1/11 第 19 回 社 会 福 祉 士 第 9 回 精 神 保 健 福 祉 士 共 通 科 目 国 家 試 験 問 題 解 説 ( ) =2 社 会 保 障 論 = ( 問 題 11~ 問 題 20) (2007 年 5 月 3 日 ホームページ 掲 載 ) 社 会 保 障 論 問 題 11 社 会 保 障 の 歴 史 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 誤 っているものを 一 つ 選 びなさい 1.ドイツのビスマルク(Bismarck,O.)が 創 設 した 疾 病 保 険 制 度 (1883 年 )は, 既 にそのころにドイ ツの 地 域 や 民 間 企 業 に 普 及 していた 金 庫 制 度 を 国 営 保 険 の 仕 組 みとして 活 用 した 2.アメリカの 社 会 保 障 法 (1935 年 )は, 大 恐 慌 による 国 民 の 経 済 不 安 に 対 処 する 一 環 として,ニュー ディール 政 策 を 推 進 していたルーズベルト(Roosevelt,F.) 大 統 領 の 下 で 成 立 した 3.ILO( 国 際 労 働 機 関 )が 発 刊 した ILO 社 会 保 障 への 途 (1942 年 )では, 新 しい 社 会 保 障 としてニ ュージーランドが1938 年 に 創 設 した 包 括 的 な 社 会 保 障 法 の 方 式 を 推 奨 している 4.イギリスのベヴァリッジ(Beveridge,W.) 報 告 (1942 年 )では, 社 会 保 険 の 原 則 として 応 能 拠 出, 報 酬 比 例 給 付 の 原 則 が 打 ち 立 てられた 5. 社 会 保 障 計 画 の 構 想 は 第 二 次 世 界 大 戦 後, 世 界 的 に 具 現 化 し,フランスでは1945 年 にラロック (Laroque,P.)による 社 会 保 障 プランが 発 表 された 問 題 11: 正 答 4 1. ドイツの 疾 病 保 険 の 特 徴 は, 保 険 者 は 疾 病 金 庫 で 財 源 は 労 使 の 拠 出 のみ, 保 険 者 たる 疾 病 金 庫 に 大 きな 自 主 的 決 定 権 をあたえ,その 運 営 を 保 険 金 を 負 担 する 労 働 者 と 雇 用 主 の 代 表 に 任 せたこと にある ドイツの 社 会 保 障 制 度 は,1883 年 のビスマルクの 疾 病 保 険 法 に 始 まり, 現 在 では 社 会 保 険 制 度 (1 年 金 保 険,2 医 療 保 険,3 労 働 災 害 保 険,4 失 業 保 険,5 介 護 保 険 <1995 年 施 行 >)と 児 童 手 当, 社 会 扶 助 などで 構 成 されている 2. 1929 年 に 発 生 した 世 界 大 恐 慌 により, 世 界 各 国 には 大 量 の 失 業 者 があふれ, 社 会 不 安 が 増 大 し た アメリカでは,ルーズベルト 大 統 領 がニューディール 政 策 の 一 環 として,1935 年 に 世 界 初 の 社 会 保 障 法 を 制 定 した 3. ニュージーランドは, 早 期 から 福 祉 国 への 道 を 歩 みはじめ,1938 年 にはアメリカに 次 いで 世 界 で 2 番 目 に 社 会 保 障 法 が 制 定 された ニュージーランドの 社 会 保 障 法 は,その 総 合 性 において, 当 時 とし ては 画 期 的 であり,その 包 括 的 社 会 保 障 制 度 は,イギリスのベヴァリッジ プランのモデルとなっただ けでく,ILO の 社 会 保 障 概 念 にも 大 きな 影 響 を 与 えた(1942 年 の ILO 社 会 保 障 への 途 ) 4. 応 能 拠 出, 報 酬 比 例 給 付 の 原 則 ではなく 均 一 拠 出, 均 一 給 付 の 原 則 である ベヴァリッジ
2/11 報 告 における 社 会 保 障 は 均 一 の 保 険 料 と 均 一 の 給 付 額 を 定 めた 均 一 の 原 則 が 設 定 されたが,1950 年 代 から 1970 年 代 にかけた 社 会 保 障 制 度 の 展 開 (1959 年 の 国 民 保 険 法 改 正 < 保 守 党, 国 民 保 険 の 退 職 年 金 に 所 得 比 例 制 の 導 入 >,1966 年 の 国 民 保 険 法 改 正 < 労 働 党, 失 業 給 付 疾 病 給 付 業 務 上 災 害 給 付 寡 婦 給 付 に 所 得 比 例 制 度 の 導 入 >)のなかで,イギリスの 社 会 保 障 制 度 は 均 一 原 則 から 離 脱 している 5. フランスの 社 会 保 障 制 度 の 特 徴 は, 単 に 社 会 保 険 主 義 というだけでなく, 当 事 者 の 自 主 管 理 や 国 民 連 帯 があり,これらは 1945 年 のラロックによる 社 会 保 障 プランにおいて 重 要 視 した 理 念 であるとい われる 現 在 においても, 国 庫 補 助 がないことを 原 則 としている 問 題 12 社 会 保 障 及 び 関 連 領 域 の 国 際 的 展 開 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 誤 っているものを 一 つ 選 び なさい 1.ILO( 国 際 労 働 機 関 )は, 第 一 次 世 界 大 戦 が 終 結 した1919 年 に,ベルサイユ 条 約 によって 国 際 連 盟 とともに 誕 生 した 2.ILO( 国 際 労 働 機 関 )は,1952 年 の 総 会 において 社 会 保 障 の 最 低 基 準 に 関 する 条 約 ( 第 102 号 条 約 ) を 採 択 した 3. 