電 子 マネーと 企 業 ポイントの 新 たな 交 換 システムの 構 築 ( 要 旨 ) 近 年 様 々な 電 子 マネーや 企 業 ポイントが 登 場 してきているが それら 相 互 間 での 交 換 性 に は 強 い 制 約 がある その 理 由 としては 技 術 的 な 問 題 だけでなく ポイントを 提 供 する 企 業 が 顧 客 を 囲 い 込 みたい という 基 本 的 な 欲 求 があるため 自 社 発 行 のポイントを 他 社 で 使 われ ることに 抵 抗 するという 問 題 が 指 摘 できる 一 方 消 費 者 は どこでもポイントを 使 いたい というニーズをもっており 便 利 な 交 換 システムの 構 築 が 期 待 されている 私 たちは 顧 客 の 差 別 化 を 交 換 システムに 組 み 込 むことによって ポイント 発 行 企 業 の 顧 客 を 囲 い 込 みたい という 欲 求 と どこでもポイントを 使 いたい という 消 費 者 のニー ズを 両 立 する 新 たなポイント 交 換 システムの 構 築 を 提 案 する このシステムでは 副 次 的 効 果 として ポイント 交 換 センター に 資 金 が 蓄 積 されるため この 資 金 を 加 盟 店 の 経 営 支 援 に 使 うことも 可 能 である 1. 電 子 マネーと 企 業 ポイントの 概 要 1.1. 電 子 マネーとは わが 国 には 数 多 くの 種 類 の 電 子 マネーが 存 在 している 交 通 系 のプリペイド 電 子 マネーに は Suica(スイカ) PASMO(パスモ) ICOCA(イコカ)などがあり 流 通 系 の 電 子 マネ ーには nanaco(ナナコ) WAON(ワオン) Edy(エディ)などがある 日 本 における 電 子 マネーは タッチ&ゴーの IC カードから 始 まり 自 動 改 札 機 にタッチするだけで 素 早 く 通 り 過 ぎることができる 便 利 さにより 瞬 く 間 に 首 都 圏 全 域 と 関 西 圏 に 広 がっていった 電 子 マ ネーを 発 行 している 会 社 は 様 々な 利 用 目 的 を 有 しているが どの 電 子 マネーも 利 用 している うちに 用 途 が 拡 大 しているのが 現 状 である 交 通 カードから 始 まった 日 本 の 電 子 マネーに 新 たに 登 場 したのが 流 通 系 の 電 子 マネーであ る 流 通 系 の 電 子 マネーを 導 入 する 最 大 の 目 的 は マーケティング ツールとしての 利 用 であ る 電 子 マネーには 記 憶 装 置 があるので 膨 大 なデータを 集 計 して 分 析 できる よって 顧 客 一 人 ひとりストーリー 性 のある 行 動 パターンの 分 析 ができるようになるのである また 電 子 マネーとポイントをうまく 利 用 して 駅 周 辺 の 商 店 街 を 活 性 化 させようと 動 いている 地 域 もあ る この 他 にも 電 子 マネーには 企 業 側 消 費 者 側 共 に 多 くのメリットがある しかし 電 子 マ ネーの 爆 発 的 な 普 及 によって 発 行 会 社 の 破 綻 によって 前 払 いされた 価 値 が 戻 ってこないなど 利 用 者 にとっての 不 測 の 事 態 が 生 じることがある あるいは セキュリティ 意 識 の 低 い 事 業 者 が 電 子 マネーを 提 供 し 不 正 利 用 やなりすましなどが 多 発 すれば 消 費 者 が 被 害 をこうむるだ けでなく 電 子 マネー 全 体 への 信 頼 が 揺 らぐことになりかねない といったようなデメリット も 存 在 している 1
1.2. 企 業 ポイントとは 2006 年 度 のポイントやマイレージの 市 場 規 模 は スタンプカード 電 子 マネーを 除 外 すると 少 なくとも 6600 億 円 程 度 が 発 行 されていると 推 計 される ただし しかし 実 際 には 各 企 業 の キャンペーンによって 通 常 よりもポイントを 一 定 割 合 多 く 付 与 することがよく 行 われているこ とを 考 慮 すると 実 際 の 市 場 規 模 はこの 額 よりも 大 きいと 推 測 される ポイント 制 度 を 利 用 す る 事 によって 企 業 は 新 規 顧 客 の 獲 得 と 囲 い 込 み( 固 定 化 )を 望 むことができ ポイントサービス を 行 う 事 により 利 用 機 会 が 増 加 し 来 店 頻 度 を 上 げることができる 上 顧 客 にとっては 頻 繁 に 行 く 店 舗 であればその 分 だけポイントを 早 く 貯 めることができ それを 利 用 して 商 品 の 購 入 時 に 割 り 当 てることで 実 質 的 な 値 引 きが 行 われることや ある 一 定 のポイントが 貯 まったとこ ろでプレゼントがもらえる 等 の 特 典 を 受 けることができる 1.3. 