実 用 化 研 究 報 告 液 相 プラズマを 用 いた 先 進 DNAエレクトロニクスデバイスの 創 製 東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 電 子 工 学 専 攻 教 授 金 子 俊 郎 1. はじめに 生 命 体 が 持 つ 俊 敏 でフレキシブルな 神 経 系, 多 種 多 様 な 感 覚 器, 複 雑 な 記 憶 と 演 算 処 理 を 行 う 脳 組 織 は,いずれもがコンパクトかつ 省 エネルギーで 情 報 処 理 を 行 っている.このよう なシステムは, 現 在 の 半 導 体 デバイス 技 術 では 不 可 能 であるが, バイオエレクトロニクス は,この 生 命 体 の 持 つ 優 れた 特 性 をエレクトロニクス 技 術 に 活 用 しようというものであり, ナノテクノロジー,バイオテクノロジー,エレクトロニクスを 融 合 した 学 際 領 域 の 研 究 であ る.さらに, 現 在, 物 理 的 機 構 ( 電 子,イオン, 電 場, 熱, 放 射 ) 及 び 化 学 的 反 応 ( 酸 化, 窒 化, 還 元 )の 制 御 性 に 富 む 反 応 性 プラズマを 利 用 したナノスケールのプロセスを,バイオ 起 源 物 質 材 料 デバイス 創 製 の 観 点 でバイオエレクトロニクスに 応 用 しようとする プラ ズマナノバイオエレクトロニクス が, 重 要 かつ 魅 力 的 な 研 究 課 題 として 認 知 されるに 至 っ ている.このプラズマナノバイオエレクトロニクスは, 製 薬,バイオ 材 料 コーティング,ド ラッグ 遺 伝 子 デリバリー,イメージング,バイオチップ,バイオセンシング,バイオコン ピューティング 等 の 次 世 代 ナノバイオエレクトロニクスシステムの 構 築 を 目 指 した 新 しい 生 命 関 連 科 学 技 術 研 究 として 展 開 されている. プラズマナノバイオエレクトロニクスの 研 究 は, 大 きく 二 つに 分 類 できると 考 えている. 一 つは,プラズマイオン 操 作 等 により 新 規 ナノバイオ 複 合 物 質 を 創 製 することであり,もう 一 つは,そのナノバイオ 複 合 物 質 を 組 み 上 げてナノ 電 子 デバイスを 作 製 することである. この 生 体 分 子 を 用 いた 複 合 物 質 創 製 や 電 子 デバイス 作 製 には, 生 体 分 子 が 安 定 に 存 在 でき る 液 相 が 不 可 欠 であり, 液 体 中 もしくは 液 体 と 接 触 して 生 成 されたプラズマが 有 用 であると 考 えられ,これらの 先 進 的 液 相 プラズマの 生 成 と 応 用 も 重 要 な 研 究 課 題 である. このような 背 景 の 下, 筆 者 らは,DNA やタンパク 質 に 代 表 されるナノスケールの 生 体 分 子 材 料 とカーボンナノチューブに 代 表 されるナノカーボン 物 質 で 構 成 される 新 規 ナノ 複 合 物 質 が, 自 己 組 織 化, 分 子 認 識, 高 効 率 形 成 等 の 特 徴 を 有 しており, 上 述 したナノバイオ 分 野 へ の 応 用 が 期 待 されていることから,これらの 形 成 にプラズマ 理 工 学 的 手 法 を 活 用 し,DNA と カーボンナノチューブの 電 気 的 特 性 を 活 用 した 新 たなナノバイオエレクトロニクスデバイス を 作 製 し, 実 用 化 することを 目 的 に 研 究 開 発 を 行 った. 2. プラズマイオン 操 作 によるナノバイオ 複 合 物 質 創 製 まず,プラズマイオン 操 作 によるバイオエレクトロニクスデバイス 応 用 の 新 機 能 性 ナノ 複 合 物 質 創 製 として,DNA のカーボンナノチューブ(CNT)への 挿 入 技 術 と 内 包 された DNA の CNT からの 放 出 技 術 の 開 発 について 述 べる. 筆 者 らはこれまで,CNT 内 部 へ 様 々な 原 子 分 子 を 注 入 する 手 法 として,これらをプラズ - 1 -