女 子 差 別 撤 廃 条 約 (1979 年 第 34 回 国 連 総 会 採 択 )は, 社 会 保 障 の 分 野 における 差 別 の 撤 廃 についても 規 定 しているが, 我 が 国 はこの 条 約 を 批 准 していない 4. 我 が 国 は, 国 際 連 合 の 難 民 の 地 位 に 関 する 条 約 及 び 難 民 の 地 位 に 関 する 議 定 書 に 加 入 し, 1982 年 から 同 条 約 議 定 書 が 我 が 国 について 発 効 したことに 伴 って, 社 会 保 障 関 係 法 令 から 国 籍 要 件 を 撤 廃 するなどの 法 整 備 を 行 った 5. 我 が 国 は, 国 際 的 な 人 的 交 流 の 活 発 化 により 在 外 邦 人 や 在 日 外 国 人 が 増 えているため, 二 国 間 における 公 的 年 金 制 度 に 関 する 適 用 調 整 及 び 年 金 の 受 給 権 の 取 得 を 目 的 とした 期 間 通 算 を 内 容 とす る 社 会 保 障 協 定 を 締 結 している ( 注 ) 女 子 差 別 撤 廃 条 約 とは, 女 子 に 対 するあらゆる 形 態 の 差 別 の 撒 廃 に 関 する 条 約 のことであ る 問 題 12: 正 答 3 選 択 肢 4 は 社 会 福 祉 原 論 問 題 10 選 択 肢 C と 重 複 している 科 目 ごとに 作 成 した 問 題 を 寄 せ 集 めて 国 家 試 験 問 題 としたことがわかる できのよくない 問 題 である 1. ILO は,1919 年 にベルサイユ 条 約 によって 国 際 連 盟 と 共 に 誕 生 し,1944 年 にフィラデルフィア 宣 言 によって ILO の 基 本 目 標 と 基 本 原 則 が 拡 大 された 1946 年 に ILO は 新 たに 設 立 された 国 際 連 合 と 協 定 を 結 んだ 最 初 の 専 門 機 関 となり, 創 立 50 周 年 にあたる 1969 年 にはノーベル 平 和 賞 を 受 賞 した 2. 1952 年 に 採 択 された 第 102 号 条 約 は, 社 会 保 障 制 度 の 最 低 基 準 を 15 部 87 条 にわたり, 給 付 の 種 類 別 にきめたものである この 条 約 以 降,1964 年 の 業 務 災 害 給 付 条 約 ( 第 121 号 ),1967 年 の 障
3/11 害, 老 齢 及 び 遺 族 給 付 条 約 ( 第 128 号 ),1969 年 の 医 療 及 び 疾 病 給 付 条 約 ( 第 130 号 )が 採 択 されて いる 3. 1979 年 の 国 連 総 会 において 採 択 され,1981 年 に 発 効 し, 日 本 は 1985 年 6 月 25 日 に 批 准 した 女 子 差 別 撤 廃 条 約 は, 女 子 に 対 する 差 別 が, 権 利 の 平 等 の 原 則 および 人 間 の 尊 厳 の 尊 重 の 原 則 に 反 し, 社 会 と 家 族 の 繁 栄 の 増 進 を 阻 害 するものであるとの 考 えのもとに, 各 締 約 国 が 男 女 の 完 全 な 平 等 の 達 成 を 目 的 として, 女 子 に 対 するあらゆる 差 別 を 撤 廃 することを 基 本 理 念 としている 4. 社 会 福 祉 原 論 の 問 題 10 選 択 肢 C と 重 複 した できのよくない 問 題 である 5. 二 国 間 で 社 会 保 障 協 定 を 締 結 することにより, 年 金 制 度 等 の 二 重 加 入 を 防 止 するとともに, 外 国 の 年 金 制 度 の 加 入 期 間 を 取 り 入 れ 年 金 が 受 けられるようにするものである 2007 年 3 月 末 現 在,ドイ ツ,イギリス, 韓 国,アメリカ,ベルギー,フランスとは 署 名 発 効 し,カナダ,オーストラリアとは 署 名 が 終 わり 現 在, 発 効 に 向 けて 準 備 中 である 問 題 13 公 的 年 金 制 度 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 正 しいものを 一 つ 選 びなさい 1. 国 民 年 金 の 保 険 料 は, 世 帯 主 がその 世 帯 に 属 する 被 保 険 者 の 保 険 料 を 連 帯 して 納 付 する 義 務 が ある 2. 厚 生 年 金 の 被 保 険 者 は, 徴 収 時 に 厚 生 年 金 保 険 料 に 加 え, 別 途, 国 民 年 金 保 険 料 を 支 払 う 必 要 がある 3. 厚 生 年 金 の 適 用 事 務 所 の 被 用 者 であっても20 歳 未 満 の 者 と60 歳 以 上 の 者 については, 厚 生 年 金 保 険 に 加 入 する 必 要 はない 4. 平 成 12 年 の 厚 生 年 金 保 険 法 改 正 により,60 歳 代 前 半 の 老 齢 厚 生 年 金 については, 平 成 37 年 度 までの 間, 出 生 年 にかかわらず, 支 給 開 始 年 齢 は 同 じである 5. 