建 築 構 造 設 計 指 針 ( 平 成 21 年 版 ) について 平 成 26 年 10 月 9 日 文 部 科 学 省 大 臣 官 房 文 教 施 設 企 画 部 参 事 官 付 整 備 企 画 係 1. 訂 正 事 項 平 成 22 年 4 月 P16 表 3.7 異 形 鉄 筋 の 付 着 強 度 (N/mm 2 ) 軽 量 コンクリートの 付 着 強 度 を 全 て 削 除 コンクリートの 種 別 欄 を 削 除 注 ]の 軽 量 コンクリートの 付 着 は, 普 通 コンクリート 0.8 倍 としている を 削 除 P17 表 3.8 鉄 筋 の 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 (N/mm 2 ) 材 質 径 (D25 以 下 ):SD295A,B 長 期 許 容 応 力 度 : 圧 縮 引 張 誤 ] 196 正 ] 195 平 成 21 年 8 月 P95 表 13.9 砂 利 地 業 及 び 捨 コンクリートの 厚 さ 構 造 部 位 : 直 接 基 礎 床 版 下 地 盤 : 土 質 : 岩 盤, 土 丹 地 業 : 種 別 : 地 はだ N 値 誤 ] N 10 正 ] - 厚 さ(mm) 誤 ] 100 正 ] - 平 成 21 年 7 月 P22 表 4.2 積 載 荷 重 (N/m2) 用 途 : 廊 下, 階 段 ( 玄 関 ホール,ロビーを 含 む): 上 記 以 外 構 造 計 算 の 対 象 : 大 ばり, 柱, 基 礎 設 計 用 誤 ] 3,300 (N/m2) 正 ] 3,200 (N/m2) 2. 留 意 事 項 第 2 章 2.2 構 造 種 別 表 2 構 造 種 別 の 目 安 は,あくまで 構 造 種 別 を 比 較 検 討 する 際 の 参 考 とする 目 安 です 建 築 物 の 構 造 種 別 は, 建 築 物 の 高 さに 応 じて 構 造 種 別 を 特 定 することのないよう, 階 数,スパン, 階 高, 荷 重, 規 模, 形 状, 経 済 性 等 を 考 慮 した 上 で 決 定 して 下 さい 本 件 に 関 する 問 い 合 わせ 先 ] 文 教 施 設 企 画 部 参 事 官 付 整 備 企 画 係 電 話 :03-5253-4111 ( 内 線 2322)
建 築 構 造 設 計 指 針 ( 平 成 21 年 版 ) 文 部 科 学 省 大 臣 官 房 文 教 施 設 企 画 部
建 築 構 造 設 計 指 針 の 改 定 に 関 する 協 力 者 会 議 構 成 員 ( 平 成 21 年 2 月 現 在 ) ( 五 十 音 順 敬 称 略 ) 岡 田 恒 男 ( 東 京 大 学 名 誉 教 授 ) 壁 谷 澤 寿 海 ( 東 京 大 学 地 震 研 究 所 教 授 ) 桑 原 文 夫 ( 日 本 工 業 大 学 工 学 部 教 授 ) 高 梨 晃 一 ( 東 京 大 学 名 誉 教 授 ) 中 埜 良 昭 ( 東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授 ) 村 上 雅 也 ( 千 葉 大 学 名 誉 教 授 ) 森 田 耕 次 ( 千 葉 大 学 名 誉 教 授 )
目 次 1 章 総 則 1.1 目 的 1 1.2 対 象 範 囲 1 1.3 用 語 2 2 章 構 造 計 画 2.1 構 造 計 画 3 2.2 構 造 種 別 8 3 章 構 造 材 料 3.1 コンクリート 9 3.2 鉄 筋 9 3.3 鉄 骨 10 3.4 構 造 材 料 の 組 合 せ 14 3.5 許 容 応 力 度 材 料 強 度 及 び 破 断 強 度 14 4 章 荷 重 外 力 4.1 固 定 荷 重 21 4.2 積 載 荷 重 22 4.3 積 雪 荷 重 23 4.4 風 圧 力 23 4.5 地 震 力 24 4.6 その 他 の 荷 重 25 5 章 許 容 応 力 度 計 算 5.1 一 般 事 項 26 5.2 鉛 直 荷 重 時 の 設 計 27 5.3 水 平 荷 重 時 の 設 計 29
6 章 保 有 水 平 耐 力 の 計 算 6.1 一 般 事 項 30 6.2 保 有 水 平 耐 力 の 算 定 31 6.3 構 造 特 性 係 数 32 7 章 限 界 耐 力 計 算 7.1 限 界 耐 力 計 算 35 8 章 時 刻 歴 応 答 解 析 8.1 時 刻 歴 応 答 解 析 38 9 章 鉄 筋 コンクリート 構 造 9.1 耐 震 計 算 ルート 40 9.2 柱 の 設 計 44 9.3 はりの 設 計 46 9.4 柱 はり 接 合 部 の 設 計 49 9.5 壁 の 設 計 50 9.6 スラブの 設 計 51 10 章 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 構 造 10.1 耐 震 計 算 ルート 53 10.2 柱 の 設 計 57 10.3 はりの 設 計 58 10.4 柱 はり 接 合 部 の 設 計 59 10.5 継 手 の 設 計 60 10.6 柱 脚 の 設 計 60 10.7 壁 の 設 計 60 10.8 スラブの 設 計 62
11 章 鉄 骨 構 造 11.1 耐 震 計 算 ルート 63 11.2 柱 の 設 計 66 11.3 はりの 設 計 67 11.4 柱 はり 接 合 部 の 設 計 68 11.5 柱 脚 の 設 計 70 11.6 筋 かいの 設 計 71 11.7 スラブの 設 計 72 12 章 壁 式 鉄 筋 コンクリート 構 造 12.1 一 般 事 項 73 12.2 耐 力 壁 の 設 計 73 12.3 壁 ばりの 設 計 77 12.4 スラブの 設 計 77 12.5 接 合 部 の 設 計 (WPC 造 ) 77 12.6 基 礎 ばりの 設 計 78 13 章 基 礎 構 造 13.1 地 盤 調 査 79 13.2 地 盤 の 液 状 化 の 判 定 79 13.3 直 接 基 礎 の 設 計 82 13.4 杭 基 礎 の 設 計 86 13.5 砂 利 地 業 及 び 捨 コンクリート 95 14 章 その 他 の 構 造 14.1 免 震 構 造 及 び 制 振 構 造 96 14.2 コンクリート 充 填 鋼 管 造 (CFT 造 ) 97 15 章 既 存 建 築 物 の 耐 震 診 断 15.1 既 存 建 築 物 の 耐 震 診 断 98
参 考 文 献 101
1 章 総 則 1.1 目 的 この 指 針 は 官 庁 施 設 の 総 合 耐 震 計 画 基 準 ( 統 一 基 準 ) に 定 める 構 造 体 の 耐 震 安 全 性 確 保 等 について 建 築 構 造 設 計 に 関 する 標 準 的 な 手 法 を 示 すことにより 文 教 施 設 と して 必 要 とする 性 能 の 確 保 を 図 ることを 目 的 とする 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 の 目 標 は 大 地 震 動 後 構 造 体 の 大 きな 補 修 をすることなく 建 築 物 を 使 用 できることとし 人 命 の 安 全 確 保 に 加 えて 機 能 確 保 が 図 られていることとする 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 の 分 類 は 原 則 として 官 庁 施 設 の 総 合 耐 震 計 画 基 準 ( 統 一 基 準 ) の 規 定 によるⅡ 類 とし 重 要 度 係 数 は 1.25 以 上 とする 1.2 対 象 範 囲 この 指 針 は 標 準 的 な 構 造 の 国 立 の 文 教 施 設 並 びに 国 立 大 学 法 人 大 学 共 同 利 用 機 関 法 人 及 び 独 立 行 政 法 人 国 立 高 等 専 門 学 校 機 構 の 文 教 施 設 を 対 象 とする なお 特 殊 な 構 造 等 で 特 別 の 調 査 研 究 等 に 基 づいて 設 計 する 場 合 は この 指 針 は 適 用 しない - 1 -
1.3 用 語 この 指 針 の 中 では 下 記 の 略 語 を 使 用 する 法 : 建 築 基 準 法 令 : 建 築 基 準 法 施 行 令 告 示 : 建 築 基 準 法 に 基 づく 国 土 交 通 省 告 示 建 設 省 告 示 条 例 : 都 道 府 県 条 例 等 RC 造 SRC 造 S 造 WRC 造 WPC 造 : 鉄 筋 コンクリート 造 : 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 : 鉄 骨 造 : 壁 式 鉄 筋 コンクリート 造 : 壁 式 プレキャスト 鉄 筋 コンクリート 造 RC 規 準 : 鉄 筋 コンクリート 構 造 計 算 規 準 同 解 説 1999 ( 日 本 建 築 学 会 ) SRC 規 準 : 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 構 造 計 算 規 準 同 解 説 2001 ( 日 本 建 築 学 会 ) S 規 準 : 鋼 構 造 計 算 規 準 2005( 日 本 建 築 学 会 ) WRC 規 準 : 壁 式 構 造 関 係 設 計 規 準 集 同 解 説 2003( 日 本 建 築 学 会 ) 基 礎 構 造 指 針 : 建 築 基 礎 構 造 設 計 指 針 2001( 日 本 建 築 学 会 ) 荷 重 指 針 : 建 築 物 荷 重 指 針 同 解 説 2004( 日 本 建 築 学 会 ) 2007 解 説 書 :2007 年 版 建 築 物 の 構 造 関 係 技 術 基 準 解 説 書 ( 国 土 交 通 省 住 宅 局 建 築 指 導 課 他 監 修 )( 全 国 官 報 販 売 共 同 組 合 ) また ゴシック 体 で 表 示 されている 数 値 等 は 法 令 を 上 回 る 記 述 となるため 注 意 を 要 する - 2 -
2 章 構 造 計 画 2.1 構 造 計 画 (1) 構 造 計 画 は 設 計 条 件 に 適 合 させながら 安 全 性 経 済 性 及 び 施 工 性 等 を 十 分 に 配 慮 して 行 う (2) 上 部 構 造 は 構 造 的 に 不 利 な 平 面 形 や 立 面 形 は 避 ける 一 般 に 特 に 不 整 形 な 建 築 物 長 辺 が 100mを 超 える 建 築 物 及 び 辺 長 比 が 10 を 超 える 建 築 物 には エキスパンション ジョイントを 設 ける なお エキスパンションジョイントの 間 隔 は 各 部 位 に 応 じ 適 切 な 可 動 間 隔 が 確 保 さ れるように 計 画 する (3) 耐 震 要 素 は 平 面 的 及 び 立 面 的 につりあいよく 配 置 する (4) 常 時 荷 重 に 対 して 有 害 な 変 形 や 不 同 沈 下 を 防 止 するため 部 材 や 架 構 の 剛 性 を 確 保 する (5) 基 礎 は 地 盤 条 件 施 工 性 及 び 上 部 構 造 の 規 模 形 状 構 造 剛 性 等 を 考 慮 し 上 部 構 造 を 安 全 に 支 持 でき かつ 上 部 構 造 に 対 して 均 衡 のとれたものとする その 際 直 接 基 礎 の 可 能 性 について 十 分 検 討 することとする (6) 同 一 建 築 物 で 2 種 類 以 上 の 基 礎 形 式 とする 場 合 は 直 接 基 礎 と 深 礎 深 礎 と 沈 下 量 の 少 ない 場 所 打 ちコンクリート 杭 基 礎 ( 深 礎 以 外 ) 又 は 独 立 複 合 連 続 フーチング 基 礎 とベタ 基 礎 の 組 合 せとし 不 同 沈 下 による 有 害 な 障 害 を 生 じないようにする (7) 基 礎 の 計 画 においては 確 実 に 施 工 ができ 周 辺 に 有 害 な 影 響 を 及 ぼすことのない 工 法 を 選 定 する (1) 構 造 計 画 においては 敷 地 の 条 件 建 築 物 の 用 途 と 規 模 将 来 計 画 予 算 ( 工 事 費 ) 及 び 工 期 等 の 設 計 条 件 を 満 足 させ かつ 安 全 性 が 高 く 経 済 性 がよく 施 工 性 のよい 構 造 体 となるように 総 合 的 に 検 討 を 行 う 必 要 がある その 際 意 匠 設 計 及 び 設 備 設 計 の 各 担 当 者 と 十 分 協 議 しながら 行 うことが 大 切 である (a) 構 造 計 画 において 検 討 すべき 設 計 条 件 には 次 のものがある なお 各 設 計 条 件 から 構 造 体 が 導 き 出 される 過 程 は 図 2 のとおりである (ⅰ) 敷 地 の 条 件 (イ) 環 境 条 件 敷 地 周 辺 の 道 路 地 下 埋 設 物 及 び 隣 接 建 築 物 等 があり 地 下 部 分 の 計 画 平 面 立 面 計 画 及 び 施 工 方 法 に 関 連 する - 3 -
(ロ) 地 盤 条 件 支 持 地 盤 の 深 さと 強 さは 基 礎 形 式 と 基 礎 工 法 の 選 定 に 関 連 する また 支 持 地 盤 上 部 の 地 盤 の 性 質 は 土 工 事 の 工 法 に 関 連 する 地 盤 条 件 は 建 築 物 の 安 全 性 と 経 済 性 に 大 きく 影 響 するため 平 面 断 面 計 画 とも 関 連 させな がら 慎 重 に 取 扱 う 必 要 がある 特 に 地 盤 沈 下 地 帯 及 び 埋 立 地 については 注 意 を 要 する (ⅱ) 建 築 物 の 用 途 と 規 模 (イ) 機 能 条 件 所 要 室 の 検 討 面 積 配 分 及 び 動 線 計 画 に 基 づく 平 面 立 面 計 画 並 びに 階 高 スパン 割 り 及 び 部 材 断 面 の 検 討 に 基 づく 空 間 計 画 に 関 連 する (ロ) 荷 重 条 件 構 造 計 画 及 び 躯 体 工 事 費 に 関 連 する なお 固 定 荷 重 は 設 計 及 び 施 工 の 段 階 で 増 加 する 傾 向 があり 積 載 荷 重 は 将 来 の 用 途 変 更 によって 変 わる 可 能 性 が あり 積 雪 荷 重 風 圧 力 地 震 力 は 地 域 によって 異 なる また 特 殊 な 荷 重 がある 場 合 には 十 分 に 調 査 する 必 要 がある (ハ) 設 備 条 件 電 気 機 械 設 備 室 の 位 置 は 荷 重 に 関 連 し 天 井 裏 のダクト 配 管 等 は 階 高 に 関 連 する (ⅲ) 法 規 (イ) 単 体 規 定 すべての 建 築 物 に 対 して 構 造 ( 荷 重 材 料 各 種 構 造 など) 耐 火 防 火 ( 内 外 装 等 ) 居 住 性 ( 換 気 採 光 等 ) 及 び 設 備 等 に 関 する 規 制 があり 構 造 計 画 はもとより 建 築 計 画 全 般 に 関 連 する (ロ) 集 団 規 定 都 市 計 画 区 域 内 の 建 物 に 対 して 用 途 面 積 ( 容 積 率 建 ぺい 率 ) 高 さ( 絶 対 高 さ 斜 線 日 影 ) 及 び 構 造 ( 耐 火 )などに 関 する 規 制 があり 平 面 立 面 計 画 及 び 上 部 構 造 の 計 画 に 関 連 する また 騒 音 振 動 に 関 する 規 制 は 施 工 方 法 に 関 連 する (ⅳ) 予 算 ( 工 事 費 ) 意 匠 構 造 設 備 の 計 画 をバランスよく 行 うため 総 工 事 費 を 仕 上 工 事 費 躯 体 工 事 費 及 び 設 備 工 事 費 に 適 正 に 配 分 する 必 要 がある (ⅴ) 工 期 (イ) 設 計 期 限 設 計 の 質 に 関 連 し できるだけ 基 本 設 計 に 十 分 時 間 をかけ 実 施 設 計 は システム 化 標 準 化 及 び 機 械 化 等 によって 省 力 化 することが 望 ましい (ロ) 完 成 期 限 建 築 物 の 質 に 関 連 し 無 理 な 工 事 期 間 や 施 工 時 期 は 避 けなければなら ない - 4 -
