貸 金 業 制 度 等 に 関 する 懇 談 会 ご 説 明 資 料 資 料 5-4-1 21 世 紀 のコンシューマー ファイナンス 消 費 者 のための 新 たな 金 融 サービスの あり 方 について 2005 年 6 月 29 日 GE コンシューマー ファイナンス 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長 山 川 丈 人
本 日 の 議 題 1. GE グループについて 2. GE コンシューマー ファイナンスについて 3. 消 費 者 のためのコンシューマー ファイナンス: 日 本 の 金 融 セクターの 新 たなる 成 長 エンジン 4.1 個 人 の 信 用 力 に 応 じた 貸 付 の 実 施 がヤミ 金 問 題 解 決 の 鍵 4.2 上 限 金 利 規 制 がヤミ 金 問 題 個 人 破 産 の 悪 循 環 をもたらす 5. 出 資 法 で 定 められたみなし 利 息 の 弊 害 6.1 米 国 での 事 例 : 上 限 金 利 の 抑 制 は 個 人 の 信 用 力 に 応 じた 適 正 な 貸 付 の 実 現 を 阻 害 する 6.2 米 国 での 上 限 金 利 規 制 の 動 向 についての 誤 解 を 解 く 7. コンシューマー ファイナンスは 個 人 破 産 の 原 因 ではない 8. 信 用 情 報 システムの 確 立 が 多 重 債 務 問 題 解 消 の 鍵 9. 電 子 的 通 知 (e-notification): 個 人 情 報 保 護 に 欠 かせない 消 費 者 のための 選 択 肢 10.1 グレーゾーン: 消 費 者 のための 貸 金 業 者 による 適 切 な 情 報 公 開 10.2 貸 金 業 法 第 43 条 改 正 : 本 来 の 消 費 者 保 護 を 実 現 するために 2/
1. GE グループについて 創 業 :1892 年 発 明 家 トーマス エジソンが 創 立 者 の 一 人 本 社 所 在 地 : 米 国 コネチカット 州 事 業 内 容 :11の 事 業 部 門 ( 航 空 機 エンジン 発 電 用 設 備 医 療 用 画 像 診 断 装 置 の 製 造 消 費 者 向 けファイナンス 等 ) 売 上 高 :16.5 兆 円 従 業 員 数 : 全 世 界 で30 万 人 以 上 日 本 におけるGE 1886 年 よりビジネス 展 開 従 業 員 数 :8,000 名 以 上 日 立 東 芝 横 河 電 機 などと 数 々の 合 弁 事 業 を 展 開 GEにとって 日 本 は 米 国 に 次 ぐ 規 模 のマーケット 3/
2. GE コンシューマー ファイナンスについて GEの 個 人 向 け 金 融 サービス 部 門 全 世 界 で47カ 国 1.1 億 人 が 利 用 営 業 資 産 は1,512 億 USドル(2004 年 末 ) 日 本 でも 消 費 者 ニーズに 応 じた 多 様 な 個 人 向 け 金 融 サービス 事 業 を 展 開 - GE Money( 住 宅 ローン パーソナルローン クレジット カードなど) - レイク(パーソナルローン 不 動 産 担 保 ローン) -ニッセンGEクレジット(クレジットカード) - ネットプライスカード(クレジットカード) GEとして 様 々な 社 会 貢 献 活 動 に 取 り 組 む 中 GE コンシュ ーマー ファイナンス 独 自 でも 文 化 活 動 スポーツイベン トを 積 極 的 に 推 進 4/
3. 消 費 者 のためのコンシューマー ファイナンス: 日 本 の 金 融 セクターの 新 たなる 成 長 エンジン 多 様 な 商 品 展 開 により 消 費 者 の 選 択 肢 を 広 げ 消 費 者 の ニーズとライフスタイルをサポート 国 内 消 費 の 喚 起 と 経 済 成 長 の 促 進 に 不 可 欠 な 金 融 シス テムの 重 要 な 担 い 手 行 政 当 局 貸 金 業 界 消 費 者 団 体 間 の 建 設 的 なパートナー シップを 通 じた 責 任 ある 企 業 活 動 の 奨 励 消 費 者 保 護 新 たなるコンシューマー ファイナンス 市 場 の 構 築 市 場 のイノベーションを 可 能 にする 透 明 性 のある 規 制 の 実 施 個 人 の 信 用 力 に 応 じた 適 切 な 貸 付 の 実 現 消 費 者 への 多 様 な 選 択 肢 の 提 供 を 可 能 にする 新 たな 信 用 情 報 システムの 確 立 貸 金 業 者 のオペレーションと 情 報 開 示 に 関 する 法 的 要 件 の 明 確 化 消 費 者 のファイナンス リテラシーの 向 上 5/
