コーポレートガバナンス コード ~ 会 社 の 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 のために~ 2015 年 6 月 1 日 株 式 会 社 東 京 証 券 取 引 所
目 次 コーポレートガバナンス コードについて 基 本 原 則 一 覧 p2 p3 コーポレートガバナンス コード 第 1 章 株 主 の 権 利 平 等 性 の 確 保 第 2 章 株 主 以 外 のステークホルダーとの 適 切 な 協 働 第 3 章 適 切 な 情 報 開 示 と 透 明 性 の 確 保 第 4 章 取 締 役 会 等 の 責 務 第 5 章 株 主 との 対 話 p5 p5 p9 p12 p15 p22 資 料 編 p24-1 -
コーポレートガバナンス コードについて 本 コードにおいて コーポレートガバナンス とは 会 社 が 株 主 をはじめ 顧 客 従 業 員 地 域 社 会 等 の 立 場 を 踏 まえた 上 で 透 明 公 正 かつ 迅 速 果 断 な 意 思 決 定 を 行 う ための 仕 組 みを 意 味 する 本 コードは 実 効 的 なコーポレートガバナンスの 実 現 に 資 する 主 要 な 原 則 を 取 りまと めたものであり これらが 適 切 に 実 践 されることは それぞれの 会 社 において 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 のための 自 律 的 な 対 応 が 図 られることを 通 じて 会 社 投 資 家 ひいては 経 済 全 体 の 発 展 にも 寄 与 することとなるものと 考 えられる - 2 -
基 本 原 則 株 主 の 権 利 平 等 性 の 確 保 1. 上 場 会 社 は 株 主 の 権 利 が 実 質 的 に 確 保 されるよう 適 切 な 対 応 を 行 う とともに 株 主 がその 権 利 を 適 切 に 行 使 することができる 環 境 の 整 備 を 行 うべきである また 上 場 会 社 は 株 主 の 実 質 的 な 平 等 性 を 確 保 すべきである 少 数 株 主 や 外 国 人 株 主 については 株 主 の 権 利 の 実 質 的 な 確 保 権 利 行 使 に 係 る 環 境 や 実 質 的 な 平 等 性 の 確 保 に 課 題 や 懸 念 が 生 じやすい 面 があることから 十 分 に 配 慮 を 行 うべきである 株 主 以 外 のステークホルダーとの 適 切 な 協 働 2. 上 場 会 社 は 会 社 の 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 創 出 は 従 業 員 顧 客 取 引 先 債 権 者 地 域 社 会 をはじめとする 様 々なステーク ホルダーによるリソースの 提 供 や 貢 献 の 結 果 であることを 十 分 に 認 識 し これらのステークホルダーとの 適 切 な 協 働 に 努 めるべきである 取 締 役 会 経 営 陣 は これらのステークホルダーの 権 利 立 場 や 健 全 な 事 業 活 動 倫 理 を 尊 重 する 企 業 文 化 風 土 の 醸 成 に 向 けてリーダーシッ プを 発 揮 すべきである 適 切 な 情 報 開 示 と 透 明 性 の 確 保 3. 上 場 会 社 は 会 社 の 財 政 状 態 経 営 成 績 等 の 財 務 情 報 や 経 営 戦 略 経 営 課 題 リスクやガバナンスに 係 る 情 報 等 の 非 財 務 情 報 について 法 令 に 基 づく 開 示 を 適 切 に 行 うとともに 法 令 に 基 づく 開 示 以 外 の 情 報 提 供 にも 主 体 的 に 取 り 組 むべきである その 際 取 締 役 会 は 開 示 提 供 される 情 報 が 株 主 との 間 で 建 設 的 な 対 話 を 行 う 上 での 基 盤 となることも 踏 まえ そうした 情 報 (とりわけ 非 財 務 情 報 )が 正 確 で 利 用 者 にとって 分 かりやすく 情 報 として 有 用 性 の 高 いものとなるようにすべきである - 3 -
取 締 役 会 等 の 責 務 4. 上 場 会 社 の 取 締 役 会 は 株 主 に 対 する 受 託 者 責 任 説 明 責 任 を 踏 まえ 会 社 の 持 続 的 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 を 促 し 収 益 力 資 本 効 率 等 の 改 善 を 図 るべく (1) 企 業 戦 略 等 の 大 きな 方 向 性 を 示 すこと (2) 経 営 陣 幹 部 による 適 切 なリスクテイクを 支 える 環 境 整 備 を 行 う こと (3) 独 立 した 客 観 的 な 立 場 から 経 営 陣 ( 執 行 役 及 びいわゆる 執 行 役 員 を 含 む) 取 締 役 に 対 する 実 効 性 の 高 い 監 督 を 行 うこと をはじめとする 役 割 責 務 を 適 切 に 果 たすべきである こうした 役 割 責 務 は 監 査 役 会 設 置 会 社 (その 役 割 責 務 の 一 部 は 監 査 役 及 び 監 査 役 会 が 担 うこととなる) 指 名 委 員 会 等 設 置 会 社 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 など いずれの 機 関 設 計 を 採 用 する 場 合 にも 等 しく 適 切 に 果 たされるべきである 株 主 との 対 話 5. 上 場 会 社 は その 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 に 資 する ため 株 主 総 会 の 場 以 外 においても 株 主 との 間 で 建 設 的 な 対 話 を 行 う べきである 経 営 陣 幹 部 取 締 役 ( 社 外 取 締 役 を 含 む)は こうした 対 話 を 通 じて 株 主 の 声 に 耳 を 傾 け その 関 心 懸 念 に 正 当 な 関 心 を 払 うとともに 自 らの 経 営 方 針 を 株 主 に 分 かりやすい 形 で 明 確 に 説 明 しその 理 解 を 得 る 努 力 を 行 い 株 主 を 含 むステークホルダーの 立 場 に 関 するバランスのと れた 理 解 と そうした 理 解 を 踏 まえた 適 切 な 対 応 に 努 めるべきである - 4 -
原 則 1-1. 株 主 の 権 利 の 確 保 上 場 会 社 は 株 主 総 会 における 議 決 権 をはじめとする 株 主 の 権 利 が 実 質 的 に 確 保 さ れるよう 適 切 な 対 応 を 行 うべきである 1-11 取 締 役 会 は 株 主 総 会 において 可 決 には 至 ったものの 相 当 数 の 反 対 票 が 投 じ られた 会 社 提 案 議 案 があったと 認 めるときは 反 対 の 理 由 や 反 対 票 が 多 くなっ た 原 因 の 分 析 を 行 い 株 主 との 対 話 その 他 の 対 応 の 要 否 について 検 討 を 行 うべ きである 1-12 上 場 会 社 は 総 会 決 議 事 項 の 一 部 を 取 締 役 会 に 委 任 するよう 株 主 総 会 に 提 案 するに 当 たっては 自 らの 取 締 役 会 においてコーポレートガバナンスに 関 する 役 割 責 務 を 十 分 に 果 たし 得 るような 体 制 が 整 っているか 否 かを 考 慮 すべきで ある 他 方 で 上 場 会 社 において そうした 体 制 がしっかりと 整 っていると 判 断 する 場 合 には 上 記 の 提 案 を 行 うことが 経 営 判 断 の 機 動 性 専 門 性 の 確 保 の 観 点 から 望 ましい 場 合 があることを 考 慮 に 入 れるべきである 1-13 上 場 会 社 は 株 主 の 権 利 の 重 要 性 を 踏 まえ その 権 利 行 使 を 事 実 上 妨 げるこ とのないよう 配 慮 すべきである とりわけ 少 数 株 主 にも 認 められている 上 場 会 社 及 びその 役 員 に 対 する 特 別 な 権 利 ( 違 法 行 為 の 差 止 めや 代 表 訴 訟 提 起 に 係 る 権 利 等 )については その 権 利 行 使 の 確 保 に 課 題 や 懸 念 が 生 じやすい 面 があ ることから 十 分 に 配 慮 を 行 うべきである 原 則 1-2. 株 主 総 会 における 権 利 行 使 上 場 会 社 は 株 主 総 会 が 株 主 との 建 設 的 な 対 話 の 場 であることを 認 識 し 株 主 の 視 点 に 立 って 株 主 総 会 における 権 利 行 使 に 係 る 適 切 な 環 境 整 備 を 行 うべきである 1-21 上 場 会 社 は 株 主 総 会 において 株 主 が 適 切 な 判 断 を 行 うことに 資 すると 考 え られる 情 報 については 必 要 に 応 じ 適 確 に 提 供 すべきである 1-22 上 場 会 社 は 株 主 が 総 会 議 案 の 十 分 な 検 討 期 間 を 確 保 することができるよう 招 集 通 知 に 記 載 する 情 報 の 正 確 性 を 担 保 しつつその 早 期 発 送 に 努 めるべきであ り また 招 集 通 知 に 記 載 する 情 報 は 株 主 総 会 の 招 集 に 係 る 取 締 役 会 決 議 か ら 招 集 通 知 を 発 送 するまでの 間 に TDnet や 自 社 のウェブサイトにより 電 子 的 に 公 表 すべきである - 6 -
