Title 研 究 ノート 子 どもの 権 利 の 国 際 標 準 化 とブラジ ル: 特 別 に 困 難 な 状 況 にある 子 どもたち の 支 援 の 制 度 化 過 程 を 中 心 に Author(s) 横 田, 香 穂 梨 Journal Encontros lusófonos, (16) Issue Date 2014-11-20 Type 紀 要 /Departmental Bulletin Paper Text Version 出 版 者 /publisher URL http://repository.cc.sophia.ac.jp/d 57 Rights
研 究 ノート 子 どもの 権 利 の 国 際 標 準 化 とブラジル 特 別 に 困 難 な 状 況 にある 子 どもたち の 支 援 の 制 度 化 過 程 を 中 心 に 横 田 香 穂 梨 はじめに 1989 年 に 採 択 された 国 連 子 どもの 権 利 条 約 (Convention on the Rights of the Child)は 国 際 社 会 が 開 発 途 上 国 で 暮 らす 貧 困 層 の 子 どもたちの 現 状 を 解 釈 し 問 題 解 決 に 取 り 組 むための 枠 組 み を 大 きく 変 えた 20 世 紀 初 頭 に 子 ども 救 済 (child saving) 運 動 のグローバル 化 が 生 じて 以 来 教 育 を 中 心 に 国 際 的 な 政 策 に 関 する 議 論 において 子 どもへの 関 心 は 高 まっていた(Bourdillon and Boyden 2012: 2) が 同 条 約 は 児 童 の 権 利 に 関 するジュネーブ 宣 言 (1924 年 )や 児 童 の 権 利 宣 言 (1959 年 )など 従 来 の 国 際 的 な 取 り 組 みにはない 画 期 的 な 特 徴 を 備 えていたからである 子 どもの 権 利 条 約 の 新 しさとは 第 一 に 子 どもたちの 基 本 的 なニーズを 権 利 として 位 置 づけ 人 種 肌 の 色 性 言 語 宗 教 政 治 的 意 見 そしてどの 国 のどの 社 会 階 層 に 生 まれたかに 関 係 なく いかなる 差 別 も 受 けず 普 遍 的 に 保 障 されるべきであるとした 点 である( 第 2 条 ) そして それを 実 現 するメカニズムとして 各 締 約 国 による 条 約 実 施 の 進 捗 状 況 をモニタリングするため 子 どもの 権 利 に 関 する 委 員 会 (Committee on the Rights of the Child)を 設 置 した( 第 43 条 ) 第 二 に 歴 史 的 に 大 人 による 救 済 や 慈 善 の 対 象 とみられてきた 子 どもを 権 利 主 体 と 位 置 づける 新 しい 子 ども 観 に 基 づき 社 会 的 文 化 的 権 利 市 民 的 政 治 的 権 利 さらには 特 別 な 保 護 を 受 ける 権 利 に 至 るまで 包 括 的 な 権 利 を 盛 り 込 んだ 点 である 第 三 に 条 約 全 体 を 通 して 子 どもの 権 利 実 現 に あたり 当 該 国 政 府 に 加 え 国 際 協 力 が 果 たすべき 役 割 の 重 要 性 を 明 記 した 点 である 本 稿 の 前 半 では 国 連 機 関 国 際 NGO 各 国 政 府 などによる 一 連 の 取 り 組 みを 通 して こうし た 特 徴 を 持 つ 同 条 約 がグローバルな 影 響 力 を 持 つに 至 り 子 どもの 権 利 を 擁 護 する 政 策 が 国 際 的 に 標 準 化 の 方 向 に 向 かっていることを 述 べる さらに 後 半 では その 進 展 と 課 題 を カルドー ゾ 政 権 の 成 立 (1995 年 ) 以 降 社 会 的 弱 者 を 対 象 とした 政 策 の 制 度 化 に 積 極 的 に 取 り 組 んできた ブラジルの 事 例 を 通 して 考 察 することにする 開 発 途 上 国 の 子 どもたちの 状 況 をめぐる 国 際 的 動 向 国 際 標 準 化 を 目 指 すのか? 子 どもの 権 利 条 約 は 世 界 最 多 の 締 約 国 地 域 (2014 年 7 月 現 在 アメリカ 合 衆 国 ソマリア 南 スーダンを 除 く 194)を 有 する 国 際 条 約 である 締 約 国 は 現 在 18 名 の 専 門 家 によって 構 成 さ れる 子 どもの 権 利 に 関 する 委 員 会 に 対 し 定 期 的 に 報 告 書 を 提 出 し 審 査 を 受 ける 義 務 を 負 う 1 こ 21