400 300 200 100 4-1 個 人 の 信 用 力 に 応 じた 貸 付 の 実 施 がヤミ 金 問 題 解 決 の 鍵 被 害 金 額 ( 百 万 円 ) 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 記 事 件 数 0 2000 2001 2002 2003 2004 被 害 額 被 害 者 数 被 害 金 額 0 0 5 ヤミ 金 犯 罪 の 被 害 状 況 被 害 者 数 ヤミ 金 関 連 記 事 件 数 (1984-2005.6) 出 資 法 上 限 金 利 引 き 下 げ(40.004% 29.2%) 30 14 19 94 330 被 害 者 数 ( 人 ) 350,000 300,000 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 出 典 : 警 察 庁 生 活 安 全 局 生 活 環 境 課 生 活 経 済 対 策 室 平 成 16 年 度 中 における 生 活 経 済 事 犯 の 検 挙 状 況 について をもとに 作 成 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 0 32 2000 年 の 出 資 法 改 正 によ る 上 限 金 利 規 制 がヤミ 金 問 題 を 助 長 している 信 用 収 縮 がヤミ 金 問 題 を 深 刻 化 させている 諸 外 国 においても 同 様 の 傾 向 が 見 られる 2003 年 のヤミ 金 対 策 法 施 行 による 規 制 強 化 は 情 報 開 示 の 促 進 と 免 許 登 録 の 厳 格 化 というアプローチであり 一 律 的 な 上 限 金 利 規 制 より も 適 切 な 規 制 であった 上 限 金 利 の 規 制 がヤミ 金 問 題 を 助 長 している 6/
4-2 上 限 金 利 規 制 がヤミ 金 問 題 個 人 破 産 の 悪 循 環 をも たらす 上 限 金 利 の 規 制 引 き 下 げ 市 場 で 借 りることができない 消 費 者 の 発 生 消 費 の 断 念 ヤミ 金 での 借 入 景 気 の 低 迷 失 業 率 の 上 昇 個 人 破 産 の 増 加 上 限 金 利 規 制 とヤミ 金 問 題 個 人 破 産 の 悪 循 環 構 造 7/
5. 出 資 法 で 定 められたみなし 利 息 の 弊 害 出 資 法 においては 受 け 取 る 元 本 以 外 の 金 銭 ( 経 費 等 )を すべて 利 息 とみなすと 規 定 されている 諸 外 国 における 同 様 の 法 律 においては ほとんどの 場 合 経 費 は 利 息 に 含 まれていない この 出 資 法 上 の 規 定 のため 日 本 の 金 利 水 準 は 諸 外 国 に 比 べ 高 く 見 える みなし 利 息 の 存 在 は 支 払 保 障 保 険 などの 付 加 価 値 商 品 の 提 供 を 阻 害 し 消 費 者 の 選 択 肢 を 狭 めることに つながっている 8/
6-1 米 国 での 事 例 : 上 限 金 利 の 抑 制 は 個 人 の 信 用 力 に 応 じた 適 正 な 貸 付 の 実 現 を 阻 害 する 上 限 金 利 の 抑 制 が 貸 し 渋 りとヤミ 金 への 消 費 者 シフトを 招 き 個 人 の 信 用 力 に 応 じた 適 切 な 貸 付 が 行 われないという 研 究 結 果 が 出 ている いくつかの 研 究 結 果 に 基 づき 連 邦 および 各 州 行 政 当 局 は 過 去 20 余 年 金 利 自 由 化 への 動 きを 加 速 化 させている ( Consumer Credit in The United States 参 照 ) 上 限 金 利 規 制 から 情 報 開 示 の 徹 底 消 費 者 教 育 の 推 進 悪 質 な 回 収 への 規 制 登 録 要 件 の 厳 格 化 などといった 規 制 内 容 にシフトしている 他 の 諸 外 国 をみても 上 限 金 利 規 制 は ヤミ 金 問 題 の 増 加 などのネガティブな 影 響 をもたらすことが 分 かっている 上 限 金 利 の 抑 制 は 消 費 者 と 消 費 者 経 済 に 悪 影 響 を 与 え コンシューマー ファイナンス 市 場 にゆがみをもたらしてきた 9/
