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天理大学学報 242 天理スポーツ障害予防プログラム構築に関する研究 第報 大学生スポーツ競技者におけるスポーツ外傷 障害 ならびに前十字靭帯損傷調査 神 谷 宣 広 水野みどり 前 谷 健 佑 Sports injuries in collegiate athletes of Tenri University Nobuhiro Kamiya, Midori Mizuno, Kensuke Maetani Keywords Sports injury, collegiate athlete, anterior cruciate ligament, years, cases Abstract More and more attention has been paid to sports activity in Japan these days, especially due to an expected host of Olympic Game and Paralympic Game. It is important to review sports activity from the point of sports injury, while the study of sports injury in college athletes is limited. The purpose of this study was to investigate the occurrence of injuries in collegiate athletes of Tenri University. The data is based on the insurance claim from to which includes over cases of sports injuries (age -). Over % of injuries occurred in male students and % were in Faculty of Budo and Sport studies. Injuries highly occurred in Judo > Rugby > Soccer > American Football > Hockey > Basketball > Handball > Volleyball. Injury items were joint sprain > bruise > muscle/ligament rupture > bone fracture. The joint sprain were frequently occurred in knee > ankle > back and in Judo > Rugby > Soccer. Especially, half of injuries occurred in lower extremity including knee and ankle. Anterior cruciate ligament (ACL) injury occurred higher in female (.%) than male (.%) in all sports injuries. About % of students with ACL injury received surgery for ligament reconstruction (i.e. cases), due to Rugby > Basketball > Judo > Soccer > Handball. More female occurred ACL injury in Basketball and Handball than male. Interestingly, about % of ACL injury occurred in March to May (i.e. highest in April, %). After, the case of ACL injury significantly increased compared with before. This study helps understand the characterization of sports injury in collegiate athletes, leading to an intervention of training exercise to prevent sports injuries as a next 天理大学体育学部 天理大学学生部 体育学部保健室 大学院体育研究科 Faculty of Budo and Sport studies, Tenri University Student affairs office, School infirmary Tenri University Graduate School

天理スポーツ障害予防プログラム構築に関する研究 第報 step. 緒言 成 年から平成 年までの 年間ののべ 件以上の疾病であるスポーツ活動 練習や 年東京オリンピック開催が決まり 我 試合 におけるスポーツ外傷 障害が大部分 が国のスポーツに対する取り組みが様々な点 であるが 正課授業中の受傷も非常にわずか で注目される歴史的時期を迎えているその であるが含んでいる 全体の 未満 ス 中でも スポーツ競技において怪我 外傷 ポーツ外傷 障害の種類 年齢 学年 競 障害 予防のトレーニングを意識的に行う取 技種目別疾病特性 手術の有無などを詳細に り組みは 開発途上といえる学校管理下 中 検討した有意差の検定は student t-test で 学 高校 におけるスポーツ外傷発生調査は 行い p 以下を有意差とした 日本体育協会から定期的に統計結果が報告さ 研究結果 しかしながら 大学生ア れている スリートを対象とした研究報告は少ない スポーツ外傷 障害の分布 本研究は大学生アスリートにおけるス ①H 年から H 年までの学生のべ人数合計 ポーツ外傷 障害の発生状況 頻度の調査を 名 疾患 であったスポーツ外 行い スポーツ外傷 障害予防のターゲット 傷 障害の男女別分布は 男子 名 女 を絞ることを目的とした今回 大学生アス 子 名であった 図 リートにおけるスポーツ外傷 障害の調査研 究を 年間に渡る 人以上の規模で行った 全体の約割が捻挫 靭帯損傷であり その 部位としては 足関節 膝関節 腰部が多か ったまた 前十字靭帯損傷は近年増加傾向 にあり 月の受傷が多かった競技種目別 に部位や疾患に特性があるかどうか検討する ことは 今後介入するスポーツ外傷 障害予 防プログラムの疾患ターゲットやトレーニン グ内容を定める上で有用であることが期待さ れる平成 年 月にスポーツ庁が設置され 大学との連携が期待されているが 本研究は 大学生アスリートにおける外傷 障害の全体 図 調査対象 スポーツ外傷 障害をおこし た男女の比較 合計 人 また 学年別男女分布は 以下のようであ った 図 像を理解するのに役立つものと思われる 研究方法 研究対象 本研究は 天理大学体育学部研究倫理委員 会により承認されている 審査 No 研 究資料は 本学体育学部を中心とした運動部 に所属する大学生のスポーツ外傷 障害の発 生状況を保険請求資料をもとに検討したな お この保険には学生全員が入学時から卒業 時まで継続して加入している研究対象は平 図 調査対象 学年ならびに男女の比較 合 計 人

