国際課税原則帰属主義



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Japan tax newsletter KPMG Tax Corporation 11 November 2013 KPMG Japan tax newsletter 国 際 課 税 原 則 帰 属 主 義 (AOA 適 用 )への 見 直 し I. 改 正 のポイントと 影 響 1. 改 正 のポイント. 2 2. 改 正 の 影 響.. 3 II. AOA 報 告 書 の 概 要 A. 外 国 法 人 課 税 1. 基 本 方 針...3 2. 国 内 源 泉 所 得.. 4 3. PE 帰 属 所 得.... 4 4. PE への 帰 属 資 本 支 払 利 子 控 除 制 限.. 5 5. 外 国 税 額 控 除.. 6 6. 文 書 化.. 6 7. 課 税 標 準 欠 損 金 6 8. PE の 閉 鎖 譲 渡 設 立 6 9. その 他... 6 B. 内 国 法 人 課 税 1. 外 国 税 額 控 除... 7 2. 国 外 PE 帰 属 所 得... 7 2013 年 10 月 24 日 政 府 税 制 調 査 会 の 国 際 課 税 ディスカッション グループの 会 合 において 国 際 課 税 原 則 の 総 合 主 義 ( 全 所 得 主 義 )から 帰 属 主 義 への 見 直 し と 題 する 報 告 書 ( 以 下 AOA 報 告 書 )が 財 務 省 により 提 出 されました 日 本 の 国 際 課 税 の 原 則 が 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 へ 見 直 されることは かねてより 税 制 改 正 大 綱 な どで 示 されていましたが AOA 報 告 書 により 本 改 正 の 具 体 的 な 方 向 性 が 示 された こととなります このニュースレターでは 同 報 告 書 の 概 要 をお 知 らせいたします

KPMG Japan tax newsletter/november 2013 2 AOA 報 告 書 は 財 務 省 主 税 局 参 事 官 の 私 的 研 究 会 として 有 識 者 によって 構 成 され た 帰 属 主 義 研 究 会 においてとりまとめられたものであり 同 報 告 書 で 示 された 改 正 の 方 向 性 は 変 更 される 可 能 性 があります 今 後 政 府 税 制 調 査 会 及 び 与 党 税 制 調 査 会 等 の 議 論 を 経 て 12 月 に 公 表 される 2014 年 度 税 制 改 正 大 綱 で 改 正 内 容 の 概 要 が 示 されたのち 来 年 3 月 の 改 正 法 案 の 国 会 通 過 により 確 定 されることが 見 込 ま れます なお 施 行 の 時 期 についてはまだ 明 らかにされていません ( 本 改 正 は 個 人 の 課 税 関 係 も 対 象 としていますが 自 国 外 に 恒 久 的 施 設 ( 以 下 PE (Permanent establishment))を 有 して 事 業 活 動 を 行 う 個 人 は 少 ないと 考 えられます ので このニュースレターでは 法 人 の 課 税 関 係 に 限 定 して 記 述 しています ) I. 改 正 のポイントと 影 響 1. 改 正 のポイント 国 際 課 税 原 則 の 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 見 直 し の 改 正 には 以 下 の 2 つの 要 素 が 含 まれています 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 変 更 PE 帰 属 所 得 の 算 定 に AOA を 適 用 (1) 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 変 更 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 変 更 は 多 くの 国 で 広 く 採 用 されている 帰 属 主 義 を 導 入 することにより 二 重 課 税 二 重 非 課 税 を 緩 和 し 日 本 