のことは 従 来 は 各 国 の 内 政 問 題 として 扱 われてきた 子 ども 問 題 や 政 策 が 同 一 の 国 際 的 な 基 準 に 照 らして 解 釈 され 評 価 や 改 善 のための 勧 告 を 受 ける 対 象 となったことを 象 徴 的 に 表 している 条 約 採 択 後 の 国 際 的 な 取 り 組 みが 進 展 する 上 で 追 い 風 となったのは 1990 年 代 以 降 の 国 際 開 発 の 新 しい 潮 流 である 国 連 は 1997 年 に 就 任 したアナン 事 務 総 長 ( 当 時 )の 下 で 人 権 主 流 化 を 掲 げ 人 権 基 盤 型 アプローチ(Human Rights Based Approach)による 活 動 の 効 率 化 に 取 り 組 ん だ これは 冷 戦 の 終 焉 という 国 際 情 勢 の 変 化 等 を 受 け 当 初 国 連 改 革 の 一 環 として 国 連 内 部 で 行 われ 発 展 したものだが 次 第 に 国 際 協 力 NGO や 二 国 間 援 助 機 関 にも 波 及 するようになったとい う すべての 活 動 を 人 権 という 視 点 から 捉 え 直 し 援 助 の 向 上 を 目 指 す 手 法 は 社 会 開 発 や 貧 困 削 減 を 重 視 する 動 向 と 結 びつき 人 権 の 基 準 と 原 則 を 用 いた 貧 困 分 析 も 行 われるようになった( 勝 間 2004; アジア 太 平 洋 人 権 情 報 センター 2008) さらに 従 来 から 子 ども 支 援 を 行 う 代 表 的 な 国 連 機 関 であった 国 連 児 童 基 金 ( 以 下 ユニセフ)が 子 どもの 権 利 条 約 採 択 後 活 動 の 使 命 の 再 定 義 や 組 織 改 革 を 行 う 中 で 子 どもの 権 利 を 推 進 することに 存 在 意 義 を 見 出 し 主 導 的 な 役 割 を 果 たすようになった( 勝 間 2004; 澤 1999) 条 約 が 謳 う 子 どもの 権 利 は 言 説 およびプロジェクト レベルでの 人 権 主 流 化 や 貧 困 削 減 への 関 心 の 高 まりと 結 びつくことによって それを 実 現 するた めの 政 策 の 標 準 化 に 弾 みがついたのである 第 一 に 各 国 の 子 どもの 権 利 保 障 の 状 況 に 関 するデータを 国 際 的 に 収 集 分 析 する 活 動 が 大 幅 に 拡 大 普 及 した 例 えば 国 連 ミレニアム サミットで 採 択 されたミレニアム 開 発 目 標 (Millennium Development Goals:2000 年 )は 2015 年 までの 到 達 目 標 を 定 めており 8 つの 目 標 のうち 6 つが 直 接 子 どもに 関 わる また 子 どもに 焦 点 を 当 てた 国 際 会 議 が 条 約 発 効 と 関 連 して 実 施 された 子 どものための 世 界 サミット(1990 年 ) 以 来 子 どものグローバル イシューや 政 策 分 野 別 で も 頻 繁 に 開 催 されるようになった こうした 会 議 では 期 限 付 きの 数 値 目 標 を 伴 う 宣 言 が 採 択 さ れ 各 国 が 進 捗 状 況 に 関 する 報 告 書 や 国 別 行 動 計 画 の 作 成 を 求 められるのが 一 般 的 である さら に ユニセフの 複 数 指 標 クラスター 調 査 (Multiple Indicator Cluster Survey: MICS) 2 や WHO( 世 界 保 健 機 関 )の 新 子 ども 発 育 基 準 (Child Growth Standard) 3 に 代 表 されるグローバルデータベース 構 築 に 向 けた 取 り 組 みがある これは 各 国 政 府 統 計 を 単 純 に 併 記 した 従 来 の 国 際 比 較 とは 異 なり 各 国 が それぞれの 機 関 が 標 準 化 した 手 法 や 形 式 に 基 づき 自 国 の 状 況 に 応 じてモジュールを 選 ん で 調 査 を 実 施 したり 結 果 を 登 録 公 開 したりすることが 可 能 な 双 方 向 的 な 性 格 を 持 つ 点 が 新 し い 特 徴 である さらに 近 年 の 傾 向 として データ 収 集 システムが 高 度 化 し データ 収 集 の 努 力 が データの 精 度 を 高 めて 国 毎 の 正 確 な 平 均 値 を 測 ることだけでなく より 多 面 的 なデータを 求 めることに 向 1. 最 初 の 報 告 書 は 発 効 後 2 年 以 内 その 後 は 5 年 ごとの 提 出 が 義 務 付 けられている 当 初 委 員 会 の 委 員 を 務 める 専 門 家 の 人 数 は 10 人 であったが 2002 年 に 18 人 に 改 正 された 委 員 を 選 出 するために 1991 年 以 来 これまでに 実 施 された 計 12 回 の 選 挙 では 現 任 期 (2013 年 3 月 ~ 2017 年 2 月 )を 含 む 計 8 回 にわたってブラジルの 専 門 家 が 選 出 されている 2. 子 どものための 世 界 サミット(1990 年 )において 首 脳 レベルで 合 意 された 国 際 目 標 の 達 成 状 況 を 計 測 する 手 段 として 開 発 された 1995 年 以 来 100 ヵ 国 を 超 える 国 で 実 施 されており 現 在 51 の 項 目 を 網 羅 した 第 5 回 目 の MICS5 が 進 行 中 で ある 例 えば 2000 年 の MICS2 では 新 たに FGM/C( 女 性 性 器 切 除 )や 障 害 のある 子 どもについての 質 問 が 組 み 込 まれた 3. 子 どもの 発 達 を 評 価 する 国 際 基 準 は 既 に 1970 年 代 後 半 から 存 在 したが サンプルはアメリカの 子 どもたちのデータのみで あった 2006 年 発 表 の 新 基 準 は 1997 年 に ブラジル ガーナ インド ノルウェー オマーンの 計 8000 人 以 上 の 子 ど もたちに 対 して 実 施 された WHO 調 査 のデータに 依 拠 している(WHO ホームページ) 22