神谷 水野 前谷 男子学生の割合は 年生 年生 年生 年生 となり の報告が見られた ④スポーツ外傷 障害の疾患別分布を示す 各学年とも割を超えた 表 疾患項目としては捻挫が最多で ②スポーツ障害 外傷の学部別分布は以下の あった ようであった 図 図 スポーツ障害 外傷の学部別分布 合計 人 注 国際学部には国際文化学部 を含む ③スポーツ外傷 障害のクラブ別の分布は以 下のようであった 表 柔道 剣道 疾患項目 疾患別発症件数 人 頻度 捻挫 挫傷 打撲 筋 腱断裂 骨折 脱臼 創傷 半月板損傷 脳しんとう 感染 その他 合計 表 スポーツ障害 外傷の疾患別の分布 合計 人 次に 捻挫をきたした体の部位の内訳を検 ラグビー 合気道 サッカー ソフトボール アメリカンフットボール レスリング ホッケー 水泳 バスケットボール 硬式テニス 捻挫をきたす上位種目は ラグビー サ ハンドボール ソフトテニス ッカーと続き これら種目で全体の バレーボール 創作ダンス に至ったこれら種目は 捻挫に対する予 空手道 馬術 硬式野球 アーチェリー 体操競技 卓球 陸上競技 弓道 バドミントン 合計 表 スポーツ障害 外傷のクラブ別の分布 単位 人 討した 図 部位としては 膝や足関節 に多く見られた また 捻挫をきたしたクラブ別分布を検討 した所 柔道が全体の を占めた 表 防や対処 処置方法について適切な行動が実 践できる様 効果的な指導ならびに啓蒙活動 が必要であると考えられる さらに 怪我の報告が多かった種目 表 において疾患項目を比較検討した 表 柔道においては捻挫の頻度が全種目の平均よ り高かったが 挫傷 打撲の頻度は低かった 一方 アメリカンフットボールでは捻挫の頻 度が低いが 挫傷 打撲の頻度 さらには骨 特に柔道 ラグビー サッカー アメリカ ンフットボールにおいて 人以上の怪我 折の頻度が高かった ⑤スポーツ外傷 障害の部位別の分布は以下

天理スポーツ障害予防プログラム構築に関する研究 第報 図 スポーツによる捻挫の部位別分布 合計 件 柔道 陸上競技 ラグビー 硬式野球 サッカー 硬式テニス アメリカンフットボール 剣道 バスケットボール レスリング ホッケー 合気道 バレーボール ソフトボール ハンドボール 水泳 空手道 創作ダンス 体操競技 ソフトテニス バドミントン 合計 表 捻挫をきたしたクラブ別の分布 合計 人 捻挫 挫傷 筋 腱 打撲 断裂 骨折 脱臼 創傷 半月板 脳震盪 損傷 感染 その他 全種目 柔道 ラグビー サッカー アメリカン フットボール 表 スポーツ障害 外傷の多かった柔道 ラグビー サッカー アメリカンフットボールの疾患項目

