< 対 象 と 方 法 > Lateral intercondylar ridge の 肉 眼 的 観 察 348 の 大 腿 骨 標 本 から 大 腿 骨 遠 位 部 の 損 傷 により 30 標 本 を 除 外 した 318 標 本 を 対 象 とした LIR 有 無 を 確 認 し LIR が



Similar documents
佐渡市都市計画区域の見直し

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

第4回税制調査会 総4-1

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

Microsoft PowerPoint - 総合型DB資料_県版基金説明用.pptx

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

Microsoft Word - 建築基準法第42条第2項道路後退整備のあらまし

<4D F736F F D AC90D1955D92E CC82CC895E DD8C D2816A2E646F63>

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

3 圏 域 では 県 北 沿 岸 で2の 傾 向 を 強 く 見 てとることができます 4 近 年 は 分 配 及 び 人 口 が 減 少 している 市 町 村 が 多 くなっているため 所 得 の 増 加 要 因 を 考 える 場 合 は 人 口 減 少 による 影 響 についても 考 慮 する

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

Contents 第 1 章 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 1 指 定 の 意 義 メリット 1 指 定 の 対 象 は? 2 対 象 となる 事 業 2 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 までの 流 れ 3

1 狭 あい 道 路 等 整 備 事 業 について 1-1 はじめに 私 たちが 安 心 して 安 全 に 暮 らしていくうえで, 道 は 重 要 な 役 割 を 担 っています しかし, 道 が 狭 いと, 日 照 通 風 等 の 確 保 が 難 しいといった 住 環 境 の 面 だけでなく, 災

財政再計算結果_色変更.indd

現 行 工 業 地 域 準 工 業 地 域 商 業 地 域 近 隣 商 業 地 域 改 正 後 準 工 業 地 域 ( 特 別 業 務 地 区 ( 第 2 種 ) 及 び 指 定 集 積 区 域 を 除 く) 近 隣 商 業 地 域 2 / 7

目 標 を 達 成 するための 指 標 第 4 章 計 画 における 環 境 施 策 世 界 遺 産 への 登 録 早 期 登 録 の 実 現 史 跡 の 公 有 地 化 平 成 27 年 度 (2015 年 度 )までに 235,022.30m 2 施 策 の 体 系 1 歴 史 的 遺 産 とこ

Microsoft Word - 表紙(正)

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

No. 1 Ⅰ. 緒 言 下 顎 枝 矢 状 分 割 術 (Sagittal split ramus osteotomy:ssro)は 下 顎 の 骨 格 的 位 置 異 常 に 広 く 適 用 される 顎 矯 正 手 術 の 一 つである SSRO は 多 様 な 骨 片 固 定 法 が 用 いら

(1) 社 会 保 険 等 未 加 入 建 設 業 者 の 確 認 方 法 等 受 注 者 から 提 出 される 施 工 体 制 台 帳 及 び 添 付 書 類 により 確 認 を 行 います (2) 違 反 した 受 注 者 へのペナルティー 違 反 した 受 注 者 に 対 しては 下 記 のペ

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

平成19年9月改定

Microsoft Word - 「平成28年(2016年)熊本地震」_20号.docx

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

12 大 都 市 の 人 口 と 従 業 者 数 12 大 都 市 は 全 国 の 人 口 の 約 2 割 従 業 者 数 の 約 3 割 を 占 める 12 大 都 市 の 事 業 所 数 従 業 者 数 及 び 人 口 は 表 1 のとおりです これらの 12 大 都 市 を 合 わせると 全

一 方 でも 自 分 から 医 師 に 症 状 の 変 化 について 伝 えている 割 合 は シーズン 前 では 満 足 な と 同 じ %でしたが シーズン 開 始 直 後 から 高 くなり シーズン 後 半 では の 31%を 上 回 り 42%となっています (グラフ 3) ギャップ 3:

< F2D D D837C815B B8EC08E7B97768D80>

2 出 願 資 格 審 査 前 記 1の 出 願 資 格 (5) 又 は(6) により 出 願 を 希 望 する 者 には, 出 願 に 先 立 ち 出 願 資 格 審 査 を 行 いますので, 次 の 書 類 を 以 下 の 期 間 に 岡 山 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 等

