に 二 種 類 の 異 なる 二 相 鋼 が 蒸 発 装 置 の 構 造 材 に 採 用 された 時 に 始 まった 耐 食 性 の 高 い2205が 最 も 厳 しい 条 件 に 曝 される 部 品 に 2304 (EN 1.4362)が 最 も 厳 しくはな い 条 件 の 部 品 に 使 用 された 最 近 3 基 のMSFプラントが この 設 計 に 基 づき 2205とUNS S32101 (EN 1.4162)を 組 み 合 わせて 建 設 された タヴィーラ B (アブ ダビ 69.2 MIGD ) ジェベル アリL2 (ドバ イ 55 MIGD) ラス アブ フォンタス B2 (カタール 30 MIGD)である 2304と2205 を 組 み 合 わせて 使 用 する 設 計 は 2003 年 から MEDプラントに そしてより 最 近 では 世 界 最 大 規 模 のMEDプラントであるバーレーンの アル ヒッドに 採 用 された 51
石 油 天 然 ガス 石 油 天 然 ガスの 分 野 では 二 相 鋼 は 厳 し い 条 件 に 耐 える 面 で 重 要 な 役 割 を 果 たしてき た これは 耐 食 性 や 機 械 的 強 度 だけでなく 耐 孔 食 指 数 (PREN) が40を 超 え 一 般 的 なオー ステナイト 系 ステンレス 鋼 よりも 孔 食 隙 間 腐 食 耐 性 が 優 れていることに 起 因 する 二 相 鋼 は フローライン( 自 噴 線 ) プロセ スラインおよび 分 離 器 スクラバー ポンプな どの 機 器 に 主 に 使 用 される 海 中 では 坑 井 内 配 管 パイプ マニホールド 海 中 クリスマ スツリー プロセスライン 腐 食 性 がある 石 油 天 然 ガス 輸 送 用 パイプラインに 使 用 されてい る スーパー 二 相 鋼 (25% クロム)は 設 計 応 力 に 対 して 許 容 応 力 が 高 くとれるため 棒 鍛 造 物 鋳 物 薄 板 厚 板 鋼 管 ファスナー な ど に 使 用 さ れ る ま た スーパー 二 相 鋼 に は 優 れた 耐 疲 労 性 や 他 の 高 合 金 ステンレス 鋼 とのガルバニック 適 合 性 がある 供 給 パイプラインは 油 圧 配 管 による 油 井 頭 部 機 能 の 制 御 に 使 われ また 薬 品 注 入 にも 利 用 される 鉄 製 供 給 パイプラインが 市 場 に 導 入 されて 以 来 二 相 鋼 が 最 も 多 く 使 われてき た 近 年 では 深 海 探 査 が 活 発 化 し より 長 尺 の 供 給 パイプラインが 求 められている 供 給 パイプラインの 材 料 の 強 度 を 高 め 軽 量 化 す ることで 長 さを 延 長 することができる ま た 供 給 パイプラインを 温 水 で 使 用 し 供 給 パイプラインにライザーを 導 入 する 設 計 も 研 究 されている そのため 耐 食 性 と 機 械 的 強 度 に 対 する 需 要 が 高 まっている スーパー 二 相 鋼 より 高 い 耐 食 性 と 強 度 を 持 つ 新 しいハイパー 二 相 鋼 が 供 給 パイプライン 用 に 開 発 されてい る バイオ 燃 料 陸 上 では バイオ 燃 料 (とりわけエタノール) の 分 野 で 二 相 鋼 への 需 要 が 高 まっている 2205 ステンレス 鋼 は シンガポールのNExBTLプラ ントのバイオマス 液 体 燃 料 加 工 プロセスに 採 用 されている また S32101は オランダ のタンク 加 工 会 社 であるOostwouder Tank & Silobouw BV 社 に 選 択 され アムステルダ ム 港 におけるNoba Vetveredeling BV 社 の 大 規 模 バイオ 燃 料 プロジェクトで 使 用 されてい る S32101は スウェーデンのハンデロ 島 にあるAgroetanol 社 のエタノールプラントの 拡 張 にともない 耐 圧 容 器 や 耐 圧 パイプ 用 に 採 用 された 低 ニッケルの 二 相 鋼 は 多 くのエ タノール 供 給 施 設 で300 系 のオーステナイト 系 ステンレス 鋼 に 代 わって 使 用 されている 飲 食 物 飲 食 物 産 業 でも 低 ニッケル 二 相 鋼 は その 価 値 が 認 められている この 鋼 種 は 現 在 スペ インで 食 品 貯 蔵 倉 庫 およびワイン 貯 蔵 倉 庫 の 2 件 のプロジェクトに 使 用 されている バルセ ロナ 港 では Emypro SA 社 が EN 1.4301/ 1.4307 (304/304L)の 代 替 にS32101を 全 面 的 に 使 って 食 品 貯 蔵 倉 庫 タンクを 建 設 した ス ペインのタンクメーカー Martinez Sole 社 が 南 スペインのダイミエルにあるGarcia Carrión 社 用 に 建 設 したワイン 貯 蔵 倉 庫 は 二 相 鋼 を 使 った 最 初 のものである 新 しいタンク の 頂 上 部 分 および 屋 根 にS32101および2304 を 使 用 し 1.4301/1.4404 (304/316L)を 使 う 場 合 よりもコストが 節 約 できた 建 築 二 相 鋼 は 腐 食 および 塩 分 に 侵 されやすい 条 件 下 で 高 負 荷 耐 性 が 要 求 される 橋 梁 の 建 設 な どで 重 要 な 役 割 を 担 っている ごく 最 近 の 例 (どちらもアジア)としては 香 港 のストー ン カッターズ ブリッジとシンガポールのマ リーナ 湾 歩 行 者 専 用 橋 に 2205 二 相 ステンレ ス 鋼 が 使 用 されている 2006 年 に 建 造 された ストーン カッターズ ブリッジには 2205 二 相 鋼 の 厚 板 および 鋼 管 が2000トン 使 用 され た 表 面 仕 上 げは 中 国 の 加 工 業 者 が 特 注 厚 板 を 使 って 行 なった 特 注 厚 板 は 昼 夜 にか かわらず 最 適 な 水 準 の 反 射 効 果 が 得 られるよ うに 研 磨 およびショット ピーニング 処 理 が 行 なわれた 海 洋 石 油 天 然 ガス 開 発 用 2507 供 給 パイプライン ( 出 典 :Sandvik 社 ) 52
