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News Release 2014 年 1 月 8 日 京 都 大 学 ips 細 胞 研 究 所 (CiRA) 大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所 味 の 素 株 式 会 社 株 式 会 社 ニッピ 細 胞 移 植 に 適 した 新 しいヒト ips 細 胞 の 樹 立 維 持 培 養 法 を 確 立 ポイント ラミニンと 新 たに 開 発 した 培 地 を 用 いて フィーダー 細 胞 を 使 わず 動 物 由 来 成 分 を 含 まない 条 件 で ヒト ips 細 胞 の 樹 立 と 効 率 的 な 培 養 方 法 を 開 発 した 得 られた ips 細 胞 は 各 種 細 胞 へと 分 化 する 能 力 を 持 っていた この 方 法 で ヒト ES 細 胞 を 維 持 培 養 することも 可 能 であった 1. 要 旨 中 川 誠 人 講 師 ( 京 都 大 学 CiRA) 山 中 伸 弥 教 授 ( 京 都 大 学 CiRA)らの 研 究 グループは 大 阪 大 学 味 の 素 株 式 会 社 ( 以 下 味 の 素 社 )との 共 同 研 究 において 細 胞 移 植 治 療 に 適 した 人 工 多 能 性 幹 細 胞 (ips 細 胞 )の 新 しい 樹 立 維 持 培 養 法 を 確 立 しました ヒトの ips/es 細 胞 を 再 生 医 療 として 多 くの 患 者 さんに 利 用 して 頂 けるようになるためには ヒ ト 以 外 の 動 物 由 来 の 物 質 を 含 まず 安 定 して 生 産 するために 極 力 工 程 数 が 少 ない 方 法 で ips 細 胞 を 樹 立 維 持 培 養 することが 望 まれます しかし これまでの 方 法 では ips/es 細 胞 を 培 養 するた めに 培 地 中 には 血 清 などの 動 物 由 来 の 成 分 が 多 数 含 まれており またフィーダー 細 胞 1) を 使 うこ とで 作 業 工 程 が 多 くなっていました 中 川 講 師 らの 研 究 グループは フィーダー 細 胞 の 代 わりに 関 口 清 俊 教 授 ら( 大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所 )が 開 発 したリコンビナント 2) ラミニン-511 E8 断 片 3) を 使 い 味 の 素 社 と 開 発 した 動 物 由 来 の 成 分 が 含 まれていない(Xf: xeno-free) 培 地 4) でヒト ips/es 細 胞 を 維 持 培 養 できることを 見 出 しました この 方 法 を 用 いると ヒトの ips/es 細 胞 は 容 易 に 扱 うことができ 染 色 体 に 異 常 なく 長 期 間 にわたって 安 定 して 継 代 培 養 することができます ヒトの 皮 膚 や 血 液 の 細 胞 からフィーダー 細 胞 を 使 わず(Ff: Feeder-free) 動 物 由 来 の 成 分 を 含 まない 培 地 で 作 製 した ips 細 胞 は 免 疫 不 全 マウスに 移 植 すると テラトーマの 形 成 が 観 察 され 1 / 7 京 都 大 学 ips 細 胞 研 究 所 (CiRA)

三 胚 葉 に 分 化 する 能 力 を 確 認 できました また ここで 作 製 した ips 細 胞 はドーパミン 産 生 細 胞 や インスリン 産 生 細 胞 血 液 細 胞 へと 分 化 させる 事 ができました これらの 結 果 は 今 回 開 発 した 新 しい feeder-free かつ xeno-free の 培 養 システムで ヒト ips 細 胞 を 樹 立 維 持 培 養 することが 可 能 であることを 示 しています この 方 法 は ヒトへの 細 胞 移 植 に 最 も 適 したグレードの ips 細 胞 をつくるためだけではなく 創 薬 や 毒 性 試 験 疾 患 モデルなどの 領 域 でも 有 効 利 用 されることが 期 待 されます この 研 究 成 果 は 1 月 8 日 ( 英 国 時 間 )に 英 国 科 学 誌 Scientific Reports に 掲 載 されます 2. 研 究 の 背 景 既 に 米 国 ジェロン 社 は ES 細 胞 から 作 製 した 神 経 細 胞 を 用 いて 脊 髄 損 傷 の 臨 床 試 験 を 始 めました( 経 営 上 の 理 由 から 中 止 ) また 米 国 アドバンスド セル テクノロジー 社 は ES 細 胞 から 作 製 した 細 胞 を 用 いて 眼 疾 患 の 臨 床 試 験 をおこない 成 果 をあげています 2013 年 7 月 には 理 化 学 研 究 所 発 生 再 生 総 合 科 学 研 究 センターの 髙 橋 政 代 博 士 らのグループによる 加 齢 黄 斑 変 性 に 対 する 世 界 初 の ips 細 胞 を 使 った 臨 床 研 究 が 正 式 に 厚 生 労 働 省 に 認 められ いよいよ ips/es 細 胞 を 使 った 治 療 が 