平 成 19 年 4 月 より, 離 婚 時 に 老 齢 基 礎 年 金 を 夫 婦 間 で 分 割 できる 問 題 13: 正 答 1 1. 保 険 料 の 納 付 義 務 において, 世 帯 主 は,その 世 帯 に 属 する 被 保 険 者 の 保 険 料 を 連 帯 して 納 付 する 義 務 を 負 う 配 偶 者 の 一 方 は, 被 保 険 者 たる 他 方 の 保 険 料 を 連 帯 して 納 付 する 義 務 を 負 う と 規 定 されている ( 国 民 年 金 法 第 88 条 第 2 項, 第 3 項 ) 2. 国 民 年 金 保 険 料 は, 加 入 している 年 金 制 度 ( 厚 生 年 金 保 険 や 共 済 組 合 )から 拠 出 されていので, 加 入 している 年 金 制 度 の 保 険 料 を 負 担 するだけで, 国 民 年 金 保 険 料 を 個 別 に 納 める 必 要 はない 3. 厚 生 年 金 の 保 険 者 は 政 府 であり, 厚 生 年 金 の 被 保 険 者 は 適 用 事 業 所 に 就 業 している 70 歳 未 満 の 者 である 適 用 事 業 所 には, 強 制 適 用 事 業 所 ( 常 時 5 人 以 上 の 従 業 員 を 雇 用 している 事 業 所,5 人 未 満 であっても 常 時 従 業 員 を 雇 用 している 法 人 の 事 業 所 )と 任 意 適 用 事 業 所 ( 事 業 主 が 従 業 員 の 1/2 以 上 の 同 意 を 得 て 認 可 を 受 けた 事 業 所 )がある 4. 2000 年 の 厚 生 年 金 保 険 法 改 正 により, 生 年 月 日 別 による 支 給 開 始 年 齢 が 設 定 された( 定 額 部
4/11 分 は 2013 年 度 以 降 65 歳 からの 支 給 となり, 報 酬 比 例 部 分 は 2025 年 度 以 降 65 歳 からの 支 給 と なる) 60 歳 前 半 台 の 老 齢 厚 生 年 金 は,60 歳 (1994 年 改 正 2000 年 改 正 により 段 階 的 に 引 上 げ) 以 上 の 者 で,1 年 以 上 の 厚 生 年 金 被 保 険 者 期 間 があり, 老 齢 基 礎 年 金 の 資 格 期 間 を 満 たしている 者 に 対 して 支 給 される 5. 2007 年 4 月 以 降 に 離 婚 した 場 合, 分 割 されるのは, 厚 生 年 金 の 報 酬 比 例 部 分 の 年 金 および 共 済 年 金 の 報 酬 比 例 部 分 職 域 年 金 部 分 であり, 定 額 部 分 の 年 金 および 基 礎 年 金 は 分 割 されない なお, 2008 年 4 月 より 専 業 主 婦 ( 第 3 号 被 保 険 者 )であれば 両 者 の 合 意 が 必 要 なく, 社 会 保 険 事 務 所 に 請 求 をすれば 年 金 の 1/2 を 受 給 することができる( 分 割 されるのは 2008 年 4 月 以 降 の 婚 姻 期 間 分 だけな のでそれ 以 前 については 按 分 割 合 を 定 め 社 会 保 険 事 務 所 へ 届 出 ることが 必 要 となる) 問 題 14 医 療 保 険 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 正 しいものの 組 み 合 わせを 一 つ 選 びなさい A. 健 康 保 険 の 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 は, 第 1 級 から 第 29 級 までの 区 分 に 分 けられている B. 健 康 保 険 組 合 が 行 う 特 定 健 康 保 険 組 合 の 特 例 退 職 被 保 険 者 は, 国 民 健 康 保 険 の 退 職 者 医 療 制 度 の 適 用 から 除 外 される C. 自 営 業 であっても 同 種 同 業 のものが 連 合 して 国 民 健 康 保 険 組 合 を 作 ることが 法 律 上 認 められ,ま た, 給 付 費 に 公 費 負 担 が 入 っている D. 健 康 保 険 の 保 険 給 付 には 法 定 給 付 と 附 加 給 付 があるが, 附 加 給 付 が 認 められているのは 政 府 管 掌 健 康 保 険 である ( 組 み 合 わせ) 1 A B 2 A C 3 B C 4 B D 5 C D 問 題 14: 正 答 3 A. 健 康 保 険 の 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 は, 1 等 級 ~29 等 級 ではなく 1 等 級 (9 万 8 千 円 )~39 等 級 (98 万 円 ) である なお, 厚 生 年 金 保 険 料 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 は, 第 1 級 (9 万 8 千 円 )~ 第 30 級 (62 万 円 である B. 厚 生 大 臣 が 認 可 した 特 定 健 康 保 険 組 合 では, 組 合 員 であった 者 を 対 象 に, 特 例 退 職 被 保 険 者 として 独 自 に 退 職 者 医 療 給 付 を 行 うことができる 一 方, 国 民 健 康 保 険 の 被 保 険 者 で, 被 用 者 年 金 制 度 の 老 齢 ( 退 職 ) 年 金 を 受 給 している 者 とその 扶 養 家 族 は, 退 職 者 医 療 制 度 が 適 用 されるが, 被 保 険 者 期 間 が,20 年 (40 歳 以 後 の 被 保 険 者 期 間 が 10 年 ) 以 上 必 要 で,その 期 間 は 老 人 保 健 法 の
