Economic Trends マクロ 経 済 分 析 レポート テーマ:エンゲル 係 数 から 見 た 食 品 値 上 げの 影 響 発 表 日 :7 年 月 6 日 ( 火 ) ~ 家 計 負 担 増 +6,79 円 / 年 や 輸 入 増 を 通 じて 名 目 GDP 9,55 億 円 押 下 げ~ 第 一 生 命 経 済 研 究 所 経 済 調 査 部 担 当 永 濱 利 廣 (3-5-453) ( 要 旨 ) 総 務 省 家 計 調 査 によると エンゲル 係 数 ( 一 世 帯 当 たりの 消 費 支 出 全 体 に 占 める 食 料 の 割 合 ) がこのところ 上 昇 傾 向 にある 今 回 の 上 昇 の 特 徴 は 食 糧 品 価 格 の 上 昇 が 食 料 費 の 支 出 拡 大 につ ながっていることである 家 計 の 収 入 が 増 える 中 で 食 料 費 も 増 加 しているのであれば エンゲル 係 数 の 上 昇 を 生 活 水 準 の 低 下 と 一 概 には 決 め 付 けられない しかし このところの 雇 用 者 所 得 (= 就 業 者 数 一 人 当 たり 賃 金 )は 一 人 当 たり 賃 金 の 減 少 により 上 昇 幅 を 縮 小 させている 6 年 ~7 年 8 月 時 点 で 食 料 費 価 格 は+.8% 上 昇 しており これにより 平 均 的 家 計 では 年 額 6,79 円 の 負 担 増 となっている 一 方 企 業 における 食 料 品 の 価 格 転 嫁 動 向 を 見 ると 食 料 品 の 投 入 価 格 が 高 騰 を 続 けている 一 方 食 料 品 の 産 出 価 格 や 小 売 価 格 の 上 昇 は 緩 やかである これは バイオ 燃 料 や 新 興 大 国 の 食 糧 需 要 の 拡 大 により 穀 物 などの 原 材 料 価 格 が 高 騰 する 一 方 で 企 業 が 投 入 価 格 上 昇 分 の 一 部 しか 産 出 価 格 に 転 嫁 できていないことを 意 味 している 6 年 以 降 の 食 料 品 価 格 の 上 昇 により 食 料 品 支 出 は 実 質 で 3,79 億 円 (.9%) 名 目 で 335 億 円 (.%) 押 下 げられたことになる これに 食 料 品 輸 入 金 額 の 増 加 などの 影 響 を 加 えれ ば 今 回 の 食 料 品 価 格 上 昇 により 実 質 GDPは 3,79 億 円 (.%) 名 目 GDPは 9,55 億 円 (.%) 程 度 押 し 下 げられているものと 試 算 される 結 果 としてエンゲル 係 数 上 昇 は 食 料 品 価 格 の 上 昇 に 伴 い 家 計 が 食 料 費 の 支 出 増 を 余 儀 なくされ ることで 食 料 費 以 外 の 出 費 が 抑 制 されるという 家 計 の 厳 しい 姿 を 反 映 したものと 考 えることが できる 今 後 も バイオ 燃 料 や 新 興 大 国 の 食 糧 需 要 拡 大 に 伴 う 穀 物 高 により 企 業 が 価 格 転 嫁 を 続 ける 一 方 でマクロ 賃 金 の 低 迷 が 続 けば 更 なる 生 活 水 準 の 低 下 を 示 す 形 でエンゲル 係 数 は 上 昇 を 続 けることが 想 定 される 食 料 費 の 増 加 により 上 昇 するエンゲル 係 数 総 務 省 家 計 調 査 ( 全 世 帯 ) によると 一 世 帯 当 たりの 消 費 支 出 全 体 に 占 める 食 費 の 割 合 を 示 すエ ンゲル 係 数 がこのところ 上 昇 基 調 にある( 資 料 ) 年 にかけてもエンゲル 係 数 は 上 昇 基 調 にあった しかし 当 時 はITバブルの 崩 壊 に 伴 う 景 気 悪 化 や 株 価 下 落 等 により 全 体 の 消 費 支 出 が 食 料 費 の 落 ち 込 みを 上 回 る 減 少 を 示 