施 設 園 芸 農 家 向 け 平 成 23 年 度 産 地 収 益 力 向 上 支 援 事 業 全 国 推 進 事 業 (みつばち 安 定 確 保 支 援 事 業 ) ミツバチに うまく 働 いてもらうために ハウスでの 花 粉 交 配 (ポリネーション) 用 ミツバチの 管 理 マニュアル 基 本 知 識 と 作 物 別 のポイント みつばち 協 議 会
ハウス 内 では 露 地 のように 自 然 の 花 粉 媒 介 者 (ポリネーター)に 受 粉 を 頼 ることはできず ミツバチやマルハナバチのような 人 間 に 管 理 された 形 のポリネーターに 頼 らざるをえません ミツバチは 巣 内 の 幼 虫 を 育 てるために 大 量 の 蜜 や 花 粉 を 集 め 貯 蔵 する 性 質 が あり 多 くの 花 を 訪 れ ます 花 の 選 り 好 みもほと んどありません この 性 質 と 管 理 のしやすさから 農 作 物 の ポリネーターとして 広 く 利 用 されています しかしナスのように 花 蜜 を 分 泌 せ ず 花 粉 しか 得 られ ない 作 物 に 利 用 する 場 合 や イチゴのように6ヶ 月 近 くの 長 期 にわたって 働 いてもらいたい 場 合 には それぞれに 応 じた 気 配 りが 必 要 です メロンやスイカのように 短 期 の 利 用 でも 温 度 管 理 や 農 薬 散 布 時 にはミツバチへの 配 慮 が 欠 かせません 本 マニ ュアル で は ミツバ チ を 花 粉 交 配 (ポリネーション)に 利 用 する 場 合 の 基 本 知 識 と 主 要 な4 種 作 物 ( イチゴ ナ ス メロン スイカ ) での 利 用 にあたっての 留 意 事 項 を 述 べました ミツバチへの 気 配 り について 知 っていただき 効 率 的 に また 長 く 働 いてもらうために 役 立 ててください 目 次 [ 基 本 知 識 ] 1 ミツバチと 花 のパートナーシップ... 4 2 ミツバチの 生 態 と 訪 花 活 動 の 特 徴... 6 3 ハウスで 利 用 する 場 合 の 留 意 事 項... 8 [ 主 要 4 種 作 物 における 留 意 点 ] 4 イチゴ... 10 5 ナス... 12 6 メロン スイカ... 14 写 真 :キュウリの 雄 花 から 花 粉 を 集 めるミツバチ
1 ミツバチと 花 のパートナーシップ ( 1 ) ミ ツ バ チ は 花 な し に は 生 き ら れ な い 花 もポリネーターなしには 種 子 をつくれない 植 物 は 太 陽 光 のエネルギーを 糖 質 に 変 え その 一 部 を 蜜 腺 から 分 泌 してミツバチに 提 供 します これは ミツバチの 栄 養 さらには 飛 行 や 巣 内 の 暖 房 用 燃 料 巣 の 材 料 となります 花 粉 もミツバチにとっ ては 貴 重 な 食 料 であり これらを 集 めるための 訪 花 活 動 の 結 果 が 花 にとっては 受 粉 となるわけです 光 エネルギー 自 家 受 粉 花 蜜 花 蜜 ハチミツ 蜜 胃 他 家 受 粉 花 粉 花 粉 ダンゴ 花 粉 ハチパン (2)ミツバチが 花 から 受 け 取 る 栄 養 は? ミツバチをはじめとするハナバチ 類 は いずれもその 栄 養 源 の すべてを 花 蜜 と 花 粉 に 頼 っています 花 蜜 はハチミツとして 花 粉 はハチパンとして 巣 に 蓄 えられます ハチミツはそのほと んどが 糖 質 でエネルギー 源 となり その 他 のすべての 栄 養 素 は 花 粉 から 得 ています タンパク 質 ミネラル その 他 ミネラル 水 分 その 他 水 分 ハチミツに 含 まれる 栄 養 素 脂 質 ハチパンに 含 まれる 栄 養 素 糖 質 糖 質 タンパク 質 繊 維 巣 房 内 に 貯 められたハチミツと 花 粉 (ハチパン) 4