ストーン カッターズ ブリッジ( 香 港 ) ( 出 典 :Ove Arup & Partners 社 ) また マリーナ 湾 歩 行 者 専 用 橋 には 570ト ンの 二 相 鋼 が 使 われている この 橋 の 素 晴 ら しい 設 計 には 2 本 のステンレス 鋼 製 スパイラ ル 管 があり DNAのらせん 型 構 造 に 似 ている その 二 重 らせん 構 造 と 支 持 構 造 には 2205 二 相 鋼 管 および 厚 板 がそれぞれ 使 われている また 夜 間 の 照 明 がステンレス 鋼 の 表 面 に 反 射 してイルミネーション 効 果 を 高 めるように 設 計 されている カタールのドーハ 新 国 際 空 港 のステンレス 鋼 の 屋 根 は 世 界 最 大 の 規 模 で モリブデン 含 有 の 低 ニッケル 二 相 鋼 (S32003)が 採 用 されてい る ターミナルビルの 最 も 印 象 的 な 特 徴 は 波 形 屋 根 で これは 世 界 最 大 のステンレス 鋼 製 の 屋 根 と 言 われている ターミナルビルの 屋 根 の 総 面 積 は195000 平 米 (2.1 百 万 平 方 フィート) で 1600トン(3.5 百 万 ポンド)の 二 相 鋼 を 使 用 している ステンレス 鋼 の 採 用 には いくつ かの 要 素 を 考 慮 する 必 要 があった 最 重 要 点 は 空 港 が 海 に 近 いことだった 屋 根 は 中 東 の 高 い 気 温 と 湿 度 だけでなく 塩 分 による 腐 食 に 耐 えなければならなかった 採 用 の 他 の 決 め 手 は 費 用 や 他 の 鋼 種 より 優 れた 二 相 鋼 の 重 量 当 たりの 強 度 だった ドーハ 新 国 際 空 港 の 二 相 鋼 製 の 屋 根 ( 出 典 :Qatar Airways 社 ) 建 築 中 の2304 二 相 鋼 橋 梁 (イタリア パドバ 付 近 ) ( 出 典 :ArcelorMittal 社 ) 53
推 奨 文 献 一 般 情 報 P. Johansson, M. Liljas, A New Lean Duplex Stainless Steel for Construction Purposes, Proceedings of 4 th European Stainless steel Conference Science and Market, Paris 2002. M. Liljas, J.Y. Jonsson, S.Wessman, Stress Relief Treatment of 22Cr Duplex Stainless Steel EN 1.4462, Proceedings of Stainless Steel World Conference, Maastricht, Netherlands, 2005 M. Liljas, 80 Years with Duplex Steel, a Historic Review and Prospects for the Future, Proceedings of 6 th European Stainless Steel Conference Science and Market, Helsinki, Finland 2008 H. Liu, P.Johansson, M.Liljas, Structural Evolution of LDX 2101 During Isothermal Ageing at 600 850 C, Proceedings of 6th European Stainless Steel Conference Science and Market, Helsinki, Finland 2008 Z. Wei, J. Laizhu, H. Jincheng, S. Hongmei, Study of Mechanical and Corrosion Properties of a Fe-21.4Cr- 6Mn-1.5Ni-0.24N-0.6Mo Duplex Stainless Steel, Materials Science and Engineering A, 2008, 497: 501 504 J. Charles, Why and Where Duplex Stainless Steels, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 29. M.G. Mecozzi, M. Barteri, Effect of Alloying Elements and Impurity on Hot Ductility of 23% Cr 4% Ni Stainless Steel, 5 th World Conference Duplex Stainless Steels, Conference Proceedings, KCI Publishing, 1997, p. 1011 1016. J. Charles, Super Duplex Stainless Steels: Structure and Properties, Proceedings of Duplex Stainless Steels 91, Les Editions de Physique, F-91944 Les Ulis Cedex, France, 1991, p. 3 and p. 151. F. Dupoiron, S. Faucheur, and G. Varvat, Fabrications of Process Equipment in Duplex Stainless Steels, Proceedings of Duplex Stainless Steels 91, Les Editions de Physique, F-91944 Les Ulis Cedex, France, 1991, p. 621. C. W. Kovach, High-Performance Stainless Steels, Nickel Development Institute Reference Book Series No 11021,Toronto, Canada, 2000 物 理 的 冶 金 R. Sanchez, I. Moreno, J. Amagro, J. Botella, Effects of Composition and Thermal History on the Phase Balance and Elements Distribution of Standard and Modified Duplex Stainless Steel, 4 th Stainless Steel Science and Market Congress, Conference Proceedings, Paris 2002, p. 108 113. J.