作業療法白書2010.indd



Similar documents
平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

Microsoft Word - 目次.doc

スライド 1

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

Ⅰ 平成14年度の状況

 

●幼児教育振興法案

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

m07 北見工業大学 様式①

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

‚æ39›ñ‚“›ï„‹™è‘W/P1~2 ‡à‡Ł‡¶†E…V…“

Ⅰ 平成14年度の状況

公表表紙

16 日本学生支援機構

Microsoft PowerPoint - 【資料5】社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し(案)について

Microsoft Word - 国民年金の加入納付状況H25

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

別紙3

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

●電力自由化推進法案

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

Microsoft Word - 概況(確定版).doc

< C8EAE81698B4C93FC8FE382CC97AF88D38E968D CA8E86816A2E786C73>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

18 国立高等専門学校機構

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

個人住民税徴収対策会議

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

< F2D30362D955C8E C8E86816A2E6A7464>

別紙3

Microsoft Word - 福祉医療費給付要綱

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

①表紙

目 次 事 例 法 別 5 法 別 5 70 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 誕 生 が 昭 和 9 年 月 以 降 の 者 3 法 別 5 70 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 特 例 措 置 対 象 者 法 別 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 特 例 措 置

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

aaaH26年度 医療費の動向_プレスリリース

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,


<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

<4D F736F F F696E74202D E38BA A A8D9195DB91678D8795E28F958CA992BC82B DC58F4994C52E >

Taro-iryouhoken

<81696D373188A E58A77816A E93788D9191E5834B C8EAE82502E786C73>

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

Taro-01 議案概要.jtd

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

設 問 一 覧 全 員 にお 聞 きします 103 万 円 の 壁 130 万 円 の 壁 について 知 っていますか?...(SA) あなたの 年 収 を 教 えてください...(SA) 年 収 が 103 万 円 以 下 103 万 円 超 130 万 円 以 下 と 答 えた 人 あなたは 年

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,600 円 185,800 円 222,900 円 261,900 円

退職手当とは

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

Microsoft Word - 05_roumuhisaisoku

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

1.H26年エイズ発生動向年報ー概要

定款

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

学校安全の推進に関する計画の取組事例

小山市保育所整備計画

平成21年9月29日

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : 円 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135, , , , , ,600 最


- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

資料2 利用者負担(保育費用)

(2) 就 業 規 則 の 状 況 就 業 規 則 は 90.0%の 事 業 所 が 整 備 している このうち 就 業 規 則 を 周 知 している 事 業 所 は 84.0%で 周 知 の 方 法 ( 複 数 回 答 )については 常 時 掲 示 または 備 え 付 け が 最 も 多 く 64

< CF6955C976C8EAE DE82C28E73816A2E786C73>

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

1 総括

Microsoft PowerPoint - 390

財団法人山梨社会保険協会寄付行為

スライド 1

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

(3) 福 祉 施 設 から 一 般 就 労 への 移 行 本 市 の 福 祉 施 設 利 用 者 の 中 で 平 成 24 年 度 に 一 般 就 労 により 退 所 した 人 は 3 人 です ここでいう 福 祉 施 設 とは 生 活 介 護 事 業 自 立 訓 練 事 業 ( 生 活 訓 練

< EC8E F58B8B975E8CF6955C8CB48D652E786C73>

Microsoft Word - H24様式(那珂市版).doc

<4D F736F F D20836E E819592E88C5E B F944E82548C8E89FC90B3816A5F6A D28F57>

Transcription:

作 業 療 法 白 書 刊 行 にあたって ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 会 長 中 村 春 基 ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 ( 以 下 協 会 )の 白 書 は 1985 年 の 協 会 20 周 年 記 念 として 刊 行 され たものが 第 一 冊 目 となります それを 契 機 に 5 年 ごとの 協 会 周 年 記 念 として 刊 行 してきました 今 回 の 白 書 は 2006 年 度 から 2010 年 度 の 5 年 間 の 作 業 療 法 の 姿 をまとめたものですが この 間 作 業 療 法 を 含 むリハビリテーションに 係 る 制 度 は 大 きく 動 いており 作 業 療 法 の 現 場 もその 影 響 を 受 けました 大 きな 制 度 の 変 更 は 例 えば 2006 年 度 診 療 報 酬 改 定 では 切 れ 目 のないリハビリテー ションの 推 進 医 療 と 介 護 のリハビリテーションの 連 携 強 化 を 促 進 するための 見 直 しや 疾 患 別 リ ハビリテーション 料 の 新 設 2005 年 に 一 部 改 正 され 2006 年 に 施 行 された 介 護 保 険 法 における 予 防 重 視 型 システム への 転 換 地 域 密 着 型 サービス の 創 設 地 域 包 括 支 援 センター の 創 設 地 域 包 括 ケアの 考 え 方 2006 年 4 月 からの 障 害 者 自 立 支 援 法 施 行 などですが これらに 共 通 す る 考 え 方 は 地 域 移 行 地 域 定 着 を 含 めた 地 域 生 活 支 援 の 充 実 とされています 協 会 が 2008 年 に 策 定 した 作 業 療 法 5ヶ 年 戦 略 は まさにこれらの 動 きと 符 合 する 内 容 となっています 今 回 の 白 書 で 作 業 療 法 の 姿 がどのようになっているか 会 員 一 人 ひとりの 目 で 点 検 していた だき ご 意 見 をいただければと 思 います なお この 5 年 間 で 最 も 重 大 な 出 来 事 は 当 然 のことながら 2011 年 3 月 11 日 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 です 改 めて お 亡 くなりになられた 方 々のご 冥 福 と 被 災 された 皆 様 の 一 日 でも 早 い 復 興 と 生 活 の 再 建 を 願 ってやみません 協 会 は 中 心 的 な 被 災 地 士 会 の 皆 さんと 協 力 して 継 続 し た 支 援 を 行 っていきます 次 回 の 白 書 では その 点 の 経 過 も 確 認 できるものになればと 考 えてい ます 1

はじめに 作 業 療 法 白 書 は 1985 年 以 来 5 年 ごとに 発 行 されており, 今 回 で 第 6 巻 にあたる. 作 業 療 法 のサー ビス 提 供 や 作 業 療 法 士 の 働 く 環 境 等 に 関 しては 毎 回 同 一 の 項 目 について 調 査 集 計 し, 協 会 とし て 常 時 把 握 しているデータとともにまとめた 資 料 である. 会 員 はじめ 関 係 機 関 に 作 業 療 法 の 現 状 や 協 会 の 活 動 について 広 く 知 っていただくことを 目 的 としている. アンケート 調 査 の 対 象 は,1995 年 までは 全 協 会 会 員, 施 設 であったが,2000 年 より 会 員 の 勤 務 する 全 施 設 としており, 今 回 も 多 くの 施 設 にご 協 力 をいただいた. 忙 しい 臨 床 業 務 の 中 で, 多 く の 項 目 にわたるアンケートに 回 答 くださった 施 設 代 表 の 会 員 の 皆 様,またアンケート 回 収 のため にご 協 力 いただいた 都 道 府 県 連 絡 協 議 会 および 都 道 府 県 作 業 療 法 士 会 の 関 係 諸 氏 に 深 く 感 謝 申 し 上 げる. 本 白 書 では, 前 回 までの 内 容 を 踏 襲 しながらも, 諸 事 情 を 鑑 みて 調 査 項 目 やデータの 提 示 方 法, 掲 載 内 容 等 について 変 更 した 点 があるので 以 下 に 記 しておきたい. 東 日 本 大 震 災 後 の 復 旧 復 興 支 援 は 協 会 の 最 重 要 課 題 のひとつである.そこで 本 白 書 では 第 1 章 の 前 に 震 災 後 の 協 会 の 対 応 について 記 録 する 特 別 記 事 を 掲 載 した. 作 業 療 法 の 対 象 領 域 について, 老 人 作 業 療 法 の 区 分 が 廃 止 されたことを 受 け, 従 来 の 老 年 期 障 害 医 療 領 域 は 医 療 領 域 ( 身 体 障 害 )に 含 めることとした. 一 方 で, 高 齢 者 と 若 年 者 を 区 別 して 作 業 療 法 の 現 状 を 把 握 することも 重 要 と 考 え, 対 象 者 の 年 齢 を65 歳 未 満 以 上 に 分 けて 調 査 集 計 した. 作 業 療 法 の 対 象 疾 患 はICD-10に 基 づいて 再 構 成 し, 従 来 含 まれていた 障 害 名 はそのまま 残 し た. 診 療 報 酬 制 度 の 変 更 や 対 象 疾 患 としての 増 加 を 受 け, 悪 性 新 生 物 を 単 独 の 項 目 とした. 作 業 療 法 の 目 的 評 価 手 段 の 項 目 は 作 業 療 法 ガイドライン 2006 年 度 版 ( 社 団 法 人 日 本 作 業 療 法 士 協 会 )に 基 づいて 改 変 した. アンケート 結 果 は2005 年 白 書 の 調 査 結 果 と 比 較 できるよう, 表 に2005 年 データを 併 記 した.た だし 前 項 のように 調 査 内 容 に 多 少 の 変 更 があったため, 比 較 の 困 難 な 箇 所 もあった.2010 年 白 書 の 項 目 で,2005 年 に 対 照 する 項 目 のない 場 合 は - で 示 した. 2010 年 調 査 では 無 回 答 の 割 合 が 増 加 しており,2005 年 との 数 値 比 較 が 困 難 な 場 合 があるため, 無 回 答 を 除 いた 数 を 全 数 とした 結 果 を 併 記 することとした. 作 業 療 法 の 手 段 については, 個 々の 種 目 ではなく, 作 業 活 動 の 種 類 別 の 集 計 を 掲 載 した.これ は, 作 業 療 法 においては 実 施 されている 作 業 種 目 よりもその 治 療 的 な 利 用 方 法 が 重 要 と 考 えら れるが, 単 なる 種 目 のみの 集 計 は, 作 業 療 法 を 熟 知 していな 読 者 には 作 業 療 法 の 内 容 を 誤 解 さ れることにもつながる 懸 念 からである.なお, 各 手 段 に 対 応 する 種 目 については 資 料 13-4を 参 照 いただきたい.また, 種 目 ごとの 集 計 に 興 味 のある 方 は, 協 会 ホームージで 公 開 予 定 の 白 書 アンケート 集 計 データを 参 照 いただきたい. 作 業 療 法 士 以 外 の 読 者 に 作 業 療 法 士 の 仕 事 を 具 体 的 に 知 っていただくため, 各 領 域 における 実 践 報 告 を 掲 載 した. 2

白 書 の 主 要 項 目 と 主 な 執 筆 担 当 部 署 (2011 年 3 月 時 点 ) 及 びアンケートの 概 要 は 以 下 の 通 りである. 執 筆 担 当 部 署 1. わが 国 の 作 業 療 法 ( 副 会 長 ) 2. 就 業 状 況 から 見 る 作 業 療 法 ( 調 査 部, 福 利 部 ) 3. 作 業 療 法 士 の 臨 床 活 動 ( 学 術 部, 保 険 部, 保 健 福 祉 部, 精 神 障 害 認 知 症 問 題 担 当 理 事 ) 4. 公 的 制 度 と 作 業 療 法 ( 保 険 部, 保 健 福 祉 部 ) 5. 作 業 療 法 部 門 の 運 営 管 理 ( 福 利 部 ) 6. 作 業 療 法 士 の 養 成 ( 養 成 教 育 部 ) 7. 作 業 療 法 士 の 生 涯 教 育 ( 生 涯 教 育 部 ) 8. 学 術 研 究 活 動 ( 学 術 部 学 会 評 議 委 員 会 機 関 誌 編 集 委 員 会 ) 9. 国 際 交 流 (WFOT 代 表, 国 際 部 ) 10. 日 本 作 業 療 法 士 協 会 と 都 道 府 県 作 業 療 法 士 会 ( 会 長, 副 会 長, 事 務 局 長, 事 務 局, 都 道 府 県 士 会 連 絡 協 議 会, 士 会 担 当 理 事 ) 資 料 ( 学 術 部, 事 務 局, 調 査 部, 協 会 史 料 収 集 編 纂 委 員 会, 保 険 部, 養 成 教 育 部 ) アンケート 概 要 対 象 ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 正 会 員 が 勤 務 する 全 施 設 方 法 2010 年 9 月 に 質 問 紙 を 郵 送 (7,959 施 設 ), 当 初 10 月 30 日 の 締 め 切 りを 延 長 して 11 月 末 日 回 収 打 ち 切 り. 回 収 数 3,296; 回 収 率 41.4%. 回 答 施 設 の 種 類 は 表 を 参 照 調 査 対 象 期 間 特 に 指 定 のない 限 り,2009 年 10 月 から 2010 年 9 月 末 日. 臨 床 活 動 の 基 準 日 は 2010 年 10 月 1 日 ( 集 計 結 果 は 白 書 に 記 載 せず) 回 答 者 作 業 療 法 部 門 の 代 表 者 回 答 方 法 郵 送 もしくはインターネットによるオンライン 回 答 調 査 内 容 1 一 般 項 目 ( 施 設 種 別, 作 業 療 法 士 の 労 働 環 境 など 15 問 )2 作 業 療 法 士 の 臨 床 活 動 ( 医 療 領 域 33 問, 保 健 福 祉 介 護 保 険 領 域 29 問,その 他 領 域 16 問 )3 作 業 療 法 部 門 の 管 理 運 営 等 41 問 ; 計 134 問. 詳 しくは 資 料 13 白 書 アンケート 及 び 資 料 を 参 照 インターネット 回 答 環 境 の 整 備 郵 送 データ 入 力 集 計 有 限 会 社 情 報 デザイン( 矢 板 市 上 伊 佐 野 709-22)に 委 託. 集 計 データはエクセルで 保 管 調 査 結 果 要 約 を 本 書 に 記 載 データ 保 存 ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 事 務 局 で 規 定 により 保 存 3

