有 望 シーズ 展 開 プロジェクト 革 新 的 インフルエンザウイルス 創 薬 プロジェクト
革 新 的 インフルエンザウイルス 創 薬 プロジェクト プロジェクトリーダー 朴 三 用 基 本 構 想 インフルエンザ RNA ポリメラーゼは ウイルスの 複 製 ( 増 殖 )に 中 心 的 な 役 割 を 担 っている 事 から 創 薬 のターゲットとして 注 目 されている また 新 型 インフルエンザ H1N1 と 鳥 インフルエンザ(H5N1 H7N9) などのそれぞれインフルエンザの RNA ポリメラーゼのアミノ 酸 配 列 は 96% 以 上 が 同 じであり 他 のインフ ルエンザのタンパク 質 より 変 異 が 非 常 に 起 こりにくいことが 知 られている このような 観 点 から RNA ポリメラーゼをターゲットとした 阻 害 剤 が 開 発 されると 普 遍 的 にインフルエンザウイルスの 増 殖 を 抑 える 事 が 出 来 る 近 年 世 界 中 に 広 がりを 見 せている 鳥 インフルエンザは 深 刻 である 特 に 東 南 アジアやエジプトでは 鳥 における H5N1 ウイルスの 流 行 は 毎 年 起 きており 偶 発 的 にヒトへ 感 染 した 数 も 数 百 人 を 超 え 毎 年 増 加 し ている 昨 年 では 中 国 で 発 生 した H7N9 によるヒトへの 感 染 報 告 が 続 いており 確 認 された 感 染 者 が 560 人 を 超 えた 国 内 でも 野 鳥 から 鶏 への 感 染 事 例 は 年 々 増 え 続 けており 経 済 的 損 失 や 健 康 面 での 不 安 など 社 会 へ 深 刻 な 影 響 を 与 えている ただ 宿 主 となる 生 物 種 が 亜 型 により 異 なるため 鳥 型 ウイルスはヒト にも 感 染 できる 型 へ 大 きく 変 異 しておらず 今 のところ 大 流 行 を 起 こす 状 態 には 至 っていない しかし ヒト 型 に 変 異 する 危 険 性 は 確 実 に 存 在 しており すでに 免 疫 システムが 人 と 似 ているフェレットの 感 染 実 験 で HA に3カ 所 の 変 異 を 入 れた 結 果 次 々とフェレット 同 士 の 感 染 が 確 認 された(Nature, 2012) この 論 文 は 鳥 インフルエンザ H5N1 ウイルスが 人 に 容 易 に 感 染 するようになり 世 界 的 パンデミックを 起 こす 可 能 性 があると 報 告 している また この 研 究 結 果 については 世 界 保 健 機 関 (WHO)とアメリカ 政 府 の 要 請 で 生 物 テロに 悪 用 されるとの 懸 念 から 科 学 雑 誌 社 (Nature, 2012)に 対 して 公 表 を 差 し 止 める など 異 例 の 対 応 が 求 められた さらに 現 在 でも 中 国 では 鳥 インフルエンザ H7N9 によるヒトへの 感 染 報 告 が 続 いており 確 認 された 感 染 者 が 560 人 を 超 え WHO による 警 戒 が 続 いている 今 後 別 の 亜 型 の 新 型 インフルエンザウイルスが 出 現 する 可 能 性 はあるが どのように 変 異 を 繰 り 返 してどのような 亜 型 が 出 現 するのかを 予 測 することは 不 可 能 に 近 い 本 研 究 プロジェクトでは インフルエンザ RNA ポリメラーゼが 持 つ 3 つのサブユニット(PA, PB1, PB2) のうち どれか1つのサブユニットでも 欠 けるとウイルスの 増 殖 機 構 が 失 われる 事 に 注 目 し PA-PB1 と PB1/PB2 サブユニット 複 合 体 の 構 造 解 析 に 世 界 で 初 めて 成 功 した(Nature, 2008; EMBO J, 2009) その 知 見 を 基 に これらの RNA ポリメラーゼの 構 造 情 報 に 基 づきイン シリコ 手 法 による 抗 ウイルス 剤 の 開 発 を 目 指 す 1. 研 究 目 的 本 研 究 プロジェクトでは 創 薬 の 基 盤 になる RNA ポリメ ラーゼの PA-PB1 と PB1/PB2 サブユニット 複 合 体 の 構 造 解 明 を 世 界 で 初 めて 成 功 (Nature, 2008; EMBO J, 2009)し ており その 構 造 情 報 に 基 づき 新 規 抗 インフルエンザ 剤 を 開 発 する 事 を 目 標 とする 既 に 本 研 究 者 は 200 万 個 の 化 合 物 から イン シリコ(in-silico) 手 法 により 最 終 的 に 20 個 程 度 の 化 合 物 を 得 て PA-PB1 サブユニット 間 の 結 合 阻 害 する 事 を 確 認 する 