したことによる 上 昇 だった( 資 料 ) これに 対 し 今 回 は 全 体 の 消 費 支 出 が 減 少 する 中 で 本 来 変 動 の 少 ないとされる 基 礎 的 消 費 の 中 心 である 食 料 費 が 増 加 することに より 上 昇 している エンゲル 係 数 は 国 際 的 にその 国 に 住 む 人 々の 生 活 レベルを 測 る 指 標 となっており 一 般 にエンゲル 係 数 が 低 いほど 生 活 レベルが 高 いことになる そこで 本 稿 では 足 元 のエンゲル 係 数 が 上 昇 している 背 景 について 分 析 し エンゲル 係 数 の 上 昇 が 我 が 国 の 生 活 レベルの 低 下 を 示 しているのかどうかについて
考 察 する 3.5 3.4 3.3 3. 3. 3.9.8.7.6.5 資 料 エンゲル 係 数 の 推 移 農 林 漁 家 含 年 月 年 7 月 年 7 月 3 年 7 月 4 年 7 月 5 年 7 月 6 年 7 月 ( 出 所 ) 総 務 省 家 計 調 査 7 年 7 月..5. -.5...5..5-4. 資 料 消 費 支 出 と 食 料 費 消 費 支 出 食 料 費 ( 出 所 ) 総 務 省 家 計 調 査 エンゲル 係 数 上 昇 の 主 因 は 食 料 品 の 値 上 げ 食 料 費 の 増 加 によりエンゲル 係 数 が 上 昇 しているのは このところ 食 料 品 価 格 が 上 昇 していること が 原 因 である( 資 料 3) 食 料 費 が 増 加 している 要 因 を 見 るべく 食 料 費 の 前 年 比 を 数 量 要 因 と 価 格 要 因 に 寄 与 度 分 解 してみ ると 年 のエンゲル 係 数 上 昇 時 には 食 料 費 の 押 し 上 げ 要 因 となった 数 量 要 因 が 今 回 のエンゲル 係 数 上 昇 局 面 では 押 し 下 げ 要 因 を 続 けていることが 分 かる( 資 料 4) このような 動 きは このところ 食 料 品 の 値 上 げにより 家 計 は 数 量 を 減 らして 食 費 を 節 約 しているが 生 活 上 の 必 需 性 から 支 出 が 増 えてしまっていることを 示 唆 しているといえよう.5 -.5 資 料 3 消 費 者 物 価 の 前 年 比 食 料 費 帰 属 家 賃 除 く 総 合 ( 出 所 ) 総 務 省 消 費 者 物 価 指 数.5 -.5.5.5 資 料 4 食 料 費 ( 前 年 比 )の 寄 与 度 分 解 価 格 要 因 数 量 要 因 食 料 費 ( 出 所 ) 総 務 省 家 計 調 査 消 費 者 物 価 指 数 ただ 家 計 の 収 入 が 増 える 中 で その 増 えた 分 の 収 入 で 食 料 費 が 増 えているのであれば エンゲル 係 数 の 上 昇 を 生 活 水 準 の 低 下 と 一 概 には 決 めつけられない しかし 現 実 は 必 ずしもそうした 状 況 に はなっていない 総 務 省 労 働 力 調 査 と 厚 生 労 働 省 毎 月 勤 労 統 計 を 用 いて 雇 用 者 所 得 ( 就 業 者 数 一 人 当 たり 賃 金 )の 前 年 比 の 状 況 を 見 てみれば 一 人 当 たり 賃 金 の 減 少 により 6 年 以 降 はむ しろ 上 昇 率 を 縮 小 させており 直 近 7 年 8 月 までの 年 間 では 前 年 比 +.%にまで 伸 び 率 が 低 下 している( 資 料 6) 従 って 足 元 のエンゲル 係 数 の 上 昇 は 毎 月 の 収 入 のうち 生 活 上 必 需 性 の 高 い 食 料 費 を 除 き 支 出 できる 部 分 が 確 実 に 減 少 していることを 意 味 しているといえる なお 食 料 品 の 値 上 げが 相 次 いでいる 要 因 としては バイオ 燃 料 需 要 の 拡 大 による 穀 物 価 格 の 上 昇 新 興 大 国 を 中 心 とした 世 界 の 食 料 需 要 拡 大 3 円 安 による 輸 入 金 額 の 上 昇 4 原 油 高 による 輸 送 コスト 上 昇 等 が 指 摘 できる