5/11 医 療 給 付 の 対 象 となる C. 国 民 健 康 保 険 組 合 は, 同 種 の 事 業 業 務 ( 医 師, 歯 科 医 師, 食 品 販 売 業, 理 容 美 容 業, 弁 護 士 な ど)に 従 事 する 300 人 以 上 の 者 の 同 意 により, 都 道 府 県 知 事 の 認 可 を 受 けて 設 立 される しかし, 市 町 村 国 民 健 康 保 険 を 原 則 とする 立 場 から, 厚 生 労 働 省 は 1959 年 以 降, 原 則 として 新 規 設 立 を 認 めてい ない( 特 例 として 1970 年 と 1972 年 に 数 組 合 が 認 可 ) 一 般 被 保 険 者 の 公 費 負 担 金 は, 市 町 村 国 保 は 医 療 給 付 費 の 50%( 国 43% 県 7%)であり, 国 保 組 合 の 基 本 は 32%(+0.4%)~20%である D. 政 府 管 掌 保 健 健 康 保 険 ではなく 組 合 管 掌 健 康 保 険 である 付 加 給 付 とは, 一 部 負 担 金 還 元 金, 家 族 療 養 付 加 金, 傷 病 手 当 付 加 金 などの 上 乗 せ 給 付 をいう 問 題 15 雇 用 保 険 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 正 しいものを 一 つ 選 びなさい 1. 雇 用 保 険 の 求 職 者 給 付 の 受 給 期 間 は 原 則 として 離 職 の 日 の 翌 日 から 起 算 した1 年 6か 月 に 限 り, 所 定 給 付 日 数 分 を 限 度 として 支 給 される 2. 求 職 者 が 公 共 職 業 訓 練 等 を 受 講 する 場 合 には,その 訓 練 が 終 了 する 日 までその 者 の 所 定 給 付 日 数 を 超 えて 基 本 手 当 を 支 給 するが,これを 広 域 延 長 給 付 という 3. 雇 用 保 険 で 受 給 できる1 日 当 たりの 金 額 を 基 本 手 当 日 額 というが,これは 就 業 期 間 によってのみ, その 額 が 定 められている 4. 雇 用 保 険 の 育 児 休 業 給 付 は 少 なくとも, 期 間 中 の 各 1か 月 ごとに, 休 業 開 始 前 の1か 月 当 たりの 賃 金 の80% 以 上 の 賃 金 が 支 払 われていないことが 条 件 になる 5. 雇 用 保 険 の 介 護 休 業 給 付 は, 要 介 護 状 態 にある 一 定 の 範 囲 の 家 族 を 介 護 するために 休 業 した 被 保 険 者 に 対 して 最 長 1 年 間, 休 業 前 の 賃 金 の40% 相 当 分 を 支 給 するものである 問 題 15: 正 答 4 1. 1 年 6 か 月 ではなく 1 年 である 雇 用 保 険 の 受 給 期 間 は, 原 則 として 離 職 した 日 の 翌 日 から 1 年 間 であるが,その 間 に 病 気,けが, 妊 娠, 出 産, 育 児 等 の 理 由 により 引 き 続 き 30 日 以 上 働 くことが できなくなったときは,その 働 くことのできなくなった 日 数 だけ, 受 給 期 間 を 延 長 することができるが, 延 長 できる 期 間 は 最 長 で 3 年 間 となっている 2. 広 域 延 長 給 付 ではなく 訓 練 延 長 給 付 である 広 域 延 長 給 付 は, 失 業 者 が 多 発 したとして 指 定 された 地 域 において, 広 域 職 業 紹 介 活 動 ( 管 轄 区 域 外 での 求 人 活 動 )が 必 要 と 認 めらた 受 給 資 格 者 について,90 日 分 を 限 度 に 所 定 給 付 日 数 を 超 えて 受 給 することができる 3. 基 本 手 当 日 額 は, 原 則, 離 職 日 直 前 6 か 月 間 の 賃 金 ( 税 引 前 で 賞 与 等 は 除 く)の 総 和 を 180 で 除 した 金 額 ( 賃 金 日 額 )のおよそ 50~80%(60 歳 ~64 歳 については 45~80%)の 金 額 である( 上 限 およ び 下 限 が 設 定 ) 賃 金 の 低 い 方 ほど 高 い 率 となっている 4. 育 児 休 業 給 付 の 支 給 要 件 は, 休 業 開 始 日 から 起 算 した 1 か 月 ごとの 期 間 を 支 給 単 位 期 間 として, 3 要 件 (1 支 給 単 位 期 間 の 初 日 から 末 日 まで 継 続 して 被 保 険 者 資 格 を 有 していること,2 支 給 単 位 期