6-2 米 国 での 上 限 金 利 規 制 の 動 向 についての 誤 解 を 解 く 平 成 17 年 6 月 15 日 の 貸 金 業 制 度 等 に 関 する 懇 談 会 にて 世 界 の 暴 利 規 制 一 覧 表 として 米 国 の 上 限 金 利 は 非 常 に 低 いという 内 容 の 資 料 が 提 出 された 少 なくとも 米 国 では 各 州 法 連 邦 法 ともに 金 利 自 由 化 の 方 向 にある 州 を 越 えて 事 業 を 展 開 する 連 邦 法 適 用 金 融 機 関 には 本 店 所 在 州 の 上 限 金 利 のみが 適 用 される 多 くの 州 では 登 録 業 者 に 適 用 される 上 限 金 利 について 様 々な 例 外 規 定 が 設 けられており ほとんどの 場 合 契 約 当 事 者 間 で 合 意 された 上 限 金 利 が 適 用 されるため 実 質 的 に 上 限 金 利 が 存 在 しない 利 息 制 限 を 受 けないクレジットカード 等 を 経 由 した 貸 付 が ほと んどを 占 めている 米 国 における 過 去 20 年 の 金 利 自 由 化 の 流 れは 消 費 者 に 多 様 な 選 択 肢 を 提 供 し 経 済 成 長 に 寄 与 してきた 10 /
7. コンシューマー ファイナンスは 個 人 破 産 の 原 因 ではない 個 人 破 産 件 数 300,000 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 0 8,210 34,934 貸 金 業 関 係 以 外 の 個 人 破 産 件 数 貸 金 業 関 係 の 個 人 破 産 件 数 完 全 失 業 率 (%) 出 資 法 上 の 上 限 金 利 8,871 34,674 8,197 32,188 個 人 破 産 申 し 立 て 件 数 と 完 全 失 業 率 の 関 係 8,962 34,452 10,881 45,613 14,271 57,028 40.004% 21,437 82,366 25,407 97,334 29.2% 28,317 110,964 23,289 137,168 23,289 191,394 20,616 221,741 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2000 年 の 上 限 金 利 引 き 下 げ 後 個 人 破 産 申 し 立 て 件 数 が 急 増 18,373 193,029 消 費 者 のファイナンス リテラシーの 向 上 こそ 個 人 破 産 根 絶 の 第 一 歩 (%) 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 個 人 破 産 申 し 立 て 件 数 の 増 加 は 上 限 金 利 ではなく 失 業 率 や 景 気 動 向 と 相 関 して いる 個 人 の 信 用 力 に 応 じたコン シューマー ファイナンスが 消 費 を 促 進 し 景 気 を 刺 激 することにより 結 果 として 個 人 破 産 の 減 少 につながる 消 費 者 教 育 の 推 進 と 適 切 な 情 報 の 開 示 に 基 づく 貸 付 は 消 費 者 のファイナンス リテ ラシーの 向 上 につながり 結 果 として 多 重 債 務 が 抑 制 される 11 /
8. 信 用 情 報 システムの 確 立 が 多 重 債 務 問 題 解 消 の 鍵 当 社 では 多 重 債 務 防 止 の 観 点 から 高 度 なスコアリング システム に 基 づく 顧 客 の 信 用 管 理 を 適 宜 行 っている 信 用 情 報 センターのデータ 活 用 方 法 には さらなる 改 善 の 余 地 がある あらゆる 信 用 管 理 データベースへのアクセス 確 保 定 期 的 な 情 報 更 新 と 情 報 精 度 の 向 上 米 国 では 消 費 者 の 視 点 に 立 った 信 用 情 報 センターへの 規 制 となる FCRA(Fair Credit Reporting Act, 1970: 公 正 信 用 報 告 法 )が 制 定 さ れた 個 人 情 報 保 護 と 信 用 情 報 の 交 換 共 有 の 両 立 の 実 現 個 人 の 信 用 力 に 基 づく 貸 付 の 促 進 信 用 情 報 センター 間 での 情 報 管 理 基 準 の 標 準 化 ( 焦 げ 付 き 延 滞 などの 用 語 の 定 義 データベースの 更 新 頻 度 ) 信 用 情 報 システムの 改 善 が 多 重 債 務 を 抑 制 12 /
9. 電 子 的 通 知 (e-notification): 個 人 情 報 保 護 に 欠 かせない 消 費 者 のための 選 択 肢 個 人 情 報 保 護 と 自 己 情 報 管 理 が 貸 金 業 法 に 関 連 する 政 策 的 課 題 となっている 貸 金 業 法 において 電 子 的 通 知 が 認 められ 消 費 者 が 郵 送 か 電 子 的 通 知 かの 選 択 権 を 持 つことは 個 人 情 報 保 護 法 の 基 本 理 念 と 一 致 す る 電 子 的 通 知 は 個 人 情 報 保 護 のために 最 も 有 効 なセキュリティー ツ ールのひとつである 同 様 のアプローチが 米 国 英 国 等 でもみられる 例 ) 米 国 の 貸 付 真 実 法 (TILA: Truth in Lending Act) 下 でのレギュレ ーションZ 日 本 経 済 団 体 連 合 会 および 米 国 政 府 は 電 子 的 通 知 の 実 施 を 要 望 している 電 子 的 通 知 (e-notification)が 個 人 情 報 保 護 のための 最 も 効 果 的 な 方 法 13 /