アンケート 回 答 施 設 ( 施 設 種 類 別 ) n=3,296( 全 体 ) 複 数 回 答 回 答 数 (%) 医 療 系 1,960(59.5) 病 院 1,781(54.0) 診 療 所 197( 6.0) 老 人 性 認 知 症 疾 患 センター 31( 0.9) 福 祉 系 1,116(33.9) < 身 体 障 害 者 福 祉 法 関 連 施 設 > 33( 1.0) 身 体 障 害 者 更 生 援 護 施 設 22( 0.7) 身 体 障 害 者 更 生 相 談 所 15( 0.5) < 児 童 福 祉 法 関 連 施 設 > 96( 2.9) 児 童 福 祉 施 設 65( 2.0) 児 童 相 談 所 1( 0.0) 心 身 障 害 児 総 合 通 園 センター 28( 0.8) 併 設 重 症 心 身 障 害 児 通 園 モデル 事 業 施 設 22( 0.7) < 精 神 保 健 福 祉 法 関 連 施 設 > 73( 2.2) 精 神 障 害 者 社 会 復 帰 施 設 39( 1.2) 精 神 保 健 福 祉 センター 8( 0.2) 精 神 障 害 者 社 会 復 帰 促 進 センター 3( 0.1) 精 神 障 害 者 グループホーム 43( 1.3) 精 神 障 害 者 小 規 模 作 業 所 7( 0.2) < 知 的 障 害 者 福 祉 法 関 連 施 設 > 11( 0.3) 知 的 障 害 者 援 護 施 設 6( 0.2) 知 的 障 害 者 更 生 相 談 所 5( 0.2) < 老 人 福 祉 法 関 連 施 設 > 166( 5.0) 老 人 福 祉 施 設 102( 3.1) 有 料 老 人 ホーム 17( 0.5) 老 人 憩 いの 家 0( 0.0) 在 宅 介 護 支 援 センター 64( 1.9) 高 齢 者 総 合 相 談 センター 2( 0.1) < 高 齢 者 医 療 確 保 法 関 連 施 設 > 742(22.5) 老 人 保 健 施 設 670(20.3) 老 人 訪 問 看 護 ステーション 103( 3.1) < 介 護 保 険 法 関 連 施 設 > 51( 1.5) 地 域 包 括 支 援 センター 51( 1.5) < 障 害 者 自 立 支 援 法 関 連 施 設 > 75( 2.3) 指 定 障 害 者 福 祉 サービス 事 業 所 22( 0.7) 指 定 障 害 者 支 援 施 設 31( 0.9) 指 定 相 談 支 援 事 業 所 18( 0.5) 指 定 地 域 活 動 支 援 センター 19( 0.6) 指 定 福 祉 ホーム 4( 0.1) その 他 の 施 設 292( 8.9) 特 別 支 援 学 校 7( 0.2) 養 成 校 129( 3.9) 保 健 所 等 ( 保 健 センター, 高 齢 福 祉 課, 38( 1.2) 高 齢 サービス 課, 健 康 増 進 課 等 ) その 他 ( 職 業 センター,リハ 関 連 企 業, 121( 3.7) 補 装 具 製 作 施 設, 老 人 訪 問 看 護 ステー ションを 除 く 訪 問 看 護 ステーション, 第 三 セクター, 社 会 福 祉 協 議 会 等 ) 法 外 施 設 16( 0.5) 法 外 施 設 16( 0.5) 無 回 答 249( 7.6) アンケート 回 答 施 設 ( 領 域 対 象 障 害 別 ) n=3,296( 全 体 ) 複 数 回 答 * 回 答 数 (%) 医 療 領 域 計 2,049(62.2) 医 療 領 域 / 身 体 障 害 1,426(43.3) 医 療 領 域 / 精 神 障 害 625(19.0) 医 療 領 域 / 発 達 障 害 209( 6.3) 保 健 福 祉 介 護 保 険 領 域 計 1,493(45.3) 保 健 福 祉 領 域 / 身 体 障 害 315( 9.6) 保 健 福 祉 領 域 / 精 神 障 害 75( 2.3) 保 健 福 祉 領 域 / 発 達 障 害 89( 2.7) 介 護 保 険 領 域 1,271(38.6) その 他 の 領 域 計 142( 4.3) その 他 の 領 域 / 教 育 関 連 57( 1.7) その 他 の 領 域 / 職 業 関 連 31( 0.9) その 他 の 領 域 / 行 政 関 連 69( 2.1) 関 連 領 域 該 当 なし 87( 2.6) 無 回 答 125( 3.8) * 同 一 施 設 で 複 数 領 域 障 害 を 対 象 として いる 場 合 がある 4

白 書 刊 行 にあたって 1 はじめに 2 目 次 5 東 日 本 大 震 災 への 協 会 対 応 7 1 わが 国 の 作 業 療 法 10 1-1 わが 国 の 作 業 療 法 の 歩 み 10 1-1-1 作 業 療 法 の 萌 芽 10 1-1-2 作 業 療 法 士 誕 生 の 背 景 11 1-1-3 作 業 療 法 士 養 成 と 法 の 成 立 11 1-1-4 職 能 団 体 の 誕 生 11 1-2 作 業 療 法 の 理 念 と 定 義 12 1-2-1 作 業 療 法 の 理 念 12 1-2-2 作 業 療 法 の 定 義 12 1-2-3 作 業 療 法 士 の 倫 理 12 1-3 作 業 療 法 をとりまく 情 勢 12 1-3-1 わが 国 の 作 業 療 法 をとりまく 動 き 12 1-3-2 障 害 者 をめぐる 世 界 の 動 き 13 1-3-3 医 療 保 健 福 祉 の 動 向 と 作 業 療 法 14 2 就 業 状 況 から 見 る 作 業 療 法 16 2-1 作 業 療 法 士 数 の 推 移 16 2-1-1 作 業 療 法 士 数 の 年 次 推 移 16 2-1-2 地 域 別 作 業 療 法 士 数 16 2-1-3 年 齢 性 別 構 成 16 2-2 作 業 療 法 士 の 就 業 状 況 20 2-2-1 開 設 者 別 会 員 数 20 2-2-2 領 域 別 会 員 数 20 2-2-3 勤 務 形 態 別 会 員 数 20 2-3 作 業 療 法 士 の 労 働 環 境 20 2-3-1 基 本 給 諸 手 当 ( 初 任 給 ) 20 2-3-2 休 暇 と 取 得 状 況 23 2-3-3 代 替 職 員 の 雇 用 制 度 と 保 育 所 の 整 備 23 2-3-4 学 会 等 への 参 加 24 2-3-5 その 他 24 3 作 業 療 法 士 の 臨 床 活 動 25 3-1 臨 床 活 動 の 概 況 25 3-1-1 対 象 施 設 の 領 域 25 3-1-2 対 象 疾 患 25 3-1-3 作 業 療 法 の 形 態 26 3-2 作 業 療 法 の 目 的 評 価 手 段 27 3-2-1 作 業 療 法 の 目 的 27 3-2-2 作 業 療 法 の 評 価 27 3-2-3 作 業 療 法 の 手 段 28 3-3 医 療 領 域 における 作 業 療 法 28 3-3-1 医 療 領 域 ( 身 体 障 害 ) 28 実 践 報 告 1 回 復 期 リハビリテーション 病 棟 における 作 業 療 法 38 実 践 報 告 2 呼 吸 器 疾 患 に 対 する 作 業 療 法 40 3-3-2 医 療 領 域 ( 精 神 障 害 ) 42 実 践 報 告 3 長 期 入 院 の 精 神 疾 患 患 者 の 退 院 を 促 進 する 作 業 療 法 46 3-3-3 医 療 領 域 ( 発 達 障 害 ) 48 3-4 保 健 福 祉 介 護 保 険 領 域 における 作 業 療 法 51 3-4-1 保 健 福 祉 領 域 ( 身 体 障 害 ) 51 3-4-2 保 健 福 祉 領 域 ( 精 神 障 害 ) 54 3-4-3 保 健 福 祉 領 域 ( 発 達 障 害 ) 57 3-4-4 介 護 保 険 60 実 践 報 告 4 通 所 リハビリテーションにおける 認 知 症 者 への 作 業 療 法 68 3-5 教 育 関 連 領 域 ( 特 別 支 援 学 校 など)における 作 業 療 法 70 実 践 報 告 5 特 別 支 援 教 育 にかかわる 作 業 療 法 士 72 3-6 職 業 関 連 領 域 における 作 業 療 法 74 実 践 報 告 6 障 害 者 の 就 労 支 援 に 関 わる 作 業 療 法 76 3-7 行 政 機 関 における 作 業 療 法 78 実 践 報 告 7 行 政 機 関 に 関 わる 作 業 療 法 士 81 3-8 その 他 の 領 域 82 実 践 報 告 8 作 業 療 法 士 の 起 業 84 4 公 的 制 度 と 作 業 療 法 86 4-1 診 療 報 酬 における 作 業 療 法 86 4-2 介 護 保 険 制 度 における 作 業 療 法 87 4-3 保 健 福 祉 制 度 における 作 業 療 法 90 5 作 業 療 法 部 門 の 管 理 運 営 92 5-1 臨 床 教 育 への 協 力 92 5-2 人 の 管 理 93 5-3 物 の 管 理 94 5-4 記 録 の 管 理 94 5-5 リスク 管 理 94 5-6 他 部 門 他 機 関 との 連 携 96 6 作 業 療 法 士 の 養 成 教 育 98 6-1 養 成 教 育 制 度 98 6-2 学 生 99 6-2-1 新 入 生 の 状 況 99 6-2-2 新 卒 者 の 状 況 99 6-2-3 国 家 試 験 100 6-3 指 定 規 則 と 養 成 教 育 100 6-4 臨 床 教 育 100 6-4-1 作 業 療 法 の 臨 床 教 育 100 6-4-2 臨 床 教 育 の 方 向 101 6-5 教 員 の 実 情 101 7 作 業 療 法 士 の 生 涯 教 育 102 7-1 ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 の 生 涯 教 育 制 度 102 7-1-1 生 涯 教 育 制 度 の 概 要 102 7-1-2 生 涯 教 育 制 度 の 運 用 実 績 103 7-1-3 生 涯 教 育 制 度 への 参 加 状 況 104 7-1-4 職 場 における 研 究 体 制 105 7-2 研 修 会 105 5

7-3 学 位 取 得 等 108 8 学 術 研 究 活 動 110 8-1 日 本 作 業 療 法 学 会 110 8-2 学 会 発 表 に 見 る 研 究 活 動 110 8-3 機 関 紙 作 業 療 法 に 見 る 研 究 活 動 110 8-4 事 例 報 告 登 録 制 度 112 8-5 課 題 研 究 助 成 制 度 113 9 国 際 交 流 114 9-1 世 界 作 業 療 法 士 連 盟 (WFOT) 114 9-1-1 WFOT の 概 略 と 活 動 114 9-1-2 WFOT 白 書 の 中 の 日 本 114 9-1-3 WFOT との 関 係 及 び 2014WFOT 世 界 大 会 開 催 までの 経 緯 114 9-2 国 内 外 の 国 際 交 流 117 9-2-1 日 本 青 年 海 外 協 力 隊 118 9-2-2 海 外 からの 研 修 受 け 入 れ 119 9-2-3 国 内 における 就 労 就 学 120 9-2-4 国 外 における 研 修 就 労 就 学 120 10 日 本 作 業 療 法 士 協 会 と 都 道 府 県 作 業 療 法 士 会 121 10-1 日 本 作 業 療 法 士 協 会 の 活 動 121 10-1-1 会 員 数 の 推 移 121 10-1-2 協 会 財 政 121 10-1-3 協 会 組 織 123 10-1-4 協 会 活 動 124 10-2 都 道 府 県 作 業 療 法 士 会 活 動 125 10-2-1 都 道 府 県 作 業 療 法 士 会 の 規 模 125 10-2-2 都 道 府 県 作 業 療 法 士 会 の 活 動 126 10-2-3 都 道 府 県 作 業 療 法 士 会 連 絡 協 議 会 の 活 動 127 10-2-4 作 業 療 法 推 進 活 動 パイロット 事 業 助 成 制 度 127 10-3 ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 の 今 後 の 課 題 128 資 料 131 資 料 1 作 業 療 法 の 定 義 132 資 料 2 ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 倫 理 綱 領 134 資 料 3 作 業 療 法 士 の 職 業 倫 理 指 針 135 資 料 4 作 業 療 法 業 務 指 針 147 資 料 5 ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 組 織 図 151 資 料 6 作 業 療 法 士 が 勤 務 する 施 設 分 類 153 資 料 7 作 業 療 法 に 関 係 する 診 療 報 酬 介 護 報 酬 の 推 移 156 資 料 8 作 業 療 法 士 が 勤 務 する 施 設 に 関 わる 診 療 報 酬 項 目 と 介 護 保 険 事 業 161 資 料 9 臨 床 作 業 療 法 部 門 自 己 評 価 表 ( 第 2 版 ) 162 資 料 10 作 業 療 法 士 養 成 校 一 覧 (2010 年 度 ) 164 資 料 11 ( 社 ) 日 本 作 業 療 法 士 協 会 主 要 目 標 重 点 活 動 項 目 168 資 料 12 作 業 療 法 関 係 年 表 174 資 料 13 作 業 療 法 白 書 アンケート 及 びアンケート 資 料 200 あとがき 6