電 子 マネーと 企 業 ポイントの 比 較 1 相 似 点 電 子 マネーまたは 企 業 ポイントカードを 利 用 することによって 店 舗 側 はそれを 使 用 した 顧 客 の 購 買 履 歴 等 の 情 報 を 得 ることができるので マーケティングに 用 いる 企 業 通 貨 としては 同 一 に 扱 うことができる 2 相 違 点 そもそも 電 子 マネーとは 消 費 者 が 商 品 購 入 を 目 的 として 原 資 を 出 したものであるのに 対 し 企 業 ポイントは 企 業 が 販 売 促 進 や 顧 客 の 囲 い 込 み リピーターの 確 保 を 目 的 として 原 資 を 振 り 出 したものであるので 会 計 や 法 律 上 では 全 く 異 なる 処 理 をされなければならない 1.4. 現 状 における 電 子 マネーと 企 業 ポイントの 交 換 システム 1 企 業 対 企 業 の 提 携 相 互 にポイントを 貯 める 使 える 提 携 企 業 が 少 ないので 一 見 すると 囲 い 込 み 効 果 は 薄 いよ うにみえるが 提 携 企 業 は 異 業 種 間 にわたるその 圧 倒 的 な 会 員 数 に 注 目 し そこからの 送 客 を 見 込 んでいる 消 費 者 にとっては 企 業 と 企 業 が 提 携 すれば 一 枚 のポイントカードにより 多 くの ポイントを 貯 められるようになり 効 率 よく 特 典 を 受 けられるようになる 2 電 子 マネー 企 業 ポイント 現 金 の 交 換 サービス ポイントを 貯 めた 店 舗 で 景 品 や 商 品 値 引 きに 利 用 するのではなく 現 金 や 限 りなくお 金 に 近 いものに 交 換 したいと 思 う 消 費 者 も 増 えた ポイント 交 換 サイトでは 消 費 者 は 様 々な 企 業 でたまったポイントを 集 約 することで 有 効 期 限 が 迫 っても 小 額 のため 使 いみちのなかった ポイントを 有 効 活 用 することができる また 航 空 会 社 のマイレージのように 現 金 同 様 の 使 い 方 ができるポイントを 飛 行 機 に 乗 らない 人 でも 全 く 別 の 業 種 ではあるがよく 利 用 する 店 舗 のポ イントをこのポイント 交 換 サイトを 通 して 貯 めることができる 相 互 にポイントが 行 き 来 でき 2
るのが 19 社 しかないので 一 見 すると 囲 い 込 み 効 果 は 薄 いようにみえるが 提 携 企 業 はその 圧 倒 的 な 会 員 数 に 注 目 し そこからの 送 客 を 見 込 んでいる 何 より T カードはレンタル 会 員 証 も 兼 ねており レンタル 時 に 利 用 者 が 必 ず 提 示 するものなので 携 帯 率 利 用 率 がともに 高 いの が 強 みになっている 1.5. 法 規 制 について 電 子 マネーや 企 業 ポイントを 規 制 する 法 律 としては 現 在 前 払 式 証 票 の 規 制 等 に 関 する 法 律 がある 前 払 式 証 票 とは 証 票 その 他 の 物 に 記 載 され 又 は 電 磁 的 方 法 により 記 録 されている 金 額 に 応 ずる 対 価 を 得 て 発 行 される 証 票 等 であって 当 該 証 票 等 の 発 行 者 又 は 当 該 発 行 者 が 指 定 する 物 から 物 品 を 購 入 し 若 しくは 借 り 受 け 又 は 役 務 の 提 供 を 受 ける 場 合 に これ らの 対 価 の 弁 済 のために 提 示 交 付 その 他 の 方 法 により 使 用 する ことができるもの とさ れており IC カード 型 電 子 マネーの 場 合 1 預 金 の 振 替 え 現 金 の 支 払 い あるいはクレジッ ト 決 済 により 対 価 の 支 払 い が 行 われていること 2デジタル データを 記 録 した IC カード を 一 般 消 費 者 が 使 用 することができる 状 態 に 置 かれている すなわち IC カードの 発 行 が 