設 計 条 件 敷 地 用 途 規 摸 法 規 予 算 工 期 環 境 地 盤 機 能 荷 重 設 備 単 体 集 団 仕 上 躯 体 設 備 設 計 期 限 完 成 期 限 アプローチ レイアウト 意 匠 計 画 建 築 計 画 平 面 断 面 計 画 所 要 室 面 積 配 分 動 線 室 内 環 境 計 画 意 匠 設 計 期 間 設 備 設 計 期 間 仕 上 工 事 期 間 設 備 工 事 期 間 構 造 計 画 施 工 方 法 基 礎 形 式 基 礎 工 法 空 間 設 計 階 高 スパン 割 部 材 断 面 構 造 形 式 構 造 種 別 構 造 材 料 表 現 計 画 構 造 設 計 期 間 躯 体 工 事 期 間 性 能 の 検 討 施 工 目 的 安 全 経 済 構 造 体 図 2 設 計 条 件 と 構 造 計 画 - 5 -
(b) 構 造 体 は 次 の 諸 性 能 ができるだけ 満 たされるように 計 画 する 必 要 がある (ⅰ) 目 的 性 能 (イ) 空 間 性 能 建 築 物 の 用 途 に 適 合 する 空 間 を 造 る (ロ) 表 現 性 能 構 造 上 の 必 要 性 を 生 かし 外 観 や 内 部 空 間 を 造 形 的 に 表 現 することを 検 討 する (ハ) 居 住 性 能 スラブ 等 のたわみや 振 動 又 は 地 震 等 による 建 築 物 の 振 れによって 居 住 者 に 不 快 や 不 安 感 を 与 えないようにする (ⅱ) 安 全 性 能 (イ) 耐 重 性 能 固 定 荷 重 ( 自 重 ) 積 載 荷 重 積 雪 荷 重 等 を 安 全 に 支 える (ロ) 耐 震 性 能 耐 風 性 能 比 較 的 頻 度 の 多 い 災 害 に 対 しては 建 築 物 の 機 能 を 保 持 し 極 めて 稀 に 起 こる 災 害 に 対 しても 人 命 の 安 全 を 確 保 するとともに できるだけ 建 築 物 の 機 能 の 継 続 性 を 確 保 する (ハ) 耐 久 性 能 耐 候 性 能 コンクリートの 中 性 化 薬 品 等 による 変 質 凍 結 融 解 又 は 鋼 材 の 腐 食 等 により 構 造 体 の 耐 力 を 低 下 させないようにする (ニ) 耐 火 性 能 火 災 によって 急 激 な 耐 力 低 下 が 生 じないようにする (ⅲ) 経 済 性 能 できるだけ 質 の 良 い 建 築 物 を できるだけ 低 コストで 造 る ただし 経 済 性 の 追 求 がいたずらに 先 立 ち 構 造 体 の 安 全 性 が 犠 牲 にされることがあっては ならない (ⅳ) 施 工 性 能 建 築 物 をどのように 建 設 するかを 考 慮 し できるだけ 施 工 性 生 産 性 をよくする (c) 構 造 計 画 と 並 行 して 必 要 に 応 じて 調 査 検 討 する 事 項 には 次 のものがある (ⅰ) 使 用 材 料 の 市 場 性 に 関 すること (ⅱ) 気 候 に 関 すること ( 雪 風 凍 土 等 ) (ⅲ) 特 殊 な 材 料 の 性 能 及 び 特 殊 な 工 法 に 関 すること (ⅳ) 構 造 解 析 の 方 法 及 び 解 析 モデルに 関 すること ( 時 刻 歴 応 答 解 析 を 含 む) (ⅴ) 電 算 機 を 使 用 する 場 合 のプログラムの 適 用 性 に 関 すること (2) 建 築 物 の 形 状 ( 平 面 形 立 面 形 )が 不 整 形 な 場 合 には 質 量 と 剛 性 の 分 布 を 均 一 にす ることが 難 しいため 建 築 物 各 部 の 振 動 特 性 の 違 いによって 応 力 集 中 が 起 こる また 建 築 物 が 細 長 い 場 合 には 地 震 時 における 応 答 の 位 相 差 による 応 力 温 度 応 力 乾 燥 収 縮 及 び - 6 -
不 同 沈 下 等 の 問 題 が 生 じやすい そのため 原 則 として エキスパンションジョイント 等 を 設 ける ただし 地 中 ばりは 連 続 させることが 望 ましい なお エキスパンションジョイントの 間 隔 は 十 分 に 余 裕 をもって 設 定 する 特 に 計 算 を 行 わない 場 合 は 高 さの 1/50 程 度 としてよい また 地 震 時 における 建 築 物 の 転 倒 や 地 震 後 の 建 築 物 の 傾 斜 を 考 慮 し 地 階 がない 場 合 の 建 築 物 の 高 さ(H)は 建 築 物 の 幅 (B)の 3 倍 程 度 以 内 に 留 めることが 望 ましい (3) 耐 震 要 素 ( 架 構 耐 力 壁 筋 かい 等 )は 次 によって 適 切 に 配 置 する (a) 平 面 上 の 質 量 分 布 及 び 剛 性 分 布 にアンバランスがある 場 合 には 地 震 時 にねじれ 振 動 を 起 こして 建 築 物 各 部 に 有 害 な 応 力 を 生 じ 大 きな 地 震 被 害 を 受 けやすくなる そのた め 建 築 物 の 各 階 各 方 向 について 重 心 と 剛 心 ができるだけ 近 づくように 耐 震 要 素 を 配 置 する なお 耐 力 分 布 についても 平 面 的 にバランスのとれたものとすることが 望 ましい (b) 上 下 方 向 の 質 量 分 布 及 び 剛 性 分 布 にアンバランスがある 場 合 には 剛 性 の 小 さな 階 に 変 形 が 集 中 し 大 きな 地 震 被 害 を 受 けやすくなる そのため 建 築 物 の 各 方 向 について 各 階 の 支 える 重 量 に 対 する 剛 性 の 割 合 が できるだけ 各 階 一 様 になるように 耐 震 要 素 を 配 置 する なお 耐 力 分 布 についても 立 面 的 にバランスのとれたものとすることが 望 ましい (c) 地 震 力 によって 各 階 に 生 ずる 変 形 が 大 きすぎると 帳 壁 内 外 装 材 及 び 設 備 等 が 変 形 に 追 従 できず 著 しい 損 傷 を 受 ける 特 に S 造 建 築 物 は 変 形 が 大 きくなりやすいため 適 切 に 耐 震 要 素 を 配 置 して 建 築 物 各 階 各 方 向 の 剛 性 を 確 保 する 必 要 がある なお S 造 の 体 育 館 等 の 天 井 については 文 教 施 設 の 非 構 造 部 材 等 に 関 する 耐 震 性 確 保 について( 依 頼 ) ( 平 成 15 年 10 月 17 日 付 け 15 国 施 施 企 第 2 号 ) 及 び 日 本 建 築 センター 体 育 館 等 の 天 井 の 耐 震 設 計 ガイドライン を 参 考 にするとよい (4) 常 時 荷 重 に 対 する 安 全 性 を 確 保 するため 大 スパンのはり スラブについては たわみ クリープ 変 形 又 は 振 動 等 を 考 慮 して 余 裕 のある 断 面 とし 地 中 ばりについては 不 同 沈 下 を 考 慮 して 十 分 剛 強 なものとする 必 要 がある (5) 基 礎 は 適 切 な 地 盤 調 査 に 基 づいて 建 築 物 を 構 造 耐 力 上 安 全 に 支 持 し 得 る 地 盤 を 選 定 し 上 部 構 造 からの 力 による 有 害 な 沈 下 等 の 障 害 が 生 ずることのないように 計 画 する なお 支 持 地 盤 及 び 基 礎 形 式 の 選 定 にあたっては 直 接 基 礎 の 可 能 性 の 追 求 を 行 うとと もに 経 済 性 工 期 等 も 考 慮 して 2 種 類 以 上 について 検 討 する - 7 -
(6) 同 一 建 築 物 の 基 礎 形 式 及 び 杭 工 法 は 1 種 類 が 望 ましく やむを 得 ず 2 種 類 以 上 の 基 礎 形 式 とする 場 合 は 支 持 特 性 が 類 似 する 基 礎 形 式 の 組 合 せとする 2.2 構 造 種 別 (1) 建 築 物 の 構 造 種 別 は 階 数 スパン 階 高 荷 重 規 模 形 状 経 済 性 等 を 考 慮 して 決 定 するものとし 表 2 を 目 安 とする 表 2 構 造 種 別 の 目 安 建 築 物 の 高 さ 20m 以 下 20m を 超 え 30m 以 下 30m を 超 え 45m 以 下 45m を 超 える 構 造 種 別 RC 造 RC 造 又 はSRC 造 SRC 造 又 はS 造 S 造 (2)コンクリート 充 填 鋼 管 造 (CFT 造 )は 14.2 による (1) 構 造 種 別 の 選 定 は 耐 震 性 能 の 確 保 が 重 要 な 判 断 要 素 となっている 耐 震 設 計 の 考 え 方 は 大 地 震 動 時 にも 強 度 で 耐 えようとする 強 度 型 の 設 計 と 構 造 体 の 変 形 性 能 に 期 待 するじん 性 型 の 設 計 がある 一 般 に RC 造 中 低 層 建 築 物 は 耐 力 壁 を 多 く 設 ける 等 して 強 度 を 高 くする 耐 震 設 計 が 可 能 である しかし 階 数 が 多 くなると 強 度 だけで 地 震 力 に 耐 えるためには かなり 多 くの 壁 量 が 必 要 となり 平 面 計 画 との 関 連 で 困 難 な 場 合 が 多 い このため 構 造 体 全 体 の 変 形 性 能 に 期 待 する 耐 震 設 計 を 行 うことになり 鉄 骨 のじん 性 に 期 待 する SRC 造 の 採 用 を 検 討 する さらに 高 層 建 築 物 になると 固 定 荷 重 の 軽 減 振 動 性 状 の 明 確 化 工 期 の 短 縮 等 のため に SRC 造 より S 造 が 有 利 となる 場 合 が 多 い したがって 高 さが 45m を 超 える 建 築 物 については S 造 を 目 安 とする なお 体 育 館 等 については 低 層 であっても S 造 としてよい - 8 -
3 章 構 造 材 料 3.1 コンクリート 構 造 体 に 用 いるコンクリ-トは 法 第 37 条 の 規 定 により その 品 質 は 告 示 ( 建 築 物 の 基 礎 主 要 構 造 部 等 に 使 用 する 建 築 材 料 並 びにこれらの 建 築 材 料 が 適 合 すべき 日 本 工 業 規 格 又 は 日 本 農 林 規 格 及 び 品 質 に 関 する 技 術 的 基 準 を 定 める 件 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1446 号 ))に 定 める 日 本 工 業 規 格 に 適 合 するもの 又 は 認 定 を 受 けたものとする 構 造 体 に 用 いるコンクリ-トの 使 用 区 分 は 表 3.1 を 標 準 とする 表 3.1 コンクリートの 使 用 区 分 コンクリートの 種 別 設 計 基 準 強 度 Fc(N/mm 2 ) 使 用 範 囲 普 通 コンクリート 21 中 低 層 の 建 築 物 擁 壁 24~36 高 層 及 び 大 スパン 構 造 の 建 築 物 軽 量 コンクリート (1 種 2 種 ) 21~24 高 層 の 建 築 物 で 固 定 荷 重 を 軽 減 することが 適 切 な 場 合 ( 注 ) 使 用 部 位 又 は 階 により 連 続 性 が 保 たれる 範 囲 で 設 計 基 準 強 度 を 変 えてもよい 軽 量 コンクリートは 比 較 的 高 層 の SRC 造 建 築 物 及 び S 造 建 築 物 のスラブ 等 で 固 定 荷 重 を 軽 減 する 必 要 がある 場 合 に 使 用 する ただし 使 用 にあたっては ひび 割 れ 振 動 耐 久 性 等 に 十 分 配 慮 する なお 高 層 建 築 物 の 基 礎 ばりのように 大 断 面 となる 場 合 は コンクリート 打 設 後 の 発 熱 に よる 影 響 を 十 分 考 慮 して マスコンクリートとして 取 扱 う 3.2 鉄 筋 (1) 鉄 筋 は 法 第 37 条 の 規 定 により その 品 質 は 告 示 ( 建 築 物 の 基 礎 主 要 構 造 部 等 に 使 用 する 建 築 材 料 並 びにこれらの 建 築 材 料 が 適 合 すべき 日 本 工 業 規 格 又 は 日 本 農 林 規 格 及 び 品 質 に 関 する 技 術 的 基 準 を 定 める 件 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1446 号 )) に 定 める 日 本 工 業 規 格 に 適 合 するもの 又 は 認 定 を 受 けたものとする (2) 鉄 筋 の 種 別 及 び 継 手 工 法 は 使 用 部 位 応 力 状 態 等 を 考 慮 して 選 定 する - 9 -
