注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 (ADHD) 1 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 の 概 要 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 (Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder)とは 年 齢 あるいは 発 達 に 不 釣 り 合 いな 注 意 力 又



Similar documents
Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

地域支援心理研究センター 紀要 第10号

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

 

●幼児教育振興法案

第 9 条 の 前 の 見 出 しを 削 り 同 条 に 見 出 しとして ( 部 分 休 業 の 承 認 ) を 付 し 同 条 中 1 日 を 通 じて2 時 間 ( 規 則 で 定 める 育 児 休 暇 を 承 認 されている 職 員 については 2 時 間 から 当 該 育 児 休 暇 の

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

Microsoft PowerPoint - 14説明資料

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

<4D F736F F D C93FA967B91E5906B8DD082D682CC91CE899E2E646F6378>

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

tokutei2-7.xls

(3) 育 児 休 業 (この 号 の 規 定 に 該 当 したことにより 当 該 育 児 休 業 に 係 る 子 について 既 にし たものを 除 く )の 終 了 後 3 月 以 上 の 期 間 を 経 過 した 場 合 ( 当 該 育 児 休 業 をした 教 職 員 が 当 該 育 児 休 業

学校安全の推進に関する計画の取組事例

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

公平委員会設置条例


<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

慶應義塾利益相反対処規程

Taro-学校だより学力調査号.jtd

別紙3

自衛官俸給表の1等陸佐、1等海佐及び1等空佐の(一)欄又は(二)欄に定める額の俸給の支給を受ける職員の占める官職を定める訓令

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

子 育 てをサポート サポートする 休 暇 等 制 度 1 出 産 前 後 の 休 暇 休 暇 等 名 称 妊 娠 出 産 後 通 院 休 暇 ( 特 別 休 暇 ) 妊 娠 中 の 職 員 及 び 出 産 後 1 年 以 内 の 職 員 が 保 健 指 導 又 は 健 康 審 査 を 受 ける 場

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

< F2D824F C D9197A791E58A C938C8B9E>

Microsoft Word - 目次.doc

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

東近江行政組合職員の育児休業等に関する条例

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

資料2-2 定時制課程・通信制課程高等学校の現状

m07 北見工業大学 様式①

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

文化政策情報システムの運用等

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

/ 5 ページ 身 近 な 普 通 名 詞 を 覚 えさせ 絵 カードや 言 葉 絵 本 などを 使 い 身 近 な 生 活 に 関 わる 固 有 名 詞 をマッチングさせ 集 合 名 詞 の 概 念 を 身 に 付 けさせ 普 通 名 詞 の 絵 カードや 字 単 語 カードを 見 本 に 従 っ

●電力自由化推進法案

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

<947A957A8E9197BF C E786C73>

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

0439 研究開発推進事業(防衛省所管計上)250614

Taro-H19退職金(修正版).jtd

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

( 減 免 の 根 拠 等 ) 第 1 条 こ の 要 綱 は, 地 方 税 法 第 条 の 規 定 に 基 づ く 市 税 条 例 第 6 9 条 の 2 の 規 定 を 根 拠 と す る 身 体 障 害 者 等 に 対 す る 軽 自 動 車 税 の 減 免 の 具 体 的 な 対

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

Taro-29職員退職手当支給規程

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

取 り 消 された 後 当 該 産 前 の 休 業 又 は 出 産 に 係 る 子 若 しくは 同 号 に 規 定 する 承 認 に 係 る 子 が 死 亡 し 又 は 養 子 縁 組 等 により 職 員 と 別 居 することとなったこと (2) 育 児 休 業 をしている 職 員 が 休 職 又

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

送 信 局 を 電 気 通 信 事 業 者 に 貸 し 付 けるとともに 電 気 通 信 事 業 者 とあらかじめ 契 約 等 を 締 結 する 必 要 があること なお 既 に 電 気 通 信 事 業 者 において 送 信 局 を 整 備 している 地 域 においては 当 該 設 備 の 整 備

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

< F2D8AC493C CC81698EF3928D8ED2816A2E6A7464>

Microsoft PowerPoint  22日修正最終確定.ppt

<4D F736F F D F582CC88E78E998B788BC C98AD682B782E92E646F63>

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

1.はじめに わが 国 での 急 速 な 少 子 化 の 進 行 等 を 踏 まえ 次 代 の 社 会 を 担 う 子 どもが 健 やかに 生 まれ 育 成 される 環 境 の 整 備 を 目 的 とした 次 世 代 育 成 支 援 対 策 推 進 法 が 平 成 15 年 7 月 に 制 定 され