行 われていること 3 物 品 の 提 供 等 を 受 ける 際 に IC カードが 提 示 され 使 用 が 行 われている ことから 前 払 式 証 票 の 規 制 等 に 関 する 法 律 の 適 用 対 象 になると 解 される 前 払 式 証 票 の 規 制 等 に 関 する 法 律 の 規 定 により その 適 用 を 受 ける 発 行 者 は 未 使 用 残 高 の 2 分 の1 以 上 の 発 行 保 証 金 を 供 託 するなどの 前 受 金 保 全 措 置 をとることを 求 められており 銀 行 等 が 同 法 の 適 用 がある 電 子 マネーを 発 行 する 場 合 も 発 行 保 証 金 の 供 託 あるいは 当 該 銀 行 等 以 外 の 者 との 間 の 保 全 契 約 が 必 要 となると 解 される しかし 現 在 のままの 法 規 制 では 不 十 分 なため 前 払 式 証 票 法 の 改 正 をするか または 新 法 の 制 定 をする 方 が 適 当 かについて 現 在 金 融 庁 で 検 討 されている 2. 現 状 の 交 換 システムの 問 題 点 発 行 企 業 は 消 費 者 を 囲 い 込 み 自 社 商 品 の 販 売 を 促 進 することができるだけでなく 消 費 者 個 人 の 利 用 履 歴 から 消 費 行 動 を 分 析 し それに 基 づいたマーケティングを 行 うこともできる 一 方 で 消 費 者 には 各 企 業 の 商 品 サービスの 値 引 きや 景 品 特 典 への 交 換 ができる 点 等 が 喜 ばれている しかし ポイント 交 換 によるポイントの 目 減 りは 消 費 者 からすればデメリット であり ポイントを 他 の 企 業 より 多 く 出 す 企 業 は 不 利 になるのではないかという 問 題 や 消 費 者 がポイント 交 換 を 繰 り 返 すことで ポイント 交 換 が 自 社 の 販 促 に 結 びつかない 事 例 がみられ るようになってきている また 二 種 類 のポイントを 顧 客 に 付 与 する 企 業 もあるが これはポイントを 振 り 出 した 企 業 が 顧 客 に 対 し そのポイントを 他 社 では 使 えないようにしながら 交 換 しやすいポイントを 与 えて 自 社 を 利 用 し 続 けてもらおうと 考 えているものであって まさに 既 存 の 交 換 システムの 欠 3
陥 を 示 している 決 済 に 使 えるポイント を 販 売 した 上 で 計 画 倒 産 するといった ポイント という 名 称 を 用 いて 消 費 者 を 欺 くような 事 例 もごく 一 部 に 見 受 けられる 電 子 マネー 電 子 決 済 は オー プンなネットワークやシステムを 用 いる 決 済 サービスであり 決 済 に 関 する 情 報 処 理 のプロセ ス 全 体 に 責 任 を 負 う 主 体 が 存 在 しないことなどから 決 済 処 理 の 確 実 性 に 対 する 利 用 者 の 信 任 を 得 られにくいという 問 題 がある 決 済 インフラとしての 性 格 を 持 つ 電 子 マネーにおいては 発 行 見 合 い 資 金 が 確 実 に 払 い 戻 さ れ 得 ることが 重 要 であり まずは そうした 資 金 について 他 の 業 務 にかかる 負 債 資 産 とは 区 分 して 経 理 することが 必 要 である さらに 万 一 発 行 体 が 破 綻 した 場 合 にも その 影 響 が 発 行 見 合 い 資 金 に 及 ぶリスクを 遮 断 し 利 用 者 の 実 体 的 権 利 保 護 を 図 るため 分 別 管 理 及 び 優 先 弁 済 の 確 保 等 が 必 要 である 企 業 ポイントの 運 営 にあたっては 個 人 情 報 保 護 法 や 主 務 官 庁 が 定 める 個 人 情 報 ガイドライ ンに 沿 って 個 人 情 報 を 適 切 に 取 扱 うことが 必 要 である 同 時 に 企 業 ポイントを 運 営 する 企 業 は 利 用 目 的 第 三 者 への 個 人 データ 提 供 の 有 無 個 人 データの 共 同 利 用 に 係 る 事 項 等 の 個 人 情 報 の 取 扱 について 消 費 者 によりわかりやすく 伝 達 す るといった 取 組 が 期 待 される ポイント 交 換 時 に 交 換 元 企 業 と 交 換 先 企 業 の 間 で 個 人 情 報 が 提 供 もしくは 共 有 されているのではないか といった 懸 