(1) 鉄 筋 は JIS G3112( 鉄 筋 コンクリート 用 棒 鋼 )SD295A SD295B SD345 SD390 を 標 準 とする 通 常 は D16 以 下 を SD295A 又 は SD295B D19 以 上 を SD345 とする (2) 鉄 筋 の 使 用 区 分 及 び 継 手 工 法 は 表 3.2 を 標 準 とする なお 鉄 筋 の 継 手 の 構 造 方 法 は 告 示 ( 鉄 筋 の 継 手 の 構 造 方 法 を 定 める 件 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1463 号 ))の 規 定 による 表 3.2 鉄 筋 の 使 用 区 分 材 質 継 手 工 法 使 用 範 囲 SD345 ガス 圧 接 一 般 建 物 の 柱 はり 等 の 主 要 な 鉄 筋 特 に 応 力 の 大 きな 地 下 壁 基 礎 スラブの 鉄 筋 一 般 の 壁 及 び 床 スラブ 基 礎 スラブ 等 の 鉄 筋 重 ね 継 手 SD295A 帯 筋 及 びあばら 筋 小 規 模 な 建 築 物 及 び 壁 式 構 造 の 建 築 物 等 の 主 要 な 鉄 筋 SD295B ガス 圧 接 注 : 鉄 筋 の 径 材 質 はなるべく 統 一 するようにし 同 径 のものは 材 質 も 同 じに する SD390 は 材 料 の 性 質 を 十 分 把 握 した 上 で 使 用 する 太 径 鉄 筋 等 で 特 に 適 当 と 思 われる 場 合 は 機 械 継 手 を 用 いてよい 3.3 鉄 骨 (1) 鋼 材 は 法 第 37 条 の 規 定 により その 材 質 は 告 示 ( 建 築 物 の 基 礎 主 要 構 造 部 等 に 使 用 する 建 築 材 料 並 びにこれらの 建 築 材 料 が 適 合 すべき 日 本 工 業 規 格 又 は 日 本 農 林 規 格 及 び 品 質 に 関 する 技 術 的 基 準 を 定 める 件 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1446 号 )) に 定 める 日 本 工 業 規 格 に 適 合 するもの 又 は 認 定 を 受 けたものとする (2) 高 力 ボルトは 国 土 交 通 大 臣 認 定 のトルシア 形 高 力 ボルトを 標 準 とする (3)SRC 造 又 は S 造 の 鋼 材 材 質 を 2 種 類 とする 場 合 は, 柱 部 材 (はりブラケットを 含 む) 及 びはり 部 材 を 単 位 として 区 分 することを 標 準 とする (1)S 造 及 び SRC 造 の 建 築 物 のじん 性 を 確 保 するため 鋼 材 には 塑 性 変 形 能 力 板 厚 方 向 の 引 張 強 度 溶 接 性 等 の 性 能 が 求 められる 鋼 材 は 要 求 される 性 能 を 考 慮 して 適 切 な 材 料 を 選 定 することとし 使 用 区 分 は 表 3.3 を 標 準 とする なお 外 法 一 定 H 形 鋼 の 使 用 についても 十 分 検 討 する - 10 -
表 3.3 鋼 材 の 使 用 区 分 規 格 材 質 使 用 範 囲 JIS G 3136 ( 建 築 構 造 用 圧 延 鋼 材 ) JIS G 3138 ( 建 築 構 造 用 圧 延 棒 鋼 ) JIS G 3101 ( 一 般 構 造 用 圧 延 鋼 材 ) SN400A SN400B SN490B SN400C SN490C SNR400A SNR400B SNR490B SS400 塑 性 変 形 性 能 を 期 待 しない 部 材 ただし 溶 接 を 行 う 構 造 耐 力 上 主 要 な 部 分 には 使 用 しない 一 般 的 な 構 造 の 部 材 溶 接 加 工 時 を 含 め 板 厚 方 向 に 大 きな 引 張 応 力 を 受 ける 部 材 や 部 位 アンカーボルト 等 に 用 いる 棒 鋼 上 記 で 応 力 の 大 きな 部 分 板 材 等 SN 材 に 規 定 がない 鋼 材 SM400A JIS G 3106 SN 材 の 補 完 材 料 ( 板 厚 40mm 以 下 ) SM490A ( 溶 接 構 造 用 圧 延 鋼 材 ) SM400B SN 材 の 補 完 材 料 ( 板 厚 40mm 超 ) STKN400W パイプトラスの 構 造 の 部 材 JIS G 3475 STKN400B はり 貫 通 孔 ( 建 築 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 ) STKN490B 上 記 で 応 力 の 大 きな 部 分 JIS G 3444 STK400 STKN 材 の 補 完 材 料 ( 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 ) STK490 STKN 材 の 補 完 材 料 とし 応 力 の 大 きな 部 分 国 土 交 通 大 臣 認 定 ( 建 築 構 造 用 冷 間 ロール 成 形 角 形 鋼 管 ) 国 土 交 通 大 臣 認 定 ( 建 築 構 造 用 冷 間 プレス 成 形 角 形 鋼 管 ) JIS G 3350 ( 一 般 構 造 用 軽 量 形 鋼 ) JIS G 3352 BCR295 BCP235 BCP325 BCP325T SSC400 中 低 層 ラーメン 構 造 の 柱 仕 上 材 取 付 け 用 二 次 部 材 SDP1T スラブ 型 枠 (デッキプレート) SDP2 鉄 骨 造 のスラブ JIS A 5540,5541 SS400 ( 建 築 用 ターンバックル) SNR400B 低 層 鉄 骨 造 のブレース 国 土 交 通 大 臣 認 定 S10T(F10T トルシア 形 高 力 ボルト 相 当 の 強 度 ) 構 造 部 材 の 接 合 ボルト JIS G 3466 STKR400 軽 微 な 構 造 物 の 柱 ( 一 般 構 造 用 角 形 鋼 管 ) STKR490 上 記 で 応 力 の 大 きな 部 分 JIS A 5525 SKK400 一 般 的 な 杭 ( 鋼 管 ぐい) SKK490 上 記 で 応 力 の 大 きな 部 分 JIS B 1180,1181,1256 ボルトの 材 質 ( 六 角 ボルト 六 角 ナッ は 鋼 又 はステ 二 次 部 材 の 接 合 ト 平 座 金 ) ンレス 鋼 JIS B 1186 ( 摩 擦 接 合 1 種 A(F8T) 溶 接 亜 鉛 めっき 高 力 ボルト 用 高 力 六 角 ボルト 六 角 ナ ット 平 座 金 のセット) 2 種 (F10T) 構 造 部 材 の 接 合 ボルト - 11 -
規 格 材 質 使 用 範 囲 JIS B 1198 ( 頭 付 きスタッド) 国 土 交 通 大 臣 認 定 ( 建 築 構 造 用 TMCP 鋼 ) シャーコネクター 高 層 建 築 物 の 下 層 部 の 柱 (a) 建 築 構 造 用 圧 延 鋼 材 SN400A 材 は 降 伏 点 の 下 限 のみが 規 定 された 鋼 材 であり 必 ずしも 降 伏 後 の 十 分 な 余 力 と 塑 性 変 形 性 能 が 保 証 された 鋼 材 ではない そのため 小 ばり 間 柱 二 次 部 材 な ど 主 要 構 造 部 以 外 の 一 般 に 弾 性 範 囲 内 で 使 用 する 部 材 に 用 いる SN400C SN490C 材 は 板 厚 方 向 の 絞 り 値 の 下 限 が 規 定 されており 次 のような 板 厚 方 向 の 大 きな 引 張 力 が 生 じる 部 材 や 部 位 に 使 用 することが 望 ましい ( i ) 溶 接 組 立 時 に 板 厚 方 向 の 大 きな 引 張 応 力 が 生 じる 厚 板 の 箱 型 断 面 柱 (ii ) 柱 はり 接 合 部 において 板 厚 方 向 の 大 きな 引 張 応 力 が 生 じる 部 位 ( 鋼 管 柱 の 通 しダイヤフラム 柱 貫 通 型 の 箱 型 断 面 柱 はり 貫 通 型 のはりフランジ 等 ) (iii) ブレースからの 大 きな 引 張 力 が 板 厚 方 向 に 作 用 する 部 位 なお これらの 部 位 においても 溶 接 方 法 の 工 夫 や 鋼 板 のサイズアップ 等 によっ て 板 厚 方 向 の 引 張 応 力 を 低 減 することができる 場 合 には SN400B SN490B 材 と してよい (b) 建 築 構 造 用 圧 延 棒 鋼 建 築 構 造 用 圧 延 棒 鋼 は アンカーボルトや 引 張 ブレース 等 の 引 張 力 を 受 ける 構 造 部 材 に 使 用 され 塑 性 域 でのエネルギーの 吸 収 能 力 が 高 いのが 特 徴 である (c) 建 築 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 建 築 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 は 従 来 の 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 と 比 較 して 塑 性 変 形 能 力 や 溶 接 性 能 等 を 改 善 したものである (d) 建 築 構 造 用 冷 間 成 形 角 形 鋼 管 建 築 構 造 用 冷 間 成 形 角 形 鋼 管 は 従 来 の 冷 間 ロール 成 形 の 一 般 構 造 用 角 形 鋼 管 (STKR 材 )と 比 較 して 塑 性 変 形 能 力 や 溶 接 性 能 等 を 改 善 したものであり 製 造 方 法 により 建 築 構 造 用 冷 間 ロール 成 形 角 形 鋼 管 (BCR 材 )と 建 築 構 造 用 冷 間 プレス 成 形 角 形 鋼 管 (BCP 材 )がある 設 計 においては 2008 年 版 冷 間 成 形 角 形 鋼 管 設 計 施 工 マニュアル ( 独 立 行 政 法 - 12 -
人 建 築 研 究 所 監 修 )( 全 国 官 報 販 売 協 同 組 合 )を 参 考 にするとよい (e) 外 法 一 定 H 形 鋼 外 法 一 定 H 形 鋼 は 材 料 費 は 高 価 であるが 鋼 板 の 切 断 溶 接 等 の 製 作 コストを 低 減 でき 鉄 骨 工 事 全 体 としてのコストが 安 くなる 場 合 がある (f) 筋 かい 棒 鋼 を 用 いる 筋 かいは JISA5540( 建 築 用 ターンバックル)に 適 合 するものとする (g) 高 力 ボルト 高 力 ボルトは 国 土 交 通 大 臣 認 定 のトルシア 形 高 力 ボルトを 標 準 とする なお 設 計 によってトルシア 形 高 力 ボルトが 不 適 切 な 場 合 には JIS の 高 力 ボルト(JIS B 1186) としてよい (h) 建 築 構 造 用 TMCP 鋼 建 築 構 造 用 TMCP 鋼 は SN 材 の 基 本 性 能 を 満 足 し さらに 高 強 度 化 した 建 築 構 造 用 の 鋼 材 であり 以 下 の 特 徴 がある (ⅰ) 厚 さ40mm を 超 えても 鋼 板 及 び 溶 接 部 の 許 容 応 力 度 の 基 準 強 度 の 低 減 が 不 要 (ⅱ) 炭 素 当 量 溶 接 割 れ 感 受 性 組 成 を 低 く 規 定 しており 溶 接 施 工 性 が 良 好 で 信 頼 性 の 高 い 溶 接 接 合 が 可 能 (2)SRC 造 の 鉄 骨 における 鋼 材 材 質 の 使 用 区 分 は 鉄 骨 の 製 作 過 程 及 び 応 力 状 態 を 考 慮 し 一 般 に 表 3.4 による 表 3.4 鋼 材 材 質 の 使 用 区 分 (SRC 造 ) 使 用 範 囲 高 層 建 築 物 の 高 層 建 築 物 の 下 方 部 材 名 上 方 の 節 の 節 柱 部 材 ( 柱 仕 口 SN400 又 は SN490,TMCP 鋼 ブラケット ベー SN490 1) 又 は SN400 2) スプレート) はり 部 材 (はりの SN400 又 は SN400 スパン 中 央 部 分 ) SN490 1) 注 1) 応 力 が 大 きくなる 場 合 に 適 用 する 2)あまり 応 力 が 大 きくならない 場 合 に 適 用 する 3)たわみによって 断 面 が 決 まる 場 合 に 適 用 する 大 スパン 構 造 の 建 築 物 SN490 SN490 又 は SN400 3) - 13 -
3.4 構 造 材 料 の 組 合 せ 構 造 材 料 は その 力 学 的 性 状 等 を 十 分 考 慮 し 適 切 なものを 組 合 せる 構 造 材 料 の 組 合 せは 表 3.5 を 標 準 とする 鋼 材 とコンクリートの 組 合 せにおいては 鉄 筋 の 付 着 定 着 の 問 題 じん 性 の 問 題 等 を 考 慮 し て 原 則 として 降 伏 点 強 度 の 高 い 鋼 材 には 強 度 の 高 いコンクリートを 組 合 せる 鋼 材 表 3.5 構 造 材 料 の 組 合 せ 鉄 筋 鉄 骨 コンクリートの 設 計 基 準 強 度 (Fc:N/mm 2 ) SD295A SD295B SD345 SD390 SN400B SN400C SN490B SN490C 21 24~36 注 1) 一 般 に 使 用 される 標 準 的 な 組 合 せを 示 す 2) 適 用 可 能 な 組 合 せを 示 す 3) 壁 筋 及 びスラブ 筋 を 示 す 3.5 許 容 応 力 度 材 料 強 度 及 び 破 断 強 度 構 造 材 料 の 許 容 応 力 度 は 令 第 90 条 第 91 条 第 92 条 第 92 条 の 2 及 び 第 94 条 の 規 定 によるほか 使 用 する 部 材 の 応 力 度 の 算 定 方 法 に 応 じて 定 める 構 造 材 料 の 材 料 強 度 は 令 第 96 条 第 97 条 第 98 条 及 び 第 99 条 の 規 定 による 筋 かい 等 の 設 計 に 用 いる 破 断 強 度 は JIS 規 格 の 引 張 強 さに 基 づいて 算 定 する 構 造 材 料 の 許 容 応 力 度 は 令 の 規 定 により 適 切 な 値 を 用 いることとし コンクリートの せん 断 及 び 付 着 の 短 期 許 容 応 力 度 は 長 期 許 容 応 力 度 の 1.5 倍 とする 詳 細 は 次 による - 14 -
(a)コンクリートの 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 は 表 3.6 による コ ン ク リ ー ト の 種 別 適 用 設 計 基 準 強 度 Fc 表 3.6 コンクリートの 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 (N/mm 2 ) 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 圧 縮 Fc/3 せ ん 断 Fc/30(Fc 21) 0.49+Fc/100 (Fc>21) 長 期 2 圧 縮 長 期 1.5 せ ん 断 圧 縮 Fc 長 期 3 せ ん 断 18 6 0.60 12 0.90 18 1.80 21 7 0.70 14 1.05 21 2.10 普 通 24 8 0.73 16 1.09 24 2.19 27 9 0.76 18 1.14 27 2.28 30 10 0.79 20 1.18 30 2.37 33 11 0.82 22 1.23 33 2.46 36 12 0.85 24 1.27 36 2.55 軽 量 21 7 0.63 14 0.94 21 1.89 24 8 0.65 16 0.98 24 1.97 注 短 期 のせん 断 は 長 期 1.5 倍 としている 軽 量 コンクリートのせん 断 は 普 通 コンクリート 0.9 倍 としている - 15 -