1-23 上 場 会 社 は 株 主 との 建 設 的 な 対 話 の 充 実 や そのための 正 確 な 情 報 提 供 等 の 観 点 を 考 慮 し 株 主 総 会 開 催 日 をはじめとする 株 主 総 会 関 連 の 日 程 の 適 切 な 設 定 を 行 うべきである 1-24 上 場 会 社 は 自 社 の 株 主 における 機 関 投 資 家 や 海 外 投 資 家 の 比 率 等 も 踏 まえ 議 決 権 の 電 子 行 使 を 可 能 とするための 環 境 作 り( 議 決 権 電 子 行 使 プラットフォ ームの 利 用 等 )や 招 集 通 知 の 英 訳 を 進 めるべきである 1-25 信 託 銀 行 等 の 名 義 で 株 式 を 保 有 する 機 関 投 資 家 等 が 株 主 総 会 において 信 託 銀 行 等 に 代 わって 自 ら 議 決 権 の 行 使 等 を 行 うことをあらかじめ 希 望 する 場 合 に 対 応 するため 上 場 会 社 は 信 託 銀 行 等 と 協 議 しつつ 検 討 を 行 うべきである 原 則 1-3. 資 本 政 策 の 基 本 的 な 方 針 上 場 会 社 は 資 本 政 策 の 動 向 が 株 主 の 利 益 に 重 要 な 影 響 を 与 え 得 ることを 踏 まえ 資 本 政 策 の 基 本 的 な 方 針 について 説 明 を 行 うべきである 原 則 1-4.いわゆる 政 策 保 有 株 式 上 場 会 社 がいわゆる 政 策 保 有 株 式 として 上 場 株 式 を 保 有 する 場 合 には 政 策 保 有 に 関 する 方 針 を 開 示 すべきである また 毎 年 取 締 役 会 で 主 要 な 政 策 保 有 についてそ のリターンとリスクなどを 踏 まえた 中 長 期 的 な 経 済 合 理 性 や 将 来 の 見 通 しを 検 証 し これを 反 映 した 保 有 のねらい 合 理 性 について 具 体 的 な 説 明 を 行 うべきである 上 場 会 社 は 政 策 保 有 株 式 に 係 る 議 決 権 の 行 使 について 適 切 な 対 応 を 確 保 するた めの 基 準 を 策 定 開 示 すべきである 原 則 1-5.いわゆる 買 収 防 衛 策 買 収 防 衛 の 効 果 をもたらすことを 企 図 してとられる 方 策 は 経 営 陣 取 締 役 会 の 保 身 を 目 的 とするものであってはならない その 導 入 運 用 については 取 締 役 会 監 査 役 は 株 主 に 対 する 受 託 者 責 任 を 全 うする 観 点 から その 必 要 性 合 理 性 をしっかり と 検 討 し 適 正 な 手 続 を 確 保 するとともに 株 主 に 十 分 な 説 明 を 行 うべきである 1-51 上 場 会 社 は 自 社 の 株 式 が 公 開 買 付 けに 付 された 場 合 には 取 締 役 会 として の 考 え 方 ( 対 抗 提 案 があればその 内 容 を 含 む)を 明 確 に 説 明 すべきであり ま た 株 主 が 公 開 買 付 けに 応 じて 株 式 を 手 放 す 権 利 を 不 当 に 妨 げる 措 置 を 講 じる - 7 -
べきではない 原 則 1-6. 株 主 の 利 益 を 害 する 可 能 性 のある 資 本 政 策 支 配 権 の 変 動 や 大 規 模 な 希 釈 化 をもたらす 資 本 政 策 ( 増 資 MBO 等 を 含 む)につ いては 既 存 株 主 を 不 当 に 害 することのないよう 取 締 役 会 監 査 役 は 株 主 に 対 す る 受 託 者 責 任 を 全 うする 観 点 から その 必 要 性 合 理 性 をしっかりと 検 討 し 適 正 な 手 続 を 確 保 するとともに 株 主 に 十 分 な 説 明 を 行 うべきである 原 則 1-7. 関 連 当 事 者 間 の 取 引 上 場 会 社 がその 役 員 や 主 要 株 主 等 との 取 引 ( 関 連 当 事 者 間 の 取 引 )を 行 う 場 合 には そうした 取 引 が 会 社 や 株 主 共 同 の 利 益 を 害 することのないよう また そうした 懸 念 を 惹 起 することのないよう 取 締 役 会 は あらかじめ 取 引 の 重 要 性 やその 性 質 に 応 じた 適 切 な 手 続 を 定 めてその 枠 組 みを 開 示 するとともに その 手 続 を 踏 まえた 監 視 ( 取 引 の 承 認 を 含 む)を 行 うべきである - 8 -
原 則 2-1. 中 長 期 的 な 企 業 価 値 向 上 の 基 礎 となる 経 営 理 念 の 策 定 上 場 会 社 は 自 らが 担 う 社 会 的 な 責 任 についての 考 え 方 を 踏 まえ 様 々なステーク ホルダーへの 価 値 創 造 に 配 慮 した 経 営 を 行 いつつ 中 長 期 的 な 企 業 価 値 向 上 を 図 るべき であり こうした 活 動 の 基 礎 となる 経 営 理 念 を 策 定 すべきである 原 則 2-2. 会 社 の 行 動 準 則 の 策 定 実 践 上 場 会 社 は ステークホルダーとの 適 切 な 協 働 やその 利 益 の 尊 重 健 全 な 事 業 活 動 倫 理 などについて 会 社 としての 価 値 観 を 示 しその 構 成 員 が 従 うべき 行 動 準 則 を 定 め 実 践 すべきである 取 締 役 会 は 行 動 準 則 の 策 定 改 訂 の 責 務 を 担 い これが 国 内 外 の 事 業 活 動 の 第 一 線 にまで 広 く 浸 透 し 遵 守 されるようにすべきである 2-21 取 締 役 会 は 行 動 準 則 が 広 く 実 践 されているか 否 かについて 適 宜 または 定 期 的 にレビューを 行 うべきである その 際 には 実 質 的 に 行 動 準 則 の 趣 旨 精 神 を 尊 重 する 企 業 文 化 風 土 が 存 在 するか 否 かに 重 点 を 置 くべきであり 形 式 的 な 遵 守 確 認 に 終 始 すべきではない 原 則 2-3. 社 会 環 境 問 題 をはじめとするサステナビリティーを 巡 る 課 題 上 場 会 社 は 社 会 環 境 問 題 をはじめとするサステナビリティー( 持 続 可 能 性 )を 巡 る 課 題 について 適 切 な 対 応 を 行 うべきである 2-31 取 締 役 会 は サステナビリティー( 持 続 可 能 性 )を 巡 る 課 題 への 対 応 は 重 要 なリスク 管 理 の 一 部 であると 認 識 し 適 確 に 対 処 するとともに 近 時 こうし た 課 題 に 対 する 要 請 関 心 が 大 きく 高 まりつつあることを 勘 案 し これらの 課 題 に 積 極 的 能 動 的 に 取 り 組 むよう 検 討 すべきである 原 則 2-4. 女 性 の 活 躍 促 進 を 含 む 社 内 の 多 様 性 の 確 保 上 場 会 社 は 社 内 に 異 なる 経 験 技 能 属 性 を 反 映 した 多 様 な 視 点 や 価 値 観 が 存 在 することは 会 社 の 持 続 的 な 成 長 を 確 保 する 上 での 強 みとなり 得 る との 認 識 に 立 ち 社 内 における 女 性 の 活 躍 促 進 を 含 む 多 様 性 の 確 保 を 推 進 すべきである - 10 -
原 則 2-5. 内 部 通 報 上 場 会 社 は その 従 業 員 等 が 不 利 益 を 被 る 危 険 を 懸 念 することなく 違 法 または 不 適 切 な 行 為 情 報 開 示 に 関 する 情 報 や 真 摯 な 疑 念 を 伝 えることができるよう また 伝 えられた 情 報 や 疑 念 が 客 観 的 に 検 証 され 適 切 に 活 用 されるよう 内 部 通 報 に 係 る 適 切 な 体 制 整 備 を 行 うべきである 取 締 役 会 は こうした 体 制 整 備 を 実 現 する 責 務 を 負 うとともに その 運 用 状 況 を 監 督 すべきである 2-51 上 場 会 社 は 内 部 通 報 に 係 る 体 制 整 備 の 一 環 として 経 営 陣 から 独 立 した 窓 口 の 設 置 ( 例 えば 社 外 取 締 役 と 監 査 役 による 合 議 体 を 窓 口 とする 等 )を 行 う べきであり また 情 報 提 供 者 の 秘 匿 と 不 利 益 取 扱 の 禁 止 に 関 する 規 律 を 整 備 すべきである - 11 -