念 や 誤 解 を 消 費 者 が 持 つ 場 合 があるため である おサイフケータイ に 代 表 される 携 帯 プリペイドマネー 携 帯 クレジットなどの 決 済 手 段 ( 広 義 の 電 子 マネー)は 現 金 をやり 取 りするより スピード 手 軽 さなどのメリットがあるが 電 子 的 であるがゆえ 物 理 的 な 現 金 より 改 変 やコピー 不 正 利 用 盗 難 などがやりやすい 電 子 マネーに 対 する 情 報 セキュリティー 上 の 脅 威 は 増 大 の 一 途 である しかも 歴 史 が 浅 いために 現 金 やクレジットカードの 世 界 に 比 べると セキュリティーレベルを 保 つための 工 夫 や 仕 組 み が 不 足 している 3. 新 たな 交 換 システムの 提 案 前 述 のように 現 状 のポイント 交 換 システムには 基 本 的 な 問 題 があり 今 後 も 普 及 していく とは 思 えない そこで 私 たちは 新 しい 交 換 システムを 提 案 したい 基 本 的 には 顧 客 の 差 別 化 をキーワードに 消 費 者 の 利 便 性 を 高 め ポイント 交 換 システムをより 普 及 させ 企 業 の 利 益 にも 繋 げていこうとするものである 簡 単 に 言 うと 加 盟 企 業 内 における 企 業 ポイント や 電 子 マネーをポイント 交 換 サービス 会 社 に 一 元 化 し 情 報 管 理 の 一 切 は ポイント 交 換 サー ビス 会 社 が 行 うシステムである 以 下 では システムの 概 要 とシステムを 支 える 技 術 に 分 け て 説 明 する 3.1.システムの 概 要 4
これまでのポイント 交 換 システムでは 消 費 者 の どこでも 使 いたい というニーズと 企 業 側 の 顧 客 を 囲 い 込 みたい という 二 つのニーズを 両 立 させることができなかった そこで 私 たちは 以 下 のような 交 換 システムを 構 築 することによって 消 費 者 側 企 業 側 双 方 が 満 足 する 新 たなポイント 交 換 システムを 提 案 したい 1 顧 客 の 差 別 化 システム 私 たちの 提 案 する 企 業 ポイント 交 換 システムは 図 4( 1)のように 加 盟 店 のポイントを 交 換 サービス 会 社 が 交 換 することによって A 店 のポイントを B 店 で 使 うことも 可 能 とするも のである その 場 合 せっかくA 店 がポイントをXさんに 発 行 しても 必 ずしもXさんはA 社 にまた 来 店 しポイントを 使 うとは 限 らず XさんはB 店 でポイントを 使 うかもしれない ということが このようなポイント 交 換 システムにおける 最 大 の 問 題 である そこで 顧 客 の 差 別 化 を 図 らな ければならない 図 2のように 例 えば A 店 B 店 C 店 があるとして Xさんは A 店 で 買 い 物 をし 10 0ポイントを 入 手 したとする この100ポイントを X さんは A 店 では100ポイント 分 と して 使 える しかし X さんは B 店 でも 買 い 物 をするとしよう この 場 合 XさんはA 店 で 発 行 されたポイントについては A 店 で100% 使 うことができたが B 店 では 例 えば70 ポイント=70%しか 使 えないことにする さらに Xさんはまた 別 のC 店 でもよく 買 い 物 を するとする この 場 合 はA 店 で 発 行 されたポイントは C 店 では90ポイント=90% 使 える ようにする このように 企 業 にとって 優 良 な 顧 客 とそうでない いわば 浮 気 な 顧 客 を 差 別 化 するこ とによって 他 店 のポイントを 使 う 場 合 は0~100%の 交 換 比 率 で 差 別 化 をすることによっ て 顧 客 の 囲 い 込 みと 新 規 顧 客 の 獲 得 を 狙 うことができるはずである 顧 客 にとってはたまに しか 行 かない 店 で 貯 めた 少 しのポイントを 無 駄 にすることがないようになる 後 述 (4.1.)