(b) 異 形 鉄 筋 の 付 着 強 度 は 表 3.7 による 表 3.7 異 形 鉄 筋 の 付 着 強 度 (N/mm 2 ) 設 計 基 準 強 度 Fc 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 異 形 鉄 筋 の 付 着 異 形 鉄 筋 付 着 異 形 鉄 筋 付 着 は り 上 端 筋 そ の 他 は り 上 端 筋 そ の 他 は り 上 端 筋 そ の 他 Fc/15 Fc/10 適 用 (Fc 22.5) 0.9+2/75Fc (Fc 22.5) 1.35+1/25Fc 長 期 1.5 長 期 1.5 長 期 3 長 期 3 (Fc>22.5) (Fc>22.5) 18 1.20 1.80 1.80 2.70 3.60 5.40 21 1.40 2.10 2.10 3.15 4.20 6.30 24 1.54 2.31 2.31 3.46 4.62 6.93 27 1.62 2.43 2.43 3.64 4.86 7.29 30 1.70 2.55 2.55 3.82 5.10 7.65 33 1.78 2.67 2.67 4.00 5.34 8.01 36 1.86 2.79 2.79 4.18 5.58 8.37 注 短 期 の 異 形 鉄 筋 の 付 着 は 長 期 1.5 倍 としている - 16 -
(c) 鉄 筋 の 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 は 表 3.8 による 表 3.8 鉄 筋 の 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 (N/mm 2 ) 材 質 径 (D25 以 下 ) 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 (JIS 適 合 品 ) 圧 せ 圧 せ 圧 せ 縮 ん 縮 ん 縮 ん 断 引 断 引 断 引 張 補 張 補 張 補 強 強 強 適 用 F/1.5 かつ 215 以 下 F/1.5 かつ 195 以 下 F F かつ 390 以 下 1.1F F かつ 390 以 下 SD295A,B D25 以 下 195 195 295 295 324 295 SD345 D25 以 下 215 195 345 345 379 345 SD390 D25 以 下 215 195 390 390 429 390 注 Fは 基 準 強 度 材 質 径 (D29 以 上 ) 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 (JIS 適 合 品 ) 圧 せ 圧 せ 圧 せ 縮 ん 縮 ん 縮 ん 引 断 引 断 引 断 張 補 張 補 張 補 強 強 強 F/1.5 かつ 195 以 下 F/1.5 かつ 195 以 下 F F かつ 390 以 下 1.1F F かつ 390 以 下 SD295A,B D29 以 上 195 195 295 295 324 295 SD345 D29 以 上 195 195 345 345 379 345 SD390 D29 以 上 195 195 390 390 429 390 注 Fは 基 準 強 度 - 17 -
(d) 鉄 骨 の 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 は 表 3.9 による 適 用 圧 縮 表 3.9 鋼 材 の 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 (N/mm 2 ) 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 (JIS 適 合 品 ) 引 張 曲 げ F/1.5 F/1.5 F/1.5 せ ん 断 F/ 1.5 3 圧 縮 引 張 曲 げ せ ん 断 圧 縮 引 張 曲 げ 長 期 1.5 1.1F 1.1F 1.1F 1.1F / 3 せ ん 断 SS400 級 SN400 SM490 級 SN490 t 40mm 40<t 100 t 40mm 40<t 156.6 156.6 156.6 90.4 235 235 235 135.6 258.5 258.5 258.5 149.2 143.3 143.3 143.3 82.7 215 215 215 124.1 236.5 236.5 236.5 136.5 216.6 216.6 216.6 125.0 325 325 325 187.6 357.5 357.5 357.5 206.4 196.6 196.6 196.6 113.5 295 295 295 170.3 324.5 324.5 324.5 187.3 100 注 Fは 基 準 強 度 - 18 -
(e) 溶 接 継 目 の 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 は 表 3.10 による 表 3.10 溶 接 継 目 の 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 (N/mm 2 ) 1 完 全 溶 込 み 溶 接 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 (JIS 適 合 品 ) 適 用 圧 縮 引 張 曲 げ F/1.5 F/1.5 F/1.5 せ ん 断 F/ 1.5 3 圧 縮 引 張 曲 げ せ ん 断 圧 縮 引 張 曲 げ 長 期 1.5 1.1F 1.1F 1.1F せ ん 断 1.1F / 3 SS400 級 SN400 SM490 級 SN490 t 40mm 40<t 100 t 40mm 40<t 156.6 156.6 156.6 90.4 235 235 235 135.6 258.5 258.5 258.5 149.2 143.3 143.3 143.3 82.7 215 215 215 124.1 236.5 236.5 236.5 136.5 216.6 216.6 216.6 125.0 325 325 325 187.6 357.5 357.5 357.5 206.4 196.6 196.6 196.6 113.5 295 295 295 170.3 324.5 324.5 324.5 187.3 100 注 Fは 基 準 強 度 2 完 全 溶 込 み 溶 接 以 外 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 (JIS 適 合 品 ) 適 用 圧 縮 引 張 曲 げ せ ん 断 圧 縮 引 張 曲 げ せ ん 断 圧 縮 引 張 曲 げ せ ん 断 F/ F/ F/ F/ 1.1F 1.1F 1.1F 1.1F 1.5 3 1.5 3 1.5 3 1.5 3 長 期 1.5 / 3 / 3 / 3 / 3 SS400 級 SN400 SM490 級 SN490 t 40mm 40<t 100 t 40mm 40<t 90.4 90.4 90.4 90.4 135.6 135.6 135.6 135.6 149.2 149.2 149.2 149.2 82.7 82.7 82.7 82.7 124.1 124.1 124.1 124.1 136.5 136.5 136.5 136.5 125.0 125.0 125.0 125.0 187.6 187.6 187.6 187.6 206.4 206.4 206.4 206.4 113.5 113.5 113.5 113.5 170.3 170.3 170.3 170.3 187.3 187.3 187.3 187.3 100 注 Fは 基 準 強 度 - 19 -
(f)ボルトの 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 は 表 3.11 による 表 3.11 ボルトの 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 (N/mm 2 ) 適 用 圧 縮 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 (JIS 適 合 品 ) 引 曲 せ 圧 引 曲 せ 圧 引 曲 張 げ ん 縮 張 げ ん 縮 張 げ 断 断 せ ん 断 - F/1.5 - F/2 長 期 1.5 - F - 3F/4 強 度 区 分 4.6-160 - 120-240 - 180-240 - 180 (g) 高 力 ボルトの 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 は 表 3.12 による 表 3.12 高 力 ボルトの 許 容 応 力 度 及 び 材 料 強 度 (N/mm 2 ) 適 用 呼 び 径 軸 断 面 積 mm 2 単 位 基 準 張 力 長 期 許 容 応 力 度 短 期 許 容 応 力 度 材 料 強 度 引 張 ( 引 張 接 合 ) せん 断 ( 摩 擦 接 合 ) 一 面 二 面 引 張 ( 引 張 接 合 ) せん 断 ( 摩 擦 接 合 ) 一 面 二 面 引 張 To 0.3To 0.6To 長 期 1.5 F せ ん 断 F/ 3 破 断 強 度 N/mm 2 400 250 120 240 375 180 360 640 369.5 800 引 張 1 種 (F8T) M16 201 80.4 50.2 24.1 48.2 75.3 36.1 72.3 128 74.2 160 M20 314 125 78.5 37.6 75.3 117 56.5 113 200 116 251 kn M22 380 152 95 45.6 91.2 142 68.4 136 243 140 304 M24 452 180 113 54.2 108 169 81.3 162 289 167 361 N/mm 2 500 310 150 300 465 225 450 900 519.62 1000 2 種 (F10T) M16 201 100 62.3 30.1 60.3 93.4 45.2 90.4 180 104 201 M20 314 157 97.3 47.1 94.2 146 70.6 141 282 163 314 kn M22 380 190 117 57.0 114 176 85.5 171 342 197 380 M24 452 226 140 67.8 135 210 101 203 406 234 452 μto 2 μ To F/ 溶 融 亜 鉛 メッキ 高 力 ボルト To 長 期 1.5 F /1.5 /1.5 3 N/mm 2 400 250 106.67 213.33 375 160 320 640 369.5 800 2 種 (F8T 相 当 ) M16 201 80.4 50.2 21.4 42.8 75.3 32.1 64.3 128 74.2 160 M20 314 125 78.5 33.4 66.9 117 50.2 100 200 116 251 kn M22 380 152 95.0 40.5 81.0 142 60.8 121 243 140 304 M24 452 180 113 48.2 96.4 169 72.3 144 289 167 361 注 Fは 基 準 強 度 T 0 は 基 準 張 力 μは 摩 擦 接 合 部 のすべり 係 数 (0.4 とした 場 合 ) 引 張 力 とせん 断 力 とを 同 時 に 受 けるときの 軸 断 面 に 対 する 許 容 せん 断 応 力 度 は 別 途 算 出 する 材 料 強 度 及 び 破 断 強 度 でねじ 部 を 考 慮 する 場 合 は 0.75 倍 する - 20 -
4 章 荷 重 外 力 4.1 固 定 荷 重 固 定 荷 重 は 躯 体 仕 上 の 重 量 及 び 建 築 物 に 固 定 される 物 ( 重 量 物 設 備 機 器 等 )の 重 量 を 対 象 とし 実 状 に 基 づいて 算 定 する 固 定 荷 重 は 材 料 の 種 別 や 部 材 寸 法 等 に 基 づき 実 状 に 応 じて 算 定 する 構 造 計 算 に 用 いるコンクリートの 単 位 体 積 重 量 は 特 に 調 査 をしない 場 合 には 表 4.1 によってよい なお 軽 量 コンクリートの 単 位 容 積 重 量 は 1 種 で 19~21(kN/m 3 ) 2 種 で 17~19(kN/m 3 )の 幅 があるので 市 場 調 査 を 行 い できる 限 り 実 況 に 応 じた 値 を 採 用 する 表 4.1 コンクリートの 単 位 体 積 重 量 コンクリート 種 別 単 位 体 積 重 量 γ (kn/m 3 ) コンクリート 鉄 筋 コンクリート 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 普 通 コンクリート 23 24 25 軽 量 コンクリート 1 種 19 20 21 軽 量 コンクリート 2 種 17 18 19-21 -