本 格 的 にヒトで 行 われる 日 が 近 づいてきています 通 常 ヒト ips/es 細 胞 を 研 究 で 使 用 する 際 には マウスのフィーダー 細 胞 や ウシの 血 清 を 含 んだ 培 地 が 広 く 使 われています フィーダー 細 胞 の 準 備 には 多 くの 時 間 と 労 力 が 必 要 で フィーダー 細 胞 を 育 てる 培 地 にはウシ 胎 児 血 清 が 含 まれているのが 通 常 です しかしこうした 煩 雑 な 操 作 や 動 物 由 来 の 成 分 は 最 終 的 に 得 られる 細 胞 の 品 質 を 不 安 定 にする 要 因 となるため 移 植 に 使 う 細 胞 に 要 求 される GMP 基 準 を 満 た すためには 血 清 などの 動 物 由 来 の 成 分 をできるだけ 取 り 除 く 必 要 があります これまでに フィーダー 細 胞 の 代 わりとなるタンパク 質 や 動 物 由 来 成 分 を 含 まない 培 地 は 開 発 されていま したが ヒト ips 細 胞 やヒト ES 細 胞 を 安 定 的 に 効 率 よく 培 養 できる 組 み 合 わせは 得 られていませんでした 3. 研 究 結 果 ヒト ips 細 胞 用 の 新 しい 培 養 システムの 開 発 中 川 講 師 らのグループはフィーダー 細 胞 の 代 わりとして ラミニン-511 に 着 目 しました ラミニン-511 の 短 い 断 片 であるラミニン-511 E8 断 片 (LN511E8)がヒト ips 細 胞 や ES 細 胞 の 維 持 に 有 効 であり またタグをつ けたリコンビナント(rLN511E8)を 使 うことで 大 量 にかつ 高 純 度 のものが 得 られるため rln511e8 をフィーダ ー 細 胞 の 代 わりとして 採 用 しました 次 に rln511e8 を 使 った 環 境 でヒト ips 細 胞 やヒト ES 細 胞 の 培 養 に 最 適 な xeno-free 培 地 を 選 出 しまし た テスト 培 地 の 作 成 と 培 養 による 検 証 を 繰 り 返 し 効 率 よく ips 細 胞 を 維 持 増 殖 させることができる 成 分 の 組 み 合 わせを 見 出 しました( 味 の 素 社 との 共 同 開 発 ) 2 / 7 京 都 大 学 ips 細 胞 研 究 所 (CiRA)

新 しいシステムでの ips 細 胞 樹 立 ips 細 胞 から 誘 導 した 細 胞 を 移 植 するためには ips 細 胞 の 樹 立 過 程 も feeder-free かつ xeno-free である 必 要 があります 今 回 開 発 した rln511e8 と 培 地 を 使 うことで 線 維 芽 細 胞 や 血 液 細 胞 (T 細 胞 T 細 胞 以 外 の 細 胞 臍 帯 血 細 胞 )から ips 細 胞 を 樹 立 することが 出 来 ました (Fig.1) Fig. 1 Feeder-free かつ Xeno-free の 条 件 下 で 樹 立 した ips 細 胞 線 維 芽 細 胞 血 液 細 胞 (T 細 胞 T 細 胞 以 外 の 細 胞 ) 臍 帯 血 細 胞 からそれぞれ ips 細 胞 を 樹 立 すること が 出 来 た 分 化 能 力 の 確 認 また feeder-free かつ xeno-free の 環 境 で 樹 立 培 養 した ips 細 胞 の 分 化 能 力 について 検 討 しました ips 細 胞 の 分 化 能 力 を 調 べる 方 法 として ips 細 胞 を 免 疫 不 全 マウスに 移 植 しテラトーマの 形 成 を 観 察 す る 方 法 がよく 使 われています 今 回 開 発 した feeder-free かつ xeno-free の 環 境 で 作 製 した ips 細 胞 はテラトーマを 形 成 し 3 胚 葉 すべてに 分 化 する 能 力 を 示 しました(Fig. 2) また 臨 床 応 用 に 向 けて 必 要 となる 代 表 的 な 細 胞 種 として 神 経 細 胞 血 液 細 胞 インスリン 産 生 細 胞 へと ips 細 胞 を 分 化 誘 導 したとこ ろ いずれの 細 胞 にも 分 化 する 能 力 があることも 示 しました(Fig. 3) Fig. 2 Feeder-free かつ Xeno-free で 作 製 した T 細 胞 由 来 の ips 細 胞 の 分 化 能 力 ヘマトキシリン エオシン 染 色 の 写 真 左 から 内 胚 葉 中 胚 葉 外 胚 葉 の 細 胞 に 分 化 した ips 細 胞 Feeder-free かつ Xeno-free で 樹 立 した ips 細 胞 は 3 胚 葉 のすべてに 分 化 する 能 力 を 持 っていた (Scale bar, 100 m) 3 / 7 京 都 大 学 ips 細 胞 研 究 所 (CiRA)