の ICチップによる 大 容 量 化 がそれを 可 能 にする 上 記 の 交 換 比 率 は 顧 客 の 来 店 頻 度 や サービスの 利 用 頻 度 等 の 情 報 により ポイント 発 行 店 が 決 定 するものとする 2ポイント 交 換 サービス 会 社 への 加 盟 店 の 支 払 図 2 の 場 合 B 店 がポイント 分 の 商 品 を 顧 客 に 渡 すため 一 方 的 な 損 になってしまう そこ で 図 3のように 加 盟 店 はポイントを 発 行 するにあたり ポイントに 見 合 った 現 金 を 交 換 シ ステムに 預 けなければならない 例 えば A 店 は100ポイント 発 行 する 際 に 100 円 を 交 換 システムに 支 払 う そして A 店 で 発 行 されたポイントが B 店 で70ポイント 使 われた 時 に は 交 換 サービス 会 社 が70 円 を B 店 に 渡 すこととする なお A 店 はせっかくポイントを 発 行 したのに 他 店 で 使 われたのでは 損 なように 思 われるが 5
その 逆 つまり B 店 で 発 行 されたポイントが A 店 で 使 われるということもあり 得 る しかも 他 店 で 使 うときには 目 減 りしてしまうので 消 費 者 が 必 ずしも 他 店 で 使 うとは 限 らない それ でも A 店 が 嫌 がるように 思 われるが そもそもポイントを 発 行 することによって 集 客 力 が 上 が るため ポイント 発 行 の 基 本 的 なインセンティブはなくならないはずである また どの 企 業 のポイントがどれくらい 溜 まっているのか それを 使 うのか 使 わないのか をはっきりさせる 必 要 がある 消 費 者 が 携 帯 やパソコン レジ 端 末 でいつでもそれらの 情 報 を チェックできるようにしなければならない そのため 後 述 (4.1.)のような IC チップによっ て 企 業 ポイントがどこの 店 で 貯 めたものなのか については 細 分 化 して 情 報 を 管 理 する 必 要 がある 3 交 換 サービス 会 社 のクリアリングハウス 機 能 企 業 ポイントの 交 換 システムは 図 3のようなことが 多 くの 加 盟 企 業 相 互 間 で 行 われており 交 換 サービス 会 社 は いわば クリアリングハウス としての 機 能 を 備 えている すなわち 加 盟 企 業 は 企 業 ポイントを 発 行 するに 当 たり 交 換 システムに 企 業 ポイント 相 当 分 の 支 払 をし なければならない その 後 企 業 ポイントが 消 費 者 によって 使 われた 企 業 は 交 換 システムか ら 一 定 の 現 金 を 受 け 取 る この 逆 も 起 こるため 交 換 サービス 会 社 はクリアリングハウスとし ての 機 能 を 果 たすことになる 4 救 済 基 金 の 設 立 私 たちの 提 案 する 新 たな 交 換 システムは 加 盟 企 業 の 信 用 リスク 対 策 にもなる というのは ポイントを 発 行 しても それを 消 費 者 が 必 ずしも 使 うとは 限 らず 使 うとしてもポイントの 発 生 から 使 用 まである 程 度 の 時 間 差 が 生 じることより 交 換 システムには 基 金 が 溜 まって 行 くか らである それを 基 に 資 金 を 運 用 し 加 盟 企 業 に もしものことが 起 こった 時 に 備 えられ 信 用 リスクを 抑 えることができる( 図 4( 1) 参 照 ) この 基 金 の 管 理 運 営 主 体 は 比 較 的 信 用 の 高 い 銀 行 が 適 当 と 思 われる 5 発 行 ポイントの 保 証 企 業 ポイントを 交 換 サービス 会 社 に 一 元 化 することで もしもある 加 盟 企 業 が 倒 産 したとし ても 企 業 ポイントが 使 えなくなるようなことはない ポイント 発 行 にあたって 倒 産 した 企 業 は 基 金 を 交 換 サービス 会 社 に 積 み 立 ており その 企 業 が 発 行 したポイントは そのまま 他 の 企 業 で 使 うことができる 従 って 前 述 ()の 前 受 金 保 全 処 置 の 問 題 をクリアすることが できる 3.2.ポイント 交 換 システムを 支 える 技 術 上 記 のような 新 たなポイント 交 換 システムがワークするには 以 下 のような 技 術 が 必 要 であ 6