4.2 積 載 荷 重 (1) 積 載 荷 重 は 移 動 し 得 る 物 ( 家 具 物 品 等 ) 及 び 人 間 を 対 象 とし 実 状 に 基 づいて 算 定 する 一 般 には 表 4.2 による 表 4.2 積 載 荷 重 (N/m 2 ) 構 造 計 算 の 対 象 床 構 造 計 算 用 大 ばり 柱 用 途 基 礎 計 算 用 地 震 力 計 算 用 講 義 室 ( 教 室 を 含 む) 演 習 室 2,900 2,100 1,100 研 究 室 事 務 室 会 議 室 3,900 2,100 1,100 実 験 室 * 準 備 室 * 病 院 の 診 療 室 * 検 査 室 * 3,900 2,600 1,600 大 講 義 室 固 定 席 2,900 2,600 1,600 大 集 会 室 講 堂 そ の 他 3,500 3,200 2,100 体 育 館 武 道 場 3,500 3,200 2,100 可 動 書 架 を 設 ける 書 庫 二 段 床 式 の 書 庫 11,800 10,300 7,400 一 般 書 庫 資 料 室 倉 庫 7,800 6,900 4,900 図 書 閲 覧 室 5,900 5,400 4,900 食 堂 厨 房 売 店 2,900 2,400 1,300 電 算 室 4,900 2,400 1,300 機 械 室 * 電 気 室 * 4,900 2,400 1,300 寮 室 宿 泊 室 病 室 洗 面 所 便 所 1,800 1,300 600 廊 下 階 段 ( 玄 関 ホール 寄 宿 舎 病 棟 2,900 1,800 800 ロビーを 含 む) 上 記 以 外 3,500 3,200 2,100 屋 歩 行 用 寄 宿 舎 病 棟 1,800 1,300 600 (ハ ルコニー 含 む) 上 記 以 外 2,900 2,400 1,300 S 造 の 体 育 490 300 上 非 歩 行 用 館 武 道 場 (0) (0) 200 上 記 以 外 980 600 400 片 持 形 式 の 庇 1,800 1,300 600 注 1) 小 ばり 計 算 用 の 積 載 荷 重 は 原 則 として 床 構 造 計 算 用 の 値 を 用 いる 2) 表 の 積 載 荷 重 を 超 える 重 量 物 がある 場 合 は 実 際 の 重 量 を 設 置 部 分 の 積 載 荷 重 とする ( 特 に* 印 の 部 屋 ) 3) ( ) 内 の 数 値 は 暴 風 時 の 応 力 算 定 に 適 用 する 4) ゴシック 体 で 表 示 されている 数 値 は 使 用 実 態 に 配 慮 して 法 令 より 割 増 した 数 値 と している (2) 支 える 床 の 数 に 応 じた 積 載 荷 重 の 低 減 は 令 第 85 条 2 項 の 規 定 による - 22 -
4.3 積 雪 荷 重 (1) 積 雪 荷 重 は 令 第 86 条 告 示 ( 多 雪 区 域 を 指 定 する 基 準 及 び 垂 直 積 雪 量 を 定 める 基 準 を 定 める 件 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1455 号 )) 及 び 特 定 行 政 庁 が 定 める 規 則 の 規 定 による なお S 造 の 体 育 館 等 の 積 雪 荷 重 は 区 域 にかかわらず 上 記 による 垂 直 積 雪 量 に 30N/m2 cmを 乗 じた 値 以 上 とし 片 側 積 雪 の 検 討 を 行 うものとする (2) 雪 おろしによる 低 減 は 行 わない (1)S 造 の 体 育 館 等 の 大 スパン 構 造 物 では 積 雪 による 倒 壊 の 恐 れがあるため 単 位 荷 重 を 割 増 し 安 全 性 を 確 保 する また 片 側 落 雪 等 による 積 雪 荷 重 の 偏 りが 応 力 に 及 ぼす 影 響 が 極 めて 大 きいため 片 側 積 雪 の 検 討 を 行 う 必 要 がある また 屋 根 の 形 や 地 形 等 によっては 風 の 影 響 で 積 雪 の 分 布 が 著 しく 不 均 一 となる 可 能 性 があるため 積 雪 の 偏 りによる 影 響 や 屋 根 の 谷 部 の 吹 き だまりについても 必 要 に 応 じて 検 討 を 行 う (2) 令 第 86 条 に 定 められている 雪 おろしによる 荷 重 の 低 減 は 主 に 住 宅 等 を 対 象 に 定 められたものであり 文 教 施 設 では 危 険 の 予 知 が 困 難 で 人 手 がすぐに 集 めにくい 等 の 理 由 から 原 則 として 雪 おろしによる 荷 重 の 低 減 は 行 わない ただし 融 雪 装 置 落 雪 装 置 等 有 効 な 手 段 が 講 じられていれば 垂 直 積 雪 量 を 減 らして 計 算 できる 場 合 がある 具 体 的 には 特 定 行 政 庁 に 確 認 する 4.4 風 圧 力 風 圧 力 は 令 第 87 条 及 び 告 示 (Eの 数 値 を 算 出 する 方 法 並 びに V 0 及 び 風 力 係 数 の 数 値 を 定 める 件 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1454 号 ))の 規 定 による 設 計 用 風 圧 力 の 計 算 は 令 第 87 条 の 規 定 により 速 度 圧 に 風 力 係 数 と 見 付 面 積 を 乗 じ て 算 出 し (4.1) 式 による P=q Cf A (4.1) ここで P : 設 計 用 風 圧 力 (N) q : 速 度 圧 (N/m 2 )( 令 第 87 条 第 2 項 及 び 告 示 第 1454 号 ) Cf : 風 力 係 数 ( 告 示 第 1454 号 第 3) A : 見 付 面 積 (m 2 ) ( 注 ) 積 雪 時 には 見 付 面 積 が 増 大 するので 割 増 しをする - 23 -
4.5 地 震 力 地 震 力 は 他 に 規 定 がある 場 合 を 除 き 令 第 88 条 の 規 定 による (a) 地 上 部 の 地 震 力 については 次 の 場 合 を 除 き 令 第 88 条 の 規 定 による (ⅰ) RC 造 及 び SRC 造 の 耐 震 計 算 ルートをルート 2-3 とした 場 合 は 令 第 88 条 第 1 項 に 規 定 する 標 準 せん 断 力 係 数 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 とし 詳 細 は 9 章 又 は 10 章 による (ⅱ) S 造 の 耐 震 計 算 ルートをルート 1-1 又 はルート 1-2 とした 場 合 は 告 示 ( 建 築 基 準 法 施 行 令 第 36 条 の 2 第 五 号 の 国 土 交 通 大 臣 が 指 定 する 建 築 物 を 定 める 件 ( 平 成 19 年 国 土 交 通 省 告 示 第 593 号 ))の 第 一 号 イ(3)に 規 定 する 標 準 せん 断 力 係 数 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 とし ルート 2 とした 場 合 は 令 第 88 条 第 1 項 に 規 定 する 標 準 せん 断 力 係 数 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 とする なお 詳 細 は 11 章 による (ⅲ) 限 界 耐 力 計 算 時 刻 歴 応 答 解 析 免 震 構 造 及 び 制 振 構 造 の 地 震 力 については そ れぞれ 7 章 8 章 14 章 による (b) 地 下 部 の 地 震 力 については 次 の 場 合 を 除 き 令 第 88 条 第 4 項 の 規 定 による なお 地 下 部 分 と 見 なすのは 外 周 壁 の 全 てに 渡 って 階 高 の 2/3 以 上 が 地 盤 に 接 している 場 合 又 は 階 高 の 大 部 分 が 地 盤 に 接 している 外 周 壁 が 3/4 以 上 である 場 合 による (ⅰ) RC 造 及 び SRC 造 の 耐 震 計 算 ルートをルート 2-3 とした 場 合 は 令 第 88 条 第 4 項 に 規 定 する 水 平 震 度 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 とする なお 杭 基 礎 に 作 用 する 地 震 力 については ルート 1 ルート 2-1 及 びルート 2-2 についても 令 第 88 条 第 4 項 に 規 定 する 水 平 震 度 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 とする (ⅱ) S 造 の 耐 震 計 算 ルートをルート 1-1 ルート 1-2 及 びルート 2 とした 場 合 は 令 第 88 条 第 4 項 に 規 定 する 水 平 震 度 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 とする (ⅲ) 限 界 耐 力 計 算 時 刻 歴 応 答 解 析 免 震 構 造 及 び 制 振 構 造 の 地 震 力 については そ れぞれ 7 章 8 章 14 章 による なお 重 要 度 係 数 は 原 則 として 1.25 とする - 24 -
4.6 その 他 の 荷 重 (1) 衝 撃 力 や 振 動 を 伴 う 機 械 装 置 の 荷 重 は 衝 撃 力 等 を 考 慮 した 衝 撃 荷 重 とする なお 実 測 によらない 場 合 の 衝 撃 荷 重 は 表 4.3 を 標 準 とし この 荷 重 による 応 力 は 長 期 として 扱 う 表 4.3 機 械 装 置 の 衝 撃 荷 重 機 械 種 別 衝 撃 荷 重 モーターにより 動 く 機 械 機 械 重 量 1.2 ピストンにより 動 く 機 械 機 械 重 量 1.5 (2) 電 気 設 備 及 び 機 械 設 備 の 荷 重 は 実 状 に 基 づいて 算 定 する なお 精 算 によらない 場 合 のボイラーの 荷 重 は 缶 重 量 を 1.15 倍 程 度 割 増 した 値 を 標 準 とする (3)クレーン 等 の 荷 重 は S 基 準 及 び 荷 重 指 針 による (4) 土 圧 及 び 水 圧 は 基 礎 構 造 指 針 及 び 荷 重 指 針 による (2) 設 備 機 器 の 荷 重 設 備 機 器 の 設 計 用 荷 重 は 表 4.4 による なお その 装 置 が 大 きく その 振 動 等 により 居 住 性 に 影 響 が 大 きい 場 合 には 機 械 基 礎 を 屋 外 に 設 置 し 建 築 物 より 切 り 離 して 設 計 する 等 の 検 討 を 行 う ボイラー 蒸 気 発 生 機 冷 凍 機 冷 却 機 電 力 設 備 表 4.4 設 備 機 器 の 設 計 用 荷 重 構 造 計 算 用 重 量 としては 缶 重 量 かん 水 容 量 に 配 管 保 温 材 重 量 と 補 器 類 の 重 量 の 合 計 をとる これらの 重 量 を 算 定 し ない 場 合 は 缶 重 量 を 1.15 倍 程 度 割 増 しする 機 器 の 重 量 に 配 管 重 量 及 びコンプレッサーの 衝 撃 力 等 を 加 算 する 全 重 量 は 運 転 重 量 に 接 続 する 配 管 重 量 を 加 算 する 自 重 に 配 線 重 量 及 びこれに 付 属 する 機 器 重 量 を 加 算 する なお 振 動 を 伴 うディーゼル 機 関 等 にはさらに 衝 撃 力 等 を 加 算 する 基 礎 及 び 架 台 重 量 を 加 算 す る - 25 -
5 章 許 容 応 力 度 計 算 5.1 一 般 事 項 (1) 応 力 及 び 変 形 の 算 定 は 一 般 に 部 材 の 弾 性 剛 性 に 立 脚 した 計 算 による (2) 弾 性 剛 性 の 算 出 に 必 要 な 断 面 二 次 モーメントは 全 断 面 について 求 める ただし RC 造 や SRC 造 において 鋼 材 の 影 響 が 少 ない 場 合 には コンクリート 断 面 について 算 定 してよい (3)RC 造 SRC 造 及 び S 造 の 設 計 用 応 力 は 令 第 82 条 第 2 号 によるものとし 各 種 荷 重 外 力 による 応 力 を 適 切 に 組 合 せて 定 める ただし S 造 の 体 育 館 等 の 設 計 用 応 力 は 区 域 にかかわらず 令 第 82 条 第 二 号 の 多 雪 区 域 における 場 合 による (4) 設 計 用 応 力 は 断 面 算 定 を 行 う 箇 所 の 応 力 とする ただし 鉛 直 荷 重 による 部 材 端 部 の 設 計 用 応 力 は 節 点 における 値 とする 許 容 応 力 度 計 算 とは 令 第 82 条 各 号 に 規 定 する 計 算 をいう (3)S 造 の 体 育 館 等 の 大 スパン 構 造 物 の 設 計 用 応 力 は 区 域 にかかわらず 表 5.1 を 標 準 とする 表 5.1 応 力 の 組 合 せ 応 力 の 種 類 想 定 する 状 態 応 力 の 組 合 せ 長 期 短 期 常 時 積 雪 時 積 雪 時 暴 風 時 地 震 時 G+P G+P+0.7S G+P+S G+P+W G+P+0.35S+W G+P+0.35S+K 注 1) G,P,S,W,Kは それぞれ 固 定 荷 重 積 載 荷 重 積 雪 荷 重 風 圧 力 地 震 力 による 応 力 を 示 す 2) 土 圧 水 圧 及 び 特 殊 荷 重 による 応 力 は 実 情 に 応 じて 組 合 せる (4) 設 計 用 応 力 は 断 面 算 定 を 行 う 箇 所 に 生 ずる 応 力 とする ただし 部 材 端 部 の 断 面 算 定 に 用 いる 応 力 は 原 則 として 表 5.2 による - 26 -
表 5.2 部 材 端 部 の 設 計 用 応 力 荷 重 状 態 設 計 用 応 力 鉛 直 荷 重 時 節 点 の 値 による 水 平 荷 重 時 RC 造 SRC 造 S 造 剛 域 端 の 値 による 通 常 は 部 材 せいの 1/4 入 った 点 をとる 鉄 骨 面 の 値 による 鉄 骨 面 の 値 による ただし 体 育 館 等 の 大 スパン 構 造 物 は 節 点 の 値 による 注 計 算 の 簡 略 化 のため 全 て 節 点 における 値 としてもよい 5.2 鉛 直 荷 重 時 の 設 計 (1) 鉛 直 荷 重 時 の 応 力 解 析 は 節 点 の 移 動 柱 はりの 部 材 角 を 考 慮 して 行 う (2) 積 載 荷 重 については 一 般 に 満 載 時 について 算 定 してよいが 必 要 に 応 じて 部 分 的 な 積 載 荷 重 の 変 動 が 応 力 や 変 形 に 及 ぼす 影 響 を 考 慮 する (3)ラーメン 内 に RC 造 の 壁 体 がある 場 合 の 応 力 は 壁 下 の 基 礎 の 有 無 や 壁 開 口 の 状 況 に 基 づいて 算 定 する (4) 小 ばりの 応 力 は 大 ばりの 拘 束 状 態 を 考 慮 して 算 定 する (5) 長 方 形 スラブの 応 力 は 弾 性 理 論 により 荷 重 状 態 や 周 辺 の 固 定 度 に 基 づいて 算 定 する (3)ラーメン 内 にある RC 造 の 壁 体 は 一 般 に 柱 はりと 一 体 になって 剛 な 構 造 体 を 形 成 し てラーメンの 応 力 を 軽 減 するため 応 力 の 算 定 にあたっては 次 によってよい (a) 曲 げモーメントの 算 定 にあたっては 図 5 のようにモデル 化 する なお (イ)の 場 合 には 剛 性 の 大 きい 基 礎 ばりが 各 階 床 荷 重 の 一 部 を 負 担 して 応 力 が 特 に 増 大 するため 注 意 を 要 する - 27 -