事 に 成 功 した 本 研 究 プロジェクトでは これらの 化 合 物 を 基 にさらな る 合 理 的 な 創 薬 を 開 発 する 事 およびインフルエンザウイ ルス 亜 型 の RNA ポリメラーゼのタンパク 質 は 96% 以 上 ア ミノ 酸 が 保 存 されている 事 から 宿 主 細 胞 内 でインフルエ ンザウイルスの 増 殖 を 阻 害 できる RNA ポリメラーゼを 標 的 としたモノクローナル 抗 体 を 開 発 し RNA ポリメラーゼ タンパク 質 と 抗 体 の 立 体 構 造 を 解 明 する 事 を 目 標 とする このような 抗 インフルエンザ 阻 害 剤 や ウイルス 増 殖 を 阻 害 抗 体 が 開 発 されれば インフルエンザウイルスの 変 異 に 強 く 既 存 の 抗 インフルエンザウイルス 剤 やワクチンで は 対 応 できないどんな 新 型 インフルエンザにも 対 応 でき る 画 期 的 なものになることが 期 待 される (1) 化 合 物 の 探 索 インフルエンザ RNA ポリメラーゼが 持 つ 3 つのサブユニ ット(PA, PB1, PB2)のうち どれか1つのサブユニットで も 欠 けるとウイルスの 増 殖 機 構 が 失 われる この 事 に 注 目 し PA-PB1 サブユニット 複 合 体 の 構 造 から PA と PB1 サ ブユニットの 結 合 を 阻 害 する 化 合 物 は 抗 ウイルス 剤 の 創 薬 につながる 本 研 究 プロジェクトでは PA-PB1 サブユ ニット 複 合 体 の 構 造 を 基 にイン シリコ 手 法 により 200 万 個 の 化 合 物 の 中 から 有 効 な 化 合 物 数 個 を 発 見 する 事 に 成 功 した 現 在 までに 有 効 性 化 合 物 の in-vitro での 探 索 方 法 は 確 立 しており さらに 有 効 性 化 合 物 の 開 発 を 行 う 以 - 129 -
200 In silico! Compound Databases PA-PB1 5559 filtering System 4261 Virtual Screening System MTS RNA RNA! : 300-500! New in-silico target!! - 130 -
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インフルエンザウイルス RNA ポリメラーゼ 複 合 体 の 核 移 行 に 関 する 構 造 生 物 学 的 研 究 吉 田 尚 史 1.はじめに インフルエンザは インフルエンザウイルスの 感 染 によ って 引 き 起 こされ 高 熱 や 全 身 の 倦 怠 感 などの 症 状 を 伴 い 重 症 化 しやすく 伝 染 性 の 強 い 感 染 症 である これまで ウ イルスの 突 然 変 異 による 新 型 インフルエンザウイルスの 出 現 で 1918 年 にスペイン 風 邪 ( 死 者 約 4000 万 人 ) 1957 年 にはアジア 風 邪 ( 同 約 200 万 人 ) といったパンデミック ( 世 界 的 大 流 行 ) が 起 こっている 近 年 では 抗 インフル エンザ 薬 であるタミフルに 耐 性 をもったウイルスの 出 現 や トリインフルエンザウイルスの 人 への 感 染 が 報 告 され ており 新 たなパンデミックが 危 惧 されている インフルエンザウイルスの 増 殖 サイクルは まずウイル ス 表 面 にあるヘマグルチニン(HA)が 細 胞 表 面 のシアル 酸 に 結 合 することで 開 始 される 結 合 したウイルスは 細 胞 内 に 侵 入 後 脱 核 することにより vrnp ( vrna, NP, RNA ポリメラーゼから 構 成 される 複 合 体 ) が 放 出 され 核 内 へ と 運 ばれる 核 内 で RNA ポリメラーゼ ( PA, PB1, PB2 の 3つのサブユニットで 構 成 される) の 働 きにより ウイル スゲノムの 複 製 と 転 写 が 行 われる 新 たに 合 成 されたウイ ルスタンパク 質 と vrna は 細 胞 表 面 で 新 たなウイルス 粒 子 を 形 成 し ノイラミニダーゼ(NA)により 細 胞 表 面 から 切 り 離 され ウイルスが 遊 離 する このような 増 殖 サイクルにおいて ウイルスが 宿 主 細 胞 に 感 染 し 増 殖 するためには1 細 胞 膜 と2 核 膜 の2 種 類 の 脂 質 二 重 膜 を 通 過 しなければならない これまで ウイル スの 細 胞 への 感 染 は 細 胞 膜 表 面 での HA のシアル 酸 への 結 合 が 最 も 重 要 であると 考 えられてきたため 立 