マ 化 (イオン 化 )し,プラズマ 中 に 形 成 した 電 場 による 静 電 的 な 力 を 用 いて 内 包 させる プ ラズマイオン 照 射 法 を 独 自 に 開 発 してきた[1].このように CNT 内 部 空 間 へ 異 種 原 子 分 子 を 内 包 させるためにはイオン 化 が 必 須 であるが,DNA に 代 表 される 生 体 高 分 子 は 一 般 的 に 熱 に 弱 く,プラズマが 生 成 される 減 圧 下 の 気 相 中 ではイオン 化 することが 困 難 である.しか しながら,それらは 大 気 圧 下 の 溶 液 中 においては 容 易 にイオンとして 存 在 し, 中 でも DNA は 水 溶 液 中 において 分 子 内 に 存 在 するリン 酸 基 のため 多 価 負 イオンとして 存 在 することが 分 かっている.このようなイオンを 含 む 溶 液 は 一 般 に 電 解 質 溶 液 と 呼 ばれ, 電 解 質 溶 液 中 のイ オンは, 気 体 プラズマと 同 様 に 電 場 を 印 加 することでその 挙 動 を 制 御 することが 可 能 である ため, 筆 者 らはこれらを 電 解 質 プラズマ と 定 義 し[2], 図 1 に 示 すような プラズマイオ ン 照 射 法 を 適 用 して DNA を 内 包 した CNT の 創 製 を 実 現 した[3]. 図 1. 電 解 質 プラズマ 実 験 装 置 概 略 図. 図 1に 電 解 質 プラズマ 実 験 装 置 図 を 示 す.DNA 水 溶 液 中 に 5 mm 40 mm のアルミニウ ム 製 アノード 電 極, 及 びカソード 電 極 を 挿 入 し, 直 流 電 圧 VDC 及 び 高 周 波 電 圧 VRF を 独 立 に 印 加 する.アノード 電 極 上 には, 直 径 1-2 nm の 単 層 カーボンナノチューブ(SWNT) 及 び 直 径 3-5 nm の 二 層 カーボンナノチューブ(DWNT)を 塗 布 してある. DNA は 溶 液 中 で 負 イオンとして 存 在 するため, 直 流 電 場 を 印 加 することでアノードへの DNA 負 イオン 照 射 を 行 うことができる.また, 高 周 波 電 場 を 印 加 すると, 溶 液 中 で 糸 玉 状 を 呈 している DNA が 分 子 内 分 極 と 高 周 波 電 場 との 相 互 作 用 で 伸 長 することがわかっているた め[4], 伸 長 した DNA を CNT に 照 射 することで DNA の 内 包 効 率 が 向 上 することが 期 待 でき る. 本 実 験 では,シトシン(C),グアニン(G),アデニン(A)で 構 成 される 1 重 螺 旋 DNA を 用 いており,1 本 の DNA 内 に 存 在 する 塩 基 数 ( 鎖 長 )を 添 字 x で Cx のように 表 す. 図 2 に 透 過 型 電 子 顕 微 鏡 (TEM)によって 観 察 した DNA 負 イオン 照 射 後 の (a) SWNT 像 及 び (b) DWNT 像 を 示 す.ここでは,30 塩 基 で 構 成 されている 長 さ 10 nm 程 度 の A30 およ び C30 を 用 いている. 図 2(a)では SWNT 内 部 に 1 次 元 構 造 物 質 が 内 包 されていることが 分 か る. 上 下 の 図 は 同 じ 写 真 であり, 下 図 では 内 包 物 質 を 黒 線 で 示 している.この 物 質 の 長 さは 用 いた DNA である A30(~10 nm)とほぼ 同 一 であるため,SWNT 内 部 に DNA を 内 包 する ことに 成 功 したと 言 える [3]. 一 方,SWNT よりも 直 径 の 太 い DWNT に DNA(C30) 負 イオンを 照 射 した 場 合 には[ 図 2(b)], 非 常 に 多 数 の DNA が 密 集 して 内 包 されているのが 分 かる.また DWNT の 場 合 には, 直 流 電 場 のみでも 十 分 に DNA が 内 包 されており, 内 直 径 が 太 い 場 合 には 高 周 波 電 場 による DNA の - 2 -