6/11 間 に, 育 児 休 業 による 全 日 休 業 日 が 20 日 以 上 あること<この 全 日 休 業 日 には 日 曜 日, 祝 祭 日 のような 事 業 所 の 所 定 労 働 日 以 外 の 日 を 含 む>,3 支 給 単 位 期 間 に 支 給 された 賃 金 が, 休 業 開 始 時 賃 金 月 額 < 育 児 休 業 開 始 前 の 6 か 月 間 に 支 払 われた 賃 金 の 総 額 を 180 で 除 した 賃 金 日 額 の 30 日 分 の 額 >の 80% 未 満 であること)をすべて 満 たしていることが 必 要 である 育 児 休 業 給 付 は, 現 在 は 育 児 開 始 前 賃 金 の 40%を 支 給 するが,2007 年 の 雇 用 保 険 法 改 正 により,2007 年 10 月 以 降 に 育 児 休 業 を 取 得 す る 者 は 50%に 改 定 されている 5. 1 年 間 ではなく 93 日 間 である 介 護 休 業 を 取 得 した 被 保 険 者 に 対 し, 休 業 前 賃 金 の 40% 相 当 額 を, 同 一 対 象 家 族 につき 93 日 を 限 度 として, 複 数 回 支 給 される なご, 育 児 休 業 と 同 じく, 介 護 休 業 前 2 年 間 に 被 保 険 者 期 間 が 12 か 月 異 常 あることが 必 要 である 問 題 16 児 童 手 当 制 度 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 誤 っているものを 一 つ 選 びなさい 1. 支 給 対 象 は, 義 務 教 育 修 了 までの 児 童 を 養 育 している 者 であって, 所 得 が 一 定 額 未 満 の 者 であ る 2. 公 務 員 を 除 く 受 給 資 格 者 は, 児 童 手 当 の 支 給 を 受 けようとするときは,その 受 給 資 格 及 び 児 童 手 当 の 額 について, 住 所 地 の 市 町 村 長 の 認 定 を 受 けなければならない 3.3 歳 に 満 たない 児 童 しかいない 場 合 の 支 給 月 額 は, 第 1 子 の 場 合 5,000 円, 第 2 子 の 場 合 5,00 0 円, 第 3 子 以 降 1 人 につき10,000 円 である 4. 被 用 者 等 でない 者 に 対 する 児 童 手 当 の 支 給 に 要 する 費 用 は,その3 分 の1に 相 当 する 額 を 国 庫, 都 道 府 県 及 び 市 町 村 がそれぞれ 負 担 する 5. 国 家 公 務 員 に 対 する 手 当 の 支 給 に 要 する 費 用 については, 国 がその 全 額 を 負 担 する 問 題 16: 正 答 1 1. 義 務 教 育 修 了 まで ではなく 小 学 校 第 6 学 年 修 了 前 まで である 経 緯 をたどれば,2000 年 改 正 :3 歳 未 満 義 務 教 育 就 学 前 間 で,204 年 4 月 ~: 小 学 校 3 学 年 修 了 前 まで,2006 年 4 月 ~: 小 学 校 第 6 学 年 修 了 前 まで,である 2. 受 給 資 格 者 は, 児 童 手 当 の 支 給 を 受 けようとするときは,その 受 給 資 格 及 び 児 童 手 当 の 額 につ いて, 住 所 地 の 市 町 村 長 ( 特 別 区 の 区 長 を 含 む)の 認 定 を 受 けなければならない と 規 定 されている ( 児 童 手 当 法 第 7 条 第 1 項 ) 児 童 手 当 の 支 給 は, 市 町 村 長 が 行 い, 公 務 員 の 場 合 は, 所 属 器 官 の 超 が 行 う 3. 国 家 試 験 当 日 の 児 童 手 当 制 度 としては 設 問 の 内 容 は 正 しい ただし,2007 年 4 月 からは,13 歳 未 満 : 一 律 10000 円,23 歳 以 上 : 第 1 子 第 2 子 は 5000 円, 第 3 子 以 降 は 10000 円 に 改 定 されて いる 4. 2006 年 の 児 童 手 当 法 改 正 により, 被 用 者 公 務 員 以 外 に 対 する 児 童 手 当 の 費 用 負 担 は, 設 問 の 内 容 の 通 りとなった 被 用 者 等 でない 者 ( 被 用 者 又 は 公 務 員 でない 者 をいう)に 対 する 児 童 手 当 の 支
7/11 給 に 要 する 費 用 は,その 三 分 の 一 に 相 当 する 額 を 国, 都 道 府 県 及 び 市 町 村 がそれぞれ 負 担 する と 規 定 されている( 児 童 手 当 法 第 18 条 第 2 項 ) なお, 被 用 者 に 対 する 児 童 手 当 についても 改 正 され, 1 一 般 事 業 主 の 負 担 は 7/10, 国 1/10, 都 道 府 県 と 市 町 村 1/10 づつ,となった 5. 各 省 各 庁 の 長 又 はその 委 任 を 受 けた 者 が 前 条 第 一 項 の 規 定 によつて 読 み 替 えられる 第 七 条 の 認 定 ( 以 下 この 項 において 単 に 認 定 という)をした 国 家 公 務 員 に 対 する 児 童 手 当 の 支 給 に 要 する 費 用 は 国 が 負 担 すると 規 定 されている ( 児 童 手 当 法 第 18 条 第 3 項 第 1 号 ) 問 題 17 介 護 保 険 制 度 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 誤 っているものを 一 つ 選 びなさい 1. 市 町 村 は, 国 の 基 本 指 針 に 即 して,3 年 を1 期 とする 市 町 村 介 護 保 険 事 業 計 画 を 定 める 2. 