神谷 水野 前谷 のようであった 図 本学における前十字靭帯損傷の実態 について スポーツ外傷 障害全体の中で 下肢に起 こるものが 続いて上肢 肩 手 が 近年 膝のスポーツ障害 外傷の中でも特 であった約半数は下肢に起きている に前十字靭帯損傷が注目を集めているその ことが分かった 理由としては ①靭帯再建の手術を要するこ 次に スポーツ外傷 障害の多い上位種 とが多い ②手術後のリハビリに時間がかか 目について 表 部位別の内訳を示す 表 り試合復帰には年単位の時間を要する ③試 下肢がどのクラブで最も怪我が多く 合復帰後のパフォーマンスが必ずしも受傷前 続いて上肢 肩 手 に続く傾向であったが のレベルに戻らないことなどが挙げられる バスケットやホッケーでは上肢より頭頚部の これらの理由より 年間の限られた大学競 怪我が多かったことが特徴的であった 技生活において 前十字靭帯損傷は致命的な 図 スポーツ障害 外傷の部位別の分布 合計 件 部位 全体 柔道 ラグビー サッカー 頭頚部 肩 手 胸 腹 腰 下肢 その他 合計 アメリカンフットボール バスケットボール ホッケー バレーボール ハンドボール 表 スポーツ障害 外傷の多い上位種目の怪我の内訳

天理スポーツ障害予防プログラム構築に関する研究 第報 影響を与えると言わざるを得ない 人 で あ っ た 図 約割 の ①H 年から H 年までの前十字靭帯損傷件 受傷者が手術を受ける結果となった 数は合計 件で男女の内訳は 男子が 人 女子が 人 であ っ た 図 図 手術を受けた前十字靭帯損傷 合計 件 の内訳 ③手術受けた前十字靭帯損傷の学年別分布は 図 平成 年から 年までの前十字靭帯損傷 男女別比較 合計 人 以下のようであった 図 次に スポーツ外傷 障害の男女別のべ人 数 図 男子 人 女子 人 をそ れ ぞ れ とした場合 前十字靭帯損傷の頻度 を男女で比較した 図 男子の前十字靭帯損傷は男子怪我全体を とした場合の 女子の前十字靭帯 損傷は女子怪我全 体 を と し た 場 合 の であり 女子学生が男子学生より多く みられる傾向があったこの結果から 本学 図 手術を受けた前十字靭帯損傷の学年別分 布 合計 人 における前十字靭帯損傷は 男子の母集団に 比べ女子母集団では 倍起こりやすい怪我 であると言える 次に スポーツ外傷 障害発生件数の男女 学年別分布 図 をもとに手術を受けた前 十字靭帯損傷の頻度を男女学年別に比較した 図 男子の前十字靭帯損傷による手術頻度は男 図 前十字靭帯損傷男女別発生頻度 合計 人 ②手術に至った前十字靭帯損傷件数は 男子 が 人 中 人 女 子 が 人 中 人 であり 全体では 人中 図 スポーツ外傷 障害発生件数全体に対す る手術を受けた前十字靭帯損傷の頻度

神谷 水野 前谷 子怪我全体を とした場合の約 女 ④手術を受けた前十字靭帯損傷について ク 子の前十字靭帯損傷による手術頻度は女子怪 ラブ別の発生件数を示す 図 我全体を とした場合の であり ラグビー バスケット 柔道が上位種目 すべての学年において 女子が男子より高い であった他に サッカー ハンドボールで 発生頻度を示す結果であったこれは 前十 も多い傾向があったまた バスケット ハ 字靭帯損傷が女子に多く見られた前述結果に ンドボールは男子に比べて女子に多い傾向が 一致する 図 あったラグビー 柔道は接触型の前十字靭 また 前十字靭帯損傷のうち 手術を受け 帯損傷 バスケットボール サッカー ハン た割合の男女別学年別分布を示す 図 ドボールは非接触型の損傷が多いとされてい 前十字靭帯損傷 名のうち手術を受けた る 人の男女別学年別分布によると 手術を受け また 男女別部員数で補正した各クラブの た割合は女子に多い傾向があるようであった 前十字靭帯損傷のグラフを示す 表 H が 有意差は認められなかった 年から H 年までの 年間の資料をまと めたものである発生頻度は女子バスケット 女子ハンドボールがそれぞれ男子と比較する と多いことが明らかとなったその他 女子 ラグビーにおいても発生頻度が男子ラグビー と比べ高値を示したなお サッカーは女子 学生がいないため 全員男子学生の受傷とな った 図 手術を受けた前十字靭帯損傷の男女別学 年別分布 合計 人 図 手術を受けた前十字靭帯損傷のクラブ男女別分布 合計 人