体 構 造 解 析 など 盛 んに 研 究 が 行 われてきた しかし 近 年 インフル エンザ RNA ポリメラーゼ 複 合 体 のウイルスタンパク 質 PA PB1 PB2 NP の 核 膜 の 通 過 性 がウイルスの 感 染 に 影 響 を 与 えるという 報 告 がなされている vrnp を 構 成 している 4 つのタンパク 質 PA, PB1, PB2, NP の 核 移 行 サイクルについて 説 明 する( 図 1) まず 核 内 で 転 写 された mrna は 細 胞 質 で 翻 訳 され 新 たなタンパ ク 質 がそれぞれ 合 成 される 新 たに 合 成 されたタンパク 質 PA, PB1, PB2, NP は それぞれ 異 なった 経 路 を 経 て 核 に 移 行 する PB2 は 核 輸 送 体 である importin α5 と 結 合 して 核 に 運 ばれるのに 対 し PA と PB1 は 細 胞 質 でヘテ ロ 二 量 体 を 形 成 し これが RanBP5 と 結 合 することで 核 に 運 ばれる すなわち 核 内 ではじめて 3 つのサブユニット が 結 合 して RNA ポリメラーゼが 形 成 される 一 方 で NP は importin α5 と 結 合 して 核 に 移 行 した 後 ホモ 三 量 体 を 形 成 することで RNA 結 合 活 性 をもつ このように 別 々 の 経 路 でタンパク 質 が 核 移 行 し 核 内 で 新 たな vrnp が 形 成 される PA, PB1, PB2, NP は それぞれ 亜 種 間 での 相 同 性 が 90% 以 上 で 保 存 性 が 高 いものの 変 異 が 起 こることで 核 移 行 が 促 進 され RNA ポリメラーゼの 活 性 が 増 大 する このよう に タンパク 質 の 核 移 行 がウイルスの 増 殖 効 率 に 影 響 する ものの 変 異 の 影 響 など 詳 細 な 分 子 メカニズムは 分 かって いない そこで 本 研 究 では 2 つの 核 移 行 経 路 NP importin α5 と PB1 RanBP5 について X 線 結 晶 構 造 解 析 を 行 い その 詳 細 な 結 合 様 式 を 明 らかにすることを 目 的 として 研 究 を 行 った 図 1 ウイルスタンパク 質 の 核 移 行 サイクル 2. 実 験 と 結 果 2.1 NP imporitinα5 複 合 体 図 1 に 示 すように NP は 細 胞 質 では 単 量 体 として 存 在 するのに 対 し 核 内 では 三 量 体 を 形 成 する すなわち NP 単 量 体 が importin α5 と 細 胞 質 で 結 合 するため 複 合 体 の 構 造 解 析 には 単 量 体 NP の 調 製 が 必 要 となる しかし 大 腸 菌 を 用 いて 野 生 型 (WT) NP を 大 量 発 現 させると 全 て 三 量 体 として 得 られてしまう 過 去 の 研 究 から 三 量 体 形 成 に 最 も 重 要 なアミノ 酸 残 基 は Glu 339 と Arg 416 で - 135 -
これらを Ala に 置 換 すると 単 量 体 NP となることが 報 告 されている そこで 本 研 究 では 変 異 体 NP (R416A) を 用 いて 複 合 体 を 調 製 することとした 2.1.1 NP (R416A) の 発 現 と 精 製 H1N1 インフルエンザウイルス 由 来 NP の 遺 伝 子 を 鋳 型 とし PCR 法 で R416A の 変 異 を 導 入 した PCR 産 物 を 発 現 用 ベクター pet28a に 組 み 込 み NP の N 末 端 側 に His tag が 付 加 するように 発 現 系 を 構 築 した 作 成 し たプラスミドベクターを 用 いて 大 腸 菌 BL21 (DE3) codon べるため 超 遠 心 分 析 実 験 を 行 った 3 種 類 の 試 料 NP (12 μm) importin α5 (12μM) NP (12μM) と importin α5 (12μM) の 混 合 物 について 超 遠 心 分 析 装 置 XL I (Beckman Coulter 社 ) を 用 いた 速 度 法 による 測 定 を 行 っ た 図 4 に NP と importin α5 の 超 遠 心 分 析 結 果 を 示 す importin α5 の 沈 降 係 数 は 約 3.3S NP の 沈 降 係 数 は 約 3.9S であるのに 対 し NP と importin α5 の 混 合 試 料 では 沈 降 係 数 が 約 6S であった この 結 果 から NP importin α5 複 合 体 