伸 長 作 用 なしでも 内 包 されることが 明 らかとなった[5]. 図 2.DNAを 内 包 した (a) 単 層 カーボンナノチューブと (b) 二 層 カーボンナノチューブ. これらの DNA 内 包 CNT は 遺 伝 子 デリバリーシステムへの 応 用 も 可 能 であり,その 場 合 に は CNT 内 部 から DNA を 放 出 する 必 要 がある.この CNT 内 部 からの DNA の 放 出 に 関 して は,いくつかの 方 法 が 提 案 されているが, 筆 者 らは 電 界 により 放 出 する 手 法 を 提 案 している. その 原 理 実 証 を 行 う 目 的 で, 図 3(a)に 示 すように C30 を 内 包 した DWNT を 塗 布 した 電 極 を 水 中 に 挿 入 し, 挿 入 時 とは 逆 方 向 の 電 場 を 印 加 後, 電 極 を 挿 入 した 水 の 紫 外 可 視 光 吸 収 特 性 を 測 定 した.その 結 果, 図 3(b)に 示 すように, 電 場 印 加 時 間 の 増 加 とともに, 水 中 に 存 在 す る C30 の 吸 収 ピーク(275 nm)が 次 第 に 増 加 することが 観 測 され,DWNT に 内 包 されてい た DNA が 水 中 に 放 出 されたことを 示 している [6]. 図 3.(a) DNA 放 出 実 験 装 置.(b) DNA 放 出 後 の 水 溶 液 の 紫 外 可 視 光 吸 収 スペクトル. 3. 液 相 プラズマプロセスによるバイオエレクトロニクスデバイス 創 成 これまで 述 べた 液 相 プラズマプロセスにより 生 体 分 子 である DNA を 用 いた 複 合 物 質 の 形 成 に 成 功 している.この DNA とカーボンナノチューブとの 複 合 物 質 は,その 特 異 的 な 電 気 的 光 学 的 特 性 によりナノバイオエレクトロニクスデバイスとしての 応 用 が 期 待 されている. この 新 規 な 電 気 的 特 性 が 期 待 できる DNA を 内 包 した SWNT を, 図 4 に 示 すような 電 界 効 果 トランジスタ(FET)のチャネルとしてソース ドレイン 間 に 架 橋 し,ゲート 電 圧 VG 及 びソ ース ドレイン 電 圧 VDS を 変 化 させ,ソース ドレイン 電 流 IDS を 測 定 することで,その 特 性 を 調 べた. - 3 -
図 4.DNA 内 包 カーボンナノチューブを 用 いた 電 界 効 果 型 トランジスタ. 図 5 に DNA 内 包 SWNTで 作 製 した FET の 電 気 特 性 を 示 す.DNA 照 射 前 の Pristine SWNT [ 図 5(a) 点 線 ] は,VG が 負 の 値 で IDS が 上 昇 する p 型 半 導 体 特 性 を 示 しており, 一 方,シトシ ン(C30)を 内 包 した SWNT [ 図 5(a) 青 実 線 ] は,その p 型 の 半 導 体 特 性 が 強 まっている.これ は,SWNT からシトシンへの 電 荷 移 動 が 生 じ,SWNT が 正 孔 リッチ 状 態 になることで p 型 半 導 体 特 性 が 強 まったためと 考 えられる.これらの 結 果 に 対 して,グアニン(G30)を 内 包 した SWNT は 図 5(a)の 赤 実 線 で 示 すように 全 く 反 対 の,VG が 正 の 値 で IDS が 増 加 する n 型 の 電 気 特 性 を 示 すことが 観 測 された.ここでは,シトシンの 場 合 とは 反 対 に,グアニンから SWNT へ 電 荷 移 動 が 生 じ,SWNT が 電 子 リッチ 状 態 になり,n 型 半 導 体 特 性 に 変 化 したと 考 えられ る [7]. 一 方, 同 様 の DNA 負 イオン 照 射 条 件 において, 図 5(b)に 示 すように,VG が 正 の 値 ととも に 負 の 値 でも IDS が 増 加 する 電 気 特 性 が 得 られ,さらにその 場 合 に VG = 20 V 近 傍 で 新 たな ピークが 観 測 されることが 分 かった.これは,DNA の 伸 長 度 や SWNT の 配 向 度 等 に 差 異 が 生 じることで DNA の 内 包 効 率 が 変 化 し,SWNT を n 型 半 導 体 特 性 に 変 化 させるグアニンが 部 分 的 に SWNT に 内 包 されることによって, 内 包 されていない p 型 半 導 体 特 性 領 域 との 間 で pn 接 合 が 形 成 されるために 生 じることが 明 らかとなった.この 現 象 は,アルカリ 金 属 -ハロ ゲン 原 子 内 包 SWNT の pn 接 合 [8]で 得 られた 結 果 とも 一 致 している. (a) I DS (na) 6 4 2 C 30 内 包 G 30 内 包 0-40 -20 0 20 40 V G (V) (b) 2 0-40 -20 0 20 40 V G (V) 図 5.DNA 内 包 SWNT 電 界 効 果 型 トランジスタの 電 気 特 性.