10-1 グレーゾーン: 消 費 者 のためのコンシューマ ー ファイナンス 市 場 への 阻 害 要 因 コンシューマー ファイナンス 市 場 の 進 歩 に 即 した 情 報 開 示 規 定 を 定 めるべき そのためには 以 下 について 貸 金 業 法 第 17 18 条 を 改 正 が 必 要 米 国 貸 付 真 実 法 のレギュレーションZのような 明 確 な 信 用 情 報 開 示 規 定 ATMネットワークシステム 取 引 における 情 報 開 示 の 簡 略 化 主 契 約 の 変 更 更 新 ごとの 情 報 開 示 要 件 の 撤 廃 契 約 に 関 する 不 明 瞭 な 点 を 解 消 するために 法 第 43 条 の 見 直 しが 必 要 本 来 出 資 法 上 で 認 められた 範 囲 内 で 消 費 者 に 同 意 された 利 率 を 課 すことは 適 法 とされるべき グレーゾーンは 消 費 者 のための 新 たな コンシューマー ファイナンスへの 大 きな 障 害 14 /
10-2 貸 金 業 法 第 43 条 改 正 : 本 来 の 消 費 者 保 護 を 実 現 するために 法 第 43 条 は 本 来 返 済 不 可 能 に 陥 った 消 費 者 を 救 済 する ための 条 項 であった 現 状 では 不 当 な 過 払 い 請 求 訴 訟 を 求 めるモラルハザード を 招 く 恐 れがある コストのかかる 訴 訟 制 度 ではなく 消 費 者 の 側 に 立 ったクレ ジットカウンセリングの 充 実 やファイナンス リテラシーの 向 上 が 必 要 深 刻 な 財 政 困 難 にある 消 費 者 に 対 しては 救 済 措 置 が 必 要 法 第 43 条 を 本 来 のあるべき 姿 に 戻 し 例 えば 米 国 方 式 の 資 力 テスト(Means Test) などのツールを 利 用 して 消 費 者 保 護 と 個 人 破 産 抑 制 を 図 る 15 /
< 資 料 ページ> <ご 参 考 資 料 > ご 参 考 資 料 一 覧 1. GE グループについて 2. GE コンシューマー ファイナンスについて 3. 消 費 者 のためのコンシューマー ファイナンス: 日 本 の 金 融 セクターの 新 たなる 成 長 エンジン 4-1 個 人 の 信 用 力 に 応 じた 貸 付 の 実 施 がヤミ 金 問 題 解 決 の 鍵 4-2 上 限 金 利 規 制 がヤミ 金 問 題 個 人 破 産 の 悪 循 環 をも たらす 5. 出 資 法 で 定 められたみなし 利 息 の 弊 害 6-1 米 国 での 事 例 : 上 限 金 利 の 抑 制 は 個 人 の 信 用 力 に 応 じた 適 正 な 貸 付 の 実 現 を 阻 害 する 6-2 米 国 での 上 限 金 利 規 制 の 動 向 についての 誤 解 を 解 く 7. コンシューマー ファイナンスは 個 人 破 産 の 原 因 では ない 8. 信 用 情 報 システムの 確 立 が 多 重 債 務 問 題 解 消 の 鍵 9. 電 子 的 通 知 (e-notification): 個 人 情 報 保 護 に 欠 かせ ない 消 費 者 のための 選 択 肢 10-1 グレーゾーン: 消 費 者 のための 貸 金 業 者 による 適 切 な 情 報 公 開 10-2 貸 金 業 法 第 43 条 改 正 : 本 来 の 消 費 者 保 護 を 実 現 する ために GEの 概 要 This is GE Money なし なし a) Consumer Credit In The United States ( 米 国 における 消 費 者 向 け 貸 付 ) b) 米 国 の 金 利 自 由 化 c) ニューヨーク 州 の 小 口 融 資 法 における 金 利 の 上 限 設 定 なし 米 国 における 貸 金 業 者 の 登 録 免 許 について なし FCRA FACTA プレゼンテーション a) 2005 年 度 日 本 経 団 連 規 制 改 革 要 望 b) 在 日 米 国 商 工 会 議 所 意 見 書 貸 金 業 法 の 改 正 を c) 日 米 規 制 改 革 および 競 争 政 策 イニシアティブに 基 づく 日 本 国 政 府 への 米 国 政 府 要 望 書 なし 資 力 テスト 要 点 16 /