剛 域 端 は はりせいの 1 入 ったところ 4 (イ) 壁 下 に 基 礎 がない 場 合 固 定 端 は はりせいの 1 入 ったところ 4 (ロ) 壁 下 に 基 礎 がある 場 合 図 5 有 壁 ラーメンのモデル 化 (b) 軸 方 向 力 の 算 定 にあたっては RC 造 の 壁 体 重 量 が 直 接 柱 に 伝 わるものと 見 なす ただし 最 下 層 まで 連 続 した 壁 体 で 壁 下 に 基 礎 がある 場 合 には 壁 に 接 続 する 部 材 重 量 も 含 めて 壁 の 軸 方 向 力 として 算 出 してよい (5) 長 方 形 スラブの 応 力 は 荷 重 状 態 とスラブ 周 辺 の 支 持 条 件 で 変 化 する 普 通 の 床 スラブは 等 分 布 荷 重 を 受 けるものと 見 なしてよい しかし 特 に 重 い 荷 重 が 部 分 的 に 加 わる 場 合 には その 荷 重 状 態 に 応 じて 集 中 荷 重 部 分 荷 重 線 分 布 荷 重 等 として 扱 う 必 要 がある スラブが 剛 なはりに 剛 接 される 場 合 には その 辺 では 固 定 された 平 板 として 扱 われる しかし はりの 曲 げ 剛 性 やねじり 剛 性 の 小 さな 場 合 には そのはりのたわみや 回 転 によってスラブの 曲 げ モーメント 分 布 が 変 化 する 床 スラブの 厚 さに 比 べて 周 辺 のはり 断 面 が 小 さい 場 合 あるいは 吹 抜 けや 開 口 部 周 りの 床 スラ ブでは はりの 剛 性 に 見 合 う 適 切 な 支 持 条 件 を 選 択 する 必 要 がある - 28 -
5.3 水 平 荷 重 時 の 設 計 (1) 水 平 荷 重 時 の 応 力 解 析 は 直 交 する 二 方 向 の 架 構 構 面 として 独 立 に 行 うことができる ものとする ただし 架 構 の 形 状 が 構 造 体 全 体 の 応 力 状 態 に 及 ぼす 影 響 を 考 慮 する 必 要 がある 場 合 は 立 体 解 析 を 行 う なお 出 隅 の 柱 は 必 要 に 応 じて 二 方 向 から 同 時 に 水 平 荷 重 が 作 用 するものとして 検 討 する (2) 水 平 荷 重 を 受 けるラーメンの 応 力 算 定 にあたっては 耐 力 壁 や 腰 壁 等 を 実 情 に 応 じモ デル 化 し 適 切 な 剛 性 評 価 を 行 う なお やむを 得 ず 腰 壁 たれ 壁 と 柱 との 間 にスリットを 設 ける 場 合 は 原 則 として 完 全 スリットとする (3)RC 造 及 び SRC 造 の 設 計 用 せん 断 力 の 割 増 しは 原 則 として 耐 震 計 算 ルート 毎 の 告 示 による また 耐 力 壁 の 水 平 分 担 率 が 1/2 を 超 える 場 合 は 告 示 ( 保 有 水 平 耐 力 計 算 及 び 許 容 応 力 度 等 計 算 の 方 法 を 定 める 件 ( 平 成 19 年 国 土 交 通 省 告 示 第 594 号 ))による (2)スリット 幅 の 基 本 的 考 え 方 については 2007 解 説 書 を 参 考 にする (3)RC 造 及 び SRC 造 の 設 計 用 せん 断 力 の 割 増 しは 次 による (a)ルート 1 の 場 合 は 告 示 ( 建 築 基 準 法 施 行 令 第 36 条 の 2 第 五 号 の 国 土 交 通 大 臣 が 指 定 する 建 築 物 を 定 める 件 ( 平 成 19 年 国 土 交 通 省 告 示 第 593 号 )) 第 二 号 イ(2)の 規 定 による ただし 柱 及 びはりの 場 合 で 4 階 建 て 程 度 以 下 の 建 築 物 では 短 周 期 領 域 の 大 きな 応 答 加 速 度 を 考 慮 してnを 2.0 以 上 とする (b)ルート 2-1 ルート 2-2 及 びルート 2-3 の 場 合 は 告 示 ( 建 築 物 の 地 震 に 対 す る 安 全 性 を 確 かめるために 必 要 な 構 造 計 算 の 基 準 を 定 める 件 ( 昭 和 55 年 建 設 省 告 示 第 1791 号 )) 第 3 のそれぞれ 第 一 号 ロ 第 二 号 ロ 及 び 第 三 号 ロの 規 定 による (c)ルート 3 の 場 合 は 告 示 ( 保 有 水 平 耐 力 計 算 及 び 許 容 応 力 度 等 計 算 の 方 法 を 定 める 件 ( 平 成 19 年 国 土 交 通 省 告 示 第 594 号 )) 第 4 号 第 三 号 ニによる ただし 柱 及 びはりの 場 合 で 4 階 建 て 程 度 以 下 の 建 築 物 では 短 周 期 領 域 の 大 きな 応 答 加 速 度 を 考 慮 してnを 2.0 以 上 とする - 29 -
6.1 一 般 事 項 6 章 保 有 水 平 耐 力 の 計 算 (1) 保 有 水 平 耐 力 の 計 算 は 建 築 物 の 保 有 水 平 耐 力 が 当 該 建 築 物 の 必 要 保 有 水 平 耐 力 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 以 上 であることを 確 認 する (2) 地 階 の 保 有 水 平 耐 力 の 計 算 は 地 階 の 保 有 水 平 耐 力 が 地 階 の 必 要 保 有 水 平 耐 力 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 以 上 であることを 確 認 する (3) 杭 基 礎 の 保 有 水 平 耐 力 の 計 算 は 13 章 による (1) 保 有 水 平 耐 力 の 計 算 とは 令 第 82 条 の 3 に 規 定 する 計 算 をいう 建 築 物 の 保 有 水 平 耐 力 の 検 討 は 重 要 度 を 考 慮 し 原 則 として 各 階 及 び 各 方 向 別 に 次 式 により 検 討 する Qu I Q un (6.1) ここで Q u : 保 有 水 平 耐 力 (N)( 令 第 82 条 の 3 第 一 号 による ) Q un : 必 要 保 有 水 平 耐 力 (N)( 令 第 82 条 の 3 第 二 号 による ) I : 重 要 度 係 数 ( 原 則 として 1.25 とする ) (2) 地 階 においても 構 造 体 の 保 有 水 平 耐 力 が 重 要 度 を 考 慮 した 必 要 保 有 水 平 耐 力 以 上 であることを 次 式 により 確 認 する なお 上 部 構 造 の 保 有 水 平 耐 力 の 余 力 を 考 慮 し 地 階 の 保 有 水 平 耐 力 にも 余 力 を 持 たせる B u I B Qun Q (6.2) ここで B Q u : 地 階 の 保 有 水 平 耐 力 壁 量 による 略 算 による 場 合 は B Q u = 2.5αA + 0.7(1.0) αa により 算 定 してよい ( ) 内 の 値 は SRC 造 の 場 合 を 示 す Fc α = (ただし 1.0 α 2 ) 18 Q B un : 地 階 の 必 要 保 有 水 平 耐 力 W C I : 重 要 度 係 数 ( 原 則 として 1.25 とする ) B Q = Q Q B D un 1 un (6.3) 1Q D Q un ここで 1 :1 階 の 必 要 保 有 水 平 耐 力 Q : B D 地 階 の 許 容 応 力 度 計 算 用 せん 断 力 Q 1 D :1 階 の 許 容 応 力 度 計 算 用 せん 断 力 - 30 -
6.2 保 有 水 平 耐 力 の 算 定 建 築 物 の 保 有 水 平 耐 力 は 各 部 材 及 び 接 合 部 の 終 局 強 度 に 基 づき 適 切 な 崩 壊 メカニズ ムを 設 定 して 算 定 する なお 原 則 として 崩 壊 メカニズムが 全 体 崩 壊 形 となるように 設 計 する (a) 保 有 水 平 耐 力 の 算 出 に 用 いる 柱 はり 筋 かい 及 び 耐 力 壁 並 びにそれらの 接 合 部 等 に おける 諸 強 度 についての 計 算 式 は 法 令 等 に 示 されたもののほか それぞれに 適 切 な 終 局 耐 力 計 算 式 を 用 いる なお 終 局 耐 力 の 計 算 式 は 2007 解 説 書 付 録 を 参 考 とするとよい (b) 建 築 物 の 崩 壊 メカニズムとしては 以 下 の 3 つの 崩 壊 形 があるが 全 体 崩 壊 形 とな るように 設 計 することが 望 ましい (ⅰ) 全 体 崩 壊 形 建 築 物 が 全 体 として 不 安 定 な 状 態 になるのに 十 分 な 塑 性 ヒンジが 形 成 されたとき (ⅱ) 部 分 崩 壊 形 建 築 物 のある 特 定 の 階 が 部 分 的 に 不 安 定 な 状 態 になるのに 十 分 な 塑 性 ヒンジが 形 成 されたとき (ⅲ) 局 部 崩 壊 形 建 築 物 のある 特 定 の 部 材 が 破 壊 し 水 平 力 に 対 して 引 続 き 耐 えられる 状 態 であっ ても 鉛 直 荷 重 に 対 して 架 構 の 一 部 が 耐 えられなくなる 状 態 となったとき (c) 耐 力 壁 又 は 筋 かい 付 き 架 構 の 終 局 耐 力 は 構 造 全 体 としての 曲 げ 耐 力 やせん 断 耐 力 に よって 支 配 されるほか 一 部 の 基 礎 が 引 張 力 による 浮 き 上 がり あるいは 圧 縮 力 による 沈 下 によって 決 まる 場 合 がある また 耐 力 壁 又 は 筋 かい 付 き 架 構 に 同 一 構 面 内 の 境 界 ばりやそれらに 直 交 する 部 材 が 存 在 し 耐 力 壁 又 は 筋 かい 付 き 架 構 の 変 形 に 影 響 を 及 ぼすと 想 定 される 場 合 には 適 切 にその 効 果 を 算 入 する - 31 -
6.3 構 造 特 性 係 数 構 造 特 性 係 数 は 部 材 の 破 壊 等 により 急 激 な 架 構 耐 力 の 低 下 を 生 じないように 決 定 する (1)RC 造 の 構 造 特 性 係 数 は 原 則 として 表 6.1 による 表 6.1 RC 造 の 構 造 特 性 係 数 D S 柱 及 びはりの 部 材 群 としての 種 別 A B C D 壁 式 構 造 (β U =1) 0<β U 0.3 の 場 合 0.3 0.35 0.4 0.45 耐 力 壁 の 部 材 群 と し て の 種 別 A B C D 0.3<β U 0.7 の 場 合 0.35 0.4 0.45 0.5 β U >0.7 の 場 合 0.4 0.45 0.45 0.55 0.45 0<β U 0.3 の 場 合 0.35 0.35 0.4 0.45 0.3<β U 0.7 の 場 合 0.4 0.4 0.45 0.5 β U >0.7 の 場 合 0.45 0.45 0.5 0.55 0.5 0<β U 0.3 の 場 合 0.35 0.35 0.4 0.45 0.3<β U 0.7 の 場 合 0.4 0.45 0.45 0.5 β U >0.7 の 場 合 0.5 0.5 0.5 0.55 0.55 0<β U 0.3 の 場 合 0.4 0.4 0.45 0.45 0.3<β U 0.7 の 場 合 0.45 0.5 0.5 0.5 β U >0.7 の 場 合 0.55 0.55 0.55 0.55 0.55 ここで β U : 耐 力 壁 ( 筋 かいを 含 む )の 水 平 耐 力 の 和 を 保 有 水 平 耐 力 の 数 値 で 除 し た 数 値 の 範 囲 内 は 原 則 として 使 用 しない (2)SRC 造 の 構 造 特 性 係 数 は 表 6.1 の 数 値 から 0.05 を 減 じた 数 値 とし 原 則 として 使 用 しない 範 囲 は RC 造 と 同 様 とする (3)S 造 の 構 造 特 性 係 数 は 原 則 として 表 6.2 による - 32 -
表 6.2 S 造 の 構 造 特 性 係 数 D S 柱 及 びはりの 部 材 群 としての 種 別 A B C D 筋 か い の 部 材 群 と し て の 種 別 A 又 は β U =0 の 場 合 0.25 0.3 0.35 0.4 0<β U 0.3 の 場 合 0.25 0.3 0.35 0.4 B 0.3<β U 0.7 の 場 合 0.3 0.3 0.35 0.45 β U >0.7 の 場 合 0.35 0.35 0.4 0.5 0<β U 0.3 の 場 合 0.3 0.3 0.35 0.4 C 0.3<β U 0.7 の 場 合 0.35 0.35 0.4 0.45 β U >0.7 の 場 合 0.4 0.4 0.45 0.5 ここで β U : 筋 かい( 耐 力 壁 を 含 む )の 水 平 耐 力 の 和 を 保 有 水 平 耐 力 の 数 値 で 除 した 数 値 の 範 囲 内 は 原 則 として 使 用 しない 建 築 物 各 階 の 耐 震 性 能 は 強 度 とじん 性 の 積 に 比 例 し 図 6 において (A)と(B)の 面 積 が 等 しいとき 耐 震 性 能 は 等 しいとみなす このことから じん 性 ( 変 形 性 能 )が 大 きい 場 合 に は 強 度 を 小 さくすることができ その 強 度 の 低 減 率 を 構 造 特 性 係 数 と 解 釈 することができる 図 6 耐 震 性 能 の 比 較 - 33 -
構 造 特 性 係 数 は 告 示 (Ds 及 び Fes を 算 出 する 方 法 を 定 める 件 ( 昭 和 55 年 建 設 省 告 示 第 1792 号 )) 規 定 によるが 原 則 として 部 材 の 破 壊 等 により 急 激 な 架 構 耐 力 の 低 下 を 生 ずるものとしてはならない 特 に 耐 力 壁 の 水 平 力 分 担 率 が 少 ない 架 構 で 柱 部 材 が 脆 性 破 壊 (せん 断 破 壊 付 着 割 裂 破 壊 圧 縮 系 の 破 壊 )する 場 合 には 鉛 直 支 持 力 の 喪 失 によって 層 崩 壊 を 引 き 起 こす 可 能 性 が 高 いため このような 構 造 特 性 係 数 は 使 用 しないこととしている なお 構 造 特 性 係 数 は 建 築 物 の 方 向 及 び 階 によって 異 なった 値 としてもよいが 上 下 階 で 極 端 に 変 化 することは 好 ましくないため バランスのとれた 値 となるよう 配 慮 する 必 要 がある - 34 -