入札公告 機動装備センター

18 国立高等専門学校機構

っては 出 産 予 定 日 から 出 生 した 日 から 起 算 して8 週 間 を 経 過 する 日 の 翌 日 までとする ) の 期 間 内 に 当 該 子 に 係 る 最 初 の 育 児 休 業 を 開 始 し かつ 終 了 した 場 合 であって 当 該 子 に 係 る 再 度 の 育 児

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

議案第   号

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

目 次 市 民 税 の 減 免 に つ い て 1 減 免 の 一 般 的 な 留 意 事 項 2 減 免 の 範 囲 お よ び 減 免 割 合 3 1 生 活 保 護 法 の 規 定 に よ る 保 護 を 受 け る 者 3 2 当 該 年 に お い て 所 得 が 皆 無 と な っ た

5 民 間 事 業 者 における 取 扱 いについて( 概 要 資 料 P.17~19) 6 法 人 番 号 について( 概 要 資 料 P.4) (3) 社 会 保 障 税 番 号 制 度 のスケジュールについて( 概 要 資 料 P.20) 1 平 成 27 年 10 月 から( 施 行 日 は

老発第    第 号

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

横浜市障害者ガイドヘルプ事業実施要綱

とする (1) 多 重 債 務 や 過 剰 債 務 を 抱 え 返 済 が 困 難 になっている 人 (2) 債 務 整 理 を 法 律 専 門 家 に 依 頼 した 直 後 や 債 務 整 理 途 上 の 人 (3) 収 入 よりも 生 活 費 が 多 くお 金 が 不 足 がちで 借 金 に 頼

16 日本学生支援機構

Microsoft PowerPoint _GP向けGL_final

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

件名

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

就 学 前 教 育 保 育 の 実 施 状 況 ( 平 成 23 年 度 ) 3 歳 以 上 児 の 多 く(4 歳 以 上 児 はほとんど)が 保 育 所 又 は 幼 稚 園 に 入 所 3 歳 未 満 児 (0~2 歳 児 )で 保 育 所 に 入 所 している 割 合 は 約 2 割 就 学

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

(5 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業 所 の 新 規 に 採 用 し た 全 て の 居 宅 介 護 従 業 者 に 対 し 熟 練 し た 居 宅 介 護 従 業 者 の 同 行 に よ る 研 修 を 実 施 し て い る こ と (6 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業

Transcription:

Ⅱ LD ADHD 高 機 能 自 閉 症 等 の 理 解 学 習 障 害 (LD) 1 学 習 障 害 の 概 要 学 習 障 害 (Learning Disabilities)とは 基 本 的 には 全 般 的 な 知 的 発 達 に 遅 れはないのに 聞 く 話 す 読 む 書 く 計 算 する 又 は 推 論 する 能 力 のうち 特 定 のものの 習 得 と 使 用 に 著 し い 困 難 を 示 す 様 々な 状 態 のことをいいます 学 習 障 害 は その 原 因 として 中 枢 神 経 系 に 何 らかの 機 能 障 害 があると 推 定 されますが 視 覚 障 害 聴 覚 障 害 知 的 障 害 情 緒 障 害 などの 障 害 や 環 境 的 な 要 因 が 直 接 的 な 原 因 となるものではありません 2 学 習 障 害 により 困 難 を 示 す 領 域 学 習 障 害 により 困 難 を 示 す 領 域 は 以 下 のとおりで 学 習 障 害 は このうちの 一 又 は 複 数 に ついて 著 しい 困 難 を 示 す 状 態 を 指 します 1 聞 く 能 力 他 人 の 話 を 正 しく 聞 き 取 って 理 解 すること 2 話 す 能 力 伝 えたいことを 相 手 に 伝 わるように 的 確 に 話 すこと 3 読 む 能 力 文 章 を 正 確 に 読 み 理 解 すること 4 書 く 能 力 文 字 を 正 確 に 書 くこと 筋 道 立 てて 文 章 を 作 成 すること 5 計 算 する 能 力 暗 算 や 筆 算 をすること 数 の 概 念 を 理 解 すること 6 推 論 する 能 力 事 実 を 基 に 結 果 を 予 測 したり 結 果 から 原 因 を 推 し 量 ったりすること 3 学 習 障 害 の 特 性 (1) 見 逃 されやすい 障 害 であること 学 習 障 害 は 障 害 そのものの 社 会 的 認 知 が 十 分 でなく また 一 部 の 能 力 の 習 得 と 使 用 に 困 難 を 示 すものであるため 単 に 学 習 が 遅 れているあるいは 本 人 の 努 力 不 足 によるもの とみなされてしまうことがあります そのため 障 害 の 特 性 に 応 じた 指 導 や 支 援 の 必 要 性 が 見 逃 されることがあるので まずは 特 別 な 教 育 的 な 支 援 が 必 要 であることを 保 護 者 や 学 校 教 育 関 係 者 に 認 識 してもらう 必 要 があります 特 に 早 期 からの 支 援 が 効 果 的 である ことを 踏 まえれば 通 常 の 学 級 の 担 任 がその 特 性 を 理 解 し 適 切 な 指 導 や 必 要 な 支 援 の 意 義 を 認 識 することが 重 要 です (2) 指 導 の 形 態 学 習 障 害 の 児 童 生 徒 は 通 常 の 学 級 における 学 習 に 参 加 できるものの 個 々の 障 害 の 状 態 に 応 じた 配 慮 が 必 要 な 場 合 や 特 別 の 場 において 個 々の 障 害 の 状 態 に 応 じた 特 別 の 指 導 が 必 要 になる 場 合 があります (3) 他 の 障 害 との 重 複 がある 場 合 が 多 いこと 学 習 障 害 は 発 達 障 害 の 一 つであり 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 を 併 せ 有 する 場 合 や 一 部 の 広 汎 性 発 達 障 害 と 近 接 している 場 合 があり その 程 度 や 重 複 の 度 合 いは 様 々なので 個 々の 児 童 生 徒 に 応 じた 対 応 が 必 要 です (4) 他 の 事 項 への 波 及 学 習 障 害 により ソーシャルスキルやコミュニケーション 能 力 を 発 揮 したり 対 人 関 係 を 形 成 したりする 際 に 様 々な 困 難 が 生 じる 場 合 があります - 178 -