けられており 子 ども 間 の 格 差 ( 性 別 人 種 宗 教 親 の 教 育 水 準 世 帯 収 入 農 村 / 都 市 や 地 域 格 差 という 居 住 地 その 他 の 要 因 による 格 差 )や 統 計 に 表 れにくい 子 どもたちの 実 態 を 把 握 することにより 敏 感 になっている 子 どもの 権 利 条 約 は 量 的 データに 世 界 の 子 どもの 権 利 実 現 の 程 度 を 計 るものさし という 機 能 を 与 え より 積 極 的 に 取 り 組 まれていることが 窺 える 子 どもの 貧 困 や 子 どもに 焦 点 を 当 てた 研 究 そのものも 増 えた(Bourdillon and Boyden 2012; Rosemberg 2010) 第 二 に 上 記 とも 関 連 するが 子 どもの 権 利 条 約 が 特 別 な 保 護 を 必 要 とする 子 どもたち に も 焦 点 を 当 てた 結 果 社 会 的 に 可 視 化 されておらず 声 をあげることができないために 見 過 ごさ れてきた より 大 きなリスクに 直 面 した 子 どもたちのサブグループ 4 を 発 見 し 統 計 や 専 門 的 な 支 援 政 策 に 組 み 込 む 国 際 的 な 努 力 が 加 速 した 点 である 1980 年 代 初 頭 最 も 社 会 的 に 排 除 され 子 ども 一 般 とは 異 なるニーズを 持 った 子 どもたちの 存 在 は ブラジルをはじめとするラテン アメリカのストリートチルドレンや 働 く 子 どもたちがきっかけとなって グローバルな 問 題 とし て 認 識 され 特 別 に 困 難 な 状 況 にある 子 ども(Children in Especially Difficult Circumstances) とし て 概 念 化 されている(Bromling 1997; UNICEF 2008) 子 どもの 権 利 条 約 は NGO の 主 張 が 強 く 反 映 された 条 約 のひとつである 条 約 の 起 草 過 程 にお いて 上 記 の 子 どもたちに 特 別 な 保 護 が 必 要 であると 最 初 に 訴 えたのは 国 際 NGO であり それが 実 り 条 約 で 専 門 的 な 支 援 体 制 の 整 備 が 謳 われた(Cantwell 1991: 18) その 後 は 児 童 労 働 や 子 ど もの 性 的 搾 取 などイシュー 別 の 世 界 会 議 の 開 催 国 連 事 務 総 長 による 国 連 子 どもに 対 する 暴 力 報 告 書 (2006 年 )などの 調 査 の 実 施 5 選 択 議 定 書 の 採 択 (2002 年 に 発 効 した 武 力 紛 争 におけ る 子 どもの 関 与 に 関 する 選 択 議 定 書 と 子 どもの 売 買 子 ども 買 春 および 子 どもポルノグラフィー に 関 する 選 択 議 定 書 など) より 多 くのイシューを 取 り 上 げて 実 態 調 査 を 行 い 政 策 アジェン ダに 載 せる 方 向 で 国 際 的 努 力 が 積 み 重 ねられてきた また 条 約 の 実 施 を 促 進 するために 示 され る 一 般 的 意 見 (general comments)や 子 どもの 権 利 に 関 する 委 員 会 が 開 催 する 一 般 的 討 議 (Days of general discussion)においても HIV / AIDS と 子 どもの 権 利 障 害 のある 子 ども 武 力 紛 争 にお ける 子 ども 親 のケアを 受 けていない 子 ども 等 特 別 なニーズをもつ 子 どもたちの 問 題 群 が 一 貫 して 取 り 上 げられてきた( 国 連 人 権 高 等 弁 務 官 事 務 所 英 語 版 ホームページ) その 結 果 これまで 長 年 にわたり 仕 方 のないこと とされてきた 児 童 労 働 や 子 どもに 対 す る 暴 力 と 認 識 されるようになった 児 童 婚 女 子 性 器 切 除 などの 伝 統 的 慣 習 を 子 どもの 権 利 侵 害 ととらえ 社 会 全 体 の 意 識 を 変 革 し 廃 絶 していこうとする 変 化 が 過 去 10 年 の 間 世 界 各 地 で 生 まれている( 甲 斐 田 2012:59) 特 別 な 困 難 を 抱 えた 子 どもの 保 護 は 子 どもへの 取 り 組 みを 世 界 レベルで 把 握 し 標 準 化 しようとする 方 向 に 向 かっている 4. こうした 姿 勢 は 例 えば ユニセフの 世 界 子 供 白 書 2014 年 版 ( 統 計 版 ) に 端 的 に 示 されている 5. 事 務 総 長 に 任 命 され この 報 告 書 を 取 りまとめたパウロ セルジオ ピニェイロ(Paulo Sérgio Pinheiro) 氏 は サンパウロ 大 学 やアメリカのブラウン 大 学 等 で 教 えるブラジルの 政 治 学 者 である 現 在 はシリアに 関 する 独 立 調 査 委 員 会 の 委 員 長 や ブラジルの 現 ルセフ 大 統 領 の 指 名 により 軍 事 政 権 期 の 人 権 侵 害 について 調 査 する 真 実 究 明 委 員 会 の 委 員 を 務 めるなど 国 内 外 の 人 権 に 関 わる 要 職 を 歴 任 している 23