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

大田市固定資産台帳整備業務(プロポーザル審査要項)

様式(補助金)

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

測量士補 重要事項「写真地図作成」

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

市街化調整区域における地区計画の

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

本 校 の 沿 革 昭 和 21 年 昭 和 49 年 昭 和 54 年 昭 和 60 年 平 成 9 年 平 成 11 年 平 成 18 年 北 海 道 庁 立 農 業 講 習 所 として 発 足 北 海 道 立 農 業 大 学 校 に 改 組 修 業 年 限 を1 年 制 から2 年 制 に 改

H28記入説明書(納付金・調整金)8

<4D F736F F D20819C B78AFA95DB91538C7689E68DEC90AC289

加 算 税 制 度 の 見 直 し 等 1. 現 行 制 度 の 概 要 関 税 においては 国 税 ( 輸 入 貨 物 に 対 する 内 国 消 費 税 を 含 む 以 下 同 じ ) の 制 度 と 同 様 の 過 少 申 告 加 算 税 無 申 告 加 算 税 及 び 重 加 算 税 の 制

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%

39_1

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

準 工 業 工 業 環 境 の 悪 化 をもたらすおそれのない 工 業 の 利 便 の 増 進 を 図 る 工 業 の 利 便 の 増 進 を 図 る 計 画 書 ( 平 成 19 年 11 月 13 日 第 583 号 ) 種 類 面 積 建 築 物 の 容 積 率 建 築 物 の 建 ぺい 率

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

年 8 月 期 1 都 3 県 賃 貸 住 宅 指 標 東 京 都 空 室 率 TVIは 東 京 都 が 前 月 比 0.07 前 年 同 月 比 0.35 東 京 23 区 が 前 月 比 0.07 前 年 同 月 比 0.20 東 京 市 部 が 前 月 比 0.06 前 年 同

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

(Microsoft Word - \220\305\220\247\211\374\220\263.doc)

Box-Jenkinsの方法

スライド 1

 

1

Microsoft Word - H28第2回瀬戸内海シラス予報(確定版)

樫本、芝野

Microsoft PowerPoint - ガリレオ衛星観測例.ppt

給 与 所 得 控 除 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え 360 万 円 以 下 の 場 合 360 万 円 を 超 え 660 万 円 以 下 の 場 合

(1)1オールゼロ 記 録 ケース 厚 生 年 金 期 間 A B 及 びCに 係 る 旧 厚 生 年 金 保 険 法 の 老 齢 年 金 ( 以 下 旧 厚 老 という )の 受 給 者 に 時 効 特 例 法 施 行 後 厚 生 年 金 期 間 Dが 判 明 した Bは 事 業 所 記 号 が

トランシットの誤差と消去法

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

目 次 事 例 法 別 5 法 別 5 70 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 誕 生 が 昭 和 9 年 月 以 降 の 者 3 法 別 5 70 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 特 例 措 置 対 象 者 法 別 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 特 例 措 置

Speed突破!Premium問題集 基本書サンプル

< F2D91E A4A94AD8D7388D782CC8B9689C22E6A7464>

平成24年度 業務概況書

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

萩 市 立 小 中 学 校 施 設 耐 震 化 計 画 はじめに 平 成 7 年 1 月 の 阪 神 淡 路 大 震 災 以 後 近 年 まで 全 国 的 に 大 規 模 な 地 震 が 発 生 しており 公 共 施 設 の 耐 震 性 の 確 保 が 改 めて 重 要 視 されている このような

PowerPoint プレゼンテーション

大 阪 福 岡 鹿 児 島 前 頁 からの 続 き 35

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

<4D F736F F D208FE DC926E8BE6926E8BE68C7689E681408C7689E68F912E646F63>

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

< F2D8ED089EF95DB8CAF939996A289C193FC91CE8DF42E6A7464>

Microsoft Word - H27概要版

< F2D A C5817A C495B6817A>

Microsoft Word - 表紙.doc


Taro13-01_表紙目次.jtd

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

Microsoft Word - A04◆/P doc

平成22年12月27日

Microsoft Word - 新提案書作成・審査要領、提案書作成様式(別添3,4)

