ジョン ハスラー 1 Anki 使 用 者 の 外 国 語 学 習 の 際 に 生 じる 不 安 度 減 少 への 見 解 ジョン ハスラー カリフォルニア 州 立 大 学 モントレーベイ 校 要 旨 日 本 語 は 様 々な 言 語 の 中 で 最 も 習 得 するのに 時 間 がかかり 難 しい 言 語 の 一 つだとされている 日 本 語 を 学 ぶ 際 に 学 習 者 はひらがな かたか な 漢 字 の3つの 書 体 を 学 ばなければならない Anki は 無 料 で 誰 で もダウンロードできるフラッシュカードのようなアプリケーションで 携 帯 でもコンピューターでも 使 えるようになっている Anki は 学 習 者 に 一 日 にどのぐらいの 量 を 学 習 するかを 学 習 者 の 過 去 の 学 習 データを 基 に 自 動 的 に 決 めてくれるため 漢 字 や 単 語 文 法 等 の 学 習 の 補 助 に 適 していると 言 われている Anki は 多 くの 外 国 語 学 習 者 に 愛 用 されて おり 私 もその 愛 用 者 の 一 人 である しかし 外 国 語 を 学 ぶ 際 には 様 々 な 不 安 がつきまとう 例 えばテストを 受 ける 時 発 表 する 時 などに 不 安 度 が 高 くなる この 研 究 では Anki をいつどのように 使 うことにより 外 国 語 学 習 の 際 に 生 じる 様 々な 不 安 が 減 少 されるのかに 焦 点 を 当 ててみ た この 研 究 では89 名 の Anki 使 用 者 にアンケート 調 査 を 行 い そ の 結 果 Anki を 使 うことにより 外 国 語 学 習 の 際 に 生 じる 様 々な 不 安 度 が 減 少 されることがわかった はじめに Anki は Spaced Repetition という 理 論 のもとに 作 られたフラッシュカードの ようなアプリである Anki は 幅 広 い 年 齢 層 に 使 われている Anki にはどの ような 特 徴 があり また 利 用 者 はどんな 点 が 好 きで 愛 用 しているのであろか ま た Anki は 外 国 語 を 学 習 する 際 に 生 じる 不 安 度 にどのように 影 響 するのか この 研 究 では Anki の 利 用 者 がにどのように Anki を 使 い 外 国 語 を 学 習 する 際 に 生 じる 不 安 度 に 関 して 調 べてみた 1. 研 究 の 重 要 性 日 本 で 勉 強 していた 時 多 くの 漢 字 を 学 ばなければならなかった そのため Anki と 言 いうアプリケーションを 使 用 し 勉 強 した 言 葉 を 覚 えるために Anki は Spaced Repetition(SRS) と 言 うアイデアを 使 い 効 率 的 に 使 用 したものである
ジョン ハスラー 2 私 と 同 じ Anki のユーザーは Anki をどのように 使 っているのか また Anki がどのように 不 安 を 減 少 させのに 貢 献 しているかを 知 りたいと 思 った 2. 研 究 質 問 いつどのように Anki を 使 うことが 外 国 語 学 習 の 際 に 生 じる 不 安 度 の 減 少 に 役 立 つのか 3. 研 究 背 景 3. 1. これは 外 国 語 を 学 習 する 際 話 す 時 や 読 む 時 に 不 安 を 感 じ 学 習 成 果 に 否 定 的 な 影 響 を 及 ぼすことをいう このような 不 安 が 高 すぎると 学 業 成 績 が 下 がり 学 生 は 自 信 をなくしていく このような 不 安 度 を 測 るためには 色 々な 研 究 がなさ れておる 齋 藤 ホーエツ ガーザ 等 は 例 として 次 のような 不 安 をあげている 日 本 語 で 書 かれているページを 見 ると 不 安 を 感 じる 日 本 語 を 読 む 時 分 からない 文 法 を 見 るといらいらする 自 分 以 外 の 学 生 のほうが 自 分 より 上 手 に 思 う 他 のクラスより 日 本 語 のクラスでは 神 経 質 になり 緊 張 する クラスを 落 すのではないかと 心 配 する (Saito, Horwitz, & Garza 1999) 3. 2. Anki はフラッシュカードのようなもので 答 えを 見 て 覚 えているか い ないか を 選 択 する 覚 えていないとされたカードは 次 回 に 学 ぶように 自 動 的 に 設 定 される 覚 えていたカードは 将 来 忘 れることを 推 測 し もう 一 度 練 習 で きるように 設 定 される これが Spaced Repetition だ このように 覚 えていな いカードだけ Anki で 学 べるので 多 く 時 間 をかけないで 数 多 くのカードを 勉 強 できる Anki は 色 々なディバイスで 使 え 使 い 方 も 使 う 人 によってカスタマイ