ブラジルの 場 合 国 際 基 準 と 連 動 した 制 度 化 の 狭 間 で では 開 発 途 上 国 の 政 府 の 側 は こうした 変 化 にどのように 対 応 してきたのだろうか また 国 際 的 な 標 準 化 の 試 みは どのような 課 題 に 直 面 しているのだろうか 以 下 では ブラジルを 例 に 検 討 する 現 在 ミレニアム 開 発 目 標 の 期 限 (2015 年 )が 目 前 に 近 づき 各 国 で 達 成 の 見 込 みについての 評 価 が 行 われている ブラジルは 目 標 1 極 度 の 貧 困 と 飢 餓 の 撲 滅 を 既 に 前 倒 しして 達 成 し( 例 えば 指 標 のひとつ 1 日 1 ドル 以 下 で 暮 らす 人 口 の 割 合 は 1990 年 の 17,2% から 2009 年 の 6,1% に 減 少 した) 児 童 労 働 子 どもの 死 亡 率 や 青 少 年 の 妊 娠 なども 軒 並 み 減 少 した その 背 景 として 貧 困 対 策 や 社 会 福 祉 プログラムの 効 果 が 指 摘 されている ブラジル 政 府 が 子 どもの 権 利 委 員 会 に 提 出 した 第 4 回 報 告 書 でも 子 どもや 青 少 年 の 権 利 擁 護 促 進 をより 高 く 強 固 な 水 準 で 追 い 求 めるにあたり 実 質 な 進 展 (substantial progress)がみられる と 表 現 されるなど 成 果 をアピー ルするとともに 国 民 を 集 団 や 地 域 で 分 断 する 力 として 温 存 されている 社 会 政 治 経 済 文 化 的 な 障 壁 を 廃 絶 するため(Federative Republic of Brazil 2012: 5) 依 然 として 社 会 サービスから 取 り 残 され ている より 社 会 的 に 排 除 された 人 々の 支 援 に 取 り 組 む 決 意 が 示 されている ブラジルの 取 り 組 みが 評 価 されるポイントは 政 府 が 貧 困 削 減 や 児 童 労 働 その 他 の 社 会 的 保 護 の 政 策 貧 困 層 向 けの 教 育 や 保 健 政 策 の 重 要 性 を 認 識 し 法 律 や 政 策 として 実 施 している 点 や 関 連 する 統 計 データ 収 集 のシステム 化 が 地 域 レベルを 含 めて 比 較 的 進 んでいる 点 にある 子 ども の 権 利 実 現 を 目 指 すグローバルな 規 範 が 子 どもたちの 基 本 的 ニーズを 権 利 として 保 障 する 仕 組 みを まずは 当 該 国 家 の 社 会 政 策 として 制 度 化 することを 目 指 していると 理 解 するなら ブラジ ルという 国 は 政 策 として 制 度 化 することには 長 けているといえよう ブラジルは 1985 年 の 民 主 化 後 民 衆 参 加 を 前 提 とした 公 共 政 策 実 施 の 仕 組 みを 市 州 全 国 レベルの 評 議 会 (Conselho) として 各 分 野 各 イシューの 政 策 ごとに 制 度 化 し 確 立 してきたが 子 ども 政 策 に 関 しても 支 援 に 携 わる NGO に 加 え 子 ども 自 身 の 参 加 を 促 す 試 みが 発 展 を 続 けている 特 別 に 困 難 な 状 況 にある 子 どもに 対 する 保 護 は 1988 年 に 制 定 された 現 行 憲 法 で 権 利 として 概 念 化 された 後 発 展 した 1993 年 に 憲 法 の 理 念 を 具 体 化 するための 社 会 扶 助 基 本 法 (Lei Orgânica da Assistência Social:Lei nº 8.742)が 成 立 する その 後 2005 年 には 社 会 福 祉 分 野 の 施 策 を 体 系 化 した 統 一 社 会 扶 助 システム(Sistema Único de Assistência Social)が 策 定 され 特 別 社 会 保 護 (Proteção Social Especial)として 定 められた こうした 法 的 な 枠 組 みの 下 で 児 童 労 働 性 的 搾 取 ストリー トチルドレン など ブラジルの 子 どもたちの 様 々なイシューが 取 り 込 まれ 次 第 に 統 計 や 政 策 の 中 に 包 摂 され 支 援 サービスが 全 国 プラン(Plano Nacional)として 順 次 政 策 化 されてきた( 横 田 2013: 150) ブラジル 政 府 が 人 権 に 対 し 積 極 的 に 取 り 組 む 姿 勢 は そうすることが 歴 史 的 に 温 存 されてきた 貧 困 や 格 差 という 問 題 を 抱 えるブラジルという 国 家 の 存 立 にとって 不 可 欠 なものであるとの 認 識 に 基 づくものであり その 認 識 が 政 府 の 人 権 計 画 によって 公 的 に 表 明 されている 1996 年 には カルドーゾ 政 権 (Fernando Henrique Cardoso:1995~2002 年 )の 下 で 全 国 人 権 プログラム(Programa 24
