2014 年 2 月 15 日 第 16 回 抗 悪 性 腫 瘍 薬 フォーラム がん 治 療 における 免 疫 療 法 の 位 置 づけ がん 免 疫 療 法 実 用 化 の 流 れ 三 重 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 がんワクチン 治 療 学 遺 伝 子 免 疫 細 胞 治 療 学 珠 玖 洋
免 疫 自 体 が 優 れたがん 治 療 薬
がんに対する免疫応答は 多様な細胞と因子の 複合的反応
有 効 性 の 高 いがん 免 疫 療 法 には 高 い 特 異 性 良 質 十 分 な 量 を 満 たすT 細 胞 が 必 要 治 療 効 果 がん 特 異 性 の 高 いT 細 胞 標 的 抗 原 は がん 組 織 に 特 異 的 に 存 在 すること (がん 精 巣 抗 原 等 ) その 抗 原 を 高 い 特 異 性 を 持 って 認 識 できるT 細 胞 が 存 在 すること 十 分 な 量 のT 細 胞 を 用 意 する Ex vivo; 患 者 体 外 で 十 分 に 大 量 培 養 したT 細 胞 を 投 与 する 質 の 良 いT 細 胞 を 用 意 する 患 者 体 内 で 長 期 間 生 存 できる がん 抗 原 に 対 する 認 識 能 力 をいつまでも 維 持 している がん 細 胞 に 対 する 殺 傷 能 力 を 高 く 維 持 している
がんワクチンにより 特異的リンパ球の 新規アジュバ ント技術 活性化を図る in vivo 新規がん ワクチン技術
2010.4.29 米 国 初 の 治 療 用 がんワクチン Provenge の 承 認
米 国 で 開 発 中 の 抗 がん 剤 10 製 品 中 1 製 品 は がんワクチン 米 国 で 開 発 中 のワクチン 300 製 品 中 100 製 品 が がんワクチン PhRMA 2012 年 調 べ 治 療 用 の がんワクチンに 限 る 総 計 約 1,600 治 験 対 象 がん 種 の 重 複 があるとして 約 1,000 製 品 うち 約 100 製 品 が がんワクチン
第 3 相 試 験 で 失 敗 した 主 ながんワクチン 製 品 と 原 因 の 考 察 (Expert Rev Anticancer Ther. 2009) 製 品 ( 開 発 元 ) 内 容 対 象 疾 患 失 敗 原 因 の 考 察 Megavax (Progenics) Canvaxin (CancerVax) GM2 抗 原 QS21アジュバント 異 家 細 胞 ワクチン BCGアジュバント メラノーマ 単 一 抗 原 に 対 する 免 疫 逃 避? メラノーマはワクチン 療 法 の 対 象 として 適 切 でない? Ph2とPh3でアジュバントを 変 更 したため(BCG QS21)? メラノーマ メラノーマはワクチン 療 法 の 対 象 として 適 切 でない? Ph3の 前 にランダム 化 試 験 をしていなかったから? 対 照 群 を 完 全 な 偽 薬 ではなくBCG 投 与 としたから? Ph2とPh3で 製 法 を 変 更 したため? PANVAC-VF (Therion Biologics) CEA,MUC1, 免 疫 共 刺 激 分 子 発 現 ポックス ウイルス ゲムシタビン 抵 抗 性 膵 が ん この 種 のがんは 予 後 3ヶ 月 ( 中 央 値 )で,ワクチン 療 法 の 対 象 として 適 切 でない? Ph3の 前 は10 症 例 のPh1 試 験 しか 経 験 がないため? Oncophage (Antigenics) 患 者 腫 瘍 抽 出 ペプチド とgp96 複 合 体 腎 がん 採 取 可 能 な 患 者 腫 瘍 量 に 限 りが 有 り, 用 量 や 複 数 回 投 与 に 制 限 があったから 原 理 上, 症 例 は 大 きな 腫 瘍 を 有 する 例 が 多 く, 予 後 が 悪 い OR 免 疫 抑 制 状 態 が 強 い? GV1001 (Pharmexa) テロメラーゼペプチドワ クチン 手 術 不 能 膵 がん 単 一 抗 原 に 対 する 免 疫 逃 避? 