が 締 結 している 租 税 条 約 との 整 合 性 を 図 ることを 目 的 としています 総 合 主 義 と 帰 属 主 義 では 国 内 に PE を 有 する 外 国 法 人 の 課 税 所 得 の 範 囲 が 異 なり ます 帰 属 主 義 のもとでは PE に 帰 属 する 国 内 事 業 所 得 が 法 人 税 の 課 税 対 象 とさ れ PE に 帰 属 しない 国 内 源 泉 所 得 については 国 内 に PE を 有 しない 外 国 法 人 と 同 様 の 課 税 ( 一 部 の 譲 渡 所 得 等 を 除 き 原 則 として 源 泉 所 得 課 税 のみ)がなされます 一 方 総 合 主 義 のもとでは 国 内 に PE を 有 する 外 国 法 人 については その PE に 帰 属 する 国 内 事 業 所 得 に( 原 則 として) 国 内 源 泉 所 得 のすべてが 合 算 され 法 人 税 の 課 税 対 象 とされます 日 本 が 締 結 している 租 税 条 約 のすべてにおいて 帰 属 主 義 が 採 用 されており 条 約 締 結 国 の 外 国 法 人 には 現 在 も 帰 属 主 義 が 適 用 されていますので この 改 正 による 影 響 はありません しかし 条 約 非 締 結 国 の 外 国 法 人 については この 改 正 により PE を 有 する 場 合 の 法 人 税 課 税 の 範 囲 が 縮 小 されることとなるほか PE を 有 しないと 理 解 していた 法 人 が PE 認 定 を 受 けた 場 合 においても PE に 帰 属 しない 国 内 源 泉 所 得 の 課 税 関 係 に 影 響 が 及 ぶことはなくなり 課 税 の 予 見 可 能 性 が 高 まることが 期 待 されま す (2) PE 帰 属 所 得 の 算 定 にAOAを 適 用 OECD モデル 租 税 条 約 の 第 7 条 ( 事 業 所 得 条 項 )では 従 前 より 帰 属 主 義 を 原 則 とし ていたものの その 解 釈 や 運 用 が 統 一 されていなかったため 二 重 課 税 二 重 非 課 税 を 効 果 的 に 排 除 することができていないという 問 題 提 起 がされていました そこで OECD は 検 討 を 重 ね PE への 利 得 の 帰 属 に 関 するレポート を 2008 年 及 び 2010 年 に 公 表 し PE 帰 属 所 得 の 算 定 方 法 として AOA ( Authorised OECD Approach/OECD 承 認 アプローチ)をとりまとめました

KPMG Japan tax newsletter/november 2013 3 AOA のもとでは PE の 果 たす 機 能 及 び 事 実 関 係 に 基 づいて 外 部 取 引 資 産 リス ク 資 本 を PE に 帰 属 させ PE と 本 店 等 との 内 部 取 引 を 認 識 し その 内 部 取 引 が 独 立 企 業 間 価 格 で 行 われたものとして PE 帰 属 所 得 を 算 定 することとなります なお OECD モデル 租 税 条 約 の 第 7 条 及 びそのコメンタリーは 2010 年 に AOA に 沿 ったものに 改 正 されましたが 現 在 締 結 されている 租 税 条 約 の 多 くが 改 正 前 の 第 7 条 ( 旧 7 条 ) 型 であることから 旧 7 条 及 びそのコメンタリー(2008 年 に 改 正 され 旧 7 条 の 条 文 に 矛 盾 しない 範 囲 で AOA を 部 分 的 に 導 入 しています )も OECD モデル 租 税 条 約 コメンタリーに 付 録 として 収 録 されています 2. 