Q5 育 児 休 業 を 請 求 する 際 の 事 務 手 続 は? A5 育 児 休 業 を 請 求 しようとする 職 員 は, 育 児 休 業 承 認 請 求 書 ( 様 式 第 1 号 )に 子 の 氏 名 や 請 求 する 期 間 等 を 記 入 し, 育 児 休 業 を 始 めようとする1

市街化区域と市街化調整区域との区分

年 3 月 期 1 都 3 県 賃 貸 住 宅 指 標 東 京 都 全 域 23 区 市 部 2015 年 5 月 28 日 発 行 空 室 率 TVI(ポイント) 募 集 期 間 (ヶ 月 )


守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

Transcription:

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨 論 文 提 出 者 氏 名 塚 田 幸 行 論 文 審 査 担 当 者 主 査 宗 田 大 副 査 星 治 森 田 定 雄 論 文 題 目 Anatomic variations of the lateral intercondylar ridge: Relationship to the anterior margin of the anterior cruciate ligament. ( 論 文 内 容 の 要 旨 ) < 要 旨 > Lateral intercondylar ridge (LIR)は その 近 位 部 では 前 十 字 靭 帯 (ACL)の 前 縁 に 一 致 する とされ ACL 再 建 術 の 指 標 として 重 視 されてきた しかし LIR の 遠 位 部 の 解 剖 や LIR の 解 剖 学 的 多 様 性 については 十 分 に 調 査 されていない 318 の 大 腿 骨 さらし 骨 標 本 の 測 定 を 行 い 遠 位 部 を 含 めた LIR の 調 査 を 行 った さらに ACL が 付 着 した 状 態 の 20 膝 に 対 して ACL 前 縁 をマーキン グした 状 態 でマイクロ CT を 撮 影 し LIR と ACL 前 縁 の 位 置 関 係 を 調 査 した LIR は 94.0 %の 大 腿 骨 さらし 骨 標 本 で 同 定 可 能 だった LIR の 長 さが 顆 間 窩 全 長 の 半 分 に 満 たないものが 18.4 % 存 在 した LIR が 過 度 に 前 方 に 位 置 するものが 8.8 % 過 度 に 後 方 に 位 置 するものが 8.5 % 存 在 した LIR は 近 位 部 では ACL 前 縁 と 一 致 したが LIR の 中 央 部 と 遠 位 部 において ACL の 前 縁 は LIR よりも 前 方 に 位 置 していた LIR と ACL 前 縁 が 最 も 離 れている 部 での 距 離 は 平 均 4.2mm であった LIR には 解 剖 学 的 多 様 性 が 存 在 し 特 に LIR の 遠 位 部 で 顕 著 であった ACL 再 建 術 における 指 標 とし ての LIR の 有 用 性 は 特 に 遠 位 部 では 制 限 される < 序 論 > 大 腿 骨 顆 間 窩 の 外 側 壁 には 骨 性 の 隆 起 が 存 在 し 経 験 の 浅 い 外 科 医 によって 顆 間 窩 の 後 縁 と 誤 認 されやすいことから resident s ridge と 呼 ばれている Resident s ridge は 一 重 束 前 十 字 靭 帯 (ACL) 再 建 術 における 大 腿 骨 孔 を 適 切 な 位 置 に 作 成 する 際 の 指 標 とされてきた Farrow らは 200 の 大 腿 骨 において 大 腿 骨 外 顆 全 体 の 骨 形 態 の 調 査 を 行 い 97 %の 骨 において 隆 起 が 存 在 することを 報 告 した 彼 らはそれを lateral intercondylar ridge(lir)と 新 たに 命 名 した こ れまでの 研 究 は 主 に LIR の 近 位 部 ( 顆 間 天 井 に 近 い 部 )のみを 調 査 しており LIR の 中 央 部 や 遠 位 部 ( 関 節 軟 骨 に 近 い 部 )について 十 分 な 調 査 はされていない 近 年 ひろく 行 われるようになっ た 解 剖 学 的 一 重 束 ACL 再 建 術 や 二 重 束 ACL 再 建 術 においても LIR が 骨 性 指 標 として 使 用 されてい るが これが 本 当 に 指 標 となりうるかを 検 証 する 必 要 がある 本 研 究 の 目 的 は LIR の 解 剖 学 的 多 様 性 の 有 無 を 調 査 すること LIR の 近 位 部 のみならず 遠 位 部 も 含 めて ACL 前 縁 との 位 置 関 係 を 調 査 することである - 1 -