-O. Nilsson, The Physical Metallurgy of Duplex Stainless Steels, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 73. J.-O. Nilsson, The Use of Modern Physical Metallurgy in the Development and Characterization of Special Stainless Steels, Journal de Physique, 4, 1993, Vol. 3, Number 7/V1, p. C7-67 C76. B. Josefsson, J.-O. Nilsson and A. Wilson, Phase Transformations in Duplex Steels and the Relation Between Continuous Cooling and Isothermal Heat Treatment, Proceedings of Duplex Stainless Steels 91, Les Editions de Physique, F-91944 Les Ulis Cedex, France, 1991, p. 67. 54
機 械 加 工 C. Bergqvist, J. Olsson, Machining in the New Duplex Grade LDX 2101-Easier Than Expected. Proceedings of Duplex 2007, Grado, Italy 2007. B. Pellegrini, B.N. Di Caprio and R. Pacagnella, Tool Performance in Continuous Cutting of Duplex Stainless Steel, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 175. C.G. Carlborg, Å. Nilsson and P-Å. Frandlind, Machinability of Duplex Stainless Steel, Proceedings of Duplex Stainless Steels 91, Les Editions de Physique, F-91944 Les Ulis Cedex, France, 1991, p. 685. 溶 接 F. Hägg, M.Liljas, B.Holmberg, The welding consequences of replacing austenitic with duplex stainless steel. Proceedings of Stainless Steel World Conference, Maastricht, Netherlands, 2007 C. Baxter, M.Young, Practical aspects for production welding and control of duplex stainless steel pressure and process plants. Proceedings of Duplex America, Houston, TX, 2000 C. Baxter, N.A McPherson, High-productivity welding of duplex stainless steel. Proceedings of Duplex America, Houston, TX, 2000 B. Holmberg, M.Larén, Welding and applications of the new lean duplex steel LDX 2101. IIW Annual meeting, Prague, Czech Republic, 2005. C. Eriksson, P.Johansson, M.Liljas, E.M. Westin, Mechanical properties of welds in the new lean duplex stainless steel LDX 2101. Proceedings of Stainless Steel World Conference, Maastricht, Netherlands, 2003 L. Duprez, B. De Cooman, N. Akudt, Microstructure Evolution During Isothermal Annealing of a Standard Duplex Stainless Steel Type 1.4462, Steel Research, 71, 2000, No.10, p. 417 422 L. van Nassau, H. Meelker, F. Neessen and J. Hilkes, Welding duplex and superduplex stainless steel, an update of the guide for industry, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 