第 5 回 バイオマス 事 業 化 戦 略 検 討 チーム 資 料 1 JX 日 鉱 日 石 エネルギーにおける バイオマス 燃 料 に 対 する 取 組 み 2012. 4. 11 JX 日 鉱 日 石 エネルギー 株 式 会 社 執 行 役 員 研 究 開 発 企 画 部 長 吉 田 正 寛
1 ご 説 明 内 容 1.はじめに 2.バイオガソリンの 導 入 状 況 3.バイオマス 燃 料 の 課 題 と 原 料 の 選 択 4. 当 社 の 取 り 組 み 5. 事 業 化 に 向 けて
JXグループの 理 念 2 燃 料 油 販 売 シェア 36.9%(11 年 度 3Q 累 計 ) SS 数 11,855(11 年 12 月 末 )
エネルギーは3 3 3 エネルギーの 要 件 : 安 全 安 心 を 前 提 に 1 取 り 出 す( 一 次 エネルギー) 2 溜 め る 運 ぶ(エネルギー 媒 体 ) 3 使 う( 消 費 エネルギー) の3つの 場 面 を 通 じて 1 供 給 安 定 性 2 環 境 適 合 性 3 経 済 性 の3Eを 満 足 させること サプライチェーン 安 全 安 心 取 り 出 す ( 一 次 エネルギー) 溜 める 運 ぶ (エネルギー 媒 体 ) 使 う ( 消 費 エネルギー) 供 給 安 定 性 (Energy Security) 3E 環 境 適 合 性 (Environmental Protection) Protecction) 満 足 経 済 合 理 性 (Economic Efficiency)
エネルギー 密 度 の 比 較 4 kwh/kg 重 量 エ ネ ル ギ ー 密 度 10 1 0.1 圧 縮 水 素 (70MPa) 圧 縮 水 素 (35MPa) 蓄 電 池 Liイオン Ni 水 素 鉛 水 素 水 素 吸 蔵 合 金 (2mass%) 液 体 燃 料 エタノール ガソリン バイオ 軽 油 輸 送 用 燃 料 に 適 している 既 存 インフラを 活 用 できる ジェット 燃 料 軽 油 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 体 積 エネルギー 密 度 kwh/l
5 ご 説 明 内 容 1.はじめに 2.バイオガソリンの 導 入 状 況 3.バイオマス 燃 料 の 課 題 と 原 料 の 選 択 4. 当 社 の 取 り 組 み 5. 事 業 化 に 向 けて
バイオガソリンの 導 入 状 況 ( 石 油 業 界 ) 6 バイオエタノール 導 入 量 万 kl( 原 油 換 算 ) 70 60 50 40 30 20 10 0 京 都 議 定 書 目 標 達 成 計 画 輸 送 用 燃 料 へのバイオマス 利 用 目 標 50 万 kl( 原 油 換 算 )のうち 石 油 業 界 は21 万 klを 利 用 流 通 実 証 事 業 導 入 開 始 21 エネルギー 供 給 構 造 高 度 化 法 石 油 精 製 業 者 のバイオエタノール 利 用 目 標 量 ( 義 務 化 量 ) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 年 度 50 バイオエタノールを 加 工 したバイオETBEを 配 合 バイオETBEの 調 達 主 にバイオマス 燃 料 供 給 有 限 責 任 事 業 組 合 (JBSL)が 実 施 バイオETBEの 輸 入 原 料 バイオエタノールの 調 達 ( 輸 入 ) 原 料 バイオエタノールの 調 達 ( 国 産 ) 持 続 可 能 性 基 準 に 合 致 した ブラジル 産
バイオガソリンの 導 入 状 況 7 ETBE(エチルターシャリーブチルエーテル)とは エタノール + イソブテン ETBE C 2 H 5 OH C 4 H 8 C 2 H 5 OC 4 H 9 バイオエタノールとイソブテン(LPGの 成 分 ) から 合 成 されるエーテル バイオエタノールのガソリンへの 混 合 方 式 直 接 混 合 (エタノール 混 合 ) ETBE 混 合 ETBEは 物 性 がガソリン 成 分 ( 炭 化 水 素 ) と 近 く 現 行 ガソリンと 同 様 の 品 質 管 理 既 存 インフラの 利 用 が 可 能 一 方 直 接 混 合 (エタノール 混 合 ガソリン) は 水 混 合 時 の 相 分 離 や 蒸 気 圧 の 上 昇 等 特 性 が 一 般 ガソリンと 異 なるため 設 備 や 品 質 管 理 方 法 の 変 更 が 必 要 国 内 初 のETBE 製 造 装 置 ( 根 岸 製 油 所 ) 2009.10.26 竣 工 ETBE 生 産 能 力 10 万 kl/ 年 JX 日 鉱 日 石 エネルギーの バイオガソリンの 展 開 状 況 (2012 年 3 月 現 在 ) バイオガソリン 製 造 出 荷 製 油 所 室 蘭 鹿 島 根 岸 大 阪 水 島 麻 里 布 大 分 ( 仙 台 を 除 く 全 製 油 所 ) バイオガソリン 販 売 SS 2890 箇 所