.5 -.5.5.5-4 資 料 5 消 費 支 出 ( 前 年 比 )の 寄 与 度 分 解 価 格 要 因 数 量 要 因 食 料 費 ( 出 所 ) 総 務 省 家 計 調 査 消 費 者 物 価 指 数 -4-5 資 料 6 伸 び 鈍 化 するマクロ 賃 金 前 年 比 就 業 者 一 人 当 たり 賃 金 マクロ 賃 金 ( 出 所 ) 厚 生 労 働 省 毎 月 勤 労 統 計 総 務 省 労 働 力 調 査 エンゲル 係 数 上 昇 は 家 計 の 苦 しい 懐 事 情 を 反 映 実 際 家 計 の 食 料 費 負 担 が 増 加 している 状 況 は 家 計 の 項 目 別 収 入 動 向 の 変 化 から 窺 える 食 料 品 価 格 が 上 昇 しはじめた 6 年 以 降 の 家 計 消 費 支 出 を 費 目 別 に 見 ると 消 費 支 出 が 年 額 で 3,754 円 減 少 する 中 で 食 料 費 の 支 出 が 同 +338 円 増 加 していることが 分 かる 一 方 食 料 品 の 価 格 は 7 年 8 月 時 点 でボトムから+.8% 上 昇 している 従 って 6 年 4 月 時 点 における 平 均 的 家 計 の 食 料 費 出 費 額 が 68,43 円 であることからすれば 食 料 品 価 格 上 昇 による 家 計 の 負 担 増 加 額 は 年 平 均 + 6,79 円 となる つまり 家 計 は 食 料 品 の 値 上 げなどを 通 じて 食 料 品 の 量 を 同 6,453 円 分 減 らした が 実 際 には 食 料 品 の 価 格 上 昇 により+6,79 円 分 の 負 担 増 となったことになる これは 食 料 品 の 価 格 が 上 昇 しても 食 料 品 の 購 入 量 を 減 らすのには 限 度 があるため 食 料 費 の 負 担 が 高 まらざるをえな いことを 示 唆 している こうした 経 路 を 通 じて 食 料 費 の 負 担 が 増 えるとその 分 消 費 支 出 が 抑 制 され るという 悪 循 環 が 生 まれているものと 思 われる 一 方 製 造 業 の 投 入 産 出 物 価 の 動 向 からは 食 料 品 価 格 の 上 昇 を 企 業 が 製 品 価 格 に 転 嫁 し 切 れてい ない 苦 しい 状 況 が 裏 付 けられる 近 年 の 食 料 品 の 物 価 を 投 入 産 出 別 に 見 ると 産 出 価 格 が 3 年 後 半 以 降 緩 やかな 上 昇 傾 向 にある 一 方 で 投 入 価 格 は 急 激 な 上 昇 傾 向 にある( 資 料 7) これは バ イオ 燃 料 や 世 界 的 な 食 料 需 要 の 拡 大 により 穀 物 等 の 原 材 料 価 格 が 高 騰 しているが 企 業 が 投 入 価 格 の 上 昇 分 の 一 部 しか 産 出 価 格 に 転 嫁 できていないことを 意 味 する そして 投 入 価 格 の 上 昇 は 食 料 品 製 造 業 のコスト 増 であることから 産 出 価 格 に 転 嫁 し 切 れていないことは 企 業 収 益 の 押 し 下 げ 要 因 とな る また 価 格 転 嫁 の 動 向 を 食 料 品 製 造 業 の 産 出 価 格 と 小 売 価 格 の 間 で 見 ても 産 出 価 格 については 6 年 後 半 以 降 上 昇 ペースが 速 まっている 一 方 で 小 売 価 格 は 7 年 以 降 になって 漸 く 上 昇 ペース が 早 まっていることがわかる( 資 料 8) 従 って 食 料 品 価 格 はこれまでの 値 上 げペースの 加 速 を 