ホリスティック 企 業 レポート セレス 3696 東 証 マザーズ アップデート レポート 2016 年 6 月 24 日 発 行 一 般 社 団 法 人 証 券 リサーチセンター 証 券 リサーチセンター 審 査 委 員 会 審 査 済 20160621 8 Copyright 2012 Stock Research Center. All Rights Reserved. 本 レポートの 権 利 は 一 般 社 団 法 人 証 券 リサーチセンターに 属 します いかなる 形 でも 無 断 での 複 写 転 載 利 用 を 禁 じます
15/06 15/07 15/08 15/09 15/10 15/11 15/12 16/01 16/02 16/03 16/04 16/05 ホリスティック 企 業 レポート( 一 般 社 団 法 人 証 券 リサーチセンター 発 行 ) セレス (3696 東 証 マザーズ) 高 成 長 を 続 けるスマートフォン 広 告 市 場 で 成 功 報 酬 型 のメディア 事 業 を 展 開 会 員 基 盤 を 保 有 する 企 業 の 買 収 や 業 務 提 携 により 事 業 を 拡 大 発 行 日 :2016/6/24 > 要 旨 会 社 の 概 要 セレス( 以 下 同 社 )は 成 功 報 酬 型 のスマートフォンメディア 事 業 を 展 開 している 事 業 セグメントはポイントサイトの モッピー モバトク 通 帳 お 財 布.com を 運 営 するポイントメディア 事 業 採 用 課 金 型 アルバイト 求 人 サイト モッピージョブ を 運 営 する HR メディア 事 業 で 構 成 されている スマートフォンでのサイト 運 営 力 と 278 万 人 (16 年 3 月 末 )の 会 員 が 同 社 の 最 大 の 強 み 15 年 12 月 期 決 算 は 41.3% 営 業 増 益 15/12 期 決 算 は 売 上 高 が 前 期 比 30.8% 増 の 3,167 百 万 円 営 業 利 益 が 同 41.3% 増 の 465 百 万 円 となった 第 2 四 半 期 のお 財 布.com の 事 業 譲 受 けにより 人 材 関 連 費 地 代 家 賃 が 増 加 したが 増 収 による 売 上 総 利 益 の 増 加 と 効 率 的 な 広 告 出 稿 により 営 業 利 益 が 大 幅 に 増 加 した 16 年 12 月 期 の 会 社 予 想 は 11.8% 増 の 営 業 増 益 同 社 は スマートフォンユーザーを 中 心 にポイントメディア 事 業 を 継 続 的 に 拡 大 させると 同 時 に HR メディア 事 業 が 高 成 長 を 続 けていくことを 前 提 に 16/12 期 の 売 上 高 を 前 期 比 15.3% 増 の 3,652 百 万 円 と 予 想 してい る また 営 業 利 益 を 同 11.8% 増 の 520 百 万 円 としており 持 続 的 な 成 長 を 維 持 していく 為 に HR メディアや 新 メディア 等 への 投 資 を 拡 大 しつつ 営 業 利 益 でも 二 桁 成 長 を 維 持 していく 見 込 みである 証 券 リサーチセンターは 18.6%の 営 業 増 益 を 予 想 証 券 リサーチセンターでは 16/12 期 も 同 社 の 主 軸 であるポイントメディア 事 業 が 及 び HR メディア 事 業 が 引 き 続 き 高 成 長 を 維 持 していくと 予 想 し 売 上 高 を 前 期 比 18.8% 増 の 3,763 百 万 円 営 業 利 益 は 同 18.6% 増 の 552 百 万 円 当 期 純 利 益 は 同 29.5% 増 の 348 百 万 円 と 予 想 する アナリスト: 内 山 和 也 +81(0)3-6858-3216 レポートについてのお 問 い 合 わせはこちら info@stock-r.org 主 要 指 標 株 価 ( 円 ) 発 行 済 株 式 数 ( 株 ) 時 価 総 額 ( 百 万 円 ) 前 期 実 績 今 期 予 想 来 期 予 想 PER ( 倍 ) 62.4 48.3 43.2 PBR ( 倍 ) 8.8 7.5 6.4 配 当 利 回 り (%) 0.0 0.0 0.0 株 価 パフォーマンス 1 カ 月 3 カ 月 12カ 月 リターン (%) -19.6 16.3 118.6 対 TOPIX (%) -11.3 25.3 184.9 株 価 チャート ( 円 ) 