17. L. Karlssson, Duplex stainless steel weld metal effects of secondary phases, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 43. C. Baxter, L. Tuveson-Carlström, L. Svensson and A. Brorson, The significance of filler metal type on the stress corrosion cracking and fracture toughness of welded 2205 duplex stainless steel, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 279. B. Holmberg, How to Perform Welding in Duplex Stainless Steels to Obtain Optimum Weld Metal Properties, Stainless Steel World, March 1997, p. 28. P. Rouault and C. Bonnet, A new shielding gas range for the TIG, plasma and MIG welding of duplex and superduplex stainless steels, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 289. R.N. Gunn, Intermetallic formation in superduplex stainless steel heat affected zone, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 335. L. Karlsson, S.L. Andersson and S. Rigdal, Welding superduplex stainless steels with Ni-base consumables, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 433. B. Bonnefois, J. Charles, A. Bruyere, and R. Cozar, Welding of super duplex steels: new efficient solutions for joining using Ni alloys filler materials, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 499. D.N. Noble, W. A. Bruce, and R.N. Gunn, Hot tapping 22% Cr duplex stainless steel, Proceedings of the 5 th World Conference on Duplex Stainless Steels, KCI Publishing, Zutphen, The Netherlands, 1997, p. 471. 55
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参 照 文 献 1 J. Charles, Super duplex stainless steels: structure and properties, Proceedings of Duplex Stainless Steels 91, Les Editions de Physique, F-91944 Les Ulis Cedex, France, p. 3, 1991. 2 R. Sánchez, I. Moreno, J. Almagro, J. Botella, X. Llovet, Effects of Composition and Thermal History on the Phase Balance and Elements Distribution of Standard and Modified Duplex Stainless, Fourth Stainless Steel Science and Market Congress, Paris 2002, Conference Proceedings 3 I. Zucato, M. C. Moreira, I. F. Machado and S. M. Giampietri Lebrão, Microstructural Characterization and the Effect of Phase Transformations on Toughness of the UNS S31803 Duplex Stainless Steel Aged Treated at 850 C, Materials Research Print version ISSN 1516-1439, Mat. Res. vol.5 no.3 São Carlos July/Sept. 2002 4 B. Josefsson, J.-O. Nilsson and A. Wilson, Phase Transformations in duplex steels and the relation between continuous cooling and isothermal heat treatment, Proceedings of Duplex Stainless Steels 91, Les Editions de Physique, F-91944 Les Ulis Cedex, France, 1991, p. 67. 5 C. Hounglu and S. Hertzman, Kinetics of Intermetallic Phase Formation in Duplex Stainless Steel and Their Influence on Corrosion Resistance, Report IM-2689, Swedish Institute of Metals Research, Stockholm, Sweden. 