手 術 不 能 膵 がんは 免 疫 療 法 にはアグレッシブすぎる? MyVax (Genitope) 抗 イディオタイプ,KLH 結 合, GM-CSF 非 ホジキンリ ンパ 腫 単 一 抗 原 に 対 する 免 疫 逃 避? Ph2とPh3で 対 照 群 を 変 更 したため( 偽 薬 GM-CSF ONLY)? Ph2とPh3で 製 法 を 変 更 したため? Specifid (Favrille) 抗 イディオタイプ,KLH 結 合,GM-CSF 非 ホジキンリ ンパ 腫 単 一 抗 原 に 対 する 免 疫 逃 避? 対 照 群 をGM-CSF 単 独 と 設 定 したから? TroVax (Oxford BioMedica) 5T4 抗 原 発 現 MVAポッ クスウイルス 腎 がん 単 一 抗 原 に 対 する 免 疫 逃 避? Ph3の 前 にランダム 化 試 験 をしていなかったから? Ph2 試 験 では 臨 床 反 応 よりも 免 疫 応 答 の 解 析 を 重 視 し,ヒストリカルコントロールしかおかな かったため, 見 落 としがあった? Ph3 以 前 の 試 験 はワクチン 単 独 療 法, 対 してPh3は 標 準 療 法 の 併 用 療 法 という 違 い? ワクチン 投 与 群 と 対 照 群 で 参 加 症 例 の 予 後 (= 死 亡 率 )のバランスがとれていなかった? GVAX (Cell Genesys) GM-CSF 遺 伝 子 導 入 異 家 腫 瘍 ワクチン 転 移 性 前 立 腺 がん VITAL-1 試 験 (docetaxel vs GVAX)は 中 間 解 析 でエンドポイント 達 成 確 率 が30% 未 満 となり, 中 止 有 効 性 が 高 い 薬 剤 (docetaxel)との 比 較 というハードルの 高 い 治 験 デザインに 問 題? VITAL-2 試 験 (docetaxel ± GVAX)ではワクチン 投 与 群 の 方 が 死 亡 例 が 多 く, 治 験 中 止 原 因 は 未 報 告 VITAL-2 試 験 と 同 じ 条 件 でのPh1 2 試 験 をやってこなかったから? Ph3の 前 にランダム 化 試 験 をしていなかったから?
皮 下 皮 内 がんワクチン 療 法 では
優 れたがんワクチンの 創 製 には 多 面 的 工 夫 が 必 要 デリバリーシステム が 大 事 樹 状 細 胞 へワクチン 抗 原 を 高 効 率 にデリバリー 樹 状 細 胞 によるT 細 胞 への 抗 原 提 示 を 向 上 量 質 ともに 優 れた キラーT 細 胞 を 活 性 化 ワクチン 抗 原 が 大 事 優 れた 特 異 性 と 免 疫 原 性 キラーT 細 胞 とヘルパーT 細 胞 の 認 識 配 列 (エピトープ)を 含 む アジュバント が 大 事 樹 状 細 胞 を 成 熟 化 し 抗 原 提 示 機 能 とT 細 胞 副 刺 激 能 力 を 増 強 高 い 抗 腫 瘍 効 果 ( 有 効 性 )の 実 現 へ
CHPは 水 中 での 自 己 会 合 により ナノパーテ クルを 形 成 する Cholesteryl groups of CHP intramolecularly associate each other and form hydrophobic domains, resulting a formation of nanogel particles. Pullulan Cholestery l group Self-assembly In water Inspired by the self-assembly of amphipathic bio-materials such as proteins (below). < 50 nm Cholesterols Physically crosslinking points AFM image Macromolecules, 26, 3062(1993), Citation 267 Macromolecules, 30, 857(1997), Citation 109