天理スポーツ障害予防プログラム構築に関する研究 第報 年 ACL 損傷件数 部員数 クラブ名 男子 女子 ラグビー バスケット 柔道 サッカー ハンドボール 体操 バレーボール 男子 女子 発生頻度 男子 女子 表 スポーツ障害 外傷の多い上位種目の前十字靭帯損傷の頻度 ⑤手術に至った前十字靭帯損傷の受傷時期を は 人以上になることが見込まれている 月別に検討した年度初めの月が極めて H 年より増加傾向が見られたことから 多かった 図 また 月から 次に H 年の前後で比較検討を行った 図 月にかけて受傷した件数は合計 件で全 手術に至った前十字靭帯損傷は H 体の を占め 春の時期に受傷の半分以 H の年間の年平均が人 H H の 上が集中する結果であった の年間の 年間の年平均が 人 H H 次に 月に受傷した 名の学年別分布を の年間 の 年 平 均 年平均が人 H H 検討したところ どの学年にも見られたが の年 間 の 年 平 均 が人 が人 H H 年生が最も多かった 図 年までの年 であった以上より H H ④手術に至った前十字靭帯損傷の継時的推移 年までの年平均が 平均が 人 H H を検討した各年間の合計件数を比較す 人となり約 倍に増加していた p ると H 年より増加傾向にあることが分 これより H 年以降 優位には件数が増え 年 年間 の合 かった 図 H ていることが明らかであった 計は 人である本研究報告には含めてい ないが H 年月の時点ですでに手術に 至った前十字靭帯損傷件数はすでに 名い 年 年間 の合計 ることから H 図 手術を受けた前十字靭帯損傷の月別分布 合計 人

神谷 水野 前谷 図 月に受傷し手術を受けた前十字靭帯損傷の学年別分布 合計 人 年間 年間 年間 年間 図 手術を受けた前十字靭帯損傷の継時的推移 合計 人 図 手術を受けた前十字靭帯損傷の継時的推移 年平均 p 年間