原 則 3-1. 情 報 開 示 の 充 実 上 場 会 社 は 法 令 に 基 づく 開 示 を 適 切 に 行 うことに 加 え 会 社 の 意 思 決 定 の 透 明 性 公 正 性 を 確 保 し 実 効 的 なコーポレートガバナンスを 実 現 するとの 観 点 から ( 本 コー ドの 各 原 則 において 開 示 を 求 めている 事 項 のほか ) 以 下 の 事 項 について 開 示 し 主 体 的 な 情 報 発 信 を 行 うべきである (ⅰ) 会 社 の 目 指 すところ( 経 営 理 念 等 )や 経 営 戦 略 経 営 計 画 (ⅱ) 本 コードのそれぞれの 原 則 を 踏 まえた コーポレートガバナンスに 関 する 基 本 的 な 考 え 方 と 基 本 方 針 (ⅲ) 取 締 役 会 が 経 営 陣 幹 部 取 締 役 の 報 酬 を 決 定 するに 当 たっての 方 針 と 手 続 (ⅳ) 取 締 役 会 が 経 営 陣 幹 部 の 選 任 と 取 締 役 監 査 役 候 補 の 指 名 を 行 うに 当 たって の 方 針 と 手 続 (ⅴ) 取 締 役 会 が 上 記 (ⅳ)を 踏 まえて 経 営 陣 幹 部 の 選 任 と 取 締 役 監 査 役 候 補 の 指 名 を 行 う 際 の 個 々の 選 任 指 名 についての 説 明 3-11 上 記 の 情 報 の 開 示 に 当 たっても 取 締 役 会 は ひな 型 的 な 記 述 や 具 体 性 を 欠 く 記 述 を 避 け 利 用 者 にとって 付 加 価 値 の 高 い 記 載 となるようにすべきである 3-12 上 場 会 社 は 自 社 の 株 主 における 海 外 投 資 家 等 の 比 率 も 踏 まえ 合 理 的 な 範 囲 において 英 語 での 情 報 の 開 示 提 供 を 進 めるべきである 原 則 3-2. 外 部 会 計 監 査 人 外 部 会 計 監 査 人 及 び 上 場 会 社 は 外 部 会 計 監 査 人 が 株 主 投 資 家 に 対 して 責 務 を 負 っていることを 認 識 し 適 正 な 監 査 の 確 保 に 向 けて 適 切 な 対 応 を 行 うべきである 3-21 監 査 役 会 は 少 なくとも 下 記 の 対 応 を 行 うべきである (ⅰ) 外 部 会 計 監 査 人 候 補 を 適 切 に 選 定 し 外 部 会 計 監 査 人 を 適 切 に 評 価 する ための 基 準 の 策 定 (ⅱ) 外 部 会 計 監 査 人 に 求 められる 独 立 性 と 専 門 性 を 有 しているか 否 かにつ いての 確 認 - 13 -
3-22 取 締 役 会 及 び 監 査 役 会 は 少 なくとも 下 記 の 対 応 を 行 うべきである (ⅰ) 高 品 質 な 監 査 を 可 能 とする 十 分 な 監 査 時 間 の 確 保 (ⅱ) 外 部 会 計 監 査 人 からCEO CFO 等 の 経 営 陣 幹 部 へのアクセス( 面 談 等 )の 確 保 (ⅲ) 外 部 会 計 監 査 人 と 監 査 役 ( 監 査 役 会 への 出 席 を 含 む) 内 部 監 査 部 門 や 社 外 取 締 役 との 十 分 な 連 携 の 確 保 (ⅳ) 外 部 会 計 監 査 人 が 不 正 を 発 見 し 適 切 な 対 応 を 求 めた 場 合 や 不 備 問 題 点 を 指 摘 した 場 合 の 会 社 側 の 対 応 体 制 の 確 立 - 14 -
上 場 会 社 の 透 明 公 正 かつ 迅 速 果 断 な 意 思 決 定 を 促 す 効 果 を 持 つこととなるものと 期 待 している 原 則 4-1. 取 締 役 会 の 役 割 責 務 (1) 取 締 役 会 は 会 社 の 目 指 すところ( 経 営 理 念 等 )を 確 立 し 戦 略 的 な 方 向 付 けを 行 うことを 主 要 な 役 割 責 務 の 一 つと 捉 え 具 体 的 な 経 営 戦 略 や 経 営 計 画 等 について 建 設 的 な 議 論 を 行 うべきであり 重 要 な 業 務 執 行 の 決 定 を 行 う 場 合 には 上 記 の 戦 略 的 な 方 向 付 けを 踏 まえるべきである 4-11 取 締 役 会 は 取 締 役 会 自 身 として 何 を 判 断 決 定 し 何 を 経 営 陣 に 委 ねるの かに 関 連 して 経 営 陣 に 対 する 委 任 の 範 囲 を 明 確 に 定 め その 概 要 を 開 示 すべ きである 4-12 取 締 役 会 経 営 陣 幹 部 は 中 期 経 営 計 画 も 株 主 に 対 するコミットメントの 一 つであるとの 認 識 に 立 ち その 実 現 に 向 けて 最 善 の 努 力 を 行 うべきである 仮 に 中 期 経 営 計 画 が 目 標 未 達 に 終 わった 場 合 には その 原 因 や 自 社 が 行 った 対 応 の 内 容 を 十 分 に 分 析 し 株 主 に 説 明 を 行 うとともに その 分 析 を 次 期 以 降 の 計 画 に 反 映 させるべきである 4-13 取 締 役 会 は 会 社 の 目 指 すところ( 経 営 理 念 等 )や 具 体 的 な 経 営 戦 略 を 踏 ま え 最 高 経 営 責 任 者 等 の 後 継 者 の 計 画 (プランニング)について 適 切 に 監 督 を 行 うべきである 原 則 4-2. 取 締 役 会 の 役 割 責 務 (2) 取 締 役 会 は 経 営 陣 幹 部 による 適 切 なリスクテイクを 支 える 環 境 整 備 を 行 うことを 主 要 な 役 割 責 務 の 一 つと 捉 え 経 営 陣 からの 健 全 な 企 業 家 精 神 に 基 づく 提 案 を 歓 迎 しつつ 説 明 責 任 の 確 保 に 向 けて そうした 提 案 について 独 立 した 客 観 的 な 立 場 にお いて 多 角 的 かつ 十 分 な 検 討 を 行 うとともに 承 認 した 提 案 が 実 行 される 際 には 経 営 陣 幹 部 の 迅 速 果 断 な 意 思 決 定 を 支 援 すべきである また 経 営 陣 の 報 酬 については 中 長 期 的 な 会 社 の 業 績 や 潜 在 的 リスクを 反 映 させ 健 全 な 企 業 家 精 神 の 発 揮 に 資 するようなインセンティブ 付 けを 行 うべきである 4-21 経 営 陣 の 報 酬 は 持 続 的 な 成 長 に 向 けた 健 全 なインセンティブの 一 つとして 機 能 するよう 中 長 期 的 な 業 績 と 連 動 する 報 酬 の 割 合 や 現 金 報 酬 と 自 社 株 報 - 16 -
酬 との 割 合 を 適 切 に 設 定 すべきである 原 則 4-3. 取 締 役 会 の 役 割 責 務 (3) 取 締 役 会 は 独 立 した 客 観 的 な 立 場 から 経 営 陣 取 締 役 に 対 する 実 効 性 の 高 い 監 督 を 行 うことを 主 要 な 役 割 責 務 の 一 つと 捉 え 適 切 に 会 社 の 業 績 等 の 評 価 を 行 い その 評 価 を 経 営 陣 幹 部 の 人 事 に 適 切 に 反 映 すべきである また 取 締 役 会 は 適 時 かつ 正 確 な 情 報 開 示 が 行 われるよう 監 督 を 行 うとともに 内 部 統 制 やリスク 管 理 体 制 を 適 切 に 整 備 すべきである 更 に 取 締 役 会 は 経 営 陣 支 配 株 主 等 の 関 連 当 事 者 と 会 社 との 間 に 生 じ 得 る 利 益 相 反 を 適 切 に 管 理 すべきである 4-31 取 締 役 会 は 経 営 陣 幹 部 の 選 任 や 解 任 について 会 社 の 業 績 等 の 評 価 を 踏 ま え 公 正 かつ 透 明 性 の 高 い 手 続 に 従 い 適 切 に 実 行 すべきである 4-32 コンプライアンスや 財 務 報 告 に 係 る 内 部 統 制 や 先 を 見 越 したリスク 管 理 体 制 の 整 備 は 適 切 なリスクテイクの 裏 付 けとなり 得 るものであるが 取 締 役 会 は これらの 体 制 の 適 切 な 構 築 や その 運 用 が 有 効 に 行 われているか 否 かの 監 督 に 重 点 を 置 くべきであり 個 別 の 業 務 執 行 に 係 るコンプライアンスの 審 査 に 終 始 すべきではない 原 則 4-4. 監 査 役 及 び 監 査 役 会 の 役 割 責 務 監 査 役 及 び 監 査 役 会 は 取 締 役 の 職 務 の 執 行 の 監 査 外 部 会 計 監 査 人 の 選 解 任 や 監 査 報 酬 に 係 る 権 限 の 行 使 などの 役 割 責 務 を 果 たすに 当 たって 株 主 に 対 する 受 託 者 責 任 を 踏 まえ 独 立 した 客 観 的 な 立 場 において 適 切 な 判 断 を 行 うべきである また 監 査 役 及 び 監 査 役 会 に 期 待 される 重 要 な 役 割 責 務 には 業 務 監 査 会 計 監 査 をはじめとするいわば 守 りの 機 能 があるが こうした 機 能 を 含 め その 役 割 責 務 を 十 分 に 果 たすためには 自 らの 守 備 範 囲 を 過 度 に 狭 く 捉 えることは 適 切 でなく 能 動 的 積 極 的 に 権 限 を 行 使 し 取 締 役 会 においてあるいは 経 営 陣 に 対 して 適 切 に 意 見 を 述 べるべきである 4-41 監 査 役 会 は 会 社 法 により その 半 数 以 上 を 社 外 監 査 役 とすること 及 び 常 勤 の 監 査 役 を 置 くことの 双 方 が 求 められていることを 踏 まえ その 役 割 責 務 を 十 分 に 果 たすとの 観 点 から 前 者 に 由 来 する 強 固 な 独 立 性 と 後 者 が 保 有 する 高 度 な 情 報 収 集 力 とを 有 機 的 に 組 み 合 わせて 実 効 性 を 高 めるべきである また - 17 -