CHPナノゲルによる ワクチン 機 能 増 強 のメカニズム CHPナノゲルは 樹 状 細 胞 による キラーT 細 胞 への 抗 原 提 示 を 増 強 する CHPナノゲルは 所 属 リンパ 節 内 の 樹 状 細 胞 に 抗 原 蛋 白 質 を 高 効 率 に 送 り 込 む リンパ 節 Hasegawa K et al. Clin Cancer Res 2006より 改 変 リンパ 節 樹 状 細 胞 CHP- NY-ESO-1 リンパ 管
コレステリル プルラン (CHP) 蛋白質複合体 ワクチン 腫瘍 CHP-NY-ESO-1 蛋白質複合体 ワクチン がん抗原蛋白質NY-ESO-1の 全長組換え蛋白質 180 a.a. キラーT細胞 皮下 投与 抗体 コレステリルプルラン CHP 腫瘍特異性と免疫原性に 優れた抗原蛋白質 CHPは抗原デリバリーシス テムとして抗原蛋白質の 免疫原性を増強 ヘルパーT細胞 抗原提示細胞
CHP-NY-ESO-1ワクチン臨床研究 食道がん患者の一例 E-1 における臨床反応
日 本 における 再 発 転 移 食 道 癌 の 現 状 と 治 療 ニーズ 外 科 治 療 治 療 の 実 際 標 準 治 療 緩 和 治 療 放 射 線 治 療 1 次 化 学 療 法 2 次 化 学 療 法 (プラチナ 製 剤 など) (タキサン 剤 など) 新 薬 臨 床 試 験 プラチナ 剤 ( 標 準 治 療 )に 抵 抗 性 となった 再 発 転 移 食 道 癌 例 の 50% 生 存 期 間 は 約 6か 月 タキサン 剤 が 一 部 承 認 される 以 外 に 承 認 治 療 薬 はない 1. 有 効 な 治 療 薬 の 選 択 肢 が 乏 しい 2. 大 腸 癌 胃 癌 などの 他 の 消 化 管 腫 瘍 に 較 べて 薬 物 治 療 の 進 歩 が 遅 れている 3. 日 本 : 扁 平 上 皮 癌 が 多 い 欧 米 : 腺 癌 が 多 い 日 本 オリジナルの 有 効 な 治 療 薬 開 発 が 急 務
術 後 食 道 癌 患 者 を 対 象 とした IMF-001 前 期 第 Ⅱ 相 試 験 のスケジュール 一 次 登 録 術 前 化 学 療 法 CDDP/5FU x2サイクル 根 治 術 抗 原 発 現 二 次 登 録 動 的 割 付 35 例 35 例 6-8 週 3-5 週 一 次 登 録 から 二 次 登 録 までの 期 間 9~13 週 (3~4か 月 ) 投 薬 群 非 投 薬 群 2 週 毎 x 6 回 1 年 目 2 年 目 3 年 目 以 降 4 週 毎 x9 回 12 週 36 週 (3か 月 ) (9か 月 ) 3ヶ 月 毎 再 発 有 無 確 認 3ヶ 月 毎 再 発 有 無 確 認 追 跡 3ヶ 月 毎 再 発 有 無 確 認 3ヶ 月 毎 再 発 有 無 確 認 6ヶ 月 毎 再 発 有 無 確 認 6ヶ 月 毎 再 発 有 無 確 認
免疫細胞療法により 体内の特異的 細 T胞数の 飛躍的増加を図る 遺伝子改変 T細胞療法
腫 瘍 特 異 的 T 細 胞 輸 注 療 法 の 有 効 性 ( 進 行 性 メラノーマ) 腫 瘍 特 異 的 T 細 胞 の ex vivo 感 作 誘 導 と 輸 注 療 法 培 養 腫 瘍 特 異 的 クローン の 拡 大 移 入 患 者 リンパ 球 の 採 取 末 梢 血 リンパ 球 腫 瘍 浸 潤 リンパ 球 前 処 置 (lymphodepleting Tx) 進 行 性 メラノーマ に 対 する 治 療 効 果 (RECIST 評 価 ) の 比 較 Duley et al. J Clin Oncol, 2008 Rosenberg et al. Nat Med, 2004 % 有 効 率 (RECIST 基 準 PR+CR) 80 70 60 50 40 30 20 10 0 製 剤 化 N=541 ペプチド ワクチン N=684 IL-2 N=86 T 細 胞 療 法 N=21 T 細 胞 療 法 + 免 疫 抑 制 剤 N=18 T 細 胞 療 法 + 免 疫 抑 制 剤 + 全 身 放 射 線 照 射 Gattinoni et al. Nat Rev Immunol, 2006 現 行 化 学 療 法 成 績