8 ご 説 明 内 容 1.はじめに 2.バイオガソリンの 導 入 状 況 3.バイオマス 燃 料 の 課 題 と 原 料 の 選 択 4. 当 社 の 取 り 組 み 5. 事 業 化 に 向 けて
バイオマス 燃 料 の 課 題 要 件 9 燃 料 の3E バイオマス 燃 料 の 課 題 キーワード 供 給 安 定 性 環 境 適 合 性 経 済 性 利 便 性 供 給 量 の 確 保 食 糧 等 との 競 合 回 避 ライフサイクルでの 温 室 効 果 ガス 削 減 森 林 破 壊 等 の 防 止 経 済 性 の 確 保 既 存 インフラ 既 存 駆 動 体 での 活 用 ( 信 頼 性 確 保 ) 開 発 輸 入 持 続 可 能 性 安 全 安 心 ドロップイン
バイオマス 原 料 と 食 料 との 競 合 回 避 10 第 一 世 代 バイオマス 原 料 食 用 作 物 サトウキビ とうもろこし パーム 椰 子 菜 種 大 豆 等 食 料 価 格 への 波 及 耕 作 地 競 合 第 二 世 代 バイオマス 原 料 食 用 作 物 非 可 食 部 パーム 空 房 非 可 食 バイオマス ジャトロファ カメリナ 更 に 高 い 生 産 性 を 目 指 して 草 本 セルロース 微 細 藻
バイオマス 原 料 の 選 択 ( 原 料 と 製 品 の 特 徴 ) 11 原 料 製 法 製 品 糖 質 植 物 (サトウキビ/ 甜 菜 ) 澱 粉 質 植 物 (トウモロコシ) 草 本 セルロース (ネピアグラス) 木 本 セルロース ( 早 生 広 葉 樹 ) 木 本 セルロース ( 間 伐 材 ) 油 糧 植 物 ( 大 豆 菜 種 パーム) バイオマス 生 産 性 Ton/ha/y 固 定 化 率 Ton/Ton 収 率 Ton/ha 食 糧 競 合 回 避 エタノール 発 酵 エタノール 70 0.07 4.9 製 造 法 確 立 糖 化 エタノール 発 酵 前 処 理 糖 化 エタノール 発 酵 前 処 理 糖 化 エタノール 発 酵 ガス 化 FT 合 成 水 素 化 異 性 化 利 点 課 題 今 後 生 産 増 が 期 待 できない エタノール 10 0.38 3.8 製 造 法 確 立 高 いGHG 負 荷 エタノール 50 0.19 9.5 高 生 産 性 エタノール 0.25 2~8 前 処 理 法 の 確 立 C5 発 酵 法 の 確 立 炭 化 水 素 8~32 0.18 1.4~5.8 Drop in Fuel 低 い 固 定 化 率 商 業 的 原 料 生 産 確 立 直 接 油 化 改 質 炭 化 水 素 0.15 1.2~4.8 Drop in Fuel 早 生 広 葉 樹 と 同 様 の 製 法 製 品 FAME (バイオディーゼル) - 早 生 広 葉 樹 ( 廃 棄 物 のため) と 同 程 度 - ( 廃 棄 物 のため) 未 利 用 原 料 の 利 活 用 国 内 間 伐 材 : 年 間 512 万 t 生 産 ホ テンシャル:162 万 kl エステル 交 換 0.75 4.5 製 造 法 簡 便 6 *1 水 素 化 異 性 化 炭 化 水 素 0.70 4.2 Drop in Fuel 微 細 藻 水 素 化 異 性 化 炭 化 水 素 47-140 0.70 33-98 高 生 産 性 Drop in Fuel 前 処 理 法 の 確 立 C5 発 酵 法 の 確 立 低 い 中 間 製 品 の 安 定 性 低 い 固 定 化 率 原 料 低 密 度 収 集 運 搬 ( 技 術 課 題 は 早 生 広 葉 樹 と 同 様 ) 低 酸 化 安 定 性 大 量 培 養 技 術 確 立 *1 非 可 食 バイオマス(ジャトロファ カメリナ)は