( 3) 子 育 て のために 働 くミツバチだから たくさんの 花 を 訪 れる ミツバチのように 巣 を 作 る 社 会 性 昆 虫 は 自 分 が 食 べるだけでなく 巣 で 待 っている 他 のメンバーや 幼 虫 が 食 べる 分 も 巣 に 持 ち 帰 ります 体 重 100mg 弱 のミツバチが 運 べる 花 蜜 と 花 粉 の 量 は 20 40 mgの 花 蜜 ( 蜜 胃 の 中 に 貯 めて)と15 30 mgの 花 粉 (2 本 の 後 ろ 肢 に 付 ける 分 を 合 わせて)です 巣 箱 に 持 ち 帰 った 花 蜜 や 花 粉 は いったん 貯 蔵 され ハチミツやローヤルゼリーのようなミルクに 加 工 されて 全 員 の 共 同 の 食 べ 物 となります 腹 部 を 引 き 離 して 蜜 胃 を 露 出 させている 後 ろ 肢 についているの はイチゴの 花 粉 ダンゴ イチゴハウスへの 導 入 後 1ヶ 月 経 った 巣 板 の 様 子 イチゴの 花 粉 が 貯 蔵 されている 巣 房 も 散 見 されます(ここでは 巣 板 が 見 え るように 蜂 は 一 部 取 り 除 いてあります ) 青 : 花 粉 が 貯 蔵 されているエリア 黄 : 育 児 をしているエリア (4)いま ポリネーター 環 境 が 大 きく 変 化 している! いま 地 球 規 模 で 生 物 多 様 性 の 減 少 が 問 題 となって います が ポリネーターについても 事 情 は 深 刻 で す 効 率 のよい 農 業 生 産 のためには 広 大 な 農 地 が 向 い ていますが そのような 環 境 では ミツバチのような 人 工 的 なポリネーターの 導 入 なしでは 花 粉 媒 介 は 成 り 立 ちません 日 本 では 農 地 の 単 位 が 小 さく まわり に 森 や 林 が あり ハナ バ チ や ハエ アブ チョウな ど 自 然 のポリネーターたちが 畑 を 訪 れて 知 らない 間 に 受 粉 をしてくれていましたが 今 では 自 然 のポリ ネーターが 減 り ハウスに 限 らず ミツバチなどの 導 入 に 頼 らざるをえない 状 況 になってきています 2012 Google カリフ ォ ル ニ ア の 農 地 ( 上 )と 熊 本 県 のハウス 地 帯 ( 下 )の 比 較 ともに 上 空 3,000mから 2012 ZENRIN 2012 Cnes Spot Image 2012 SK Energy Image 2012 Digital Globe 5
2 ミミツバチの ミツバチの 生 生 態 態 と と 訪 訪 花 花 活 活 動 動 の の 特 特 徴 徴 ( 1 )ミ ツ バ チ の 四 季 自 然 状 態 での 蜂 群 は 季 節 により 状 態 が 大 きく 変 化 します 育 児 が 盛 んな 時 期 には 訪 花 活 動 も 盛 んです 長 期 にわたり とくに 育 児 を 休 止 している 冬 期 に 安 定 的 にポリネーションに 使 うには 特 別 な ケアが 必 要 となります 越 冬 の 準 備 態 勢 ( 食 料 の 貯 蔵 と 育 児 の 停 止 ) 採 餌 や 育 児 を 休 止 しての 越 冬 期 冬 育 児 の 開 始 スズメバチの 攻 撃 に 耐 える 急 速 なミツバチ 数 の 増 加 秋 秋 の 花 での 回 復 野 外 蜂 群 における 育 児 の 季 節 変 動 ( 赤 の 色 の 濃 さで 表 示 ) 春 繁 殖 期 