ジョン ハスラー 3 ズできる また ユーザーはあらかじめ 作 られた 色 々な Anki カードをオンライ ン 上 で 使 うことができる 3. 3. これは Spaced Repetition System の 歴 史 だ 1885 年 に Ebbinghaus により 忘 却 曲 線 が 発 見 され 今 の Anki にいたった 3. 4. 忘 却 曲 線 はこの 図 の 緑 の 線 に 示 されているように 毎 日 勉 強 すれば どのくら い 覚 えているかを 表 したものだ 3. 5. Spaced Repetition は1939 年 に Spitzer が 初 めて 行 った 研 究 で 3600 人 の 小 学 生 に 短 い 段 落 を 読 ませ SRS を 使 った 生 徒 と 使 わなかった 生 徒 とを 比 較 し 63 日 後 に 比 べたところ SRS を 使 った 生 徒 の 方 が 記 憶 が 顕 著 に 良 かったこ とが 明 らかになった 3. 6. Graduated Interval Recall は 効 率 的 に 学 習 するためピムスラーによって 名 付 けられた1967 年 に 開 発 される 1970 年 代 には The Leitner System というフ ラッシュカードを 処 理 する 制 度 が 開 発 された 一 番 目 の 箱 は 毎 日 勉 強 しますが 二 番 目 は 一 日 おきにする カードを 復 習 する 時 正 しい 答 えは 次 の 箱 に 入 れる 間 違 えは 一 番 目 の 箱 に 動 かする Anki はコンピュータ 化 され この2つのシ ステムを 併 用 したものだ 4. 研 究 4. 1. 調 査 の 対 象 アンケートの 回 答 者 89 名 の Anki の 使 用 者 Koohii.com と Japanese Level Up から 集 めた 男 性 69 名 女 性 17 名 64.1% は 24 歳 以 上 57% は 日 本 語 のクラスをとった 4. 2. 調 査 方 法 アンケート 調 査 用 紙 を 英 語 で 作 成 し オンラインで データを 集 めた
ジョン ハスラー 4 5. 結 果 5. 1. 研 究 質 問 :いつどのように Anki を 使 うことが 外 国 語 学 習 の 際 に 生 じる 不 安 度 の 減 少 に 役 立 つのか 図 1 からもわかるように 約 55%の 回 答 者 が26 歳 から39 歳 までだった 図 1: 回 答 者 の 年 齢 図 2: 回 答 者 のクラスの 経 験 また43%の 回 答 者 は 日 本 語 のクラスをとっていない 57%のクラスをとって いる 人 たちのうち1 2 年 生 の 日 本 語 のクラスを 取 った 人 が23% 上 級 レベル の 学 生 が15% 高 校 生 は8%いた( 図 2 参 照 )
ジョン ハスラー 5 図 3: 回 答 者 の 日 本 語 の 学 習 期 間 回 答 者 の 日 本 語 の 学 習 期 間 については35%の 回 答 者 は3 年 以 上 日 本 語 を 勉 強 していることがわかった しかし この 図 からもわかるように 日 本 語 の 学 習 期 間 にかかわらず 使 用 しているようだ( 図 3 参 照 ) 図 4: Anki は 学 習 と 復 習 のどちらに 役 立 つのか Anki は 学 習 と 復 習 のどちらに 役 立 つのか について 聞 いたところ 約 100% の 人 が 復 習 に 使 っており 学 習 にも 使 っていると 答 えた 人 は80%に 及 んでいる つまり Anki は 学 習 と 復 習 の 両 方 に 役 立 つようだ( 図 4 参 照 )
ジョン ハスラー 6 図 5: Anki で 何 を 勉 強 するか Anki では 色 々なことが 勉 強 できる しかし 72%の 人 が 熟 語 を 勉 強 してお り 約 50%が 文 法 や 漢 字 以 外 の 言 葉 の 勉 強 に 使 用 している( 図 5 参 照 ) 図 6: Anki について どのようなことがいいのか では Anki はどんなことがすぐれているのでしょうか 80%の 人 は Anki の Guided Review が 一 番 好 きなようだ 二 番 目 にはアプリがただで 使 用 できるこ とである( 図 6 参 照 )
ジョン ハスラー 7 図 7: Anki について どのようなことが 悪 いのか Anki のあまり 好 きではない 点 について 聞 いたところ インターファイスが 複 雑 で 分 かり 難 いことや 使 っていてあきる 等 があげられた( 図 7 参 照 ) 5. 2. Anki と 外 国 語 不 安 度 を 減 少 するか この 質 問 について Foreign Language Reading Anxiety Survey(FLARAS) とこのキ ャップストーンの Anki の 結 果 を 比 べたいと 思 いる FLARAS は 様 々な 外 国 語 の 不 安 を 研 究 します たとえば Cognate Language(フランス 語 ) Semi-Cognate Language(ロシア 語 ) と Non Cognate Language( 日 本 語 ) を 一 緒 に 研 究 する このキャップストーンは 日 本 語 だけを 研 究 するので FLARAS の 日 本 語 の 勉 強 をする 回 答 者 だけと 比 べる FLARAS から 6つの 質 問 を 選 んだ 自 分 の 回 答 者 と FLARAS の 日 本 語 を 勉 強 する 回 答 者 の 答 えを 比 べた 読 むことに 対 する 不 安 の 質 問 が3つ 一 般 の 外 国 語 のクラスに 対 する 不 安 質 問 が2つ そして 最 後 の 質 問 は 試 験 の 不 安 についてで ある