東 日 本 大 震 災 への 協 会 対 応 本 白 書 発 行 準 備 作 業 中 の 2011 年 3 月 11 日 に 金 曜 日 午 後 2 時 46 分 18 秒 に, 東 日 本 大 震 災 が 発 生 した. 三 陸 沖 の 広 い 範 囲 を 震 源 とするこの 震 災 は 岩 手 県, 宮 城 県, 福 島 県 の 3 県 をはじめ 東 北 各 県, 北 関 東 に 甚 大 な 被 害 をもたらした. 約 10 カ 月 経 過 した 2012 年 1 月 現 在 においても, 被 害 を 受 けた 各 地 は,その 多 くが 未 だ 具 体 的 な 復 興 の 姿 が 見 えないままの 状 況 といえる. そのような 状 況 ではあるが 協 会 が 継 続 的 な 支 援 に 取 組 んでいくことを 確 認 するために 東 日 本 大 震 災 への 協 会 対 応 を 今 回 白 書 の 冒 頭 に 置 くこととした 協 会 は, 震 災 発 生 翌 日 の 3 月 12 日 に 大 規 模 災 害 時 支 援 活 動 マニュアル (2007 年 6 月 21 日 理 事 会 承 認 )に 基 づき 災 害 対 策 本 部 ( 本 部 長 : 中 村 春 基 協 会 長 )を 設 置 し, 協 会 が 示 しうる 可 能 な 限 りの 支 援 を 開 始 した. 災 害 対 策 本 部 として 支 援 開 始 当 初 から 留 意 したことは, 錯 綜 する 情 報 の 中 で 可 能 な 限 り 被 災 地 の 士 会 と 情 報 交 換 を 行 うことによって, 現 実 的 な 判 断 をし, 今 この 時 の 支 援 が 次 の 段 階 の 支 援 に 繋 がるようなものにすること, 基 本 的 には 中 心 的 被 災 地 の 士 会 活 動 への 人 的, 経 済 的 な 面 での 後 方 支 援 を 基 本 とすること,の2 点 であった. 協 会 から 発 信 する 情 報 は, 協 会 ホームページ 災 害 対 策 本 部 からのお 知 らせ (http://www. jaot.or.jp/members/members/)に 都 度 掲 載 し,2011 年 11 月 現 在 で 第 25 報 となっている.その 詳 細 については, 協 会 ホームページを 参 照 願 いたい. また, 震 災 発 生 から 3 カ 月 間 の 協 会 支 援 については, 災 害 対 策 本 部 長 中 村 春 基 協 会 長 が 機 関 誌 作 業 療 法 第 30 巻 第 4 号 に 特 別 掲 載 した 東 日 本 大 震 災 への 日 本 作 業 療 法 士 協 会 の 対 応 1) を 一 読 願 いたい. Ⅰ.2012 年 1 月 現 在 までの 支 援 の 概 要 1. 災 害 支 援 活 動 の 経 済 的 支 援 1) 震 災 後 初 期 (3 ~ 4 月 )に 当 協 会 の 大 規 模 災 害 を 被 った 都 道 府 県 における 作 業 療 法 士 会 の 支 援 に 関 する 規 程 に 基 づき, 岩 手 宮 城 福 島 茨 城 の 4 県 に 30 万 円 ずつ 初 期 対 応 支 援 金 を 支 出. 2) 被 災 県 の 作 業 療 法 士 会 に 対 する 支 援, 当 協 会 が 行 う 災 害 支 援 活 動, 支 援 物 資 の 購 入 等 の 資 金 とするために 支 援 金 を 募 集. 平 成 23 年 11 月 現 在 : 収 入 約 1,335 万 円 支 出 約 728 万 円 残 高 約 607 万 円 支 援 金 は 今 後 も 必 要 に 応 じて 上 記 のような 資 金 として 支 出 してゆく. 2. 被 災 地 への 会 員 派 遣 全 国 の 会 員 からボランティアを 募 集 登 録 し, 被 災 地 の 作 業 療 法 士 会 等 の 要 請 に 応 じて, 必 要 とされている 人 員 を 適 宜 派 遣. 1) 宮 城 県 仙 台 市 若 林 区 における 生 活 機 能 対 応 専 門 職 チームへの 会 員 派 遣 派 遣 期 間 平 成 23 年 4 月 3 日 ~ 5 月 9 日 活 動 場 所 宮 城 県 仙 台 市 若 林 区 宮 城 野 区 派 遣 者 数 10 名 ( 北 海 道 1, 東 京 3, 千 葉 1, 新 潟 1, 静 岡 1, 愛 知 1, 山 口 1, 大 分 1) 7

2) 宮 城 県 作 業 療 法 士 会 の 災 害 支 援 活 動 への 会 員 派 遣 派 遣 期 間 派 遣 期 間 : 平 成 23 年 4 月 15 日 ~ 9 月 22 日 活 動 場 所 石 巻 市, 気 仙 沼 市, 南 三 陸 町 派 遣 者 数 延 べ 65 名 ( 北 海 道 3, 山 形 1, 茨 城 3, 群 馬 2, 埼 玉 4, 東 京 7, 千 葉 8, 神 奈 川 10, 石 川 1, 新 潟 2, 長 野 3, 滋 賀 2, 三 重 2, 京 都 1, 大 阪 7, 兵 庫 4, 鳥 取 1, 香 川 1, 福 岡 1, 長 崎 1, 宮 崎 1) 3) 岩 手 県 作 業 療 法 士 会 の 災 害 支 援 活 動 への 会 員 派 遣 派 遣 期 間 平 成 23 年 5 月 1 日 ~ 7 月 22 日 活 動 場 所 釜 石 地 区 ( 釜 石 市 大 槌 町 ) 派 遣 者 数 延 べ 37 名 ( 北 海 道 1, 青 森 1, 岩 手 3, 茨 城 2, 栃 木 1, 埼 玉 2, 東 京 5, 千 葉 4, 神 奈 川 6, 新 潟 1, 静 岡 3, 滋 賀 1, 愛 知 1, 三 重 2, 兵 庫 1, 岡 山 1, 広 島 1, 大 分 1) 4) 日 本 発 達 障 害 ネットワークが 福 島 県 から 受 託 した 被 災 した 障 がい 児 に 対 する 相 談 援 助 事 業 への 会 員 派 遣 派 遣 期 間 平 成 23 年 11 月 7 日 ~ 現 在 継 続 中 活 動 場 所 福 島 県 相 馬 市 南 相 馬 市 派 遣 者 数 5 名 ( 北 海 道 2, 茨 城 1, 埼 玉 1, 神 奈 川 1) 5) 福 島 県 南 相 馬 市 における 災 害 支 援 活 動 への 会 員 派 遣 派 遣 期 間 平 成 23 年 12 月 11 日 ~ 現 在 継 続 中 活 動 場 所 福 島 県 南 相 馬 市 ( 原 町 区 鹿 島 区 ) 派 遣 者 数 3 名 ( 神 奈 川 1, 静 岡 1, 大 阪 1) 3. 被 災 地 の 会 員 支 援 1) 会 費 に 関 する 優 遇 措 置 ( 平 成 24 年 1 月 現 在 ) 地 震 津 波 で 罹 災 した 会 員 の 会 費 免 除 :64 件 原 発 事 故 で 被 災 した 会 員 の 会 費 免 除 :26 件 会 費 支 払 い 期 限 の 猶 予 措 置 :2 件 会 費 支 払 の 分 納 措 置 :1 件 2) 被 災 会 員 の 復 職 支 援 被 災 した 会 員 の 復 職 先 として 全 国 から 求 人 情 報 を 収 集 し, 順 次 ホームページに 掲 載. 合 計 165 件 の 求 人 情 報 を 掲 載 した. 3) 作 業 療 法 士 養 成 教 育 関 連 の 調 査 と 支 援 被 災 地 で 学 生 の 受 け 入 れが 不 可 能 となった 臨 床 実 習 施 設 の 代 替 となる 実 習 受 け 入 れ 施 設 を 全 国 から 募 集 し, 養 成 校 とのマッチングを 行 った. 4.その 他 平 成 23 年 度 3 次 補 正 予 算 により, 厚 生 労 働 省 社 会 援 護 局 障 害 保 健 福 祉 部 精 神 障 害 保 健 課 を 事 務 局 として 実 施 される 被 災 者 の 心 のケア 事 業 に 従 事 する 専 門 職 として 推 薦 するため, 会 員 の 調 整 確 保 を 行 った. 8

Ⅱ. 今 後 の 支 援 協 会 は 今 回 の 震 災 に 対 する 支 援 は, 継 続 的 かつ 長 期 的 な 支 援 が 必 要 との 認 識 から,2012 年 度 の 協 会 が 取 組 むべき 重 点 活 動 項 目 の 特 別 枠 として, 中 心 的 な 被 災 地 である 岩 手 県, 宮 城 県, 福 島 県 の 3 県 士 会 と 協 働 し, 各 士 会 活 動 への 支 援 を 通 して, 被 災 地 の 復 旧 復 興 支 援 の 継 続 を 表 明 している. 継 続 的 な 支 援 において, 作 業 療 法 士 が 提 供 できる 活 動 内 容 については,1 作 業 を 通 した 被 災 者 の 心 身 機 能 の 維 持 向 上,2 被 災 者 のこころのケア,3 高 齢 者 及 び 障 害 者 の 生 活 環 境 調 整 ( 仮 設 住 宅 などの 生 活 環 境 を 含 む),4 高 齢 者 及 び 障 害 者 の 日 常 生 活 能 力 の 維 持 向 上,5 福 祉 用 具 等 の 選 定 と 適 合,などが 具 体 的 なものとして 挙 げられよう. その 上 で, 協 会 は 2012 年 1 月 に チーム 医 療 推 進 協 議 会 ( 代 表 北 村 善 明 )に 対 して, 以 下 の 提 言 を 行 ったところである. 提 言 1. 平 時 より, 大 規 模 災 害 を 想 定 し, 災 害 時 支 援 協 定 を 結 ぶ 等, 被 災 地 にすみやかに 医 療 リハビ リテーションの 支 援 が 展 開 できるシステムを 構 築 すること. 理 由 : 大 規 模 災 害 により, 本 来 あった 医 療 やリハビリテーション 機 能 が 壊 滅 したままの 状 態 が 続 いている 地 区 が 多 く, 仮 設 住 宅 での 生 活 を 開 始 してはいるが, 従 来 の 医 療 やリハビリテーショ ン 機 能 が 戻 らないままにある. 住 民 は 医 療 やリハビリテーションのサービスが 不 足 したまま 生 活 をしている 状 況 がある. 2. 被 災 地 の 自 治 体 に 発 信 機 能 が 期 待 できない 場 合 は,すみやかにコーディネーター 機 能 を 補 完 で きるシステムを 構 築 すること. 理 由 : 今 回 の 災 害 は 発 信 及 びコーディネートする 機 能 を, 被 災 地 である 自 治 体 が 果 たせないほ ど 被 害 が 甚 大 であった.そのことで, 支 援 を 適 時 に 展 開 することができなかった.そのような 場 合 を 想 定 し, 現 地 にコーディネーター 機 能 を 外 部 から 補 完 する 必 要 がある. 3. 被 災 地 の 情 報 収 集 及 び 適 切 な 情 報 発 信 のシステムを 構 築 すること. 理 由 : 情 報 収 集 及 び 適 切 な 情 報 発 信 ができない 状 況 が 続 いたので, 被 災 者 には 不 安 を 助 長 させ, 適 切 な 支 援 展 開 が 出 来 ない 状 況 があった. 4. 災 害 救 助 法 に 作 業 療 法 士 の 職 名 を 明 記 すること. 理 由 : 今 回 の 災 害 で 多 くの 作 業 療 法 士 が 支 援 活 動 を 展 開 したが,その 多 くはボランティアとい う 形 であり,その 活 動 には 限 界 があった. 災 害 救 助 法 に 作 業 療 法 士 等 リハビリテーション 専 門 職 を 明 記 することで,その 力 を 十 分 に 発 揮 できる. 文 献 1) 中 村 春 基 : 東 日 本 大 震 災 への 日 本 作 業 療 法 士 協 会 の 対 応. 作 業 療 法 30:394-401,2012. 9

1 わが国の作業療法 まっている多くのものを内包していたことが 分かる 1 精神医学領域 わが国で 病や障害がある人たちの治療 援助手段として作業療法が用いられるように なって 110 年余り 作業療法士が法の下に誕 生 1965 年 理学療法士及び作業療法士法 して 45 年が経つ この間 わが国の医療 保 健 福祉を取り巻く状況は大きく変化し 医 療技術の進歩と共に 世界にも類を見ない少 子高齢化社会の中にある 1995 年には高齢社 会になり 2009 年度 高齢社会白書 による と 2013 年には 4 人に 1 人 2035 年には 3 人 に 1 人が高齢者になると推計されている その基本的な考え方も 入院医療中心から 地域生活中心へ と大きく転換し 生活の質 が重視される時代に何が作業療法に求められ ているのか わが国の作業療法の歩みを振り 返り 現状を概観する 1-1 わが国の作業療法の歩み ここでは 1990 年発行の 作業療法白書 と 1965 年 12 月発行の厚生省医務局医事課編 理学療法士及び作業療法士法の解説 とを基 本資料として 20 世紀初頭のわが国の作業療 法の萌芽から法成立と職能団体の誕生までを 鴨病院 現 東京都立松沢病院の前身 にお いて隔離 監置 拘束を解き 裁縫室を開設 したことが意図的な作業療法の萌芽とされて いる その成果は 1916 年刊行の 日本内科全 書巻貳第三冊精神療法 吐鳳堂 に詳しく 記載されている 呉の理念と実践は 1919 年 松沢病院作業治療担当となった加藤普佐次郎 1931 年ドイツにおける精神病院の作業療法を 紹介した長山泰政 1938 年松沢病院作業医療 科医長となった管修 1940 年福岡県立筑紫保 養院長となった岩田太郎らに引き継がれた 呉に始まる精神障害に対する作業療法の萌 芽から 1945 年敗戦前までの歴史については 岡田靖雄が 日本での精神科作業治療ならび に精神疾患患者院外治療の歴史 敗戦前 精神科医療史研究会編長山泰政先生著作集 1994 に詳細を記述している 2 整形外科学領域 1924 年に高木憲次 1881 1963 が論文 ク リュッペルハイムに就いて でドイツの身体障 害者に対する取り組みを紹介したことから始ま る その後の高木の理念と実践は 整形外科学 概観する 領域を超えて肢体不自由児 者の 療育 や 職 1-1-1 作業療法の萌芽 児に対する取り組みが 現在の心身障害児総合 わが国の作業療法の萌芽は 1900 年初頭に 遡る それは 医学領域の精神医学 整形外 科学 内科学 結核学 におけるものであり 作業療法はそれぞれの領域において 医師に より独自に実践されていた ここでは それ ぞれの概要を示す 詳細は 1990 年作業療法白 書参照 いずれの実践も 症状論や機能障 害への対応に留まることなく 1人の対象者 を社会的存在として捉え 障害者雇用の問題 にまで踏み込んでいる その内容は時代的な 背景や制約による影響はあるものの 現代の 作業療法士たちが時間の流れの中で忘れてし 10 呉秀三 1865 1932 が 1901 年東京府巣 作業療法白書 2010 能 に関する対応へと進んだ 特に肢体不自由 医療療育センター 東京板橋区 の前身である 整肢療護園で行われたが 高木の貢献はわが国 の身体障害児 者のリハビリテーションに対し 計り知れないものを残している 3 内科学 結核学 領域 当時の内科学の大きな課題の 1 つは結核へ の対応であり 結核患者への対応は国家的な 課題であった 結核に対する作業療法は 田 澤鐐二 新井英夫 野村実などの医師たちに よって実践された