天理スポーツ障害予防プログラム構築に関する研究 第報 考察 ①研究結果を確認する 見られなかったしかし どの学年も女 子が男子より頻度が高かったこれは 上記に合致する 平成 年から 年の途中までで スポー 手術に至った前十靭帯損傷のクラブ別分 ツ外傷 障害ののべ件数は 件以上で 布は ラグビー バスケットボール 柔 あった 道 サッカー ハンドボールであり 特 のべ件数の割以上が男子学生のスポー にバスケットとハンドボールで女子の割 ツ外傷 障害であったまた 学部別で 合が高かった サッカー部の女子学生は は体育学部が を占めた 在籍しない ラグビーや柔道は接触型 スポーツ外傷 障害の多い種目は 柔道 の前十字靭帯損傷であり バスケット ラグビー サッカー アメリカンフッ サッカー ハンドボールは非接触型の損 トボール ホッケー バスケットボール 傷が主な受傷機転と考えられる ハンドボール バレーボールの順であ 手術に至った前十靭帯損傷の受傷時期は ったまた 発生件数の上位種目は 月が最も多く全体の約割であった クラブの人数を補正した発生頻度におい また 月受傷の学年別分布では どの ても上位種目に入っていた 詳細は後 学年にも見られたが特に年生の受傷が 述 多かった年生になった直後の月は スポーツ外傷 障害の疾患項目としては 要注意である 捻挫が最も多く 約 挫傷 打撲 手術に至った前十靭帯損傷の頻度は 平 筋 腱断裂 骨折と続いた捻挫件数が 成 年 年に比べて平成 年 年は 多い種目は 柔道 ラグビー サッカー 有意に増加していた 約 の増加 であり 捻挫の部位としては 膝 足関 節 腰に多く見られた スポーツ外傷 障害の疾患全体の部位別 ②スポーツ外傷 障害のクラブ別の発生頻度 は以下のようであった 表 分布では 約半数が下肢に起きているこ H 年から H 年までの 年間の資料をま とが分かった続いて上肢に多かった とめたものであるなお H 年のクラブ別 平成 年から 年までの前十字靭帯損傷 在籍人数は不明であっ た表に H 年か は合計 件の報告があり 男子の前十 ら H 年までのクラブ別分布を提示したが 字靭帯損傷は男子怪我全体を とし その順序に示している柔道の怪我発生頻度 た場合の 女子の前十字靭帯損傷 が を超え 全体として在籍する年間 は 女 子 怪 我 全 体 を と し た 場 合 の の間に一度は怪我をする可能性が高いことを であり 女子学生に多くみられる 示唆している 傾向があったなお 前十字靭帯損傷が また 表で上位種目 柔道 ラグビー 女子に多い結果は先行研究に合致する サッカー アメリカンフットボール ホッケ 女性が解剖学的に骨盤が大きく内股傾向 ー は 表においても同様に上位種目に があり Q アングルが男性より大きい となった 表 図 関節弛緩性が男性より高く 前十字靭帯 クラブ部員数による補正をしても怪我の発 が力学的に男性より弱いことなどが原因 生件数と発生頻度は相関していると考えられ として報告されている る 図 R 前十字靭帯損傷の約割が手術を受けて ③スポーツ外傷 障害発生は 歳や 歳の いたが その学年別分布に大きな違いは 高校や大学入学により 練習環境や競技レ

神谷 水野 前谷 クラブ名 怪我件数 部員数 発生頻度 順位 柔道 ラグビー サッカー アメリカンフットボール ホッケー バスケットボール ハンドボール バレーボール 空手道 硬式野球 体操競技 陸上競技 バドミントン 剣道 合気道 ソフトボール レスリング 水泳 硬式テニス ソフトテニス 創作ダンス 馬術 アーチェリー 卓球 弓道 表 スポーツ障害 外傷のクラブ別の発生頻度 H H ベルが大きく変わった時期に多いと予想さ 生の方が多い傾向を示した 図 れてきた女子に限って言えば 確かに以 ④近年 前十字靭帯損傷ならびに手術を受け 前は大学年生に発生件数が多く 学年と た前十字靭帯損傷の頻度が多くなり H ともに減少する傾向が見られた 図 年以降前十字靭帯損傷で手術を受けた人数 年ならびに H H 年の年間 H H が有意に増加していることを前述した 図 あるいは年間をまとめて解析した場合 発 これは可能性として 前十字靭帯損 生件数全体における各学年の割合は年生が 傷の治療法として保存的な手術をしない方 約 であり 年生が約 であった一 法より 手術による靭帯再建術が主流とな 方 近年の女子の傾向は 年生よりも年 ったことが予想される実際 前十字靭帯