CD8 + T 細 胞 のTCR 改 変 Encodes Tumor-reactive TCR MHC CD8 Ag peptide TCR A TCR B TCR C T cell A T cell B T cell C.... Retrovirus vector Tumor reactive T cell receptor gene transduction Tumor-reactive TCR Tumor-reactive TCR Tumor-reactive TCR Tumor
T 細 胞 受 容 体 (TCR) 改 変 T 細 胞 輸 注 療 法 がん 患 者 自 己 末 梢 血 リンパ 球 ( 採 血 ) がん 抗 原 MAGE-A4 特 異 的 Tリンパ 球 クローン 腫 瘍 リンパ 球 活 性 化 TCR 遺 伝 子 導 入 TCR 遺 伝 子 単 離 TCR 導 入 用 レトロウイルス ベクター 輸 注 MAGE-A4 反 応 性 TCRを 発 現 する 大 量 のリンパ 球
レトロウイルスベクターAの 開 発 によるTCR 遺 伝 子 の 高 い 導 入 発 現 効 率 と 改 変 T 細 胞 の 有 効 な 抗 腫 瘍 活 性 レトロウイルスベクターA LTR ψ TCR β P TCR α LTR TCRの 導 入 発 現 効 率 に 優 れ 単 純 な 構 造 を 特 徴 とする レトロウイルスベクター MAGE-A4 特 異 的 TCR MAGE-A4 143-151 /HLA-A*2402 tetramer 導 入 効 率 HD1 HD2 0.7 15.8 54.3 29.2 CD8 35.1% of CD8 + 5.2 32.6 33.0 29.2 52.8% of CD8 + 特 異 的 細 胞 障 害 活 性 (%) 80 60 40 20 0 腫 瘍 傷 害 活 性 標 的 腫 瘍 細 胞 株 11-18(MAGE-A4(+), A24(+)) KE-4 (MAGE-A4(+), A24(+)) QG56 (MAGE-A4(+), A24(-)) TE-8 (MAGE-A4(-), 24(-)) 20:1 10:1 エフェクター/ターゲット 比 腫 瘍 径 (mm 2 ) 80 60 40 20 in vivo 有 効 性 KE4( 食 道 癌 ) MAGE-A4(+), HLA-A24(+) 遺 伝 子 導 入 細 胞 遺 伝 子 非 導 入 細 胞 0 0 5 10 15 20 25 * 80 60 40 20 日 数 QG56( 肺 癌 ) MAGE-A4(+), HLA-A24(-) 0 0 5 10 15 20 25
MAGE-A4 抗 原 特 異 的 TCR 遺 伝 子 導 入 リンパ 球 輸 注 による 治 療 抵 抗 性 食 道 癌 に 対 する 遺 伝 子 治 療 臨 床 研 究 ア フ ェ レ ーシス 7-9 days 2wks 2wks day0 細 遺 伝 子 導 入 胞 細 胞 調 製 品 質 試 験 遺 伝 子 導 入 細 胞 輸 注 ペ プ チ ド 投 与 2wks ペ プ チ ド 投 与 安 全 性 体 内 動 態 モニター day63 終 了 対 象 MAGE-A4 抗 原 発 現 HLA-A * 2402 陽 性 難 治 性 食 道 癌 評 価 項 目 主 要 評 価 項 目 安 全 性 細 胞 量 増 加 試 験 2x10 8 細 胞 / 輸 注 1x10 9 細 胞 / 輸 注 5x10 9 細 胞 / 輸 注 3 例 3 例 3 例 副 次 的 評 価 項 目 遺 伝 子 導 入 細 胞 の 血 中 動 態 腫 瘍 浸 潤 腫 瘍 特 異 的 免 疫 反 応 腫 瘍 縮 小 効 果