受 けてやや 転 嫁 が 進 みつつあるが 依 然 として 転 嫁 度 合 いは 不 十 分 であることからすれば 今 後 も 小 売 価 格 への 転 嫁 が 徐 々に 進 んでいく 可 能 性 が 高 いといえよう ( 年 =) 資 料 7 食 料 品 の 投 入 価 格 と 産 出 価 格 5 差 ( 右 ) 投 入 5 産 出 95 9 年 月 年 7 月 年 月 年 7 月 年 7 月 3 年 7 月 4 年 7 月 5 年 7 月 6 年 7 月 7 年 7 月 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 製 造 業 部 門 別 投 入 産 出 物 価 指 数 8 6 4 ( 年 =) 資 料 8 食 料 品 の 産 出 価 格 と 小 売 価 格 差 ( 右 ) 産 出 小 売 99 98 97 96 95 年 月 年 7 月 年 月 年 7 月 年 7 月 3 年 7 月 4 年 7 月 5 年 7 月 6 年 7 月 7 年 7 月 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 製 造 業 部 門 別 投 入 産 出 物 価 指 数 3.5.5 -.5.5
こうした 企 業 側 の 価 格 転 嫁 ニーズと 家 計 の 苦 しい 懐 事 情 を 映 じた 食 料 需 要 の 減 少 のバランス 度 合 いで 食 料 品 の 値 上 げペースが 決 まり 今 後 もエンゲル 係 数 の 上 昇 は 続 くものと 思 われる 食 料 品 価 格 上 昇 で 実 質 GDP 3,79 億 円 名 目 GDP 9,55 億 円 減 以 上 を 踏 まえて 食 料 品 価 格 の 上 昇 がマクロ 経 済 に 及 ぼす 影 響 を 見 ることにする 足 元 では バイ オ 燃 料 や 新 興 大 国 の 食 糧 需 要 拡 大 による 穀 物 価 格 の 高 騰 を 受 けた 企 業 の 価 格 転 嫁 行 動 顕 在 化 により 消 費 者 物 価 指 数 の 食 料 品 価 格 は 6 年 以 降 +.8% 上 昇 しており 同 時 期 の 実 質 家 計 食 料 品 消 費 は 同.8% 減 少 している そこで 食 料 品 消 費 関 数 を 推 計 し 値 上 げ 分 の 影 響 を 抽 出 すれば 実 質 家 計 食 糧 品 消 費 は+% 価 格 が 上 昇 すると 消 費 が.% 減 少 するという 関 係 がある( 注 ) 従 って 6 年 以 降 の 食 料 品 価 格 +.8% 上 昇 により 実 質 食 料 品 消 費 は.9% 名 目 食 料 品 消 費 は.% 押 し 下 げられていることになる これを 世 帯 当 たりの 年 額 に 換 算 すれば 実 質 で 7,466 円 名 目 で 677 円 の 食 料 品 消 費 押 し 下 げ 効 果 となる これにマクロの 世 帯 数 49,566,35(5 年 国 勢 調 査 )を 乗 じれば 食 料 品 値 上 げによる 家 計 の 負 担 増 は+7,839 億 円 となり この 影 響 でマクロの 食 料 費 支 出 が 名 目 で 335 億 円 (.%) 実 質 で 3,79 億 円 (.9%) 押 し 下 げられていることになる 一 方 食 料 品 価 格 の 高 騰 は 輸 入 にも 影 響 を 及 ぼしている 通 関 統 計 によれば 4 年 以 降 の 食 料 品 輸 入 は 金 額 で+8.% 数 量 で+.%の 増 加 となっている そこで 食 料 品 輸 入 関 数 を 推 計 し 価 格 上 昇 分 の 影 響 を 抽 出 すると 実 質 食 料 品 輸 入 は 統 計 的 に 価 格 と 明 確 な 関 係 がないことがわかる( 注 ) 従 って 4 年 以 降 の 食 料 品 価 格 上 昇 により 名 目 食 料 品 輸 入 金 額 は+8.