1 わが 国 の 作 業 療 法 1-1-2 作 業 療 法 士 誕 生 の 背 景 1962 年 の 厚 生 白 書 では, リハビリテーショ ン 対 策 を 整 備 するにあたって 最 も 基 本 的 なも のは 専 門 技 術 者 の 確 保 である. 医 師, 看 護 婦 のほか, 機 能 療 法 士 ( 注, 理 学 療 法 士 のこと), 職 能 療 法 士 ( 注, 作 業 療 法 士 のこと), 言 語 療 法 士, 心 理 療 法 士, 社 会 事 業 担 当 者 などの 専 門 技 術 者 を 確 保 し,リハビリテーション 施 設 に 配 置 することはリハビリテーション 施 設 運 営 のための 必 須 条 件 である.しかるに,わが 国 においては, 専 門 技 術 者 の 数 は 著 しく 不 足 しており,その 身 分 も 確 立 せず, 養 成 機 関 も 設 置 されていない. 現 在 は,これらの 技 術 者 の 不 足 をカバーするため,たとえば,し 体 不 自 由 児 施 設 では, 整 形 外 科 後 療 法 を 専 門 とす るあん 摩 師, 児 童 指 導 員 その 他 の 職 員 が 現 場 訓 練 を 受 けてその 業 務 を 担 当 している 状 況 で ある.これら 専 門 技 術 者 の 養 成 施 設 としては, 東 京 の 整 肢 療 護 園 に 療 育 技 術 者 養 成 所 が 付 設 され,し 体 不 自 由 児 施 設 に 働 く 機 能 療 法 士, 職 能 療 法 士 の 教 育 訓 練 コース( 二 箇 月 )を 開 始 しているし, 国 立 身 体 障 害 者 更 生 相 談 所 で も WHO のコンサルタントをまねいて, 職 能 療 法 士 の 講 習 会 を 実 施 した.その 他, 結 核 療 養 所, 精 神 病 院 などにおいて 短 期 教 育 訓 練 の 計 画 が 検 討 されているが,もっと 根 本 的 に 専 門 技 術 者 の 養 成 訓 練 計 画 を 検 討 しなければな らない 段 階 にきている ( 原 文 のまま)とある. このような 表 現 の 背 景 には, 終 戦 後 1940 年 代 後 半 から 50 年 代 半 ばにかけて, 整 形 外 科 医, 内 科 医 が 海 外 視 察 研 修 で 欧 米 諸 国 のリハビリ テーションを 目 の 当 たりにしたこと,1951 年 WHO 加 盟 によってわが 国 のリハビリテーショ ンの 立 ち 遅 れと 専 門 技 術 者 養 成 の 緊 急 性 が 指 摘 されたこと,などが 大 きく 影 響 を 及 ぼしている. 厚 生 省 医 務 局 医 事 課 編 理 学 療 法 士 及 び 作 業 療 法 士 法 の 解 説 では, 作 業 療 法 士 誕 生 の 社 会 的 背 景 について 次 の 4 つの 状 況 をあげて いる( 下 記 は 原 文 のまま). (1) 国 民 の 間 に 人 間 尊 重 の 観 念 が 高 まり, 身 心 障 害 者 の 福 祉 対 策 の 強 化 を 要 望 する 世 論 が,しだいに 形 成 されてきたこと. (2) 治 療 医 学 の 進 歩 により, 以 前 には 命 が 助 か らなかった 重 症 患 者 も, 身 体 的 機 能 の 欠 陥 をもちながらもその 生 命 を 保 持 することが できるようになった 結 果,リハビリテーショ ンに 対 する 社 会 的 需 要 が 高 まってきたこと. (3) 経 済 および 社 会 の 急 激 な 発 展 と 変 動 は, 身 心 障 害 者 に 対 しても, 高 い 生 活 適 応 能 力 を 要 求 しつつあること. 特 に, 労 働 力 が 不 足 の 方 向 に 向 かいつつあるため, 身 体 障 害 者 の 労 働 力 化 の 必 要 も 生 じつつあること. (4) 医 学 的 リハビリテーションの 技 術 が 長 足 の 進 歩 をとげたこと. 1-1-3 作 業 療 法 士 養 成 と 法 の 成 立 1963 年 3 月 医 療 制 度 調 査 会 が 厚 生 大 臣 に 提 出 した 医 療 制 度 全 般 についての 改 善 の 基 本 方 策 に 関 する 答 申 で, 機 能 療 法 士, 物 理 療 法 士 または 理 学 療 法 士 (Physical therapist), 職 能 訓 練 士 または 職 能 療 法 士 (Occupational therapist)などの 教 育, 業 務 内 容 の 確 立 等 そ の 制 度 化 を 早 急 に 図 る 必 要 性 が 述 べられた. そ し て,1963 年 度 厚 生 省 予 算 に,PT,OT 身 分 制 度 調 査 打 合 会 設 置 費 用 とともに 国 立 療 養 所 東 京 病 院 附 属 リハビリテーション 学 院 設 置 費 が 計 上 され, 制 度 化 への 現 実 的 な 動 きが 踏 み 出 された.1963 年 5 月 にはわが 国 最 初 の 理 学 療 法 士 および 作 業 療 法 士 の 本 格 的 な 養 成 施 設 である 国 立 療 養 所 東 京 病 院 附 属 リハビ リテーション 学 院 が 開 設 された.6 月 からは PT,OT 身 分 制 度 調 査 打 合 会 ( 砂 原 茂 一 座 長 ) が 発 足 し,さまざまな 検 討 の 後 1964 年 5 月 に 法 律 が 成 立 した(1964 年 6 月 29 日 法 律 第 137 号 公 布, 施 行 令 : 同 年 10 月 1 日 政 令 第 327 号, 施 行 規 則 : 同 年 10 月 20 日 厚 生 省 令 第 47 号 ). 1-1-4 職 能 団 体 の 誕 生 日 本 作 業 療 法 士 協 会 は, 法 律 成 立 2 年 後 の 1966 年 9 月 25 日 に 会 員 20 名 による 設 立 総 会 を 開 き,わが 国 の 職 能 団 体 の 1 つとして 誕 生 した.1972 年 8 月 には 世 界 作 業 療 法 士 連 盟 11

(WFOT:World Federation of Occupational Therapists)に 正 会 員 として 加 入 し,1981 年 3 年 19 日 には, 社 団 法 人 として 認 可 された. 1-2 作 業 療 法 の 理 念 と 定 義 1-2-1 作 業 療 法 の 理 念 作 業 療 法 は, 主 に 欧 州 における 精 神 科 の 治 療 経 験 を 基 礎 とし, 第 1 次 世 界 大 戦 前 後 の 米 国 で 発 展, 体 系 化 されてきた. 現 在 その 対 象 は, 身 体 精 神 発 達 ならびに 老 年 期 のすべ ての 障 害 者 に,そして 医 療 だけではなく, 保 健 福 祉 教 育 や 職 業 等 の 生 活 を 構 成 するすべて の 領 域 へと 拡 大 してきている. 作 業 療 法 の 最 終 目 標 は, 障 害 の 軽 減 にある のではなく, 主 体 的 な 活 動 と 参 加 を 援 助 する ことである.その 手 段 は, 日 常 生 活 に 関 する すべての 作 業 活 動 で, 日 常 生 活 活 動 ( 個 体 の 生 存 に 必 要 な 作 業 活 動 ), 仕 事 生 産 的 活 動 ( 社 会 的 に 必 要 な 義 務 的 作 業 活 動 )や 遊 び 余 暇 活 動 ( 自 由 な 時 間 における 作 業 活 動 ) 等 に 分 類 される. 1-2-2 作 業 療 法 の 定 義 作 業 療 法 の 代 表 的 な 定 義 には, 理 学 療 法 士 及 び 作 業 療 法 士 法 による 定 義 (1965 年 ), 日 本 作 業 療 法 士 協 会 による 定 義 (1985 年 )およ び 世 界 作 業 療 法 士 連 盟 (WFOT)による 定 義 (1993 年 )などがある.なお 定 義 に 関 連 して 医 療 スタッフの 協 働 連 携 によるチーム 医 療 の 推 進 について( 通 知 ) ( 医 政 発 0430 第 2 号 及 び 第 1 号, 平 成 22 年 4 月 30 日 )では, 作 業 療 法 の 範 囲 として, 日 常 生 活 活 動 (ADL), 職 業 関 連 活 動, 福 祉 用 具 使 用 や 住 環 境 への 適 応, 発 達 障 害 や 高 次 脳 機 能 障 害 等 に 対 するリ ハビリテーションに 作 業 療 法 士 が 活 用 される べきことが 明 記 された( 資 料 1). 1-2-3 作 業 療 法 士 の 倫 理 職 業 倫 理 は, 専 門 職 が 守 らなければならな い 行 動 規 範 であり, 協 会 は 作 業 療 法 士 の 専 門 職 としての 高 度 な 知 識 や 技 術 と 共 に 高 い 倫 理 性 を 併 せ 持 つことの 必 要 かつ 重 要 性 について, 12 項 目 からなる 社 団 法 人 日 本 作 業 療 法 士 協 会 倫 理 綱 領 ( 資 料 2)を 始 め, 第 1 版 から 第 3 版 の 作 業 療 法 ガイドライン, 臨 床 作 業 療 法 部 門 自 己 評 価 表 ( 資 料 10), 行 動 の 指 針 である 作 業 療 法 士 の 職 業 倫 理 指 針 ( 資 料 3) などにまとめ, 会 員 の 倫 理 を 周 知 徹 底 すべく 努 力 を 重 ねてきた. しかし, 養 成 校 の 新 設 増 設 許 可 申 請 に 契 約 した 教 員 の 未 就 任, 名 義 貸 し, 常 識 を 超 え る 条 件 の 要 求, 実 習 指 導 者 の 実 習 生 に 対 する セクシャハラスメント, 教 員 間 や 教 員 の 学 生 に 対 するパワーハラスメントなど, 倫 理 性 が 問 われる 深 刻 な 問 題 を 耳 にするようになった. そのため 協 会 では,2005 年 に 倫 理 委 員 会 を 常 設 委 員 会 にし, 協 会 事 務 局, 協 会 福 利 部, 協 会 各 部 委 員 会, 都 道 府 県 士 会 それぞれに 相 談 窓 ロを 設 置 し, 倫 理 問 題 担 当 者 をおいて 対 応 することとなった. 問 題 事 案 によっては, 倫 理 委 員 会 が 協 会 長 にその 調 査 ならびに 裁 定 の 必 要 性 を 上 申 し, 協 会 長 が 調 査 委 員 会 裁 定 委 員 会 を 設 置 し, 調 査 裁 定 の 結 果 を 直 近 の 理 事 会 に 報 告 した 上 で 協 会 の 対 応 を 相 談 者 及 び 倫 理 事 案 の 対 象 となった 本 人 に 通 知 する という 流 れを 作 成 した. 1-3 作 業 療 法 を 取 り 巻 く 情 勢 本 項 では,まず,わが 国 の 政 治, 経 済, 文 化 などの 動 向 を 概 観 し, 作 業 療 法 を 取 り 巻 く この 10 年 間 の 情 勢 を 作 業 療 法 の 各 領 域 と 関 連 する 法 制 度 の 視 点 から 捉 える.また,この 期 間 の 重 要 な 課 題 とし ICF( 国 際 生 活 機 能 分 類 ) の 制 定 について 述 べ, 最 後 に 新 障 害 者 プラン について 概 観 する 1-3-1 わが 国 の 作 業 療 法 を 取 り 巻 く 動 き 近 年 わが 国 の 政 治 経 済 の 動 向 は 1995 年 3 月 の 規 制 緩 和 推 進 計 画 ( 閣 議 決 定 ), 1998 年 の 規 制 緩 和 推 進 3 か 年 計 画,2000 年 の 規 制 緩 和 推 進 3 か 年 計 画 にみられる ように 抜 本 的 な 構 造 改 革 を 図 り, 国 際 的 に 12