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 2016/6/17 1,908 9,272,000 17,690 3696 ( 左 ) 相 対 株 価 ( 右 ) ( 倍 ) 4.0 ( 注 ) 相 対 株 価 は 対 TOPIX 基 準 は2015/6/19 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 3696 セレス 業 種 : 情 報 通 信 業 決 算 期 売 上 高 前 期 比 営 業 利 益 前 期 比 経 常 利 益 前 期 比 純 利 益 前 期 比 EPS BPS 配 当 金 ( 百 万 円 ) (%) ( 百 万 円 ) (%) ( 百 万 円 ) (%) ( 百 万 円 ) (%) ( 円 ) ( 円 ) ( 円 ) 2013/12 1,171 101.3 156 154 90 12.1 32.2 0.0 2014/12 2,420 106.6 329 109.7 308 100.2 293 225.9 38.1 186.0 0.0 2015/12 3,167 30.8 465 41.3 458 48.5 269-8.4 30.7 215.9 0.0 2016/12 CE 3,652 15.3 520 11.8 507 10.6 323 20.1 36.7 0.0 2016/12 E 3,763 18.8 552 18.6 538 17.5 348 29.5 39.5 255.9 0.0 2017/12 E 4,210 11.9 617 11.9 602 11.9 390 11.9 44.2 300.1 0.0 2018/12 E 4,779 13.5 669 8.4 653 8.5 423 8.5 48.0 348.1 10.0 ( 注 )CE: 会 社 予 想 E: 証 券 リサーチセンター 予 想 アップデート レポート 2/8
> 事 業 内 容 急 成 長 を 続 ける 成 功 報 酬 型 のスマートフォンメディア 事 業 者 セレス( 以 下 同 社 )は 主 にスマートフォンをチャネルとした 成 功 報 酬 型 のメディア 事 業 を 展 開 している 同 社 が 創 業 した 05 年 にフィ ーチャーフォン 向 けのポイントメディア 事 業 モッピー を 立 ち 上 げ その 後 携 帯 端 末 がスマートフォンにとって 代 わられつつあった 11 年 に 媒 体 の 主 軸 をスマートフォンに 大 きくシフトした その 後 は 12/12 期 から 15/12 期 にかけて 売 上 高 を 5.4 倍 に 拡 大 させている 急 成 長 企 業 である 収 益 の 柱 はポイントメディア 事 業 収 益 の 柱 であるポイントメディア 事 業 は 同 社 の 売 上 高 の 97.9% (15/12 期 )を 占 めている( 図 表 1) 主 力 サイトの モッピー はス マートフォン 向 けのポイントメディアとしては 国 内 最 大 級 に 成 長 し た 注 1)14/12 期 の 売 上 高 に 占 める スマートフォン 比 率 は 81%であ ったが PC 比 率 の 高 いお 財 布.com の 売 上 高 合 算 により 71% に 低 下 した また 13 年 12 月 にファイブゲート 株 式 会 社 より 事 業 譲 受 した モバ トク 通 帳 さらに 15 年 4 月 に 株 式 会 社 オープンキューブから 買 収 し た お 財 布.com も 合 わせて 3 サイトを 運 営 しており 16 年 3 月 末 時 点 の 会 員 数 は 278 万 人 に 上 る 同 社 のポイントメディア 事 業 の 最 大 の 特 徴 は 売 上 高 に 占 めるスマートフォン 比 率 の 高 さであり 15/12 注 期 の 売 上 高 に 占 めるスマートフォン 比 率 は 71% 1 に 上 る HR メディア 事 業 と O2O 事 業 の 拡 大 に 投 資 HR メディア 事 業 は 10 年 11 月 にモッピージョブのサイト 立 ち 上 げ によって 開 始 された 15/12 期 売 上 高 の 2.1%にとどまるが 直 近 2 年 で 求 人 広 告 件 数 が 3.5 倍 売 上 高 で 6.8 倍 と 高 成 長 を 維 持 している 16/12 期 末 までに 求 人 広 告 件 数 を 大 手 他 社 並 みの 10 万 件 にすること を 目 標 としている 同 事 業 の 特 徴 は 