の 形 成 が 確 認 された plus RILP の 形 質 転 換 を 行 った 37 で 培 養 後 OD 600 0.6 に 達 した 時 IPTG ( 終 濃 度 0.5mM ) を 加 え 発 現 誘 導 を 行 い 15 で 一 晩 培 養 した 大 量 培 養 で 得 られた 菌 体 を 超 音 波 破 砕 にかけ 遠 心 分 離 で 上 清 を 回 収 し Ni NTA カラムで 精 製 した 次 に TEV プロテアーゼを 加 え His tag を 切 断 し Ni NTA カラム 陽 イオン 交 換 カラム ゲルろ 過 カラムを 用 いて 精 製 を 行 った SDS-PAGE の 結 果 から 最 終 精 製 標 品 の NP ( 図 2 左 )は 単 一 バンドであり 高 純 度 に 精 製 することができた ま た NP のゲルろ 過 クロマトグラフィー ( 図 3) の 結 果 野 生 型 NP の 溶 出 ピークに 比 べ NP (R416A) は 低 分 子 量 側 に 溶 出 された すなわち 三 量 体 を 形 成 する WT に 対 し 調 製 した 変 異 体 NP (R416A) が 単 量 体 であることが 確 認 さ れた 図 3. NP のゲルろ 過 クロマトグラフィー 2.1.2 importinα5 の 発 現 と 精 製 ヒト 由 来 importin α5 の 66-512 の 遺 伝 子 領 域 を 発 現 用 ベクター pet28a に 組 み 込 み 大 腸 菌 発 現 系 を 構 築 し た NP と 同 様 の 方 法 で importin α5 を 発 現 させ タ ンパク 質 の 精 製 には Ni NTA カラムと 陰 イオン 交 換 カ ラムを 用 いた SDS-PAGE の 結 果 ( 図 2 中 央 )から importin α5 も 高 純 度 に 精 製 することができた 図 4. NP - importinα5 の 超 遠 心 分 析 図 2. NP importinα5 複 合 体 の SDS-PAGE 結 果 2.1.3 NP importinα5 の 相 互 作 用 解 析 精 製 した NP (R416A) と importin α5 の 相 互 作 用 を 調 2.1.4 NP importinα5 複 合 体 の 結 晶 化 次 に タンパク 質 の 結 晶 化 に 向 けて NP importin α 5 の 共 発 現 系 を 構 築 して タンパク 質 の 発 現 精 製 を 行 っ た importin α5 は 単 体 では 不 安 定 であり 精 製 途 中 で 沈 殿 が 生 じてしまう そこで NP と importin α5 を 大 腸 菌 内 で 共 発 現 させ 複 合 体 として 精 製 することで 結 晶 化 試 料 の 大 量 調 製 を 試 みた T7 プロモーターの 下 流 に 2 つの RBS (Ribosome Binding Site) を 配 置 し それぞれ His tag 付 き NP (R416A) と importin α5 (66 512) を 発 現 するように 発 現 系 を 構 築 した NP と 同 様 の 方 法 で タンパク 質 を 発 現 させ タンパク 質 の 精 製 には Ni NTA カラムとゲルろ 過 カラムを 用 いた 精 製 した NP importin α5 複 合 体 を サンプル 濃 度 7mg/ml に 濃 縮 し 結 晶 化 ロボット (Mosquito) による 結 晶 化 条 件 スクリー ニングを 行 った スクリーニングの 結 果 微 小 結 晶 は 得 ら れているものの 構 造 解 析 を 行 うにはさらなる 結 晶 化 条 件 の 最 適 化 が 必 要 である - 136 -
2.2 PB1 RanBP5 複 合 体 PA と PB1 は 細 胞 質 でヘテロ 二 量 体 を 形 成 し RanBP5 が 結 合 することで 核 に 移 行 する RanBP5 との 結 合 には PB1 が 関 与 し PA は 結 合 に 関 与 しない そのため PB1 の 相 互 作 用 部 位 のみを 用 いて PB1 RanBP5 複 合 体 の 構 造 解 析 に 向 けた 研 究 を 行 った 2.2.1 PB1 の 発 現 と 精 製 H1N1 インフルエンザウイルス 由 来 PB1 の 遺 伝 子 を 入 手 し RanBP5 との 相 互 作 用 部 位 である 182-217 の 遺 伝 子 領 域 を PCR で 増 幅 した PCR 産 物 を 発 現 用 ベクター pgex 6P 1 に 組 み 込 み PB1 の N 末 端 側 に GST tag が 付 加 するように 発 現 系 を 構 築 した NP と 同 様 の 方 法 で PB1 (182-217) を 発 現 させた 大 量 培 養 で 得 られた 菌 体 を 超 音 波 破 砕 にかけ 遠 心 分 離 で 上 清 を 回 収 し GST カラムで 精 製 した 次 に 陽 イオ ン 交 換 カラムとゲルろ 過 カラムにかけ GST 融 合 型 PB1 を 精 製 した 3. 