監 査 役 または 監 査 役 会 は 社 外 取 締 役 が その 独 立 性 に 影 響 を 受 けることなく 情 報 収 集 力 の 強 化 を 図 ることができるよう 社 外 取 締 役 との 連 携 を 確 保 すべき である 原 則 4-5. 取 締 役 監 査 役 等 の 受 託 者 責 任 上 場 会 社 の 取 締 役 監 査 役 及 び 経 営 陣 は それぞれの 株 主 に 対 する 受 託 者 責 任 を 認 識 し ステークホルダーとの 適 切 な 協 働 を 確 保 しつつ 会 社 や 株 主 共 同 の 利 益 のため に 行 動 すべきである 原 則 4-6. 経 営 の 監 督 と 執 行 上 場 会 社 は 取 締 役 会 による 独 立 かつ 客 観 的 な 経 営 の 監 督 の 実 効 性 を 確 保 すべく 業 務 の 執 行 には 携 わらない 業 務 の 執 行 と 一 定 の 距 離 を 置 く 取 締 役 の 活 用 について 検 討 すべきである 原 則 4-7. 独 立 社 外 取 締 役 の 役 割 責 務 上 場 会 社 は 独 立 社 外 取 締 役 には 特 に 以 下 の 役 割 責 務 を 果 たすことが 期 待 され ることに 留 意 しつつ その 有 効 な 活 用 を 図 るべきである (ⅰ) 経 営 の 方 針 や 経 営 改 善 について 自 らの 知 見 に 基 づき 会 社 の 持 続 的 な 成 長 を 促 し 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 を 図 る との 観 点 からの 助 言 を 行 うこと (ⅱ) 経 営 陣 幹 部 の 選 解 任 その 他 の 取 締 役 会 の 重 要 な 意 思 決 定 を 通 じ 経 営 の 監 督 を 行 うこと (ⅲ) 会 社 と 経 営 陣 支 配 株 主 等 との 間 の 利 益 相 反 を 監 督 すること (ⅳ) 経 営 陣 支 配 株 主 から 独 立 した 立 場 で 少 数 株 主 をはじめとするステークホ ルダーの 意 見 を 取 締 役 会 に 適 切 に 反 映 させること 原 則 4-8. 独 立 社 外 取 締 役 の 有 効 な 活 用 独 立 社 外 取 締 役 は 会 社 の 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 に 寄 与 するよう に 役 割 責 務 を 果 たすべきであり 上 場 会 社 はそのような 資 質 を 十 分 に 備 えた 独 立 社 外 取 締 役 を 少 なくとも2 名 以 上 選 任 すべきである また 業 種 規 模 事 業 特 性 機 関 設 計 会 社 をとりまく 環 境 等 を 総 合 的 に 勘 案 し て 自 主 的 な 判 断 により 少 なくとも3 分 の1 以 上 の 独 立 社 外 取 締 役 を 選 任 すること が 必 要 と 考 える 上 場 会 社 は 上 記 にかかわらず そのための 取 組 み 方 針 を 開 示 すべき - 18 -
である 4-81 独 立 社 外 取 締 役 は 取 締 役 会 における 議 論 に 積 極 的 に 貢 献 するとの 観 点 から 例 えば 独 立 社 外 者 のみを 構 成 員 とする 会 合 を 定 期 的 に 開 催 するなど 独 立 し た 客 観 的 な 立 場 に 基 づく 情 報 交 換 認 識 共 有 を 図 るべきである 4-82 独 立 社 外 取 締 役 は 例 えば 互 選 により 筆 頭 独 立 社 外 取 締 役 を 決 定 する ことなどにより 経 営 陣 との 連 絡 調 整 や 監 査 役 または 監 査 役 会 との 連 携 に 係 る 体 制 整 備 を 図 るべきである 原 則 4-9. 独 立 社 外 取 締 役 の 独 立 性 判 断 基 準 及 び 資 質 取 締 役 会 は 金 融 商 品 取 引 所 が 定 める 独 立 性 基 準 を 踏 まえ 独 立 社 外 取 締 役 となる 者 の 独 立 性 をその 実 質 面 において 担 保 することに 主 眼 を 置 いた 独 立 性 判 断 基 準 を 策 定 開 示 すべきである また 取 締 役 会 は 取 締 役 会 における 率 直 活 発 で 建 設 的 な 検 討 への 貢 献 が 期 待 できる 人 物 を 独 立 社 外 取 締 役 の 候 補 者 として 選 定 するよう 努 めるべ きである 原 則 4-10. 任 意 の 仕 組 みの 活 用 上 場 会 社 は 会 社 法 が 定 める 会 社 の 機 関 設 計 のうち 会 社 の 特 性 に 応 じて 最 も 適 切 な 形 態 を 採 用 するに 当 たり 必 要 に 応 じて 任 意 の 仕 組 みを 活 用 することにより 統 治 機 能 の 更 なる 充 実 を 図 るべきである 4-101 上 場 会 社 が 監 査 役 会 設 置 会 社 または 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 であって 独 立 社 外 取 締 役 が 取 締 役 会 の 過 半 数 に 達 していない 場 合 には 経 営 陣 幹 部 取 締 役 の 指 名 報 酬 などに 係 る 取 締 役 会 の 機 能 の 独 立 性 客 観 性 と 説 明 責 任 を 強 化 する ため 例 えば 取 締 役 会 の 下 に 独 立 社 外 取 締 役 を 主 要 な 構 成 員 とする 任 意 の 諮 問 委 員 会 を 設 置 することなどにより 指 名 報 酬 などの 特 に 重 要 な 事 項 に 関 す る 検 討 に 当 たり 独 立 社 外 取 締 役 の 適 切 な 関 与 助 言 を 得 るべきである 原 則 4-11. 取 締 役 会 監 査 役 会 の 実 効 性 確 保 のための 前 提 条 件 取 締 役 会 は その 役 割 責 務 を 実 効 的 に 果 たすための 知 識 経 験 能 力 を 全 体 とし - 19 -
てバランス 良 く 備 え 多 様 性 と 適 正 規 模 を 両 立 させる 形 で 構 成 されるべきである ま た 監 査 役 には 財 務 会 計 に 関 する 適 切 な 知 見 を 有 している 者 が1 名 以 上 選 任 され るべきである 取 締 役 会 は 取 締 役 会 全 体 としての 実 効 性 に 関 する 分 析 評 価 を 行 うことなどによ り その 機 能 の 向 上 を 図 るべきである 4-111 取 締 役 会 は 取 締 役 会 の 全 体 としての 知 識 経 験 能 力 のバランス 多 様 性 及 び 規 模 に 関 する 考 え 方 を 定 め 取 締 役 の 選 任 に 関 する 方 針 手 続 と 併 せて 開 示 すべきである 4-112 社 外 取 締 役 社 外 監 査 役 をはじめ 取 締 役 監 査 役 は その 役 割 責 務 を 適 切 に 果 たすために 必 要 となる 時 間 労 力 を 取 締 役 監 査 役 の 業 務 に 振 り 向 ける べきである こうした 観 点 から 例 えば 取 締 役 監 査 役 が 他 の 上 場 会 社 の 役 員 を 兼 任 する 場 合 には その 数 は 合 理 的 な 範 囲 にとどめるべきであり 上 場 会 社 は その 兼 任 状 況 を 毎 年 開 示 すべきである 4-113 取 締 役 会 は 毎 年 各 取 締 役 の 自 己 評 価 なども 参 考 にしつつ 取 締 役 会 全 体 の 実 効 性 について 分 析 評 価 を 行 い その 結 果 の 概 要 を 開 示 すべきである 原 則 4-12. 取 締 役 会 における 審 議 の 活 性 化 取 締 役 会 は 社 外 取 締 役 による 問 題 提 起 を 含 め 自 由 闊 達 で 建 設 的 な 議 論 意 見 交 換 を 尊 ぶ 気 風 の 醸 成 に 努 めるべきである 4-121 取 締 役 会 は 会 議 運 営 に 関 する 下 記 の 取 扱 いを 確 保 しつつ その 審 議 の 活 性 化 を 図 るべきである (ⅰ) 取 締 役 会 の 資 料 が 会 日 に 十 分 に 先 立 って 配 布 されるようにすること (ⅱ) 取 締 役 会 の 資 料 以 外 にも 必 要 に 応 じ 会 社 から 取 締 役 に 対 して 十 分 な 情 報 が( 適 切 な 場 合 には 要 点 を 把 握 しやすいように 整 理 分 析 された 形 で) 提 供 されるようにすること (ⅲ) 年 間 の 取 締 役 会 開 催 スケジュールや 予 想 される 審 議 事 項 について 決 定 し ておくこと (ⅳ) 審 議 項 目 数 や 開 催 頻 度 を 適 切 に 設 定 すること (ⅴ) 審 議 時 間 を 十 分 に 確 保 すること - 20 -