1 わが 国 の 作 業 療 法 開 かれ, 自 己 責 任 原 則 と 市 場 原 理 に 立 つ 自 由 で 公 正 な 経 済 社 会 を 目 指 し,また 新 たな 産 業 事 業 や 雇 用 を 創 出 していく 方 向 にある そして, 超 高 齢 社 会 に 備 えて, 国 民 の 期 待 に 応 えられる 社 会 福 祉 の 共 通 基 盤 を 作 ること を 目 的 に,2000 年 には 社 会 福 祉 基 礎 構 造 改 革 が 実 施 された. 基 礎 構 造 改 革 の 主 課 題 は, 1 社 会 福 祉 の 量 の 拡 大,2 社 会 福 祉 の 質 の 向 上,3 福 祉 援 助 を 受 ける 立 場 の 人 の 権 利 確 保, の 3 点 である. 社 会 福 祉 基 礎 構 造 改 革 は, 社 会 福 祉 サービスの 改 良 や 充 実 ではなく,サー ビス 提 供 の 構 造 そのものを 改 革 するものであ る.それは, 措 置 制 度 を 契 約 による 利 用 制 度 に 変 える, 社 会 福 祉 サービスの 供 給 方 法 を 変 えるものである. これらの 変 化 は 経 済 的 規 制 に 対 してはそ れなりの 成 果 も 見 られたが, 問 題 点 も 顕 在 化 してきた.すなわち, 健 康 雇 用 安 全 環 境 などの 公 共 価 値 が 強 く 求 められる 分 野 に, 経 済 的 規 制 緩 和 の 自 由 競 争 が 持 ち 込 まれるこ とによるサービスや 質 の 低 下 である.そして, 規 制 緩 和 に 伴 う 失 業 再 就 職 の 困 難, 賃 金 格 差 の 拡 大, 過 当 競 争, 地 方 の 切 り 捨 てなどに より, 新 たな 社 会 的 弱 者 が 増 え, 結 果 的 に 生 活 水 準 の 低 下 がもたらされている. このような 中 医 療 保 健 福 祉 の 諸 制 度 も 変 化 した 1997 年 に 成 立 した 介 護 保 険 法 が 2000 年 より 介 護 保 険 制 度 として 動 き 出 し 医 療 では, 安 全 で, 安 心 できる 医 療, 根 拠 に 基 づく 医 療 (EBM), 質 の 高 い 効 率 的 な 医 療, 患 者 の 視 点 の 尊 重, 在 宅 医 療 の 推 進, 切 れ 目 のないサービスの 展 開, 医 療 と 介 護 の 連 携 等 のキーワードが 用 いられるようになった. 障 害 者 への 対 応 では 障 害 のある 人 が 自 由 に 社 会 活 動 に 参 加 し, 地 域 の 中 で 生 き 生 きと 暮 ら せる 社 会 を 築 いていくことを 目 指 すノーマラ イゼーションの 実 現 を 図 るべく,2002 年 12 月 に 障 害 者 施 策 の 基 本 的 方 向 を 定 めた 障 害 者 基 本 計 画 及 び 重 点 的 に 施 策 目 標 を 定 め た 重 点 施 策 実 施 5 か 年 計 画 ( 新 障 害 者 プラ ン)が 策 定 された.さらに 2005 年 には 障 害 者 自 立 支 援 法 が 制 定 され 2006 年 4 月 か ら 一 部 施 行 10 月 から 本 格 施 行 された 1-3-2 障 害 者 をめぐる 世 界 の 動 き 完 全 参 加 と 平 等 を 謳 った 国 連 障 害 者 の 10 年 (1983 年 ~ 1992 年 )に 続 いて, 国 連 の 地 域 委 員 会 ESCA(アジア 太 平 洋 経 済 社 会 委 員 会 )では,アジア 太 平 洋 地 域 において さらなる 障 害 者 施 策 の 進 展 を 期 するため, ア ジア 太 平 洋 障 害 者 の 10 年 (1993 年 ~ 2002 年 )の 決 議 を 採 択 し, 同 年 に アジア 太 平 洋 障 害 者 の 10 年 行 動 課 題 を 策 定 採 択 した. また 高 齢 化 に 注 目 して,1992 年 の 国 連 総 会 に おいて 1999 年 を 国 際 高 齢 者 年 (International Year of Older Persons)とする 決 議 が 採 択 さ れ, 高 齢 者 の 自 立 ケア 自 己 実 現 尊 厳 等 の 原 則 に 基 づいて 活 動 が 展 開 された.わが 国 でも, 総 務 庁 主 催 の 高 齢 者 の 人 権 とコミュ ニテイ をテーマとして 国 際 シンポジウムの 開 催, 国 際 高 齢 者 年 に 関 連 したさまざまな 事 業 が 行 われた. 日 本 作 業 療 法 士 協 会 も, 高 齢 者 問 題 をテーマとした 各 種 研 修 会 等 の 事 業 を 展 開 した. また,リハビリテーションの 理 念 が 提 唱 さ れて 80 数 年 (1918 年, 米 国 障 害 者 リハビリ テーション 法 ),その 間 の 医 学 医 療 の 進 歩 は めざましく, 幾 多 の 感 染 症 を 克 服 し, 多 くの 病 気 の 治 療 法 も 開 発 され, 疾 病 構 造 は 感 染 症 から 難 病 や 慢 性 疾 患 へと 大 きく 変 化 した.そうした 経 過 の 中 で,リハビリテーションや 社 会 保 障 の 効 果 判 定 の 視 点 として 障 害 の 分 類 が 求 められる ようになり, 世 界 保 健 機 関 (WHO)は,1980 年 に 国 際 疾 病 分 類 (ICD) の 補 助 として 国 際 障 害 分 類 (The International Classification of Impairments,Disabilities and Handicaps ;ICIDH)を 発 表 した.ICIDH は,14 の 言 語 に 翻 訳 され,リハビリテーションの 実 践, 統 計 調 査, 政 策 行 政 などに 広 く 活 用 されてきた. ICIDH は 重 要 な 役 割 を 果 たしたものの ICIDH 発 表 の 直 後 から 一 方 向 性 の 矢 印 で 示 された 図 に 対 して 様 々な 批 判 がなされたた 13

め 生 活 機 能 というプラス 面 から 見 るように 視 点 を 転 換 し, 背 景 因 子 ( 環 境 因 子, 個 人 因 子 )との 相 互 性 という 観 点 から 改 訂 がなされ, 2001 年 WHO 総 会 において, 国 際 生 活 機 能 分 類 (International Classification of Functioning, Disability and Health ;ICF)が 採 択 された. ICF は 2002 年 度 版 の 作 業 療 法 ガイドライ ン の 中 でも 取 り 上 げられ, 障 害 領 域, 病 期, 圏 域 といった 従 来 の 作 業 療 法 の 枠 組 みの 中 に 組 み 入 れられた.ICF は 従 来 の 作 業 療 法 モデルと 親 和 性 が 高 く, 作 業 療 法 を 説 明 するのに 重 要 な 手 立 てとして 活 用 されることが 予 測 される. 医 療 保 健 福 祉 の 各 領 域 での 取 り 組 みにはばら つきがみられるが, 各 領 域 のコミュニケーショ ンの 手 段 として 積 極 的 な 活 用 が 望 まれる. 1-3-3 医 療 保 健 福 祉 の 動 向 と 作 業 療 法 1) 高 齢 少 子 化 と 作 業 療 法 1970 年 に 高 齢 化 率 7%を 超 え 高 齢 化 社 会 に 入 り,1995 年 には 高 齢 化 率 14%を 超 え 高 齢 社 会 になった.2005 年 をピークに 総 人 口 が 減 少 を 始 め, 平 均 寿 命 の 延 伸 と 少 子 化 の 進 行 によ る 若 年 人 口 の 減 少 に 伴 う 高 齢 化 率 の 上 昇 は, 老 老 介 護, 認 認 介 護 という 大 きな 問 題 をもた らしている. 内 閣 府 発 表 の 2009 年 度 高 齢 社 会 白 書 によると,2008 年 10 月 1 日 現 在, 高 齢 化 率 は 22.1%, 前 期 高 齢 者 (65 ~ 74 歳 ) は 1,500 万 人 ( 男 性 706 万 人 女 性 794 万 人 ), 後 期 高 齢 者 (75 歳 以 上 )は 1,322 万 人 ( 男 性 499 万 人 女 性 823 万 人 ), 共 に 総 人 口 の1 割 を 超 え, 実 に 5 人 に 1 人 が 高 齢 者 という.さ らに,2013 年 には 4 人 に 1 人,2035 年 には 3 人 に 1 人 が 高 齢 者 になり,2042 年 以 降 は 高 齢 者 人 口 が 減 少 するが 高 齢 化 率 は 上 昇 を 続 け, 2055 年 には 40.5%に 達 し, 国 民 の 2.5 人 に 1 人 が 65 歳 以 上,4 人 に 1 人 が 75 歳 以 上 の 高 齢 者 となると 推 計 されている. 2005 年 に 高 齢 者 1 人 を 支 える 現 役 世 代 が 3.3 人 になったが,2055 年 には,1.3 人 になると いう. 平 均 寿 命 は 2007 年 現 在 男 性 が 79.2 歳, 女 性 が 86.0 歳 であるが,2050 年 には 男 性 83.7 歳, 女 性 90.3 歳 になると 見 込 まれる. 医 療 サービスの 充 実 も 必 要 であるが, 可 能 な 限 り 生 活 の 場 で 支 えることが 望 ましい. 医 学 の 知 識 や 技 術 を 基 盤 に, 暮 らしを 構 成 する 作 業 を 通 して 人 やその 生 活 機 能 を 観, 作 業 を 通 して 障 害 があってもその 人 が 生 活 に 必 要 な 作 業 ができるよう 援 助 する. 生 活 機 能 の 状 態 に 応 じて, 人 的 環 境 や 物 理 的 環 境, 制 度 サー ビスなどの 環 境 を 整 え 活 かし,その 人 の 生 活 経 験 やできること,したいこと,ニーズを 活 かし,その 人 らしく 生 活 できるよう 支 援 する, それが 作 業 療 法 ( 士 )の 専 門 性 と 言 えよう. 2) 新 障 害 者 基 本 計 画 及 びその 重 点 施 策 実 施 5 か 年 計 画 と 作 業 療 法 社 会 保 障 審 議 会 資 料 によると,2008 年 現 在 わが 国 の 障 害 者 総 数 は,723.8 万 人 で, 身 体 障 害 者 ( 児 )が 357.6 万 人, 知 的 障 害 者 ( 児 ) が 54.7 万 人, 精 神 障 害 者 が 302.8 万 人 と 推 計 されている. 新 障 害 者 基 本 計 画 は, リハビリテーション と ノーマライゼーション の 理 念 を 継 承 し, 2003 年 度 から 2012 年 度 までの 10 年 間 で, 障 害 の 有 無 にかかわらず, 国 民 誰 もが 相 互 に 人 格 と 個 性 を 尊 重 し 支 え 合 う 共 生 社 会 の 実 現 を 目 指 すというものである. 基 本 的 な 方 針 として, 社 会 のバリアフリー 化, 利 用 者 本 位 の 支 援, 障 害 の 特 性 を 踏 まえた 施 策 の 展 開, 総 合 的 かつ 効 果 的 な 施 策 の 推 進 とい う 4 つの 横 断 的 視 点 を 取 り 上 げ,さらに 重 点 課 題 として, 活 動 し 参 加 する 力 の 向 上, 活 動 し 参 加 する 基 盤 の 整 備, 精 神 障 害 者 施 策 の 総 合 的 な 取 組, アジア 太 平 洋 地 域 におけ る 域 内 協 力 の 強 化 を 掲 げている. 重 点 施 策 実 施 5 か 年 計 画 は, 新 障 害 者 基 本 計 画 の 前 期 5 年 間 において 重 点 的 に 実 施 する 施 策 及 びその 達 成 目 標 並 びに 計 画 の 推 進 方 策 として 2003 年 から 2007 年 の 達 成 目 標 等 を 定 めたもので, 共 生 社 会 の 実 現 を 目 的 として, 障 害 者 が 活 動 し 社 会 に 参 加 する 力 の 向 上 を 図 るとともに, 福 祉 サービスの 整 備 やバリアフ 14

1 わが 国 の 作 業 療 法 リー 化 の 推 進 など, 自 立 に 向 けた 地 域 基 盤 の 整 備 等 に 取 り 組 んだものである. 多 職 種 が 関 与 する 障 害 者 施 策 の 中 で, 作 業 療 法 士 がどのように 地 域 生 活 支 援 に 関 与 する か,しっかりと 質 量 共 に 対 応 できる 体 制 を 整 備 することが 重 要 である. 3) 介 護 保 険 と 作 業 療 法 介 護 保 険 制 度 は, 老 後 生 活 における 最 大 の 不 安 要 因 である 介 護 に 対 し, 必 要 なサービス を 総 合 的 一 体 的 に 提 供 する 仕 組 みとして 2000 年 に 創 設 された.2005 年 に, 介 護 予 防 の 仕 組 みが 導 入 され 予 防 重 視 型 システムへの 転 換, 利 用 者 負 担 の 見 直 し, 新 たなサービス 体 系 や 質 の 確 保 向 上, 制 度 運 営 保 険 料 の 見 直 し,などの 改 正 が 行 われた. 介 護 保 険 は, 制 度 見 直 しが 5 年 に 1 回, 報 酬 見 直 しが 3 年 に 1 回 実 施 される. 介 護 保 険 制 度 は 創 設 され てまだ 年 数 も 浅 く, 行 政, 医 療, 介 護 の 連 携, サービスの 質, 介 護 認 定, 等 に 加 え 介 護 事 業 者 や 介 護 認 定 者 の 増 加 による 財 源 の 問 題 を 抱 えており, 医 療 との 連 携 や 医 療 との 棲 み 分 け, 障 害 者 介 護 の 統 合, 介 護 財 政 の 基 盤 などが 当 面 の 課 題 となる. 作 業 療 法 士 は, 施 設 サービスでは, 介 護 老 人 保 健 施 設, 介 護 療 養 型 医 療 施 設, 介 護 老 人 福 祉 施 設, 居 宅 サービスでは, 訪 問 リハビリ テーション, 通 所 リハビリテーション, 通 所 介 護, 訪 問 看 護 ステーション 等 で 関 与 してい る.どこまでその 機 能 を 発 揮 できるかにより, 作 業 療 法 士 の 職 域 は 大 きく 異 なるであろう. 4) 作 業 療 法 5 か 年 戦 略 当 協 会 は 近 年 のわが 国 の 医 療 保 健 福 祉 の 動 向 に 対 応 するために 2008 年 から 2012 年 の 5 か 年 に 作 業 療 法 士 の 5 割 を, 身 近 な 地 域 に 配 置 し, 地 域 生 活 移 行 の 支 援 をするとい う 作 業 療 法 5 か 年 戦 略 を 開 始 した. 作 業 療 法 5 か 年 戦 略 の 活 動 開 始 年 度 の 2008 年 に は, 有 資 格 者 は 42,354 人 となり,4 万 人 を 超 えた.2011 年 2 月 現 在, 養 成 校 数 は 171 校 (187 課 程 ), 入 学 定 員 は 7,060 名 である. 仮 に 卒 業 率, 国 家 試 験 合 格 率 をいずれも 80%と 仮 定 して も, 作 業 療 法 5 か 年 戦 略 最 終 年 度 の 2012 年 には, 作 業 療 法 有 資 格 者 数 は 約 60,000 人 に なる. 毎 年 5,000 ~ 6,000 名 ずつ 増 える 作 業 療 法 士 を 医 療 以 外 の 場 へも 重 点 的 に 配 置 し, 職 域 を 広 げるだけで, 作 業 療 法 5(GO!) 5(GO!) 計 画 は 十 分 達 成 可 能 である. 15