TCR 遺 伝 子 導 入 リンパ 球 臨 床 試 験 標 的 抗 原 /TCR 輸 注 細 胞 数 (x10 9 ) ( 患 者 数 ) 疾 患 別 数 リンパ 球 除 去 処 置 有 害 反 応 臨 床 効 果 引 用 文 献 MART-1 1.0-86 (n=17) メラノーマ(17 例 ) シクロホスファミド (120mg/kg) フルダラビン (125mg/m 2 ) 関 連 毒 性 なし PR 2/17, MR 1/17 Morgan et al, Science 2006 MART-1 ( 高 親 和 性 ) gp100 (マウス 由 来 ) 1.5-107 1.8 110 (n=36) メラノーマ(20 例 ) メラノーマ(16 例 ) 同 上 皮 膚 眼 症 状 (G2) 聴 症 状 (G3) PR 6/20 CR 1/16, PR 2/16 Johnson et al, Blood 2009 p53 (マウス 由 来 ) 0.5-27.7 (n=9) 乳 癌 (4 例 ) メラノーマ(2 例 ) 食 道 癌 (1 例 ) その 他 (2 例 ) 同 上 記 載 なし PR 1/9 Davis et al, Clin Cancer Res 2010 CEA (マウス 由 来 ) 0.2 0.4 (n=3) 大 腸 癌 (3 例 ) 同 上 下 痢 (G3) ( 炎 症 性 腸 炎 ) PR 1/3 CEA 値 低 下 3/3 Parkhurst et al, Molecular Therapy 2011 NY-ESO-1 ( 高 親 和 性 ) 1.6 130 (n=17) メラノーマ(11 例 ) 滑 膜 肉 腫 (6 例 ) 同 上 関 連 毒 性 なし CR 2/11, PR 3/11 PR 4/6 Robbins et al, J Clin Oncol 2011 MAGE-A3 (マウス 由 来 ) 29-79 (n=9) メラノーマ(7 例 ) 滑 膜 肉 腫 (1 例 ) 食 道 癌 (1 例 ) 同 上 中 枢 神 経 症 状 (3 例 ) ( 死 亡 2 例, 壊 死 性 白 質 脳 症 ) 腫 瘍 縮 小 5/9 Morgan et al, J Immunother 2013
NY-ESO-1を 標 的 としたTCR 遺 伝 子 治 療 NY-ESO-1 高 発 現 組 織 メラノーマ CR 2/11, PR 3/11 ( 奏 効 率 45%) 滑 膜 細 胞 肉 腫 PR 4/6 ( 奏 効 率 66%) 副 作 用 なし
TCR/CAR T 細 胞 輸 注 療 法 の 臨 床 的 特 徴 と 課 題 顕 著 な 臨 床 反 応 の 存 在 (CR,PR) CR,PRはdurable CR 症 例 は 治 癒 の 可 能 性 もある T 細 胞 輸 注 前 の 免 疫 抑 制 剤 前 処 置 の 必 要 性 過 剰 なT 細 胞 の 反 応 による 死 亡 を 含 む 極 めて 重 篤 な 有 害 事 象 が 起 こる ( 予 期 しない 抗 原 特 異 的 反 応 ) 新 しいエンドポイントでの 臨 床 試 験 のデザインが 可 能
免疫抑制の解除は がん免疫反応の増強に重要である 免疫抑制 解除薬
免 疫 チェックポイント(CTLA4とPD1)による 免 疫 制 御 The blockade of immune checkpoints in cancer immunotherapy Drew M. Pardoll Nature Reviews Cancer 12, 252-264 (April 2012)