介 護 保 険 施 設 等 に 入 所 し, 住 所 を 施 設 所 在 地 の 市 町 村 に 変 更 した 場 合 は, 引 き 続 き 住 所 変 更 前 の 住 所 地 の 市 町 村 が 行 う 介 護 保 険 の 被 保 険 者 とする 住 所 地 特 例 がある 3. 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 や 認 知 症 対 応 型 共 同 生 活 介 護 は, 地 域 密 着 型 サービスの 一 つである 4. 国 は, 介 護 保 険 の 財 政 の 調 整 を 行 うため, 都 道 府 県 に 対 して 調 整 交 付 金 を 交 付 する 5. 政 府 は, 介 護 保 険 制 度 の 被 保 険 者 及 び 保 険 給 付 を 受 けられる 者 の 範 囲 について, 社 会 保 障 に 関 する 制 度 全 般 についての 一 体 的 な 見 直 しと 併 せて 検 討 を 行 い,その 結 果 に 基 づいて, 平 成 21 年 度 を 目 途 として 所 要 の 措 置 を 講 ずるものとされている 問 題 17: 正 答 4 1. 市 町 村 は, 基 本 指 針 に 即 して, 三 年 を 一 期 とする 当 該 市 町 村 が 行 う 介 護 保 険 事 業 に 係 る 保 険 給 付 の 円 滑 な 実 施 に 関 する 計 画 ( 以 下 市 町 村 介 護 保 険 事 業 計 画 という )を 定 めるものとする と 規 定 されている( 介 護 保 険 法 第 117 条 第 1 項 ) なお, 都 道 府 県 は, 基 本 指 針 に 即 して, 三 年 を 一 期 とす る 介 護 保 険 事 業 に 係 る 保 険 給 付 の 円 滑 な 実 施 の 支 援 に 関 する 計 画 ( 以 下 都 道 府 県 介 護 保 険 事 業 支 援 計 画 という )を 定 めるものとする と 規 定 されている( 介 護 保 険 法 第 118 条 第 1 項 ) 2. 住 所 地 特 例 施 設 (1 介 護 保 険 施 設,2 介 護 専 用 型 特 定 施 設 のうちその 入 居 定 員 が 30 人 以 上 で あるもの,3 老 人 福 祉 法 に 規 定 する 養 護 老 人 ホーム )に 入 所 入 居 によって,その 施 設 がある 場 所 に 住 所 を 変 更 した 被 保 険 者 のうち,それ 以 前 に 別 の 市 町 村 に 住 所 を 有 していたと 認 められる 人 ( 住 所 地 特 例 対 象 被 保 険 者 )については,その 以 前 の 市 町 村 の 被 保 険 者 となる ただし,2 つ 以 上 の 住 所 地 特 例 施 設 に 続 けて 転 入 した 場 合 で, 現 在 入 所 してい る 施 設 ( 現 入 所 施 設 )と,その 直 前 に 入 所 していた 施 設 ( 直 前 入 所 施 設 )の 間 で 順 次 住 所 を 変 更 した 人 ( 特 定 継 続 入 所 被 保 険 者 )については,この 限 りではない ( 介 護 保 険 法 第 13 条 第 1 項 を 参 照 のこと) 3. 介 護 給 付 ( 要 介 護 1~5)における 地 域 密 着 型 サービスの 種 類 は,1 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護, 2 認 知 症 対 応 型 共 同 生 活 介 護 ( 高 齢 者 グループホーム),3 認 知 症 対 応 型 通 所 介 護 (デイサービス), 4 夜 間 対 応 型 訪 問 介 護,5 地 域 密 着 型 特 定 施 設 入 居 者 生 活 介 護,6 地 域 密 着 型 介 護 老 人 福 祉 施 設 入 所 者 生 活 介 護 ( 小 規 模 特 養 ),である また, 予 防 給 付 ( 要 支 援 1,2)における 地 域 密 着 型 介 護 予 防
8/11 サービスの 種 類 は,1 介 護 予 防 認 知 症 対 応 型 通 所 介 護,2 介 護 予 防 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護,3 介 護 予 防 認 知 症 対 応 型 共 同 生 活 介 護,である 4. 都 道 府 県 ではなく 市 町 村 である 介 護 給 付 費 に 要 する 費 用 の 公 費 負 担 割 合 は 国 25%, 都 道 府 県 市 町 村 が 12.5%ずつであり, 国 の 負 担 のうち 約 5%は 調 整 交 付 金 として, 市 町 村 間 の 財 政 力 の 格 差 の 調 整 として 利 用 される 問 題 19 設 問 C の 解 説 を 参 照 のこと 5. 2005 年 の 介 護 保 険 法 改 正 の 国 会 審 議 で, 政 府 は, 介 護 保 険 制 度 の 被 保 険 者 及 び 保 険 給 付 を 受 けられる 者 の 範 囲 について, 社 会 保 障 に 関 する 制 度 全 般 についての 一 体 的 な 見 直 しと 併 せて 検 討 を 行 い,その 結 果 に 基 づいて, 平 成 21 年 度 を 目 途 として 所 要 の 措 置 を 講 ずるものとする との 規 定 が 附 則 に 盛 り 込 まれた 問 題 18 行 政 機 関 等 と 所 掌 事 務 の 関 係 に 関 する 次 の 語 句 の 組 み 合 わせのうち, 誤 っているものを 一 つ 選 びなさい 1. 総 務 省 私 立 学 校 教 職 員 共 済 事 業 2. 