< 対 象 と 方 法 > Lateral intercondylar ridge の 肉 眼 的 観 察 348 の 大 腿 骨 標 本 から 大 腿 骨 遠 位 部 の 損 傷 により 30 標 本 を 除 外 した 318 標 本 を 対 象 とした LIR 有 無 を 確 認 し LIR が 同 定 された 場 合 その 長 さを 計 測 した LIR の 長 さ(h R in Figure 1C) と 顆 間 窩 の 高 さ(h in Figure 1C)の 比 を Length-height ratio と 定 義 し 算 出 した 顆 間 天 井 と LIR のなす 角 度 を 測 定 するために 我 々は Rooftop line を 新 しい 参 照 線 として 定 義 した Rooftop line は 顆 間 窩 の 入 口 部 と Resident s ridge とを 結 んだ 線 である(Figure 1A, 1B) Rooftop line と Rooftop line に 平 行 な 関 節 軟 骨 を 通 る 線 との 距 離 を 顆 間 窩 の 高 さと 定 義 した LIR と Rooftop line のなす 角 度 を Roof-ridge angle と 定 義 し 角 度 計 で 測 定 した(θ in Figure 1B, 1C) さ らに 顆 間 天 井 の 入 口 部 から LIR の 最 近 位 部 までの 距 離 (a in Figure 1C)を 測 定 した マイクロ CT を 用 いた Lateral intercondylar ridge と 前 十 字 靭 帯 前 縁 の 位 置 関 係 の 解 析 解 剖 実 習 体 の 20 膝 を 用 いてマイクロ CT を 使 用 した 解 析 を 行 った それぞれの 膝 で ACL を 除 いたすべての 軟 部 組 織 を 除 去 した 大 腿 骨 外 顆 の 内 側 壁 を 観 察 するために 大 腿 骨 内 顆 を 切 除 し た(Figure 2A) レントゲン 非 透 過 性 のシリコンチューブを ACL の 前 縁 に 置 いた(Figure 2B, 2C) この 状 態 でマイクロ CT(inspeXio smx-100ct; 島 津 製 作 所, 京 都 )を 撮 影 し 3D モデルを 作 成 し た(Figure 3A) LIR と ACL 前 縁 の 位 置 関 係 の 解 析 のため 顆 間 天 井 に 平 行 な 断 面 での 大 腿 骨 顆 部 の 2D 断 面 像 を 構 築 した(Figure 3B) Rooftop line に 平 行 な 5 本 の 線 を 引 き それらを Line 1, 2, 3, 4, 5 とした(Figure 4) LIR の 最 近 位 部 line 2 と 3 の 線 上 LIR の 最 遠 位 部 において 2D 断 面 像 の 画 面 におけるマーカーと LIR の 距 離 を 測 定 した この 距 離 を Marker-ridge distance として 定 義 した Marker-ridge distance が 最 大 となる 位 置 でも 計 測 を 行 った < 結 果 > Lateral intercondylar ridge の 肉 眼 的 観 察 測 定 結 果 を 表 1 に 示 す LIR は 318 の 大 腿 骨 のうち 299(94.0 %)で 同 定 された(Figure 5A) そのうち 288 の 大 腿 骨 (96.3%)において 1 本 の LIR が 存 在 した 10 の 大 腿 骨 (3.3 %)では 2 本 の LIR が 見 られ(Figure 5C) 1 つの 大 腿 骨 (0.3 %)においては 3 本 の LIR が 見 られた LIR の 長 さは 平 均 18.5mm であり 3.2 から 23.2 mm までと 幅 があった Length-height ratio が 50 % 以 上 (LIR の 長 さが 顆 間 窩 の 高 さの 50 % 以 上 )のものは 81.6 %であり 18.4 %は 50 % 未 満 だった(Figure 5D) length-height ratio は 男 性 で 平 均 69.9 % 女 性 で 平 均 63.6 %であり 男 女 間 で 有 意 差 が 存 在 した(P = 0.0028) Roof-ridge angle の 測 定 値 は 40 度 から 110 度 までと 多 様 であった(Figure 6) 28 膝 において (8.8 %) roof-ridge angle は 60 度 未 満 であり 大 腿 骨 顆 部 表 面 において 過 度 に 前 方 に 位 置 し ていた(Figure 5E) 27 膝 (8.5 %)において roof-ridge angle は 90 度 以 上 であり 過 度 に 後 方 に 位 置 していた(Figure 5F) 顆 間 天 井 の 入 口 部 から LIR の 近 位 部 までの 距 離 は 19.2±2.6 mm であり この 距 離 は 男 性 19.9-2 -