7 章 限 界 耐 力 計 算 7.1 限 界 耐 力 計 算 (1) 限 界 耐 力 計 算 を 採 用 する 場 合 は 建 築 物 の 性 状 がモデル 化 に 対 して 適 切 であること を 確 認 する (2) 限 界 耐 力 計 算 は 令 第 82 条 の 5 による ただし 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 を 確 保 するため 令 第 82 条 の 5 第 五 号 ハに 規 定 する 安 全 限 界 時 の 各 階 の 水 平 方 向 に 生 ず る 力 の 式 に 重 要 度 係 数 を 乗 じて 割 増 すものとする また 地 下 部 分 についても 原 則 として 上 部 構 造 と 同 様 に 安 全 限 界 の 検 証 を 行 う (3) 安 全 限 界 変 位 の 当 該 各 階 の 高 さに 対 する 割 合 は 75 分 の 1 を 超 えないよう 適 切 に 設 定 する (4) 各 部 材 は 部 材 の 限 界 変 形 角 に 対 して 余 裕 のある 変 形 能 力 を 確 保 する (1) 限 界 耐 力 計 算 は 保 有 水 平 耐 力 計 算 や 許 容 応 力 度 等 計 算 等 で 想 定 する 荷 重 外 力 に 加 えて 極 めて 稀 に 発 生 する 最 大 級 の 積 雪 及 び 暴 風 に 対 する 安 全 性 を 直 接 検 討 するとともに 極 めて 稀 に 発 生 する 地 震 動 に 対 する 建 築 物 の 変 形 を 計 算 し その 変 形 に 対 して 安 全 である ように 部 材 を 設 計 することで 安 全 性 を 確 認 する 手 法 である なお 限 界 耐 力 計 算 は 建 築 物 の 剛 性 と 減 衰 が 等 価 な 1 質 点 系 のモデル 化 により 応 答 を 推 定 する 方 法 であるため 建 築 物 の 性 状 が モデル 化 に 対 して 適 切 であるかを 十 分 確 認 し 採 用 する (2) 極 めて 稀 に 発 生 する 地 震 動 ( 大 地 震 動 )により 建 築 物 の 各 階 に 水 平 方 向 に 生 ずる 力 は 表 7 により 計 算 する また 地 下 階 にドライエリアが 配 されていて 有 効 な 耐 力 壁 が 少 ない 場 合 等 必 要 に 応 じ て 地 下 部 分 の 安 全 限 界 の 検 証 を 行 う (3) 安 全 限 界 変 位 は はり 部 材 及 び 耐 力 壁 等 の 変 形 能 力 を 勘 案 して 適 切 に 設 定 する (4) 限 界 耐 力 計 算 では 安 全 限 界 変 形 時 における 建 築 物 の 耐 力 がその 時 の 周 期 と 減 衰 性 に 応 じて 建 築 物 に 生 じる 力 を 超 えないことを 確 かめることになっているが 地 震 動 や 解 析 モ デルが 有 する 不 確 定 要 素 等 による 不 測 の 事 態 にも 対 応 できるように 耐 力 及 び 変 形 能 力 に 十 分 な 余 裕 を 持 たせることが 重 要 である - 35 -
表 7 各 階 に 水 平 方 向 に 生 ずる 力 Ts<0.16 の 場 合 Psi = ( 3.2 + 30Ts) mi Bsi Fh Z Gs I 0.16 Ts<0.64 の 場 合 Psi = 8 mi Bsi Fh Z Gs I 0.64 Ts の 場 合 Psi = 5.12 mi Bsi Fh Z Gs I Ts この 表 において Ts,Psi,mi,Bsi,Fh, Z, Gs 及 び I は それぞれ 次 の 数 値 を 表 すもの とする Ts 建 築 物 の 安 全 限 界 固 有 周 期 ( 単 位 秒 ) Psi mi 各 階 に 水 平 方 向 に 生 ずる 力 ( 単 位 kn) 各 階 の 質 量 ( 各 階 の 固 定 荷 重 及 び 積 載 荷 重 との 和 ( 第 86 条 第 2 項 ただし 書 の 規 定 によって 特 定 行 政 庁 が 指 定 する 多 雪 区 域 においては 更 に 積 雪 荷 重 を 加 えたものとする )を 重 力 加 速 度 で 除 したもの)( 単 位 t) Bsi 各 階 に 生 ずる 加 速 度 の 分 布 を 表 すものとして 安 全 限 界 固 有 周 期 に 対 する 振 動 特 性 に 応 じて 国 土 交 通 大 臣 が 定 める 基 準 に 従 って 算 出 した 数 値 Fh 安 全 限 界 固 有 周 期 における 振 動 の 減 衰 による 加 速 度 の 低 減 率 を 表 すものと して 国 土 交 通 大 臣 が 定 める 基 準 に 従 って 算 出 した 数 値 Z Gs 令 第 88 条 第 1 項 に 規 定 するZの 数 値 表 層 地 盤 による 加 速 度 の 増 幅 率 を 表 すものとして 表 層 地 盤 の 種 類 に 応 じ て 国 土 交 通 大 臣 が 定 める 方 法 により 算 出 した 数 値 I 重 要 度 係 数 ( 原 則 として 1.25 とする) 令 第 82 条 の 5 及 び 告 示 ( 損 傷 限 界 変 位 Td Bdi 層 間 変 位 安 全 限 界 変 位 Ts Bsi Fh 及 び Gs を 計 算 する 方 法 並 びに 屋 根 ふき 材 等 及 び 外 壁 等 の 構 造 耐 力 上 の 安 全 を 確 か めるための 構 造 計 算 の 基 準 を 定 める 件 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1457 号 ))に 基 づく 限 界 耐 力 計 算 のフローは 図 7 による - 36 -
スタート 構 造 種 別 構 造 形 式 の 選 定 仮 定 荷 重 の 算 定 仮 定 断 面 建 築 物 重 量 の 算 定 長 期 に 生 ずる 力 使 用 性 の 検 証 No Yes 損 傷 限 界 の 検 証 Qd>Qdn 層 間 変 形 角 1/200(1/120) No Yes 安 全 限 界 の 検 証 Qs>Qsn 層 間 変 形 角 1/75 部 材 の 変 形 能 力 の 検 証 No Yes 風 圧 力 積 雪 荷 重 の 検 証 No Yes 屋 根 ふき 材 外 装 材 及 び 屋 外 に 面 する 帳 壁 の 検 証 No エンド Yes 図 7 限 界 耐 力 計 算 のフロー - 37 -
8 章 時 刻 歴 応 答 解 析 8.1 時 刻 歴 応 答 解 析 (1) 高 さ 45mを 超 える 建 築 物 及 び 特 殊 な 振 動 性 状 を 持 つ 建 築 物 は 原 則 として 時 刻 歴 応 答 解 析 を 行 い 振 動 性 状 を 確 認 する (2) 入 力 地 震 動 の 強 さは 告 示 ( 超 高 層 建 築 物 の 構 造 耐 力 上 の 安 全 性 を 確 かめるため の 構 造 計 算 の 基 準 を 定 める 件 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1461 号 ))の 規 定 によるほか 敷 地 周 辺 の 過 去 の 地 震 活 動 地 盤 条 件 等 を 考 慮 して 決 定 する なお 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 を 確 保 するため 極 めて 稀 に 発 生 する 地 震 動 による 地 震 力 は 重 要 度 係 数 を 乗 じて 割 増 すものとする (3) 地 震 動 の 波 形 は 地 震 の 発 生 機 構 のばらつき 等 を 考 慮 して 告 示 第 1461 号 の 規 定 による 告 示 波 及 び 建 設 地 周 辺 における 活 断 層 分 布 断 層 破 壊 モデル 過 去 の 地 震 活 動 地 盤 構 造 等 に 基 づき 模 擬 地 震 波 (サイト 波 )で3 波 以 上 過 去 における 代 表 的 な 観 測 地 震 波 から 作 成 した 地 震 波 ( 既 往 波 )で3 波 以 上 の 地 震 波 について 検 討 する (4) 設 計 目 標 は 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 に 配 慮 して 適 切 に 設 定 する (1) 高 さが 60mを 超 える 建 築 物 については 法 第 20 条 第 1 項 の 規 定 により 国 土 交 通 大 臣 の 認 定 が 必 要 である また 高 さが 45mを 超 え 60m 以 下 の 建 築 物 については より 詳 細 に 耐 震 性 能 を 検 討 する 意 味 から 時 刻 歴 応 答 解 析 を 行 うことが 望 ましい (2) 稀 に 発 生 する 地 震 動 を 過 去 の 観 測 地 震 波 を 用 いて 入 力 地 震 動 を 作 成 する 場 合 は 最 大 速 度 振 幅 を 250mm/sec 以 上 とする また 極 めて 稀 に 発 生 する 地 震 動 のうち 告 示 波 の 場 合 は 稀 に 発 生 する 地 震 動 に 対 する 加 速 度 応 答 スペクトルの5 倍 の 数 値 に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 以 上 とし 過 去 の 観 測 地 震 波 から 作 成 する 場 合 は 最 大 速 度 振 幅 を 500mm/sec に 重 要 度 係 数 を 乗 じた 値 以 上 とする なお 重 要 度 係 数 は 原 則 として 1.25 とする (4) 設 計 目 標 のうち 耐 震 設 計 については 次 を 目 安 とする なお 必 要 に 応 じて 目 標 値 に 対 する 余 裕 度 を 確 保 する (a) 稀 に 発 生 する 地 震 動 によって 建 築 物 の 部 分 に 損 傷 が 生 じないことを 次 のイ 及 びロ の 方 法 によって 確 かめられていること (ただし 免 震 層 については 法 第 37 条 に - 38 -
基 づく 免 震 材 料 の 法 第 37 条 材 料 認 定 の 適 用 範 囲 内 で 使 用 されることが 確 認 されて いれば イ 及 びロの 方 法 によらなくてよい ) イ. 各 階 の 応 答 層 間 変 形 角 が 200 分 の 1 を 超 えない 範 囲 にあること ロ. 建 築 物 の 構 造 耐 力 上 主 要 な 部 分 に 生 じる 応 力 が 短 期 許 容 応 力 度 以 内 であること (ただし 制 振 部 材 を 除 く ) (b) 極 めて 稀 に 発 生 する 地 震 動 によって 建 築 物 が 倒 壊 崩 壊 等 しないことが 次 のイか らニの 方 法 によって 確 かめられていること (ただし 免 震 層 については 法 第 37 条 に 基 づく 免 震 材 料 の 法 第 37 条 材 料 認 定 の 適 用 範 囲 内 で 使 用 されることが 確 認 さ れていれば イ 及 びロの 方 法 によらなくてよい ) イ. 各 階 の 応 答 層 間 変 形 角 が 100 分 の 1 を 超 えない 範 囲 にあること ロ. 各 階 の 層 としての 応 答 塑 性 率 が 2.0 を 超 えないこと ハ. 構 造 耐 力 上 主 要 な 部 分 を 構 成 する 各 部 材 の 応 答 塑 性 率 が 4.0 以 下 であること (ただし 制 振 部 材 を 除 く ) ニ. 地 下 部 分 の 部 材 応 力 が 終 局 強 度 以 下 であること - 39 -
9 章 鉄 筋 コンクリート 構 造 9.1 耐 震 計 算 ルート RC 造 の 構 造 計 算 は 建 築 物 の 規 模 階 数 部 材 の 断 面 及 び 配 置 等 の 諸 元 に 基 づき 適 切 な 耐 震 計 算 ルートを 選 択 する (1)ルート 1 は 高 さ 20m 以 下 の 比 較 的 小 規 模 で 壁 量 及 び 柱 量 が 多 い 建 築 物 を 対 象 とし 地 上 階 及 び 地 下 階 の 鉛 直 部 材 の 断 面 積 から 略 算 的 に 求 めた 水 平 せん 断 強 度 が その 建 築 物 に 求 められる 水 平 耐 力 以 上 であることを 確 認 する なお 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 を 確 保 するため 告 示 ( 建 築 基 準 法 施 行 令 第 36 条 の 2 第 五 号 の 国 土 交 通 省 が 指 定 する 建 築 物 を 定 める 件 ( 平 成 19 年 国 土 交 通 省 告 示 第 593 号 )) 第 二 号 イ(1)に 規 定 する 式 の 右 辺 に 重 要 度 係 数 を 乗 じて 割 増 すものとし 地 下 階 に ついてもこの 式 を 準 用 する また 令 第 82 条 の 6 第 二 号 ロに 規 定 する 式 によって 計 算 した 各 階 の 偏 心 率 が それぞれ 概 ね 10 分 の 3 以 下 であることを 確 認 する (2)ルート 2 は 高 さ 31m 以 下 の 剛 性 及 び 重 量 の 偏 在 が 上 下 水 平 方 向 とも 少 ないこと を 条 件 とし 以 下 の 3 つのルートがある (a)ルート 2-1 は 鉛 直 部 材 の 断 面 積 がルート 1 の 規 定 を 満 たすほど 大 きくないが かなり 大 きな 断 面 積 となる 建 築 物 を 対 象 とし 地 上 階 及 び 地 下 階 の 鉛 直 部 材 の 断 面 積 から 略 算 的 に 求 めた 水 平 せん 断 強 度 が その 建 築 物 に 求 められる 水 平 耐 力 以 上 である ことを 確 認 する なお 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 を 確 保 するため 告 示 ( 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 を 確 かめるために 必 要 な 構 造 計 算 の 基 準 を 定 める 件 ( 昭 和 55 年 建 設 省 告 示 第 1791 号 ) 以 下 告 示 第 1791 号 という ) 第 3 第 一 号 イに 規 定 する 式 の 右 辺 に 重 要 度 係 数 を 乗 じて 割 増 すものとし 地 下 階 についてもこの 式 を 準 用 する (b)ルート 2-2 は 大 きな 開 口 部 を 有 する 壁 や 柱 に 付 いたそで 壁 等 の 多 い 建 築 物 を 対 象 とし 地 上 階 及 び 地 下 階 の 鉛 直 部 材 の 断 面 積 から 略 算 的 に 求 めた 水 平 せん 断 強 度 が その 建 築 物 に 求 められる 水 平 耐 力 以 上 であることを 確 認 する なお 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 を 確 保 するため 告 示 第 1791 号 第 3 第 二 号 イに 規 定 する 式 の 右 辺 に 重 要 度 係 数 を 乗 じて 割 増 すものとし 地 下 階 についてもこの 式 を - 40 -