原 則 4-13. 情 報 入 手 と 支 援 体 制 取 締 役 監 査 役 は その 役 割 責 務 を 実 効 的 に 果 たすために 能 動 的 に 情 報 を 入 手 すべきであり 必 要 に 応 じ 会 社 に 対 して 追 加 の 情 報 提 供 を 求 めるべきである また 上 場 会 社 は 人 員 面 を 含 む 取 締 役 監 査 役 の 支 援 体 制 を 整 えるべきである 取 締 役 会 監 査 役 会 は 各 取 締 役 監 査 役 が 求 める 情 報 の 円 滑 な 提 供 が 確 保 されて いるかどうかを 確 認 すべきである 4-131 社 外 取 締 役 を 含 む 取 締 役 は 透 明 公 正 かつ 迅 速 果 断 な 会 社 の 意 思 決 定 に 資 するとの 観 点 から 必 要 と 考 える 場 合 には 会 社 に 対 して 追 加 の 情 報 提 供 を 求 めるべきである また 社 外 監 査 役 を 含 む 監 査 役 は 法 令 に 基 づく 調 査 権 限 を 行 使 することを 含 め 適 切 に 情 報 入 手 を 行 うべきである 4-132 取 締 役 監 査 役 は 必 要 と 考 える 場 合 には 会 社 の 費 用 において 外 部 の 専 門 家 の 助 言 を 得 ることも 考 慮 すべきである 4-133 上 場 会 社 は 内 部 監 査 部 門 と 取 締 役 監 査 役 との 連 携 を 確 保 すべきである また 上 場 会 社 は 例 えば 社 外 取 締 役 社 外 監 査 役 の 指 示 を 受 けて 会 社 の 情 報 を 適 確 に 提 供 できるよう 社 内 との 連 絡 調 整 にあたる 者 の 選 任 など 社 外 取 締 役 や 社 外 監 査 役 に 必 要 な 情 報 を 適 確 に 提 供 するための 工 夫 を 行 うべきである 原 則 4-14. 取 締 役 監 査 役 のトレーニング 新 任 者 をはじめとする 取 締 役 監 査 役 は 上 場 会 社 の 重 要 な 統 治 機 関 の 一 翼 を 担 う 者 として 期 待 される 役 割 責 務 を 適 切 に 果 たすため その 役 割 責 務 に 係 る 理 解 を 深 めるとともに 必 要 な 知 識 の 習 得 や 適 切 な 更 新 等 の 研 鑽 に 努 めるべきである このた め 上 場 会 社 は 個 々の 取 締 役 監 査 役 に 適 合 したトレーニングの 機 会 の 提 供 斡 旋 やその 費 用 の 支 援 を 行 うべきであり 取 締 役 会 は こうした 対 応 が 適 切 にとられてい るか 否 かを 確 認 すべきである 4-141 社 外 取 締 役 社 外 監 査 役 を 含 む 取 締 役 監 査 役 は 就 任 の 際 には 会 社 の 事 業 財 務 組 織 等 に 関 する 必 要 な 知 識 を 取 得 し 取 締 役 監 査 役 に 求 められる 役 割 と 責 務 ( 法 的 責 任 を 含 む)を 十 分 に 理 解 する 機 会 を 得 るべきであり 就 任 後 においても 必 要 に 応 じ これらを 継 続 的 に 更 新 する 機 会 を 得 るべきである 4-142 上 場 会 社 は 取 締 役 監 査 役 に 対 するトレーニングの 方 針 について 開 示 を 行 うべきである - 21 -
原 則 5-1. 株 主 との 建 設 的 な 対 話 に 関 する 方 針 上 場 会 社 は 株 主 からの 対 話 ( 面 談 )の 申 込 みに 対 しては 会 社 の 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 に 資 するよう 合 理 的 な 範 囲 で 前 向 きに 対 応 すべきであ る 取 締 役 会 は 株 主 との 建 設 的 な 対 話 を 促 進 するための 体 制 整 備 取 組 みに 関 する 方 針 を 検 討 承 認 し 開 示 すべきである 5-11 株 主 との 実 際 の 対 話 ( 面 談 )の 対 応 者 については 株 主 の 希 望 と 面 談 の 主 な 関 心 事 項 も 踏 まえた 上 で 合 理 的 な 範 囲 で 経 営 陣 幹 部 または 取 締 役 ( 社 外 取 締 役 を 含 む)が 面 談 に 臨 むことを 基 本 とすべきである 5-12 株 主 との 建 設 的 な 対 話 を 促 進 するための 方 針 には 少 なくとも 以 下 の 点 を 記 載 すべきである (ⅰ) 株 主 との 対 話 全 般 について 下 記 (ⅱ)~(ⅴ)に 記 載 する 事 項 を 含 めその 統 括 を 行 い 建 設 的 な 対 話 が 実 現 するように 目 配 りを 行 う 経 営 陣 または 取 締 役 の 指 定 (ⅱ) 対 話 を 補 助 する 社 内 のIR 担 当 経 営 企 画 総 務 財 務 経 理 法 務 部 門 等 の 有 機 的 な 連 携 のための 方 策 (ⅲ) 個 別 面 談 以 外 の 対 話 の 手 段 ( 例 えば 投 資 家 説 明 会 やIR 活 動 )の 充 実 に 関 する 取 組 み (ⅳ) 対 話 において 把 握 された 株 主 の 意 見 懸 念 の 経 営 陣 幹 部 や 取 締 役 会 に 対 する 適 切 かつ 効 果 的 なフィードバックのための 方 策 (ⅴ) 対 話 に 際 してのインサイダー 情 報 の 管 理 に 関 する 方 策 5-13 上 場 会 社 は 必 要 に 応 じ 自 らの 株 主 構 造 の 把 握 に 努 めるべきであり 株 主 も こうした 把 握 作 業 にできる 限 り 協 力 することが 望 ましい 原 則 5-2. 経 営 戦 略 や 経 営 計 画 の 策 定 公 表 経 営 戦 略 や 経 営 計 画 の 策 定 公 表 に 当 たっては 収 益 計 画 や 資 本 政 策 の 基 本 的 な 方 針 を 示 すとともに 収 益 力 資 本 効 率 等 に 関 する 目 標 を 提 示 し その 実 現 のために 経 営 資 源 の 配 分 等 に 関 し 具 体 的 に 何 を 実 行 するのかについて 株 主 に 分 かりやすい 言 葉 論 理 で 明 確 に 説 明 を 行 うべきである - 23 -
資 料 編
資 料 編 コーポレートガバナンス コードの 策 定 に 関 する 有 識 者 会 議 2015 年 3 月 5 日 現 在 座 長 池 尾 和 人 慶 應 義 塾 大 学 経 済 学 部 教 授 メンバー 内 田 章 東 レ 常 務 取 締 役 太 田 順 司 大 場 昭 義 小 口 俊 朗 神 田 秀 樹 スコット キャロン 公 益 社 団 法 人 日 本 監 査 役 協 会 最 高 顧 問 東 京 海 上 アセットマネジメント 代 表 取 締 役 社 長 カ ハ ナンス フォー オーナース シ ャハ ン 代 表 取 締 役 東 京 大 学 大 学 院 法 学 政 治 学 研 究 科 教 授 日 本 コーポレート ガバナンス ネットワーク 理 事 武 井 一 浩 弁 護 士 ( 西 村 あさひ 法 律 事 務 所 ) 冨 山 和 彦 中 村 美 華 堀 江 貞 之 松 井 忠 三 森 公 高 アドバイザー マッツ イサクソン ( 国 際 機 関 ) 経 営 共 創 基 盤 代 表 取 締 役 CEO セフ ン&アイ ホールテ ィンク ス 法 務 部 法 務 シニアオフィサー 野 村 総 合 研 究 所 上 席 研 究 員 良 品 計 画 代 表 取 締 役 会 長 日 本 公 認 会 計 士 協 会 会 長 Head, Corporate Affairs Division, OECD 幹 事 坂 本 三 郎 法 務 省 大 臣 官 房 参 事 官 中 原 裕 彦 経 済 産 業 省 経 済 産 業 政 策 局 産 業 組 織 課 長 ( 敬 称 略 五 十 音 順 ) 事 務 局 金 融 庁 東 京 証 券 取 引 所 - 25 -
資 料 編 コーポレートガバナンス コード 原 案 序 文 コーポレートガバナンス コードの 策 定 に 関 する 有 識 者 会 議 2015 年 3 月 5 日 経 緯 及 び 背 景 1. 我 が 国 におけるコーポレートガバナンスを 巡 る 取 組 みは 近 年 大 きく 加 速 して いる 2. 平 成 25 年 6 月 に 閣 議 決 定 された 日 本 再 興 戦 略 においては 機 関 投 資 家 が 対 話 を 通 じて 企 業 の 中 長 期 的 な 成 長 を 促 すなど 受 託 者 責 任 を 果 たすための 原 則 ( 日 本 版 スチュワードシップ コード)について 検 討 し 取 りまとめる との 施 策 が 盛 り 込 まれた これを 受 けて 平 成 25 年 8 月 金 融 庁 に 設 置 された 日 本 版 スチュワ ードシップ コードに 関 する 有 識 者 検 討 会 において 検 討 が 開 始 され 平 成 26 年 2 月 に 責 任 ある 機 関 投 資 家 の 諸 原 則 日 本 版 スチュワードシップ コード ( 以 下 序 文 において スチュワードシップ コード という )が 策 定 公 表 され 実 施 に 移 されている また 法 務 省 法 制 審 議 会 は 平 成 24 年 9 月 に 会 社 法 制 の 見 直 しに 関 する 要 綱 を 採 択 したが その 後 社 外 取 締 役 を 選 任 しない 場 合 における 説 明 義 務 に 関 する 規 定 なども 盛 り 込 んだ 上 で 会 社 法 改 正 案 が 国 会 に 提 出 され 平 成 26 年 6 月 に 可 決 成 立 している 3. 更 に 上 記 の 日 本 再 興 戦 略 においては 国 内 の 証 券 取 引 所 に 対 し 上 場 基 準 における 社 外 取 締 役 の 位 置 付 けや 収 益 性 や 経 営 面 での 評 価 が 高 い 銘 柄 のインデッ クスの 設 定 など コーポレートガバナンスの 強 化 につながる 取 組 を 働 きかける と の 施 策 も 盛 り 込 まれていたが これを 受 けて 日 本 取 引 所 グループにおいて 資 本 の 効 率 的 活 用 や 投 資 者 を 意 識 した 経 営 観 点 など グローバルな 投 資 基 準 に 求 められ る 諸 要 件 を 満 たした 投 資 者 にとって 投 資 魅 力 の 高 い 会 社 で 構 成 される 新 しい 株 価 指 数 である JPX 日 経 インデックス 400 が 設 定 され 平 成 26 年 1 月 6 日 より 算 出 が 開 始 されている 4. こうした 中 平 成 26 年 6 月 に 閣 議 決 定 された 日 本 再 興 戦 略 改 訂 2014 にお いて 東 京 証 券 取 引 所 と 金 融 庁 を 共 同 事 務 局 とする 有 識 者 会 議 において 秋 頃 まで を 目 途 に 基 本 的 な 考 え 方 を 取 りまとめ 東 京 証 券 取 引 所 が 来 年 の 株 主 総 会 のシー ズンに 間 に 合 うよう 新 たに コーポレートガバナンス コード を 策 定 することを 支 援 する との 施 策 が 盛 り 込 まれた これを 受 けて 平 成 26 年 8 月 金 融 庁 東 京 証 券 取 引 所 を 共 同 事 務 局 とする コーポレートガバナンス コードの 策 定 に 関 する 有 識 者 会 議 ( 以 下 本 有 識 者 会 議 という )が 設 置 された 本 有 識 者 会 議 は 8-26 -