分 蜂 ( 新 女 王 の 生 産 と 交 尾 ) 夏 枯 れ 期 ( 育 児 の 低 下 ) 夏 梅 雨 期 ( 育 児 の 低 下 ) ( 2 ) 群 の 構 成 : 巣 箱 の 中 は 女 王 バチ:1 匹 だけで 産 卵 が 仕 事 で す 雄 バ チ: 春 の 繁 殖 期 にのみ 生 まれます ハウス 利 用 で 雄 バチが 大 量 に 見 られた 場 合 は 女 王 の 状 態 が 悪 いか 死 んだ 場 合 です 働 きバチ: 生 殖 以 外 のすべての 仕 事 を 受 け 持 ちます ( 3 ) 働 き バ チ の 一 生 目 玉 が 大 きい 雄 バチは 交 尾 だけが 仕 事 巣 箱 ( 蜂 群 )に1 匹 だ け の 女 王 バ チ 約 1ヶ 月 の 寿 命 の 中 で 働 きバチの 仕 事 は 日 齢 が 進 むにつれて 移 り 変 わります 前 半 の2 3 週 間 は 内 勤 期 後 半 の1 2 週 間 は 外 勤 期 で この 時 期 に 花 粉 媒 介 をします ただし 冬 期 のハウス 内 では 寿 命 が 3ヶ 月 程 度 に 延 長 することもあります 内 勤 期 ( 巣 箱 の 内 での 仕 事 ) 花 蜜 花 粉 集 め ハチミツ 作 り 巣 作 り 育 児 掃 除 羽 化 1 週 目 2 週 目 3 週 目 6 外 勤 期 ( 巣 箱 の 外 での 仕 事 )
(4)ポリネーターに 適 した 性 質 ミツバチのポリネーターとしてのメリットは 以 下 のとおりです 1) 利 用 する 花 の 種 類 がきわめて 広 いこと 2) ほとんどの 作 物 の 受 粉 に 使 えること 3) 簡 単 に 運 べる 機 動 性 にすぐれていること 4) 適 切 に 管 理 すれば 長 期 間 使 えること ( 5 )ミ ツ バ チ の 視 覚 と 学 習 能 力 ヒトと 同 じように 色 形 動 きを 見 ることが できます が 視 力 はあまりよくないようです ヒトでいうなら 近 視 といって よい でしょう また 紫 外 線 が 見 える 代 わりに 赤 は 色 と しては 見 えません ハウスの 被 覆 材 に 紫 外 線 カットフィルムを 用 いると うまく 飛 べなくなることがあるのは 普 段 頼 りに している 紫 外 線 が 使 えなくなってしまうからです 花 粉 をダンゴにするための 圧 縮 器 ( 上 )と 後 ろ 肢 のバスケット 内 で 大 きくなっていく 花 粉 ダンゴ( 下 ) 紫 外 紫 藍 青 緑 黄 橙 赤 赤 外 ヒ ト ミツバチ 紫 青 緑 黄 形 匂 い 開 花 時 刻 場 所 波 長 ( n m ) 300 400 500 600 700 800 ヒトは400から800nm ミツバチは300 650nmの 範 囲 が 見 えています ミツバ チは 優 れ た 記 憶 学 習 能 力 をもっています 巣 箱 の 位 置 花 の 色 形 匂 い 開 花 時 刻 花 の 咲 いている 場 所 などを 覚 え 再 度 の 訪 問 の 時 に 役 立 てています ミツバチは 訪 花 しながら 色 以 外 にもたくさんの ことを 記 憶 学 習 する (6)マルハナバチの 利 用 マルハナバチも 有 効 なポリネーターで ミツバチを 利 用 できないトマトではよく 利 用 されています そのほかにも 作 物 の 種 類 や 状 況 により 利 用 することができます ポリネーション 用 に 日 本 で 開 発 されたクロマルハナバチ 7