Nacional de Direitos Humanos)が 策 定 され 目 標 や 行 動 計 画 が 明 記 された 6 国 家 レベルでの 人 権 プログラムの 策 定 は 世 界 では 三 番 目 第 三 世 界 では 初 めてのことであった さらに 2011 年 には 子 ども 分 野 の 人 権 行 動 計 画 が 断 片 的 に 扱 われてきた 子 どもの 政 策 議 論 を 子 ども 全 体 について 統 合 する 目 的 で 採 択 されている( 横 田 2013: 157) 国 連 を 中 心 とした 国 際 標 準 化 の 動 きを 取 り 込 み 積 極 的 に 連 動 させるブラジルの 姿 勢 は 国 連 子 どもの 権 利 条 約 (1989 年 採 択 )と 同 国 の 1988 年 憲 法 第 227 条 および 青 少 年 子 ども 法 (Estatuto da Criança e do Adolescente: 1990 年 制 定 )を 連 動 させた 子 どもの 包 括 的 保 護 (Proteção Integral)の 立 法 化 の 試 みに 始 まった ただし ブラジルが 国 際 的 な 動 向 に 連 動 しているといっても 単 に 受 動 的 に 追 随 しているわけではない そのひとつの 例 として 2003 年 に IPEA( 応 用 統 計 研 究 所 )に よって 実 施 された 児 童 保 護 施 設 についての 実 態 調 査 (IPEA 2003)がある 同 調 査 によって 民 主 化 後 の 新 しい 法 制 度 下 においても 子 どもたちの 施 設 収 容 を 他 の 全 ての 手 段 が 尽 くされた 後 の 最 終 手 段 としてのみ 認 める という 規 定 が 守 られておらず 貧 困 等 の 理 由 によって 安 易 に 行 われ ていることが 明 らかになった この 調 査 結 果 は ブラジル 国 内 で 大 きな 反 響 を 巻 き 起 こし 2006 年 の 家 族 と 地 域 社 会 での 共 同 生 活 に 関 する 全 国 計 画 (Plano Nacional de Convivência Familiar e Comunitária) の 採 択 につながった 国 内 での 政 策 化 を 実 現 したブラジル 政 府 は さらに 各 国 政 府 や NGO に 働 きかけを 行 い 国 連 での 子 どもたちの 代 替 的 養 護 についてのガイドライン(United Nations Guidelines on the Alternative Care of Children) が 採 択 され 家 族 のケアを 受 けられない 子 ど もたち(Children without parental care)に 国 際 的 な 関 心 が 向 けられるきっかけを 作 った ここで 注 目 したいのは ブラジル 国 内 において 様 々な 国 際 会 議 の 開 催 が 増 えている 点 である 2013 年 10 月 には 第 3 回 児 童 労 働 撲 滅 グローバル 会 議 (Ⅲ Global Conference on Child Labour)が ブラジリアで 開 催 された これは 1999 年 に 採 択 された ILO( 国 際 労 働 機 関 )の 第 182 号 条 約 最 悪 の 形 態 の 児 童 労 働 を 2016 年 までに 撤 廃 するという 国 際 目 標 のフォローアップを 目 的 と して 開 催 された 会 議 であるが 80 ヵ 国 から 450 人 以 上 の 参 加 者 を 得 た ブラジルでは 1992 年 から 2011 年 の 20 年 間 で 5 歳 から 17 歳 の 働 く 子 どもの 56%が 児 童 労 働 をやめたという 統 計 があ る(IBGE-PNAD) こうした 実 績 が 評 価 され 初 のヨーロッパ 以 外 の 地 域 での 開 催 となった ま た 2008 年 11 月 には 140 ヵ 国 の 政 府 代 表 300 人 以 上 の 子 どもや 青 少 年 を 含 む 計 3000 人 以 上 の 参 加 者 を 迎 え 第 3 回 子 どもの 性 的 搾 取 に 反 対 する 世 界 会 議 (World Congress III against Sexual Exploitation of Children)がリオ デ ジャネイロで 開 催 された この 他 社 会 福 祉 分 野 では ソーシャ ルワーク 専 門 職 の 国 際 連 盟 (International Federation of Social Workers)による 第 19 回 国 際 ソーシャ ルワーカー 連 盟 会 議 (2008 年 )や リハビリテーションの 実 施 研 究 機 関 や 障 害 当 事 者 障 害 者 の 権 