携 帯 電 話 付 属 カメラによる 天 文 教 材 作 成 の 可 能 性 と 授 業 への 導 入 の 試 み 学 校 改 善 山 本 昌 邦 Ⅰ はじめに 長 年 小 学 校 の 理 科 の 授 業 を 担 当 してきて 感 じるのは, 児 童 にとって 大 変 興 味 のある 分 野 であるにもかかわらず, 最 も 理 解 しづらい 単 元 は 月 と 星 だということである こ れは 私 だけの 考 えではなく, 同 僚 と 話 していても 同 じような 感 想 を 持 つものも 多 い 指 導 も 難 しい,またどうやって 指 導 すれば 効 果 的 なのかもよくわからないという 教 師 が 多 い 児 童 はというと, 内 容 が 理 解 できている 子 は 授 業 後 の 確 認 テストでいとも 簡 単 に 満 点 を 取 るが, 反 対 に 理 解 が 曖 昧 な 子 どもの 点 数 はほかの 単 元 に 比 べて 驚 くほど 低 いもの となる なぜ, 天 文 教 材 を 扱 った 単 元 ではこのようなことが 起 こるのであろうか 私 なりに 理 由 を 推 察 してみると, 1 2 3 4 対 象 天 体 ( 星 座 )がどこにあるのかわからない 星 座 のかたちがよくわからない 東 西 南 北 の 方 向 や 高 さが 具 体 的 に 言 い 表 せない 夜 空 をどうのように 月 や 星 座 が 動 いていくかイメージできない 等 が 考 えられる その 解 決 策 として, 全 員 を 学 校 に 夜 集 めて 観 測 会 を 行 う, 少 人 数 のクラスの 時 には 一 人 1 枚 ずつ 天 体 写 真 を 撮 影 させるなど, 私 なりに 工 夫 していくつかの 実 践 を 行 ってきた しかし, 天 候 が 左 右 する 天 体 観 測 は, 日 時 をはっきり 指 定 することが 困 難 である 上 に, 小 学 生 を 夜 間 に 長 時 間 学 校 に 集 めるのも 防 犯 上 問 題 点 が 多 い そこで 注 目 したのが, 携 帯 電 話 付 属 カメラである 携 帯 電 話 の 普 及 率 は,ここ 数 年 目 を 見 張 るものがあり, 一 家 で1 台 どころか 今 や 一 人 1 台 のペースとなりつつある また, 携 帯 電 話 の 付 属 カメラの 性 能 も 日 進 月 歩 で, 最 新 モデルのカメラは 何 と500 万 画 素 以 上 の 性 能 を 持 ったものもある 香 西 准 教 授 にアドバイスをいただき,そのカメラを 天 文 教 材 作 成 に 有 効 利 用 できないものかと 考 えたのである 先 行 研 究 として,2004 年 度 には 太 田, 西 野, 香 西 による デジタルカメラによる 天 体 教 材 作 成 の 可 能 性 と, 授 業 へ の 導 入 の 試 み があるが, 今 回, 携 帯 電 話 付 属 カメラを 使 って, 天 文 教 材 の 作 成 の 可 能 性 を 追 求 検 証 していく Ⅱ 天 体 学 習 の 指 導 の 現 状 と 単 元 の 構 成 小 学 校 小 学 校 における 天 体 学 習 は,4 年 生 で 実 施 される - 1 -
第 4 学 年 の 目 標 (3) 月 や 星 の 位 置 の 変 化, 空 気 中 の 水 の 変 化 の 様 子 を 時 間 や 水 の 性 質 と 関 係 付 け ながら 調 べ, 見 いだした 問 題 を 興 味 関 心 を 持 って 追 求 する 活 動 を 通 して, 月 や 星 の 動 き, 水 の 変 化 についての 見 方 や 考 え 方 を 養 う とされている( 文 部 省,1999) この 学 習 では, 月 の 位 置 や 星 の 明 るさや 色 及 びその 位 置 を 調 べ,それらの 動 きや 特 徴 について 考 える 教 科 書 の 単 元 内 容 ( 啓 林 館 )と 時 間 空 を 見 上 げると(1) 夜 空 を 見 よう 2 時 間 空 を 見 上 げると(2) 3 月 と 星 6 時 間 もっと 宇 宙 