改 正 の 影 響 本 改 正 により 日 本 の 外 国 法 人 課 税 には 以 下 のような 影 響 があるものと 考 えられま す 外 国 法 人 ( 条 約 非 締 結 国 ) 外 国 法 人 ( 条 約 締 結 国 ) 国 内 PE あり 国 内 PE 帰 属 所 得 以 外 の 所 得 の 法 人 税 におけ る 合 算 課 税 がなくなる 国 内 PE 帰 属 所 得 の 計 算 変 更 あり ( 内 部 取 引 の 認 識 文 書 化 等 ) 外 国 税 額 控 除 の 導 入 国 内 PE 帰 属 所 得 の 計 算 変 更 あり ( 内 部 取 引 の 認 識 文 書 化 等 ) 外 国 税 額 控 除 の 導 入 国 内 PE なし 原 則 として 影 響 なし (PE 認 定 がなされたとしても 国 内 PE 帰 属 所 得 以 外 の 国 内 源 泉 所 得 に 係 る 課 税 関 係 の 変 更 が 生 じなくなるため 予 見 可 能 性 が 高 まる) 原 則 として 影 響 なし また 外 国 法 人 課 税 の 原 則 の 改 正 に 伴 い 内 国 法 人 についても 以 下 のような 影 響 があるものと 考 えられます 内 国 法 人 国 外 PE あり 新 たに 国 外 PE 帰 属 所 得 が 国 外 所 得 として 定 義 づけられることから 外 国 税 額 控 除 の 計 算 に 影 響 あり ( 内 部 取 引 の 認 識 文 書 化 等 ) 国 外 所 得 の 範 囲 の 定 義 変 更 により 国 外 PE 帰 属 所 得 以 外 の 所 得 に 関 する 外 国 税 額 控 除 の 計 算 にも 影 響 が 生 じる 可 能 性 あり 国 外 PE なし 国 外 所 得 の 範 囲 の 定 義 変 更 により 外 国 税 額 控 除 の 計 算 に 影 響 が 生 じる 可 能 性 あり II. AOA 報 告 書 の 概 要 AOA 報 告 書 で 示 された 本 改 正 の 概 要 は 以 下 のとおりです (AOA 報 告 書 において は 改 正 の 方 向 性 が 提 案 形 式 で 述 べられていますが ここでは 提 案 形 式 の 表 現 を 省 略 しています ) A. 外 国 法 人 課 税 1. 基 本 方 針 外 国 法 人 に 対 する 国 内 法 の 課 税 原 則 を 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 に 変 更 する 帰 属 主 義 は 基 本 的 に 2010 年 改 正 後 の OECDモデル 租 税 条 約 第 7 条 ( 新 7 条 ) と 整 合 性 を 図 るものとする

KPMG Japan tax newsletter/november 2013 4 2. 国 内 源 泉 所 得 (1) 国 内 にPEを 有 する 外 国 法 人 の 課 税 関 係 PE 帰 属 所 得 を 国 内 源 泉 所 得 として 位 置 付 ける (たとえば PE の 第 三 国 におけ る 投 資 所 得 は 現 地 国 における 課 税 の 有 無 にかかわらず 日 本 で 課 税 されること となる ) PE 帰 属 所 得 以 外 の 国 内 源 泉 所 得 は PE 帰 属 所 得 とは 分 離 して 課 税 することとし 原 則 として 国 内 に PE を 有 しない 外 国 法 人 が 得 る 国 内 源 泉 所 得 と 同 様 の 課 税 関 係 とする (2) 国 内 にPEを 有 しない 外 国 法 人 の 課 税 関 係 原 則 として 改 正 なし 3. PE 帰 属 所 得 (1) 基 本 的 考 え 方 PE 帰 属 所 得 は PE が 本 店 等 から 分 離 独 立 した 別 個 の 者 であるとした 場 合 に その PE によって 遂 行 された 機 能 使 用 された 資 産 及 び 引 き 受 けられたリスクに 基 づき 独 立 企 業 同 士 であればその PE が 取 得 したとみられる 所 得 とする (2) 単 純 購 入 非 課 税 の 規 定 PE が 本 店 等 のために 行 う 単 なる 購 入 活 動 からは 所 得 が 生 じないものとする 単 純 購 入 非 課 税 の 取 扱 いは 独 立 企 業 原 則 との 整 合 性 の 観 点 から 廃 止 する ( 旧 7 条 は 単 純 購 入 非 課 税 を 定 めているため 条 約 の 直 接 適 用 が 可 能 であるとしても 法 令 の 適 用 の 明 確 化 等 の 観 点 から 国 内 法 で 調 整 措 置 を 講 ずる ) (3) 内 部 取 引 PE 帰 属 所 得 の 計 算 上 PE と 本 店 等 との 間 で 資 産 の 移 転 役 務 の 提 供 その 他 の 行 為 があった 場 合 において 独 立 企 業 同 