利 擁 護 団 体 などが 加 盟 する RI(Rehabilitation International: 国 際 リハビリテーション)の 第 19 回 RI 世 界 会 議 (2000 年 )などが いずれも 初 めての 中 南 米 での 開 催 と 銘 打 ってリオ デ ジャ ネイロで 開 催 されている 社 会 政 策 や 社 会 開 発 分 野 において ブラジルの 存 在 感 が 増 している 6. その 後 2002 年 に 第 二 次 2009 年 に 第 三 次 プログラムが 策 定 されている 各 バージョンについては DHnet( 人 権 と 文 化 のネットワーク )のホームページ http://dhnet.org.br/dados/pp/pndh/index.html などでアクセスが 可 能 である 25
これには 実 績 をアピールしたいブラジル 側 の 思 惑 だけでなく 特 別 に 困 難 な 状 況 にある 子 どもたちを 保 護 するためには 国 際 的 な 取 り 組 みや 国 際 協 力 だけでは 不 十 分 であり 内 政 として 行 われる 締 約 国 の 政 策 こそ 肝 要 であるとの 観 点 から 新 興 福 祉 国 家 ブラジルの 社 会 政 策 への 期 待 が 込 められているのだろう ブラジルの 姿 勢 は 例 えば 2014 年 7 月 同 じラテンアメリカ 地 域 に 属 するボリビアの 国 会 が 条 件 付 きではあるものの 児 童 労 働 を 合 法 化 する 法 律 を 可 決 した 例 と 比 較 するとより 鮮 明 になる 児 童 労 働 は ILO の 第 138 号 条 約 ( 就 業 が 認 められる 最 低 年 齢 を 14 歳 とする 条 約 )で ボリビア ブラジルを 含 む 167 ヵ 国 地 域 が 批 准 し 国 際 規 範 として 確 立 されている 現 実 に 合 わせて 法 律 を 変 えた すなわち 学 校 に 通 っていることを 条 件 に 10 歳 以 上 の 自 営 業 児 童 労 働 者 に 児 童 労 働 を 認 める 決 定 を 下 したボリビアとは 対 照 的 に ブラジル 政 府 は あくまで 現 実 を 変 えるだけの 効 力 を 持 つ 法 律 や 制 度 を 国 際 基 準 に 則 った 形 で 制 定 し 法 律 に 合 わせて 現 実 を 変 えることを 目 指 しているのである その 一 方 で ブラジルの 事 例 は 子 どもの 権 利 条 約 そのもの さらには 子 どもの 権 利 保 障 の 国 際 標 準 化 を 目 指 す 動 きが 抱 える 課 題 や 矛 盾 を 映 し 出 すものでもある 国 際 標 準 化 を 目 指 す 努 力 は あまりにも 政 策 (Bourdillion 2012:4) や 特 定 の 権 利 へのアクセス(Khadka 2013: 621) の 向 上 量 的 なデータによる 状 況 管 理 に 集 中 して 向 けられてきたのではないか 2013 年 6 月 にブラジル 各 地 で 起 きたサッカーのワールドカップ 大 会 に 対 する 抗 議 のひとつが 教 育 や 保 健 といった 子 どもたちにとって 基 本 的 な 社 会 サービスのアクセス 保 障 ではなく その 質 に 対 して 向 けられたものであったことも 無 関 係 ではないだろう また 条 約 や それと 連 動 して 制 定 されたブラジルの 青 少 年 子 ども 法 に 関 しては その 高 度 な 理 念 や 包 括 性 が 評 価 される 一 方 で 抽 象 的 で 理 念 的 すぎるとの 批 判 も 常 に 存 在 してきた Khadka(2013)が 述 べるように 社 会 政 策 の 実 施 とは 予 算 の 運 用 が 絡 むきわめて 政 治 的 な 性 質 を 持 つものであるにもかかわらず 条 約 は 子 どもの 権 利 保 障 をどのように 達 成 するのかを 具 体 的 に 示 していない その 意 味 で ブラジルのある 意 味 で 進 歩 的 な 法 制 度 化 は 子 どもの 権 利 条 約 と 同 じ 脆 さを 抱 えており 政 策 の 実 施 段 階 において 諸 アクターや 政 治 社 会 要 因 に 阻 まれ 規 定 通 りに 実 施 されないという 制 度 外 要 素 の 大 きさを 考 えるとき 決 して 手 放 しで 評 価 はできない のである おわりに ここまで 開 発 途 上 国 の 子 どもの 権 利 に 関 する 国 際 的 な 取 り 組 みと 開 発 途 上 国 政 府 の 対 応 と してのブラジルの 事 例 を 順 に 考 察 してきた 世 界 のほぼ 全 ての 国 が 締 約 国 であるという 子 どもの 権 利 条 約 の 稀 有 な 事 実 は 世 界 中 のすべて の 子 どもたちに 基 本 的 な 権 利 を 普 遍 的 に 保 障 することの 理 念 的 正 当 性 を 裏 付 けてはいるものの 具 体 的 な 実 施 につながっていないことは 達 成 期 限 が 来 年 に 迫 ったミレニアム 開 発 目 標 の 実 現 状 況 をみれば 明 らかである 本 稿 で 論 じてきた 子 どもの 権 利 実 現 の 仕 組 みの 国 際 標 準 化 は 現 時 点 で は 実 際 に 各 国 で 標 準 化 されているというより 最 低 限 の 標 準 化 が 目 指 されていることがより 明 26