を 知 りたい! 1 時 間 空 を 見 上 げると(3) 冬 の 夜 空 2 時 間 Ⅲ 研 究 の 概 要 とその 方 法 (1) 携 帯 電 話 附 属 カメラの 調 査 置 籍 校 の4 年 生 保 護 者 に, 現 在 使 用 している 家 族 全 ての 携 帯 機 種 についてアンケ ートを 行 い, 機 種 と 台 数, 画 素 数 の 調 査 を 行 う 携 帯 電 話 に 加 え, デジタルカメラを 持 っている 家 庭 はその 機 種 を 記 入 してもらい, 同 じく 機 種, 台 数, 画 素 数 も 調 査 する (2) 携 帯 電 話 附 属 カメラでの 撮 影 画 素 数 の 違 いによる 天 体 写 真 - 惑 星 ( 木 星 ), 星 座 (さそり 座 ), 月 を130 万 画 素 と300 万 画 素 の 両 機 種 で 撮 影 し, 天 体 教 材 として 活 用 できるかどうか 比 較 検 討 する (3) 携 帯 電 話 附 属 カメラを 利 用 しての 学 習 活 動 例 Ⅳ 携 帯 電 話 付 属 カメラについて 置 籍 校 ( 吉 野 川 市 飯 尾 敷 地 小 学 校 )4 年 生 (41 名 )にお 願 いし, 家 族 全 員 が 所 有 す る 携 帯 電 話 の 機 種 についてアンケートを 行 った アンケートの 設 問 は, 1 家 族 で 持 っている 全 ての 携 帯 電 話 機 種 と,わかれば 付 属 カメラの 画 素 数 2 家 族 で 持 っている 全 ての 出 ず 樽 カメラの 機 種 と,その 画 素 数 の,2 点 について 記 述 式 で 答 えてもらった 記 述 式 ということや, 保 護 者 にとって 関 心 が 低 かったのか, 回 収 数 は 残 念 ながら10 /41であった 集 計 結 果 は 次 のとおりである - 2 -
会 社 名 機 種 所 有 数 画 素 数 DoCoMo SO505iS 1 130 万 画 素 N700i 1 103 万 画 素 N701i 1 125 万 画 素 P702iD 2 130 万 画 素 F703i 1 130 万 画 素 F881iES 1 11 万 画 素 D901iS 2 400 万 画 素 N902iS 1 400 万 画 素 P902iS 1 200 万 画 素 au A5520SA 1 131 万 画 素 W45T 1 324 万 画 素 W51K 1 201 万 画 素 SoftBank 502T 1 131 万 画 素 V603SH 1 202 万 画 素 802N 1 124 万 画 素 Vodafone V603SH 1 202 万 画 素 以 上 の 結 果 から, 1 1 家 庭 あたり, 平 均 1.6 台 の 携 帯 電 話 がある アンケートの 回 収 率 は 悪 いが, おそらくほとんどの 家 庭 に 携 帯 電 話 が1 台 以 上 はあると 推 察 される 2 比 較 的 新 しいと 思 われる 機 種 が 多 く,カメラ 機 能 もハイスペックなものが 多 い 16 台 中 12 台 が130 万 画 素 以 上 であり, 中 には400 万 画 素 の 機 種 もある といえる そこで 今 回 の 撮 影 は, 比 較 的 多 かった130 万 画 素 のカメラと, 最 新 機 種 では 標 準 的 な300 万 画 素 のカメラの2 種 類 を 使 うことにした Ⅴ デジタルカメラの 普 及 率 携 帯 電 話 のアンケートと 同 時 に,どれくらいの 割 合 でデジタルカメラを 所 有 している - 3 -