注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 (ADHD) 1 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 の 概 要 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 (Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder)とは 年 齢 あるいは 発 達 に 不 釣 り 合 いな 注 意 力 又 は 衝 動 性 多 動 性 を 特 徴 とする 障 害 であり 社 会 的 な 活 動 や 学 校 生 活 を 営 む 上 で 著 しい 困 難 を 示 す 状 態 のことをいいます 通 常 7 歳 以 前 に 現 れ その 状 態 が 継 続 するものであるとされています 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 の 原 因 としては 中 枢 神 経 系 に 何 らかの 要 因 による 機 能 不 全 があると 推 定 されています 一 定 程 度 の 不 注 意 衝 動 性 又 は 多 動 性 は 発 達 段 階 の 途 上 においては どの 児 童 生 徒 に おいても 現 れうるものです しかし 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 は 不 注 意 衝 動 性 又 は 多 動 性 を 示 す 状 態 が 継 続 し かつそれらが 社 会 的 な 活 動 や 学 校 生 活 を 営 む 上 で 著 しい 困 難 を 示 す 程 度 の 状 態 を 指 します 2 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 の 具 体 的 な 状 態 像 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 とは 典 型 的 には 年 齢 あるいは 発 達 に 不 釣 合 いな 程 度 において 以 下 のような 不 注 意 又 は 衝 動 性 多 動 性 の 状 態 を 継 続 して 示 し それらが 社 会 的 な 活 動 や 学 校 生 活 を 営 む 上 で 著 しい 困 難 を 示 す 状 態 を 指 します 1 不 注 意 気 が 散 りやすく 注 意 を 集 中 させ 続 けることが 困 難 であったり 必 要 な 事 柄 を 忘 れやす かったりすること 2 多 動 性 じっとしていることができず 落 ち 着 いて 活 動 や 課 題 に 取 り 組 むことが 困 難 であること から 過 度 に 手 足 を 動 かしたり 話 したりすること 3 衝 動 性 話 を 最 後 まで 聞 いて 答 えることや 順 番 を 守 ったりすることが 困 難 であったり 他 人 の 行 動 をさえぎったりしてしまうこと 3 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 の 特 性 (1) 見 逃 されやすい 障 害 であること 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 は 障 害 そのものの 社 会 的 認 知 が 十 分 でなく また 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 のない 児 童 生 徒 においても 不 注 意 又 は 衝 動 性 多 動 性 の 状 態 を 示 すことがあ ることから 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 の 児 童 生 徒 は 故 意 に 活 動 や 課 題 に 取 り 組 むことを 怠 けている 自 分 勝 手 な 行 動 をしているとみなされてしまうことがあります そのため こ れらの 振 る 舞 いが 障 害 に 起 因 しており その 特 性 に 応 じた 指 導 及 び 支 援 の 必 要 性 が 見 逃 さ れることがあるので 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 については 早 期 の 支 援 が 効 果 的 であることを 踏 まえれば 特 に 低 学 年 の 段 階 の 通 常 の 学 級 の 担 任 が 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 の 特 性 を 理 解 し 適 切 な 指 導 や 必 要 な 支 援 の 意 義 を 認 識 することが 重 要 です (2) 指 導 の 形 態 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 の 児 童 生 徒 は 通 常 の 学 級 における 学 習 に 参 加 できるものの 個 々 の 児 童 生 徒 の 障 害 の 状 態 に 応 じた 配 慮 が 必 要 な 場 合 や 特 別 の 指 導 の 場 において 個 々の 障 害 の 状 態 に 応 じた 特 別 の 指 導 が 必 要 になる 場 合 があります (3) 他 の 障 害 との 重 複 がある 場 合 が 多 いこと 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 は 発 達 障 害 の 一 つであり 学 習 障 害 や 高 機 能 自 閉 症 を 併 せ 有 する 場 合 が 多 く その 程 度 や 重 複 の 度 合 いも 様 々であり 個 々の 児 童 生 徒 に 応 じた 対 応 が 必 要 です (4) 他 の 事 項 への 波 及 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 により ソーシャルスキルやコミュニケーション 能 力 を 発 揮 したり 対 人 関 係 を 形 成 したりする 際 に 様 々な 困 難 が 生 じる 場 合 があることにも 留 意 する 必 要 があ ります - 179 -