採 用 課 金 型 の 求 人 サイトという 点 にある 同 サイト 上 に 求 人 広 告 を 掲 載 し 採 用 が 決 定 した 場 合 に 求 人 広 告 主 に 課 金 している また 第 三 の 柱 として スマートフォン 中 心 の 会 員 基 盤 を 生 かし 実 店 舗 (Offline)を 絡 めた O2O 事 業 の 展 開 を 模 索 しており 集 客 販 売 促 進 決 済 仮 想 通 貨 ビッグデータ を 重 点 領 域 に 設 定 し 事 業 化 に 向 けて 検 証 を 進 めている 図 表 1 15 年 12 月 期 の 事 業 セグメント 別 売 上 高 ( 百 万 円 ) 売 上 高 構 成 比 前 期 比 ポイントメディア 事 業 3,101 97.9% 29.8% HRメディア 事 業 65 2.1% 114.2% 3,167 100.0% 30.8% ( 出 所 ) 決 算 短 信 より 証 券 リサーチセンター 作 成 アップデート レポート 3/8
注 2)ビットコインは 国 家 の 発 行 する 通 貨 とは 異 なり 中 央 銀 行 のような 発 行 者 が 存 在 せず 利 用 者 全 体 で 発 行 管 理 される デジタル 通 貨 のこと 注 3)coincheck を 通 じてモッピ ーポイントのビットコインへの ポイント 交 換 が 可 能 となった 注 4)SmartCoin はオンラインビ ジネス 事 業 者 が 独 自 の 仮 想 通 貨 を 発 行 できるサービスであり 一 種 の 仮 想 通 貨 であるポイント を 運 用 する 同 社 にとって 親 和 性 の 高 いサービスである 積 極 的 な M&A や 資 本 提 携 によりサービスを 拡 充 同 社 はこれまでもモバトク 通 帳 やお 財 布.com など 事 業 買 収 により ポイントメディア 事 業 の 業 容 を 拡 大 してきた 注 直 近 ではビットコイン 2 サービス coincheck を 提 供 するレジュプ 注 レス 株 式 会 社 との 資 本 業 務 提 携 3 (15 年 8 月 )や 仮 想 通 貨 発 行 注 運 用 プラットフォーム SmartCoin 4 の 提 供 を 行 う 株 式 会 社 Orb の 第 三 者 割 当 増 資 の 引 受 け(15 年 9 月 ) ビットコインの 購 入 送 金 な どが 可 能 な ビットバンクウォレット や 日 本 初 のビットコイン FX 取 引 が 可 能 なビットコイン 取 引 所 ビットコイントレード を 展 開 す るビットバンク 株 式 会 社 との 資 本 業 務 提 携 (15 年 12 月 )など 積 極 的 な 提 携 によるサービス 拡 充 により ポイントメディアの 価 値 を 高 め ている > 強 み 弱 みの 分 析 SWOT 分 析 証 券 リサーチセンター( 以 下 当 センター)は 同 社 の 内 部 資 源 ( 強 み 弱 み) 及 び 外 部 環 境 ( 機 会 脅 威 )の 状 況 を 図 表 2 のように 整 理 した 同 社 の 強 みは 国 内 最 大 級 の 278 万 人 の 有 効 会 員 と その 会 員 を 持 続 的 に 維 持 拡 大 するためのコンテンツ 運 営 ノウハウである 一 方 で 収 益 の 98%がポイントメディア 事 業 によるものであり 同 市 場 の 動 向 次 第 では 事 業 縮 小 のリスクがあることにも 留 意 したい 図 表 2 SWOT 分 析 強 み (Strength) 弱 み (Weakness) 機 会 (Opportunity) 脅 威 (Threat) 国 内 最 大 級 278 万 人 の 有 効 会 員 ポイントメディアサイト 3 サイトでユーザーを 楽 しませるサイト 運 営 ノウハウ 競 合 他 社 に 先 行 して 拡 大 したスマートフォンサイトの 展 開 ノウハウ 1,000 社 を 超 える 広 告 主 との 良 好 な 関 係 多 くの 資 本 業 務 提 携 により 業 容 を 拡 大 するノウハウ 収 益 の 大 部 分 をポイントメディア 事 業 が 占 めていること ポイントを 含 む 仮 想 通 貨 の 認 識 拡 大 と 流 動 性 の 向 上 好 調 に 推 移 している 求 人 広 告 市 場 ポイントやビットコインに 対 する 法 規 制 ビットコインの 通 貨 としての 信 用 力 低 下 のリスク ポイントメディア 市 場 の 飽 和 市 場 縮 小 リスク ( 出 所 ) 証 券 リサーチセンター アップデート レポート 4/8