2 就 業 状 況 から 見 る 作 業 療 法 表 2-1 および 表 2-2 は 機 関 誌 作 業 療 法 に 毎 年 一 回 掲 載 している 日 本 作 業 療 法 士 協 会 会 員 統 計 資 料 を 一 部 改 変 したものである. 本 デー タから 作 業 療 法 士 の 量 的 動 向 の 年 次 経 過 を 提 示 する. 2-1 作 業 療 法 士 数 の 推 移 2-1-1 作 業 療 法 士 数 の 年 次 推 移 2006 年 度 の 有 資 格 者 は 33,696 人.2010 年 度 は 53,080 人 であり,5 年 間 で 19,384 人 増 加 し ている.これは 1 年 当 たり 約 3,900 人 の 増 加 であ り,5 年 間 で 約 1.6 倍 になっている. 協 会 員 組 織 率 は 2004 年 の 88.8%を 境 として 減 少 傾 向 に 転 じ, 2010 年 度 には 79.8%に 推 移 している.( 表 2-1) 2-1-2 地 域 別 作 業 療 法 士 数 地 域 別 での 協 会 会 員 数 は,2010 年 度 では 会 員 数 42,348 人 のうち 海 外 と 非 有 効 データを 除 い た 会 員 数 は 41,776 人 であり, 最 も 会 員 数 の 多 い 福 岡 県 では 2,734 人, 少 ない 和 歌 山 県 で 315 人, 平 均 は 888.9 人 である. 都 道 府 県 あたりの 会 員 数 を 過 去 のデータと 比 較 すると,2000 年 白 書 では 276.1 人,2005 年 では 551.0 人 であり, 10 年 間 で 約 3.2 倍 に 増 加 している.( 表 2-2) 2-1-3 年 齢 性 別 構 成 会 員 の 性 別 構 成 は 男 性 に 比 して 女 性 が 多 く, その 比 率 を5 年 間 の 推 移 でみると,2006 年 度 で 男 性 29.4%, 女 性 70.6%,2010 年 度 では 男 性 33.9%, 女 性 66.1%となっている. 年 齢 層 別 では 2010 年 度 で 20 歳 代 が 50.4%,30 歳 代 が 35.4%,40 歳 代 が 10.5%,50 歳 代 以 上 が 2.2%, 61 歳 以 上 が 0.5%, 非 有 効 データが 1.1%であっ た. 男 女 年 齢 層 別 では, 会 員 全 体 に 占 める20 歳 代 女 性 の 割 合 が 34.8%と 多 い.( 表 2-3) 表 2-1 作 業 療 法 士 有 資 格 数 と 協 会 会 員 数 の 年 次 推 移 年 度 有 資 格 者 数 協 会 員 数 組 織 率 1966 22 18 81.8% 1967 72 54 75.0% 1968 132 103 78.0% 1969 222 150 67.6% 1970 311 200 64.3% 1971 360 263 73.1% 1972 400 296 74.0% 1973 436 323 74.1% 1974 506 357 70.6% 1975 558 383 68.6% 1976 621 427 68.8% 1977 702 487 69.4% 1978 777 555 71.4% 1979 857 625 72.9% 1980 980 752 76.7% 1981 1,088 842 77.4% 1982 1,255 994 79.2% 1983 1,445 1,022 70.7% 1984 1,750 1,167 66.7% 1985 2,140 1,386 64.8% 1986 2,581 2,046 79.3% 1987 3,006 2,414 80.3% 1988 3,525 2,870 81.4% 1989 4,081 3,387 83.0% 1990 4,692 3,909 83.3% 1991 5,287 4,391 83.1% 1992 5,827 4,901 84.1% 1993 6,401 5,457 85.3% 1994 7,028 6,027 85.8% 1995 7,708 6,636 86.1% 1996 8,748 7,488 85.6% 1997 9,808 8,469 86.3% 1998 11,035 9,570 86.7% 1999 12,626 11,016 87.2% 2000 14,880 13,061 87.8% 2001 17,229 15,193 88.2% 2002 19,816 17,458 88.1% 2003 22,755 20,051 88.1% 2004 26,069 23,151 88.8% 2005 29,511 26,131 88.5% 2006 33,696 29,532 87.6% 2007 38,097 32,948 86.5% 2008 42,354 35,961 84.9% 2009 47,759 39,241 82.2% 2010 53,080 42,348 79.8% 注 :1966-1994 年 度 は OT 協 会 事 務 局 資 料,1995-2010 年 度 は OT 協 会 会 員 統 計 資 料 ( 各 年 度 /3/31 現 在 )の 数 値 である 16

2 就 業 状 況 から 見 る 作 業 療 法 表 2-2 都 道 府 県 別 会 員 数 と 施 設 数 2005 年 度 2010 年 度 都 道 府 県 名 会 員 数 都 道 府 県 会 員 数 都 道 府 県 人 口 対 会 員 勤 務 人 口 対 会 員 勤 務 人 口 人 口 男 女 合 計 (10 万 対 ) 施 設 数 (10 万 対 ) ( 単 位 10 万 人 ) 男 女 合 計 施 設 数 ( 単 位 10 万 人 ) 北 海 道 554 955 1,509 56.3 26.8 463 924 1,276 2,200 55.1 39.9 568 青 森 103 278 381 14.4 26.5 132 176 385 561 13.7 40.9 143 岩 手 117 204 321 13.9 23.2 121 180 318 498 13.3 37.4 144 宮 城 102 369 471 23.6 20.0 146 206 557 763 23.5 32.5 207 秋 田 74 211 285 11.5 24.9 103 123 282 405 10.9 37.3 116 山 形 81 237 318 12.2 26.1 97 157 376 533 11.7 45.6 139 福 島 131 315 446 20.9 21.3 136 256 483 739 20.3 36.4 190 茨 城 127 322 449 29.8 15.1 122 249 571 820 29.7 27.6 191 栃 木 100 217 317 20.2 15.7 106 191 341 532 20.1 26.5 146 群 馬 95 293 388 20.2 19.2 111 205 463 668 20.1 33.3 163 埼 玉 211 623 834 70.5 11.8 211 433 892 1,325 71.9 18.4 333 千 葉 166 571 737 60.6 12.2 215 393 926 1,319 62.2 21.2 331 東 京 405 1,358 1,763 125.7 14.0 516 686 1,798 2,484 131.6 18.9 721 神 奈 川 287 839 1,126 87.9 12.8 302 554 1,324 1,878 90.5 20.8 456 新 潟 142 419 561 24.3 23.1 187 229 579 808 23.7 34.0 230 富 山 46 236 282 11.1 25.4 110 93 345 438 10.9 40.1 138 石 川 89 307 396 11.7 33.7 124 166 418 584 11.7 49.9 165 福 井 52 175 227 8.2 27.6 75 109 265 374 8.1 46.4 104 山 梨 109 188 297 8.8 33.6 60 186 267 453 8.6 52.5 73 長 野 162 476 638 22.0 29.1 164 301 715 1,016 21.5 47.2 221 岐 阜 89 216 305 21.1 14.5 106 177 314 491 20.8 23.6 146 静 岡 201 536 737 37.9 19.4 231 412 833 1,245 37.7 33.1 297 愛 知 267 880 1,147 72.5 15.8 313 533 1,288 1,821 74.1 24.6 419 三 重 79 212 291 18.7 15.6 102 182 331 513 18.5 27.7 143 滋 賀 60 146 206 13.8 14.9 62 129 229 358 14.1 25.4 85 京 都 137 367 504 26.5 19.0 143 260 562 822 26.4 31.2 208 大 阪 427 957 1,384 88.2 15.7 386 817 1,427 2,244 88.6 25.3 576 兵 庫 261 691 952 55.9 17.0 281 572 1,112 1,684 55.9 30.1 420 奈 良 74 143 217 14.2 15.3 58 159 231 390 14.0 27.9 80 和 歌 山 58 91 149 10.4 14.4 59 147 168 315 10.0 31.5 89 鳥 取 38 138 176 6.1 29.0 56 130 237 367 5.9 62.4 82 島 根 79 169 248 7.4 33.4 79 121 238 359 7.2 50.1 102 岡 山 202 448 650 19.6 33.2 186 326 625 951 19.4 48.9 230 広 島 187 596 783 28.8 27.2 245 335 795 1,130 28.6 39.5 330 山 口 131 303 434 14.9 29.1 136 314 519 833 14.5 57.4 186 徳 島 104 198 302 8.1 37.3 98 177 297 474 7.9 60.3 128 香 川 73 220 293 10.1 28.9 99 154 308 462 10.0 46.4 121 愛 媛 199 321 520 14.7 35.4 160 325 489 814 14.3 56.9 202 高 知 104 208 312 8.0 39.2 88 192 339 531 7.6 69.4 113 福 岡 535 1,325 1,860 50.5 36.8 457 989 1,745 2,734 50.7 53.9 573 佐 賀 72 158 230 8.7 26.5 68 172 257 429 8.5 50.5 107 長 崎 143 263 406 14.8 27.5 146 292 443 735 14.3 51.5 183 熊 本 169 372 541 18.4 29.4 167 340 584 924 18.2 50.8 242 大 分 134 233 367 12.1 30.3 109 257 405 662 12.0 55.3 168 宮 崎 73 147 220 11.5 19.1 79 177 257 434 11.4 38.2 125 鹿 児 島 230 362 592 17.5 33.8 185 432 579 1,011 17.1 59.2 254 沖 縄 118 206 324 13.6 23.8 82 268 377 645 13.9 46.3 126 海 外 3 38 41-3 18 21 - 非 有 効 データ 45 149 194 16 130 421 551 99 合 計 7,445 18,686 26,131 1,277.6 20.5 7,698 14,339 28,009 42,348 1,280.6 33.1 10,613 注 )'05 年 度 及 び '10 年 度 は 国 勢 調 査 結 果 から 抜 粋 し,10 万 人 単 位 に 修 正. 17

表 2-3 作 業 療 法 士 の 年 齢 性 別 構 成 2005 年 度 2006 年 度 2007 年 度 2008 年 度 2009 年 度 2010 年 度 年 齢 男 性 女 性 全 体 男 性 女 性 全 体 男 性 女 性 全 体 男 性 女 性 全 体 男 性 女 性 全 体 男 性 女 性 全 体 21 ~ 25 歳 1,272 5,053 6,325 1,557 5,420 6,977 1,902 5,604 7,506 2,179 5,505 7,684 2,602 5,692 8,294 2,954 5,957 8,911 26 ~ 30 歳 2,358 6,412 8,770 2,607 7,180 9,787 2,861 7,816 10,677 3,088 8,302 11,390 3,283 8,650 11,933 3,646 8,778 12,424 31 ~ 35 歳 1,616 3,428 5,044 2,014 3,958 5,972 2,450 4,565 7,015 2,820 5,151 7,971 3,199 5,765 8,964 3,468 6,223 9,691 36 ~ 40 歳 950 1,891 2,841 1,085 2,087 3,172 1,269 2,340 3,609 1,463 2,648 4,111 1,711 2,958 4,669 1,960 3,332 5,292 41 ~ 45 歳 627 1,068 1,695 680 1,239 1,919 750 1,426 2,176 832 1,611 2,443 919 1,706 2,625 996 1,818 2,814 46 ~ 50 歳 283 364 647 347 430 777 405 521 926 476 674 1,150 554 856 1,410 618 1,021 1,639 51 ~ 55 歳 153 199 352 157 219 376 188 237 425 216 262 478 239 294 533 274 345 619 56 ~ 60 歳 61 112 173 82 134 216 103 149 252 117 153 270 132 158 290 143 159 302 61 ~ 65 歳 30 29 59 26 39 65 21 38 59 24 58 82 29 67 96 41 79 120 66 ~ 70 歳 16 25 41 17 25 42 15 23 38 18 25 43 17 25 42 15 23 38 71 ~ 75 歳 13 9 22 12 11 23 11 15 26 10 14 24 7 16 23 6 18 24 76 歳 以 上 2 4 6 4 4 8 7 4 11 8 8 16 8 7 15 7 7 14 非 有 効 データ 64 92 156 90 108 198 106 122 228 140 159 299 168 179 347 211 249 460 合 計 7,445 18,686 26,131 8,678 20,854 29,532 10,088 22,860 32,948 11,391 24,570 35,961 12,868 26,373 39,241 14,339 28,009 42,348 注 : 各 データは OT 協 会 会 員 統 計 資 料 による. 18

2 就 業 状 況 から 見 る 作 業 療 法 表 2-4 開 設 者 別 会 員 数 の 推 移 2005 年 度 2006 年 度 2007 年 度 2008 年 度 2009 年 度 2010 年 度 国 756 2.9% 807 2.7% 826 2.5% 893 2.5% 969 2.5% 1,068 2.5% 厚 生 労 働 省 95 91 86 88 94 102 文 部 科 学 省 212 230 6 8 11 14 労 働 福 祉 事 業 団 145 126 129 125 139 144 独 立 行 政 法 人 242 301 310 356 395 456 国 立 大 学 法 人 234 242 253 258 その 他 62 59 61 74 77 94 公 的 機 関 3,008 11.5% 3,243 11.0% 3,491 10.6% 3,788 10.5% 4,013 10.2% 4,230 10.0% 都 道 府 県 912 960 1,006 1,052 1,088 1,110 市 区 町 村 1,338 1,419 1,516 1,664 1,736 1,839 日 赤 198 220 232 244 260 291 済 生 会 183 219 266 313 352 387 北 海 道 社 会 事 業 協 会 20 23 22 20 20 23 厚 生 連 347 386 432 478 539 560 国 民 健 康 保 険 団 体 連 合 会 10 16 17 17 18 20 社 会 保 険 団 体 336 1.3% 392 1.3% 429 1.3% 472 1.3% 501 1.3% 533 1.3% 全 国 社 会 保 険 協 会 連 合 会 110 116 129 135 142 153 厚 生 団 65 72 82 90 96 106 船 員 保 険 会 2 5 6 6 6 6 健 康 保 険 組 合 及 び 連 合 会 40 45 46 51 56 61 共 済 組 合 及 び 連 合 会 113 147 156 174 185 192 国 民 健 康 保 険 組 合 6 7 10 16 16 15 公 益 法 人 994 3.8% 1,099 3.7% 1,242 3.8% 1,397 3.9% 1,466 3.7% 1,542 3.6% 医 療 法 人 13,393 51.3% 15,373 52.1% 17,210 52.2% 19,028 52.9% 21,023 53.6% 22,875 54.0% 学 校 法 人 1,008 3.9% 1,098 3.7% 1,217 3.7% 1,295 3.6% 1,348 3.4% 1,403 3.3% 会 社 339 1.3% 432 1.5% 507 1.5% 590 1.6% 668 1.7% 774 1.8% NPO 法 人 92 0.3% 102 0.3% 115 0.3% 127 0.3% 147 0.3% その 他 の 法 人 2,177 8.3% 2,379 8.1% 2,656 8.1% 2,912 8.1% 3,169 8.1% 3,427 8.1% 個 人 356 1.4% 358 1.2% 362 1.1% 385 1.1% 425 1.1% 425 1.0% その 他 133 0.5% 133 0.5% 153 0.5% 166 0.5% 181 0.5% 189 0.4% 休 業 中 3,295 12.6% 3,782 12.8% 4,441 13.5% 4,669 13.0% 5,109 13.0% 5,477 12.9% 非 有 効 データ 336 1.3% 344 1.2% 312 0.9% 251 0.7% 242 0.6% 258 0.6% 合 計 26,131 100.0% 29,532 100.0% 32,948 100.0% 35,961 100.0% 39,241 100.0% 42,348 100.0% 注 :データは 各 年 度 OT 協 会 会 員 統 計 資 料 による. 19