(a) 空 の SWNT( 点 線 ),C30 内 包 SWNT( 青 実 線 ),G30 内 包 SWNT( 赤 実 線 ),(b) G30 部 分 内 包 SWNT. I DS (na) 1 G 30 部 分 内 包 これらの DNA と SWNT との 電 荷 移 動 は,DNA の 塩 基 と SWNT のイオン 化 ポテンシャル ( 酸 化 還 元 電 位 )の 違 いによって 生 じたものと 考 えられる.すなわち,グアニンが 4 種 の 塩 基 の 中 で 最 も 低 い 酸 化 電 位 を 示 し,シトシンは 比 較 的 高 い 酸 化 電 位 を 示 すこと[9],さらに, SWNT のイオン 化 ポテンシャルがグアニンとシトシンの 中 間 に 存 在 し,その 結 果,グアニン は SWNT に 電 子 を 供 給 し,シトシンは SWNT より 電 子 を 受 け 取 ることで,それぞれ 電 子 ド ナー 及 びアクセプタとして 機 能 し,SWNT の 電 気 特 性 における n 型 発 現 及 び p 型 強 化 に 至 っ たものと 考 えられる [7].このように 塩 基 の 種 類 によって CNT の 電 気 特 性 を 制 御 でき, 塩 基 の 組 み 合 わせによって pn 接 合 が 形 成 できることを 実 証 した. - 4 -
これらの DNA 内 包 CNT においては,DNA 及 び CNT がそれぞれ 光 を 吸 収 する 特 性 を 持 っており, 吸 収 した 光 によって 分 子 内 の 電 子 が 励 起 されることで, 電 気 特 性 が 変 化 すると 考 えられる[10].DNA 内 包 CNT の 電 気 特 性 に 対 する 光 照 射 の 効 果 を 調 べた 結 果 を 図 6 に 示 す. ここでは, 内 直 径 が 大 きく DNA の 内 包 率 が 比 較 的 大 きい DWNT を 使 用 した 結 果 について 述 べる.DNA が 内 包 された DWNT に 対 して 400 nm の 光 を 照 射 することによって,シトシン とグアニンのどちらの 場 合 にも,その 電 圧 - 電 流 特 性 が 光 照 射 前 ( 黒 線 )と 比 較 して n 型 特 性 を 助 長 する 方 向 (VG が 負 の 方 向 )にシフトする( 赤 線 )ことを 世 界 で 初 めて 観 測 した.こ れは, 光 照 射 により 励 起 された DNA の 電 子 が DWNT に 移 動 することにより 引 き 起 こされる ためであり, 特 にグアニンは 光 照 射 に 敏 感 に 反 応 し, 励 起 されて 移 動 する 電 子 量 が 多 いため, そのシフト 量 が 大 きくなったと 考 えられる.さらに, 光 照 射 を 停 止 すると 電 気 特 性 が 光 照 射 前 の 状 態 に 戻 り( 青 線 ), 可 逆 的 な 特 性 を 示 すことが 明 らかとなっており,この 結 果 は, 有 機 半 導 体 としての DNA 内 包 DWNT が 光 スイッチとして 応 用 でき,ナノバイオ 光 デバイスとし て 有 望 な 材 料 であることを 示 している. 図 6.DNA 内 包 DWNT 電 界 効 果 型 トランジスタの 電 気 特 性 に 対 する 光 照 射 の 効 果. (a) C30 内 包 DWNT,(b) G30 内 包 DWNT. さらに,この DNA 内 包 DWNT で 作 製 した 電 界 効 果 型 トランジスタ(FET)を 10 ケルビ ン (K) 程 度 の 低 温 まで 冷 却 し 電 気 特 性 を 測 定 したところ, 図 7(a) に 示 すように VG 対 して IDS が 間 欠 的 に 流 れており,クーロン 振 動 と 呼 ばれる 量 子 効 果 現 象 が 発 現 していることが 明 らか となった[11].これは,DNA がカーボンナノチューブの 内 部 で 量 子 ドットとして 機 能 したた めと 考 えられる. 図 7. 低 温 (10K)における(a)C30 内 包 DWNT および(b)C30 外 接 DWNT の 電 界 効 果 型 トラ ンジスタの 電 気 特 性. - 5 -