> 決 算 概 要 15 年 12 月 期 決 算 は 41.3%の 営 業 増 益 同 社 は 15 年 4 月 にオープンキューブよりお 財 布.com 事 業 を 譲 受 け た 15/12 期 は 同 サイトの 売 上 高 が 大 きく 寄 与 するとともに 既 存 の モッピー モバトクの 2 サイトについても 会 員 数 を 増 加 させ 順 調 に 売 上 高 を 拡 大 させたことにより 15/12 期 の 業 績 は 売 上 高 が 前 期 比 30.8% 増 の 3,167 百 万 円 営 業 利 益 が 前 期 比 41.3% 増 の 465 百 万 円 と なった( 図 表 3 及 び 4) 利 益 面 では 売 上 原 価 率 が 前 期 の 61.4%から 63.4%へと 2.0%ポイント 悪 化 したが 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 ( 以 下 販 管 費 )の 売 上 高 比 が 前 期 の 25.0%から 21.9%へと 3.1%ポイント 縮 小 し 営 業 利 益 率 は 前 期 の 13.6%から 14.7%へと 改 善 した 販 管 費 率 が 改 善 したのは お 財 布.com の 買 収 による 人 員 10 名 の 異 動 やこれに 伴 うオフィス 移 転 また 第 4 四 半 期 に 実 施 した 事 業 拡 大 に 伴 う 人 員 拡 大 により 人 材 関 連 費 用 地 代 家 賃 などが 拡 大 したが 効 率 的 な 広 告 出 稿 により 広 告 宣 伝 費 が 縮 小 したことが 主 因 として 挙 げら れる 同 社 が 運 営 するポイントメディアサイトであるモッピー モバトク お 財 布.com の 3 サイト 合 計 のアクティブ 会 員 数 は 15/12 期 末 時 点 で 267 万 人 となった( 前 期 末 比 89 万 人 増 ) また 3 サイト 合 計 で 常 時 1,500 以 上 の 広 告 を 掲 載 し 累 計 での 会 員 数 は 1,000 万 人 以 上 累 計 ポイント 発 行 額 は 15/12 期 末 時 点 で 211 億 ポイント(100 億 円 相 当 )となり ポイントメディアサイトの 運 営 企 業 として 最 大 規 模 を 誇 っている 今 期 は HR メディア 事 業 においても 求 人 広 告 掲 載 件 数 が 前 期 比 1.7 倍 と 順 調 に 拡 大 したことから 同 事 業 の 売 上 高 は 同 114.2% 増 と 2 倍 以 上 の 事 業 拡 大 を 達 成 した 図 表 3 四 半 期 別 売 上 高 の 推 移 ( 百 万 円 ) 図 表 4 四 半 期 別 営 業 利 益 の 推 移 ( 百 万 円 ) 850 849 795 159 663 671 622 123 596 597 105 105 151 193 273 318 386 7 40 61 47 74 71 77 76 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 12/12 期 13/12 期 14/12 期 15/12 期 ( 出 所 ) 図 表 3 及 び 4 ともにセレスの 決 算 説 明 会 資 料 より 証 券 リサーチセンター 作 成 -8 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q アップデート レポート 5/8 12/12 期 13/12 期 14/12 期 15/12 期
> 業 績 見 通 し 16 年 12 月 期 の 会 社 予 想 は 11.8%の 営 業 増 益 16/12 期 の 会 社 予 想 は ポイントメディア 事 業 の 会 員 数 拡 大 に 伴 う 事 業 拡 大 と HR メディア 事 業 の 継 続 的 な 成 長 を 前 提 に 売 上 高 15.3% 増 の 3,652 百 万 円 営 業 利 益 を 11.8% 増 の 520 百 万 円 としている HR メディア 事 業 や 新 メディアなどへの 投 資 を 強 化 していく 方 針 のた め 営 業 利 益 率 は 15/12 期 の 14.7%から 14.2%へと 低 下 することを 同 社 は 見 込 んでいるが 営 業 利 益 でも 二 桁 成 長 