2-2 作 業 療 法 士 の 就 業 状 況 2-2-1 開 設 者 別 会 員 数 協 会 員 の 勤 務 先 の 開 設 者 別 にみた 就 業 状 況 は, 最 も 多 いのが 医 療 法 人, 次 いで 公 的 機 関, その 他 の 法 人 の 順 と 続 いている.この 順 位 は 2006 年 から 2010 年 の 5 年 間 で 変 化 はない. 各 年 度 の 開 設 者 別 割 合 をみると 公 的 機 関, 公 益 法 人, 学 校 法 人, 個 人 の 占 める 割 合 が 減 少 傾 向 にあり, 逆 に 医 療 法 人, 会 社 などは 全 体 に 占 める 割 合 が 増 加 の 傾 向 にある. 開 設 者 別 に 見 た 会 員 の 割 合 は 上 記 のような 結 果 であるが, 従 事 する 会 員 の 実 数 はいずれ の 開 設 者 種 別 においても 増 加 している. 割 合 の 変 化 には 全 数 の 増 加 が 反 映 されており, 実 数 の 減 少 を 示 すものではない.( 表 2-4) 2-2-2 領 域 別 会 員 数 協 会 員 の 勤 務 先 の 関 連 法 領 域 別 に 見 た 会 員 数 では, 医 療 法 関 連 施 設 が 最 も 多 く,なかで も 病 院 に 勤 務 する 会 員 が 2010 年 度 では 63.8% ( 非 有 効 データおよび 休 業 中 の 会 員 を 除 いた 勤 務 先 を 持 つ 会 員 比 では 73.8%)である.( 表 2-5-1, 表 2-5-2) 2-2-3 勤 務 形 態 別 会 員 数 2010 年 度 では, 全 会 員 のうち 36,759 人 (86.8%) が 作 業 療 法 士 として 就 業 中 であり, 休 業 中 の 会 員 は 5,477 人 (12.9%)である. 就 業 中 の 会 員 36,759 人 のうち 常 勤 のみの 会 員 は 32,328 人 (88.0%), 常 勤 + 非 常 勤 は 3,139 人 (8.5%), 非 常 勤 のみは 1,292 人 (3.5%)であった ( 表 2-6) 2-3 作 業 療 法 士 の 労 働 環 境 2-3-1 基 本 給 諸 手 当 ( 初 任 給 ) 4 年 生 養 成 施 設 卒 業 者 の 初 年 度 の 基 本 給 は 18.5 万 円, 手 当 が 2.7 万 円, 賞 与 が 50.4 万 円 であった( 表 2-7). 前 回 2005 年 までは 3 年 制 養 成 施 設 卒 業 者 の 給 与 等 を 調 査 してきた 表 2-5-1 領 域 別 会 員 数 の 推 移 2005 年 度 2006 年 度 2007 年 度 2008 年 度 2009 年 度 2010 年 度 医 療 法 関 連 施 設 16,018 61.3% 18,107 61.3% 20,287 61.6% 22,444 62.4% 24,772 63.1% 27,016 63.8% 身 体 障 害 者 福 祉 法 関 連 施 設 263 1.0% 276 0.9% 290 0.9% 304 0.8% 293 0.7% 303 0.7% 精 神 保 健 法 関 連 施 設 103 0.4% 106 0.4% 116 0.4% 115 0.3% 112 0.3% 104 0.2% 児 童 福 祉 法 関 連 施 設 753 2.9% 797 2.7% 819 2.5% 856 2.4% 871 2.2% 882 2.1% 知 的 障 害 者 者 福 祉 法 関 連 施 設 12 0.0% 18 0.1% 20 0.1% 26 0.1% 22 0.1% 19 0.0% 老 人 福 祉 法 関 連 施 設 448 1.7% 562 1.9% 656 2.0% 802 2.2% 895 2.3% 1,025 2.4% 高 齢 者 医 療 確 保 法 関 連 施 設 3,547 13.6% 3,912 13.2% 4,192 12.7% 4,490 12.5% 4,760 12.1% 4,945 11.7% 介 護 保 険 法 関 連 施 設 15 0.1% 20 0.1% 23 0.1% 33 0.1% 35 0.1% 障 害 者 自 立 支 援 法 関 連 施 設 31 0.1% 68 0.2% その 他 の 分 類 1,385 5.3% 1,610 5.5% 1,781 5.4% 1,921 5.3% 2,024 5.2% 2,123 5.0% 法 外 施 設 55 0.2% 55 0.2% 55 0.2% 64 0.2% 73 0.2% 69 0.2% 領 域 なし( 休 業 中 ) 3,295 12.6% 3,782 12.8% 4,441 13.5% 4,669 13.0% 5,109 13.0% 5,477 12.9% 非 有 効 データ 252 1.0% 292 1.0% 271 0.8% 247 0.7% 246 0.6% 282 0.7% 合 計 26,131 100.0% 29,532 100.0% 32,948 100.0% 35,961 100.0% 39,241 100.0% 42,348 100.0% 注 :データは 各 年 度 OT 協 会 会 員 統 計 資 料 による. : 介 護 保 険 法 関 連 施 設 は 2006 年 度, 高 齢 者 医 療 確 保 法 関 連 施 設 は 2008 年 度, 障 害 者 自 立 支 援 法 関 連 施 設 は 2009 年 度 から 法 改 正 に 合 わせて 項 目 を 新 設. : 高 齢 者 医 療 確 保 法 関 連 施 設 は, 旧 老 人 保 健 法 関 連 施 設 を 2007 度 から 項 目 名 称 を 改 定. 20

2 就 業 状 況 から 見 る 作 業 療 法 表 2-5-2 2010 年 度 の 領 域 別 会 員 数 領 域 施 設 別 会 員 数 会 員 数 全 体 比 勤 務 者 比 医 療 法 関 連 施 設 27,016 63.8% 73.8% 病 院 25,760 60.8% 70.4% 一 般 病 院 18,678 44.1% 51.0% 一 般 病 床 15,244 36.0% 41.7% 療 養 型 病 床 群 3,166 7.5% 8.7% 不 明 268 0.6% 0.7% 特 定 機 能 病 院 949 2.2% 2.6% 精 神 病 院 5,461 12.9% 14.9% 結 核 病 院 2 0.0% 0.0% 感 染 症 病 院 1 0.0% 0.0% 地 域 支 援 病 院 419 1.0% 1.1% 不 明 250 0.6% 0.7% 診 療 所 1,222 2.9% 3.3% 一 般 診 療 所 1,199 2.8% 3.3% 有 床 診 療 所 378 0.9% 1.0% 無 床 診 療 所 762 1.8% 2.1% 療 養 型 病 床 群 51 0.1% 0.1% 不 明 8 0.0% 0.0% 不 明 23 0.1% 0.1% 老 人 痴 呆 疾 患 センター 34 0.1% 0.1% 身 体 障 害 者 福 祉 法 関 連 施 設 303 0.7% 0.8% 身 体 障 害 者 更 生 援 護 施 設 282 0.7% 0.8% 身 体 障 害 者 更 生 施 設 75 0.2% 0.2% 肢 体 不 自 由 者 更 生 施 設 50 0.1% 0.1% 重 度 身 体 障 害 者 更 生 援 護 施 設 24 0.1% 0.1% 不 明 1 0.0% 0.0% 身 体 障 害 者 療 護 施 設 97 0.2% 0.3% 身 体 障 害 者 授 産 施 設 4 0.0% 0.0% 身 体 障 害 者 福 祉 センター 104 0.2% 0.3% 身 体 障 害 者 福 祉 センター A 型 16 0.0% 0.0% 身 体 障 害 者 福 祉 センター B 型 38 0.1% 0.1% 在 宅 障 害 デイ サービス 施 設 48 0.1% 0.1% 不 明 2 0.0% 0.0% 不 明 2 0.0% 0.0% 身 体 障 害 者 更 生 相 談 所 21 0.0% 0.1% 精 神 保 健 福 祉 法 関 連 施 設 104 0.2% 0.3% 精 神 障 害 者 社 会 復 帰 施 設 61 0.1% 0.2% 精 神 障 害 者 生 活 訓 練 施 設 16 0.0% 0.0% 精 神 障 害 者 生 活 訓 練 施 設 ( 精 神 障 害 者 援 護 寮 ) 16 0.0% 0.0% 精 神 障 害 者 授 産 施 設 31 0.1% 0.1% 精 神 障 害 者 地 域 生 活 支 援 センター 9 0.0% 0.0% 不 明 5 0.0% 0.0% 精 神 保 健 福 祉 センター 29 0.1% 0.1% 精 神 障 害 者 社 会 復 帰 促 進 センター 3 0.0% 0.0% 精 神 障 害 者 グループホーム 2 0.0% 0.0% 精 神 障 害 者 小 規 模 作 業 所 9 0.0% 0.0% 児 童 福 祉 法 関 連 施 設 882 2.1% 2.4% 児 童 福 祉 施 設 773 1.8% 2.1% 知 的 障 害 児 施 設 22 0.1% 0.1% ( 知 的 障 害 児 施 設 自 閉 症 児 施 設 ) 知 的 障 害 児 通 園 施 設 72 0.2% 0.2% 肢 体 不 自 由 児 施 設 375 0.9% 1.0% 肢 体 不 自 由 児 施 設 267 0.6% 0.7% 肢 体 不 自 由 児 通 園 施 設 90 0.2% 0.2% 肢 体 不 自 由 児 療 護 施 設 4 0.0% 0.0% 不 明 14 0.0% 0.0% 重 度 心 身 障 害 児 施 設 291 0.7% 0.8% 情 緒 障 害 児 短 期 治 療 施 設 3 0.0% 0.0% 不 明 10 0.0% 0.0% 21

児 童 相 談 所 1 0.0% 0.0% 心 身 障 害 児 総 合 通 園 センター 104 0.2% 0.3% 併 設 重 症 心 身 障 害 児 通 所 モデル 事 業 施 設 4 0.0% 0.0% 知 的 障 害 者 福 祉 法 関 連 施 設 19 0.0% 0.1% 知 的 障 害 者 援 護 施 設 18 0.0% 0.0% 知 的 障 害 者 更 生 施 設 13 0.0% 0.0% 知 的 障 害 者 授 産 施 設 5 0.0% 0.0% 知 的 障 害 者 更 生 相 談 所 1 0.0% 0.0% 老 人 福 祉 法 関 連 施 設 1,025 2.4% 2.8% 老 人 福 祉 施 設 937 2.2% 2.6% 特 別 養 護 老 人 ホーム( 介 護 老 人 福 祉 施 設 ) 413 1.0% 1.1% 養 護 老 人 ホーム 6 0.0% 0.0% 軽 費 老 人 ホーム 9 0.0% 0.0% 老 人 デイ サービスセンター( 通 所 介 護 ) 465 1.1% 1.3% 老 人 福 祉 センター 18 0.0% 0.0% 老 人 短 期 入 所 施 設 13 0.0% 0.0% 不 明 13 0.0% 0.0% 有 料 老 人 ホーム 65 0.2% 0.2% 在 宅 介 護 支 援 センター 18 0.0% 0.0% 高 齢 者 総 合 相 談 センター 5 0.0% 0.0% 高 齢 者 医 療 確 保 法 関 連 施 設 4,945 11.7% 13.5% 介 護 老 人 保 健 施 設 4,643 11.0% 12.7% 老 人 訪 問 看 護 ステーション 302 0.7% 0.8% 介 護 保 険 法 関 連 施 設 35 0.1% 0.1% 地 域 包 括 支 援 センター 35 0.1% 0.1% 障 害 者 自 立 支 援 法 関 連 施 設 68 0.2% 0.2% 指 定 障 害 者 福 祉 サービス 事 業 所 41 0.1% 0.1% 生 活 介 護 事 業 所 13 0.0% 0.0% 自 立 訓 練 ( 機 能 訓 練 ) 事 業 所 12 0.0% 0.0% 多 機 能 型 事 業 所 16 0.0% 0.0% 有 料 老 人 ホーム 10 0.0% 0.0% 生 活 介 護 支 援 施 設 7 0.0% 0.0% 自 立 訓 練 支 援 施 設 3 0.0% 0.0% 指 定 相 談 支 援 事 業 所 6 0.0% 0.0% 指 定 地 域 活 動 支 援 センター 11 0.0% 0.0% その 他 の 分 類 2,123 5.0% 5.8% 特 別 支 援 学 校 88 0.2% 0.2% 肢 体 不 自 由 児 44 0.1% 0.1% 知 的 障 害 児 12 0.0% 0.0% その 他 29 0.1% 0.1% 不 明 3 0.0% 0.0% 養 成 校 1,263 3.0% 3.5% 専 門 学 校 734 1.7% 2.0% 医 療 短 期 大 学 22 0.1% 0.1% 大 学 497 1.2% 1.4% 不 明 10 0.0% 0.0% 保 健 所 等 172 0.4% 0.5% 保 健 所 32 0.1% 0.1% 保 健 センター( 保 健 福 祉 センター) 48 0.1% 0.1% その 他 ( 高 齢 サービス 課 健 康 増 進 課 等 ) 90 0.2% 0.2% 不 明 2 0.0% 0.0% その 他 600 1.4% 1.6% 職 業 センター 4 0.0% 0.0% リハ 関 連 企 業 28 0.1% 0.1% 補 装 具 作 製 施 設 15 0.0% 0.0% 訪 問 看 護 ステーション( 老 人 訪 問 看 護 ステーションを 除 く) 435 1.0% 1.2% その 他 ( 第 三 セクター 社 協 等 ) 100 0.2% 0.3% 不 明 18 0.0% 0.0% 法 外 施 設 69 0.2% 0.2% 領 域 なし( 休 業 中 ) 5,477 12.9% 15.0% 非 有 効 データ 282 0.7% 0.8% 対 象 会 員 数 42,348 100.0% 22