かについてもアンケートを 行 った 会 社 名 機 種 所 有 数 画 素 数 OLYMPUS C2ズーム 1 200 万 画 素 Canon IXY-DIGITAL30 1 300 万 画 素 IXY-DIGITAL320 1 320 万 画 素 IXY-DIGITAL450 1 400 万 画 素 IXY-DIGITAL800S 1 600 万 画 素 CASIO EX-Z57 1 500 万 画 素 FUJIFILM FinePix A310 1 600 万 画 素 FinePix F10 1 630 万 画 素 Nikon DIX 1 530 万 画 素 デジタルカメラのアンケートからは, 次 のような 点 が 推 察 される 1 10 戸 のアンケート 中, 所 有 台 数 は9 台 ということで, 最 近 はほとんど 一 家 に1 台 デジタルカメラがあると 考 えられる 2 デジタルカメラの 画 素 数 は 予 想 以 上 に 高 く, 最 低 でも200 万 画 素, 最 高 だと6 00 万 画 素 もあり, 平 均 すると400 万 画 素 以 上 となる Ⅵ 撮 影 方 法 (1) 機 種 携 帯 電 話 は, 次 の2 機 種 を 使 用 する *SH903i *クランプで 固 定 したN506iS - 4 -
番 号 会 社 名 機 種 名 画 素 数 シーンプログラム 1 DoCoMo N506iS 130 万 画 素 ノーマル スポーツ 人 物 風 景 夜 景 夜 景 と 人 物 2 DoCoMo SH903i 300 万 画 素 ノーマル スポーツ 人 物 風 景 夜 景 夜 景 と 人 物 (2)シーンプログラム ここでいうシーンプログラムとは, 撮 影 モードを 表 す 両 機 種 とも 数 種 類 のモード を 持 つが, 今 回 の 撮 影 は, 1 ノーマルモード 露 出 時 間 約 1/5 秒 2 夜 景 モード 露 出 時 間 約 3 秒 の,2 種 類 で 撮 影 し 比 較 を 行 った (3) 撮 影 上 の 留 意 点 天 体 写 真 を 撮 影 する 上 で, 何 点 か 配 慮 すべき 点 がある 場 所 の 問 題, 時 間 の 問 題, 対 象 天 体,また 撮 影 上 の 留 意 点 をまとめてみた 1 児 童 が 実 際 に 撮 影 することを 考 え, 光 害 の 影 響 はあるが 安 全 性 を 配 慮 すると, 撮 影 場 所 は 自 宅 に 限 定 した 方 がよい そこで 今 回 の 撮 影 場 所 は, 置 籍 校 の 校 区 にほど 近 い, 児 童 の 自 宅 の 条 件 にほぼ 近 い 鴨 島 町 での 撮 影 を 試 みた 2 撮 影 時 間 は, 小 学 生 の 生 活 時 間 を 考 えるとあまり 遅 い 時 間 になってはいけない 夜 9 時 ぐらいまでに 観 測 できる, 小 学 4 年 生 でも 見 つけやすい 惑 星 や 星 座 を 撮 影 の 対 象 にする 以 上 のような 理 由 で, 今 回 の 対 象 天 体 は, - 5 -
a. 木 星 -2.6 等 星 b.さそり 座 1 等 星 (アンタレス) c. 月 の3 種 類 に 限 定 し, 撮 影 を 試 みた 3 夜 景 モードで 撮 影 すると, 露 出 時 間 は 約 3 秒 となり 手 ぶれが 生 じる 児 童 が 撮 影 する 場 合 は 手 ぶれも 仕 方 ないが, 今 回 は 資 料 ということで, 携 帯 電 話 をクランプで 固 定 してできるだけ 手 ぶれがないように 撮 影 した Ⅶ 画 素 数 別 天 体 別 撮 影 写 真 (1) 木 星 とさそり 座 機 種 名 N506iS(130 万 画 素 ) SH903i(300 万 画 素 ) 写 真 シーン ノーマル ノーマル 撮 影 日 平 成 19 年 6 月 21 日 平 成 19 年 6 月 21 日 * 印 は, 木 星 - 6 -
(2) 参 考 写 真 -デジタルカメラで 撮 影 した 木 星 とさそり 座 機 種 名 CYBER-SHOT(510 万 画 素 ) CYBER-SHOT(510 万 画 素 ) 写 真 シーン ノーマル 夜 景 撮 影 日 平 成 19 年 6 月 21 日 平 成 19 年 6 月 21 日 (3) 月 * 印 は, 木 星 機 種 名 N506iS(130 万 画 素 ) N506iS(130 万 画 素 ) 写 真 シーン ノーマル 夜 景 撮 影 日 平 成 19 年 6 月 21 日 平 成 19 年 6 月 21 日 - 7 -