Fig. 3 Feeder-free かつ Xeno-free で 作 製 した T 細 胞 由 来 の ips 細 胞 の 分 化 能 力 ips 細 胞 から 分 化 した A ドーパミン 産 生 細 胞 ( 蛍 光 写 真 ) B 血 液 細 胞 (ギムザ 染 色 ) C インスリン 産 生 細 胞 ( 蛍 光 写 真 ) (Scale bar, 100 m) 4.まとめ 今 回 新 しく 開 発 した feeder-free かつ xeno-free の 樹 立 培 養 方 法 を 用 いることで フィーダーを 使 った 方 法 と 比 べても 遜 色 のない 高 効 率 での ips 細 胞 の 維 持 培 養 が 可 能 となりました この 方 法 は 操 作 が 容 易 で あり 発 展 性 再 現 性 に 優 れており GMP に 準 拠 した 医 療 に 使 用 するヒト ips 細 胞 を 作 製 する 方 法 として 有 効 です さらに 薬 剤 スクリーニングや 基 礎 研 究 へも 幅 広 く 応 用 出 来 ると 考 えられます 5. 論 文 名 著 者 およびその 所 属 論 文 名 A novel efficient feeder-free culture system for the derivation of human induced pluripotent stem cells ジャーナル 名 Scientific Reports 著 者 Masato Nakagawa 1*, Yukimasa Taniguchi 2, Sho Senda 3, Nanako Takizawa 1, Tomoko Ichisaka 1, Kanako Asano 1, Asuka Morizane 1, Daisuke Doi 1, Jun Takahashi 1, Masatoshi Nishizawa 1, Yoshinori Yoshida 1, Taro Toyoda 1, Kenji Osafune 1, Kiyotoshi Sekiguchi 2, and Shinya Yamanaka 1,4 *) 責 任 著 者 4 / 7 京 都 大 学 ips 細 胞 研 究 所 (CiRA)

著 者 の 所 属 機 関 1 京 都 大 学 ips 細 胞 研 究 所 (CiRA) 2 大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所 3 味 の 素 株 式 会 社 イノベーション 研 究 所 4 グラッドストーン 研 究 所 6. 本 研 究 への 支 援 本 研 究 は 下 記 機 関 より 資 金 的 支 援 を 受 けて 実 施 されました 文 部 科 学 省 再 生 医 療 の 実 現 化 プロジェクト 内 閣 府 最 先 端 研 究 開 発 支 援 プログラム(FIRST) 文 部 科 学 省 科 学 研 究 費 補 助 金 独 立 行 政 法 人 新 エネルギー 産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 (NEDO) < 大 阪 大 学 > 文 部 科 学 省 橋 渡 し 研 究 支 援 推 進 プログラム < 大 阪 大 学 > 7. 用 語 説 明 1) フィーダー 細 胞 目 的 の 細 胞 を 培 養 する 際 培 養 条 件 を 整 える 補 助 的 な 役 割 をもつ 細 胞 通 常 は 薬 剤 処 理 によっ て 分 裂 できないように 処 理 されている ips 細 胞 の 培 養 の 際 には マウス 胎 仔 由 来 の 線 維 芽 細 胞 などがフィーダー 細 胞 として 用 いられている 2) リコンビナント 遺 伝 子 組 換 え 技 術 によって 人 工 的 に 作 製 されたタンパク 質 のこと 印 をつけることで 他 のタンパク 質 と 容 易 に 見 分 けることが 出 来 るようになる 3) ラミニン-511 E8 断 片 ラミニン-511 は 初 期 胚 の 多 能 性 幹 細 胞 が 足 場 とする 接 着 蛋 白 質 ヒト ES/iPS 細 胞 に 対 して 非 常 に 強 い 接 着 活 性 を 示 す ラミニン-511 E8 はラミニン-511 の 活 性 部 位 を 含 む 断 片 であり 全 長 のラ ミニン-511 と 同 等 以 上 の 細 胞 接 着 活 性 を 有 する また リコンビナント 蛋 白 質 の 大 量 調 製 が 容 易 である ラミニン-511 E8 断 片 は imatrix-511 の 商 品 名 で 株 式 会 社 ニッピが 製 造 販 売 してい る 4) 味 の 素 社 製 培 地 京 都 大 学 CiRA と 味 の 素 社 が 共 同 開 発 中 の 培 地 動 物 由 来 の 成 分 を 含 まず ips 細 胞 を 未 分 化 の 状 態 で 極 めて 効 率 的 に 多 量 に 増 殖 させることができる この 培 地 は StemFit の 商 品 名 で 味 の 素 社 が 日 本 の 一 部 の 医 学 施 設 に 提 供 を 開 始 している 本 件 担 当 : 京 都 大 学 ips 細 胞 研 究 所 (CiRA) 研 究 支 援 部 門 国 際 広 報 室 和 田 濵 TEL: 075-366-7005 FAX: 075-366-7023 Email: cira-pr@cira.kyoto-u.ac.jp 5 / 7 京 都 大 学 ips 細 胞 研 究 所 (CiRA)