社 会 保 険 事 務 所 政 府 管 掌 健 康 保 険 事 業 3. 労 働 基 準 監 督 署 労 働 者 災 害 補 償 保 険 事 業 4. 社 会 保 障 審 議 会 社 会 保 障 人 口 問 題 5. 中 央 社 会 保 険 医 療 協 議 会 診 療 報 酬 問 題 18: 正 答 1 1. 総 務 省 ではなく 文 部 科 学 省 である 私 立 学 校 教 職 員 共 済 事 業 は, 私 立 学 校 教 職 員 共 済 法 に 基 づ いて, 日 本 私 立 学 校 振 興 共 済 事 業 団 が 共 済 制 度 を 運 営 している 2. 社 会 保 険 庁 は, 近 年 の 不 祥 事 等 により, 抜 本 的 な 組 織 改 革 を 行 うこととし,2008 年 10 月 には, 現 在 の 社 会 保 険 庁 から, 政 府 管 掌 健 康 保 険 事 業 の 運 営 を 分 離 のし, 全 国 健 康 保 険 協 会 という 新 しい 組 織 を 設 立 することとなることが 予 定 されている また,2007 年 の 通 常 国 会 に 新 たな 社 会 保 険 庁 改 革 関 連 法 案 を 提 出 する 予 定 となっている 社 会 保 険 の 相 談 窓 口 として,1 医 療 保 険 の 相 談 は 社 会 保 険 事 務 所,2 年 金 の 相 談 は, 社 会 保 険 事 務 所, 年 金 相 談 センター, 中 央 年 金 相 談 室,となってい る 3. 労 働 基 準 監 督 署 は, 労 働 基 準 法 をはじめ 労 働 安 全 衛 生 法, 労 災 保 険 法 等 の 法 律 に 基 づき, 事 業 場 に 対 する 監 督 指 導, 労 働 保 険 に 関 する 加 入 手 続 き, 労 災 保 険 の 給 付 等 の 業 務 を 行 っている 4. 社 会 保 障 審 議 会 は 厚 生 労 働 大 臣 の 諮 問 機 関 であり, 厚 生 労 働 省 発 足 に 伴 い, 社 会 保 障 関 連 の 8 審 議 会 を 統 合 再 編 し 2001 年 に 設 置 された 政 令 で 決 められた 分 科 会 と, 必 要 に 応 じ 設 置 される 部 会 で 審 議 が 行 われる 社 会 保 障 審 議 会 に, 人 口 部 会 がある 5. 中 央 社 会 保 険 医 療 協 議 会 は,1950 年 に 厚 生 労 働 省 に 設 置 され, 診 療 報 酬 や 薬 価 など 医 療 に 関 する 審 議 を 行 う 組 織 である 中 医 協 は, 保 険 者, 事 業 主 からなる 支 払 側 委 員, 医 師, 歯 科 医 師, 薬 剤
9/11 師 からなる 診 療 側 委 員, 公 益 を 代 表 する 委 員 で 構 成 される 問 題 19 社 会 保 険 の 財 源 構 成 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 正 しいものに, 誤 っているものに をつけ た 場 合,その 組 み 合 わせとして 正 しいものを 一 つ 選 びなさい A. 厚 生 年 金 保 険 の 財 源 構 成 は, 保 険 料 約 5 割, 公 費 約 5 割 である B. 政 府 管 掌 健 康 保 険 の 財 源 構 成 は, 保 険 料 約 5 割, 公 費 約 5 割 である C. 介 護 保 険 の 財 源 構 成 は, 保 険 料 約 5 割, 公 費 約 5 割 である D. 平 成 20 年 4 月 から 始 まる75 歳 以 上 を 対 象 にした 新 たな 高 齢 者 医 療 制 度 の 財 源 構 成 は, 保 険 料 約 5 割, 公 費 約 5 割 になると 見 込 まれる ( 組 み 合 わせ) A B C D 1 2 3 4 5 問 題 19: 正 答 5 A. 厚 生 年 金 の 給 付 に 要 する 費 用 は, 事 業 主 と 被 保 険 者 が 負 担 する 保 険 料, 積 立 金 の 運 用 収 入, 国 庫 負 担 によって 賄 われている 国 庫 負 担 は, 基 礎 年 金 拠 出 金 の 総 額 の 1/3~1/2 に 相 当 する 額 を 負 担 する 2004 年 度 から 国 庫 負 担 割 合 は 1/3 より 引 き 上 げられ,2009 年 度 までに 1/2 にすることとされ ている 事 務 費 については 全 額 国 庫 負 担 である B. 健 康 保 険 事 業 の 運 営 費 には, 保 険 給 付 費 ( 老 人 保 健 拠 出 金 退 職 者 給 付 拠 出 金 の 納 付 費 用 を 含 む), 介 護 納 付 金 事 業 費 事 務 費 がある 事 務 費, 老 人 保 健 拠 出 金, 保 険 給 付 費 および 介 護 納 付 金 の 43%は 国 庫 が 負 担 し,その 他 は 保 険 料 でまかなわれている C. 