3 ハウスで 利 用 する 場 合 の 留 意 事 項 (1)ハウスの 大 きさと 適 正 群 数 ミツバチにうまく 働 いてもらうには ハウスの 面 積 やハウス 内 の 花 の 量 に 見 合 った 規 模 の 巣 箱 ( 蜂 群 )を 置 くことが 重 要 です ミツバチが 多 すぎると 群 を 維 持 増 殖 するためのエサが 不 足 し ミツバチの 減 少 の 原 因 となります ミツバチをたくさんハウス 内 に 入 れても 受 粉 率 が 高 まらないのはそのためです 適 正 な 蜂 群 数 は たとえばイチゴの 場 合 10 aあたり1 群 (6000 8000 匹 )と 言 われ ています 大 型 の 連 棟 ハウスの 場 合 には2 群 3 群 と 複 数 設 置 することもあります 使 用 方 法 短 期 間 追 加 利 用 の 場 合 単 棟 ハウス (10 a 以 下 ) 連 棟 ハウス (10 a 以 上 ) イチゴの 場 合 の ミツバチの 数 無 王 群 ( 約 2000 匹 程 度 ) 1 群 (6000 8000 匹 ) 2 群 以 上 (12000 匹 ) 10a = 1000 m 2 =1 反 ( 2 )ど こ に 置 く の が よ い か? 温 度 差 が 大 きいところ 湿 度 の 高 いところを 避 け 環 境 変 化 の 少 ない 場 所 を 選 びます 長 時 間 日 光 が 当 たるところは 巣 内 の 温 度 が 上 がりすぎてよくあり ません ハウス 内 の 景 色 は 単 調 で どの 方 角 を 見 ても 似 て いることから 台 座 を 設 けるなどして ミツバチに よく 見 えるようにします ハウス 内 で 転 々と 巣 箱 の 位 置 を 変 えると 新 しい 巣 箱 の 場 所 に 戻 れないミツバチがでてしまいます 設 置 場 所 の 選 定 には あらかじめ 作 業 に 支 障 がな くミツバチにも 分 かりやすい 場 所 を 検 討 しておきま しょう 南 北 向 きのハウス こちら 側 に 巣 門 ( 出 入 り 口 ) 東 西 向 きのハウス 適 切 な 巣 箱 の 位 置 の 目 安 巣 門 ( 巣 箱 の 出 入 口 )は なるべく 太 陽 に 向 けます また 花 の 高 さか それ より 少 し 高 い 位 置 で 目 立 つ ように 置 きます 作 物 の 草 姿 によって 巣 箱 を 目 立 た せる 工 夫 が 必 要 です 暑 い 季 節 や 地 方 では 暑 い 季 節 や 地 方 では 巣 箱 内 の 過 度 な 温 度 上 昇 を 避 けるため 13ページの 写 真 のように 巣 箱 をハウス の 外 側 に 出 して 設 置 する 方 法 が 有 効 な 場 合 もあり ます 8
( 3 ) 導 入 時 の 注 意 事 項 導 入 時 期 が 早 すぎる( 花 がまだない)と ミツバチは 消 耗 するだけなので 開 花 時 期 に 合 わせます 蜂 群 が 届 いたら 輸 送 中 の 振 動 で 興 奮 しているので 10 分 程 度 静 置 してから 巣 門 を 開 け 落 ち 着 いた 状 態 で 巣 の 位 置 や 周 辺 環 境 を 学 習 させます (4) 温 度 管 理 ミツバチは 巣 の 中 心 部 の 温 度 を33 34 に 維 持 します 日 較 差 の 大 きいハウス 内 に 置 かれたミツバ チは 夜 間 は 暖 房 日 中 は 冷 房 のための 行 動 をとり ます 訪 花 活 動 は 気 温 20 2 5 で 盛 んになります が そ れ 以 上 にハウス 内 の 気 温 が 高 くなっても 訪 花 する ミツバチの 数 は 増 えません ( 5 ) 農 薬 の 使 用 40 35 30 25 20 15 10 5 死 亡 暑 すぎ 活 動 可 能 快 適 活 動 可 能 寒 すぎ ハウス 内 の 温 度 が 30 以 