を 堅 持 し 新 規 投 資 によ る 長 期 的 な 成 長 と 短 期 的 な 利 益 成 長 の 両 立 を 目 指 している ポイントメディア 事 業 は モッピー モバトク お 財 布.com 共 に 会 員 数 の 増 加 を 背 景 に 業 績 拡 大 を 続 けているが サイトそれぞれでの 会 員 数 の 増 加 率 は 鈍 化 してきている 現 状 の 成 長 率 を 維 持 していくため には 既 存 サイトの 会 員 獲 得 の 強 化 と 共 に 更 なる 他 社 サイトの 買 収 による 会 員 獲 得 も 予 想 される 同 社 が 新 規 事 業 の 展 開 を 模 索 している O2O 事 業 については 集 客 販 売 促 進 決 済 仮 想 通 貨 ビッグデータ の 4 領 域 を 重 点 領 域 とすることを 発 表 しており 同 社 の 持 つ 278 万 人 の 会 員 へアクセス 可 能 なチャネルや 他 社 にはない 独 自 の 会 員 行 動 履 歴 主 な 会 員 がスマ ートフォンによる 利 用 であるという 利 点 など 同 社 の 強 みを 最 大 限 生 かした O2O 事 業 の 展 開 が 期 待 される 注 5) 仮 想 通 貨 とは 資 金 決 済 法 上 このように 定 義 される 通 貨 または 通 貨 建 資 産 には 該 当 しない 電 子 的 に 記 録 さ れた 財 産 的 価 値 である 商 品 や 役 務 の 代 金 決 済 に 使 用 及 び 売 買 することが 可 能 である 情 報 処 理 システムによって 移 転 が 可 能 である 資 金 決 済 法 の 改 正 による 仮 想 通 貨 の 定 義 づけが 流 通 を 後 押 し 同 社 が O2O 事 業 の 重 点 領 域 としている 仮 想 通 貨 に 関 連 して 16 年 3 月 に 資 金 決 済 法 の 改 正 案 が 国 会 に 提 出 された 同 法 案 では これ 注 まであいまいであった 仮 想 通 貨 を 定 義 5 するとともに 仮 想 通 貨 の 売 買 交 換 及 びその 媒 介 等 を 仮 想 通 貨 交 換 業 と 位 置 づけ 業 登 録 がなければ 行 うことができないものとしている この 改 正 案 は 仮 想 通 貨 を 貨 幣 として 積 極 的 に 位 置 づけるもので はないものの 仮 想 通 貨 の 利 用 者 にとって 仮 想 通 貨 に 対 する 一 定 の 信 用 を 与 えるものであるため ビットコインやポイントを 含 む 仮 想 通 貨 の 流 通 の 拡 大 を 後 押 しするものと 考 えられる 証 券 リサーチセンターは 18.6%の 営 業 増 益 を 予 想 当 センターでは 16/12 期 の 売 上 高 を 前 期 比 18.8% 増 の 3,763 百 万 円 営 業 利 益 は 同 18.6% 増 の 552 百 万 円 当 期 純 利 益 は 同 29.5% 増 の 348 百 万 円 と 予 想 する( 図 表 5) アップデート レポート 6/8
予 想 の 前 提 は 以 下 のとおりである 1. 同 社 の 主 軸 であるポイントメディア 事 業 では 会 員 数 がこれまで と 同 様 のペースで 拡 大 し 16/12 期 末 の 会 員 数 は 300 万 人 を 超 え 310 万 人 前 後 の 規 模 に 拡 大 すると 想 定 2. 一 方 で 会 員 一 人 当 たりの 売 上 高 は 年 々 低 下 しており 15/12 期 か ら 8~10% 程 度 低 下 すると 想 定 3. 第 二 の 柱 である HR メディア 事 業 の 直 近 の 拡 大 のペースを 維 持 4. 第 3 の 柱 として 注 力 している 仮 想 通 貨 を 軸 とした O2O 事 業 の 一 部 収 益 化 図 表 5 証 券 リサーチセンターの 業 績 予 想 モデル ( 単 位 : 百 万 円 ) 旧 15/12 期 E 15/12 期 実 績 旧 16/12 期 E 16/12 期 E 旧 17/12 期 E 17/12 期 E 18/12 期 E 売 上 高 3,637 3,167 4,638 3,763 5,501 4,210 4,779 営 業 利 益 488 465 628 552 815 617 669 ( 対 売 上 高 比 ) 13.4% 14.7% 13.5% 14.7% 14.8% 14.7% 14.0% 経 常 利 益 485 