る 1 IC チップの 埋 め 込 み まず 企 業 ポイントのカードにICチップを 組 み 込 んだものか 携 帯 電 話 のお 財 布 機 能 を 使 い 電 子 マネーと 企 業 ポイントのどちらの 情 報 もチップの 中 に 貯 めらることができるようにす る すでに ANA の ANA ダイナースカードのように こうしたカードはある 程 度 出 回 って いるが このカードの 普 及 が 私 たちの 提 案 の 前 提 である また こうしたカードによる 企 業 ポ イントは 加 盟 店 全 てで 使 えるものとする 電 子 マネーについては 消 費 者 がSuicaやE dyといったものから 一 つ 選 べることにする 2 電 子 マネー 部 分 と 企 業 ポイント 部 分 との 分 離 このポイントカードは ICチップ 内 で 電 子 マネー 部 分 と 企 業 ポイント 部 分 に 分 かれてお り それぞれの 残 額 はパソコンや 携 帯 電 話 レジ 端 末 などでいつでも 確 認 できるようにする ( 図? 参 照 ) 消 費 者 はいつでも 自 由 に 企 業 ポイントを 電 子 マネーへ(またはその 逆 へ)と 変 換 できるようにする ただ 企 業 ポイントと 電 子 マネー 間 の 交 換 には 手 数 料 として 一 定 の 割 合 が 目 減 りすることとする 3 企 業 ポイントのグループ 内 での 一 元 化 企 業 ポイントはグループ 内 で 一 元 化 することによって 消 費 者 にとっては 利 便 性 が 向 上 する 企 業 側 にとって 顧 客 の 利 便 性 の 増 大 は 顧 客 数 の 増 加 に 繋 がり 他 店 からの 新 規 顧 客 の 獲 得 が 狙 える また 企 業 側 としては ICチップを 組 み 込 むことによって 消 費 者 の 情 報 を 管 理 でき るようになる この 際 に 顧 客 情 報 は 加 盟 店 全 てで 共 有 利 用 できることとし マーケティン グに 役 立 てる 具 体 的 には いつ どこで 何 歳 の 消 費 者 が 男 性 か 女 性 か 何 を 買 ったのか などという 情 報 を 管 理 するものとする ただ 個 人 情 報 の 保 護 の 点 から 氏 名 電 話 番 号 住 所 などといったプライバシーに 抵 触 するような 情 報 は 一 切 交 換 しないこととする 4 生 体 認 証 カード 端 末 に 指 紋 認 証 や 静 脈 認 証 のシステムを 組 み 込 むことを 提 案 する 特 に 電 子 マネー は 他 人 が 本 人 と 偽 って 使 うことが 容 易 である 例 えば スーパーのレジの 端 末 などで 本 人 の 特 定 を 技 術 的 にきちんとすれば 現 在 では 規 制 されている 電 子 マネーによる 大 口 決 済 が 可 能 と なるはずである [ 1] 岡 田 仁 志 電 子 マネーがわかる 日 本 経 済 新 聞 出 版 社 2008 年 4 月 [ 2] 野 村 総 合 研 究 所 情 報 通 信 コンサルティング 一 部 企 業 通 貨 プロジェクトチーム 2010 年 の 企 業 通 貨 グーグルゾン 時 代 のポイントエコノミー 東 洋 経 済 新 報 社 2006 年 11 7
月 [ 3] 金 融 法 務 研 究 会 電 子 マネー 法 制 金 融 法 務 研 究 会 報 告 書 2005 年 9 月 [4] 企 業 ポイント 研 究 会 経 済 産 業 省 企 業 ポイントの さらなる 発 展 と 活 用 に 向 けて 商 務 流 通 グループ 2007 年 7 月 [5] NIKKEI NET IT PLUS IT 時 代 を 見 通 すためのニューサイト http://it.nikkei.co.jp/business/column/aruga_gyokai.aspx?n=mmit0z000015012007 8
カード IC チッフ 交 換 可 電 子 マネー 部 分 円 企 業 ポイント 部 分 電 機 店 円 薬 局 円 航 空 円 図 1 電 子 マネー 部 分 と 企 業 ポイント 部 分 との 分 離 A 店 B 店 (たまに 行 く 店 ) 100P 発 行 70P 使 える C 店 100P 使 える (よく 行 く 店 ) 90P 使 える Xさん 図 2 顧 客 の 差 別 化 9
ポイント 交 換 サービス 100 円 100P 発 行 70 円 A 店 B 店 100P 発 行 100P 使 える 70P 使 える Xさん 図 3 顧 客 の 差 別 化 Ⅱ 10
お 金 の 流 れ ポイントの 流 れ 交 換 サービス 資 金 運 用 救 済 経 営 危 機 A 店 B 店 C 店 顧 客 使 わない 図 4 交 換 システムの 全 体 像 11
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