士 で 同 様 の 事 実 があったとしたならば 対 価 のやり 取 りが 行 われるであろうと 認 められる 事 実 があるときは その 事 実 に 即 して PE と 本 店 等 との 間 で あたかも 独 立 企 業 同 士 で 行 われた 取 引 と 同 様 の 取 引 が 行 われたものとみなす PE 帰 属 所 得 の 計 算 上 本 支 店 間 の 内 部 保 証 取 引 及 び 内 部 再 保 険 取 引 は 認 識 し ない 新 7 条 締 結 国 及 び 条 約 非 締 結 国 との 関 係 では 無 形 資 産 の 内 部 使 用 料 及 び 一 般 事 業 会 社 の 内 部 利 子 ( 以 下 内 部 使 用 料 等 )を 含 めたすべての 内 部 取 引 につ いて 益 金 算 入 損 金 算 入 とし 旧 7 条 締 結 国 との 関 係 では 内 部 取 引 のうち 内 部 使 用 料 等 に 限 って 益 金 不 算 入 損 金 不 算 入 とする 内 部 取 引 損 益 の 認 識 は 外 部 取 引 損 益 の 実 現 時 ではなく 内 部 取 引 が 行 われた ときとする 以 下 の 点 に 関 し 移 転 価 格 税 制 と 同 様 の 取 扱 いとする 内 部 取 引 価 格 と 独 立 企 業 間 価 格 が 異 なる 場 合 において PE 帰 属 所 得 が 過 少 となっているときは 取 引 価 格 を 独 立 企 業 間 価 格 に 引 き 直 して PE 帰 属 所 得 を 増 額 調 整 する

KPMG Japan tax newsletter/november 2013 5 租 税 条 約 に 基 づく 対 応 的 調 整 により PE 帰 属 所 得 の 減 額 を 行 うことは 可 能 と 考 えられる 更 正 期 限 を 延 長 する 特 例 同 業 者 に 対 する 質 問 検 査 権 及 び 推 定 課 税 につい ても 移 転 価 格 税 制 と 同 様 とする 内 部 取 引 に 関 する 法 人 税 租 税 特 別 措 置 法 上 の 取 扱 いは 以 下 のようにする 本 支 店 間 の 内 部 貸 付 は 貸 倒 引 当 金 の 対 象 外 とする 独 立 の 当 事 者 同 士 であれば 寄 附 金 と 認 識 されるような 事 象 が 本 店 と PE との 間 に 存 在 する 場 合 には これを 本 店 と PE との 間 の 寄 附 金 と 認 識 し 国 外 関 連 者 に 対 する 寄 附 金 と 同 様 に 全 額 損 金 不 算 入 とする 外 国 子 会 社 配 当 益 金 不 算 入 制 度 連 結 納 税 制 度 の 適 用 はなし 過 少 資 本 税 制 の 適 用 はないが 過 大 支 払 利 子 税 制 の 適 用 はあり 内 部 取 引 は 税 務 目 的 で 擬 制 された 取 引 であることから 企 業 に 対 して 実 際 の 対 価 のやりとりを 求 めない 内 部 取 引 の 独 立 企 業 間 価 格 算 定 については 事 前 確 認 の 対 象 とする 内 部 取 引 に 対 する 源 泉 徴 収 による 課 税 は 行 わない (4) 費 用 配 賦 ( 本 店 配 賦 経 費 ) 費 用 配 賦 については 従 来 の 費 用 配 賦 と 同 様 単 なる 費 用 配 賦 として 認 められる 額 は 本 店 等 が 外 部 に 支 払 った 実 額 を 合 理 的 な 基 準 で 支 店 に 割 り 振 った 額 までの 損 金 算 入 を 認 める ただし 費 用 配 賦 の 算 定 に 関 する 文 書 化 がなされていない 場 合 には 算 定 の 根 拠 資 料 の 提 出 がなされるまで 損 金 算 入 を 認 めない 4. PEへの 帰 属 資 本 支 払 利 子 控 除 制 限 PE が 本 店 等 から 分 離 独 立 した 企 業 であるとした 場 合 に 必 要 とされる 程 度 の 資 本 を PE に 配 賦 する PE に 配 賦 すべき 資 本 の 算 定 方 法 は 以 下 の 2 つを 基 本 とする ( 優 先 順 位 はつ けないが 継 続 適 用 を 求 める ) (i) 資 本 配 賦 アプローチ( 本 店 等 の 資 本 の 額 を 一 