資 料 編 月 から 計 9 回 にわたり 議 論 を 重 ね 今 般 コーポレートガバナンス コードの 策 定 に 関 する 基 本 的 な 考 え 方 を コーポレートガバナンス コード( 原 案 ) ( 以 下 本 コード( 原 案 ) という )の 形 で 取 りまとめた なお 日 本 再 興 戦 略 改 訂 2014 において コードの 策 定 に 当 たっては OECD コーポレート ガバナンス 原 則 を 踏 まえるものとすると 明 記 されたことを 受 けて 本 有 識 者 会 議 は 同 原 則 の 内 容 に 沿 っ て 議 論 を 行 ってきており 本 コード( 原 案 )の 内 容 は 同 原 則 の 趣 旨 を 踏 まえたもの となっている また 本 コード( 原 案 )の 取 りまとめに 当 たっては 和 英 両 文 によ るパブリック コメントを 実 施 し 和 文 については 80 の 個 人 団 体 から 英 文 につ いては 41 の 個 人 団 体 から 充 実 した 意 見 が 寄 せられた 本 有 識 者 会 議 は これらの 意 見 についても 議 論 を 行 い 本 コード( 原 案 )の 取 りまとめに 反 映 させていただい た 5. 今 後 東 京 証 券 取 引 所 において 日 本 再 興 戦 略 改 訂 2014 を 踏 まえ 関 連 す る 上 場 規 則 等 の 改 正 を 行 うとともに 本 コード( 原 案 )をその 内 容 とする コーポ レートガバナンス コード を 制 定 することが 期 待 される 本 コード( 原 案 )の 目 的 6. 本 コード( 原 案 )は 日 本 再 興 戦 略 改 訂 2014 に 基 づき 我 が 国 の 成 長 戦 略 の 一 環 として 策 定 されるものである 冒 頭 に 掲 げたように 本 コード( 原 案 )にお いて コーポレートガバナンス とは 会 社 が 株 主 をはじめ 顧 客 従 業 員 地 域 社 会 等 の 立 場 を 踏 まえた 上 で 透 明 公 正 かつ 迅 速 果 断 な 意 思 決 定 を 行 うための 仕 組 みを 意 味 しており こうした 認 識 の 下 本 コード( 原 案 )には 実 効 的 なコー ポレートガバナンスの 実 現 に 資 する 主 要 な 原 則 を 盛 り 込 んでいる 7. 会 社 は 株 主 から 経 営 を 付 託 された 者 としての 責 任 ( 受 託 者 責 任 )をはじめ 様 々 なステークホルダーに 対 する 責 務 を 負 っていることを 認 識 して 運 営 されることが 重 要 である 本 コード( 原 案 )は こうした 責 務 に 関 する 説 明 責 任 を 果 たすことを 含 め 会 社 の 意 思 決 定 の 透 明 性 公 正 性 を 担 保 しつつ これを 前 提 とした 会 社 の 迅 速 果 断 な 意 思 決 定 を 促 すことを 通 じて いわば 攻 めのガバナンス の 実 現 を 目 指 す ものである 本 コード( 原 案 )では 会 社 におけるリスクの 回 避 抑 制 や 不 祥 事 の 防 止 といった 側 面 を 過 度 に 強 調 するのではなく むしろ 健 全 な 企 業 家 精 神 の 発 揮 を 促 し 会 社 の 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 を 図 ることに 主 眼 を 置 いて いる 本 コード( 原 案 )には 株 主 に 対 する 受 託 者 責 任 やステークホルダーに 対 する 責 務 を 踏 まえ 一 定 の 規 律 を 求 める 記 載 が 含 まれているが これらを 会 社 の 事 業 活 動 に 対 する 制 約 と 捉 えることは 適 切 ではない むしろ 仮 に 会 社 においてガバナン スに 関 する 機 能 が 十 分 に 働 かないような 状 況 が 生 じれば 経 営 の 意 思 決 定 過 程 の 合 理 性 が 確 保 されなくなり 経 営 陣 が 結 果 責 任 を 問 われることを 懸 念 して 自 ずと - 27 -
資 料 編 リスク 回 避 的 な 方 向 に 偏 るおそれもある こうした 状 況 の 発 生 こそが 会 社 としての 果 断 な 意 思 決 定 や 事 業 活 動 に 対 する 阻 害 要 因 となるものであり 本 コード( 原 案 ) では 会 社 に 対 してガバナンスに 関 する 適 切 な 規 律 を 求 めることにより 経 営 陣 を こうした 制 約 から 解 放 し 健 全 な 企 業 家 精 神 を 発 揮 しつつ 経 営 手 腕 を 振 るえるよう な 環 境 を 整 えることを 狙 いとしている 8. 本 コード( 原 案 )は 市 場 における 短 期 主 義 的 な 投 資 行 動 の 強 まりを 懸 念 する 声 が 聞 かれる 中 中 長 期 の 投 資 を 促 す 効 果 をもたらすことをも 期 待 している 市 場 に おいてコーポレートガバナンスの 改 善 を 最 も 強 く 期 待 しているのは 通 常 ガバナ ンスの 改 善 が 実 を 結 ぶまで 待 つことができる 中 長 期 保 有 の 株 主 であり こうした 株 主 は 市 場 の 短 期 主 義 化 が 懸 念 される 昨 今 においても 会 社 にとって 重 要 なパート ナーとなり 得 る 存 在 である 本 コード( 原 案 )は 会 社 が 各 原 則 の 趣 旨 精 神 を 踏 まえ 自 らのガバナンス 上 の 課 題 の 有 無 を 検 討 し 自 律 的 に 対 応 することを 求 め るものであるが このような 会 社 の 取 組 みは スチュワードシップ コードに 基 づ くこうした 株 主 ( 機 関 投 資 家 )と 会 社 との 間 の 建 設 的 な 目 的 を 持 った 対 話 によ って 更 なる 充 実 を 図 ることが 可 能 である その 意 味 において 本 コード( 原 案 ) とスチュワードシップ コードとは いわば 車 の 両 輪 であり 両 者 が 適 切 に 相 まって 実 効 的 なコーポレートガバナンスが 実 現 されることが 期 待 される プリンシプルベース アプローチ 及 び コンプライ オア エクスプレイン 9. 本 コード( 原 案 )において 示 される 規 範 は 基 本 原 則 原 則 から 構 成 されているが それらの 履 行 の 態 様 は 例 えば 会 社 の 業 種 規 模 事 業 特 性 機 関 設 計 会 社 を 取 り 巻 く 環 境 等 によって 様 々に 異 なり 得 る 本 コード( 原 案 )に 定 める 各 原 則 の 適 用 の 仕 方 は それぞれの 会 社 が 自 らの 置 かれた 状 況 に 応 じて 工 夫 す べきものである 10. こうした 点 に 鑑 み 本 コード( 原 案 )は 会 社 が 取 るべき 行 動 について 詳 細 に 規 定 する ルールベース アプローチ ( 細 則 主 義 )ではなく 会 社 が 各 々の 置 かれた 状 況 に 応 じて 実 効 的 なコーポレートガバナンスを 実 現 することができるよう い わゆる プリンシプルベース アプローチ ( 原 則 主 義 )を 採 用 している プリンシプルベース アプローチ は スチュワードシップ コードにおいて 既 に 採 用 されているものであるが その 意 義 は 一 見 抽 象 的 で 大 掴 みな 原 則 (プ リンシプル)について 関 係 者 がその 趣 旨 精 神 を 確 認 し 互 いに 共 有 した 上 で 各 自 自 らの 活 動 が 形 式 的 な 文 言 記 載 ではなく その 趣 旨 精 神 に 照 らして 真 に 適 切 か 否 かを 判 断 することにある このため 本 コード( 原 案 )で 使 用 されてい る 用 語 についても 法 令 のように 厳 格 な 定 義 を 置 くのではなく まずは 株 主 等 のス テークホルダーに 対 する 説 明 責 任 等 を 負 うそれぞれの 会 社 が 本 コード( 原 案 )の 趣 旨 精 神 に 照 らして 適 切 に 解 釈 することが 想 定 されている - 28 -