* 結 果 130 万 画 素,300 万 画 素 の2 機 種 で 撮 影 を 行 ったが,さそり 座 の 撮 影 は 残 念 な がら 十 分 な 結 果 を 得 ることができなかった その 理 由 として, 圧 倒 的 な 露 出 時 間 の 短 さがあげられる 夜 景 モードにしても, 最 長 の3 秒 ではいかにアンタレスが1 等 星 と いえど 撮 影 することはできなかった 同 様 に,500 万 画 素 のデジタルカメラでも 撮 影 を 行 ったが,やはり 夜 景 モードの 短 時 間 露 出 (3 秒 程 度 )では, 木 星 しか 撮 影 できなかった 今 回 使 用 したデジタルカ メラ(SONY CYBERSHOT DSC-W1)は,マニュアル 機 能 がついて いてシャッタースピードが 最 長 30 秒 まで 変 更 できるので, 露 出 時 間 を 延 ばせばかな りの 星 を 撮 影 できると 思 われる 携 帯 電 話 付 属 カメラでは,そこまでの 機 能 は 必 要 な いし, 備 えている 機 種 もまずないと 考 えられる しかし, 月 は130 万 画 素 の 機 種 でも 容 易 に 撮 影 できる 夜 景 モードでなくても, ノーマルの 状 態 できれいに 撮 影 することができた 撮 影 上 大 きな 問 題 点 として 気 づいたことは, 携 帯 電 話 の 液 晶 画 面 では 星 座 が 全 く 確 認 できないことである 月 に 関 しては 容 易 に 確 認 できたし, 木 星 もなんとか 液 晶 画 面 で 見 ることができた しかし,さそり 座 となると1 等 星 のアンタレスでさえどこにあ るのかわからず, 近 くにあった 木 星 を 基 準 に 考 え 撮 影 しなければならなかった 以 上 のことから, 携 帯 電 話 付 属 カメラを 使 用 しての 教 材 づくりとしては, 星 の 写 真 よりも 月 の 方 が 児 童 にとってより 簡 単 に,より 教 材 として 効 果 がある 物 が 作 成 できる と 考 えられる 参 考 までに, 次 の 写 真 はデジタルカメラの 露 出 を5 秒,10 秒,20 秒,30 秒 と 変 えて 撮 影 したものである 露 出 5 秒 10 秒 写 真 撮 影 日 平 成 19 年 7 月 15 日 平 成 19 年 7 月 15 日 - 8 -
露 出 20 秒 30 秒 写 真 撮 影 日 平 成 19 年 7 月 15 日 平 成 19 年 7 月 15 日 Ⅷ 学 習 指 導 例 これまでに 携 帯 電 話 付 属 カメラを 使 って 対 象 天 体 を 変 えたり,いろいろな 条 件 を 変 え て 撮 影 してきたが, 小 学 4 年 生 の 児 童 にとって 最 も 簡 単 に 観 測 でき,カメラで 撮 影 でき るのは 月 だと 考 えた そこでここでは, 月 の 動 き を 中 心 とした 学 習 指 導 例 を 考 えてみたい (1) 月 と 星 1/6 時 間 ねらい 月 を 観 察 しようという 意 欲 をもたせ, 月 を 観 察 した 時 間 や 位 置 を 正 確 に 記 録 する 方 法 を 考 える 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 備 考 1 月 について 知 っていることを 月 の 形 や 動 きについて, 今 話 し 合 う までの 経 験 をもとに 自 由 に 話 し 合 わせる 月 に 対 する 興 味, 関 心 を 引 き 出 し, 月 の 動 きについて 調 べたいという 気 持 ちにさ せる - 9 -