上 になると 巣 箱 内 の 温 度 が 高 くなりすぎ 危 険 な 状 態 となります ミツバチに 対 する 毒 性 が 低 い 農 薬 でも 訪 花 行 動 に 影 響 が 出 ることがあり 長 期 的 には 栽 培 に 影 響 が 出 ることもあります ミツバチに 対 する 影 響 が 低 い 農 薬 を 選 ぶとともに 散 布 時 は 必 ず 散 布 前 日 の 日 没 後 にハウスの 外 に 出 します 殺 菌 剤 であっても 同 様 と 考 えてください この 間 は 巣 箱 の 中 が 高 温 になら ないよう 巣 門 など からの 換 気 に 気 をつけ 戻 すと きには ミツバチに 対 する 安 全 日 数 を 確 認 のうえ できる 限 り 余 裕 をみて 必 ず 元 の 場 所 に 置 きましょう (6) 刺 されないための 注 意 日 除 けの 工 夫 例 結 露 による 水 滴 のボタ 落 ちから 巣 箱 を 守 る 効 果 もあります ミツバチは 針 をもち 刺 すことがあります ミツバチ 自 体 はもちろん 巣 箱 に 刺 激 を 与 えた 時 も 攻 撃 され やすくなります そのような 場 合 にそなえて 必 ず 髪 の 毛 を 被 う 帽 子 をかぶってください 長 袖 シャツ の 着 用 ズボンの 裾 を 絞 る などにも 気 をつけます 攻 撃 されたときは 手 でミツバチをたたいたりせず そこから 逃 げてください 万 一 刺 されてしまった 場 合 は 必 要 に 応 じて 医 師 の 診 断 を 受 けるようにしてください (7) 利 用 後 の 処 分 買 い 取 り 巣 箱 の 場 合 は 利 用 期 間 の 終 了 後 ミツバチが 残 っているいないにかかわらず 伝 染 病 の 感 染 源 となるのを 防 ぐ 目 的 で 必 ず 焼 却 処 分 します リースミツバチの 場 合 はそれぞれの 養 蜂 家 にお 任 せください 9
4 イチゴ (1)イチゴの 受 粉 と 結 実 ミツバチはイチゴの 花 を 訪 れ 花 蜜 と 花 粉 を 集 めます 花 の 上 で 口 吻 で 蜜 を 吸 いながら 体 毛 には 花 粉 を 集 めながら ぐるぐると 回 ります その 際 に 体 毛 に 付 いていた 花 粉 が 雌 しべの 先 に 付 き 受 粉 が 行 われます 品 種 にもよりますが イチゴだけでは 蜂 群 を 維 持 するだけの 蜜 や 花 粉 はないため まずは 導 入 時 に 十 分 な 蜜 と 花 粉 を 持 たせて 入 れます 面 積 に 対 して 蜂 群 が 大 きすぎないことも 重 要 です (8 ページの 表 参 照 ) イチゴの 花 蜜 雌 しべの 柱 頭 に 付 いた 花 粉 花 上 の 受 粉 行 動 花 粉 柱 頭 で 発 芽 した 花 粉 授 粉 したところが 膨 らみ 赤 く 着 色 するので 受 粉 が 不 十 分 だと 奇 形 果 となってしまいます ( 2 ) 置 き 場 所 と 目 印 ミツバチは 優 れた 記 憶 学 習 能 力 をもっているので 巣 箱 を 見 えやすくしたり 近 くに 右 の 写 真 のように 目 印 になるもの(この 例 では 青 い 看 板 )を 設 けてやると 効 果 的 です とくに 高 設 栽 培 の 場 合 は 帰 巣 に 失 敗 して 死 ぬミツバ チ が 多 くなりが ちで す 目 印 が ある とその 下 に 巣 箱 があることを 覚 えてくれます 10