ジョン ハスラー 8 緑 の 線 は FLARAS オレンジはこのキャップストーンの Anki についての 調 査 結 果 である 図 8: 日 本 語 で 書 かれているページを 見 ると 不 安 を 感 じる 日 本 語 で 書 かれているページを 見 ると 両 方 の 研 究 の 回 答 者 は 半 分 位 不 安 を 感 じている Anki ユーザーの12.4%は 不 安 を 全 く 感 じないと 答 えたのはおも しろいと 思 った( 図 8 参 照 ) 図 9: 日 本 語 読 む 時 分 からない 文 法 を 見 るといらいらする
ジョン ハスラー 9 また FLARAS と 比 べると 多 少 Anki 使 用 者 の 方 が 日 本 語 を 読 む 時 分 から ない 文 法 を 見 るといらいらしないということがわかり 特 に15%の Anki 使 用 者 は 全 くいらだたないようだ( 図 9 参 照 ) 図 10: 一 人 で 読 むことはいいが 音 読 する 時 不 安 を 感 じる 一 人 で 読 むことはいいが 音 読 する 時 不 安 を 感 じるということに 関 しては FLARAS と 比 べると Anki 使 用 者 のほうが 読 んでいるときに 不 安 を 感 じる ようだ( 図 10 参 照 ) 図 11: 自 分 以 外 の 学 生 のほうが 自 分 より 上 手 に 思 う
ジョン ハスラー 10 自 分 以 外 の 学 生 の 方 が 自 分 より 上 手 に 思 うかどうかに 関 しては Anki 使 用 者 より FLARAS の 回 答 者 の 方 が 不 安 を 感 じないようだ( 図 11 参 照 ) 図 12:クラスの 進 み 方 が 速 すぎてついていけるか 心 配 だ クラスの 進 み 方 が 速 すぎてついていけるか 心 配 だという 事 に 関 しては FLARAS の 方 が Anki 使 用 者 より 不 安 度 が 高 い( 図 12 参 照 ) 図 13: 試 験 のときには 気 楽 だ
ジョン ハスラー 11 試 験 に 関 しては Anki の 利 用 者 の 方 が 安 心 度 は 高 いですが どちらともいえ ないといっている45%の 利 用 者 のことも 考 慮 しなければならない( 図 13 参 照 ) 6. 結 論 この 調 査 から Anki の 利 用 者 は 確 かに 外 国 語 学 習 の 際 に 生 じる 不 安 度 への 減 少 には 貢 献 しているように 思 われる 7. 研 究 の 限 界 点 と 将 来 の 研 究 課 題 Anki の 利 用 者 は 私 がネットで 連 絡 がついた 人 にかぎるためこのけっかは 一 般 化 はできない 将 来 研 究 の 課 題 としては 利 用 者 にはそれぞれ 違 う 使 い 方 があるよ うなので 一 人 ずつインタビューし どのような 使 い 方 が 効 果 的 なのかを 調 べたい だ また Anki を 長 く うまく 利 用 している 人 がどのよう 不 安 度 に 影 響 するの かも 知 りたいですし 長 期 的 利 用 者 の 効 果 についてももっと 深 く 追 及 したい Academic Journals 参 考 文 献 Wozniak, R. (1999, January 1). Introduction to Memory Hermann Ebbinghaus (1885/1913). Retrieved April 22, 2015. Saito, Y., Horwitz, E., & Garza, T. (1999). Foreign Language Reading Anxiety. The Modern Language Journal, 83(2), 202-218. Retrieved March 12, 2015. Ebbinghaus, H. (1913). Memory: A Contribution to Experimental Psycology. Retrieved from https://books.google.com/ Spitzer, H. (1939). Studies in Retention. The Journal of Educational Psycology, Xxx(9), 641-656. Retrieved April 17, 2015, from www.gwern.net/docs/spacedrepetition/1939- spitzer.pdf Pimsleur, P. (1967). A Memory Schedule. The Modern Language Journal,51(2), 73-75. Retrieved April 16, 2015.
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