自 閉 症 又 はそれに 類 するもの 1 自 閉 症 又 はそれに 類 するものとは 自 閉 症 の 主 な 特 徴 として 人 への 反 応 やかかわりの 乏 しさなど 社 会 的 関 係 の 形 成 に 特 有 の 困 難 さが 見 られること 言 語 の 発 達 に 遅 れや 問 題 があること 興 味 や 関 心 が 狭 く 特 定 の ものにこだわることのほか 刺 激 への 過 敏 性 や 幼 児 期 に 見 られる 多 動 性 などが 挙 げられます 知 的 発 達 の 遅 れを 伴 わない 自 閉 症 は 高 機 能 自 閉 症 と 呼 ばれ 知 的 発 達 の 遅 れを 伴 う 自 閉 症 は 低 機 能 自 閉 症 と 呼 ばれることがあります それに 類 するものとは 基 本 的 に 上 に 挙 げた 自 閉 症 の 状 態 に 類 似 する 障 害 をいいます 例 えば 高 機 能 自 閉 症 と 同 様 の 行 動 特 性 を 有 しますが 言 葉 の 発 達 の 遅 れが 目 立 たないアスペ ルガー 症 候 群 があります 2 自 閉 症 の 特 性 (1) 状 態 の 把 握 自 閉 症 は 以 下 のような 特 徴 によって 規 定 され 医 学 的 には 広 汎 性 発 達 障 害 に 含 まれる 障 害 です 人 への 反 応 やかかわりの 乏 しさなど 社 会 的 関 係 の 形 成 に 特 有 の 困 難 さがみられる 言 葉 の 発 達 に 遅 れや 問 題 がある 興 味 や 関 心 が 狭 く 遅 くとも3 歳 くらいまでに 症 状 が 現 れる これらの 特 徴 は 軽 い 程 度 から 極 めて 重 い 程 度 まで 見 られ 児 童 生 徒 個 々の 状 態 像 も 多 様 です また 多 くの 場 合 知 的 発 達 の 遅 れを 併 せ 有 しています. なお 自 閉 という 文 字 が 呼 称 に 使 われていることから 人 を 避 けて 自 分 の 殻 に 閉 じこも るというイメージをもたれやすく 極 端 な 引 っ 込 み 思 案 や 人 間 嫌 いなどと 混 同 されがちで すが 引 っ 込 み 思 案 などは 他 人 の 存 在 や 思 いを 強 く 意 識 しており 対 人 関 係 の 不 適 切 な 状 態 ですので 自 閉 症 ではないことに 留 意 する 必 要 があります 高 機 能 自 閉 症 アスペルガー 症 候 群 自 閉 症 の 中 で 知 的 発 達 の 遅 れがない 場 合 は 高 機 能 自 閉 症 と 呼 ばれています また 自 閉 症 に 類 似 するものにアスペルガー 症 候 群 があります アスペルガ- 症 候 群 は 知 的 発 達 及 び 言 語 発 達 の 遅 れには 問 題 がないのが 特 徴 です いずれも 脳 の 機 能 障 害 と 考 えられ ており 養 育 の 問 題 が 原 因 ではありません 特 に アスペルガ- 症 候 群 の 人 々は 幼 児 期 には 比 較 的 良 好 な 発 達 をするために 見 過 ごされ がちで 集 団 行 動 が 必 要 とされる 頃 に 問 題 となる 人 々です 彼 らは 集 団 に 入 れず 身 体 運 動 が 不 器 用 であったり 興 味 が 偏 っていたり 友 達 をほしがらなかったり 言 葉 をその 字 面 どお りに 受 け 取 ってしまい 比 喩 や 冗 談 を 理 解 できなかったりします また 人 が 考 えていること を 推 測 できない その 場 の 雰 囲 気 を 受 け 取 ることができない といった 特 徴 があります その ためにいじめにあったり 非 言 語 的 なコミュニケーションが 苦 手 なことから 周 りの 状 態 を 理 解 できないで 被 害 的 になったりして 二 次 的 な 適 応 障 害 が 出 てくることがあります 中 には 非 常 に 能 力 の 高 い 人 たちがいることも 知 られており 科 学 者 や 音 楽 家 などアスペルガ - 症 候 群 ではないかと 考 えられている 例 もあります 文 部 科 学 省 が 設 置 した 特 別 支 援 教 育 の 在 り 方 に 関 する 調 査 研 究 協 力 者 会 議 の 最 終 報 告 今 後 の 特 別 支 援 教 育 の 在 り 方 ( 平 成 15 年 3 月 )では アメリカ 合 衆 国 精 神 医 学 会 の 診 断 基 準 (DSM-Ⅳ)を 参 考 に 高 機 能 自 閉 症 の 定 義 判 断 基 準 の 試 案 を 示 しています 高 機 能 自 閉 症 とは 3 歳 位 までに 現 れ 1 他 人 との 社 会 的 関 係 の 形 成 の 困 難 さ 2 言 葉 の 発 達 の 遅 れ 3 興 味 や 関 心 が 狭 く 特 定 のものにこだわることを 特 徴 とする 行 動 の 障 害 である 自 閉 症 のうち 知 的 発 達 の 遅 れを 伴 わないものをいう また 中 枢 神 経 系 に 何 らかの 要 因 による 機 能 不 全 があると 推 定 される 本 定 義 は DSM-Ⅳを 参 考 にした アスペルガー 症 候 群 とは 知 的 発 達 の 遅 れを 伴 わず かつ 自 閉 症 の 特 徴 のうち 言 葉 の 発 達 の 遅 れを 伴 わ ないものである(DSM-Ⅳを 参 照 ) なお 高 機 能 自 閉 症 やアスペルガー 症 候 群 は 広 汎 性 発 達 障 害 (Pervasive Developmental Disorders PDDと 略 称 )に 分 類 されるものである(DSM-Ⅳを 参 照 ) ( 今 後 の 特 別 支 援 教 育 の 在 り 方 ( 最 終 報 告 ) より) - 180 -