イチゴについては 平 成 22 年 度 作 成 の 詳 細 なマニュアルを 日 本 養 蜂 はちみつ 協 会 ホームページ(みつばち 協 議 会 のページ )から 入 手 してご 覧 になれます http://bee.lin.gr.jp (3) 長 期 利 用 には 次 世 代 の 蜂 の 養 成 が 欠 かせない 寒 い 冬 の 間 や 花 の 少 ない 時 期 には ミツバチは 働 きを 抑 えて 長 生 きをします それでも 初 冬 から 春 まで 働 いてもらうためには 巣 箱 の 中 で 第 2 第 3 世 代 の 働 きバチに 生 まれてもらう 必 要 があります 幼 虫 が 育 つためのエサとしては 花 粉 が 必 要 ですので 早 く 導 入 しすぎたり 2 番 目 の 花 房 の 花 が 開 花 する までの 期 間 が 長 いと 女 王 バ チによる 産 卵 や 子 育 てが 止 まってしまい 肝 心 な 時 期 にミツバ チが 不 足 してしまいます そのような 場 合 養 蜂 家 に 相 談 のうえ 補 いに 代 用 花 粉 を 給 餌 してやることができれば 効 果 的 です 大 切 なのは ハウスの 面 積 ( 花 からの 花 蜜 と 花 粉 の 供 給 量 )とミツバチの 量 のバランスで これがうまくいけば 常 に1 2 ヶ 月 先 の 働 き 手 となる 新 しいミツバチが 育 ってくれます ミ ツ バ チ の 日 齢 ( 孵 化 後 の 日 数 ) 60 40 20 0 導 入 時 外 勤 バチ 内 勤 バチ 蛹 幼 虫 卵 20 日 後 に 産 卵 が とぎれたとすると それから 30 40 日 後 に 外 勤 バチが 減 少 巣 箱 内 で 産 卵 や 育 児 が 止 まると 後 になってその 影 響 がでます( 横 棒 の 幅 がミツバチの 数 を 示 しています) ミ ツ バ チ 数 蜂 群 の 導 入 第 1 世 代 第 2 世 代 給 餌 をすることにより 第 2 世 代 の 数 が 増 える 第 3 世 代 イ チ ゴ の 花 数 代 用 花 粉 の 給 餌 秋 冬 春 代 用 花 粉 の 例 ハウス 内 の 花 が 少 ない 時 期 には その 後 の 群 の 勢 力 を 維 持 するために 代 用 花 粉 ( 右 にその 例 )の 給 餌 が 効 果 的 な 場 合 があります 図 は 第 2 世 代 のミツバチの 数 が 確 保 されることを 示 しています 11
5 ナス ( 1 )ナ ス の 花 は 花 蜜 が な い ナスの 花 は 花 蜜 がないため ミツバチが 花 から 得 られるエサ 資 源 は 花 粉 だけです そのためミツバチに とっての 魅 力 は 低 く 競 合 する 他 の 花 がある 露 地 栽 培 ではミツバチの 利 用 は 望 めません しかしハウス 内 では 砂 糖 水 ( 場 合 によっては 代 用 花 粉 )の 給 餌 を 適 切 に 行 いさえすれば 長 期 にわたり 受 粉 を 任 せる ことができます 花 粉 は 葯 先 端 のこの 穴 から 震 動 によって 出 てきます ミツバチはナスの 筒 状 の 葯 (やく)の 下 にしがみついて 前 肢 と 口 器 を 使 って 葯 の 先 端 を 動 かすことによって 花 粉 を 出 させ 落 とした 花 粉 を 腹 部 で 受 け 止 めるようにして 花 粉 を 集 めます 長 い 葯 に 囲 まれるようにして 雌 しべがあります (2) 栽 培 規 模 と 導 入 群 数 設 置 する 群 数 の 目 安 は5 10aに1 群 とします ただし 連 棟 のパイプ ハウスなど 天 井 が 低 くてナス の 草 丈 が 高 い 場 合 には 棟 から 棟 へのミツバ チの 移 動 が 妨 げられることがありますので ミツバチ が 移 動 できるスペースを 工 夫 したり 群 数 を 増 や すなどの 対 応 が 必 要 となります ナスの 草 丈 が 伸 び 軒 を 超 えるようになると ミツバチの 棟 から 棟 への 移 動 が 困 難 になる 場 合 があります 12