12 ご 説 明 内 容 1.はじめに 2.バイオガソリンの 導 入 状 況 3.バイオマス 燃 料 の 課 題 と 原 料 の 選 択 4. 当 社 の 取 り 組 み 5. 事 業 化 に 向 けて
セルロース 系 エタノール 製 造 技 術 開 発 ~ 当 社 の 取 組 み その1~ 持 続 可 能 性 基 準 を 満 たす 食 料 との 競 合 を 回 避 可 能 なセルロース 系 バイオエタノールを 原 油 と 競 合 できる 価 格 で 安 定 供 給 すべく 一 貫 製 造 プロセスを 開 発 中 2020 年 に20 万 kl 規 模 の 生 産 供 給 事 業 を 行 なうことを 目 標 としている 1. 研 究 開 発 の 狙 い ブラジルエタノール 輸 出 入 量 13 (1)エネルギーセキュリティ 現 状 輸 入 品 としてのブラジルエタノールについては 以 下 の 懸 念 がある 1 供 給 安 定 性 : サトウキビの 収 穫 期 前 後 で 大 きく 変 動 ブラジルの 輸 出 余 力 の 大 幅 減 少 ( 右 上 図 ) 2 価 格 安 定 性 : 砂 糖 価 格 相 場 で 大 きく 変 動 ( 右 下 図 ) (2)バイオエタノール 導 入 義 務 化 (エネルギー 供 給 構 造 高 度 化 法 ) > 持 続 可 能 性 基 準 (ライフサイクルGHG( 温 室 効 果 ガス) 排 出 量 がガソリンの50% 未 満 )を 満 たす 必 要 あり > 草 本 木 本 等 原 料 のセルロース 系 バイオエタノールは 義 務 化 量 の 算 定 において その 利 用 量 を2 倍 で 計 上 可 能 ブラジルエタノール 価 格 レアル/L ブラジルエタノール 価 格 [リアル/L] 1.5 1.0 0.5 セント/ポンド 資 料 :IEEJ Website NY 砂 糖 価 格 約 50 円 /L 約 40 円 /kg ブラジルエタノール 価 格 09 年 1 月 09 年 4 月 09 年 7 月 09 年 10 月 10 年 1 月 10 年 4 月 10 年 7 月 ブラジルエタノール 価 格 とNY 砂 糖 価 格 の 推 移 30 20 10 NY 砂 糖 価 格 セント/lb [セント/lb]
セルロース 系 エタノール 製 造 技 術 開 発 ~ 当 社 の 取 組 み その1~ 2. 製 造 工 程 検 討 体 制 課 題 バイオマス 生 産 収 穫 運 搬 貯 蔵 前 処 理 酵 素 糖 化 発 酵 濃 縮 脱 水 耕 作 不 適 地 広 大 な 土 地 確 保 高 収 量 化 高 効 率 化 エネルギー 植 物 ( 草 本 ) セルロース ( 主 鉄 筋 の 役 割 ) リグニン ヘミセルロース (セメントの 役 割 ) ( 補 強 鉄 筋 の 役 割 ) 収 穫 運 搬 の 高 効 率 化 前 処 理 の 高 効 率 化 発 酵 しやすい 糖 (C6 糖 ) 発 酵 しにくい 糖 (C5 糖 ) 酵 素 コスト 低 減 エタノール 発 酵 の 高 効 率 化 無 水 エタノール エネルギー 低 減 14 実 用 化 研 究 体 制 全 体 総 括 :JXE トヨタ 自 動 車 鹿 島 建 設 JXE 東 レ JXE サッポロエンジニアリング JXE 三 菱 重 工 ( 全 体 システム 化 ) バイオエタノール 革 新 技 術 研 究 組 合 設 立 :2009 年 3 月 2 日 3. 事 業 化 までのステップ 共 同 研 究 東 京 大 学 (エネルギー 植 物 生 産 酵 素 糖 化 ) 農 林 水 産 関 係 研 究 機 関 (エネルギー 植 物 生 産 発 酵 ) 等 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 ( 北 農 研 畜 草 研 九 沖 農 研 生 研 センター) 森 林 総 研 JIRCAS 秋 田 県 総 食 研 北 海 道 大 九 州 大 長 岡 技 術 科 学 大 商 業 技 術 完 成 現 状 1st Step 2nd Step 3rd Step ベンチ 実 証 開 発 前 処 理 パイロット 実 証 開 発 一 貫 生 産 システム 開 発 ( 実 証 ) 2009 年 ~ 2014 年 ~ 2018 年 2020 年 目 標 事 業 化