6 G. Herbsleb and P. Schwaab, Precipitation of Intermetallic Compounds, Nitrides and Carbides in AF 22 Duplex Steel and their Influence on Corrosion Behavior in Acids, Proceedings of Duplex Stainless Steels Conference, ASM, Metals Park, Ohio, 1983, p.15 7 L. Iturgoyen and M. Anglada, The Influence of Aging at 475 C on the Fatigue Crack Propagation of a Duplex Stainless Steel, Proceedings of Stainless Steels 91, The Iron and Steel Institute of Japan, Tokyo, Japan, Vol. 2, p. 746, 1991. 8 D. Bauernfeind and G. Mori, Corrosion of Superaustenitic Stainless Steels in Chloride- and Sulfate- Containing Media-Influence of Alloying Elements Cr, Mo, N, and Cu, Proceedings of NACE Corrosion 2003 Conference, Paper 03-257 9 P.-E. Arnvig, and W. Wasielewska, Stress Corrosion Behaviour of Highly Alloyed Stainless Steels under Severe Evaporative Conditions, ACOM 3-1993, Avesta Sheffield AB, 1993. 10 A. Miyasaka, K. Denpo and H Ogawa, Prediction of Application Limits of Stainless Steels in Oilfield Equipment, Proceedings of Stainless Steels 91, The Iron and Steel Institute of Japan, Tokyo, Japan, Vol. 1, p. 241, 1991. 11 J.J. Eckenrod, et al, Effects of Chemical Composition and Thermal History on the properties of Alloy 2205 Duplex Stainless Steel", New Developments in Stainless Steel Technology, R. A Lula, Ed., ASM 1985. 12 R.M. Davison and J.D. Redmond, Paper No. 302, CORROSION/91, NACE International, Houston, Texas, 1991. 13 ASME Boiler and Pressure Vessel Code, Section VIII, Division 1, Paragraph UHA 51. 57
付 録 1: 二 相 鋼 のカテゴリー 分 類 ならびに 製 品 名 UNS No. 鋼 種 EN No. EN 名 JIS/ 日 本 GB/ 中 華 人 民 共 和 国 KS/ 大 韓 民 国 製 品 名 S31200 022Cr25Ni6Mo2N 44LN S31260 022Cr25Ni7Mo3 DP3 WCuN DP12 S31500 3RE60 S32001 1.4482 X2CrMnNiMoN21-5-3 Nitronic 19D S32003 ATI 2003 S32101 1.4162 LDX 2101 B2101 S32202 UR 2202 S31803 2205* 1.4462 X2CrNiMoN 22-5-3 SUS 329 J3L 022Cr22Ni5Mo3N STS 329J3L SAF 2205 S32205 UR 2205 UR 2205+ UR 2205Mo DMV 22-5 ATI 2205 2205 Code Plus Two NAS 329J3L NSSC DX1 DP8 B2205 S32304 2304* 1.4362 X2CrNiN 23-4 022Cr23Ni5Mo3N SAF 2304 UR 2304 B2304 S32506 NAS 64 S32520 1.4507 X2CrNiMoCuN 25-6-3 UR 2507Cu S32550 255* 03Cr25Ni6Mo3Cu2N Ferralium 255 UR 2507Cu S32707 SAF 2707 HD S32750 2507* 1.4410 X2CrNiMoN 25-7-4 SUS 329 J4L 022Cr25Ni7Mo4N STS 329 J4L AF 2507 UR 2507 NAS 74N SAF 2507 S32760 1.4501 X2CrNiMoCuWN25-7-4 Zeron 100 UR 2507W NAS 75N S32808 DP28W S32900 329 1.4460 X3CrNiMoN27-5-2 SUS 329 J1 0Cr26Ni5Mo2 STS 329 J1 S32906 SAF 2906 58
UNS No. 鋼 種 EN No. EN 名 JIS/Japan GB/ 中 華 人 民 共 和 国 KS/ 大 韓 民 国 製 品 名 S32950 7-Mo Plus S32960 S33207 S39274 S39277 SAF 3207 HD DP-3W AF918 S82011 ATI 2102 1.4655 X2CrNiCuN 23-4 1.4477 X2CrNiMoN 29-7-2 1.4424 X2CrNiMoSi 18-5-3 * 商 標 でなく いかなる 単 一 のメーカーのものでもなく 広 く 使 われている 通 称 59