Topalian et al, NEJM 2012より 引 用 PD1 抗 体 の 抗 腫 瘍 性 活 性 296 例 の 進 行 がん(メラノーマ104 例 非 小 細 胞 肺 がん122 例 腎 細 胞 がん34 例 前 立 腺 が ん17 例 大 腸 がん19 例 ) BMS-936558(Nivolumab) 抗 PD-1 抗 体 ) 単 剤 治 療 用 量 増 加 試 験 腫 瘍 縮 小 メラノーマ 28% 非 小 細 胞 肺 がん 18% 腎 細 胞 がん 27% メラノーマ 腫 瘍 組 織 のPD-L1 発 現 臨 床 効 果
Wolchok et al, NEJM 2013より 引 用 CTLA-4 抗 体 とPD-1 抗 体 の 併 用 療 法 で 進 行 性 メラノーマに 対 し50% 以 上 のコントロール 率 53 例 の 進 行 期 メラノーマ Nivolumab( 抗 PD-1 抗 体 )+Ipilimumab( 抗 CTLA-4 抗 体 )の 併 用 治 療 用 量 増 加 試 験 重 篤 な 副 作 用 少 ない 全 体 で40%で 腫 瘍 縮 小 (PR&PR) 最 高 用 量 では 53% 有 効 多 くの 症 例 で80% 以 上 縮 小
抗 CTLA-4 抗 体 イピリムマブを 用 いた 複 合 的 がん 免 疫 療 法 の 開 発 状 況 ( 米 国, 一 部 ) 併 用 薬 対 象 疾 患 開 発 者 開 発 相 臨 床 試 験 ID サイトカイン IL-21 メラノーマ BMS Phase 1 NCT01489059 GM-CSF 前 立 腺 がん BMS 他 Phase 2 NCT01530984 IFN-alpha メラノーマ NCI Phase 3 NCT01274338 IL-2 メラノーマ Prometheus Phase 4 NCT01856023 ワクチン 膵 がん 用 GVAXワクチン 膵 がん 公 的 研 究 機 関 Phase 1 NCT00836407 NY-ESO-1 蛋 白 ワクチン メラノーマ LICR Phase 1 NCT01810016 BCGワクチン メラノーマ BMS Phase 1 NCT01838200 前 立 腺 がん 用 GVAXワクチン 前 立 腺 がん Cell Genesys Phase 1 NCT01510288 腫 瘍 溶 解 ウイルス メラノーマ Amgen Phase 1/2 NCT01740297 樹 状 細 胞 ワクチン メラノーマ 大 学 Phase 2 NCT01302496 プロベンジ 前 立 腺 がん Dendreon Phase 2 NCT01804465 ペプチドワクチン メラノーマ BMS Phase 2 NCT00084656 T 細 胞 療 法 異 家 リンパ 球 輸 注 療 法 AML NCI Phase 1 NCT00060372 CD19CAR-28-zeta T 細 胞 療 法 BCL, CLL 公 的 研 究 機 関 Phase 1 NCT00586391 CD8 T 細 胞 +IL-2+シクロフォスファミド メラノーマ 公 的 研 究 機 関 Phase 2 NCT02027935 免 疫 抑 制 解 除 薬 抗 KIR 抗 体 がん BMS Phase 1 NCT01750580 IDO 阻 害 剤 メラノーマ Incyte Corporation Phase 1/2 NCT01604889 抗 PD-1 抗 体 メラノーマ BMS Phase 3 NCT01844505 抗 PD-1 抗 体 メラノーマ メルク Phase 3 NCT01866319 分 子 標 的 薬 BCR-ABL 阻 害 剤 進 行 がん 公 的 研 究 機 関 Phase 1 NCT01738139 BRAF 阻 害 剤 +MEK 阻 害 剤 固 形 がん GSK Phase 1 NCT01767454 抗 EGFR 抗 体 頭 頸 部 がん 大 学 Phase 1 NCT01860430 RAFキナーゼ 阻 害 剤 メラノーマ BMS Phase 2 NCT01673854 化 学 療 法 剤 化 学 療 法 剤 前 立 腺 がん BMS Phase 2 NCT00050596 化 学 療 法 剤 メラノーマ BMS Phase 3 NCT00324155 化 学 療 法 剤 肺 がん BMS Phase 3 NCT01450761 複 合 抗 PD-1 抗 体 +マルチキナーゼ 阻 害 剤 腎 細 胞 がん BMS Phase 1 NCT01472081 抗 PD-1 抗 体 + 抗 VEGF 抗 体 +EGFR 阻 害 剤 + 化 学 療 法 剤 肺 がん メルク Phase 1/2 NCT02039674 抗 PD-1 抗 体 + 抗 VEGF 抗 体 脳 腫 瘍 BMS Phase 2 NCT02017717