(2) 原 因 自 閉 症 の 原 因 はまだ 明 らかではありませんが これまでの 研 究 からは 何 らかの 因 子 が 胎 児 期 から 生 後 の 早 い 時 期 までに 脳 の 機 能 の 一 部 に 影 響 を 及 ぼすと 考 えられています それは 知 的 発 達 の 遅 れや 一 部 にはてんかんや 脳 波 の 異 常 が 見 られるためです なお 男 子 に 多 い 傾 向 があり 以 前 は 原 因 として 親 子 関 係 の 不 全 を 重 視 する 考 えがあ りましたが 現 在 は 否 定 されています (3) 行 動 に 見 られる 特 徴 ア 対 人 関 係 視 線 が 合 わない 名 前 を 呼 んでも 振 り 向 かない 人 を 意 識 して 行 動 することや 人 に 働 きかけることが 見 られないなど 人 へのかかわりや 人 からの 働 きかけに 対 する 反 応 の 乏 しさが 幼 児 期 に 見 られます しかし 障 害 の 程 度 にもよりますが 周 囲 の 適 切 なかかわりによって 対 人 関 係 は 少 しずつ 芽 生 えてきます しかし 未 熟 さが 残 ることが 多 くあります イ 言 語 自 閉 症 が 重 度 であれば 言 語 の 獲 得 は 困 難 であり わずかな 表 出 言 語 があっても 意 思 の 伝 達 に 活 用 するまでには 至 らないことが 多 くあります また 一 方 では 知 的 機 能 に 遅 れがない 場 合 は 一 見 しただけでは 障 害 があることが 分 からないほど 話 すこと ができる 者 もいます 言 葉 の 発 達 は 単 に 遅 れがちというだけでなく 特 異 な 使 用 があります 例 えば 言 葉 の 出 始 めでは 即 時 反 響 言 語 (エコラリア/おうむ 返 し) 遅 延 反 響 音 ( 聞 き 覚 えの 機 械 的 繰 り 返 し) あるいは 独 り 言 が 多 くあります それらは 伝 達 機 能 をもちませんが 徐 々に 伝 達 機 能 をもつ 言 葉 に 育 ち 始 めます その 段 階 では その 子 どもの 特 性 をよく 理 解 する 者 は それの 言 葉 のもつ 意 味 が 適 切 に 理 解 できる 場 合 があります 言 葉 が 伝 達 機 能 をもちはじめると 例 えば ジュースが 欲 しくなると ジュース ほしいの? と 他 者 からの 質 問 と 同 じようなイントネーションで 話 したり また クレ ヨンで 絵 を 描 いたときに 教 師 に じょうずね と 褒 められたことがあると 後 日 クレ ヨンを 使 いたいときには じょうず じょうず と 訴 えたりすることが 見 られ 機 能 性 を 帯 びてきます しかし 言 葉 を 生 活 に 円 滑 に 活 用 するには 次 のような 課 題 があります (ア) 特 定 の 事 物 の 名 称 や 文 字 ( 漢 字 を 含 む)などを 機 械 的 に 記 憶 することは 速 いが 抽 象 概 念 の 形 成 因 果 関 係 の 理 解 また 同 一 の 言 葉 でも 文 脈 や 状 況 によって 意 味 が 変 化 することなどの 理 解 が 困 難 である (イ) 獲 得 した 言 葉 が 活 用 されにくい (ウ) 身 振 りなどの 伝 達 手 段 の 理 解 と 活 用 が 不 得 手 で 例 えば 指 差 す うなずくなどが 使 えず また 感 情 が 表 情 に 現 れにくい ウ 同 一 性 への 固 執 同 一 性 への 固 執 は いわゆるこだわりとして 現 れ 長 期 にわたり 持 続 しがちで こだ わりの 対 象 は 新 たに 別 のものに 変 わっていく 傾 向 があります こだわりの 現 れ 方 として は 次 のようなものがあります (ア)ある 行 動 を 同 一 のパターンで 繰 り 返 すことが 日 常 生 活 の 様 々な 場 面 で 見 られる 例 えば ごく 単 純 な 動 作 仕 草 あるいは 遊 びを 飽 くことなく 繰 り 返 すことがある また 日 常 生 活 や 遊 びなどの 活 動 に 手 順 を 定 め その 順 番 を 変 えないことがある その 手 順 は 儀 式 的 で 合 理 的 でないことも 多 く その 一 連 の 活 動 が 円 滑 になされないよ うな 状 態 になっても 順 番 通 りに 遂 行 しないと 気 が 済 まないような 状 態 が 見 られる また 食 事 の 際 にも 特 定 の 食 器 のみを 使 う 特 定 の 場 所 のみで 食 べる 特 定 の 順 序 や 食 べ 方 を 決 めて それに 極 端 に 固 執 することなどがある (イ) 環 境 の 変 化 に 適 応 できないことである 例 えば 学 校 の 日 課 が 急 に 変 わると 適 切 に 対 応 することができず 著 しく 動 揺 することも 見 られ 入 学 や 進 級 転 居 などでも その 変 化 には 想 像 を 超 えた 苦 痛 を 伴 うことがある (ウ) 特 定 の 事 物 に 興 味 と 関 心 が 集 中 することである 例 えば 漢 字 カレンダー 乗 り 物 など あるいは 描 画 などが 対 象 となる そうした 特 定 の 事 物 への 興 味 関 心 が 何 年 - 181 -