付 録 2: 規 格 のまとめ ASTM/ASME 規 格 UNS No. 鋼 種 A 815 A 959 A 480/M A 314 A 240/M A 484/M A 276 A 479/M SA 480 SA 240 SA 484 SA 276 SA 479 パイプ 継 手 鍛 造 鋼 種 一 般 的 要 求 鋼 片 平 ロール 一 般 的 要 求 棒 形 鋼 棒 形 鋼 S31200 X X X S31260 X X X S31803 X X X X X X X S32001 X X X S32003 X X X S32101 X X X X X X X S32202 X X X X X X X S32205 2205 X X X X X X X S32304 2304 X X X X X S32506 X X X X X X S32520 X X X S32550 255 X X X X X X X S32707 S32750 2507 X X X X X X X S32760 X X X X X X X X S32900 329 X X X X S32906 X X X X X S32950 X X X X X X X S39274 X X X X S39277 X X X S33207 S82011 X X EN 規 格 EN No. EN 名 EN 10028-7 EN 10088-2 EN 10088-3 EN 10095 EN 10216-5 EN 10217-7 EN 10222-5 1.4362 X2CrNiN23-4 X X X X X X 1.4655 X2CrNiCuN23-4 X 1.4460 X3CrNiMoN27-5-2 X 1.4477 X2CrNiMoN29-7-2 X X 1.4462 X2CrNiMoN22-5-3 X X X X X X 1.4507 X2CrNiMoCuN25-6-3 X X X X 1.4410 X2CrNiMoN25-7-4 X X X X X X 1.4501 X2CrNiMoCuWN25-7-4 X X X X X 1.4424 X2CrNiMoSi18-5-3 X X X 1.4062 X2CrNiN22-2 60
A 580/M A 270 A 789/M A 790/M A 928/M A 923 A 182 API 650 NSF/ANSI 61 SA 789 SA 790 ワイヤーロッド サニタリー 配 管 配 管 ( 継 ぎ パイプ( 継 フィラーあ 二 相 鋼 試 験 継 手 飲 料 水 目 なし フ ぎ 目 なし りで 溶 接 ィラーなし フィラーな で 溶 接 ) しで 溶 接 ) X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X EN 10250-4 EN 10263-5 EN 10272 EN 10296-2 EN 10297-2 EN 10312 X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X 61
鋳 造 二 相 鋼 UNS No. ASTM 890 規 格 一 般 ASTM A 995 規 格 圧 力 部 品 J93370 X J93372 X X J93373 X J93345 X X J93371 X X J92205 X X J93404 X X J93380 X X 規 格 タイトル 一 覧 規 格 タイトル A 182 / A 182M A 240 / A 240M A 270 A 314 A 276 A 479 / A 479M A 480 / A 480M A 484 / A 484M A 580 / A 580M A 789 / A 789M A 790 / A 790M A 815 / A 815M A 890 / A 890M A 923 A 928 / A 928M A 959 A 988 / A 988M A 995 / A 995M API 650 NSF / ANSI 61 NACE MR0175 EN 10028-7 EN 10088-2 Forged or Rolled Alloy-Steel Pipe Flanges, Forged Fittings, and Valves and Parts for High-Temperature Service Heat-Resisting Cr and Cr-Ni Stainless Steel Plate, Sheet, and Strip for Pressure Vessels Seamless and Welded Austenitic and Ferritic / Austenitic Stainless Steel Sanitary Tubing Stainless Steel Billets and Bars for Forging Stainless Steel Bars and Shapes Stainless Steel Bars and Shapes for Use in Boilers and Other Pressure Vessels General Requirements for Flat-Rolled Stainless and Heat-Resisting Steel Plate, Sheet, and Strip General Requirements for Stainless Steel Bars, Billets, and Forgings Stainless Steel Wire Seamless and Welded Ferritic / Austenitic Stainless Steel Tubing for General Service Seamless and Welded Ferritic / Austenitic Stainless Steel Pipe Wrought Ferritic, Ferritic / Austenitic, and