% 押 し 上 げられた ことになる これを 金 額 に 換 算 すれば+9,8 億 円 の 輸 入 金 額 押 し 上 げ 効 果 となる 以 上 の 影 響 を 合 算 すれば 最 終 的 に 食 料 品 価 格 の 上 昇 により 実 質 GDPが 3,79 億 円 名 目 GD Pが 9,55 億 円 程 度 押 し 下 げられているものと 推 測 される 資 料 9 食 料 品 価 格 上 昇 が 日 本 経 済 に 及 ぼした 影 響 食 料 品 食 料 品 GDP 消 費 輸 入 名 目 億 円 35 9,8-9,55 % -. 8. -. 実 質 億 円,79,79 % -.9 -. ( 出 所 ) 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 財 務 省 貿 易 統 計 総 務 省 家 計 調 査 消 費 者 物 価 指 数 などより 第 一 生 命 経 済 研 究 所 試 算 ( 注 ) 実 質 食 料 品 消 費 関 数 : 推 計 期 間 年 月 7 年 8 月 決 定 係 数 =.78 Log( 実 質 食 料 品 消 費 )=.3+.7*Log( 実 質 可 処 分 所 得 ).*Log( 食 料 品 物 価 指 数 ) (.54)(3.779) (.948) ( 注 ) 実 質 食 料 品 輸 入 関 数 : 推 計 期 間 年 月 7 年 8 月 決 定 係 数 =.73 Log( 実 質 食 料 品 輸 入 )=3.94+.79*Log( 実 質 食 料 品 消 費 )+.3*Log( 食 料 品 輸 入 価 格 指 数 ) (.63)(6.76) (.73) データは 後 方 ヶ 月 移 動 平 均 消 費 と 可 処 分 所 得 データは 農 林 漁 家 世 帯 含 む 勤 労 者 世 帯 を 使 用
エンゲル 係 数 は 更 なる 生 活 水 準 の 低 下 を 反 映 以 上 の 状 況 を 勘 案 すれば 足 元 のエンゲル 係 数 の 上 昇 は 食 料 品 価 格 の 上 昇 に 伴 い 家 計 が 食 料 品 の 支 出 増 を 余 儀 なくされることで 食 料 費 以 外 の 出 費 が 制 約 されるという 家 計 の 厳 しい 姿 を 反 映 したも のと 思 われる 従 って 足 元 のエンゲル 係 数 の 高 まりは 一 般 的 な 定 義 通 り 我 が 国 家 計 の 生 活 水 準 の 低 下 を 示 しているものと 思 われる 先 行 きを 展 望 すれば 雇 用 者 所 得 が 食 料 品 の 価 格 上 昇 を 上 回 って 増 加 しない 限 り エンゲル 係 数 は 上 昇 を 続 ける 可 能 性 が 高 い それは 分 母 である 家 計 の 消 費 支 出 が 低 迷 することが 予 想 されるからだ 既 に 消 費 マインドは 低 迷 する 株 価 などの 影 響 を 受 けて 春 先 以 降 急 激 に 低 下 している 所 得 も 賃 金 の 低 迷 が 続 いていることに 加 え 住 民 税 引 き 上 げや 年 金 保 険 料 引 き 上 げ 等 による 負 担 増 から 家 計 の 所 得 環 境 は 更 に 悪 化 することが 予 想 される こうなれば 家 計 は 引 き 続 き 食 料 費 以 外 の 出 費 を 節 約 する 必 要 性 が 出 てくるであろう 一 方 企 業 側 も 投 入 コストの 転 嫁 が 道 半 ばであることから 食 料 品 の 値 上 げに 拍 車 がかかるであろう これが 更 なる 家 計 の 食 料 費 を 高 め 消 費 支 出 に 占 める 食 料 費 の 割 合 は 更 に 高 まる こうしたエンゲル 係 数 の 上 昇 には 我 が 国 の 生 活 水 準 の 低 下 が 更 に 深 刻 になるシグナル として 注 意 が 必 要 だ