資 料 編 株 主 等 のステークホルダーが 会 社 との 間 で 対 話 を 行 うに 当 たっても この プ リンシプルベース アプローチ の 意 義 を 十 分 に 踏 まえることが 望 まれる 11. また 本 コード( 原 案 )は 法 令 とは 異 なり 法 的 拘 束 力 を 有 する 規 範 ではなく その 実 施 に 当 たっては いわゆる コンプライ オア エクスプレイン ( 原 則 を 実 施 するか 実 施 しない 場 合 には その 理 由 を 説 明 するか)の 手 法 を 採 用 している すなわち 本 コード( 原 案 )の 各 原 則 ( 基 本 原 則 原 則 )の 中 に 自 ら の 個 別 事 情 に 照 らして 実 施 することが 適 切 でないと 考 える 原 則 があれば それを 実 施 しない 理 由 を 十 分 に 説 明 することにより 一 部 の 原 則 を 実 施 しないことも 想 定 している 12. こうした コンプライ オア エクスプレイン の 手 法 も スチュワードシップ コードにおいて 既 に 採 用 されているものの 我 が 国 では いまだ 馴 染 みの 薄 い 面 が あると 考 えられる 本 コード( 原 案 )の 対 象 とする 会 社 が 全 ての 原 則 を 一 律 に 実 施 しなければならない 訳 ではないことには 十 分 な 留 意 が 必 要 であり 会 社 側 のみな らず 株 主 等 のステークホルダーの 側 においても 当 該 手 法 の 趣 旨 を 理 解 し 会 社 の 個 別 の 状 況 を 十 分 に 尊 重 することが 求 められる 特 に 本 コード( 原 案 )の 各 原 則 の 文 言 記 載 を 表 面 的 に 捉 え その 一 部 を 実 施 していないことのみをもって 実 効 的 なコーポレートガバナンスが 実 現 されていない と 機 械 的 に 評 価 することは 適 切 ではない 一 方 会 社 としては 当 然 のことながら 実 施 しない 理 由 の 説 明 を 行 う 際 には 実 施 しない 原 則 に 係 る 自 らの 対 応 について 株 主 等 のステークホルダ ーの 理 解 が 十 分 に 得 られるよう 工 夫 すべきであり ひな 型 的 な 表 現 により 表 層 的 な 説 明 に 終 始 することは コンプライ オア エクスプレイン の 趣 旨 に 反 するも のである 本 コード( 原 案 )の 適 用 13. 本 コード( 原 案 )は 我 が 国 取 引 所 に 上 場 する 会 社 を 適 用 対 象 とするものである 1 その 際 本 則 市 場 ( 市 場 第 一 部 及 び 市 場 第 二 部 ) 以 外 の 市 場 に 上 場 する 会 社 に 対 す る 本 コード( 原 案 )の 適 用 に 当 たっては 例 えば 体 制 整 備 や 開 示 などに 係 る 項 目 の 適 用 について こうした 会 社 の 規 模 特 性 等 を 踏 まえた 一 定 の 考 慮 が 必 要 となる 可 能 性 があり 得 る この 点 に 関 しては 今 後 東 京 証 券 取 引 所 において 本 コード( 原 案 )のどの 部 分 に どのような 形 での 考 慮 が 必 要 かについて 整 理 がなされることを 期 待 する 1 我 が 国 取 引 所 に 上 場 する 外 国 会 社 については 一 般 に そのガバナンスに 関 して 別 途 適 用 を 受 ける 本 国 の 規 制 が 存 在 し その 内 容 が 本 コード( 原 案 )と 異 なり 得 るため 本 コード ( 原 案 )の 内 容 をそのままの 形 で 適 用 することが 適 切 でない 場 合 も 想 定 される このため その 取 扱 いに 関 しては 今 後 東 京 証 券 取 引 所 において 整 理 がなされることを 期 待 する - 29 -
資 料 編 14. 我 が 国 の 上 場 会 社 は 通 常 監 査 役 会 設 置 会 社 指 名 委 員 会 等 設 置 会 社 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 のいずれかの 機 関 設 計 を 選 択 することとされている 本 コード( 原 案 )は もとよりいずれかの 機 関 設 計 を 慫 慂 するものではなく いずれの 機 関 設 計 を 採 用 する 会 社 にも 当 てはまる コーポレートガバナンスにおける 主 要 な 原 則 を 示 すものである 我 が 国 の 上 場 会 社 の 多 くは 監 査 役 会 設 置 会 社 であることを 踏 まえ 本 コード( 原 案 )には 監 査 役 会 設 置 会 社 を 想 定 した 幾 つかの 原 則 ( 監 査 役 または 監 査 役 会 につ いて 記 述 した 原 則 )が 置 かれているが こうした 原 則 については 監 査 役 会 設 置 会 社 以 外 の 上 場 会 社 は 自 らの 機 関 設 計 に 応 じて 所 要 の 読 替 えを 行 った 上 で 適 用 を 行 うことが 想 定 される 15. 本 コード( 原 案 )は 東 京 証 券 取 引 所 において 必 要 な 制 度 整 備 を 行 った 上 で 平 成 27 年 6 月 1 日 から 適 用 することを 想 定 している なお 本 コード( 原 案 )の 幾 つかの 原 則 については 例 えば 体 制 整 備 に 関 するも の 等 を 中 心 に 各 会 社 の 置 かれた 状 況 によっては その 意 思 があっても 適 用 当 初 か ら 完 全 に 実 施 することが 難 しいことも 考 えられる その 場 合 において 上 場 会 社 が まずは 上 記 の 適 用 開 始 に 向 けて 真 摯 な 検 討 や 準 備 作 業 を 行 った 上 で なお 完 全 な 実 施 が 難 しい 場 合 に 今 後 の 取 組 み 予 定 や 実 施 時 期 の 目 途 を 明 確 に 説 明 (エクスプレ イン)することにより 対 応 を 行 う 可 能 性 は 排 除 されるべきではない また 本 コード( 原 案 )には 会 社 が エクスプレイン を 行 う 場 合 を 含 め 幾 つかの 開 示 や 説 明 を 求 める 旨 の 記 載 があるが これらのうちには 特 定 の 枠 組 み( 例 えば コーポレート ガバナンスに 関 する 報 告 書 )の 中 で 統 一 的 に 開 示 説 明 を 行 うことが 望 ましいものもあると 考 えられることから この 点 については 今 後 東 京 証 券 取 引 所 において 整 理 がなされることを 期 待 する 本 コード( 原 案 )の 将 来 の 見 直 し 16. 上 述 のとおり 本 コード( 原 案 )は 実 効 的 なコーポレートガバナンスの 実 現 に 資 する 主 要 な 原 則 を 取 りまとめたものであるが 不 変 のものではない 目 まぐるし く 変 化 する 経 済 社 会 情 勢 の 下 で 本 コード( 原 案 )がその 目 的 を 果 たし 続 けるこ とを 確 保 するため 本 有 識 者 会 議 は 本 コード( 原 案 )が 定 期 的 に 見 直 しの 検 討 に 付 されることを 期 待 する - 30 -
資 料 編 コーポレートガバナンス コード 原 案 各 原 則 の 背 景 説 明 コーポレートガバナンス コードの 策 定 に 関 する 有 識 者 会 議 2015 年 3 月 5 日 1-12 上 場 会 社 は 総 会 決 議 事 項 の 一 部 を 取 締 役 会 に 委 任 するよう 株 主 総 会 に 提 案 するに 当 たっては 自 らの 取 締 役 会 においてコーポレートガバナンスに 関 する 役 割 責 務 を 十 分 に 果 たし 得 るような 体 制 が 整 っているか 否 かを 考 慮 すべきで ある 他 方 で 上 場 会 社 において そうした 体 制 がしっかりと 整 っていると 判 断 する 場 合 には 上 記 の 提 案 を 行 うことが 経 営 判 断 の 機 動 性 専 門 性 の 確 保 の 観 点 から 望 ましい 場 合 があることを 考 慮 に 入 れるべきである 背 景 説 明 一 般 に 我 が 国 の 上 場 会 社 は 他 国 の 上 場 会 社 に 比 して 幅 広 い 事 項 を 株 主 総 会 にかけているとされる しかしながら 上 場 会 社 に 係 る 重 要 な 意 思 決 定 につい ては これを 株 主 の 直 接 投 票 で 決 することが 常 に 望 ましいわけではなく 株 主 に 対 する 受 託 者 責 任 を 十 分 に 果 たし 得 る 取 締 役 会 が 存 在 する 場 合 には 会 社 法 が 認 める 選 択 肢 の 中 でその 意 思 決 定 の 一 部 を 取 締 役 会 に 委 任 することは 経 営 判 断 に 求 められる 機 動 性 専 門 性 を 確 保 する 観 点 から 合 理 的 な 場 合 がある このよ うな 委 任 が 適 切 であるか 否 かは 取 締 役 会 においてコーポレートガバナンスに 関 する 役 割 責 務 を 十 分 に 果 たし 得 るような 体 制 が 整 っているか 否 かに 左 右 される 部 分 が 大 きいと 考 えられる 1-23 上 場 会 社 は 株 主 との 建 設 的 な 対 話 の 充 実 や そのための 正 確 な 情 報 提 供 等 の 観 点 を 考 慮 し 株 主 総 会 開 催 日 をはじめとする 株 主 総 会 関 連 の 日 程 の 適 切 な 設 定 を 行 うべきである 背 景 説 明 株 主 総 会 開 催 手 続 きについては 本 有 識 者 会 議 において 以 下 の 議 論 があっ た 基 準 日 から 株 主 総 会 開 催 日 までの 期 間 は ガバナンスの 実 効 性 を 確 保 する 観 点 から できるだけ 短 いことが 望 ましい( 英 国 では 2 日 間 以 内 ) 招 集 通 知 から 株 主 総 会 開 催 日 までの 期 間 は 熟 慮 のため できるだけ 長 いことが 望 ましい( 英 国 では 約 4 週 間 以 上 ) - 31 -