も 続 き それに 関 する 多 量 の 知 識 や 高 い 技 能 を 驚 くほど 身 に 付 ける 場 合 がある 知 的 発 達 が 遅 れている 場 合 は 感 触 や 身 体 運 動 感 覚 嗅 覚 などを 媒 介 とする 自 己 刺 激 に 興 味 関 心 が 集 中 することもある また 例 えば わずかに 開 いている 窓 を 閉 める わ ずかに 傾 いている 掲 示 物 を 直 すなどのこだわりを 示 す 者 もいる エ その 他 の 特 性 以 下 の 行 動 は 他 の 障 害 のある 児 童 生 徒 にも 見 られますが 自 閉 症 の 場 合 比 較 的 顕 著 ですので 概 要 を 述 べます (ア) 感 覚 刺 激 への 特 異 な 反 応 ある 種 の 刺 激 に 特 異 的 に 興 味 を 示 す 反 面 別 の 刺 激 には 極 端 な 恐 怖 を 示 すことが あります このような 反 応 を 引 き 起 こす 刺 激 の 性 質 には 一 貫 した 特 徴 は 認 められませんが 例 えば 低 周 波 律 動 音 ( 空 調 機 器 エレベーター) きらきらと 光 るもの( 銀 紙 セ ロファン)などが 好 まれる 対 象 となる 場 合 があります また 種 々の 感 覚 を 同 時 に 処 理 することが 不 得 手 であり 例 えば 姿 勢 を 制 御 することに 意 識 が 集 中 し その 他 の 働 きかけには 注 意 を 向 けられないなどがあるとされています (イ) 食 生 活 の 偏 り 極 端 な 偏 食 があり ほんの 数 種 類 の 食 物 だけで 他 は 一 切 受 け 付 けないという 状 態 が 何 年 も 続 くことがあります 偏 食 については 低 年 齢 段 階 によく 見 られますが 適 切 な 指 導 により 改 善 されることが 多 くあります (ウ) 自 傷 等 混 乱 欲 求 不 満 脅 威 等 に 対 して 自 傷 等 の 行 動 をとることがあります 自 傷 につ いては 例 えば 頭 や 顔 を 自 分 で 殴 打 する 壁 に 打 ち 付 ける あるいは 指 を 噛 むなど の 行 動 がありますが それが 激 しい 場 合 は 負 傷 することもあるので 軽 視 してはなりま せん そのような 行 動 の 理 由 は 推 察 できない 場 合 もありますが 周 囲 の 対 応 がその 行 動 を 強 化 している 場 合 もあることに 注 意 を 要 します また 本 人 にとって 耐 えられない 音 刺 激 を 手 などで 耳 をふさいで 遮 断 しようとする 行 動 がありますが やがて 音 刺 激 とは 無 関 係 に 嫌 悪 状 況 に 対 する 回 避 や 防 衛 反 応 とし ての 意 味 を 帯 びてくる 場 合 が 多 くあります 一 般 に 自 閉 症 の 子 どもは 状 況 の 変 化 に 対 応 する 力 に 乏 しいので 心 理 的 な 混 乱 や 不 安 に 陥 りやすく さらに 窮 地 に 陥 っていることに 対 して 援 助 が 必 要 であるこ とを 理 解 することが 重 要 です - 182 -