(3) 巣 箱 設 置 時 の 留 意 点 枝 葉 が 繁 茂 すると 畝 間 に 置 いた 巣 箱 は 見 つけづらくなります 巣 箱 はハウスの 端 に 置 き 周 辺 には ナスを 植 えないようにして 巣 箱 を 見 つけやすくしてやることが 大 切 です ハウスの 中 央 部 に 置 く 場 合 は ミツバチが 飛 び 交 う 株 より 少 し 高 い 位 置 に 青 か 黄 色 の 看 板 などの 目 印 を 置 きます ミツバチは 暑 さに 弱 いので とくに 冬 以 外 では 日 除 けや 風 通 しにも 留 意 します (4) 利 用 時 期 ごとの 注 意 点 冬 期 花 粉 の 生 産 量 が 少 なく 花 を 指 でたたいて 花 粉 の 落 下 が 目 視 できないような 状 況 では ミツバチを 放 飼 してもなかなか 訪 花 しません 一 方 果 実 生 産 の 面 からも 花 粉 が 足 りなかったり 発 芽 力 が 低 いと 奇 形 果 の 発 生 も 多 くなります ミツバチの 訪 花 と 受 精 の 両 面 から 品 種 特 性 に 合 った 温 度 確 保 が 大 切 となります 高 温 期 夏 など 高 温 下 のハウスでミツバチを 利 用 する 場 合 は ミツバチのために 水 場 を 設 置 してあげます ミツバチ は 巣 内 の 冷 却 のために 水 を 運 び 込 んで 気 化 熱 を 利 用 するからです 高 温 になったハウス 内 でミツバチを 守 る 方 法 として 巣 箱 を 温 度 が 低 いハウス 外 に 設 置 する 方 法 なども ありますが 季 節 や 環 境 により 効 果 が 違 いますので 養 蜂 家 などのアドバイスや 経 験 が 必 要 となります ハウスの 外 に 設 置 することで ハウス 内 の 高 温 を 回 避 することが できますが ハウス 内 のミツバチの 訪 花 状 況 に 注 意 する 必 要 があります ( 5 ) 給 餌 は 必 須 ナスの 花 には 花 蜜 がありません 導 入 時 に 持 っていた 貯 蜜 がなくなると ミツバチは 餓 死 してしまいま すので ミツバチに 給 餌 を 行 わなければなりません 借 り 入 れた 養 蜂 家 もしくは 購 入 したメーカーの 指 示 に 従 って 必 ず 砂 糖 水 などの 給 餌 を 行 ってください( ただしハチミツは 与 えないでください ) 花 が 少 ない 時 期 には 代 用 花 粉 の 給 餌 も 有 効 で す 13
6 メロン スイカ メロン スイカともにミツバチが 比 較 的 好 む 花 で 花 蜜 を 分 泌 し 花 粉 も 出 します 露 地 ではミツバチを 始 めとした 様 々な 昆 虫 が 訪 花 します 一 株 の 中 で 雄 花 雌 花 があり 雄 花 が 雌 花 よりも 先 行 して 開 花 します (1) 雌 花 の 開 花 前 に 雄 花 を 覚 えさせておく メロン スイカとも ある 程 度 植 物 体 が 成 長 した 段 階 で 株 ごとに 数 輪 の 雌 花 を 開 花 させ 受 粉 結 実 させます 導 入 時 にはハウス 内 の 雄 花 が 十 分 に 開 花 している 状 態 にしておき 雌 花 の 開 花 前 にミツ バチにメロンやスイカの 花 を 覚 えさせておくことが 重 要 です スイカの 雄 花 花 粉 や 花 蜜 がたくさんあり ます が 雌 しべは 貧 弱 で す 痕 跡 程 度 です スイカの 雌 花 雌 花 は 