定 の 基 準 で PE に 配 賦 する 方 法 ) (ii) 過 少 資 本 アプローチ(PE 所 在 地 国 において 同 様 の 活 動 を 行 う 独 立 企 業 が 有 するものと 同 等 の 資 本 を PE に 帰 属 させる 方 法 ) 無 償 資 本 の 配 賦 のアプローチについても 事 前 確 認 の 対 象 とする PE で 計 上 された 負 債 利 子 総 額 のうち PE に 配 賦 された 資 本 から PE で 計 上 され た 資 本 を 控 除 した 部 分 に 対 応 する 支 払 利 子 について PE 帰 属 所 得 の 計 算 上 損 金 算 入 を 制 限 する PE 帰 属 資 本 は PE における 支 払 利 子 の 損 金 算 入 限 度 額 の 計 算 においてのみ 用 いることとし PE の 税 務 上 の 資 本 金 等 の 額 の 計 算 には 影 響 させない

KPMG Japan tax newsletter/november 2013 6 5. 外 国 税 額 控 除 外 国 法 人 の PE 帰 属 所 得 について 日 本 で 課 税 を 行 う 場 合 には 外 国 法 人 の PE が 本 店 所 在 地 国 以 外 の 第 三 国 で 稼 得 した 所 得 について 二 重 課 税 を 受 けるため PE に 対 して 外 国 税 額 控 除 を 供 与 するための 制 度 を 新 たに 設 ける 課 税 対 象 となる 国 内 源 泉 所 得 を 決 定 するソースルールとは 別 に 外 国 税 額 控 除 の 限 度 額 算 定 の 基 礎 となる 国 外 所 得 の 範 囲 を 定 義 する PE 帰 属 所 得 のうち PE 帰 属 所 得 以 外 の 所 得 に 対 するソースルールで 判 定 した 場 合 に 国 外 で 生 じたものと 認 められる 所 得 を 外 国 税 額 控 除 の 限 度 額 算 定 の 基 礎 となる 国 外 所 得 とする 6. 文 書 化 PE 帰 属 所 得 に 係 る 文 書 化 には 以 下 の 2 つのステップがある 第 1 ステップ: 内 部 取 引 及 び PE に 帰 属 する 外 部 取 引 の 認 識 のための 文 書 化 第 2 ステップ: 内 部 取 引 の 独 立 企 業 間 価 格 算 定 のための 文 書 化 第 1 ステップの 文 書 化 において 必 要 な 書 類 としては たとえば 以 下 のものが 考 えらえる 契 約 書 領 収 証 送 り 状 等 の 証 憑 類 に 相 当 する 内 部 取 引 に 関 する 書 類 内 部 取 引 の 内 容 を 記 載 した 書 類 PE 及 び 本 店 が 果 たす 機 能 及 びその 機 能 に 関 連 するリスクの 内 容 を 記 載 した 書 類 外 部 取 引 において 通 常 存 在 するであろう 契 約 書 等 の 証 憑 類 に 相 当 するものにつ いては 青 色 申 告 法 人 の 帳 簿 保 存 義 務 の 対 象 とする 7. 課 税 標 準 欠 損 金 国 内 に PE を 有 する 外 国 法 人 の 課 税 標 準 を PE 帰 属 所 得 及 び PE 非 帰 属 国 内 源 泉 所 得 の 2 区 分 とし これらの 所 得 を 通 算 しないこととする 欠 損 金 も 同 様 に 2 区 分 とする 8. PEの 閉 鎖 譲 渡 設 立 PE 閉 鎖 時 の PE 帰 属 資 産 については その 含 み 損 益 を PE 帰 属 所 得 に 加 減 算 し て 課 税 を 行 う PE 全 体 が 外 部 に 譲 渡 される 場 合 には PE が 自 らの 資 産 をすべて 売 却 したものと みなして PE 帰 属 所 得 として 課 税 する PE の 設 立 にあたって 本 店 等 から PE に 資 産 を 移 転 する 場 合 には PE では 時 価 で 資 産 を 取 得 したものと 整 理 し PE に 含 み 損 益 を 持 ち 込 まないことする 9. その 他 外 国 法 人 の PE 帰 属 所 得 及 び 税 額 計 算 に 関 して 同 族 会 社 の 行 為 計 算 否 認 に 類 似 した 租 税 回 避 防 止 規 定 を 設 ける 内 部 取 引 は 法 人 税 所 得 税 における PE 帰 属 所 得 の 算 定 の 目 的 上 認 識 するもの であるため 消 費 税 の 課 税 対 象 とはならない