確 になり そのためのツールの 開 発 や 共 有 が 様 々なアクターによってより 促 進 されるようになっ た という 初 期 段 階 にあろう ただし その 過 程 で ブラジルをはじめとする 一 部 の 開 発 途 上 国 政 府 にとって 有 効 な 社 会 政 策 を 打 ち 出 すことが 国 内 の 支 持 評 価 だけでなく 対 外 イメージ の 向 上 にもつながることに 意 識 的 になるという 副 次 的 な 影 響 が 生 まれているのではないか ブラジルの 例 が 果 たしてどこまで 一 般 化 でき あるいは 他 の 開 発 途 上 国 のモデルになりうるの かについては 議 論 の 余 地 があるだろう なぜなら 子 どもの 権 利 擁 護 についてより 深 刻 で 規 模 の 大 きな 問 題 を 抱 えるのは ブラジルよりも 貧 しい 開 発 途 上 国 であり そもそも 制 度 としての 福 祉 国 家 や 貧 困 層 向 けの 社 会 政 策 が 存 在 したことがないことも 多 く 財 源 や 人 的 資 源 も 限 られてい るからである しかし ほんの 四 半 世 紀 前 までブラジルもあまり 変 わらない 状 況 であったことは 確 認 されてよ い 軍 事 政 権 末 期 のブラジルでは 政 治 開 放 が 進 む 過 程 で ストリートチルドレンや 触 法 行 為 のあっ た 子 どもなど 社 会 的 に 排 除 されている 特 別 に 困 難 な 状 況 にある 子 どもの 存 在 や 政 府 による 抑 圧 的 対 応 が 国 際 世 論 にも 支 えられて 社 会 問 題 化 した 国 家 や 社 会 政 策 そのものの 方 向 性 が 制 憲 議 会 において 国 民 的 に 議 論 されているそのときに 子 どもの 権 利 条 約 の 起 草 が 重 なった(ブラジ ルは 1981 年 から 1989 年 まで 条 約 起 草 に 関 する 作 業 部 会 に 政 府 代 表 を 送 り 続 けた 国 のひとつで ある) 権 利 や 人 権 が 貧 困 の 克 服 や 格 差 の 是 正 という 国 家 課 題 と 結 び 付 けて 社 会 から 排 除 され てきた 国 民 を 包 摂 する 鍵 概 念 として 論 じられたことがその 後 の 土 台 を 作 った また 民 主 化 (1985 年 ) 後 の 1990 年 代 後 半 には 財 政 健 全 化 が 行 われ 貧 困 や 社 会 開 発 に 積 極 的 に 取 り 組 むカルドー ゾ 大 統 領 (1995 年 ~ 2002 年 )の 下 で 人 権 擁 護 政 策 が 促 進 され その 後 の 指 導 者 にも 基 本 路 線 が 継 承 され 社 会 に 定 着 した これらの 決 して 小 さくない 変 容 を 可 能 にした 要 因 は 何 か そして 依 然 として 残 された 課 題 (と りわけ 制 度 化 だけでは 解 決 できない 問 題 や アクセスが 保 障 されてもサービスの 質 や 量 が 伴 っ ていないという 問 題 )はどのように 克 服 することが 可 能 なのか ブラジルの 政 治 経 済 そして 文 化 的 社 会 的 な 諸 条 件 を 踏 まえた 上 で 世 界 がブラジルから 学 ぶことのできる 教 訓 があるのではな いだろうか 日 本 語 文 献 アジア 太 平 洋 人 権 情 報 センター(2008) アジア 太 平 洋 人 権 レビュー 2008 新 たな 国 際 開 発 の 潮 流 人 権 基 盤 型 開 発 の 射 程 現 代 人 文 社 馬 橋 憲 男 (1999) 国 連 と NGO 市 民 参 加 の 歴 史 と 課 題 有 信 堂 勝 間 靖 (2004) 開 発 における 人 権 の 主 流 化 国 連 開 発 援 助 枠 組 の 形 成 を 中 心 として ( 人 間 の 安 全 保 障 の 再 検 討 (IPSHU 研 究 報 告 シリーズ No.31) ) 85-111 ページ 甲 斐 田 万 智 子 子 どもの 権 利 の 10 年 とこれから 子 どもにやさしい 社 会 をつくるために 開 発 教 育 59 号 2012 年 59-65 ページ 日 本 ユニセフ 協 会 (2013) 世 界 子 供 白 書 2013 障 害 のある 子 どもたち 日 本 ユニセフ 協 会 (2014) 世 界 子 供 白 書 2014 統 計 編 誰 もが 大 切 なひとり 27