2 月 の 動 きの 記 録 の 仕 方 につい 月 の 動 きがよくわかるよう て 話 し 合 う に 記 録 する 方 法 について 話 観 測 の 仕 方 について, 話 し 合 し 合 わせる う 写 真 で 記 録 できることに 着 * 携 帯 電 話 記 録 用 紙 の 書 き 方 について, 目 させ, 携 帯 電 話 付 属 カメ 話 し 合 う ラでも 撮 影 が 可 能 なことを 知 らせる 方 位, 位 置, 日 時 ( 時 刻 )が * 記 録 用 紙 わかるように 記 録 させる 目 印 になる 建 物 や 山, 電 柱 が 見 える 場 所 を 選 んで, 観 察 させる 興 味 のある 者 には, 携 帯 電 話 付 属 カメラでの 撮 影 方 法 を 指 導 する 大 人 と 一 緒 に 観 察 するよう 指 導 する 安 全 面 や 健 康 面 からも 夜, 遅 くまで 観 測 し ないよう 配 慮 する 3 グループごとに 観 測 の 方 法 を 他 のグループの 観 測 方 法 を 発 表 する 聞 き,すばらしい 点 は 積 極 的 に 取 り 入 れるよう 指 導 す る (2) 月 と 星 2/6 時 間 ねらい 観 測 した 結 果 から, 月 は 絶 えず 動 いていることをとらえることがきる 星 についても 観 測 しようとする 意 欲 を 持 たせる 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 備 考 1 観 測 した 結 果 を 発 表 する それぞれが, 時 間 ごとの 月 * 記 録 用 紙 の 位 置 を 黒 板 上 の 大 きな 記 録 用 紙 に 貼 り 付 ける - 10 -
2 携 帯 電 話 付 属 カメラで 撮 影 し 月 が 時 間 とともに 絶 えず 動 * 写 真 月 の 写 真 を 貼 り 付 ける いていることを 理 解 する 月 の 動 きが,ある 規 則 性 を 持 って 動 いていることに 気 づかせる 3 星 について 知 っていることや 星 座 や 惑 星 について 話 し, 気 づいたことについて, 話 し 合 観 測 したいという 意 欲 を 持 う たせる 今 夜 見 える, 星 座 や 惑 星 を * 星 座 早 見 盤 星 座 早 見 盤 等 で 知 らせる パソコンのソフトを 使 用 し *ステラナビゲーター さらに, 興 味 や 関 心 を 高 め *プロジェクター る *ノートパソコン Ⅸ まとめ 携 帯 電 話 付 属 カメラを 使 って, 児 童 にできるだけ 天 文 教 材 について 理 解 を 深 めてもら いたいと, 今 回 様 々な 角 度 から 研 究 を 進 めてきた 露 出 時 間 の 問 題 や,モニターの 解 像 度 の 問 題 等 があり, 星 座 の 撮 影 には 残 念 ながら 教 材 としての 有 効 性 は 低 かったが, 月 や 惑 星 の 撮 影 には 十 分 に 活 用 できるという 結 論 に 達 した 画 素 数 の 低 い 機 種 では, 惑 星 以 外 の 目 印 になる 山 や 建 物 が 写 りにくいなどまだま だ 問 題 は 多 いが, 自 分 の 手 で 天 体 写 真 を 撮 影 することによって 確 実 に 観 測 した 記 録 が 残 るし,なにより 天 文 学 に 対 して 興 味 関 心 が 湧 くであろうことが 推 察 される 時 間 の 関 係 で, 残 念 ながら 授 業 を 実 際 に 行 うことはできなかったが, 現 場 に 帰 った 時 には,さら に 機 能 が 充 実 しているであろう 携 帯 電 話 付 属 カメラを 使 って, 月 と 星 の 単 元 を 児 童 によりわかりやすく,より 楽 しい 授 業 になるよう 工 夫 していきたいと 考 えている なお, 本 課 題 研 究 を 行 うにあたり, 香 西 武 准 教 授 に 指 導, 助 言 をいただいたので, 記 して 感 謝 する * 参 考 文 献 文 部 省,1999, 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 理 科 編, 東 洋 館 出 版 太 田 新 吾, 西 野 孝, 香 西 祥,2004,デジタルカメラによる 天 体 教 材 作 成 の 可 能 性 と, 授 業 への 導 入 の 試 み,2004 年 度 教 育 課 題 探 究 ( 理 科 ) 研 究 集 録 - 11 -