458 625 538 812 602 653 ( 対 売 上 高 比 ) 13.3% 14.5% 13.5% 14.3% 14.8% 14.3% 13.7% 当 期 純 利 益 314 269 405 348 526 390 423 ( 対 売 上 高 比 ) 8.6% 8.5% 8.7% 9.2% 9.6% 9.3% 8.9% ( 出 所 ) 証 券 リサーチセンター > 投 資 に 際 しての 留 意 点 当 面 は 将 来 の 投 資 に 向 けた 内 部 留 保 を 優 先 同 社 は 株 主 への 利 益 還 元 を 重 要 な 経 営 課 題 と 認 識 しているものの 将 来 の 投 資 や 財 務 基 盤 強 化 に 向 けた 内 部 留 保 を 優 先 するため 現 時 点 で 配 当 開 始 時 期 は 定 めておらず 株 主 優 待 制 度 なども 設 けていない 当 センターは 利 益 剰 余 金 の 蓄 積 が 進 むであろう 18/12 期 には 配 当 性 向 10 20% 程 度 の 配 当 を 行 う 可 能 性 があると 予 想 する 長 期 的 な 成 長 は HR メディア 事 業 O2O 事 業 の 成 否 に 注 目 ポイントメディアサイト 市 場 については PC 版 の 立 ち 上 り 以 降 17 年 が 経 過 した 中 で 500~1,000 万 人 規 模 のユニークユーザーについて 今 後 大 幅 に 成 長 していくという 市 場 変 化 は 期 待 できず 同 社 が 同 市 場 だけで 長 期 的 な 成 長 を 遂 げることには 限 界 があると 推 察 される 同 社 が 持 続 的 な 成 長 を 遂 げるためには HR メディア 事 業 を 始 めとす る 一 般 ユーザー 向 けのアフィリエイトサイトや 仮 想 通 貨 を 軸 とした O2O 事 業 など 一 般 ユーザーのより 日 常 の 消 費 を 促 進 する 市 場 に 切 り 込 んでいく 必 要 がある これらの 新 規 事 業 の 成 否 によっては 同 社 の 成 長 に 陰 りが 見 えてくる 場 合 があることにも 留 意 しておきたい アップデート レポート 7/8
一 般 的 なセキュリティリスクにも 留 意 同 社 は 多 くの 個 人 情 報 や 会 員 の 資 産 (ポイント)を 管 理 している こ れらのセンシティブな 情 報 を 扱 う 企 業 の 一 般 的 なリスクとして 情 報 漏 えいリスク ハッキング バグなどによるポイントの 盗 難 や 消 失 の リスクが 存 在 する ポイントは 発 行 体 の 信 用 に 基 づいて 発 行 されてい る 為 個 人 情 報 の 漏 えいやポイント 資 産 に 関 する 混 乱 が 一 度 でも 発 生 してしまえば 同 社 が 信 用 を 失 うことが 予 想 される ポイントが 一 度 に 現 金 化 されてしまった 場 合 キャッシュフローを 圧 迫 し 同 社 の 財 務 状 況 に 大 きく 影 響 を 与 えることにも 留 意 しておきたい アップデート レポート 8/8
証 券 リサーチセンターについて 証 券 リサーチセンターは 株 式 市 場 の 活 性 化 に 向 けて 中 立 的 な 立 場 から アナリスト カバーが 不 十 分 な 企 業 を 中 心 にアナリス ト レポートを 作 成 し 広 く 一 般 にレポートを 公 開 する 活 動 を 展 開 しております 独 自 にカバー 対 象 企 業 を 選 定 し 取 材 レポート 作 成 上 場 企 業 東 証 証 券 会 社 監 査 法 人 など 協 賛 証 券 リサーチセンター Web サイト スマホアプリ 等 を 通 してレポート 提 供 ( 原 則 無 償 ) 投 資 家 マスコミなど 上 場 企 業 による 費 用 負 担 なし 協 賛 会 員 ( 協 賛 ) 東 京 証 券 取 引 所 SMBC 日 興 証 券 株 式 会 社 大 和 証 券 株 式 会 社 野 村 證 券 株 式 会 社 みずほ 証 券 株 式 会 社 有 限 責 任 あずさ 監 査 法 人 有 限 責 任 監 査 法 人 トーマツ 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 優 成 監 査 法 人 株 式 会 社 ICMG ( 準 協 賛 ) 三 優 監 査 法 人 太 陽 有 限 責 任 監 査 法 人 株 式 会 社 SBI 証 券 ( 賛 助 ) 日 本 証 券 業 協 会 日 本 証 券 アナリスト 協 会 監 査 法 人 A&A パートナーズ いちよし 証 券 株 式 会 社 本 レポートの 特 徴 ホリスティック 企 業 レポートとは ホリスティック 企 業 レポートとは 証 券 リサーチセンターが 発 行 する 企 業 調 査 レポートのことを 指 します ホリスティック 企 業 レ ポートは 企 業 側 の 開 示 資 料 及 び 企 業 への 取 材 等 を 通 じて 収 集 した 情 報 に 基 づき 企 業 価 値 創 造 活 動 の 中 長 期 の 持 続 可 能 性 及 び 株 価 評 価 などの 統 合 的 分 析 結 果 を 提 供 するものです 魅 力 ある 上 場 企 業 を 発 掘 新 興 市 場 を 中 心 に アナリスト カバーがなく 独 自 の 製 品 技 術 を 保 有 している 特 徴 的 な 企 業 を 発 掘 します 企 業 の 隠 れた 強 み 成 長 性 を 評 価 本 レポートは 財 務 分 析 に 加 え 知 的 資 本 の 分 析 手 法 を 用 いて 企 業 の 強 みを 評 価 し 企 業 の 潜 在 的 な 成 長 性 を 伝 えます さらに 今 後 の 成 長 を 測 る 上 で 重 要 な KPI( 業 績 指 標 )を 掲 載 することで 広 く 投 資 判 断 の 材 料 を 提 供 します 第 三 者 が 中 立 的 客 観 的 に 分 析 中 立 的 な 立 場 にあるアナリストが 企 業 調 査 及 びレポートの 作 成 を 行 い 質 の 高 い 客 観 的 な 企 業 情 報 を 提 供 します 本 レポートは 企 業 価 値 を 財 務 資 本 と 非 財 務 資 本 の 両 側 面 から 包 括 的 に 分 析 評 価 しております 本 レポートの 構 成 企 業 の 価 値 は 財 務 資 本 と 非 財 務 資 本 から 成 ります 財 務 資 本 とは これまでに 企 業 活 動 を 通 じて 生 み 出 したパフォーマンス つまり 財 務 諸 表 で 表 される 過 去 の 財 務 成 果 であり 目 に 見 える 企 業 の 価 値 を 指 します それに 対 して 非 財 務 資 本 とは 企 業 活 動 の 幹 となる 経 営 戦 略 /ビジネスモデル 経 営 基 盤 や IT システムなどの 業 務 プロ セスや 知 的 財 産 を 含 む 組 織 資 本 組 織 の 文 化 や 意 欲 ある 人 材 や 経 営 陣 などの 人 的 資 本 顧 客 との 関 係 性 やブランドなどの 関 係 資 本 社 会 との 共 生 としての 環 境 対 応 や 社 会 的 責 任 などの ESG 活 動 を 指 し いわば 目 に 見 えない 企 業 の 価 値 のことを 言 いま す 本 レポートは 目 に 見 える 価 値 である 財 務 資 本 と 目 に 見 えない 価 値 である 非 財 務 資 本 の 両 面 に 着 目 し 企 業 の 真 の 成 長 性 を 包 括 的 に 分 析 評 価 したものです 1. 会 社 概 要 企 業 価 値 2. 財 務 資 本 企 業 業 績 収 益 性 安 定 性 効 率 性 4. 経 営 戦 略 / ビジネスモデル 事 業 戦 略 中 期 経 営 計 画 ビジネスサイクル 3. 非 財 務 資 本 知 的 資 本 関 係 資 本 ( 顧 客 フ ラント など) 組 織 資 本 ( 知 的 財 産 ノウハウなど) 人 的 資 本 ( 経 営 陣 従 業 員 など) など) ESG 活 動 環 境 対 応 社 会 的 責 任 企 業 統 治 5.アナリストの 評 価
指 標 分 析 用 語 の 説 明 PER(Price Earnings Ratio) 株 価 を 1 株 当 たり 当 期 純 利 益 で 除 し たもので 株 価 が 1 株 当 たり 当 期 純 利 益 の 何 倍 まで 買 われているのかを 示 すものです PBR(Price Book Value Ratio) 株 価 を 1 株 当 たり 純 資 産 で 除 したも ので 株 価 が 1 株 当 たり 純 資 産 の 何 倍 まで 買 われているのかを 示 すもの です 配 当 利 回 り 1 株 当 たりの 年 間 配 当 金 を 株 価 で 除 したもので 投 資 金 額 に 対 して どれ だけ 配 当 を 受 け 取 ることができるか を 示 すものです ESG Environment: 環 境 