準 用 する (c)ルート 2-3 は 耐 力 壁 も 含 め 比 較 的 単 純 明 快 な 部 材 配 置 となっていて 構 造 計 算 上 考 慮 していない 壁 の 少 ない 建 築 物 を 対 象 とし 柱 及 び 壁 の 曲 げ 耐 力 がはりの 曲 げ 耐 力 に 対 して 十 分 な 余 裕 を 持 つこと かつ はり 柱 及 び 壁 がせん 断 破 壊 を 生 じないこと を 確 認 する なお 文 教 施 設 の 耐 震 安 全 性 を 確 保 するため 令 第 88 条 に 規 定 する 標 準 せん 断 力 係 数 (C0) 及 び 水 平 震 度 (k)に 重 要 度 係 数 を 乗 じて 割 増 した 地 震 力 により 許 容 応 力 度 計 算 を 行 うものとする (3)ルート 3 は 高 さ 60m 以 下 の 建 築 物 を 対 象 とし 詳 細 は 6 章 による RC 造 の 耐 震 計 算 ルートとしては 塑 性 変 形 能 力 の 仮 定 に 基 づき 所 要 の 耐 震 性 能 を 持 つよ うに 計 算 するルート 3 のほか 高 さ 31m 以 下 を 対 象 としてルート 3 を 簡 略 化 したルート 1 ルート 2-1 ルート 2-2 及 びルート 2-3 の 5 つがある 耐 震 計 算 ルートは 建 築 物 の 張 間 方 向 と 桁 行 方 向 で 異 なってもよいが 階 によって 耐 震 計 算 ルートを 変 えてはならない 従 って 壁 量 剛 性 率 又 は 偏 心 率 の 判 定 において 1 つの 階 のみが 満 足 しない 場 合 でも この 耐 震 計 算 ルートを 採 用 できない また 耐 震 計 算 ルートの 選 定 にあたっては 設 計 者 の 判 断 でより 詳 細 な 耐 震 計 算 ルートを 選 定 してもよい なお 重 要 度 係 数 は 原 則 として 1.25 とする (1)ルート 1 は 機 能 上 必 要 なだけの 柱 や 壁 を 設 けることにより 地 震 動 に 対 する 安 全 性 が 自 ずと 確 保 される 建 築 物 を 対 象 とする なお このルートの 選 定 にあたっては 将 来 の 間 仕 切 の 変 更 や 大 規 模 な 模 様 替 に 十 分 な 配 慮 をする 必 要 がある 地 下 階 については 次 式 による.5αA W + 0.7αA C I Z W1 B D 2 (9.1) ここで α A I, W C 1 Q Q D,A 及 びZ は 告 示 第 593 号 第 二 号 イ(1)による : 重 要 度 係 数 W 1 :1 階 から 上 の 建 築 物 重 量 (N) Q : B D 地 階 の 許 容 応 力 度 計 算 用 せん 断 力 (kn) Q :1 1 D 階 の 許 容 応 力 度 計 算 用 せん 断 力 (kn) - 41 -
偏 心 率 については 法 令 上 規 定 がないが 過 大 なねじれが 生 じないこと 確 認 することと している なお 概 ね 10 分 の 3 以 下 としたのは 例 えば 塔 屋 のある 最 上 階 の 偏 心 率 が 10 分 の 3 を 上 回 る 場 合 で 建 物 全 体 への 影 響 が 小 さい 等 設 計 者 の 工 学 的 判 断 に 委 ねる 余 地 を 残 す ためである (2)ルート 2-1 及 びルート 2-2 は ルート 1 と 同 様 に 建 築 物 のフレキシビリティーに 配 慮 する 必 要 がある また ルート 2-2 は そで 壁 を 有 しない 建 築 物 には 用 いてはならない (a)ルート 2-1 の 地 下 階 については 次 式 による.5αA W + 0.7αA C 0.75 I Z W1 B D 2 (9.2) ここで α A, W C I,W, 1 Q Q D,A 及 びZ は 告 示 第 1791 号 第 3 第 一 号 イによる 1 BQD, 1QD は (9.1) 式 に 同 じ (b)ルート 2-2 の 地 下 階 については 次 式 による.8αA W + 1.8αA C I Z W1 B D 1 (9.3) ここで α A, W C I,W, 1 Q Q D,A 及 びZ は 告 示 第 1791 号 第 3 第 一 号 イによる 1 BQD, 1QD は (9.1) 式 に 同 じ (3) 高 さ 45mを 超 える 建 築 物 については 時 刻 歴 応 答 解 析 を 行 うことが 望 ましい - 42 -
RC 造 の 構 造 計 算 フロー スタート YES 階 数 <2 延 べ 面 積 200m2 構 造 計 算 の 要 否 要 NO 不 要 建 物 重 量 部 材 断 面 壁 量 柱 量 の 算 定 高 さ 60m YES NO 検 証 法 の 選 択 3 許 容 応 力 度 計 算 国 土 交 通 大 臣 が 定 める 構 造 計 算 限 界 耐 力 計 算 時 刻 歴 応 答 解 析 高 さ 20m NO YES 偏 心 率 5 NO 判 断 1 YES 層 間 変 形 角 の 確 認 層 間 変 形 角 1/200 高 さ 31m NO YES 偏 心 率 0.15 剛 性 率 0.6 塔 状 比 4 4 NO YES 判 断 1 強 度 型 1 構 造 規 定 の 選 択 靱 性 型 強 度 型 2 Σ2.5αAw1+Σ0.7αAc +Σ0.7αAw2 I Z W Ai 部 材 のせん 断 設 計 Σ2.5αAw1+Σ0.7αAc+ Σ0.7αAw2 0.75 I Z W Ai 部 材 のせん 断 設 計 Σ1.8αAw1+Σ1.8αAc I Z W Ai 部 材 のせん 断 設 計 じん 性 のある 全 体 崩 壊 メカニズムの 確 保 ( 許 容 応 力 度 計 算 Co 0.2 I) 保 有 水 平 耐 力 の 確 認 Qu I Qun Qun=Ds Fes Qud Qud=Z Rt Ai Co Wi 塔 状 比 >4の 場 合 転 倒 の 検 討 4 ルート1 ルート2-1 ルート2-2 ルート2-3 ルート3 構 造 計 算 適 合 性 判 定 2 大 臣 認 定 エ ン ド 1 判 断 とは 設 計 者 の 設 計 方 針 に 基 づく 判 断 をいい 必 要 に 応 じて より 詳 細 な 検 討 を 行 う 設 計 法 へ 進 むこと 2 ルート1であっても 大 臣 認 定 プログラムを 使 用 した 上 で 電 子 データの 提 出 がなされた 場 合 は 構 造 計 算 適 合 性 判 定 を 行 うこととされている 3 高 さ45mを 超 える 建 築 物 については 原 則 として 時 刻 歴 応 答 解 析 を 行 い 振 動 性 状 を 確 認 する 4 塔 状 比 は 3 以 内 に 留 めることが 望 ましい 5 偏 心 率 は 概 ね0.3 以 下 とする - 43 -
9.2 柱 の 設 計 (1) 柱 は 十 分 なせん 断 力 を 確 保 し 曲 げ 降 伏 が 先 行 するように 設 計 する なお シアスパン 比 が 1 より 小 さい 短 柱 は 原 則 として 設 けない (2) 柱 の 軸 方 向 応 力 度 は 地 震 時 においても コンクリートの 設 計 基 準 強 度 の 1/3 以 下 と する (3) 柱 の 平 均 せん 断 力 応 力 度 は 曲 げ 耐 力 時 においても 3N/mm 2 以 下 とする (4) 耐 震 計 算 ルートをルート 2-3 とした 場 合 の 柱 の 引 張 鉄 筋 比 は 0.8% 以 下 となるよ うに 設 計 する (5) 帯 筋 は 柱 のじん 性 が 確 保 されるように 設 計 し 間 隔 を 10 cm 以 下 ( 主 筋 が D19 以 上 で D13 以 上 の 帯 筋 とする 場 合 は 15 cm 以 下 )とする また 帯 筋 の 形 状 は 原 則 としてスパイラルフープ 又 は 溶 接 フープとする (6) 出 隅 の 柱 は 同 時 に 二 方 向 の 応 力 を 受 ける 部 材 としても 検 討 する また ねじりに よる 応 力 の 影 響 が 大 きい 柱 は 断 面 算 定 にこれを 配 慮 する (1) 柱 のせん 断 破 壊 は 極 めて 脆 性 的 であり 建 物 の 崩 壊 につながる 危 険 性 があるため 曲 げ 降 伏 が 先 行 するように 設 計 する なお シアスパン 比 (M/QD)が 1.0 より 小 さい 場 合 には 多 量 のせん 断 補 強 をしても もろい 破 壊 を 著 しく 改 善 することは 難 しいため このような 短 柱 ( 概 ね h/d 2 の 柱 ) は 原 則 として 設 けない (2) 軸 方 向 力 の 大 きい 柱 は せん 断 や 曲 げの 強 度 は 大 きくなるが 曲 げ 降 伏 後 にせん 断 破 壊 を 生 じやすく じん 性 に 乏 しい 部 材 となる 降 伏 後 のじん 性 を 確 保 するためには 柱 の 軸 方 向 応 力 度 があまり 大 きくならないように 断 面 を 定 める 必 要 があり 地 震 時 においても Fc/3(Fc:コンクリートの 設 計 基 準 強 度 ) 以 下 となるように 設 計 する なお 柱 の 断 面 は 建 築 物 全 体 でできるだけ 統 一 することが 望 ましい (3)せん 断 応 力 度 の 大 きな 柱 は せん 断 破 壊 によって 著 しく 耐 力 が 低 下 する 危 険 性 があり また 帯 筋 が 過 密 状 態 になって 施 工 性 を 損 なう 可 能 性 もあるため 柱 が 曲 げ 降 伏 するとき の 平 均 せん 断 応 力 度 は 3N/mm 2 以 下 となるように 設 計 する (4) 柱 の 引 張 鉄 筋 量 が 多 くなると 付 着 割 裂 破 壊 が 生 じやすくなり じん 性 に 乏 しい 部 材 となる そのため 特 に 建 築 物 の 保 有 水 平 耐 力 を 計 算 しない 代 わりに 柱 よりはりの 降 伏 を 先 行 させ 層 崩 壊 を 防 止 し また 柱 及 びはり 等 に 十 分 な 変 形 能 力 を 持 たせることによっ て 建 築 物 の 耐 震 安 全 性 を 確 保 しようとするルート 2-3 の 場 合 は 引 張 鉄 筋 ( 柱 の 一 辺 に - 44 -
並 ぶ 鉄 筋 ) 断 面 積 のコンクリート 全 断 面 積 に 対 する 割 合 を 0.8% 以 下 とする これは ル ート 3 の Ds を 算 出 するための 引 張 鉄 筋 比 に 関 する 柱 部 材 の 種 別 を FA と 同 等 の 性 能 とし たものである なお 断 面 内 の 主 筋 の 種 類 や 径 は できるだけ 統 一 することが 望 ましい (5) 帯 筋 が 少 ない 場 合 には せん 断 破 壊 が 生 じやすくなるため 耐 震 設 計 ルートに 応 じて 次 の 点 に 留 意 して 設 計 する (a)ルート 2-1 の 柱 のせん 断 補 強 筋 比 は Pw 0.3%とし 構 造 計 算 においてそで 壁 を 無 視 した 柱 については Pw 0.4%とする (b)ルート 2-2 の 柱 のせん 断 補 強 筋 比 は ルート 2-1 に 準 じる (c) ルート 2-3 の 柱 のせん 断 補 強 筋 比 はP w 0.3%とする (d) ルートに 関 係 なく P w >1.2%の 場 合 は 断 面 を 変 更 する (6) 建 築 物 の 出 隅 の 柱 で 耐 力 壁 等 がない 場 合 又 は 不 整 形 な 平 面 形 状 をしていて 架 構 構 面 と 主 軸 が 一 致 しないような 場 合 等 は 二 方 向 の 曲 げを 同 時 に 受 けるものとして 次 式 により 検 討 する ( / M ) ( M / M ) α 1 α + (9.4) M X X0 Y Y0 ここで M M :X Y 方 向 の 作 用 曲 げモーメント(N mm) X X0 Y M M : 軸 力 を 考 慮 した X Y 方 向 の 曲 げ 強 度 (N mm) Y0 α : 一 般 に1<α<2 の 範 囲 にあり 常 時 軸 方 向 力 が 小 さい 時 は 1 に 軸 方 向 力 が 大 きいと 2 に 近 づくといわれている が 原 則 として 1 とする また 隅 柱 でスラブがないような 場 合 かつ はりが 極 端 に 偏 心 している 場 合 には 地 震 時 に 柱 にもねじり 応 力 が 生 じるのでねじり 応 力 の 検 討 を 行 う - 45 -
9.3 はりの 設 計 (1)はりの 断 面 は 常 時 荷 重 によって 障 害 となるひび 割 れが 生 じないように 設 計 する (2)はりの 主 筋 は できるだけつり 合 い 鉄 筋 比 以 下 とし 複 筋 比 は 0.4 以 上 とする また 大 ばりの 主 筋 は 3 本 以 上 とし 端 部 下 端 及 び 中 央 上 端 は それぞれ 中 央 下 端 及 び 端 部 上 端 の 1/2 以 上 の 配 筋 とする (3)はりは 十 分 なじん 性 が 確 保 されるように 設 計 する なお あばら 筋 の 間 隔 は 20 cm 以 下 とする (4)ねじり 応 力 が 大 きくなるはりについては ねじり 応 力 の 検 討 を 行 う (5)はり 貫 通 孔 は できるだけ 応 力 の 小 さい 位 置 に 設 け 有 孔 ばりの 終 局 せん 断 強 度 が 無 開 口 の 場 合 の 終 局 せん 断 強 度 以 上 となるように 補 強 設 計 を 行 う なお 孔 径 ははりせいの 1/3 以 下 孔 間 隔 は 平 均 孔 径 の 3 倍 以 上 とする (1)スパンの 大 きい(10m 程 度 以 上 )はり 及 び 片 持 ばりについては 常 時 荷 重 によって 障 害 となる 過 大 なひび 割 れが 生 じないように 次 式 によって 断 面 の 検 討 を 行 う α w 0 D > l (9.5) Cc b ここで D b :それぞれ はりせい(mm) はり 幅 (mm) l :スパン(mm) w 0 : 積 載 荷 重 を 含 めたはりの 平 均 荷 重 (N/mm) Cc :T 形 ばりは 1.0N/mm 2 長 方 形 ばりは 0.6N/mm 2 α : 両 端 固 定 は 1/16 単 純 支 持 は 1/8 片 持 は 1/2 また はり 幅 は 柱 幅 とのバランスを 考 慮 して 決 定 する - 46 -