mm 女 性 17.9 mm であり 男 女 間 で 有 意 差 が 存 在 した(P < 0.0001) マイクロ CT を 用 いた Lateral intercondylar ridge と 前 十 字 靭 帯 前 縁 の 位 置 関 係 の 解 析 20 膝 のうち 14 膝 において LIR は 関 節 軟 骨 との 境 界 部 に 到 達 するまでの 十 分 な 長 さがあった (Figure 7A) 残 りの 6 膝 では LIR は 短 く 関 節 軟 骨 との 境 界 部 までに 到 達 しなかった(Figure 7B) Marker-ridge distance の 計 測 値 を 表 2 に 示 す 全 ての 膝 で LIR の 近 位 部 はマーカーの 位 置 と ほぼ 一 致 した すなわち LIR と ACL の 前 縁 は 近 接 していた しかし LIR の 中 央 部 と 遠 位 部 では LIR とマーカーとは 一 致 しなかった 20 膝 のうち 15 膝 において マーカーが 示 す ACL の 前 縁 は 直 線 状 だった(Figure 8A) 残 りの 5 膝 では マーカーが 示 す ACL の 前 縁 は 弧 状 であった(Figure 8B) ACL の 付 着 部 の 前 縁 は 20 膝 全 てにおいて LIR の 前 方 に 位 置 しており(Figure 8) Marker-ridge distance の 最 大 値 は 平 均 4.2 mm であった < 考 察 > LIR には 大 きな 解 剖 学 的 多 様 性 が 存 在 した 多 様 性 は 特 に LIR の 遠 位 部 分 で 大 きかった また LIR の 解 剖 は 男 女 間 で 統 計 学 的 に 有 意 な 測 定 値 の 差 が 見 られた さらに LIR の 近 位 部 は ACL の 前 縁 とよく 一 致 するものの LIR の 中 央 部 と 遠 位 部 では ACL の 前 縁 は LIR の 前 方 に 位 置 していた Length-height ratio と 顆 間 窩 の 入 口 部 から LIR 近 位 部 までの 距 離 は 男 性 で 女 性 よりも 有 意 に 大 きかった LIR に 男 女 差 が 存 在 することを 理 解 しておくことは 科 学 的 に 重 要 なことである しかしながら この 差 の 絶 対 値 は ACL 再 建 術 において 性 別 によって 手 術 手 技 を 変 更 する 必 要 があ るほどまでは 大 きくないと 考 えられる 過 去 の LIR と ACL 付 着 部 を 評 価 した 研 究 では ACL を 除 去 した 後 に LIR の 位 置 を 確 認 する も しくはマーカーを 置 かずに CT を 撮 影 し 画 面 上 で CT 値 のみを 調 整 して 位 置 関 係 を 調 査 する と いった 手 法 がとられていた これらでは ACL 前 縁 と LIR を 同 時 に 可 視 化 することができず 評 価 が 不 正 確 になりうる LIR が 良 好 に 描 出 されるマイクロ CT を 用 い さらに 肉 眼 的 に ACL 前 縁 にマ ーカーを 置 くことによって 本 研 究 では LIR と ACL 付 着 部 を 同 時 に 可 視 化 して 評 価 することがで きた 過 去 の 研 究 が 報 告 するように 従 来 型 の 一 重 束 ACL 再 建 術 において LIR は 骨 性 指 標 になりうる しかし LIR の 近 位 部 ですら 解 剖 学 的 多 様 性 は 大 きいことを 外 科 医 は 心 に 留 めておく 必 要 がある 解 剖 学 的 一 重 束 ACL 再 建 術 や 二 重 束 ACL 再 建 術 では LIR の 遠 位 部 を 参 照 するため LIR の 骨 性 指 標 としての 有 用 性 はより 制 限 される < 結 論 > LIR の 位 置 と 形 状 には 大 きな 解 剖 学 的 多 様 性 が 存 在 する LIR の 解 剖 には 男 女 差 がある LIR は 近 位 部 では ACL 前 縁 のよい 指 標 となるが 遠 位 部 ではならない - 3 -