KPMG Japan tax newsletter/november 2013 7 法 人 住 民 税 及 び 事 業 税 の 取 扱 いについても 原 則 として 帰 属 主 義 に 変 更 する 法 人 税 の 取 扱 いに 準 じる 方 向 で 見 直 す B. 内 国 法 人 課 税 1. 外 国 税 額 控 除 現 行 法 令 上 国 外 所 得 は 国 内 源 泉 所 得 以 外 の 所 得 と 規 定 されているだけであ るが 内 国 法 人 の 外 国 税 額 控 除 の 対 象 となる 国 外 源 泉 所 得 の 範 囲 を 明 確 にする ため 国 外 所 得 を 項 目 ごとに 定 義 する 方 式 に 改 める 国 外 PE 帰 属 所 得 は 国 外 所 得 とされる 項 目 のひとつとする 2. 国 外 PE 帰 属 所 得 国 外 PE 帰 属 所 得 の 算 定 は 外 国 法 人 の PE 帰 属 所 得 の 算 定 と 同 様 に 本 支 店 間 に 独 立 企 業 原 則 を 導 入 して 算 定 することが 原 則 であるが 以 下 の 点 に 配 慮 す ることとする 国 外 PE 帰 属 所 得 の 算 定 において 無 償 資 本 の 配 賦 計 算 をオプションとする ( 計 算 明 細 を 添 付 する 等 の 要 件 を 満 たす 場 合 に 限 って 過 大 な 利 子 を 損 金 不 算 入 とすることを 認 める ) ただし 銀 行 業 及 び 証 券 業 を 営 む 法 人 について は 別 途 規 定 が 設 けられる 内 部 取 引 に 関 して 作 成 を 求 める 文 書 のうち 外 部 取 引 において 通 常 存 在 する であろう 契 約 書 等 の 証 憑 類 に 相 当 するものについては 青 色 申 告 法 人 の 帳 簿 保 存 義 務 の 対 象 としない KPMG 税 理 士 法 人 106-6012 東 京 都 港 区 六 本 木 1-6-1 泉 ガーデンタワー TEL:03-6229-8000 FAX:03-5575-0766 530-0005 大 阪 府 大 阪 市 北 区 中 之 島 2-2-2 大 阪 中 之 島 ビル15F TEL:06-4708-5150 FAX:06-4706-3881 451-6030 愛 知 県 名 古 屋 市 西 区 牛 島 町 6-1 名 古 屋 ルーセントタワー30F TEL:052-569-5420 FAX:052-551-0580 http://tax.kpmg.or.jp/ info-tax@jp.kpmg.com The information contained herein is of a general nature and is not intended to address the circumstances of any particular individual or entity. Although we endeavor to provide accurate and timely information, there can be no guarantee that such information is accurate as of the date it is received or that it will continue to be accurate in the future. No one should act on such information without appropriate professional advice after a thorough examination of the particular situation. 2013 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG The KPMG name, logo and cutting through complexity are registered trademarks or trademarks of KPMG International.