澤 良 世 (1999) 援 助 機 関 における 教 育 協 力 ユニセフの 場 合 国 際 教 育 協 力 論 集 Vol.2 No.1 35-41 ページ 横 田 香 穂 梨 (2013) 排 除 から 包 摂 へ? ブラジルのストリートチルドレン 支 援 の 政 策 動 向 に 関 する 一 考 察 総 合 研 究 No.6: 国 際 関 係 学 からみた 抑 圧 格 差 暴 力 の 構 造 148-159 ページ 外 国 語 文 献 Baglietto, Christina, International Social Service, The Draft United Nations Guidelines on the Alternative Care of Children: An ethical framework on the path to adoption as a permanent protection measure, International Social Service, 2nd International Conference on Adoption, New Delhi, 8-10 October 2007. Bourdillon, Michael(2012) Introduction in Bourdillon, Michael and Jo Boyden(eds.), Childhood Poverty: multidisciplinary approaches, Hampshire, Palgrave Macmillan, pp.1-12. Bromling, Clifflyn Marie Alexa(1997), Images of Street Children: a study on naming and framing social problem at UNICEF Brazil, Headquarters and Egypt, Harvard University. Cantwell, Nigel(1991) Non-Governmental Organizations and the United States Convention on the Rights of Child, Bulletin of Human Rights, No.2, pp.16-24. Conselho Nacional de Assistência Social(2009), Tipificação Nacional de Serviços Socioassistenciais (Resolução nº 109, 11/11/2009), Brasilia: Ministério do Desenvolvimento Social e Combate à Fome. CONANDA(2011) Plano Decenal dos Direitos Humanos de Crianças e Adolescentes, Conselho Nacional dos Direitos da Criança e do Adolescente. Secretaria Nacional de Promocão dos Direito das Criança e do Adolescente(2012) Estatuto da Criança e do Adolescente, Versão Atualizada 2012. Federative Republic of Brazil(2012) Fourth Brazilian Report to the 1989 United Nations Convention on the Rights of the Child: Preamble, Brasília. Government of Brazil. Draft UN Guidelines for the Appropriate Use and Conditions of Alternative Care for Children, United Nations, New York, 18 June 2007. IPEA(2003) Levantamento Nacional dos Abrigos para Crianças e Adolescentes da Rede SAC, Instituto de Pesquisa Economica Aplicada. Khadka, Suman(2013) Social rights and the United Nations: child rights convention: is the CRC a help or hindrance for developing universal and egalitarian social policies for children s wellbeing in the developing world?, International Journal of Children s Rights, 21, pp.616-628. Ministério do Desenvolvimento Social e Combate à Fome(2006) Norma Operacional Básica NOB/SUAS: Construindo as bases para a implementação do Sistema Único de Assistência Social, Brasília. Ministério do Desenvolvimento Social e Combate à Fome(2009) Orientações Técnicas: Serviços de Acolhimento para Crianças e Adolescentes, 2ª edição. 28
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