Society: 社 会 Governance: 企 業 統 治 に 関 する 情 報 を 指 します 近 年 環 境 問 題 への 関 心 や 企 業 の 社 会 的 責 任 の 重 要 性 の 高 まりを 受 けて 海 外 の 年 金 基 金 を 中 心 に 企 業 への 投 資 判 断 材 料 として 使 わ れています SWOT 分 析 企 業 の 強 み ( Strength ) 弱 み (Weakness) 機 会 (Opportunity) 脅 威 (Threat)の 全 体 的 な 評 価 を SWOT 分 析 と 言 います KPI (Key Performance Indicator) 企 業 の 戦 略 目 標 の 達 成 度 を 計 るため の 評 価 指 標 (ものさし)のことです 知 的 資 本 顧 客 関 係 や 業 務 の 仕 組 みや 人 材 力 な どの 財 務 諸 表 には 表 れないが 財 務 業 績 を 生 み 出 す 源 泉 となる 隠 れた 経 営 資 源 を 指 します 関 係 資 本 顧 客 や 取 引 先 との 関 係 ブランド 力 な ど 外 部 との 関 係 性 を 示 します 組 織 資 本 組 織 に 内 在 する 知 財 やノウハウ 業 務 プロセス 組 織 風 土 などを 示 します 人 的 資 本 経 営 陣 と 従 業 員 の 人 材 力 を 示 します 免 責 事 項 本 レポートは 一 般 社 団 法 人 証 券 リサーチセンターに 所 属 する 証 券 アナリストが 広 く 投 資 家 に 株 式 投 資 の 参 考 情 報 として 閲 覧 されることを 目 的 として 作 成 したものであり 特 定 の 証 券 又 は 金 融 商 品 の 売 買 の 推 奨 勧 誘 を 目 的 としたものではありません 本 レポートの 内 容 記 述 は 一 般 に 入 手 可 能 な 公 開 情 報 に 基 づき アナリストの 取 材 により 必 要 な 補 充 を 加 え 作 成 されたもので す 本 レポートの 作 成 者 は インサイダー 情 報 の 使 用 はもとより 当 該 情 報 を 入 手 することも 禁 じられています 本 レポートに 含 まれる 情 報 は 正 確 かつ 信 頼 できると 考 えられていますが その 正 確 性 が 客 観 的 に 検 証 されているものではありません また 本 レポートは 投 資 家 が 必 要 とする 全 ての 情 報 を 含 むことを 意 図 したものではありません 本 レポートに 含 まれる 情 報 は 金 融 市 場 や 経 済 環 境 の 変 化 等 のために 最 新 のものではなくなる 可 能 性 があります 本 レポート 内 で 直 接 又 は 間 接 的 に 取 り 上 げられている 株 式 は 株 価 の 変 動 や 発 行 体 の 経 営 財 務 状 況 の 変 化 金 利 為 替 の 変 動 等 の 要 因 に より 投 資 元 本 を 割 り 込 むリスクがあります 過 去 のパフォーマンスは 将 来 のパフォーマンスを 示 唆 し または 保 証 するもので はありません 特 に 記 載 のないかぎり 将 来 のパフォーマンスの 予 想 はアナリストが 適 切 と 判 断 した 材 料 に 基 づくアナリストの 予 想 であり 実 際 のパフォーマンスとは 異 なることがあります したがって 将 来 のパフォーマンスについては 明 示 又 は 黙 示 を 問 わずこれを 保 証 するものではありません 本 レポート 内 で 示 す 見 解 は 予 告 なしに 変 更 されることがあり 一 般 社 団 法 人 証 券 リサーチセンターは 本 レポート 内 に 含 まれる 情 報 及 び 見 解 を 更 新 する 義 務 を 負 うものではありません 一 般 社 団 法 人 証 券 リサーチセンターは 投 資 家 が 本 レポートを 利 用 したこと 又 は 本 レポートに 依 拠 したことによる 直 接 間 接 の 損 失 や 逸 失 利 益 及 び 損 害 を 含 むいかなる 結 果 についても 一 切 責 任 を 負 いません 最 終 投 資 判 断 は 投 資 家 個 人 においてなされなけ ればならず 投 資 に 対 する 一 切 の 責 任 は 閲 覧 した 投 資 家 にあります 本 レポートの 著 作 権 は 一 般 社 団 法 人 証 券 リサーチセンターに 帰 属 し 許 可 なく 複 製 転 写 引 用 等 を 行 うことを 禁 じます