介 護 保 険 制 度 は, 介 護 費 用 から 利 用 者 負 担 を 除 いた 給 付 費 の 1/2 を 公 費 で, 残 り 1/2 を 被 保 険 者 の 保 険 料 で 賄 う 仕 組 みである 介 護 保 険 の 介 護 費 用 総 額 は, 公 費 + 保 険 料 + 利 用 者 負 担 であ る 介 護 保 険 の 公 費 とは, 国 費 ではなく, 国 + 都 道 府 県 + 市 町 村 で 構 成 される 問 題 17 設 問 4 の 解 説 参 照 のこと D. 2008 年 4 月 から,75 歳 以 上 (65 歳 以 上 で 一 定 の 障 害 のある 者 を 含 む)を 対 象 とする 新 たな 高 齢 者 医 療 制 度 ( 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 ) が 創 設 される,これに 伴 い 現 在 の 老 人 保 健 制 度 は 廃 止 される 都 道 府 県 の 区 域 ごとに, 全 区 市 町 村 が 加 入 して 設 立 される 広 域 連 合 が, 保 険 料 決 定, 賦 課 決 定, 医 療 給 付 等 の 事 務 を 行 い, 制 度 運 営 にあたる 保 険 料 の 徴 収 や 資 格 の 取 得 喪 失 に 係 る 窓 口 事 務 等,
10/11 被 保 険 者 の 便 益 の 増 進 に 寄 与 する 事 務 は 区 市 町 村 が 行 い, 保 険 給 付 は 現 行 の 老 人 保 健 制 度 と 同 様 に, 現 物 給 付 ( 医 療 サービスの 提 供 )および 現 金 支 給 ( 医 療 費 の 支 給 )を 行 う 財 源 構 成 は,1 公 費 ( 約 5 割 ),2 現 役 世 代 からの 支 援 ( 約 4 割 ),3 高 齢 者 保 険 料 (1 割 )となる 予 定 である 現 役 世 代 からの 支 援 は, 国 保 ( 約 4200 万 人 ) 被 用 者 保 険 ( 約 7100 万 人 )の 加 入 者 数 に 応 じた 支 援 とされる 問 題 20 社 会 保 障 制 度 に 関 する 次 の 記 述 のうち, 正 しいものを 一 つ 選 びなさい 1. 厚 生 労 働 省 の 社 会 保 障 の 給 付 と 負 担 の 将 来 見 通 し- 平 成 18 年 5 月 推 計 - によると,2015 ( 平 成 27) 年 の 社 会 保 障 給 付 費 の 総 額 は 年 間 200 兆 円 を 超 えると 見 込 まれる 2. 平 成 15 年 度 の 社 会 保 障 給 付 費 の 財 源 構 成 は, 保 険 料 収 入 よりも 公 費 の 方 が 大 きい 3. 私 的 保 険 の 原 理 の 一 つである 給 付 反 対 給 付 均 等 の 原 則 は, 社 会 保 険 においても 必 ず 成 立 す る 4. 社 会 扶 助 方 式 の 長 所 は, 社 会 保 険 方 式 より 給 付 の 権 利 性 が 強 く,その 受 給 にスティグマが 伴 わな い 点 である 5. 厚 生 労 働 省 による 平 成 14 年 所 得 再 分 配 調 査 報 告 書 によると, 社 会 保 障 制 度 はジニ 係 数 で 測 定 される 所 得 格 差 の 縮 小 に 寄 与 している 問 題 20: 正 答 5 1. 200 兆 円 を 超 える ではなく 116 兆 円 ( 医 療 制 度 改 革 等 が 実 施 された 場 合 )である 2. 保 険 料 収 入 が 公 費 よりも 多 い 社 会 保 障 財 源 の 構 成 割 合 は, 保 険 料 が 54.0%, 公 費 が 27.4%, 資 産 収 入 その 他 が 18.6%である 3. 給 付 反 対 給 付 均 等 の 原 理 は 私 的 保 険 に 固 有 のものである 保 険 金 にふさわしい 保 険 料 が 支 払 われるという 原 理 である 一 定 の 国 庫 負 担 があり, 社 会 扶 助 的 要 素 や 再 配 分 の 仕 組 みをもつ 社 会 保 険 では 必 ずしも 成 立 しない 4. 伴 わない ではなく 伴 う である ベヴァリッジ 報 告 が, 職 域 や 地 域 を 問 わない 全 国 民 による 均 一 拠 出 均 一 給 付 という 社 会 保 険 を 社 会 保 障 の 主 要 手 段 として 提 唱 したのは, 資 力 調 査 があり,スティグ マがつきまとう 社 会 扶 助 方 式 よりも, 一 定 の 拠 出 を 要 件 として 普 遍 的 な 性 格 をもつ 社 会 保 険 方 式 が 自 立 した 自 由 な 個 人 にふさわしいと 考 えられたからである 5. ジニ 係 数 やローレンツ 曲 線 は, 国 全 体 の 所 得 ( 経 済 活 動 の 成 果 )が 各 世 帯 にどのように 分 配 され ているのかを 調 べるときに, 最 もよく 用 いられる 指 標 である 近 年, 高 齢 化, 雇 用 形 態 の 変 化, 核 家 族 化 の 進 行 などに 伴 い, 世 帯 間 の 所 得 格 差 の 増 加 が 報 告 されている 経 済 協 力 開 発 機 構 (OECD) が 2005 年 に 発 表 した 調 査 結 果 によれば 日 本 のジニ 係 数 ( 所 得 分 配 不 平 等 度 ) は 0.314 で, 米 国 (0.357),ポルトガル (0.356),イタリア (0.347),ニュージーランド (0.337), 英 国 (0.326) に 次 いで 高 く, 不 平 等 性 の 高 い 国 に 入 っている 厚 生 労 働 省 は 2002 年 の 所 得 再 分 配 調 査 報 告 書 では, 社 会 保 障 で 所 得 格 差 縮 小 と 説 明 している
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