天理スポーツ障害予防プログラム構築に関する研究 第報 図 スポーツ障害 外傷のクラブ別の発生頻度 図 スポーツ障害 外傷のクラブ別の発生件数と頻度の相関

神谷 水野 前谷 競技 試合復帰が実際にどの程度実現され ているか検証する必要があると考えられる ④手術に至る前十字靭帯損傷が近年増えてい る傾向 図 から その予防をすべく 年月に外部のアスレチックトレーナーを 招いて回の講習会を行った 膝損傷予 防トレーニング 月日 月 日 天 図 スポーツ外傷 障害の 女子学年別割合 理大学体育学部 講習会に参加した学生 約 名のなかで前十字靭帯損傷で再建手 術を受けていたものは合計で 名おり そ のうちで既に 名が競技に復帰していた 手術後の現在の状態についてアンケート調 査を実施し 回復して元のパフォーマン スに戻りましたか また戻らなかった人 は何が戻らなかったのですか という質 問を行った 人中 人が競技に復帰した が パフォーマンスが受傷前と比べてもと 図 スポーツ外傷 障害の 女子学年別割合 に戻っていないと答えていた 図 また 具体的には 膝 下肢筋力の 低下や膝の動きの感覚が戻らないことが内 損傷の学生の中で手術に至った割合を経時 容として報告された 図 このアンケ 的に見てみると H 年以降増加している ートは調査人数が少ないが 前十字靭帯損 ことがわかる 図 治療法として手術 傷後の競技パフォーマンスが約半数で戻ら が選択される現状にあるが 大学競技生活 ないことを示唆すると考えられる 年間の限られた時間の中で手術療法後の 図 前十字靭帯損傷で手術に至る割合の経時的推移

天理スポーツ障害予防プログラム構築に関する研究 第報 図 前十字靭再建手術に至った学生の競技復帰後のパフォーマンスについて 図 前十字靭再建手術後 競技復帰後のパフォーマンスが戻らない内容 今後の展望 本学における怪我の特徴を踏まえた上で 開したいと考える 結語 今後その予防が大切であると思われる例え 本学スポーツアスリートにおける怪我調査 ば 前十字靭帯損傷は手術に至ると競技 試 を保険請求資料に基づき平成 年から平成 合復帰まで年から年半を要することが多 年までの 年間 のべ 件以上について行 い限られた年間の競技生活を充実させる った怪我発生頻度は 柔道 ラグビー サ ため 怪我をしない 怪我をしっかり治 ッカー アメリカンフットボール ホッケー す ための予防トレーニングや啓蒙活動を展 で高かった受傷部位は 膝や足関節に多く

神谷 水野 前谷 見られたまた 近年 前十字靭帯損傷が増 引用文献 えており その対策が必要と思われる本学 における怪我の特徴を認識する貴重な資料と 福林徹ほか 日本におけるスポー して今後活用されることを期待したいまた ツ外傷サーベランスシステムの構築 第 本研究結果は 今後介入するスポーツ外傷 報 公益財団法人日本体育協会スポ 障害予防プログラムの疾患ターゲットやトレ ーニング内容を定める上で有用であると考え られる ーツ医 科学専門委員会 福林徹ほか ジュニア期における スポーツ外傷 障害予防の取り組み 第 謝辞 報 公益財団法人日本体育協会スポ ーツ医 科学専門委員会 本研究は 平成 年月日より天理大学 飯出一秀 大学スポーツ選手にお 学術 研究 教育活動助成を受けている 天 けるスポーツ外傷 障害の現状と対策 理スポーツ障害予防プログラム構築に関する 環太平洋大学紀要 第号 研究 スポーツ障害早期診断と予防トレーニ 飯出一秀 大学スポーツ選手にお ング法 に対する研究助成に深く感謝申し けるスポーツ外傷 障害の現状と対策 上げますまた 本研究の一部を大学院体育 第報 環太平洋大学紀要 研究科年 前谷健佑が第 回日本体力医学 会大会総会にて本研究結果の一部を口頭発表 National 第号 Collegiate Athletic ( NCAA ). した 大学生エリートアスリートにおける Association スポーツ外傷 障害調査 年月 日 participation 和歌山 Indianapolis, IN, June, statistics report. ACL 損傷予防プログラムの科学的基礎 福林徹 ほか NAP