Martensitic Stainless Steel Fittings Castings, Fe-Cr-Ni-Mo Corrosion-Resistant, Duplex for General Application Detecting Detrimental Intermetallic Phase in Wrought Duplex Stainless Steels Ferritic / Austenitic Stainless Steel Pipe Electric Fusion Welded with Addition of Filler Metal Harmonized Standard Grade Compositions for Wrought Stainless Steels Hot Isostatically-Pressed Stainless Steel Flanges, Fittings, Valves, and Parts for High Temperature Service Castings, Austenitic-Ferritic (Duplex) Stainless Steels for Pressure-Containing Parts Welded Steel Tanks for Oil Storage Drinking Water System Components Sulphide stress cracking resistant material for oil field equipment Flat products made of steels for pressure purposes Part 7: Stainless steels Stainless steels Part 2: Technical delivery conditions for sheet/plate and strip of corrosion resisting steels for general purposes 62
規 格 タイトル EN 10088-3 EN 10095 EN 10216-5 EN 10217-7 EN 10222-5 EN 10250-4 EN 10263-5 EN 10272 EN 10296-2 EN 10297-2 EN 10312 Stainless steels Part 3: Technical delivery conditions for semi-finished products, bars, rods, wire, sections and bright products of corrosion resisting steels for general purposes Heat resisting steels and nickel alloys Seamless steel tubes for pressure purposes Technical delivery conditions Part 5: Stainless steel tubes Welded steel tubes for pressure purposes Technical delivery conditions Part 7: Stainless steel tubes Steel forgings for pressure purposes Part 5: Martensitic, austenitic and austenitic-ferritic stainless steels Open die steel forgings for general engineering purposes Part 4: Stainless steels Steel rod, bars and steel wire for cold heading and cold extrusion Part 5: Technical delivery conditions for stainless steels Stainless steel bars for pressure purposes Welded circular steel tubes for mechanical and general engineering purposes Technical delivery conditions Part 2: Stainless steel Seamless circular steel tubes for mechanical and general engineering purposes Technical delivery conditions Part 2: Stainless steel Welded stainless steel tubes for the conveyance of aqueous liquids including water for human consumption Technical delivery conditions EN ISO 8249 Welding Determination of Ferrite Number (FN) in austenitic and duplex ferritic-austenitic Cr-Ni stainless steel-weld metals VdTÜV WB 418 Ferritisch-austenitischer Walz- und Schmiedestahl, 1.4462 VdTÜV WB 496 Ferritisch-austenitischer Walz- und Schmiedestahl, 1.4362 VdTÜV WB 508 Ferritisch-austenitischer Walz- und Schmiedestahl, 1.4410 63
I M O A INTERNATIONAL MOLYBDENUM ASSOCIATION 支 援 団 体 : 国 際 ステンレス 鋼 フォーラム (www.worldstainless.org) Euro Inox (www.euro-inox.org) ISBN 978-1-907470-06-6