がん免疫療法の複合化で より効果の高い治療が 期待できる 新規がん ワクチン技術 新規アジュバ ント技術 免疫抑制 解除薬 遺伝子改変 T細胞療法 既存の 化学療法剤 分子標的薬 抗体医薬
発 展 著 しいがん 免 疫 療 法 (がんワクチン 免 疫 療 法 )の 開 発 加 速 のために 適 切 な 開 発 ガイドライン 策 定 が 喫 緊 の 課 題 である が ん 免 疫 療 法 に 特 有 の 臨 床 的 変 化 がんワクチン 製 品 数 腫 瘍 堆 積 (2012 年 7 月 現 在 ) 150 100 50 0 殺 細 胞 薬 0 日 本 海 外 3 0 34 125 承 認 済 Ph3 Ph2 Ph1 がん ワクチン 免 疫 活 性 化 までのタイムラグ 適 従 切 来 な の 評 抗 価 が や ん 開 剤 発 開 戦 発 略 の 立 基 案 準 が で 困 は 難 8 開 発 者 5 85 産 官 学 による ガイドラインの 検 討 海 外 ( 主 に 米 国 )では がんワクチン 製 品 の 開 発 が 急 増 中 日 本 は 開 発 競 争 に 大 きく 出 遅 れ 開 発 者
大 項 目 臨 床 新 試 し 験 い 評 関 価 連 法 基 創 礎 出 研 の 究 ガ イ ド ラ イ ン 作 成 人 事 交 流 計 画 革 新 的 医 薬 品 医 療 機 器 再 生 医 療 製 品 実 用 化 促 進 事 業 ( 厚 生 労 働 省 ) 小 項 目 ナノジェル 包 埋 ポリペプチドがんワクチン 1-1. がんワクチン 臨 床 研 究 がん 免 疫 療 法 ガイドラインの 作 成 1-2. がんワクチン 治 験 医 師 主 導 / 企 業 治 験 PhⅠ~Ⅱ PhⅡb III 受 容 体 改 変 T 細 胞 輸 注 療 法 MAGE-A4( 固 形 がん) WT1( 造 血 器 腫 瘍 ) NY-ESO-1( 固 形 がん) 1-3. 免 疫 療 法 臨 床 研 究 1-4. 免 疫 療 法 治 験 リバースTR 基 礎 研 究 評 価 法 開 発 1-5. 動 物 実 験 および in vitro 研 究 2-1. コンセプト 検 討 2-2. ガイドライン 案 作 成 2-3. ガイドライン 案 最 終 報 告 3-1. 三 重 大 学 薬 事 支 援 室 (レギュラトリーサイエンス 部 門 )の 設 置 3-2. PMDA/NIHSへの 派 遣 3-3. PMDA/NIHSからの 派 遣 H25 H26 H27 H28 H29 各 種 臨 床 研 究 PhⅠ~Ⅱ 各 種 臨 床 研 究 PhⅠ~Ⅱ 医 師 主 導 / 企 業 治 験 PhⅠ~Ⅱ リバースTR 基 礎 研 究 評 価 法 開 発 インハウス 国 内 臨 床 試 験 及 び 基 礎 研 究 のデータ 実 施 臨 床 試 験 国 内 外 の 情 報 前 臨 床 試 験 データの 収 集 ガイドライン 中 間 案 作 成 ガイドライン 案 作 成 人 材 育 成 体 制 強 化 によるガイドライン 作 成 支 援 臨 床 研 究 開 発 センター 内 に 設 置 人 員 の 配 置 教 育 訓 練 三 重 大 にて 雇 用 フルタイムベースにてPMDA 出 向 がん 免 疫 療 法 に 関 する 経 験 理 解 の 共 有 PhⅡb III アカデミア 企 業 学 会 国 外 機 関 とのコンセンサス 形 成 厚 労 省 / P M D A と の 連 携 に よ る ガ イ ド ラ イ ン 策 定