論 文 審 査 の 要 旨 および 担 当 者 報 告 番 号 甲 第 4746 号 塚 田 幸 行 論 文 審 査 担 当 者 主 査 宗 田 大 副 査 星 治 森 田 定 雄 ( 論 文 審 査 の 要 旨 ) 1. 論 文 内 容 本 論 文 は 前 十 字 靭 帯 (ACL)の 大 腿 骨 付 着 部 の 前 縁 に 一 致 すると 考 えられてきた Lateral intercondylar ridge(lir)の 解 剖 についての 論 文 である 2. 論 文 審 査 1) 研 究 目 的 の 先 駆 性 独 創 性 近 年 広 く 用 いられるようになった 解 剖 学 的 二 重 束 ACL 再 建 術 では LIR の 全 長 にわたる 詳 細 な 解 剖 学 的 知 識 が 必 要 である このような 背 景 の 下 申 請 者 は 晒 骨 標 本 の 肉 眼 的 解 剖 と 解 剖 実 習 体 の 靭 帯 肉 眼 所 見 と Micro-CT を 組 み 合 わせ 評 価 した その 着 眼 点 は 評 価 に 値 する 2) 社 会 的 意 義 本 研 究 で 得 られた 主 な 結 果 は 以 下 の 通 りである 1.LIR は 解 剖 学 的 多 様 性 が 大 きく 個 体 差 が 存 在 する 2.LIR は 従 来 型 ACL 再 建 術 で 参 照 されていた 部 位 ( 近 位 部 )では ACL 前 縁 に 一 致 し 大 腿 骨 孔 の 指 標 となるが 解 剖 学 的 二 重 束 再 建 で 参 照 されるようになった 部 位 ( 遠 位 部 )では ACL 前 縁 には 一 致 しない これは ACL 手 術 に 極 めて 有 用 な 研 究 成 果 である 3) 研 究 方 法 倫 理 観 晒 骨 標 本 の 研 究 はタイ 王 国 チェンマイ 大 学 との 共 同 研 究 であり 同 大 学 で 行 われた LIR の 位 置 長 さの 計 測 を 行 い これらに 個 体 差 が 存 在 することを 示 した 解 剖 実 習 体 を 用 いた Micro-CT の 研 究 は 東 京 医 科 歯 科 大 学 で 行 われ LIR と ACL の 位 置 関 係 の 解 析 を 行 った LIR は 近 位 部 では ACL 前 縁 と 一 致 するが 遠 位 では 一 致 しないことを 示 した これらの 研 究 は 申 請 者 の 研 究 方 法 に 対 する 知 識 と 技 術 力 が 十 分 に 高 いことが 示 されると 同 時 に 本 研 究 が 周 到 な 準 備 の 上 に 行 われてきたことが 窺 われる 4) 考 察 今 後 の 発 展 性 さらに 申 請 者 は 本 研 究 結 果 について ACL 前 縁 と LIR 遠 位 部 には 従 来 考 えられていた 位 置 関 係 が 無 く また LIR には 個 人 差 があることから LIR 遠 位 部 を ACL 再 建 術 の 指 標 とする 場 合 には 注 意 が 必 要 であることを 示 している これは 新 しい 発 見 である 今 後 の 研 究 でさらに ACL と 骨 性 ランドマークの 関 係 が 明 らかになることが 期 待 される ( 1 )

3. 審 査 結 果 以 上 を 踏 まえ 本 論 文 は 博 士 ( 医 学 )の 申 請 をするのに 十 分 価 値 があると 認 められた ( 2 )