ここで,DNA(C30)を DWNT 内 部 に 内 包 した 場 合 ( 図 7(a))と DNA を DWNT の 周 りに 外 接 した 場 合 ( 図 7(b))を 比 較 してみると,VG のピーク 間 の 電 位 差 が, 内 包 の 場 合 が 外 接 の 場 合 よりも 非 常 に 大 きいことが 分 かった.この VG の 電 位 差 は 量 子 ドットとして 機 能 する DNA の 間 隔 に 反 比 例 するため,DNA を DWNT 内 部 に 内 包 した 方 が,DNA 間 の 間 隔 を 狭 く することができ,クーロン 振 動 のピーク 間 隔 を 広 げることが 可 能 であることが 分 かった.こ の 信 号 は, 数 個 の 電 子 で 動 作 するため, 極 めて 低 消 費 電 力 の 量 子 エレクトロニクスデバイス への 応 用 が 期 待 されている. 4. まとめ 本 研 究 では, 液 相 プラズマ 中 の DNA 負 イオン 照 射 による DNA とカーボンナノチューブと の 複 合 物 質 の 創 製 と DNA の 放 出 技 術 開 発 を 行 うとともに, 塩 基 配 列 を 制 御 した DNA を CNT へ 内 包 することで,CNT の 電 気 的 特 性 を 制 御 でき,さらに DNA を 量 子 ドットとして 機 能 さ せることで, 新 たな 量 子 効 果 エレクトロニクスデバイスを 実 現 可 能 であることを 示 した. DNA 等 の 生 体 分 子 は, 自 己 組 織 化 能 力, 自 己 修 復 能 力 を 有 していることと,プラズマの 照 射 により 活 性 化 する 等 の 特 異 な 性 質 を 持 っているため, 今 後 は 自 己 修 復 によるエラーフリー のデバイスや 回 路 を 自 己 拡 張 するデバイス 等 の 新 概 念 のナノバイオエレクトロニクスに 発 展 する 可 能 性 があり, 多 方 面 の 角 度 から 研 究 を 進 めている. 謝 辞 本 研 究 は,( 財 )インテリジェント コスモス 学 術 振 興 財 団 によるインテリジェント コスモ ス 奨 励 賞 と 実 用 化 研 究 助 成 の 助 成 を 受 けて 行 われた.また, 本 研 究 における 共 同 研 究 者 の 畠 山 力 三 名 誉 教 授, 李 永 峰 教 授, 岡 田 健 助 教, 陳 強 博 士 に 心 より 感 謝 申 し 上 げます. 参 考 文 献 [1] R. Hatakeyama, T. Kaneko, W. Oohara, Y. F. Li, T. Kato, K. Baba and J. Shishido, Plasma Sources Sci. Technol. 17, 024009 (2008). [2] T. Kaneko, T. Okada and R. Hatakeyama, Contrib. Plasma Phys. 47, 57 (2007). [3] T. Okada, T. Kaneko, R. Hatakeyama and K. Tohji, Chem. Phys. Lett. 417, 288 (2006). [4] M. Washizu and T. B. Jones, J. Electrostatics 38, 199 (1996). [5] Y. F. Li, T. Kaneko and R. Hatakeyama, Small 6, 729 (2010). [6] Y. F. Li, S. Chen, T. Kaneko and R. Hatakeyama: Chem. Commun., 47, 2309 (2011). [7] T. Kaneko and R. Hatakeyama, Appl. Phys. Express 2, 127001 (2009). [8] T. Kato, R. Hatakeyama, J. Shishido, W. Oohara and K. Tohji, Appl. Phys. Lett. 95, 083109 (2009). [9] K. H. Yoo, D. H. Ha, J. O. Lee, J. W. Park, J. Kim, H. Y. Lee, T. Kawai and H. T. Choi, Phys. Rev. Lett. 87, 198102 (2001). [10] Y. F. Li, T. Kaneko, Y. Hirotsu, and R. Hatakeyama, Small, 6, 27 (2010). [11] Y. F. Li, T. Kaneko and R. Hatakeyama, Appl. Phys. Lett. 96, 023104 (2010). - 6 -