2 就 業 状 況 から 見 る 作 業 療 法 表 2-6 勤 務 形 態 別 会 員 数 の 推 移 2005 年 度 2006 年 度 2007 年 度 2008 年 度 2009 年 度 2010 年 度 OTとして 就 業 中 22,828 87.4% 25,740 87.2% 28,498 86.5% 31,280 87.0% 34,074 86.8% 36,759 86.8% 常 勤 22,036 24,835 27,514 30,041 32,840 35,467 常 勤 + 非 常 勤 2,093 2,715 2,905 2,949 3,040 3,139 常 勤 のみ 19,943 22,120 24,609 27,092 29,800 32,328 非 常 勤 792 905 984 1,239 1,234 1,292 OT 以 外 で 就 業 中 37 0.1% 92 0.2% OTは 休 業 中 3,295 12.6% 3,782 12.8% 4,441 13.5% 4,669 13.0% 5,109 13.0% 5,477 12.9% 非 有 効 データ 8 0.0% 10 0.0% 9 0.0% 12 0.0% 21 0.1% 20 0.0% 対 象 会 員 数 26,131 100.0% 29,532 100.0% 32,948 100.0% 35,961 100.0% 39,241 100.0% 42,348 100.0% 注 )データは 各 年 度 OT 協 会 会 員 統 計 資 料 による.2009 年 度 より OT 以 外 で 就 業 中 の 項 目 を 新 設 した. 表 2-7 作 業 療 法 士 の 基 本 給, 手 当, 賞 与 2010( 4 年 制 養 参 考 :2005( 3 成 施 設 卒 業 者 ) n=3,296 年 制 養 成 施 設 卒 業 者 )n=3,655 回 答 数 平 均 値 回 答 数 平 均 値 1 年 目 の 基 本 給 ( 円 / 月 ) 2,351 184,512 2,716 185,387 1 年 目 の 手 当 て( 円 / 月 ) 2,170 26,750 2,432 33,404 1 年 目 の 賞 与 ( 円 / 年 ) 2,222 504,328 2,532 528,116 が, 今 年 度 より 4 年 制 養 成 施 設 卒 業 者 とした. 2005 年 度 と 比 較 すると, 基 本 給, 手 当, 賞 与 のいずれもやや 減 少 傾 向 にある. 2-3-2 休 暇 と 取 得 状 況 育 児 休 暇 制 度 については, 男 女 ともある は 10.8%, 女 性 のみある は 54.8%, ない は 32.6%となっている.2005 年 調 査 時 と 比 較 すると, 育 児 休 暇 制 度 の 実 績 は 減 少 している( 表 2-8). 年 次 有 給 休 暇 については,78.1%が 自 由 に 取 得 できるとしており, 前 回 よりも 増 加 して いる( 表 2-9). 一 方 で 介 護 休 暇 制 度 については, 実 績 がないとの 回 答 が, 前 回 よりもさらに 多 い 80.4%となっている( 表 2-10). 2-3-3 代 替 職 員 の 雇 用 制 度 と 保 育 所 の 整 備 代 替 員 の 雇 用 制 度 については, 産 前 産 後 休 暇 に 対 するものは 21.1%, 育 児 休 暇 に 対 する ものは 21.6%, 休 職 に 対 するものは 7.7%で 整 備 されている. 前 回 と 比 較 すると 全 ての 項 目 において 減 少 しており, 制 度 そのものがない 施 設 も 69.3%から 71.1%に 増 加 している( 表 2-11). 作 業 療 法 士 の 利 用 できる 保 育 所 がある 施 設 は 28.5%であるが, 保 育 所 はあっても 作 業 療 法 士 が 利 用 できない 場 合 も 4.5%あること がわかった. 代 替 員 の 雇 用 制 度 や 保 育 所 が 整 表 2-8 育 児 休 業 制 度 の 実 績 2010 n=3,296 2005 n=3,655 回 答 数 % 回 答 数 % 男 女 ともある 355 10.8 771 21.1 女 性 のみある 1,807 54.8 2,209 60.4 ない 1,074 32.6 627 17.2 無 回 答 60 1.8 48 1.3 表 2-9 年 次 有 給 休 暇 の 取 得 2010 n=3,296 2005 n=3,655 回 答 数 % 回 答 数 % 自 由 に 取 得 できる 2,573 78.1 2,482 67.9 取 得 には 制 限 が 多 い 677 20.5 782 21.4 取 得 困 難 (2005 項 目 ) 368 10.1 無 回 答 46 1.4 48 0.6 表 2-10 介 護 休 暇 制 度 の 実 績 2010 n=3,296 2005 n=3,655 回 答 数 % 回 答 数 % ある 570 17.3 991 21.1 ない 2,651 80.4 2,613 71.5 無 回 答 75 2.3 51 1.4 表 2-11 代 替 員 の 雇 用 制 度 2010 n=3,296 2005 n=3,655 回 答 数 % 回 答 数 % 産 前 産 後 休 暇 に 対 して 695 21.1 830 22.7 育 児 休 業 に 対 して 713 21.6 840 23.0 1 2 以 外 の 休 職 に 対 して 253 7.7 530 14.5 制 度 はない 2,343 71.1 2,533 69.3 無 回 答 111 3.4 132 3.6 表 2-12 作 業 療 法 士 が 利 用 できる 保 育 所 の 有 無 (2010 のみの 調 査 ) n=3,296 回 答 数 % ある 940 28.5 ない 2,175 66 保 育 所 はあるが 作 業 療 法 士 は 利 用 できない 147 4.5 無 回 答 34 1.0 23

備 されていないということは, 安 心 して 出 産 や 育 児 ができないということにつながるおそ れがあり, 改 善 が 望 まれる. 2-3-4 学 会 等 への 参 加 2005 年 白 書 と 比 較 すると, 学 会 等 へ 年 に 1 回 は 参 加 が 保 証 されている 施 設 は 62.0%から 55.3%に, 保 障 されていない 施 設 は 24.6%から 29.5%となった( 表 2-13).また, 参 加 時 の 旅 費 の 保 障 についても, 保 障 されている 施 設 は 65.3%から 62.1%に, 保 障 されていない 施 設 は 23.5%から 26.5%となった( 表 2-14). 参 加 の 保 証, 旅 費 支 給 のある 施 設 は 前 回 と 比 較 してとも に 減 少 傾 向 にある. 学 会 等 への 参 加 や 旅 費 の 保 証 がされていない 施 設 が 増 加 しつつある. 表 2-13 学 会 参 加 の 保 証 2010 n=3,296 2005 n=3,655 回 答 数 % 回 答 数 % はい 1,823 55.3 2,266 62.0 いいえ 972 29.5 899 24.6 不 明 462 14 411 11.2 無 回 答 40 1.2 79 2.2 2-3-5 その 他 上 記 以 外 の 項 目 として, 昇 格 昇 任 に 関 す る 基 準, 宿 舎 の 有 無, 在 宅 手 当 の 有 無, 休 息 のための 時 間, 空 間 の 確 保 の 調 査 を 行 った. 昇 格 昇 任 については, 基 準 があるという 回 答 が 前 回 (2005 年 白 書 )の 約 3 割 から 約 4 割 へと 1 割 増 えており, 改 善 がみられた. 宿 舎 の 有 無 ( 単 身 用 宿 舎 については 男 女 両 方 ある という 回 答 は 約 4 分 の 1, 利 用 できる 家 族 用 宿 舎 があるのは 約 1 割 ), 在 宅 手 当 の 有 無 ( 持 ち 家 でも 借 家 でもあるが 約 4 割, 借 家 のみあ るが 約 3 割 ), 休 息 のための 時 間, 空 間 の 確 保 ( 十 分 確 保 されている と 一 応 確 保 されて いる の 合 計 が 約 8 割 超 え)については 2005 年 時 と 大 きな 変 化 はなかった. 表 2-14 学 会 参 加 の 旅 費 支 給 2010 n=3,296 2005 n=3,655 回 答 数 % 回 答 数 % はい 2,047 62.1 2,386 65.3 いいえ 873 26.5 859 23.5 不 明 335 10.2 328 9.0 無 回 答 41 1.2 82 2.2 24

3 作 業 療 法 士 の 臨 床 活 動 3 作 業 療 法 士 の 臨 床 活 動 2008 年 から 2012 年 にわたる 作 業 療 法 5 ヵ 年 戦 略 は, 地 域 生 活 移 行 支 援 の 推 進 ~ 作 業 療 法 5 (GO) 5(GO) 計 画 ~というスローガンを 掲 げ, 作 業 療 法 をより 必 要 としている 領 域,さらには 作 業 療 法 が 貢 献 できる 領 域 への 職 域 拡 大 も 含 め 5 ヵ 年 の 内 に, 入 院 医 療 を 中 心 とした 医 療 の 領 域 に 5 割, 保 健 福 祉 教 育 等 の 領 域 を 含 めた 身 近 な 地 域 生 活 の 場 に 5 割 の 作 業 療 法 士 配 置 を 目 標 として 具 体 的 な 行 動 目 標 を 設 定 した. 作 業 療 法 士 は 医 療 と 地 域 生 活 支 援 の 両 サービスにま たがり, 医 療 から 介 護 福 祉 への 円 滑 な 移 行 を 推 進 する 担 い 手 としての 重 要 な 役 割 を 果 たすこ とが 求 められている.また,それぞれの 臨 床 活 動 においては, 臨 床 推 論 や 根 拠 に 基 づいた 作 業 療 法 の 実 践 が 求 められている. 会 員 一 人 ひとり が 専 門 職 としての 技 術 研 鑽 に 努 めると 共 に, 協 会 としても 卒 前 卒 後 教 育 を 通 じた 作 業 療 法 士 の 資 質 向 上 と, 作 業 療 法 の 介 入 効 果 の 提 示 が 急 務 となっている. また, 最 近 では, 個 人 の 医 療 情 報 の 入 手 が 対 象 者 にとって 当 然 の 権 利 となってきており, 対 象 者 への 作 業 療 法 にかかわる 情 報 の 開 示, 説 明 と 同 意 の 手 続 きが 作 業 療 法 業 務 の 必 須 事 項 になってきており, 個 人 情 報 の 保 護 につい ても 十 分 な 配 慮 をすることが 求 められている. 3-1 臨 床 活 動 の 概 況 今 回 の 白 書 アンケートの 結 果 をもとに 作 業 療 法 全 体 の 臨 床 活 動 を 概 観 する.なお, 領 域 別 作 業 療 法 の 臨 床 活 動 の 詳 細 は,3-3 以 降 で 述 べる. 3-1-1 対 象 施 設 の 領 域 今 回 の 調 査 では,3,296 施 設 の 内,2,049 施 設 (62.2%)が 医 療 領 域,1,493 施 設 (45.3%) が 保 健 福 祉 介 護 保 険 領 域 であった( 同 一 施 設 複 数 回 答 あり, はじめに 表 参 照 ). 医 療 領 域 における 対 象 領 域 別 の 施 設 数 と 割 合 は, 身 体 障 害 領 域 1,426 施 設 (43.3%), 精 神 障 害 領 域 625 施 設 (19.0%), 発 達 障 害 領 域 209 施 設 (6.3%)であった. 保 健 福 祉 介 護 保 険 領 域 における 対 象 領 域 別 の 施 設 数 と 割 合 は, 保 健 福 祉 領 域 ( 身 体 障 害 )315 施 設 (9.6%), 保 健 福 祉 領 域 ( 精 神 障 害 )75 施 設 (2.3%), 保 健 福 祉 領 域 ( 発 達 障 害 )89 施 設 (2.7%), 介 護 保 険 領 域 1,271 施 設 (38.6%)であった. その 他 の 領 域 における 対 象 領 域 別 の 施 設 数 と 割 合 は, 教 育 関 連 領 域 57 施 設 (1.7%), 職 業 関 連 領 域 31 施 設 (0.9%), 行 政 関 連 領 域 69 施 設 (2.1%)であった. 以 上 がアンケートに 回 答 した 施 設 の 領 域 と その 割 合 であり, 以 下 に 述 べる 作 業 療 法 の 状 況 はこれら 施 設 の 回 答 によるものである. 3-1-2 対 象 疾 患 医 療 領 域 ( 身 体 障 害 )の 対 象 疾 患 の 割 合 は 65 歳 未 満 では 脳 血 管 性 障 害, 骨 折, 高 次 脳 機 能 障 害 ( 注 意 遂 行 機 能 記 憶 の 障 害 など), 失 行 失 認 の 順 で 多 かった. 65 歳 以 上 では 脳 血 管 性 障 害, 骨 折,パーキンソン 病, 失 行 失 認 の 順 となっており, 骨 折, 脊 髄 疾 患, 脊 髄 損 傷, 頭 部 外 傷 が 増 加 し, 器 質 性 精 神 障 害 が 減 少 した.2005 年 と 比 較 すると, 上 位 の 疾 患 や 障 害 は 同 様 であるが, 脳 血 管 性 障 害 や 骨 折 は 65 歳 未 満 では 減 少,65 歳 以 上 では 増 加 傾 向 にあった. 保 健 福 祉 領 域 ( 身 体 障 害 )の 対 象 疾 患 は, 脳 血 管 性 障 害,パーキンソン 病, 高 次 脳 機 能 障 害 ( 注 意 遂 行 機 能 記 憶 の 障 害 など), 失 語 の 順 に 多 かった.また, 介 護 保 険 領 域 で 多 かったのは, 脳 血 管 性 障 害,パーキンソン 病, 骨 折, 器 質 性 精 神 障 害 (アルツハイマー 病, 脳 血 管 性 認 知 症 などの 認 知 症, 脳 損 傷 等 によ る 人 格 行 動 障 害 等 含 む)であった. このように, 身 体 障 害 領 域 では 医 療, 保 健 福 祉, 介 護 保 険 のどの 領 域 においても, 上 位 に 位 置 する 対 象 疾 患 は 中 枢 神 経 系 疾 患 とその 症 状 が 中 心 を 占 めており, 脊 髄 損 傷 や 手 首 お 25