大 きな 雌 しべがありま すが 雄 しべは 痕 跡 程 度 です ( 2 ) 短 い 利 用 期 間 通 常 ハウス 栽 培 では1 株 に1から2 果 を 結 実 させるため 雌 花 が 数 輪 咲 いている 期 間 が 受 粉 期 間 と なります なお 地 域 作 型 品 種 によって 株 当 たりの 着 果 数 や 着 果 部 位 も 異 なるので 利 用 期 間 もそ れらの 条 件 に 合 わせて 調 整 する 必 要 があります 設 置 する 群 数 の 目 安 は 10 aのハウスで1 群 程 度 とな ります 冬 期 低 温 日 照 不 足 で ハウス 内 の 雌 花 の 開 花 時 期 が 株 ごとにばらつきやすく 結 実 も 不 安 定 になります ので 巣 箱 の 設 置 期 間 は 通 常 より 長 めの10 14 日 程 度 は 必 要 です 春 夏 秋 期 株 の 生 育 が 揃 いやすく ハウス 内 の 雌 花 も 一 斉 に 開 花 し ミツバチによる 受 粉 でも 結 実 が 安 定 すること から 7 10 日 程 度 が 目 安 となります メロンハウスでの 設 置 例 メロンの 雄 花 で 蜜 を 吸 っているミツバチ 14 スイカの 雄 花 に 訪 花 したミツバチ
( 3 ) 利 用 時 期 ご と の 注 意 点 冬 期 高 温 を 好 む 作 物 のため 花 粉 の 生 成 や 花 蜜 の 分 泌 が 不 十 分 になりやすく 結 実 確 保 のためには 以 下 の 対 策 をとります 人 手 による 受 粉 を 並 行 して 行 う 保 温 用 内 張 りのたるみや 隙 間 をなくし ミツバチが 帰 巣 しやすいようにする 春 夏 秋 期 ミツバチの 訪 花 活 動 は 気 温 2 0 25 で 盛 んになります ハウス 内 が 30 以 上 になると 飛 ぶミツバチ の 数 は 増 えますが 受 粉 の 効 率 は 極 端 に 悪 くなりますので 以 下 のような 対 策 が 必 要 です 換 気 を 行 って ハウス 内 の 温 度 を 下 げる 巣 箱 に 日 除 けをし 巣 箱 内 の 温 度 上 昇 を 抑 える (4) 巣 箱 の 設 置 場 所 長 時 間 の 直 射 日 光 や 天 井 からの 水 滴 が 落 ちないような 場 所 で ミツバチが 覚 えやすい 場 所 を 予 め 選 んでおき 利 用 期 間 中 の 巣 箱 の 移 動 はしないようにします 巣 箱 を 別 のハウスに 移 動 する 場 合 は 巣 門 の 向 きを 出 来 るだけ 元 にあったハウスと 同 じ 方 角 になるように 設 置 してください また 地 這 い 栽 培 のスイカでは 低 い 天 井 でも 施 設 内 を 見 渡 すことができますが 立 ち 栽 培 のメロンでは 低 い 天 井 と 茎 の 先 端 との 空 間 が 狭 くなりすぎると ミツバチの 飛 翔 や 帰 巣 が 難 しくなるので 巣 箱 付 近 に 目 印 を 置 いてください ミツバチの 巣 箱 から(ミツバチの 目 線 で)ハウス 内 を 見 た 様 子 ( 左 :メロン 右 :スイカ ) 15
みつばち 協 議 会 104-0033 東 京 都 中 央 区 新 川 2 丁 目 6-16 馬 事 畜 産 会 館 6 階 社 団 法 人 日 本 養 蜂 はちみつ 協 会 内 TEL:03-3297 -5645 FAX:03-3297 -5646 ホームページ:http://bee.lin.gr.jp/new/kyougikai.html みつばち 協 議 会 ( 園 芸 農 家 向 けマニュアル 作 成 検 討 委 員 会 ) 編 2012 年 3 月