資 料 編 決 算 期 末 から 会 計 監 査 証 明 までの 期 間 は 不 正 リスクに 対 応 した 実 効 性 ある 会 計 監 査 確 保 の 観 点 から 一 定 の 期 間 を 確 保 する 必 要 がある 以 上 に 対 応 するため 必 要 があれば 株 主 総 会 開 催 日 を7 月 (3 月 期 決 算 の 会 社 の 場 合 )にすることも 検 討 されることが 考 えられるが 業 績 評 価 に 基 づく 株 主 総 会 の 意 思 決 定 との 観 点 から 決 算 期 末 から 株 主 総 会 開 催 日 までの 期 間 が 長 くなりすぎることは 避 ける 必 要 がある なお 以 上 の 方 向 で 考 える 場 合 ( 監 査 済 財 務 情 報 の 提 供 時 期 や 株 主 総 会 の 開 催 時 期 が 後 倒 しになることが 考 えられることから ) 決 算 短 信 によるタイムリーな 情 報 提 供 が 一 層 重 要 となることや 例 外 的 な 事 象 が 生 じた 場 合 も 視 野 に 入 れた 他 の 制 度 との 整 合 性 の 検 討 が 必 要 となることなどにも 留 意 が 必 要 である 本 問 題 については 本 コード( 原 案 )に 寄 せられるパブリック コメント 等 の 内 容 も 踏 まえつつ 必 要 に 応 じ 本 有 識 者 会 議 において 引 き 続 き 議 論 を 行 い 東 京 証 券 取 引 所 における 最 終 的 なコードの 策 定 に 反 映 される 必 要 があるか 否 かを 検 討 するこ ととする 2-21 取 締 役 会 は 行 動 準 則 が 広 く 実 践 されているか 否 かについて 適 宜 または 定 期 的 にレビューを 行 うべきである その 際 には 実 質 的 に 行 動 準 則 の 趣 旨 精 神 を 尊 重 する 企 業 文 化 風 土 が 存 在 するか 否 かに 重 点 を 置 くべきであり 形 式 的 な 遵 守 確 認 に 終 始 すべきではない 背 景 説 明 上 記 の 行 動 準 則 は 倫 理 基 準 行 動 規 範 等 と 呼 称 されることもある 原 則 4-8. 独 立 社 外 取 締 役 の 有 効 な 活 用 独 立 社 外 取 締 役 は 会 社 の 持 続 的 な 成 長 と 中 長 期 的 な 企 業 価 値 の 向 上 に 寄 与 するよう に 役 割 責 務 を 果 たすべきであり 上 場 会 社 はそのような 資 質 を 十 分 に 備 えた 独 立 社 外 取 締 役 を 少 なくとも2 名 以 上 選 任 すべきである また 業 種 規 模 事 業 特 性 機 関 設 計 会 社 をとりまく 環 境 等 を 総 合 的 に 勘 案 し て 自 主 的 な 判 断 により 少 なくとも3 分 の1 以 上 の 独 立 社 外 取 締 役 を 選 任 すること が 必 要 と 考 える 上 場 会 社 は 上 記 にかかわらず そのための 取 組 み 方 針 を 開 示 すべき である 背 景 説 明 独 立 社 外 取 締 役 を 巡 っては 様 々な 議 論 があるが 単 にこれを 設 置 しさえすれば 会 社 の 成 長 が 図 られる という 捉 え 方 は 適 切 ではない 独 立 社 外 取 締 役 を 置 く 場 合 には その 期 待 さ れる 役 割 責 務 に 照 らし その 存 在 を 活 かすような 対 応 がとられるか 否 かが 成 否 の 重 要 な 鍵 と なると 考 えられる ( 独 立 ) 社 外 取 締 役 については 既 に 会 社 法 ( 平 成 26 年 改 正 後 )や 上 場 規 - 32 -
資 料 編 則 が1 名 以 上 の 設 置 に 関 連 する 規 定 を 置 いており 実 務 上 もこれに 沿 った 対 応 が 見 られるが 本 コード( 原 案 )では 独 立 社 外 取 締 役 を 複 数 名 設 置 すればその 存 在 が 十 分 に 活 かされる 可 能 性 が 大 きく 高 まる という 観 点 から 少 なくとも2 名 以 上 との 記 載 を 行 っている なお 本 有 識 者 会 議 において 関 係 団 体 の 中 には 独 立 役 員 の 円 滑 な 選 任 を 促 進 する 観 点 から その 候 補 に 関 する 情 報 の 蓄 積 更 新 提 供 をするなどの 取 組 みを 行 っている 団 体 もあ り 今 後 こうした 取 組 みが 更 に 広 範 に 進 められていくことが 期 待 される との 指 摘 があった 4-81 独 立 社 外 取 締 役 は 取 締 役 会 における 議 論 に 積 極 的 に 貢 献 するとの 観 点 から 例 えば 独 立 社 外 者 のみを 構 成 員 とする 会 合 を 定 期 的 に 開 催 するなど 独 立 し た 客 観 的 な 立 場 に 基 づく 情 報 交 換 認 識 共 有 を 図 るべきである 背 景 説 明 独 立 社 外 者 のみを 構 成 員 とする 会 合 については その 構 成 員 を 独 立 社 外 取 締 役 のみとすることや これに 独 立 社 外 監 査 役 を 加 えることが 考 えられる 原 則 4-9. 独 立 社 外 取 締 役 の 独 立 性 判 断 基 準 及 び 資 質 取 締 役 会 は 金 融 商 品 取 引 所 が 定 める 独 立 性 基 準 を 踏 まえ 独 立 社 外 取 締 役 となる 者 の 独 立 性 をその 実 質 面 において 担 保 することに 主 眼 を 置 いた 独 立 性 判 断 基 準 を 策 定 開 示 すべきである また 取 締 役 会 は 取 締 役 会 における 率 直 活 発 で 建 設 的 な 検 討 への 貢 献 が 期 待 できる 人 物 を 独 立 社 外 取 締 役 の 候 補 者 として 選 定 するよう 努 めるべ きである 背 景 説 明 金 融 商 品 取 引 所 が 定 める 独 立 性 基 準 やこれに 関 連 する 開 示 基 準 については その 内 容 が 抽 象 的 で 解 釈 に 幅 を 生 じさせる 余 地 があるとの 見 方 がある これについては 適 用 におけ る 柔 軟 性 が 確 保 されているとの 評 価 がある 一 方 で 機 関 投 資 家 や 議 決 権 行 使 助 言 会 社 によ る 解 釈 が 様 々に 行 われる 結 果 上 場 会 社 が 保 守 的 な 適 用 を 行 うという 弊 害 が 生 じているとの 指 摘 もある また これらの 基 準 には 幾 つかの 点 において 諸 外 国 の 基 準 との 差 異 も 存 在 す るところである 本 有 識 者 会 議 としては 今 後 の 状 況 の 進 展 等 を 踏 まえつつ 金 融 商 品 取 引 所 において 必 要 に 応 じ 適 切 な 検 討 が 行 われることを 期 待 する 4-101 上 場 会 社 が 監 査 役 会 設 置 会 社 または 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 であって 独 立 社 外 取 締 役 が 取 締 役 会 の 過 半 数 に 達 していない 場 合 には 経 営 陣 幹 部 取 締 役 の 指 名 報 酬 などに 係 る 取 締 役 会 の 機 能 の 独 立 性 客 観 性 と 説 明 責 任 を 強 化 する - 33 -
資 料 編 ため 例 えば 取 締 役 会 の 下 に 独 立 社 外 取 締 役 を 主 要 な 構 成 員 とする 任 意 の 諮 問 委 員 会 を 設 置 することなどにより 指 名 報 酬 などの 特 に 重 要 な 事 項 に 関 す る 検 討 に 当 たり 独 立 社 外 取 締 役 の 適 切 な 関 与 助 言 を 得 るべきである 背 景 説 明 取 締 役 会 に 期 待 される 説 明 責 任 の 確 保 や 実 効 性 の 高 い 監 督 といった 役 割 責 務 に 関 しては 監 査 や 指 名 報 酬 に 係 る 機 能 の 重 要 性 が 指 摘 されている また 諸 外 国 では こうした 機 能 に 関 しては 特 に 独 立 した 客 観 的 な 立 場 からの 判 断 を 求 めている 例 も 多 い こうした 機 能 ( 監 査 役 会 監 査 等 委 員 会 が 関 与 する 監 査 を 除 く)の 独 立 性 客 観 性 を 強 化 する 手 法 としては 例 えば 任 意 の 諮 問 委 員 会 を 活 用 することや 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 である 場 合 には 取 締 役 の 指 名 報 酬 につ いて 株 主 総 会 における 意 見 陳 述 権 が 付 与 されている 監 査 等 委 員 会 を 活 用 するこ となどが 考 えられる その 際 には コーポレートガバナンスに 関 連 する 様 々な 事 項 ( 例 えば 関 連 当 事 者 間 の 取 引 に 関 する 事 項 や 監 査 役 の 指 名 に 関 する 事 項 等 ) をこうした 委 員 会 に 併 せて 検 討 させるなど 会 社 の 実 情 に 応 じた 多 様 な 対 応 を 行 うことが 考 えられる - 34 -
株 式 会 社 東 京 証 券 取 引 所 103-8220 東 京 都 中 央 区 本 橋 兜 町 2-1 Tel. 03-3666-0141( 代 表 ) http://www.jpx.co.jp/