考 察 及 び 今 後 の 展 望 NP-importinα5 及 び PB1-RanBP5 が in vitro におい ても 複 合 体 を 形 成 することが 明 らかとなった また そ れぞれ 結 晶 構 造 解 析 に 向 けて 十 分 な 親 和 性 であると 考 え られるため 今 後 結 晶 化 条 件 の 探 索 を 進 め 立 体 構 造 を 明 らかにしていく 予 定 である また これらの 実 験 と 並 行 し て in vivo での 実 験 系 においても タンパク 質 の 細 胞 内 局 在 を 調 べていく 予 定 である 参 考 文 献 1. Edward C. Hutchinson et al. Journal of General Virology 92, 1859 1869 2. Qiaozhen Ye et al. Nature 444, 1078 1082 2.2.2 RanBP5 の 発 現 と 精 製 ヒト 由 来 RanBP5 全 長 の 遺 伝 子 領 域 を 発 現 用 ベクター pgex 6P - 1 に 組 み 込 み NP と 同 様 の 方 法 で 発 現 させた GST カラムで 精 製 後 プレシジョンプロテアーゼを 加 え GST - tag を 切 断 し 陰 イオン 交 換 カラムで 精 製 した 2.2.3 相 互 作 用 解 析 精 製 した PB1 (182-217) と RanBP5 が 結 合 するか GST プルダウンアッセイを 行 った 調 製 した GST - PB1 (1.5μM) と RanBP5 (1.5μM) を 混 合 し 1 時 間 インキュ ベートした 後 GST カラムによってプルダウンした その 後 結 合 の 有 無 を SDS PAGE により 確 認 した ( 図 5) PB1 (182-217) とともに RanBP5 のバンドが 確 認 され 調 製 した PB1 及 び RanBP5 が 複 合 体 を 形 成 することが 明 ら かとなった RanBP5 全 長 に 対 して PB1 の NLS (Nuclear Localization Signal) 領 域 のみで 相 互 作 用 が 確 認 され これまでの in vivo での 報 告 と 一 致 する 結 果 が 得 られた 今 後 PB1 RanBP5 複 合 体 について 結 晶 化 スクリーニン グを 行 い 構 造 解 析 を 進 めていく 予 定 である kda M 135 RanBP5 100 (123 kda ) 75 63 48 35 25 20 17 GST PB1 (182 217) (33 kda ) 図 5. PB1 - RanBP5 の GST プルダウン - 137 -
業 績 論 文 Kanako Sugiyama, Asuka Sawaguchi, Satoko Akashi,Jeremy R.H.Tame, Sam-Yong Park and Shigeto Yoshida The Crystal Structure of the Active Domain of Anopheles Anti-platelet Protein, a Powerful Anti-coagulant, in Complex with an Antibody J Biol Chem. 2014 Jun 6;289(23):16303-12. 口 頭 発 表 1. 吉 田 尚 史 メチシリン 耐 性 黄 色 ブドウ 球 菌 由 来 ペニシリン 結 合 タ ンパク 質 3の X 線 結 晶 構 造 解 析 日 本 蛋 白 質 科 学 会 年 会 ( 横 浜 市 中 区 )2014 年 6 月 27 日. 2. 朴 三 用 The crystal structure of the Active domain of AAPP, a powerful anti-coagulant, in complex with an antibody ( 有 力 な 抗 凝 固 剤 である AAPP 活 性 ドメ イン 抗 体 の 結 晶 構 造 解 析 ) IUCR 2014 (CONGRESS AND GENERAL ASSEMBLY OF THE INTERNATIONAL UNION OF CRYSTALLOGRAPHY Montreal, CANADA 2014 年 8 月 9 日 - 138 -