15 バイオジェット 燃 料 製 造 技 術 開 発 ~ 当 社 の 取 組 み その2~ 1. 研 究 開 発 の 狙 い 次 世 代 バイオマス 原 料 である 微 細 藻 からバイオジェット 燃 料 の 製 造 を 目 指 す 航 空 機 燃 料 に 必 須 な 液 体 燃 料 エネルギー 密 度 が 高 く 搭 載 性 に 優 れる 航 空 部 門 のCO 2 削 減 IATA 自 主 目 標 や 規 制 強 化 の 動 き ( 参 考 ) 国 内 のジェット 燃 料 需 要 航 空 会 社 需 要 (2010 年 度 実 績 ):1156 万 kl 国 内 線 :466 万 kl 国 際 線 :690 万 kl 2. 製 造 工 程 と 技 術 課 題 IATA 自 主 目 標 - 2020 年 まで 年 平 均 1.5%の 燃 費 改 善 - 2050 年 までに 炭 素 排 出 量 を2005 年 比 50% 削 減 EU-ETS( 欧 州 連 合 域 内 排 出 量 取 引 制 度 ) - 2012 年 から 航 空 部 門 も 対 象 の 方 針 ( 域 外 各 国 反 対 ) - 排 出 量 上 限 目 標 は 排 出 量 実 績 (2004 年 ~2006 年 平 均 )から 2012 年 97% 2013 年 以 降 95% - 排 出 可 能 単 位 の85%を 無 償 で 割 り 当 て(15%は 購 入 義 務 化 ) 超 過 分 は 排 出 権 を 購 入 工 程 培 養 脱 水 濃 縮 乾 燥 抽 出 燃 料 化 油 脂 オーフ ンホ ント 遠 心 濃 縮 廃 熱 乾 燥 溶 剤 抽 出 抽 出 残 渣 技 術 課 題 競 争 力 のあるバイオマス 燃 料 開 発 のために 一 貫 生 産 プロセスの 開 発 が 必 要 微 細 藻 の 低 コスト 大 量 培 養 技 術 の 開 発 設 備 の 低 コスト 化 および 低 エネルギー 化 副 産 物 である 抽 出 残 渣 の 付 加 価 値 化 水 素 化 異 性 化
16 バイオジェット 燃 料 製 造 技 術 開 発 ~ 当 社 の 取 組 み その2~ 3.ユーグレナからのジェット 燃 料 開 発 微 細 藻 ユーグレナ 由 来 のバイオジェット 燃 料 製 造 に 関 する 要 素 技 術 の 基 礎 検 討 を 実 施 中 微 細 藻 ユーグレナ バイオジェット 燃 料 ユーグレナの 特 徴 ユーグレナは 微 細 藻 の 中 でも 優 れた 生 産 性 ポテンシャルを 有 する ユーグレナ 油 脂 成 分 は 炭 素 数 が 他 の 植 物 油 脂 に 比 べてジェット 燃 料 に 適 している 4. 事 業 化 までのStep Pre 検 討 現 状 1st Step 2nd Step 3rd Step 2020~2030 年 要 素 技 術 の 基 礎 検 討 要 素 技 術 開 発 大 量 培 養 技 術 開 発 一 貫 生 産 システム 開 発 ラボ& 小 型 ベンチによる 屋 外 培 養 技 術 開 発 実 用 化 規 模 培 養 槽 による 屋 外 大 量 培 養 技 術 開 発 一 環 生 産 規 模 による 全 体 システム 構 築 事 業 化 NEDO 戦 略 的 次 世 代 バイオマスエネルギー 利 用 技 術 開 発 事 業 予 算 を 活 用 中 (2010~2013 年 ) 一 貫 生 産 システム 開 発 に 向 けて 事 業 化 を 目 指 すメンバー による 研 究 開 発 体 制 ( 協 議 会 )を 構 築 中
17 ご 説 明 内 容 1.はじめに 2.バイオガソリンの 導 入 状 況 3.バイオマス 燃 料 の 課 題 と 原 料 の 選 択 4. 当 社 の 取 り 組 み 5. 事 業 化 に 向 けて
事 業 化 に 向 けて 18 競 争 力 のある 一 貫 生 産 プロセス 開 発 のための 研 究 体 制 構 築 要 素 技 術 開 発 段 階 から 産 学 官 の 強 力 な 連 携 長 期 の 研 究 開 発 に 対 する 継 続 的 支 援 微 細 藻 類 の 基 盤 強 化 研 究 体 制 の 構 築 大 学 公 的 研 究 機 関 による 品 種 改 良 GM 新 種 の 収 集 保 存 など 基 盤 強 化 研 究 に 対 する 継 続 的 支 援 栽 培 適 地 の 確 保 ( 広 大 な 土 地 気 候 条 件 水 など) 開 発 輸 入 を 視 野 に 入 れた 官 民 一 体 となった 戦 略 既 存 燃 料 との 供 給 コスト 差 ( 特 に 立 ち 上 げ 時 ) インセンティブ 等 による 導 入 普 及 促 進